JP2011125224A - 容器詰飲料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】次の成分(A)及び(B);
(A)非重合体カテキン類:0.05〜3質量%、及び
(B)酸性リン酸塩及び縮合リン酸塩から選択される少なくとも1種:0.001〜2質量%
を含有する容器詰飲料。
【選択図】なし
Description
したがって、本発明の課題は、高濃度の非重合体カテキン類を含み、歯及び舌のざらつきが軽減され、後味のキレの改善された容器詰飲料を提供することにある。
(A)非重合体カテキン類:0.05〜3質量%、及び
(B)酸性リン酸塩及び縮合リン酸塩から選択される少なくとも1種:0.001〜2質量%
を含有する容器詰飲料を提供するものである。
「後味」とは、JIS Z 8144:2004に記載の「口内に残る感覚」をいう。また「えぐみ」とは、あくが強くて、舌やのどがひりひりとするような感じや味をいう。
「(A)非重合体カテキン類」とは、カテキン、ガロカテキン、カテキンガレート及びガロカテキンガレート等の非エピ体カテキン類と、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート及びエピガロカテキンガレート等のエピ体カテキン類を併せての総称であり、非重合体カテキン類の濃度は、上記8種の合計量に基づいて定義される。
「非重合体カテキン類のガレート体」とは、カテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピカテキンガレート及びエピガロカテキンガレートを併せての総称である。また、「非重合体カテキン類中のガレート体率」とは、これら4種の非重合体カテキン類のガレート体の総和質量を、非重合体カテキン類8種の総和質量に対する百分率で表した値である。
また、塩としては、アルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウム)又はアルカリ土類金属(例えば、カルシウム)との金属塩、アンモニウム塩が例示され、中でも、えぐみ、及び後味のキレの改善の観点から、アルカリ金属塩が好ましい。なお、リン酸塩は、無水物でも、水和物であってもよい。
Hn+2PnO3n+1 ・・・(1)
(nは正の整数)で表される化合物の塩であって、上記式(1)中の水素原子が全て金属原子又はアンモニウムで置換された化合物である。縮合リン酸塩としては、ピロリン酸アルカリ金属塩、トリポリリン酸アルカリ金属塩、テトラポリリン酸アルカリ金属塩等の縮合リン酸アルカリ金属塩が好ましく、特にトリポリリン酸ナトリウム(Na5P3O10)、トリポリリン酸カリウム(K5P3O10)が好ましい。
酸性オルトリン酸塩としては、酸性オルトリン酸アルカリ金属塩が好ましく、特にリン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウムが好ましい。
酸性縮合リン酸塩とは、上記式(1)で表される化合物の塩であって、上記式(1)中の水素原子の一部が金属原子又はアンモニウムで置換された化合物である。酸性縮合リン酸塩としては、酸性縮合リン酸アルカリ金属塩が好ましく、特にピロリン酸二水素二ナトリウム、ピロリン酸二水素二カリウムが好ましい。
酸性メタリン酸塩とは、下記一般式(2);
(HPO3)m ・・・(2)
(mは正の整数)で表される化合物の塩であって、上記式(2)中の水素原子の一部が金属原子又はアンモニウムで置換された化合物である。酸性メタリン酸塩としては、トリメタリン酸塩、テトラメタリン酸塩、ヘキサメタリン酸塩が好ましく、特に酸性ヘキサメタリン酸ナトリウムが好ましい。
また、成分(A)に対する成分(B)の含有質量比[(B)/(A)]は、歯及び舌のざらつき、えぐみ並びに後味のキレの改善の観点から、その下限が0.01、更に0.015、更に0.03、特に0.08であることが好ましく、他方上限は4、更に3、更に1.7、更に1、更に0.5、更に0.4、更に0.3、特に0.25、特に0.2、殊更0.17であることが好ましい。
(C)酸味料としては、アスコルビン酸、クエン酸、グルコン酸、コハク酸、酒石酸、乳酸、フマル酸、リンゴ酸及びこれらのアルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩)が例示され、これらは1種又は2種以上を併用することができる。中でも、(C)酸味料としては、クエン酸、クエン酸ナトリウムが好ましい。但し、本発明において、酸味料の概念には、酸性リン酸塩及び縮合リン酸塩は含まれない。
炭水化物としては、例えば、単糖、オリゴ糖、複合多糖、糖アルコールが例示され、ブドウ糖、ショ糖、果糖、ブドウ糖果糖液糖、果糖ブドウ糖液糖及びエリスリトールから選ばれる1種以上を含有することが好ましい。グリセロール類としては、グリセロール等の多価アルコールが例示される。人工甘味料としては、例えば、アスパルテーム、スクラロース、サッカリンなどの高甘度甘味料が例示される。
中でも、(D)甘味料としては、スクラロース、果糖ブドウ糖液糖、エリスリトールが好ましく、特にエリスリトールが好ましい。
抽出に使用する茶としては、例えば、Camellia属、例えば、C.var.sinensis(やぶきた種を含む)、C.var.assamica及びそれらの雑種から選択される茶樹(Camellia sinensis)が好適である。その加工方法により、不発酵茶、半発酵茶、発酵茶に大別することができる。不発酵茶としては、例えば、煎茶、番茶、碾茶、釜入り茶、茎茶、棒茶、芽茶等の緑茶が例示される。また、半発酵茶としては、例えば、鉄観音、色種、黄金桂、武夷岩茶等の烏龍茶が例示される。更に、発酵茶としては、ダージリン、アッサム、スリランカ等の紅茶が例示される。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、非重合体カテキン類の含有量の点から、緑茶が好適である。
(i)茶抽出物又はその濃縮物(以下、「茶抽出物等」という)を水、又は水と水溶性有機溶媒(例えば、エタノール)との混合物(以下、「有機溶媒水溶液」という)に懸濁して生じた沈殿を除去した後、溶媒を留去する方法。
(ii)茶抽出物等をタンナーゼ処理し、更に活性炭、酸性白土及び活性白土から選択される少なくとも1種の吸着剤と接触させる方法(例えば、特開2007−282568号公報)。
(iii)茶抽出物等を合成吸着剤に吸着させた後、該合成吸着剤に有機溶媒水溶液を接触させて非重合体カテキン類を脱離させる方法(例えば、特開2006−160656号公報)。
(iv)茶抽出物等を合成吸着剤に吸着させた後、該合成吸着剤に有機溶媒水溶液又は塩基性水溶液(例えば、水酸化ナトリウム水溶液)を接触させて非重合体カテキン類を脱離させ、次いで得られた脱離液を活性炭と接触させる方法(例えば、特開2008−079609号公報)。
本発明に係る歯及び舌のざらつき、並びに後味のキレの改善方法は、(A)非重合体カテキン類0.05〜3質量%に、(B)リン酸塩を0.001〜2質量%を添加することを特徴とするが、従来に比して極めて高濃度の非重合体カテキン類を含有する場合においても、飲用後の歯及び舌に残るざらつき、並びに後味のキレが改善される。このように容器詰飲料中の非重合体カテキン類を高濃度化することができれば、一日に何回も非重合体カテキン類を摂取することなく、一回で非重合体カテキン類を多量に摂取することが可能になるため、非重合体カテキン類を手軽に飲用して生理効果を十分に期待できる。したがって、高濃度非重合体カテキン類含有容器詰飲料における歯及び舌に残るざらつき、並びに後味のキレの改善技術はその意義が極めて高い。
試料溶液をフィルター(0.45μm)で濾過し、高速液体クロマトグラフ(型式SCL−10AVP、島津製作所製)を用い、オクタデシル基導入液体クロマトグラフ用パックドカラム(L−カラムTM ODS、4.6mmφ×250mm:財団法人 化学物質評価研究機構製)を装着し、カラム温度35℃でグラジエント法により分析した。移動相A液は酢酸を0.1mol/L含有する蒸留水溶液、B液は酢酸を0.1mol/L含有するアセトニトリル溶液とし、試料注入量は20μL、UV検出器波長は280nmの条件で行った。
各容器詰飲料の飲用直後の「歯及び舌のざらつき」、「後味のキレ」並びに「えぐみ」について、専門パネル4名により下記の評価基準で官能試験を行い、その後協議により下記基準の評点を0.5刻みで最終スコアを決定した。
評点5:ざらつきを感じない。
4:ざらつきをあまり感じない。
3:ざらつきをやや弱く感じる。
2:ざらつきを弱く感じる。
1:ざらつきを感じる。
評点5:後味にキレを強く感じる。
4:後味にキレを感じる。
3:後味にキレをやや弱く感じる。
2:後味にキレを弱く感じる。
1:後味にキレがない。
評点5:えぐみを感じない。
4:えぐみをあまり感じない。
3:えぐみをやや弱く感じる。
2:えぐみを弱く感じる。
1:えぐみを感じる。
緑茶抽出物の精製物の製造
緑茶抽出物の濃縮物としてポリフェノンHG(三井農林(株)製)100gを95.0質量%エタノール900gに分散させ、30分熟成し、2号濾紙及び孔径0.2μmの濾紙で濾過し、イオン交換水200mLを加えて減圧濃縮を行った。このうち75.0gをステンレス容器に投入し、イオン交換水で全量を1,000gとし、5質量%重曹水溶液3.0gを添加してpH5.5に調整した。次いで、22℃、150r/minの攪拌条件下で、イオン交換水1.07g中にタンナーゼ(タンナーゼKTFH、Industrial Grade、500U/g以上、キッコーマン社製)0.27g(非重合体カテキン類に対して2.4%)を溶解した液を添加し、55分後にpHが4.24に低下した時点で酵素反応を終了した。次いで95℃の温浴にステンレス容器を浸漬し、90℃、10分間保持して酵素活性を完全に失活した後、25℃まで冷却した後に濃縮処理を行い緑茶抽出物の精製物を得た。この緑茶抽出物の精製物は、非重合体カテキン類濃度が15.0質量%、非重合体カテキン類中のガレート体率が44%、固形分中の非重合体カテキン類濃度が61.6質量%であった。
表1に示す割合の各成分を配合し、次いで超高温短時間殺菌(UHT殺菌、98℃、30秒)し透明PETボトルに充填して容器詰飲料を調製した。次いで、得られた容器詰飲料について、成分分析及び官能試験を行った。その結果を表1に示す。
Claims (7)
- 次の成分(A)及び(B);
(A)非重合体カテキン類:0.05〜3質量%、及び
(B)酸性リン酸塩及び縮合リン酸塩から選択される少なくとも1種:0.001〜2質量%
を含有する容器詰飲料。 - 前記酸性リン酸塩が酸性オルトリン酸塩である請求項1に記載の容器詰飲料。
- 前記縮合リン酸塩がトリポリリン酸アルカリ金属塩である請求項1又は2に記載の容器詰飲料。
- 前記成分(A)に対する前記成分(B)の含有質量比[(B)/(A)]が0.01〜0.5である請求項1〜3のいずれか1項に記載の容器詰飲料。
- 成分(C)として酸味料を更に含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の容器詰飲料。
- 成分(D)として甘味料を更に含有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の容器詰飲料。
- (A)非重合体カテキン類0.05〜3質量%に、(B)酸性リン酸塩及び縮合リン酸塩から選択される少なくとも1種を0.001〜2質量%を添加する、非重合体カテキン類含有容器詰飲料の歯及び舌のざらつき、並びに後味のキレの改善方法。
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