JP2009045216A - 車両用のシート固定具及び車両用シートクッション - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のシート固定具24は、全体を合成樹脂により形成し、その基体をなすピラー部31の先端部には先端側に基部35aを有する板状の可動片35が設けられている。その可動片35には車両の床パネル27の下面に掛止される爪部36が設けられ、また、可動片35は基部以外の部分がピラー部31とスリット34を介して離間している。そして、可動片35は、爪部36が形成された位置から更に延長され、そこに受圧部20が形成されている。
【選択図】図3
Description
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のうちいずれか一項に記載のシート固定具において、前記ピラー部の基端部には、前記シートクッションのパッド内に埋設される板状のアンカー部が設けられ、そのアンカー部に透孔が設けられたことを特徴とするものである。
本発明のシート固定具は、全体を合成樹脂により形成し、その基体をなすピラー部の先端部には先端側に基部を有する板状の可動片が設けられている。その可動片には車体の床面の一部をなす床パネルの下面に掛止される爪部が設けられている。また、前記可動片は前記基部以外の部分が前記ピラー部とスリットを介して離間している。そのため、前記シート固定具を用いてシートクッションを車体の床面に固定する際、爪部は前記床パネルの下側に隠れるが、爪部より先に延長されて形成される受圧部は床パネルより上に突出する。工具等を用いてその受圧部を、爪部と床パネルとの係合が解かれる方向に押せば、基部のみがピラー部と連結している可動片は撓んで、爪部と床パネルとの係合が容易に解かれる。更に、可動片の爪部の先が延長されて受圧部が形成されていれば、その受圧部を押すことにより、支点である基部と力点である受圧部の間に存在する作用点である爪部は、床パネルとの係合をより一層容易に解かれることになる。
以下に、この本発明を具体化したシート固定具及び車両用シートクッションの一実施形態を、図面に基づいて説明する。
図5〜図8に示すように、このシート固定具24には、両端を開口し、基端部においてパッド22内に埋設され、シート固定具24の基体をなす四角筒状のピラー部31が設けられている。ピラー部31の基端縁には、そのピラー部31の延長方向と直交する方向に延びる板状のアンカー部32が一体に形成されている。アンカー部32には、複数の透孔33が形成されている。そして、シート固定具24のピラー部31の基端部がパッド22の底部に埋設成形された状態においては、図3に示すように、アンカー部32がパッド22のウレタンフォーム内にほぼ水平な面内に位置するように埋設されるとともに、各透孔33内にウレタンフォームが進入する。従って、このアンカー部32の埋設状態では、アンカー部32によるアンカー効果が発揮されて、シート固定具24のピラー部31がパッド22に対して強固に抜け止め固定される。
(1)ピラー部31の先端部の前壁に、その先端側に基部35aを有し、その基部35a以外の部分がスリットにより前壁と離間している可動片35が形成されている。その可動片35の外面には、爪部36が突出形成される。更に、可動片35は爪部36よりも先に延長されて受圧部20が形成されている。従って、シート固定具24を用いて車両用シートクッション21を車体の床パネル27に固定する際、可動片35の受圧部20が床パネル27より上に位置する。そのため、シート固定具24を床パネル27から取り外す際、工具を用いて受圧部20を押すことにより、可動片35を比較的小さな力で撓ませることができる。
(4)シート固定具24を、一般的なポリプロピレン等のオレフィン系樹脂を用いれば、シート固定具24をウレタンフォームよりなるパッド22から容易に剥離させることができる。従って、パッド22を廃棄処理する際には、分別処理が容易になり、廃棄処理に要する手間を軽減できる。
(11)ピラー部31の壁部にスリット34を形成することにより爪部36を有する可動片35を形成し、閉鎖板部39aがスリット34よりもアンカー部32側に配置されている。このため、スリット34により可動片35を形成されていても、パッド22の成形に際してウレタンフォームがスリット34から漏洩することを防止できる。
(14)パッド22の底部に凹部22aを形成し、シート固定具24がその凹部22aの箇所に設けられている。このため、蓋板部39が凹部22aの内底面に露出していても、その蓋板部39が床パネル27と接触することを防止でき、床パネル27との接触による蓋板部39の割れ等の損傷を防止できる。
次に、本発明を具体化したシート固定具の第2実施形態を図13〜図17を用いて説明する。なお、第2実施形態は、第1実施形態のシート固定具24において蓋板部39及び閉鎖板部39aを設けないように変更したことのみが異なる構成であるため、同様の部分についてはその詳細な説明を省略する。
(16)シート固定具50には蓋板部39及び閉鎖板部39aを設けないことにして、代わりにシール材51を用いている。シート固定具50をセットした凹所42へポリウレタン原料が浸入することをシール材51により防止するようにした。従って、シート固定具50を成形するための成形型の構造が複雑にならないため、成形型製作費を低減化することができる。
次に、本発明を具体化したシート固定具の第3実施形態を図18〜図20を用いて説明する。なお、第3実施形態は、第1実施形態のシート固定具24及び第2実施形態のシート固定具50が合成樹脂の一体成形品であるのに対し、シート固定具60を二つの成形品の組立品であるように変更したことが異なる。そのため、同様の部分についてはその詳細な説明を省略する。
(17)シート固定具60を上半体61と下半体62とからなる組立品とし、上半体61の構造を簡単なものとした。そのため、上半体61をセットする成形用金型41の構造も極めて簡単なものとなり、上半体61のセットが容易にできるばかりか、成形用金型41の製作費の低減化もできる。
なお、本実施形態は以下のように変更してもよい。
・凹部22aとパッド22の底部前端との間に可動片35の受圧部20に工具を案内する案内溝22bを形成したが、案内溝22bはドライバーの挿入を許容する程度の左右幅あるいは上下幅のスリットであってもよい。また、案内溝22b自体が形成されなくてもよい。案内溝22bがないときは、パッド22の前側底部の一部を押し上げて工具を差し込むことができるからである。
・シート固定具50およびシート固定具60において、それぞれのアンカー部32は、ピラー部31の内側及びピラー部69の内側を全開放するようにしたが、ピラー部31の内側の一部が開放されるようにアンカー部32をピラー部31の内側に延在させてもよい。その際、ピラー部31及びピラー部69を位置決めする成形型のピンの高さを適宜低くすれば、ポリウレタン原料がピラー部31及びピラー部69の内側に侵入し発泡体で充填する。そのため、アンカー部32のアンカー効果が高められ、シート固定具50及びシート固定具60のパッド22に対する固定力が強められる。
・ピラー部31及びピラー部69が四角筒状に形成されているが、四角筒状に代えて円形筒状、あるいは四角形以外の六角筒形状等、他の多角形筒状等に形成してもよい。
Claims (9)
- 全体を合成樹脂により形成し、シートクッションを車体の床面に固定する為の固定具であって、その固定具の基体をなすピラー部の先端部には先端側に基部を有する板状の可動片が設けられ、その可動片には前記床面の一部をなす床パネルの下面に掛止される爪部が設けられ、また、前記可動片は、前記基部以外の部分が前記ピラー部とスリットを介して離間しており、前記爪部が形成された位置から前記先端側とは逆方向へ延長されて受圧部が形成されていることを特徴とするシート固定具。
- 前記ピラー部の外周面には、そのピラー部の軸方向に前記爪部から前記床パネルの厚さに相当する間隔を隔てて、フランジ部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のシート固定具。
- 前記フランジ部とピラー部の外周面との間にガイドリブが設けられたことを特徴とする請求項2に記載のシート固定具。
- 前記ピラー部の基端部には、前記シートクッションのパッド内に埋設される板状のアンカー部が設けられ、そのアンカー部に透孔が設けられたことを特徴とする請求項1ないし3のうちいずれか一項に記載のシート固定具。
- 前記アンカー部とフランジ部の間において、前記ピラー部の外周面にはその軸方向に対して直交する方向に延在する蓋板部が形成されたことを特徴とする請求項4に記載のシート固定具。
- 前記ピラー部は、筒状に形成されると共にその内部には両端開口間を閉鎖するための閉鎖板部が設けられたことを特徴とする請求項1ないし5のうちいずれか一項に記載のシート固定具。
- シートクッションのパッドの底部に、請求項1ないし6のうちいずれか一項に記載のシート固定具のピラー部が、少なくとも前記可動片及び先端部が露出状態となるように埋設されたことを特徴とする車両用シートクッション。
- 前記シートクッションは車両のリアシートのシートクッションであって、前記可動片が車両前部を向くように配置されていることを特徴とする請求項7に記載の車両用シートクッション。
- 前記シートクッションのパッドの底部には、前記可動片の受圧部に工具を案内する案内溝が形成されていることを特徴とする請求項7又は8に記載の車両用シートクッション。
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