JP2009039072A - 容器詰茶飲料の製造法 - Google Patents

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Abstract

【課題】苦味が抑制されたカテキン含有飲料の提供。
【解決手段】茎茶中の成分組成が以下の(I)、(II)の要件を満たす茎茶抽出液を、茎茶抽出液由来の可溶性固形分が0.07〜0.20質量%になるように配合する、非重合体カテキン類を0.06〜1質量%含有する容器詰茶飲料の製造法。
茎茶のカップテストにおける茶抽出液分析値が、
(I)(A)非重合体カテキン類と(B)総ポリフェノール類の含有質量比(A)/(B)=0.2〜0.7、
(II)カフェイン15mg/100mL以下。
【選択図】なし

Description

本発明は、高濃度の非重合体カテキン類を含有し、かつ苦味の抑制された容器詰茶飲料の製造法に関する。
カテキン類の効果としてはコレステロール上昇抑制作用やアミラーゼ活性阻害作用などが報告されている(例えば、特許文献1、2参照)。カテキン類のこのような生理効果を発現させるためには、より簡便に大量のカテキン類を摂取することが有効であり、そのため、飲料にカテキン類を高濃度配合する技術が望まれている。この方法の一つとして、緑茶抽出物の濃縮物(例えば、特許文献3〜5参照)などを利用して、カテキン類を飲料に溶解状態で添加する方法がある。
しかしながら、市販の緑茶抽出物の濃縮物をそのまま用いると、緑茶抽出物の濃縮物に含まれる成分が影響して渋味や苦味が強く、また喉越しが悪くなった。さらにカテキンによる生理効果を発現させる上で必要となる長期間の飲用には向かなかった。このように、高濃度カテキン配合飲料特有のカテキン由来の渋味を低減する飲料が望まれていた。
高濃度カテキン含有飲料の苦味を抑制するためサイクロデキストリンを配合する技術(特許文献6)等がある。
特開昭60−156614号公報 特開平3−133928号公報 特開2002−142677号公報 特開平8−298930号公報 特開平8−109178号公報 特開平1−174328号公報
しかしながら、サイクロデキストリンの添加により苦味を抑制するには多量のサイクロデキストリンの添加が必要になり、多量のサイクロデキストリンを添加すると、サイクロデキストリンによる異味が生じるという問題が生じる。
従って、本発明の目的は、茶本来の風味を損ねることなく、高濃度カテキン含有容器詰茶飲料の苦味を抑制する手段を提供することにある。
そこで本発明者は、茶由来の原料に着目して種々検討した結果、火入れ処理した茎茶の抽出液を配合することにより苦味が抑制されることを見出した。そしてさらに、検討したところ、火入れ度を一定の範囲にした茎茶から抽出した抽出液を一定量配合すれば、高濃度にカテキンを含有するにもかかわらず、苦味が抑制され、かつ茶本来の風味も良好な容器詰茶飲料が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、茎茶中の成分組成が以下の(I)、(II)の要件を満たす茎茶抽出液を、茎茶抽出液由来の可溶性固形分が0.07〜0.20質量%になるように配合する、非重合体カテキン類を0.06〜1質量%含有する容器詰茶飲料の製造法。
茎茶のカップテストにおける茶抽出液分析値が、
(I)(A)非重合体カテキン類と(B)総ポリフェノール類の含有質量比(A)/(B)=0.2〜0.7、
(II)カフェイン15mg/100mL以下。
を提供するものである。
本発明によれば、高濃度にカテキンを含有し、かつ苦味の抑制された容器詰茶飲料が得られる。また得られた容器詰茶飲料は、茶本来の風味を維持しており、他の添加物のような異味がない。
本発明で非重合体カテキン類とは、カテキン、ガロカテキン、カテキンガレート及びガロカテキンガレートなどの非エピ体カテキン類及びエピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート及びエピガロカテキンガレート等のエピ体カテキン類をあわせての総称である。ここでいう非重合体カテキン類の濃度は、上記の合計8種の合計量に基づいて定義される。
本発明においては、カップテスト時の抽出液の測定値が、(I)(A)非重合体カテキン類と(B)総ポリフェノール類との含有質量比(A/B)が0.2〜0.7、かつ、(II)カフェイン15mg/100mL以下になるように火入れした茎茶の抽出液を含む茶の抽出液を配合する。本発明に使用される茎茶としては、茶の茎の部分であって、通常茎茶として用いられているものが挙げられる。すなわち、Camellia属、例えばC.sinensis、C. assamica、やぶきた種及びそれらの雑種から得られる茎の部分から製茶されたものが用いられる。製茶手段、すなわち発酵度合いとしては不発酵、半発酵、発酵が挙げられるが、不発酵のものが特に好ましい。ここでカップテストとは茶葉(茎茶)3gを審査茶碗(容量200cc)に秤取し、茶葉(茎茶)に熱湯を注ぎ、5分間静置した後、茶殻を除き審査する方法のことをいう(新茶業全書 改訂発行6版 昭和55年8月10日 編集 静岡県茶業会議所)
また火入れした茎茶の使用比率については、苦味抑制効果の点から、茎茶と茶葉との割合は質量比で0.05〜1、さらに0.2〜0.9、特に0.25〜0.8が好ましい。
茎茶は、そのまま用いるのではなく火入れ加工を施したものを用いるのがよく、その火入れ度は、(I)前記(A/B)が0.2〜0.7、且つ(II)カフェイン15mg/100mL以下となるようにするのが、苦味抑制効果及び風味の点から好ましい。火入れ度が不足すると苦味抑制効果が十分でなく、火入れ度が高すぎると風味が低下する。前記(A/B)は、火入れ度が高くなると小さくなり、全く火入れしない場合には1に近い値となる。より好ましい(A/B)は0.3〜0.5である。このような火入れ度になるように火入れするには、例えば170〜250℃、さらに180〜220℃の温度で、3分、さらに5分加熱するのが好ましい。
次に茎茶から茶抽出液を得るには、水、熱水、含水エタノール等を用いて抽出するのが好ましい。抽出温度は40〜100℃、特に50〜70℃が好ましい。また抽出倍率(茎茶に対する溶媒の量比)は13〜260、特に16〜70が好ましい。抽出時間は、5〜50分、さらに20〜40分、が好ましい。抽出手段は、通常の茶葉からの抽出手段がすべて採用できる。
上記茶抽出液は、苦味抑制効果及び風味の点から、容器詰茶飲料中に10〜20質量%、さらに10〜15質量%配合するのが好ましい。このときに茎茶由来の可溶性固形分量は、飲料中に0.07〜0.20であり、さらに0.07〜0.15が好ましい。
本発明の容器詰茶飲料中には、水に溶解状態にある(A)非重合体カテキン類を、0.06〜1質量%、より好ましくは0.07〜0.6質量%、さらに好ましくは0.08〜0.4質量%、さらに好ましくは0.09〜0.3質量%含有する。非重合体カテキン類がこの範囲内であれば多量の非重合体カテキン類を容易に摂取し易く、非重合体カテキン類が効果的に体内に吸収されやすい。非重合体カテキン類含量が低すぎる場合、非重合体カテキン類の生理効果の発現が十分でなく、また、高すぎると飲料の苦味が増加する。
本発明の容器詰茶飲料中の非重合体カテキン類にはエピガロカテキンガレート、エピガロカテキン、エピカテキンガレート及びエピカテキンからなるエピ体と、カテキンガレート、ガロカテキンガレート、ガロカテキン及びカテキンからなる非エピ体がある。本発明の容器詰茶飲料における(A)非重合体カテキン類中の(C)非重合体カテキン類の非エピ体類の割合([(C)/(A)]×100)は20〜70質量%が好ましく、さらに30〜65質量%、特に40〜60質量%であることが色調の安定性の観点から好ましい。
本発明の容器詰茶飲料中の非重合体カテキン類にはエピガロカテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピカテキンガレート及びカテキンガレートからなるガレート体と、エピガロカテキン、ガロカテキン、エピカテキン及びカテキンからなる非ガレート体がある。エステル型非重合体カテキン類であるガレート体は苦味が強いことから、本発明の容器詰茶飲料に使用できる(A)非重合体カテキン類中の(D)非重合体カテキン類のガレート体類の割合([(D)/(A)]×100)は5〜95質量%、さらに8〜57質量%、特に20〜45質量%であることが苦味抑制の観点から好ましい。
本発明における高濃度の非重合体カテキン類を有する容器詰茶飲料は茶抽出物の濃縮物、特に緑茶抽出物の濃縮物を配合して非重合体カテキン類濃度を調整して得ることができる。具体的には、緑茶抽出物の濃縮物、あるいは当該緑茶抽出物の濃縮物に緑茶抽出液、半発酵茶抽出液又は発酵茶抽出液を配合したものが挙げられる。ここでいう緑茶抽出物の濃縮物とは、緑茶葉から熱水もしくは水溶性有機溶媒により抽出した溶液から水分を一部除去し、又は、精製して非重合体カテキン類濃度を高めたものであり、形態としては、固体、水溶液、スラリー状など種々のものが挙げられる。また、緑茶抽出液とは濃縮や精製操作を行わない抽出液のことをいう。
非重合体カテキン類を含有する緑茶抽出物の濃縮物としては市販の三井農林(株)「ポリフェノン」、伊藤園(株)「テアフラン」、太陽化学(株)「サンフェノン」などから選択でき、またこれらを精製してもよい。精製の方法としては、例えば緑茶抽出物の濃縮物を水又は水とエタノールなどの有機溶媒の混合物に懸濁して生じた沈殿を除去し、次いで溶媒を留去する方法がある。あるいは茶葉から熱水もしくはエタノールなどの水溶性有機溶媒により抽出した抽出物を濃縮したものをさらに精製したもの、あるいは抽出物を直接精製したものを用いてもよい。
本発明に用いる非重合体カテキン類は、緑茶抽出物又はその濃縮物をタンナーゼ処理により、ガレート体率を低下することができる。タンナーゼ処理は、緑茶抽出物の非重合体カテキン類に対してタンナーゼを0.5〜10質量%の範囲になるように添加することが好ましい。タンナーゼ処理の温度は、酵素活性が得られる15〜40℃が好ましく、さらに好ましくは20〜30℃である。タンナーゼ処理時のpHは、酵素活性が得られる4〜6が好ましく、さらに好ましくは4.5〜6であり、特に好ましくは5〜6である。
本発明の容器詰茶飲料における(A)非重合体カテキン類と(E)カフェインとの含有質量比(E)カフェイン/(A)非重合体カテキン類は0.0001〜0.16が好ましく、より好ましくは0.001〜0.15、さらに好ましくは0.01〜0.014、さらに好ましくは0.05〜0.13である。非重合体カテキン類に対するカフェインの比率が低すぎると、風味バランス上好ましくない。また非重合体カテキン類に対するカフェインの比率が高すぎると、飲料本来の外観を害し好ましくない。カフェインは、原料として用いる緑茶抽出物、香料、果汁及び他の成分中に天然で存在するカフェインであっても、新たに加えられたカフェインであってもよい。
また、本発明の容器詰茶飲料には、烏龍茶抽出液又は紅茶抽出液を配合することにより、それらの風味を有する飲料とすることもできる。
本発明の容器詰茶飲料は、緑茶風味、烏龍茶風味、紅茶風味等の茶風味とすることもできるが、他の形態、例えば茶の機能性飲料とすることもできる。
本発明の容器詰茶飲料では、風味及び保存安定性の観点で(F)pHが5〜7の範囲であるのが好ましい。さらに好ましくは6〜7。pHの調整は、アスコルビン酸又はその塩やクエン酸、重曹などで調製することができる。
本発明の容器詰茶飲料ではさらにミネラルとしてナトリウム、カリウムを使用することができる。本発明に用いられるナトリウムとしては、アスコルビン酸ナトリウム、塩化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、クエン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、酒石酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム等及びそれらの混合物のような容易に入手しうるナトリウム塩を配合することができる。又、ナトリウムは加えられた果汁又は茶の成分由来のものも含まれる。ナトリウム濃度が高くなるほど、飲料の変色する度合いが高くなる。安定性の観点から、本発明の容器詰茶飲料中のナトリウム含有量は、0.001〜0.5質量%が好ましく、より好ましくは0.002〜0.4質量%、さらに好ましくは0.003〜0.2質量%である。
本発明に用いられるカリウムとしては、茶抽出液に含有するカリウム以外の化合物を添加してその濃度を高めることができる。例えば、カリウム塩化物、炭酸カリウム、硫酸カリウム、酢酸カリウム、炭酸水素カリウム、クエン酸カリウム、リン酸カリウム、リン酸水素カリウム、酒石酸カリウム、ソルビン酸カリウム等又はそれらの混合物のようなカリウム塩を配合してもよいし、加えられた果汁又は香料由来のものも含まれる。カリウム濃度は、ナトリウム濃度に比べて、長期間高温保存時での色調への影響が大きい。このように安定性の観点から、本発明の容器詰茶飲料中のカリウム含有量は、0.001〜0.2質量%が好ましく、より好ましくは0.002〜0.15質量%、さらに好ましくは0.003〜0.12質量%である。
ここで、ナトリウム及びカリウムの合計濃度は、0.001〜0.5質量%が好ましく、この合計濃度がこの0.001質量%未満であると、飲む場面によっては味的に物足りなく感じる傾向があり、好ましくない。一方、0.5質量%を超えると、塩類自体の味が強く、長期間の飲用に好ましくない傾向がある。
本発明の容器詰茶飲料ではさらにナトリウム、カリウム以外のミネラルを使用することができる。カルシウムの金属塩は、クエン酸カルシウム、酢酸カルシウム、乳酸カルシウム、パントテン酸カルシウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、水酸化カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸三カルシウム、リン酸一水素カルシウム、リン酸二水素カルシウム、グリセロリン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、焼成カルシウム(うに殻焼成カルシウム、貝殻焼成カルシウム、骨焼成カルシウム)等及びそれらの混合物のような容易に入手しうる塩を配合する。本発明の容器詰茶飲料で使用するカルシウム総量としては、1日所要量(米国RDI基準:US2005/0003068記載:U.S.Reference Daily Intake)の少なくとも10質量%以上である0.0012〜0.12質量%であることが好ましい。
マグネシウムの金属塩は、塩化マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、リン酸三マグネシウム等及びそれらの混合物のような容易に入手しうる塩を配合する。本発明の容器詰茶飲料で使用するマグネシウム総量としては、1日所要量(米国RDI基準)の少なくとも10質量%以上である0.00012〜0.006質量%であることが好ましい。
鉄の金属塩は、塩化第二鉄、クエン酸鉄、ピロリン酸第二鉄、ピロリン酸第二鉄液、硫酸第一鉄、クエン酸鉄アンモニウム、グルコン酸第一鉄、乳酸鉄等及びそれらの混合物のような容易に入手しうる塩を配合する。本発明の容器詰茶飲料で使用する鉄総量としては、1日所要量(米国RDI基準)の少なくとも10質量%以上である0.00004〜0.002質量%であることが好ましい。
本発明の容器詰茶飲料には、ビタミンをさらに含有させることができる。好ましくは、ビタミンA、ビタミンB及びビタミンEが加えられる。またビタミンDのような他のビタミンを加えてもよい。ビタミンBとしてはイノシトール、チアミン塩酸塩、チアミン硝酸塩、リボフラビン、リボフラビン5’−リン酸エステルナトリウム、ナイアシン、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム、ピリドキシ塩酸塩、シアノコバラミンから選ばれるビタミンB群があげられ、葉酸、ビオチンミネラルも本発明の飲料に用いることができる。これらのビタミンBは1日所要量(米国RDI基準)の少なくとも10質量%以上であることが好ましい。
本発明の容器詰茶飲料には、非重合体カテキン類の苦味を抑制させるためにサイクロデキストリンを併用することができる。サイクロデキストリンは、α−サイクロデキストリン、β−サイクロデキストリン、γ−サイクロデキストリンが挙げられる。
このように本発明の容器詰茶飲料には、茶由来の成分にあわせて、酸化防止剤、香料、各種エステル類、有機酸類、有機酸塩類、無機酸類、無機酸塩類、無機塩類、色素類、乳化剤、保存料、調味料、甘味料、酸味料、果汁エキス類、野菜エキス類、花蜜エキス類、pH調整剤、品質安定剤などの添加剤を単独、あるいは併用して配合しても良い。
本発明の容器詰茶飲料に使用できる容器は、一般の飲料と同様にポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、金属箔やプラスチックフィルムと複合された紙容器、瓶などの通常の形態で提供することができる。ここでいう容器詰茶飲料とは希釈せずに飲用できるものをいう。
また本発明の容器詰茶飲料は、例えば、金属缶のような容器に充填後、加熱殺菌できる場合にあっては適用されるべき法規(日本にあっては食品衛生法)に定められた殺菌条件で製造できる。PETボトル、紙容器のようにレトルト殺菌できないものについては、あらかじめ上記と同等の殺菌条件、例えばプレート式熱交換器などで高温短時間殺菌後、一定の温度迄冷却して容器に充填する等の方法が採用できる。また無菌下で、充填された容器に別の成分を配合して充填してもよい。さらに、酸性下で加熱殺菌後、無菌下でpHを中性に戻すことや、中性下で加熱殺菌後、無菌下でpHを酸性に戻すなどの操作も可能である。
(非重合体カテキン類の測定)
フィルター(0.8μm)でろ過し、次いで蒸留水で希釈した試料を、島津製作所製、高速液体クロマトグラフ(型式SCL−10AVP)を用い、オクタデシル基導入液体クロマトグラフ用パックドカラム L−カラムTM ODS(4.6mmφ×250mm:財団法人 化学物質評価研究機構製)を装着し、カラム温度35℃でグラジエント法により測定した。移動相A液は酢酸を0.1mol/L含有の蒸留水溶液、B液は酢酸を0.1mol/L含有のアセトニトリル溶液とし、試料注入量は20μL、UV検出器波長は280nmの条件で行った(通常カテキン類の濃度は、質量/体積%(%[w/v])で表すが、実施例中の含有量は液量を掛けて質量で示した)。
(総ポリフェノール類の測定)
総ポリフェノール量の測定は酒石酸鉄法により、標準液として没食子酸エチルを用い、没食子酸の換算量として求める(参考文献:「緑茶ポリフェノール」飲食料品用機能性素材有効利用技術シリーズNo.10)。試料5mLを酒石酸鉄標準溶液5mLで発色させ、リン酸緩衝液で25mLに定溶し、540nmで吸光度を測定し、没食子酸エチルによる検量線から総ポリフェノール量を求める。酒石酸鉄標準液の調製:硫酸第一鉄・7水和物100mg、酒石酸ナトリウム・カリウム(ロッシェル塩)500mgを蒸留水で100mLとする。リン酸緩衝液の調製:1/15Mリン酸水素二ナトリウム溶液と1/15Mリン酸二水素ナトリウム溶液を混合しpH7.5に調整する。
苦味、風味の評価法
製造した容器詰飲料の苦味、美味しさの評価は、次の方法で行った。
3名の専門パネラーが、下記評価基準で官能評価した。
(評価基準)
苦味:評価点
6;強い(硫酸キニーネ 0.00388g/100mL相当)
5;やや強い(硫酸キニーネ 0.00241g/100mL相当)
4;ちょうど良い(硫酸キニーネ 0.00157g/100mL相当)
3;やや弱い(硫酸キニーネ 0.00094g/100mL相当)
2;弱い(硫酸キニーネ 0.00050g/100mL相当)
風味の評価
問題あり;(コゲ臭、エグ味、青くさみ)
問題なし
総合評価×;使用上の問題が顕著
○;使用上問題がない
飲料の製造法
<茎茶火入れ茶又は茶葉ほうじ茶からの抽出液の製造法>
茶葉(茎茶)33.3gを65℃のイオン交換水1000gに浸漬した。全浸漬時間は5分とした。まず30秒間の攪拌を行い、次に90秒静置し、次に10秒間攪拌し、その後、浸漬開始から5分間を経過するまで静置した。その後濾過により茶葉(茎茶)と抽出液を固液分離し、茶葉(茎茶)抽出液を得た。
以下に各実施例、比較例で用いた茶葉の火入れ条件を記載する。
実施例1、2、比較例1、2;火入れ温度220℃、時間150秒
実施例3;火入れ温度180℃、時間150秒
比較例3;火入れ170℃、時間7分
比較例4;火入れ100℃、時間5分
<緑茶抽出物の精製物の製造法>
カテキン含量が30%の緑茶抽出物にタンナーゼ処理(タンナーゼ濃度0.8%;反応温度20℃、反応液のBRIX20)を行い、スプレードライ法により噴霧乾燥させる。得られたパウダーをエタノールと水の混合溶媒(水:エタノール=40:60)でカテキンを抽出した後に混合液に対して8質量部の活性炭を添加して精製を行って得られたカテキン製剤の水分量を調整したもの。ガレート体率は45質量%。
緑茶抽出物の精製物のカテキン濃度;15%
Figure 2009039072
表1から明らかなように、カップテストにおける(A)非重合体カテキン類と(B)総ポリフェノール類の含有質量比(A/B)が0.2〜0.7且つカフェイン量が15mg/100mLになるように火入れ加工した茎茶を配合した高濃度カテキン飲料は、苦味が抑制され、風味も良好であった。
また、比較例3に、通常の緑茶を火入れとした茶葉から抽出された茶抽出液を配合した飲料の評価結果も併せて示した。比較例3のように茎茶でなく、火入れした茶葉の抽出液を配合しても良好な苦味抑制効果は得られなかった。

Claims (4)

  1. 茎茶中の成分組成が以下の(I)、(II)の要件を満たす茎茶抽出液を、茎茶抽出液由来の可溶性固形分が0.07〜0.20質量%になるように配合する、非重合体カテキン類を0.06〜1質量%含有する容器詰茶飲料の製造法。
    茎茶のカップテストにおける茶抽出液分析値が、
    (I)(A)非重合体カテキン類と(B)総ポリフェノール類の含有質量比(A)/(B)=0.2〜0.7、
    (II)カフェイン15mg/100mL以下。
  2. さらに緑茶抽出物の濃縮物を配合する請求項1記載の容器詰茶飲料の製造法。
  3. さらに緑茶抽出液、烏龍茶抽出液又は紅茶抽出液を配合する請求項1又は2記載の容器詰茶飲料の製造法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項記載の方法により得られる容器詰茶飲料。
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