JP2009040140A - 可変減衰力ダンパの制御装置 - Google Patents

可変減衰力ダンパの制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ダンパが振動している際に伸び側と縮み側とで目標減衰力の大きさが異なる場合に、減衰力制御の遅れの影響で、目標減衰力の絶対値が小となる側の発生減衰力が増大して、乗り心地の悪化などの不具合が発生することを避ける。
【解決手段】車体の運動状態に基づいて求めた目標減衰力にしたがってダンパの減衰力を制御する制御装置において、ダンパに振動が発生して、伸び側と縮み側とで目標減衰力の大きさが異なる場合に、絶対値が大となる側の目標減衰力を、ダンパの振動状態に基づいて、その絶対値が小さくなるように低減補正する補正部63を設ける。
【選択図】図4

Description

本発明は、車体の運動状態に基づいて求めた目標減衰力にしたがって当該可変減衰力ダンパの減衰力を制御する可変減衰力ダンパの制御装置に関するものである。
近年、自動車用サスペンションを構成する筒型ダンパとして、操縦安定性と乗り心地とを高い次元で両立させるべく、自動車の運動状態に応じて減衰力を可変制御する減衰力可変型のものが種々開発されている。
この種の可変減衰力ダンパの制御では、車体に発生する横加速度や前後加速度などの車体の運動状態を示す情報に基づいて目標減衰力を設定した後、この目標減衰力にしたがって、減衰力を調整するアクチュエータに流す電流の目標値を算出して、その電流目標値に基づいて電流制御を行うことで、ダンパに所要の減衰力を発生させるようにしている(特許文献1参照)。
特開2006−69527号公報
しかるに、乗り心地の向上やロール及びピッチなどの車体姿勢の適正化のためのダンパ制御を行っている最中にダンパに振動が発生すると、伸び側と縮み側の2つの目標減衰力の大きさが互いに異なる状態となり、例えば凹凸のある路面上を旋回中の旋回内輪で説明すると、車体のロールを抑制する目的でダンパの伸び方向の力を減衰させるために、正の値を示す減衰力(伸び側の減衰力)の目標値が高く設定され、一方、路面の凹凸による車体の振動を抑制する目的でダンパの縮み動作を速やかに行わせるために、負の値を示す減衰力(縮み側の減衰力)の目標値が低く設定される。
一方、ダンパの減衰力を制御する際には、種々の要因で減衰力の発生に時間的な遅れが存在し、前記のように伸び側と縮み側とで目標減衰力の大きさが異なる場合には、減衰力制御の遅れの影響で、絶対値が大となる側の発生減衰力が目標減衰力より低くなる一方で、絶対値が小となる側の発生減衰力が目標減衰力より高くなる現象が発生し、この現象は、ダンパの振動周波数が高くなるのに応じて顕著になる。
例えば図10(A)に示すように、ばね上共振周波数(1.3Hz)で振動する場合は、目標減衰力と発生減衰力がほぼ一致するが、図10(B)に示すように、ばね下共振周波数(12Hz)で振動する場合は、伸び側では減衰力の立ち上げが遅くなり、また縮み側では減衰力の低減が間に合わずに目標減衰力を大きく上回る状態になる。また、図11に示すように、ばね上共振周波数からばね下共振周波数へとダンパ振動の周波数(ここではストローク速度から求めた振動周波数)が上昇するのに応じて、伸び側では発生減衰力が次第に低下するのに対して、縮み側では逆に増大する。このため、低い振動周波数では、伸び側と縮み側とで発生減衰力の絶対値に所要の差をつけることができるが、高い振動周波数では、伸び側と縮み側の発生減衰力の絶対値が互いに近づき、路面からの突き上げを適切に吸収することができずに、乗り心地の悪化を招くという問題が生じる。
本発明は、このような従来技術の問題点を解消するべく案出されたものであり、その主な目的は、ダンパが振動している際に伸び側と縮み側とで目標減衰力の大きさが異なる場合に、減衰力制御の遅れの影響で、目標減衰力の絶対値が小となる側の発生減衰力が増大して、乗り心地の悪化などの不具合が発生することを避けることができるように構成された可変減衰力ダンパの制御装置を提供することにある。
このような課題を解決するために、本発明においては、請求項1に示すとおり、車体の運動状態に基づいて求めた目標減衰力にしたがって当該可変減衰力ダンパ(4)の減衰力を制御する可変減衰力ダンパの制御装置(50)において、当該可変減衰力ダンパに振動が発生して、伸び側と縮み側とで目標減衰力の大きさが異なる場合に、絶対値が大となる側の目標減衰力を、当該可変減衰力ダンパの振動状態に基づいて、その絶対値が小さくなるように低減補正する補正手段(63・71)を有するものとした。
これによると、絶対値が大となる側の目標減衰力が低減補正されることで、絶対値が小となる側の発生減衰力に及ぼす制御遅れの影響を小さく抑えて、絶対値が小となる側の発生減衰力が増大することを抑制することができる。
特に乗り心地の向上を図る上では、縮み側の発生減衰力の増大を避けることが重要であり、乗り心地を向上させるダンパ制御により、縮み側の目標減衰力が伸び側の目標減衰力より低く設定された場合には、絶対値が大となる伸び側の目標減衰力を低減補正することで、縮み側の発生減衰力の増大を抑えて、乗り心地の悪化を回避することができる。
この場合、ダンパの振動状態としては、ダンパに発生する振動の周波数が好適であり、目標減衰力を低減補正する際の補正量を、振動周波数が高くなるのに応じて増大するように制御すると良い。さらに周波数に振幅を加えて制御するようにしても良い。このダンパ振動の周波数や振幅は、ストローク速度の変化状況から検出するようにすると良い。
前記可変減衰力ダンパの制御装置においては、請求項2に示すとおり、前記補正手段(63)が、絶対値が小となる側の目標減衰力の絶対値を下限として、当該可変減衰力ダンパの振動状態に基づいて算出された補正係数にしたがって、前記絶対値が大となる側の目標減衰力を補正する構成とすることができる。
これによると、絶対値が大となる側の目標減衰力を、可変減衰力ダンパの振動状態に基づいて、適切に低減補正することができる。
この場合、絶対値が大となる側の目標減衰力と、絶対値が小となる側の目標減衰力の絶対値に相当する下限値とに対して、重みを付けた加重平均を行って目標減衰力を求めるようにすると良く、ここでは加重平均の重み係数が補正係数となる。具体的には、補正対象となる側の目標減衰力、及び下限値に対してそれぞれ、第1の重み係数C1(0≦C1≦1)、及び第2の重み係数C2(C2=1−C1)を設定し、これらの重み係数をそれぞれ対応する目標減衰力及び下限値に乗じてその乗算値を加算するようにすれば良い。
特に制御目的が異なる複数種類の制御、例えば、乗り心地の向上を目的とするスカイフック制御や、車体のロール及びピッチなどの車体姿勢の適正化を目的とするロール制御及びピッチ制御を組み合わせてダンパ制御を行う場合には、その各々で取得した複数の目標減衰力の中から、伸び側及び縮み側の各々で絶対値が最大となるものを選択する選択手段を設け、この選択手段で取得した伸び側及び縮み側の目標減衰力のうちの絶対値が大となる側の目標減衰力に対して、補正手段が補正を行うものとすると良い。
前記可変減衰力ダンパの制御装置においては、請求項3に示すとおり、前記補正手段(71)が、当該可変減衰力ダンパの振動状態に基づいて算出された上限値にしたがって、前記絶対値が大となる側の目標減衰力の大きさを制限する構成とすることができる。
これによると、絶対値が大となる側の目標減衰力を、可変減衰力ダンパの振動状態に基づいて、適切に低減補正することができる。
この場合、前記のように複数種類の制御、例えばスカイフック制御、ロール制御、及びピッチ制御を組み合わせてダンパ制御を行う場合には、各制御で取得した伸び側及び縮み側の目標減衰力のうちの絶対値が大となる側の目標減衰力に対して、補正手段が補正を行い、この補正手段で取得した各制御ごとの目標減衰力の中から、伸び側及び縮み側の各々で絶対値が最大となるものを選択手段で選択するものとすると良い。
また、目標減衰力を上限値に制限するにあたっては、車体姿勢の適正化を目的とするロール制御及びピッチ制御で取得した目標減衰力のみに対して上限値による制限を行うようにすると良い。
このように本発明によれば、乗り心地の向上やロール及びピッチなどの車体姿勢の適正化のためのダンパ制御を行っている最中にダンパに振動が発生することで、ダンパの伸び側と縮み側の2つの目標減衰力が異なる大きさに設定された場合に、減衰力制御の遅れの影響で、目標減衰力の絶対値が小となる側の発生減衰力が増大して、乗り心地の悪化などの不具合が発生することを回避することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明が適用される4輪自動車の概略構成を示す模式図である。ここで、4つの車輪やそれらに対して配置された部材、すなわち、タイヤやサスペンション等については、それぞれ数字の符号に前後左右を示す添字を付して、例えば、車輪3fl(左前)、車輪3fr(右前)、車輪3rl(左後)、車輪3rr(右後)と記す一方、総称する場合には、例えば、車輪3と記す。
この自動車(車両)Vは、タイヤ2が装着された4つの車輪3を備えており、これら各車輪3がサスペンションアームや、スプリング、ダンパ4等からなるサスペンション5によって車体1に懸架されている。自動車Vには、サスペンションシステムの制御主体であるECU(Electronic Control Unit)7や、EPS(Electric Power Steering:電動パワーステアリング)8が設置されている。
また、自動車Vには、車速を検出する車速センサ9、横加速度を検出する横Gセンサ10、前後加速度を検出する前後Gセンサ11、ヨーレイトを検出するヨーレイトセンサ12等が車体1の適所に設置されるとともに、ダンパ4の伸縮量を検出するストロークセンサ13と、ホイールハウス付近の上下加速度を検出する上下Gセンサ14とが各車輪3ごとに設置されている。
ダンパ4は、磁気粘性流体(Magneto-Rheological Fluid:以下、MRFと記す)を作動流体とする減衰力可変型ダンパであり、ECU7によってその減衰力が可変制御される。ECU7は、マイクロコンピュータやROM、RAM、周辺回路、入出力インタフェース、各種ドライバ等から構成されており、通信回線(CAN(Controller Area Network))を介して各車輪3のダンパ4や各センサ9〜14と接続されている。
図2は、図1に示したダンパ4の縦断面図である。このダンパ4は、モノチューブ式(ド・カルボン式)であり、MRFが充填された円筒状のシリンダチューブ21と、このシリンダチューブ21に対して軸方向に相対動するピストンロッド22と、ピストンロッド22の先端に装着されてシリンダチューブ21内を上部油室24と下部油室25とに区画するピストン26と、シリンダチューブ21の下部に高圧ガス室27を画成するフリーピストン28と、ピストンロッド22等への塵埃の付着を防ぐカバー29と、フルバウンド時における緩衝を行うバンプストップ30とを主要構成要素としている。
シリンダチューブ21は、下端のアイピース21aに嵌挿されたボルト31を介して、車輪側部材であるトレーリングアーム35の上面に連結されている。また、ピストンロッド22は、上下一対のブッシュ36とナット37とを介して、その上端のスタッド22aが車体側部材であるダンパベース(ホイールハウス上部)38に連結されている。
ピストン26には、上部油室24と下部油室25とを連通する連通路39と、この連通路39に沿って配置された磁気流体バルブ(Magnetizable Liquid Valve:以下、MLVと記す)を構成するMLVコイル40とが設けられている。ECU7からMLVコイル40に電流が供給されると、連通路39を通過するMRFに磁界が印可されて強磁性微粒子が鎖状のクラスタを形成し、連通路39内を通過するMRFの見かけ上の粘度が上昇し、これに応じて減衰力が増大する。
図3は、図1に示したダンパ4の制御装置の概略構成を示すブロック図である。このダンパ制御装置50は、図1に示したECU7に内装されるものであり、前記の各センサ9〜14等が接続する入力インタフェース51と、センサ9〜12・14等から入力した検出信号に基づき各ダンパ4の目標減衰力を設定する減衰力設定部52と、目標減衰力とストローク速度とに応じて各ダンパ4(MLVコイル40)への目標電流を生成する目標電流生成部53と、目標電流生成部53からの目標電流を各ダンパ4に出力する出力インタフェース54とから構成されている。
減衰力設定部52は、スカイフック制御部56と、ロール制御部58と、ピッチ制御部59とを有しており、スカイフック制御部56では、ばね上加速度やダンパの変位量などに基づいて、またロール制御部58では、横加速度などに基づいて、またピッチ制御部59では、前後加速度などに基づいて、それぞれスカイフック制御、ピッチ制御、及びロール制御の各目標減衰力が求められる。
図4は、図3に示した減衰力設定部52の概略構成を示すブロック図である。図5は、図4に示した減衰力設定部52で行われる目標減衰力補正の要領を説明する模式図である。減衰力設定部52は、最大値選択部61と、最小値選択部62と、補正部(補正手段)63と、目標値決定部64とを有している。補正部63は、下限値算出部65と、加重平均部66と、重み係数設定部67とを有している。
最大値選択部61及び最小値選択部62では、スカイフック制御部56、ロール制御部58、及びピッチ制御部59の各々で取得した3つの制御目標値及び「0」の中から値が最も大きいもの(最大値)を伸び側の目標減衰力とし、また値が最も小さいもの(最小値)を縮み側の目標減衰力とする選択処理が行われる。
補正部63では、伸び側及び縮み側の目標減衰力のうちの絶対値が大となる側の目標減衰力を、ダンパの振動状態に基づいて、その絶対値が小さくなるように低減補正する処理が行われ、特にここでは、絶対値が小となる側の目標減衰力の絶対値を下限として、ダンパの振動状態に基づいて算出された重み係数(補正係数)にしたがった加重平均により、絶対値が大となる側の目標減衰力を補正する処理が行われる。
目標値決定部64では、ストローク速度の正負に応じて、補正部63で取得した最大値(伸び側の目標減衰力)及び最小値(縮み側の目標減衰力)のいずれかを目標減衰力とする処理が行われ、具体的には、
ストローク速度>0(伸び方向の動作)の場合、目標減衰力=最大値(正の値)
ストローク速度≦0(縮み方向の動作)の場合、目標減衰力=最小値(負の値)
となる。
補正部63の下限値算出部65では、最大値選択部61及び最小値選択部62でそれぞれ取得した最大値(伸び側の目標減衰力)及び最小値(縮み側の目標減衰力)の各絶対値を求め、そのうちの小さい方、すなわち絶対値の最小値を、下限値とする処理が行われ、具体的には、
下限値(絶対値の最小値)=min(|最大値|,|最小値|)
となる。
加重平均部66では、最大値選択部61及び最小値選択部62でそれぞれ取得した最大値(伸び側の目標減衰力)及び最小値(縮み側の目標減衰力)の各々と、下限値算出部65で取得した下限値とに対して、重み係数設定部67で取得した重み係数を用いて加重平均を行って、最大値及び最小値を補正する処理が行われ、具体的には、
補正後の最大値=(最大値)×重み係数+(下限値)×(1−重み係数)
補正後の最小値=(最小値)×重み係数+(下限値)×(−1)×(1−重み係数)
ただし、0≦重み係数≦1
となる。
重み係数設定部67では、ダンパ振動の周波数及び振幅と重み付け係数との相関関係を示すテーブル(2次元テーブル)を参照して、ダンパ振動の周波数及び振幅から重み係数を求める処理が行われる。テーブルでは、振動周波数が上昇するのに応じて重み係数が小さくなる、すなわち目標減衰力に対する補正量が大きくなるように設定され、また振幅が小さい場合には、補正しない、あるいは重み付け係数を大きくして目標減衰力に対する補正量が小さくなるように設定されている。なお、振幅を考慮せずに周波数のみで重み付け係数を求めることも可能である。
重み係数設定部67で必要となるダンパ振動の周波数及び振幅は、ストローク速度周波数・振幅検出部69において、ストローク速度しきい値設定部68で求めたストローク速度のしきい値に基づいて検出される。
ストローク速度しきい値設定部68では、ストローク速度の振動周波数及び振幅を求める際の基準となるストローク速度のしきい値をコイル電流から求める処理が行われる。ここでは、ダンパ電流が増大するのに応じてダンパ減衰力が増加してストローク速度が低くなるという現象に着目して、ダンパ電流とストローク速度のしきい値との相関関係を示すテーブル(1次元テーブル)を用意し、このテーブルを参照してダンパ電流からストローク速度のしきい値を求める。
図6は、図4に示したストローク速度周波数・振幅検出部69での処理の要領を説明するグラフである。ストローク速度のしきい値は正負両方に設定され、ストローク速度が正負のしきい値のいずれか一方を越えた時点から他方を越える時点までの経過時間(1/2周期)を算出し、この経過時間を2倍した値の逆数を求めて、ストローク速度の振動周波数とする。またストローク速度の正負のしきい値のいずれか一方を越えてからもう一方を越えるまでの間でのストローク速度の絶対値の最大値を求め、ストローク速度振動の振幅とする。これにより、ダンパ振動の周波数及び振幅をリアルタイムで検出することができる。
なお、ダンパ振動の周波数及び振幅を検出するために、ストローク速度の代わりに、上下方向加速度を用いるようにしても良い。
このように構成された減衰力設定部52では、図5に示すように、スカイフック制御部56、ロール制御部58、及びピッチ制御部59の各々で取得した3つの制御目標値の中から、伸び側及び縮み側の各々で絶対値が最大となるものが最大値選択部61及び最小値選択部62で選択された後、これで取得した伸び側及び縮み側の目標減衰力(最大値及び最小値)のうちの絶対値が大となる側の目標減衰力が補正部63で低減補正される。
この例では、伸び側の目標減衰力(最大値)の絶対値が縮み側の目標減衰力(最小値)の絶対値より大となっており、下限値算出部65では、絶対値が小となる縮み側の目標減衰力(最小値)の絶対値が下限値に設定され、加重平均部66では、絶対値が大となる伸び側の目標減衰力(最大値)が、下限値を下限とした補正範囲内で、重み係数設定部67で取得した重み係数の値に応じて、低減補正される。なお、絶対値が小となる縮み側の目標減衰力(最小値)は、補正されない。
図7は、図3に示した減衰力設定部52の別の例を示すブロック図である。図8は、図7に示した減衰力設定部52で行われる目標減衰力補正の要領を説明する模式図である。ここでは、減衰力設定部52が、補正部71と、最大値選択部72と、最小値選択部73と、目標値決定部74とを有している。補正部71は、目標減衰力上限制限部75と、目標減衰力上限設定部76とを有している。
補正部71では、ロール制御部58及びピッチ制御部59の各々で取得した伸び側及び縮み側の目標減衰力のうちの絶対値が大となる側の目標減衰力を、ダンパの振動状態に基づいて算出された上限値に制限する処理が行われる。
最大値選択部72及び最小値選択部73では、スカイフック制御部56で取得した制御目標値と、ロール制御部58及びピッチ制御部59の各々で取得した後に補正部71で補正された2つの制御目標値のうちの値が最も大きいものを目標減衰力の最大値とし、また最も小さいものを目標減衰力最小値とする選択処理が行われる。
目標値決定部74では、ストローク速度の正負に応じて、最大値選択部72及び最小値選択部73でそれぞれ取得した最大値(伸び側の目標減衰力)及び最小値(縮み側の目標減衰力)のいずれかを目標減衰力に決定する処理が行われ、具体的には、
ストローク速度>0(伸び方向の動作)の場合、目標減衰力=最大値(正の値)
ストローク速度≦0(縮み方向の動作)の場合、目標減衰力=最小値(負の値)
となる。
補正部71の目標減衰力上限設定部76では、ダンパ振動の周波数及び振幅と上限値との相関関係を示すテーブル(2次元テーブル)を参照して、ダンパ振動の周波数及び振幅から、ピッチ制御及びロール制御の各制御目標値に対する上限値を求める処理が行われる。この目標減衰力上限設定部76で必要となるダンパ振動の周波数及び振幅は、前記の例と同様に、ストローク速度周波数・振幅検出部69において、ストローク速度の変化状況に基づいて検出される。
目標減衰力上限制限部75では、ピッチ制御及びロール制御の各制御目標値を上限値に制限する処理が行われ、具体的には、ピッチ制御目標値では、
ピッチ制御目標値≧0の場合
(ピッチ制御目標値)=min(ピッチ制御目標値,上限値)
ピッチ制御目標値<0の場合
(ピッチ制御目標値)=max(ピッチ制御目標値,上限値×(−1))
となり、同様にして、ロール制御目標値では、
ロール制御目標値≧0の場合
(ロール制御目標値)=min(ロール制御目標値,上限値)
ロール制御目標値<0の場合
(ロール制御目標値)=max(ロール制御目標値,上限値×(−1))
ただし、上限値は正の値
となる。
このように構成された減衰力設定部52では、図8に示すように、ロール制御部58及びピッチ制御部59の各々で取得した伸び側及び縮み側の目標減衰力のうちの絶対値が大となる側の目標減衰力が補正部71で上限値に制限され、この上限値による制限がなされたロール制御及びピッチ制御の各目標減衰力と、スカイフック制御部56で取得して上限値による制限のなされていない制御目標値の中から、伸び側及び縮み側の各々で絶対値が最大となるが最大値選択部72及び最小値選択部73で選択され、それぞれ伸び側及び縮み側の目標減衰力となる。
図9は、本発明による目標減衰力補正を行った場合の振動周波数と減衰力との関係を示すグラフである。図4・図7に示した減衰力設定部52の補正部63・71で伸び側及び縮み側の目標減衰力のうちの絶対値が大となる側(ここでは伸び側)の目標減衰力が低減補正されると、伸び側の発生減衰力が小さくなるものの、縮み側の発生減衰力は、目標減衰力と略同一で、振動周波数の高低に関係なく略均一となり、振動周波数が上昇するのに応じて乗り心地が悪化する不具合を解消することができる。
本発明が適用される4輪自動車の概略構成を示す模式図である。 図1に示したダンパの縦断面図である。 図1に示したダンパの制御装置の概略構成を示すブロック図である。 図3に示した減衰力設定部の概略構成を示すブロック図である。 図4に示した減衰力設定部で行われる目標減衰力補正の要領を説明する模式図である。 図4に示したストローク速度周波数・振幅検出部での処理の要領を説明するグラフである。 図3に示した減衰力設定部の別の例を示すブロック図である。 図7に示した減衰力設定部で行われる目標減衰力補正の要領を説明する模式図である。 本発明による目標減衰力補正を行った場合の振動周波数と減衰力との関係を示すグラフである。 従来の制御による場合の減衰力の変化状況を示すグラフである。 従来の制御による場合の振動周波数と減衰力との関係を示すグラフである。
符号の説明
4 ダンパ
7 ECU
50 ダンパ制御装置
52 減衰力設定部
63・71 補正部(補正手段)

Claims (3)

  1. 車体の運動状態に基づいて求めた目標減衰力にしたがって当該可変減衰力ダンパの減衰力を制御する可変減衰力ダンパの制御装置であって、
    当該可変減衰力ダンパに振動が発生して、伸び側と縮み側とで目標減衰力の大きさが異なる場合に、絶対値が大となる側の目標減衰力を、当該可変減衰力ダンパの振動状態に基づいて、その絶対値が小さくなるように低減補正する補正手段を有することを特徴とする可変減衰力ダンパの制御装置。
  2. 前記補正手段が、絶対値が小となる側の目標減衰力の絶対値を下限として、当該可変減衰力ダンパの振動状態に基づいて算出された補正係数にしたがって、前記絶対値が大となる側の目標減衰力を補正することを特徴とする請求項1に記載の可変減衰力ダンパの制御装置。
  3. 前記補正手段が、当該可変減衰力ダンパの振動状態に基づいて算出された上限値にしたがって、前記絶対値が大となる側の目標減衰力の大きさを制限することを特徴とする請求項1に記載の可変減衰力ダンパの制御装置。
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