JP2009037870A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】白霧対策処理の必要性を判定し、効率のよい方法により白霧の発生を抑制する。
【解決手段】燃料電池システムは、燃料電池から排気ガスを排出する排気通路を流れる排気ガスが外気に排出されたときに白霧が発生するかを判定する判定手段と、前記排気通路を流れる排気ガスが外気に排出されたときに白霧が発生すると判定された場合、外気に排出される排気ガスの流量又は流速を制御する制御手段と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、発電時において水を発生する燃料電池システムに関する。
燃料電池で発電を行った場合、発電量に応じた生成水が排出される。特に、自動車用燃料電池では、数十Kwから数百Kwの発電量が必要となり、生成水は多量となる。また、自動車用燃料電池では、固体高分子型が主流で、基本的には運転温度が低い。したがって、これまでは、排出された生成水による寒冷地での路面凍結、又は生成水の後続車両への飛散等、液水の処理が問題とされてきた。
しかし、外気条件と運転条件により、オフガスの排出通路のテールエンドから発生する白霧も抑制する必要がある。白霧は、自動車の商品性の観点からは望ましくない。また、白霧による後続車両への視界悪化等の周囲への影響も考慮すべき場合もある。このため、従来、車両用燃料電池において、白霧の抑制の提案がなされてきた。白霧が発生するのを防止するため、オフガスを加熱器で加熱した後、外気に排出する方法がある。
特開平7−169498号公報 特開2001−185199号公報 特開2005−299853号公報 特開2003−7323号公報
上述のように、燃料電池のオフガスが排出通路のテールエンドで外気に放出される際、水蒸気が飽和し、液水と水蒸気の2形態にて排出される。そして、水蒸気が外気に触れ、冷却されて白霧が発生する場合がある。したがって、燃料電池の生成水による白霧は、特に燃料電池が暖機された状態で排出されるオフガスが外気で急速に冷却されることによって発生しやすい。つまり、外気温度が低温の場合に特に白霧が発生しやすい。
さらに、今後、燃料電池の冷却系の小型化や発電効率向上の観点からの運転温度上昇の要求が高まると、発電量に依存して発生する生成水は、液水よりも水蒸気にて排出される比率が高まり、白霧が顕在化しやくなる。また、白霧低減のため、一般的にはオフガスの温度を白霧の生じやすい温度から、冷却又は加熱する手段が採用される。このため、オフガスを加熱するためのヒータ等の追加の設備を必要とし、オフガスを冷却又は加熱するためのエネルギを必要とする。一方で、車両走行中は、走行風の拡散効果により白霧が発生しても目立ちにくく、停車中には白霧が目立ちやすい。
そこで、本発明の目的は、白霧対策処理の必要性を判定し、効率的な方法により白霧発生の可能性を抑制する技術を提供することにある。
本発明は、上述した課題を解決するために、以下の手段を採用する。すなわち、本発明は、燃料電池から排気ガスを排出する排気通路を流れる排気ガスが外気に排出されたときに白霧が発生するかを判定する判定手段と、前記排気通路を流れる排気ガスが外気に排出されたときに白霧が発生すると判定された場合、外気に排出される排気ガスの流量又は流速を制御する制御手段と、を備える燃料電池システムである。本発明によれば、判定手段が、排気ガスが外気に排出されたときに白霧が発生するかを判定する。そして、白霧が発生すると判定される場合には、外気に排出される排気ガスの流量を減少させ又は排気ガス
の流速を増加させる。外気に排出される排気ガスの流量を減少させた場合、単位時間当たりの外気に排出する水蒸気量を減少させることができ、白霧発生の可能性を抑制することができる。また、外気に排出される排気ガスの流速を増加させた場合、排気ガスの外気への放出速度が速くなる。その結果、外気における排気ガスの拡散効果が上がり、白霧発生の可能性を抑制することができる。
上記制御手段は、燃料電池に空気を供給する供給手段の駆動量を減少させるように前記供給手段を制御することで、外気に排出される排気ガスの流量を減少させるようにしてもよい。本発明によれば、燃料電池に空気を供給する供給手段の駆動量を減少させることで、燃料電池から排出される排気ガスの流量を減少させる。そして、燃料電池から排出される排気ガスの流量が減少する結果、外気に排出される排気ガスの流量が減少し、白霧発生の可能性を抑制することができる。
上記制御手段は、前記排気通路を流れる排気ガスの背圧を増加させる背圧弁を制御することで、外気に排出される排気ガスの流量を減少させるようにしてもよい。本発明によれば、排気通路を流れる排気ガスの背圧を増加させることで、燃料電池から排出される排気ガスの流量を減少させる。そして、燃料電池から排出される排気ガスの流量が減少する結果、外気に排出される排気ガスの流量が減少し、白霧発生の可能性を抑制することができる。
前記排気通路から分岐し、排気ガスを外気に排出する第1の分岐通路又は第2の分岐通路と前記排気通路とを選択可能に連通する連通手段を更に備え、前記第2の分岐通路の断面積は、前記排気通路の断面積より小さくなっており、前記制御手段は、前記排気通路と前記第2の分岐通路とを連通させるように前記連通手段を制御することで、外気に排出される排気ガスの流速を増加させるようにしてもよい。本発明によれば、第2の分岐通路の断面積は、排気通路の断面積より小さくなっている。そのため、排気ガスが第2の分岐通路を流れて外気に排出された場合、外気に排出される排気ガスの流速は増加する。その結果、排気ガスの外気への放出速度が速くなり、白霧発生の可能性を抑制することができる。
空気供給手段から供給される空気を前記排気通路に流入させるバイパス通路を開通可能に閉塞する閉塞手段と、前記排気ガスが外気に排出されたときに白霧が発生すると判定された場合、前記閉塞手段によって閉塞された前記バイパス通路を開通する閉塞制御手段と、を更に備えるようにしてもよい。本発明によれば、空気供給手段から供給される空気が、バイパス通路から排気通路に流入する。排気通路を流れる排気ガスを空気供給手段から供給される空気で希釈することにより、白霧発生の可能性を抑制することができる。
前記制御手段は、前記燃料電池から排出される排気ガスの流量および前記バイパス通路から前記排気通路に流入する空気の流量に基づく評価基準にしたがって、前記燃料電池の空気極側の排気ガスの排出を制御してもよい。本発明によれば、燃料電池から排出される排気ガスの流量およびバイパス通路から排気通路に流入する空気の流量に基づく評価基準にしたがって、燃料電池の空気極側の排気ガスの排出を制御することができる。
前記制御手段は、前記排気ガスの圧力が高いほど排気ガスの排出限度を増加する評価基準にしたがって、前記燃料電池の空気極側の排気ガスの排出を制御してもよい。排気ガスの圧力が高くなると同一の質量のガスを排出する場合、排気ガスの体積流量が低下する。そのため、排気ガスの圧力が高いほど同一の質量の排気ガス排出での水蒸気の排出量が低減される。また、水蒸気の排出量を同程度に維持する場合には圧力を上昇させた方が、圧力が上昇する前よりも、多くの質量の排気ガスを排出できる。
前記排気ガスを外気に排出する方向を切り替える切替手段を更に備え、前記制御手段は、前記排気ガスが外気に排出されたときに白霧が発生すると判定された場合、前記排気ガスの排出方向を切り替えるように前記切替手段を制御してもよい。本発明によれば、白霧が発生すると判定される場合には、排気ガスの排出方向を切り替え、外気における排気ガスの拡散効果を増加させることにより、白霧発生の可能性を抑制することができる。
前記制御手段は、前記排気ガスが外気に排出されたときに白霧が発生すると判定された場合、前記燃料電池を間欠運転するように制御してもよい。本発明によれば、燃料電池を間欠運転することにより、燃料電池から排出される排気ガスの流量を減少させる。燃料電池から排出される排気ガスの流量が減少する結果、外気に排出される排気ガスの流量が減少し、白霧発生の可能性を抑制することができる。
前記燃料電池は車両に搭載可能に構成され、外気の温度を検知する外気温度センサの検知データ、前記外気の湿度を検知する湿度センサの検知データ、排気ガスの温度を検知するガス温度センサの検知データ、燃料電池のセルスタックの温度を検知するセル温度センサの検知データ、前記燃料電池の発電量の計測手段の計測データ、前記燃料電池に供給される空気流量の計測手段の計測データ、および、前記車両の車速センサの検知データの少なくとも1つのデータを読み出す手段と、前記少なくとも1つのデータについて、前記排気ガスが外気に排出されたときに白霧が発生すると判定すべき判定条件を記憶した記憶手段と、をさらに備え、前記判定手段は、前記読み出されたデータが前記判定条件を充足した場合に、前記排気ガスが外気に排出されたときに白霧が発生すると判定してもよい。本発明によれば、判定手段は、読み出されたデータがその判定条件を充足した場合に限定して、排気ガスが外気に排出されたときに白霧が発生すると判定する。
本発明によれば、白霧対策処理の必要性を判定し、効率的な方法により白霧発生の可能性を抑制することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施をするための最良の形態(以下、実施形態という)に係る燃料電池システムについて説明する。以下の実施形態の構成は例示であり、本発明は実施形態の構成には限定されない。
〈第1実施形態〉
本発明の第1実施形態に係る燃料電池システムについて、図1から図6を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態に係る燃料電池システムの構成を示すシステム図である。
図1において、第1実施形態に係る燃料電池システムは、複数のセルが積層された燃料電池スタック1、燃料電池スタック1のカソード(空気極)にカソードガス通路5を通じて空気を供給するエアコンプレッサ9(本発明の供給手段に相当)及びエアフィルタ11、燃料電池スタック1のカソードから排出される空気が流れるカソードオフガス通路6、カソードオフガス通路6に接続されるマフラ21、マフラ21の下流のカソードオフガス通路6におけるテールエンドでカソードオフガスの温度を検知するテールエンド温度センサ23、燃料電池スタック1のアノード(水素極)に、アノードガス通路2を通じて燃料ガスである水素を供給する水素タンク7及び可変調圧弁10、燃料電池スタック1のアノードから排出される水素を含むアノードオフガスが流れるアノードオフガス通路3、アノードオフガス通路3からアノードオフガス循環通路4を通じて、アノードガス通路2にアノードオフガスを循環させる水素ポンプ8、インターフェース29(本発明の読み出す手段に相当)を介して本燃料電池システムの各種センサを監視するともに、燃料電池システ
ムを制御するECU(電子制御ユニット、本発明の制御手段に相当)15を有している。本実施形態では、テールエンドとは、カソードオフガス通路6の末端の位置をいう。
燃料電池スタック1は、複数のセルが積層されて構成されている。各セルは電解質膜、カソード、アノード、及びセパレータとから構成される。カソードとアノードとの間には、空気及び水素の流路が形成されている。
燃料電池スタック1のアノードでは、アノードガスが供給されると、アノードガスに含まれる水素から水素イオンが生成される。また、燃料電池スタック1のカソードには、空気に含まれる酸素が供給される。そして、燃料電池スタック1では、水素と酸素の電気化学反応が起こり、電気エネルギが発生する。また、燃料電池スタック1のカソードでは、水素から生成した水素イオンと酸素とが結合することにより水が生成される。燃料電池スタック1の出力端子の出力電圧及び出力電流を検知することで、発電量に係るデータを取得できる。また、燃料電池スタック1の運転温度は、直接燃料電池セルの温度を検知してもよいし、不図示の冷却水通路にて冷却水の温度を検知してもよい。
アノードに供給されたアノードガスのうち未反応の水素及びカソードから透過する窒素等を含むガス(以下、アノードオフガスと表記する)は、燃料電池スタック1からアノードオフガス通路3に排出される。
燃料電池スタック1のアノードから排出されたアノードオフガスは、アノードオフガス通路3及びアノードオフガス循環通路4を通り、水素タンク7からのアノードガスとともに再び燃料電池スタック1のアノードへ供給される。また、アノードオフガス通路3は、燃料電池スタック1のアノードから排出されたアノードオフガスを気液分離器12に供給する。これにより、アノードオフガスは、水分を分離されて、アノードオフガス循環通路4へ供給される。
また、カソードに供給されたカソードガスのうち未反応のガス(以下、カソードオフガスと表記する)は、燃料電池スタック1からカソードオフガス通路6に排出される。カソードオフガスは、燃料電池スタック1が生成した水を水蒸気として含んでいる。カソードから排出されたカソードオフガスは、カソードオフガス通路6を通り外気に排出される。
エアコンプレッサ9は、エアフィルタ11を通じて吸引した空気を燃料電池スタック1のカソードに供給する。したがって、エアコンプレッサ9への投入電力を検知することで、コンプレッサ流量に係るデータを取得できる。ただし、エアコンプレッサ9への投入電力を検知し、コンプレッサ流量に係るデータを取得する代わりに、カソードガス通路5にて空気流量(空気の体積流量)を流量計で測定するようにしてもよい。マフラ21は、内部に屈曲した通路又は通路の仕切り板等を有し、通過するカソードオフガスを内壁又は仕切り版に衝突させ、カソードオフガスの温度を低下させる。
カソードオフガス通路6のテールエンドに設けられたテールエンド温度センサ23は、カソードオフガスの温度を監視している。また、本実施形態では、カソードオフガス通路6の末端の開口をいう場合には、排出口という。テールエンド温度センサ23が検出した排出口でのカソードオフガスの温度は、インターフェース29を介してECU15に刻々報告される。
インターフェース29には、外気温度を検知する外気温度センサ、外気の湿度を検知する湿度センサ、車速を検知する車速センサ、燃料電池スタック1の運転温度を検知するセル温度センサ、燃料電池スタック1の出力電圧を検知する電圧センサ、燃料電池スタック1の出力電流を検知する電流センサ、エアコンプレッサ9への投入電力を検知する電力セ
ンサ、燃料電池スタック1のカソードへの空気供給量を計測する流量計、テールエンドの温度を検知するテールエンド温度センサ23等、各部の温度データ、湿度データ、発電量、コンプレッサ流量、各部の温度等に係るデータがそれぞれのセンサから入力される。
ECU15は、内部にCPUやROM等を備えており、CPUはROMに記録される制御プログラムに従って各種の処理を実行する。ECU15は、インターフェース29を通じて、不図示の外気温度センサからの外気温度データ、不図示の湿度センサからの外気湿度データ、テールエンド温度センサ23からのカソードオフガス温度データ、燃料電池発電量等の燃料電池運転状態、車速等の車両運転状態を刻々監視している。また、ECU15は、これらの外気条件、燃料電池運転状態、車両運転状態が、白霧発生条件に該当するか否かを判定する(本発明の判定手段に相当)。ここで、白霧発生条件とは、現在の燃料電池運転状態及び車両運転状態にてカソードオフガスが、外気に放出された場合に、白霧が発生する条件をいう。
また、ECU15は、内部にメモリ40を備えており、インターフェース29から入力されるデータのそれぞれについての白霧発生条件を記憶している。ECU15は、インターフェース29から入力されるデータのそれぞれについて、メモリ40に記憶されている白霧発生条件と照合し、白霧発生の可能性を判定する。
図2は、ECU15における処理のフローチャートである。この処理は、CPUで実行される制御プログラムによって実行される。この処理は、所定の時間間隔で繰り返し実行される。ここで、所定時間は、工場出荷時に設定される値、車両を販売する販売店にて設定される値、あるいは、ユーザ設定値等である。
この処理では、ECU15は、外気温度、外気湿度、車両運転条件、FC運転条件、燃料電池システムの各部の温度等のデータを取得する(S1)。
次に、ECU15は、S1の処理で取得した外気温度、外気湿度、車両運転条件、FC運転条件、燃料電池システムの各部の温度等のデータから、白霧対策が必要な領域にあるか否かを判定する(S2)。
カソードオフガス通路6から外気に排出されたカソードオフガスに含まれる水蒸気は外気により冷却される。そして、外気により冷却された水蒸気の水蒸気量が、冷却された温度の飽和水蒸気量より大きい場合、外気に排出された水蒸気は凝縮する。水蒸気は凝縮すると、最初は水滴の細かい粒となる。光の乱反射により水滴の粒を含む水蒸気は白く見える。外気に排出されたカソードオフガスに含まれる水蒸気が白く視認できる状態になることを白霧対策領域という。
外気温度、外気湿度、車両運転条件、FC運転条件、燃料電池システムの各部の温度等と白霧対策領域との関係は、実験又はシミュレーションで求めておけばよい。例えば、図3に示すようなマップ(テーブル)を実験又はシミュレーションにより予め作成する。そして、ECU15は、マップから白霧対策領域の判定を行ってもよい。
図3に示すΔTは、テールエンド温度センサ23が検知したカソードオフガスの温度と外気温度との差である。図3に示す湿度は、外気湿度である。図3の○は、白霧対策領域であることを示している。図3の×は、白霧対策領域ではないことを示している。図3のマップを用いて、白霧対策領域の判定を行う場合、ECU15は、テールエンド温度センサ23が検知したカソードオフガスの温度と外気温度との差であるΔT1を算出する。そして、ECU15は、図3に示すマップを参照し、ΔT1及び外気湿度が白霧対策領域にあるか否かを判定する。
図2の説明に戻る。白霧対策が必要な領域にないと判定した場合(S2の処理で否定の場合)、ECU15は、エアコンプレッサ9に掃気条件Aを設定する。掃気条件Aが設定された場合、エアコンプレッサ9は、通常掃気処理を実行する。通常掃気処理は、例えば、運転終了後に所定時間の間、掃気処理を行うことや、再起動時に所定時間の間、掃気処理を行うことである。ここで、所定時間は、工場出荷時に設定される値、車両を販売する販売店にて設定される値、あるいは、ユーザ設定値等である。
一方、白霧対策が必要な領域にあると判定した場合(S2の処理で肯定の場合)、ECU15は、燃料電池が暖機状態かつ再起動中であるか、又は、暖機状態かつ運転終了中であるか否かを判定する(S3)。ここで、燃料電池が暖機状態とは、燃料電池スタック1の運転温度が所定温度以上であることをいう。再起動中は、生成水等を排出するため掃気処理を実施する。再起動中は、特に大量の空気がカソードに供給され、生成水の絶対量が多くなるため、本実施形態では、再起動中を判定の条件としている。また、再起動中は、燃料電池を搭載した車両が停止しているため、白霧が目立ちやすい。したがって、燃料電池が暖機状態かつ再起動中は、特に白霧を抑制する必要がある。一方、ECU15は、燃料電池が暖機状態でないか、又は、再起動中でない場合は、白霧対策を省略してもよいと判定し、S5の処理を行う。
また、運転終了中は、生成水等を排出するため掃気処理を実施する。運転終了中は、排出される生成水の絶対量が多くなり、白霧発生の可能性が高まるため、本実施形態では、運転終了中を判定の条件としている。また、運転終了中は、燃料電池を搭載した車両が停止しているため、白霧が目立ちやすい。したがって、燃料電池が暖機状態かつ運転終了中は、特に白霧を抑制する必要がある。一方、ECU15は、燃料電池が暖機状態でないか、又は、運転終了中でない場合は、白霧対策を省略してもよいと判定し、S5の処理を行う。
燃料電池が暖機状態かつ再起動中であるか、又は、暖機状態かつ運転終了中である場合(S3の処理で肯定の場合)、ECU15は、エアコンプレッサ9に掃気条件Bを設定する。掃気条件Bが設定された場合、エアコンプレッサ9は、現在設定されている空気供給量(駆動量)を減少させて(すなわち、回転数を減少させて)、燃料電池スタック1のカソードに空気を供給し、通常掃気処理よりも長い時間で掃気処理を実行する。
エアコンプレッサ9に掃気条件Bを設定した場合、単位時間当たりの空気供給量が減少する。エアコンプレッサ9に掃気条件Bを設定した場合における空気供給量の総量、すなわち、総掃気量を、エアコンプレッサ9に掃気条件Aを設定した場合における総掃気量と同等にするため、本実施形態では、通常掃気処理も長い時間で掃気処理を実行させる。この通常掃気時間よりも長い時間は、コンプレッサ9に現在設定されている空気供給量を減少させた割合に比例して増加する。
エアコンプレッサ9に掃気条件Bを設定することで、空気供給量が減少し、単位時間当たりの燃料電池スタック1のカソードオフガスの排出量が減少する。そのため、単位時間当たりの外気に排出する水蒸気量を減少させることができ、白霧発生の可能性を抑制することができる。さらに、掃気時間を延長することにより、総掃気量を確保し、燃料電池システムの次始動性を確保することができる。なお、ECU15の処理で、S2及びS3の処理の双方が必須ということではなく、いずれか一方だけの判定に従って、ECU15は、エアコンプレッサ9を制御してもよい。
図4は、白霧対策が必要な領域にあると判定された場合における外気へのカソードオフガスの排気(掃気)流量と白霧との関係を示す図である。図4で、横軸がカソードオフガ
スの排気(掃気)流量であり、縦軸が白霧の見栄えである。
カソードオフガスの排気(掃気)流量が曲線C1上の「掃気条件A」の位置にある場合、カソードオフガスが外気中に放出されると、白霧の見栄えが悪いと判断される。すなわち、エアコンプレッサ9に掃気条件Aが設定され、カソードオフガスが外気中に放出されると、白霧の見栄えが悪いと判断される。
カソードオフガスの排気(掃気)流量が曲線C1上の「掃気条件B」の位置にある場合、カソードオフガスが外気中に放出されると、白霧の見栄えが良いと判断される。すなわち、エアコンプレッサ9に掃気条件Bが設定され、カソードオフガスが外気中に放出されると白霧の見栄えが良いと判断される。
エアコンプレッサ9に掃気条件Bが設定された場合は、エアコンプレッサ9に掃気条件Aが設定された場合と比べて、カソードオフガスの排気(掃気)流量が減少するため、白霧発生の可能性が抑制される。
<具体的処理例>
図2では、外気温度、外気湿度、車両運転条件、FC運転条件、燃料電池システムの各部の温度等のデータから、ECU15は、白霧対策が必要な領域にあるか否かを判定した。また、白霧対策が必要な領域にあると判定した場合、ECU15は、燃料電池が暖機状態かつ再起動中であるか、又は、暖機状態かつ運転終了中であるか否かを判定した。ここでは、その具体的な処理例を説明する。
図5は、ECU15の白霧対策要否判断の処理例1を示すフローチャートである。この処理は、図2に示したS2の処理の詳細例である。この処理では、ECU15は、まず、本燃料電池システムを搭載した車両の車速が所定速度Cより小さいか否かを判定する(S11)。
車速が所定速度C以上の場合、ECU15は、白霧対策領域フラグをオフに設定する(S14)。車速が増すにつれて、外気におけるカソードオフガスの拡散効果が上がり、白霧が発生しても目立ちにくくなる。したがって、車両走行中で、かつ、車速が所定以上の場合には、白霧が目立ちにくい。
一方、外気におけるカソードオフガスの拡散効果が小さいと、外気によってテールエンド近傍で急激に水蒸気が飽和し、白霧が発生しやすい。そこで、車速が所定速度C未満の場合(S11の処理で肯定の場合)、ECU15は、さらに、テールエンド温度センサ23での測定温度より外気温度が低く、その差が、所定値Eより大きいか、否かを判定する(S12)。そして、テールエンド温度センサ23での測定温度と外気温度との差が、所定値Eより大きい場合(S12の処理で肯定の場合)、ECU15は、白霧対策領域フラグをオンに設定する(S13)。
また、テールエンド温度センサ23での測定温度と外気温度との差が、所定値E以下の場合(S12の処理で否定の場合)、ECU15は、白霧対策領域フラグをオフに設定する(S14)。この場合、テールエンド温度センサ23での測定温度と外気温度との差が小さい程、白霧の発生する可能性が少ないと推定されるからである。そして、ECU15は、白霧対策領域フラグにしたがって、エアコンプレッサ9を制御する。
図6は、ECU15の白霧対策要否判断の処理例2を示すフローチャートである。この処理は、図2に示したS2の処理の詳細例である。この処理では、ECU15は、まず、外気温度が所定値Aより小さいか否かを判定する(S21)。そして、外気温度が所定値
A以上の場合(S21の処理で否定の場合)、ECU15は、白霧対策領域フラグをオフに設定する(S27)。
また、外気温度が所定値A未満の場合(S21の処理で肯定の場合)、ECU15、外気湿度が所定値Bより高いか否かを判定する(S22)。そして、外気湿度が所定値B以下の場合(S22の処理で否定の場合)、ECU15は、白霧対策領域フラグをオフに設定する(S27)。
また、外気湿度が所定値Bより高い場合(S22の処理で肯定の場合)、ECU15は、車速が所定値Cより遅いか否かを判定する(S23)。そして、車速が所定値C以上の場合(S23の処理で否定の場合)、ECU15は、白霧対策領域フラグをオフに設定する(S27)。
また、車速が所定値Cより遅い場合(S23の処理で肯定の場合)、ECU15は、燃料電池スタック1の運転温度が所定値Dより高いか否かを判定する(S24)。燃料電池スタック1の運転温度が所定値D以下の場合(S24の処理で否定の場合)、ECU15は、白霧対策領域フラグをオフに設定する(S27)。
また、燃料電池スタック1の運転温度が所定値Dより高い場合、ECU15は、燃料電池システムの負荷が所定値Fより大きいか否かを判定する(S25)。ここで、燃料電池システムの負荷は、例えば、カソードに供給される空気流量、又は、燃料電池スタック1での発電量等によって判定できる。燃料電池システムの負荷が所定値F以下の場合(S25の処理で否定の場合)、ECU15は、白霧対策領域フラグをオフに設定する(S27)。
一方、燃料電池システムの負荷が所定値Fより大きい場合(S25の処理で肯定の場合)、ECU15は、白霧対策領域フラグをオンに設定する(S26)。そして、ECU15は、白霧対策領域フラグにしたがって、エアコンプレッサ9を制御する。
以上のようにして、外気温度、外気湿度、車両運転条件、FC運転条件、燃料電池システムの各部の温度等のデータにしたがって、ECU15は、白霧対策の要否を判定できる。その結果、白霧発生の可能性が高いと推定される場合に限定して、エアコンプレッサ9に掃気条件Bを設定することができる。一方、白霧発生の可能性が低いと推定される場合には、エアコンプレッサ9に掃気条件Aを設定することで、エアコンプレッサ9に掃気条件Bを設定した場合よりも短時間で掃気処理を完了させることができる。
なお、図6に示したそれぞれの判定処理は、すべてをECU150の制御シーケンスに設けなければならないということではない。例えば、外気温度の判定(S21)と、燃料電池スタック1の運転温度の判定(S24)だけを組み合わせて、白霧対策の要否を判定してもよい。また、例えば、燃料電池システムの負荷が所定値以上かどうかの判定(S25)だけによって、白霧対策の要否を判定してもよい。さらに、例えば、図5に示した外気温度とテールエンド温度センサ23の温度との差による判定(S13)を、図6に示すいずれかの処理又は図6に示す複数の処理と組み合わせて実行してもよい。
〈第2実施形態〉
本発明の第2実施形態に係る燃料電池システムについて、図7及び図8を参照して説明する。上記第1実施形態では、外気の状態、燃料電池システムの運転状態、及び燃料電池システムを搭載した車両の運転状態に基づいて白霧対策の要否を判定する処理例を示した。本実施形態では、その場合に、さらに、通常の排出通路と細い排出通路とを切り替える燃料電池システムについて説明する。
他の構成及び作用は、第1実施形態の場合と同様である。そこで、同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。また、本燃料電池システムの全体構成は、第1実施形態の場合と同様である。
図7は、カソードオフガス通路6の詳細を示す構成図である。図7に示すように、本燃料電池システムでは、カソードオフガス通路6において、マフラ21とテールエンドとの間に切替弁31(本発明の連通手段に相当)が設けられている。切替弁31は、上流側のカソードオフガス通路6と、テールエンド側の2系統のカソードオフガス通路6A(本発明の第1の分岐通路に相当)及びカソードオフガス通路6B(本発明の第2の分岐通路に相当)のいずれかと、を切り替えて連通する。この切り替えは、ECU15からの制御信号により行われる。
カソードオフガス通路6Aの断面の面積は、カソードオフガス通路6Bの断面の面積より大きく、上流側のカソードオフガス通路6の断面の面積と略同じになっている。カソードオフガス通路6Aの排出口からはカソードオフガスが排出される。
一方、カソードオフガス通路6Bの断面の面積は、上流側のカソードオフガス通路6の断面の面積より小さくなっている。カソードオフガス通路6Bの排出口からはカソードオフガスが排出される。カソードオフガス通路6Bの断面の面積は、上流側のカソードオフガス通路6の断面の面積より小さいため、カソードオフガス通路6Bを流れるカソードオフガスの流速は、上流側のカソードオフガス通路6を流れるカソードオフガスの流速よりも大きい。また、カソードオフガス通路6Bの断面の面積は、カソードオフガス通路6Aの断面の面積より小さいため、カソードオフガス通路6Bを流れるカソードオフガスの流速は、カソードオフガス通路6Aを流れるカソードオフガスの流速よりも大きい。
図8に、ECU15における切替弁31の制御処理のフローチャートを示す。この処理は、第1実施形態の処理と同様、CPUで実行される制御プログラムによって、所定の時間間隔で繰り返し実行される。この処理では、ECU15は、外気温度、外気湿度、車両運転条件、FC運転条件、燃料電池システムの各部の温度等のデータを取得する(S1)。
次に、ECU15は、S1の処理で取得した外気温度、外気湿度、車両運転条件、FC運転条件、燃料電池システムの各部の温度等のデータから、白霧対策が必要な領域にあるか否かを判定する(S2)。
白霧対策が必要な領域にないと判定した場合(S2の処理で否定の場合)、ECU15は、カソードオフガス通路6とカソードオフガス通路6Aとを連通させる指令を切替弁31に送信する(S5A)。この指令を受信した切替弁31は、カソードオフガス通路6とカソードオフガス通路6Aとを連通させる。カソードオフガス通路6Aの断面の面積は、上流側のカソードオフガス通路6の断面の面積と略同じであり、カソードオフガス通路6Aを流れるカソードオフガスの流速に変化はない。
一方、白霧対策が必要な領域にあると判定した場合(S2の処理で肯定の場合)、ECU15は、燃料電池が暖機状態かつ再起動中であるか、又は、暖機状態かつ運転終了中であるか否かを判定する(S3)。
そして、燃料電池が暖機状態かつ再起動中であるか、又は、暖機状態かつ運転終了中である場合(S3の処理で肯定の場合)、ECU15は、カソードオフガス通路6とカソードオフガス通路6Bとを連通させる指令を切替弁31に送信する(S4A)。この指令を
受信した切替弁31は、カソードオフガス通路6とカソードオフガス通路6Bとを連通させる。
カソードオフガス通路6Bの断面の面積は、上流側のカソードオフガス通路6の断面の面積より小さくなっている。そのため、カソードオフガス通路6Bを流れるカソードオフガスの流速は、上流側のカソードオフガス通路6を流れるカソードオフガスの流速よりも大きくなる。カソードオフガス通路6Bの排出口からカソードオフガスを排出した場合、カソードオフガスの外気への放出速度が速くなり、白霧発生の可能性を抑制することができ、白霧が発生しても目立ちにくくなる。すなわち、カソードオフガスの外気への放出速度が速いと、外気におけるカソードオフガスの拡散効果が上がる。放出速度が速い場合、外気におけるカソードオフガスの拡散効果が冷却に勝り、白霧発生の可能性が抑制され、白霧が発生しても目立ちにくくなる。
本実施形態では、カソードオフガス通路6と、カソードオフガス通路6A及びカソードオフガス通路6Bのいずれかと、を切り替えて連通するための手段として、切替弁31を用いる。しかし、本発明はこれに限定されず、例えば、切替弁31に代えて、三方弁を用いてもよい。
なお、本実施形態で説明した切替弁31の制御において、第1実施形態の図5又は図6で説明した判定処理を用いてもよい。すなわち、図5又は図6の判定によって、白霧対策領域フラグがオンとなった場合に、カソードオフガス通路6をカソードオフガス通路6Bに連通するようにすればよい。また、白霧対策領域フラグがオフとなった場合に、カソードオフガス通路6をカソードオフガス通路6Aに連通するようにすればよい。
〈第3実施形態〉
図9から図11を参照して、本発明の第3実施形態に係る燃料電池システムを説明する。上記第1実施形態及び第2実施形態では、外気の状態、燃料電池システムの運転状態、及び燃料電池システムを搭載した車両の運転状態に基づいて白霧対策の要否を判定する処理例を示した。本実施形態では、燃料電池スタック1から排出されるカソードオフガスをエアコンプレッサ9から供給される空気にて希釈する。また、車両の走行速度を反映した評価式にて、制御の目標とする水蒸気を含む空気の希釈率を決定する。他の構成及び作用は、第1実施形態及び第2実施形態の場合と同様である。そこで、同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図9は、本実施形態に係る燃料電池システムの構成図である。図9では、図1の構成と比較して、カソード側に、エア背圧調整弁31、希釈器32、三方弁40(本発明の閉塞手段に相当)及びバイパス通路41が追加されている。希釈器32には、カソード側からカソードオフガス通路6が接続される。一方、アノード側には、アノードオフガス通路3に、排気バルブ36を介して、アノードオフガス分岐通路37が接続されている。アノードオフガス分岐通路37も、希釈器32に接続される。なお、図9では、水素の可変調圧弁10の上流側にさらにシャットバルブ30が明示されている。
バイパス通路41の入口は、カソードガス通路5に接続されており、バイパス通路41の出口は、カソードオフガス通路6に接続されている。カソードガス通路5とバイパス通路41との接続箇所には、三方弁40が設けられている。三方弁40は、カソードガス通路5とバイパス通路41とを連通するとともに、カソードガス通路5とバイパス通路41とを遮断する。この連通及び遮断は、ECU15からの制御信号により行われる。
また、三方弁40は、三方弁40の下流のカソードガス通路5を流れる空気の体積流量及びバイパス通路41を流れる空気の体積流量の調整を行うことができる。例えば、三方
弁40は、三方弁40の下流のカソードガス通路5を流れる空気の体積流量を一定に維持しつつ、エアコンプレッサ9の回転数(駆動量)を増加させることで、バイパス通路41を流れる空気の体積流量を増加させることができる。また、例えば、三方弁40は、エアコンプレッサ9の回転数を一定に維持しつつ、三方弁40の下流のカソードガス通路5を流れる空気の体積流量を減少させ、バイパス通路41を流れる空気の体積流量を増加させることができる。
カソードオフガス通路6とバイパス通路41との接続箇所には、希釈器42が設けられている。希釈器42は、三方弁40を介してバイパス通路41に流入する空気と、カソードオフガス通路6を流れるカソードオフガスとを混合する。すなわち、希釈器42は、バイパス通路41に流入する空気で、カソードオフガス通路6を流れるカソードオフガスを希釈する。ここで、バイパス通路41に流入する空気をバイパスエアという。
本実施形態では、バイパス通路41からカソードオフガス通路6に空気を流入させ、カソードオフガス通路6を流れるカソードオフガスを希釈することにより、白霧発生の可能性を抑制する。
図10に、本燃料電池システムを搭載した車両の概念図を示す。図10では、車両は、矢印方向に速度vで進行している。このとき、カソードオフガス通路6から希釈器32に排出されるカソードオフガス流量(排気エア量)をQairexとする。また、バイパス通路
41から希釈器32に流入する空気流量(バイパスエア量)をQairbypassとする。
本実施形態では、第1実施形態及び第2実施形態と同様に、ECU15は、白霧発生領域であるか否かを判定する。そして、白霧対策が必要な領域にあると判定した場合、ECU15は、三方弁40を制御し、バイパス通路41に空気を流入する。バイパス通路41から空気がカソードオフガス通路6に流入し、燃料電池スタック1から排出されるカソードオフガスをバイパス通路41から流入させる空気で希釈させる。
バイパスエア量として、白霧発生の可能性を抑制するための値を設定する。例えば、白霧対策が必要な領域にある場合に、カソードオフガスを希釈することにより白霧対策が必要な領域ではなくなる時点のバイパスエア量を、実験又はシミュレーションにより求める。このように求めたバイパスエア量の値を、白霧発生の可能性を抑制するための値としてもよい。また、バイパスエア量は、排気エア量、外気温度、外気湿度、車両運転条件、FC運転条件、燃料電池システムの各部の温度等のデータに基づいて算出してもよい。白霧発生の可能性を抑制するためのバイパスエア量を、ECU15の不図示のメモリに設定しておく。そして、白霧対策が必要な領域にあると判定された場合に、ECU15の不図示のメモリに設定されている値を用いて、バイパスエア量を制御する。
さらに、本実施形態では、車速風(走行風)を考慮して、カソードオフガス通路6を流れるカソードオフガスを希釈するバイパスエア量を決定する。車速風の拡散効果により、外気に排出されるカソードオフガスの白霧発生の可能性が低減することを考慮したものである。すなわち、低速走行時や停車時において、バイパスエア量を増加させることにより白霧発生の可能性を抑制する。高速走行時と比較して、低速走行時や停車時は車速風の拡散効果が低いと考えられるからである。
本実施形態では、車速風を考慮してバイパスエア量を決定するために、換算係数kを用いる。換算係数kは、車速vによってカソードオフガスが希釈されると考えた場合の希釈エア量を算出するための換算係数である。すなわち、この換算係数kは、燃料電池スタック1を搭載した車両の車速vがどのくらいのバイパスエア量に相当するかを換算するための係数である。車速vは、インターフェース29に入力される車速データを使用する。換
算係数kは、車速v及びバイパスエア量に基づき実験又はシミュレーションにより求め、ECU15の不図示のメモリに記録しておけばよい。ここで、換算係数kを用いて、車速vを換算した場合の流量を換算エア量という。
車速風を考慮する前のバイパスエア量から、換算エア量を減じることにより、車速風を考慮したバイパスエア量を算出することができる。本実施形態では、車速風を考慮する前のバイパスエア量は、白霧発生の可能性を抑制するために設定された値を用いる。そのため、車速風を考慮したバイパスエア量と換算エア量との総和量が、車速風を考慮する前のバイパスエア量と同量となることが望ましい。そこで、車速風を考慮したバイパスエア量と換算流量との総和量が、車速風を考慮する前のバイパスエア量と同量となるように、車速風を考慮したバイパスエア量を調整する。
次に、バイパスエアによってカソードオフガスが希釈される効果を反映したカソードオフガスの希釈率Drを数1で定義する。
Figure 2009037870
H2O@FCは燃料電池スタック1の運転温度における飽和蒸気圧であり、PH2O@atmは外
気温度における飽和蒸気圧である。
燃料電池スタック1の運転温度における飽和蒸気圧が外気温度における飽和蒸気圧よりも高い場合、PH2O@FC/PH2O@atmは1より大きくなり、白霧が発生する条件を満たす。
ここで、PH2O@FC/PH2O@atmは、カソードオフガスが外気に放出されたときの、カソー
ドオフガスのうち、水滴になる割合を示す。また、(PH2O@FC/PH2O@atm)×Qairexは、カソードオフガスが外気に放出されたときの水滴になるガス量である。
H2O@FC/PH2O@atmを複数の値に設定し、それぞれの値において、排気エア量Qairex、バイパスエア量Qairbypass及び車速vを変化させた場合の白霧発生の程度を観測する
。そのような実験値によって、PH2O@FC、PH2O@atm、Qairex、Qairbypass及び車速v
と白霧発生の程度(視認性の程度)との関係を求めることができる。そのような実験値から、希釈率Drとして満足すべき値(以下、基準値Dr0という)を決定する。そして、ECU15の不図示のメモリに基準値Dr0を設定しておき、希釈率Drが基準値Dr0以下になるように、燃料電池の運転状態を制御する。
図11に、その場合のECU15が実行する制御のフローチャートを示す。この処理では、ECU15は、まず、インターフェース29に入力される現在の燃料電池スタック1の運転温度を読み、カソードオフガスの飽和蒸気圧PH2O@FCを算出する(S21)。なお、このとき、図1のテールエンド温度センサ23によってカソードオフガスの温度を検出し、カソードオフガスの飽和蒸気圧PH2O@FCを算出してもよい。
次に、ECU15は、インターフェース29に入力される外気温度を読み、外気中の飽和蒸気圧PH2O@atmを算出する(S22)。さらに、ECU15は、インターフェース2
9に入力される現在の車速vを読む(S23)。次に、ECU15は、車速風を考慮したバイパスエア量を算出する(S24)。そして、数1にしたがって、希釈率Drが基準値Dr0以下となるように、排気エア量Qairexを決定する(S25)。そして、排気エア
量がQairex以下となる範囲で、エアコンプレッサ9の回転数を制御する(S26)。こ
の回転数の制御は、ECU15からの制御信号によって行われる。
排気エア(燃料電池スタック1から排出されるカソードオフガス)に含まれる水蒸気量と、排気エアの体積とは比例関係にある。そのため、排気エアの体積が減少すると、排気エアに含まれる水蒸気量も減少する。したがって、排気エア量を減少させ、外気に排出するカソードオフガスに含まれる水蒸気量を減少させることにより、白霧発生の可能性を抑制することができる。なお、エアコンプレッサ9の回転数を減少させた場合、燃料電池スタック1への空気の供給量が減少し、燃料電池スタック1の発電量が低下する。その低下分のエネルギは、他のバッテリ等から補えばよい。
以上の述べたように、第3実施形態の燃料電池システムによれば、カソードオフガスの飽和蒸気圧、外気中の飽和蒸気圧、バイパスエア量及び車速によって、希釈率が基準値Dr0以下となるように排気エア量、すなわち、エアコンプレッサ9の回転数を制御する。したがって、希釈率を制御することにより、カソードオフガスによる白霧を目立たない方向に制御できる。
また、排気エア(燃料電池スタック1から排出されるカソードオフガス)をバイパスエアで希釈している間に、燃料電池スタック1の運転温度が上昇する場合がある。燃料電池スタック1の運転温度が上昇した場合、排気エアの飽和水蒸気圧も上昇する。排気エアの飽和水蒸気圧が上昇した場合、外気に排出されるカソードオフガスの白霧発生の可能性が高くなる。
また、排気エアをバイパスエアで希釈している間に、外気温度が下降する場合がある。外気温度が下降した場合、外気の飽和水蒸気圧も下降する。外気の飽和水蒸気圧が下降した場合、外気に排出されるカソードオフガスの白霧発生の可能性が高くなる。
そこで、燃料電池スタック1の運転温度の上昇や外気温度の下降を検知し、外気に排出されるカソードオフガスの白霧発生の可能性を抑制した状態を維持するようにしてもよい。すなわち、外気に排出されるカソードオフガスの白霧発生の可能性を抑制した状態を維持すべく、燃料電池スタック1の運転温度が上昇した場合や外気温度が下降した場合、排気エア量を減少させるようにしてもよい。
また、排気エア量を減少させるため、カソード側の背圧を制御してもよい。カソード側の背圧は、燃料電池スタック1のカソード側の流路出口のエア背圧調整弁31の開度によって制御される。この開度の制御は、ECU15からの制御信号によって行われる。
燃料電池システムにおいて、排出すべきカソードオフガス量を質量で考える。例えば、毎分Mグラムの要求排出量で発電していると仮定する。カソード側の背圧が高くなると、
排出すべきカソードオフガスの質量が同じでも、体積は小さくなる。すなわち、排出体積流量は少なくなる。例えば、カソード側の背圧が2倍になれば、必要な排出体積流量は半分で済む。
一方、飽和蒸気圧は、カソードオフガスの背圧によらず、温度に依存するので、同一体積中に含まれる水蒸気量は、背圧によらず、ほぼ一定である。したがって、背圧が2倍になれば、必要な排出体積流量は半分で済む。したがって、そのとき、カソードオフガスとともに排出される水蒸気量も半分になる。
したがって、エア背圧調整弁31を制御することにより、燃料電池スタック1から排出されるカソードオフガスの背圧を増加させ、燃料電池スタック1から排出されるカソードオフガスの体積流量を減少させることができる。
背圧の影響を数1の希釈率に組み込むと、次の数2のように表すことができる。
Figure 2009037870
ここで、Patmは、大気圧であり、Pbackは、カソード側の背圧である。
また、Qair×(Patm/Pback)は、背圧を上げることによる体積流量の変化である。したがって、同一のオフガス排出量(質量)において、この体積流量の変化だけ希釈率Drを低減できる。逆に、背圧を低下させた運転の場合には、オフガス排出質量を低減することで、白霧を低減できる。
すなわち、ECU15は、上記図11の処理の他、さらに、背圧を制御することによって、白霧を低減するようにしてもよい。また、背圧の制御が優先される場合には、背圧の上昇及び低下に応じて、オフガス排出質量を増大、あるいは、低減すればよい。
また、本実施形態では、車速vに応じて、バイパスエア量、したがって、希釈率を制御し、白霧を抑制した。この場合、車速として、周囲の風の影響を反映させてもよい。例えば、車両の前後方向および左右方向に向かう四方に風圧センサを配置し、車両停止中及び車両進行中に拘わらず、風圧に基づく車両と外気との相対速度Vを算出してもよい。相対速度Vは、車両の前後方向及び左右方向の風圧に基づく前後方向の相対速度V1、及び左右方向の相対速度V2のうち、大きい方を車両と外気との相対速度Vとすればよい。
そして、車速vに代えて、車両と外気との相対速度Vによって、数1又は数2の希釈率を算出すればよい。このようにすれば、車両の速度が遅い場合、あるいは、車両が停止中であっても、車両と外気との相対速度を反映してバイパスエア量を決定し、希釈率を算出することができる。
〈第4実施形態〉
図12及び図13を参照して、本発明の第4実施形態に係る燃料電池システムを説明する。上記第3実施形態では、燃料電池スタック1から排出されるカソードオフガスをエアコンプレッサ9から供給される空気にて希釈する燃料電池システムについて説明した。本実施形態では、さらに、外気に排出するカソードオフガスの排気方向を変更し、カソードオフガスの拡散効果を促進することにより、白霧発生の可能性を抑制する燃料電池システムについて説明する。
図12に示すように、第3実施形態で説明した燃料電池システムの構成に、三方バルブ50が追加されている。他の構成及び作用は、第1実施形態から第3実施形態の場合と同様である。そこで、同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
三方バルブ50は、テールエンドの近傍に設けられ、カソードオフガス通路6を流れるカソードオフガスの排出方向を切り替える。この三方バルブ50によるカソードオフガスの排出方向の切り替えは、ECU15からの制御信号で行われる。
三方バルブ50の入口は、カソードオフガス通路6の上流に接続され、三方バルブ50の2つの出口は、カソードオフガス通路6の下流に接続されている。三方バルブ50の出口に接続されたカソードオフガス通路6の一方の排出口は、地面に対して平行(図12では右向き)に向けられ、他方の排出口は、地面に対して略垂直(図12では下向き)に向けられている。排出口の向きは、例示であって、種々の方向に向けてもよい。
本実施形態では、第1実施形態から第3実施形態と同様に、ECU15は、白霧発生領域であるか否かを判定する。そして、白霧対策が必要な領域にあると判定した場合、ECU15は、三方バルブ50を制御し、カソードオフガスの排出方向を下向きに切り替える。カソードオフガスが下方向に向けて排出された場合、カソードオフガスが路面にぶつかることで拡散効果が向上する。また、カソードオフガスが下方向に向けて排出された場合、バックグラウンドに光源がなくなることにより、白霧が目立たなくなる。
白霧対策が必要な領域にあると判定した場合において、さらに、車速風(走行風)を考慮してカソードオフガスの排出方向の切り替えを行ってもよい。すなわち、ECU15は、白霧発生領域であるか否かを判定する。そして、白霧対策が必要な領域にあると判定した場合、さらに、車速が所定速度以下であるか否かを判定する。車速が所定速度以下であると判定した場合、ECU15は、三方バルブ50を制御し、カソードオフガスの排出方向を下向きに切り替える。この場合、工場出荷時の設定値、販売店での調整値、あるいは、ユーザ設定によって、所定速度を設定してもよい。このようにすれば、車速風を考慮して、カソードオフガスの排出方向の切り替えを行い、白霧を目立たなくすることができる。
また、上記第3実施形態で説明した希釈率Drを用いて、カソードオフガスの排出方向を切り替えてもよい。図13に、その場合のECU15が実行する制御のフローチャートを示す。S21AからS24Aまでの処理は、第3実施形態の図11の処理と同様であるので、その説明を省略する。
S21AからS24Aの処理後、ECU15は、インターフェース29に入力される燃料電池スタック1のカソードへの空気供給量を読む(S25A)。次に、ECU15は、数1にしたがって希釈率Drを算出し、希釈率Drが基準値Dr0を超えるか否かを判定する(S26A)。そして、希釈率Drが基準値Dr0を超える場合、ECU15は、三
方バルブ50を制御し、カソードオフガスの排出方向を下向きに切り替える(S27A)。一方、希釈率Drが基準値Dr0以下である場合、ECU15は、制御をS21Aに戻す。
さらに、車速が所定速度以下であるか否かの判定と、図13の処理とを組み合わせてもよい。すなわち、ECU15は、白霧対策が必要な領域にあると判定した場合、車速が所定速度以下であるか否かを判定する。そして、車速が所定速度以下であると判定した場合、ECU15は、図13の制御を実行するようにしてもよい。
〈変形例〉
上記第1実施形態から第4実施形態で説明した燃料電池システムを以下のように変形してもよい。具体的には、白霧対策が必要な領域にあると判定した場合において、燃料電池システムを間欠運転モードに制御するようにしてもよい。すなわち、白霧対策が必要な領域にあると判定した場合、ECU15は、燃料電池システムを間欠運転モードに制御する。
間欠運転モードは、例えばアイドリング時、低速走行時、回生制動時等のような低負荷運転時に燃料電池スタック1の発電を一時休止し、二次バッテリから電力供給を行い、燃料電池スタック1には開放端電圧を維持し得る程度の水素ガス及び空気の供給を間欠的に行うことである。白霧対策が必要な領域にあると判定した場合、燃料電池システムを間欠運転モードに制御すれば、排気エアがほとんど生じないことから、白霧発生の可能性を抑制することが可能となる。
また、上記第3実施形態で説明した希釈率Drを用いて、燃料電池システムを間欠運転モードに制御してもよい。図14に、その場合のECU15が実行する制御のフローチャートを示す。S21BからS24Bまでの処理は、第3実施形態の図11の処理と同様であるので、その説明を省略する。
S21BからS24Bの処理後、ECU15は、インターフェース29に入力される燃料電池スタック1のカソードへの空気供給量を読む(S25B)。次に、ECU15は、数1にしたがって希釈率Drを算出し、希釈率Drが基準値Dr0を超えるか否かを判定する(S26B)。そして、希釈率Drが基準値Dr0を超える場合、ECU15は、燃料電池システムを間欠運転モードに制御する(S27B)。一方、希釈率Drが基準値Dr0以下である場合、ECU15は、制御をS21Bに戻す。
さらに、車速が所定速度以下であるか否かの判定と、図14の処理とを組み合わせてもよい。すなわち、ECU15は、白霧対策が必要な領域にあると判定した場合、車速が所定速度以下であるか否かを判定する。そして、車速が所定速度以下であると判定した場合、ECU15は、図14の制御を実行するようにしてもよい。
なお、第1実施形態から第4実施形態で説明した制御を個々に実行するのではなく、第1実施形態から第4実施形態を組み合わせて実行してもよい。また、第1実施形態から第4実施形態で説明した制御と本変形例で説明した制御を組み合わせて実行してもよい。そして、白霧発生の程度、車両効率、走行性能の観点から、第1実施形態から第4実施形態の制御、本変形例の制御を選択してもよい。また、そのような観点から、第1実施形態から第4実施形態の制御、本変形例の制御を組み合わせて選択してもよい。
燃料電池システムの構成例を示す図である。 燃料電池システムの動作を説明するフローチャートである。 燃料電池システムのマップの例である。 外気に対するカソードオフガスの排気(掃気)流量と白霧との関係を示す図である。 白霧対策要否判断の処理例1を示すフローチャートである。 白霧対策要否判断の処理例2を示すフローチャートである。 カソードオフガス通路6の詳細を示す構成図である。 切替弁31の制御処理のフローチャートである。 燃料電池システムの構成図である。 本燃料電池システムを搭載した車両の概念図を示す図である。 白霧抑止制御の処理例を示す図である。 本燃料電池システムを搭載した車両の概念図を示す図である。 白霧抑止制御の処理例を示す図である。 白霧抑止制御の処理例を示す図である。
符号の説明
1 燃料電池スタック
2 アノードガス通路
3 アノードオフガス通路
4 アノードオフガス循環通路
5 カソードガス通路
6、6A、6B カソードオフガス通路
9 エアコンプレッサ
15 ECU
23 テールエンド温度センサ
31 切替弁
40 三方弁
41 バイパス通路
50 三方バルブ

Claims (10)

  1. 燃料電池から排気ガスを排出する排気通路を流れる排気ガスが外気に排出されたときに白霧が発生するかを判定する判定手段と、
    前記排気通路を流れる排気ガスが外気に排出されたときに白霧が発生すると判定された場合、外気に排出される排気ガスの流量又は流速を制御する制御手段と、を備える燃料電池システム。
  2. 前記制御手段は、前記燃料電池に空気を供給する供給手段の駆動量を減少させるように前記供給手段を制御することで、外気に排出される排気ガスの流量を減少させる請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記制御手段は、前記排気通路を流れる排気ガスの背圧を増加させる背圧弁を制御することで、外気に排出される排気ガスの流量を減少させる請求項1または2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記排気通路から分岐し、排気ガスを外気に排出する第1の分岐通路又は第2の分岐通路と前記排気通路とを選択可能に連通する連通手段を更に備え、
    前記第2の分岐通路の断面積は、前記排気通路の断面積より小さくなっており、
    前記制御手段は、前記排気通路と前記第2の分岐通路とを連通させるように前記連通手段を制御することで、外気に排出される排気ガスの流速を増加させる請求項1から3のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  5. 空気供給手段から供給される空気を前記排気通路に流入させるバイパス通路を開通可能に閉塞する閉塞手段と、
    前記排気ガスが外気に排出されたときに白霧が発生すると判定された場合、前記閉塞手段によって閉塞された前記バイパス通路を開通する閉塞制御手段と、を更に備える請求項1から4のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  6. 前記制御手段は、前記燃料電池から排出される排気ガスの流量および前記バイパス通路から前記排気通路に流入する空気の流量に基づく評価基準にしたがって、前記燃料電池の空気極側の排気ガスの排出を制御する請求項5に記載の燃料電池システム。
  7. 前記制御手段は、前記排気ガスの圧力が高いほど排気ガスの排出限度を増加する評価基準にしたがって、前記燃料電池の空気極側の排気ガスの排出を制御する請求項6に記載の燃料電池システム。
  8. 前記排気ガスを外気に排出する方向を切り替える切替手段を更に備え、
    前記制御手段は、前記排気ガスが外気に排出されたときに白霧が発生すると判定された場合、前記排気ガスの排出方向を切り替えるように前記切替手段を制御する請求項1から7のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  9. 前記制御手段は、前記排気ガスが外気に排出されたときに白霧が発生すると判定された場合、前記燃料電池を間欠運転するように制御する請求項1から8のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  10. 前記燃料電池は車両に搭載可能に構成され、
    外気の温度を検知する外気温度センサの検知データ、前記外気の湿度を検知する湿度センサの検知データ、排気ガスの温度を検知するガス温度センサの検知データ、燃料電池のセルスタックの温度を検知するセル温度センサの検知データ、前記燃料電池の発電量の計
    測手段の計測データ、前記燃料電池に供給される空気流量の計測手段の計測データ、および、前記車両の車速センサの検知データの少なくとも1つのデータを読み出す手段と、
    前記少なくとも1つのデータについて、前記排気ガスが外気に排出されたときに白霧が発生すると判定すべき判定条件を記憶した記憶手段と、をさらに備え、
    前記判定手段は、前記読み出されたデータが前記判定条件を充足した場合に、前記排気ガスが外気に排出されたときに白霧が発生すると判定する請求項1から9のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
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