JP4585282B2 - タンブルシート - Google Patents

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本発明は、シートクッションとフロアとの間に設けられたヒンジ機構により、前記シートクッションが前記フロアに対して回転可能に設けられたタンブルシートに関する。
車両に設けられるシートのなかで、シートクッションとフロアとの間に設けられたヒンジ機構により、シートクッションがフロアに対して回転して起立し、荷室スペースを拡大したり、3列目シートへの乗降性を向上させたりするタンブルシートと呼ばれるものがある(例えば、特許文献1参照)。
タンブルシートに用いられるヒンジ機構を図7を用いて説明する。図において、シート1は着座者の臀部を支持するシートクッション3と、着座者の背部を支持するシートバック5とからなっている。なお、本例においては、シートバック5は図示しないリクライニング機構により、シートクッション3に対して傾動可能となっている。
フロアFとシート1のシートクッション3との間には、シートクッション3がフロアFに対して回転可能とするヒンジ機構7が設けられている。ヒンジ機構7は、フロア側に設けられたロアタンブル9と、シートクッション3の下面に設けられたアッパタンブル11と、ロアタンブル9,アッパタンブル11を挿通するヒンジピン13とからなっている。
更に、アッパタンブル11の周縁には、ストッパ部15が形成され、ロアタンブル9には、ストッパ部15が当接可能なストッパピン17が設けられている。
図7に示す状態は、シートクッション3の座面がフロアFと略平行で着座可能な状態である。この状態からシートクッション3側に設けられたアッパタンブル11のストッパ部15がフロアF側に設けられたロアタンブル9のストッパピン17に当接し、シートクッション3がフロアFに対して起立した状態(タンブル状態)になるまで、シートクッション3をヒンジピン13を中心に矢印A方向に回転させることが可能である。尚、本明細書では、着座可能状態からシートクッション3が回転した角度をタンブル角という。
実開昭55−4781号公報(第1図)
図7に示すような構成のタンブルシートをフロアFに取り付ける場合、ヒンジ機構7のロアタンブル9は、ポイントB,ポイントCからボルト等でフロアFに取り付けられる。
しかし、シートクッションをタンブル状態にしても、そのタンブル角によっては、ポイントB,ポイントCに工具が入らない場合があり、フロアFとロアタンブル9との間にブラケットを設けて斜めから工具が入るようにしたり、ポイントB,ポイントCの位置を工具が入る箇所に変更したりしなければならない場合があった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、その課題は、フロアに対する取り付けが容易なタンブルシートを提供することにある。
上記課題を解決する請求項1に係る発明は、シートクッションとフロアとの間に設けられたヒンジ機構により、前記シートクッションが前記フロアに対して回転可能に設けられたタンブルシートにおいて、前記フロア側、前記シート側のうちの一方の側に設けられた第1ストッパ部と、前記フロア側、前記シート側のうちの一方の側に設けられ、前記ヒンジ機構の回転中心を中心とした円の円周方向において、前記第1ストッパ部と異なる位置の第2ストッパ部と、前記フロア側、前記シート側のうちの他方の側に移動可能に設けられたタンブルストッパと、前記第1ストッパ部にのみ当接し、前記シートクッションの回転を禁止する第1位置、前記第2ストッパ部にのみ当接し、前記シートクッションの回転を禁止する第2位置に前記タンブルストッパを案内するガイド手段と、前記タンブルストッパを前記ガイド手段の第1位置、第2位置に保持する保持手段と、を有することを特徴とするタンブルシートである。
保持手段によりタンブルストッパが第1位置にあるときには、タンブルストッパと第1ストッパ部とが当接するまで、シートクッションはフロアに対して回転可能である。また、保持手段によりタンブルストッパが第2位置にあるときには、タンブルストッパと第2ストッパ部とが当接するまで、シートクッションはフロアに対して回転可能である。
請求項2に係る発明は、前記ガイド手段は、一端部側が前記タンブルストッパの第1位置、他端部側が前記タンブルストッパの第2位置、中間部が折曲した略「く」字形で、前記タンブルストッパが移動可能に係合するガイド溝であり、前記保持手段は、前記フロア側、前記シート側の他方の側に一端部が係止され、他端部が前記タンブルストッパに押接し、前記略「く」字形のガイド溝の中間部から端部側に向かって前記タンブルストッパを付勢する1つの弾性体であることを特徴とする請求項1記載のタンブルシートである。
タンブルストッパがガイド手段の第1位置にある場合、弾性体の付勢力に抗して、タンブルストッパを移動させると、タンブルストッパはガイド手段の第2位置まで移動する。また、タンブルストッパがガイド手段の第2位置にある場合、弾性体の付勢力に抗して、タンブルストッパを移動させると、タンブルストッパはガイド手段の第1位置まで移動する。
請求項3に係る発明は、前記弾性体は、一端部が前記フロア側、前記シート側の他方の側に係止され、他端部が前記タンブルストッパに当接するトーションバーであることを特徴とする請求項2記載のタンブルシートである。
請求項1〜請求項3に係る発明によれば、第1ストッパ部と第2ストッパ部とは、ヒンジ機構の回転中心を中心とした円の円周方向において、異なる位置にあるので保持手段を解除することにより、タンブル角が異なった2つタンブル状態を得ることができる。すなわち、通常使用時のタンブル角より大きなタンブル角を設定することができ、タンブルシートのフロアに対する取り付けが容易となる。
請求項2に係る発明によれば、1つのタンブルストッパと、1つのガイド溝と、1つの弾性体とで保持手段を構成することができ、保持手段の構成が簡単となる。
請求項3に係る発明によれば、前記弾性体は、一端部が前記フロア側、前記シート側の他方の側に係止され、他端部が前記タンブルストッパに当接するトーションバーであることにより、取り付けが容易で、耐久性があり、付勢力の変更も容易にできる。
最初に、図1を用いて本実施の形態例のシートの全体構成を説明する。シート51は着座者の臀部を支持するシートクッション53と、着座者の背部を支持するシートバック55とからなっている。なお、本例においては、シートバック55はリクライニング機構56により、シートクッション53に対して傾動可能となっており、図1に示す状態は、シートクッション53は着座可能な状態にあり、シートバック55がシートクッション53上まで倒れこんだ状態を示している。
フロアFとシート51のシートクッション53前部との間には、シートクッション53がフロアFに対して回転可能とするヒンジ機構57が設けられている。ヒンジ機構57は、フロア側に設けられたロアタンブル59と、シートクッション53前部の下面に設けられたアッパタンブル61と、ロアタンブル59,アッパタンブル61を挿通するヒンジピン63とからなっている。
また、フロアFとシート51のシートクッション53後部との間には、ロック機構101が設けられている。
ここで、図1のロック機構の拡大図である図5を用いてロック機構101の説明を行う。フロアF上には、ストライカ109が設けられている。シートクッション53後部下面には、カバーブラケット103が設けられている。このカバーブラケット103には、ピン105を用いてフック107が回転可能に設けられている。フック107には、ロック突起107bと、フロアFに設けられたストライカ109が係合可能なロック溝107aとが形成されている。
フック107に隣接して、フック107のロック突起107bに係脱可能なロック突起111aを有するラチェット111が配置されている。このラチェット111は、カバーブラケット103に回転可能に設けられたピン113に固着されている。
フック107は、図示しないスプリングにより、図5において矢印D方向へ付勢されている。
ラチェット111が固着されたピン113には、リンク115が固着され、ラチェット111とリンク115とは一体となって回転するようになっている。さらに、図示しないスプリングによって、ラチェット111とリンク115とは図において矢印E方向に付勢されている。また、リンク115の回転端部側には、ピン121が設けられ、このピン121は図示しないロック解除操作レバーにワイヤを介して接続されている。
次に、図1のヒンジ機構57部分の拡大図である図2を用いて、ヒンジ機構57を説明する。アッパタンブル61には、第1ストッパ部71と、ヒンジ機構57の回転中心であるヒンジピン63を中心とした円の円周方向、半径方向において、第1ストッパ部71と異なる位置の第2ストッパ部73とが形成されている。
一方、ロアタンブル59には、ガイド手段としての略「く」字形のガイド溝81が形成され、このガイド溝81には、タンブルストッパ83が移動可能に係合している。タンブルストッパ83がガイド溝81の一方の端部である第1位置81aに位置するときには、着座可能状態のシートクッション53がタンブル状態に向かって回転すると、アッパタンブル61の第1ストッパ部71がタンブルストッパ83に当接するように、また、タンブルストッパ83がガイド溝81の他方の端部である第2位置81bに位置するときには、着座可能状態のシートクッション53がタンブル状態に向かって回転すると、アッパタンブル61の第2ストッパ部73がタンブルストッパ83に当接するように、ガイド溝81は形成されている。
保持手段により、タンブルストッパ83は、ガイド溝81の第1位置81a、第2位置81bにそれぞれ保持される。本形態例では、以下のような構成の保持手段を用いた。
ロアタンブル59には、2つのトーションバー係止穴85,87が形成されている。そして、一端部がトーションバー係止穴85,87に係止され、他端部がタンブルストッパ83に押接して、略「く」字形のガイド溝81の中間部81cから端部側である第1位置81a,第2位置81bに向かってタンブルストッパ83を付勢する1つの弾性体としてのトーションバー89が設けられている。
このような構成の保持手段において、通常は、トーションバー89の付勢力により、タンブルストッパ83は、ガイド溝81の第1位置81aまたは第2位置81bに位置している。トーションバー89の付勢力に抗してタンブルストッパ83をガイド溝81に沿って移動させることにより、タンブルストッパ83は、ガイド溝81の中間部81cを介して第1位置81aと第2位置81bとの2つの位置間を移動可能となっている。
次に、上記構成の作動を説明する。図1に示す状態は、ロック機構101がロック状態にあり、シート51は図1において、矢印G方向への回転が禁止されている。シートクッション53は着座可能な状態にある。また、タンブルストッパ83はトーションバー89の付勢力によりガイド溝81の第1位置81aにある。
このときのロック機構101は、図5に示すように、シートクッション53側のフック107のロック溝107aにフロアF側のストライカ109が係合している。更に、フック107のロック突起107aがラチェット111のロック突起111aに係合し、フック107が矢印D方向、ラチェット111が矢印E方向にそれ以上回転するが禁止された状態(ロック状態)にある。
ここで、図示しないロック解除操作レバーを操作して、リンク115、ラチェット111を図5において矢印E方向に回転させると、フック107のロック突起107aとラチェット111のロック突起111aとの係合が解除される。
フック107は矢印D方向に回転し、図6に示すようなストライカ107aとフック107のロック溝107aとの係合が解除可能な状態(ロック解除状態)となり、シートクッション53は図1において、矢印G方向に回転可能となる。
シートクッション53を矢印G方向、すなわち、タンブル状態に向かって回転すると、図3に示すように、アッパタンブル61の第1ストッパ部71がタンブルストッパ83に当接してそれ以上の回転が禁止される。
また、タンブルストッパ83がガイド溝81の第2位置81bにある場合、図4に示すように、アッパタンブル61の第2ストッパ部73がタンブルストッパ83に当接し、図3に示す状態よりも大きなタンブル角で、それ以上の回転が禁止される。
図3または図4に示す状態からシートクッション53を矢印G方向と反対方向に回転させると、ロック機構100のフック107のロック溝107aにストライカ109が当接し、フック107が矢印D方向と反対方向に回転し、図1に示す状態に復帰する。
このような構成によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1) アッパタンブル61に設けられた第1ストッパ部71と第2ストッパ部73とは、ヒンジ機構57の回転中心であるヒンジピン63を中心とした円の円周方向において、異なる位置にあるので、図3、図4に示すように、タンブル角が異なった2つタンブル状態を得ることができる。すなわち、通常使用時(図3の状態)のタンブル角より大きなタンブル角(図4の状態)を設定することができ、工具等が入るスペースが大きくなり、シート51のフロアFに対する取り付けが容易となる。
(2) 1つのタンブルストッパ83と、1つのガイド溝81と、1つの弾性体であるトーションバー89とで保持手段を構成することができ、保持手段の構成が簡単となる。
(3) 弾性体としてトーションバー89を用いたことで、取り付けが容易で、耐久性があり、付勢力の変更も容易にできる。
尚、本発明は上記形態例に限定するものではない。上記形態例では、アッパタンブル61側に第1ストッパ部71、第2ストッパ部73を設け、ロアタンブル59側にタンブルストッパ83を設ける例で説明を行ったが、逆に、アッパタンブル61側にタンブルストッパを設け、ロアタンブル59側に第1ストッパ部、第2ストッパ部を設けるようにしてもよい。
実施の形態例のシートの全体構成を示す図である。 図1のヒンジ機構部分の拡大図である。 図1の作動を説明する図である。 図1の作動を説明する図である。 図1のロック機構(ロック状態)の拡大図である。 図5において、ロック機構がアンロック状態を示す図である。 従来のタンブルシートに用いられるヒンジ機構を説明する図である。
符号の説明
53 シートクッション
57 ヒンジ機構
63 ヒンジピン
71 第1ストッパ部
73 第2ストッパ部
81 ガイド溝(ガイド手段)
81a 第1位置
81b 第2位置
83 タンブルストッパ
89 トーションバー

Claims (3)

  1. シートクッションとフロアとの間に設けられたヒンジ機構により、前記シートクッションが前記フロアに対して回転可能に設けられたタンブルシートにおいて、
    前記フロア側、前記シート側のうちの一方の側に設けられた第1ストッパ部と、
    前記フロア側、前記シート側のうちの一方の側に設けられ、前記ヒンジ機構の回転中心を中心とした円の円周方向において、前記第1ストッパ部と異なる位置の第2ストッパ部と、
    前記フロア側、前記シート側のうちの他方の側に移動可能に設けられたタンブルストッパと、
    前記第1ストッパ部にのみ当接し、前記シートクッションの回転を禁止する第1位置、前記第2ストッパ部にのみ当接し、前記シートクッションの回転を禁止する第2位置に前記タンブルストッパを案内するガイド手段と、
    前記タンブルストッパを前記ガイド手段の第1位置、第2位置に保持する保持手段と、
    を有することを特徴とするタンブルシート。
  2. 前記ガイド手段は、一端部側が前記タンブルストッパの第1位置、他端部側が前記タンブルストッパの第2位置、中間部が折曲した略「く」字形で、前記タンブルストッパが移動可能に係合するガイド溝であり、
    前記保持手段は、前記フロア側、前記シート側の他方の側に一端部が係止され、
    他端部が前記タンブルストッパに押接し、前記略「く」字形のガイド溝の中間部から端部側に向かって前記タンブルストッパを付勢する1つの弾性体であることを特徴とする請求項1記載のタンブルシート。
  3. 前記弾性体は、一端部が前記フロア側、前記シート側の他方の側に係止され、他端部が前記タンブルストッパに当接するトーションバーであることを特徴とする請求項2記載のタンブルシート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2000272394A (ja) * 1999-03-24 2000-10-03 Daihatsu Motor Co Ltd 自動車用シート装置におけるシートの収納構造
JP2002321552A (ja) * 2001-04-27 2002-11-05 Kanto Auto Works Ltd 格納シート

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