JP2012164516A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】システム構成を小型化しつつ、酸化剤ガスに含まれる水蒸気量を良好とする燃料電池システムを提供する。
【解決手段】燃料電池スタック10と、カソード流路12に向かう空気が通流する酸化剤ガス供給流路と、空気の圧力を制御するコンプレッサ31と、カソードオフガスが通流する酸化剤オフガス排出流路と、カソードオフガスを膨張させるエキスパンダ34と、エキスパンダ34の下流に設けられ、水を回収する水回収器36と、水回収器36の回収した水を、酸化剤ガス供給流路を通流する空気に噴射する水噴射手段と、温度センサ43と、コンプレッサ31を制御するECU70と、を備える。ECU70は、燃料電池スタック10の温度が高くなるにつれて目標空気圧力が高くなる第1マップを参照して、燃料電池スタック10の温度に基づいて目標空気圧力を算出し、算出された目標空気圧力となるようにコンプレッサ31を制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池システムに関する。
近年、水素(燃料ガス)と酸素を含む空気(酸化剤ガス)とが供給されることで発電する燃料電池の開発が進められ、例えば、燃料電池車(移動体)の電力源として期待されている。なお、水素は水素タンク等から燃料電池のアノードに、空気はリショルム式やルーツ式等の圧縮機(コンプレッサ)から燃料電池のカソードに、それぞれ供給される(例えば特許文献1参照)。
また、燃料電池を良好に発電させるには、燃料電池を構成するMEA(Membrane Electrode Assembly:膜電極接合体)の電解質膜(固体高分子膜)を良好な湿潤状態とし、電解質膜のプロトン導電性を確保する必要がある。ここで、燃料電池は、発電に伴って、カソードで水(水蒸気)を生成し、カソードから多湿のカソードオフガス(酸化剤オフガス)を排出する。そこで、水分透過性を有する中空糸膜(加湿器)を介して、コンプレッサからカソードに向かう空気と、カソードオフガスとの間で水分交換させ、カソードオフガスによってカソードに向かう空気を加湿する技術が知られている。
特開平7−14599号公報
ところで、燃料電池の運転温度が高くなると、燃料電池を通流する空気の温度も高くなり、その飽和水蒸気量が増加するので、例えば、相対湿度を100%にするためには必要水蒸気量(g/min)が増加する。そして、必要水蒸気量が増加したとしても、空気を良好に加湿しようとすると、加湿器が大型化してしまう。そうすると、燃料電池システムも大型化し、そして、燃料電池システムを構成する燃料電池スタック等の各種機器のレイアウトの自由度も低減してしまう。特に、燃料電池システムが燃料電池車等の移動体に搭載される場合、レイアウトの自由度がなるべく大きく確保されていることが重要である。
そこで、本発明は、システム構成を小型化しつつ、燃料電池に向かう酸化剤ガスの相対湿度を良好とする燃料電池システムを提供することを課題とする。
前記課題を解決するための手段として、本発明は、燃料ガス流路及び酸化剤ガス流路を有し、前記燃料ガス流路に燃料ガスが、前記酸化剤ガス流路に酸化剤ガスがそれぞれ供給されることで発電する燃料電池と、前記酸化剤ガス流路に向かう酸化剤ガスが通流する酸化剤ガス供給流路と、前記酸化剤ガス供給流路に設けられ、前記酸化剤ガス流路に向けて酸化剤ガスを圧送すると共に、酸化剤ガスの圧力を制御する圧縮機と、前記酸化剤ガス流路からの酸化剤オフガスが通流する酸化剤オフガス排出流路と、前記酸化剤オフガス排出流路に設けられ、酸化剤オフガスを膨張させる膨張手段と、前記膨張手段の下流の前記酸化剤オフガス排出流路に設けられ、水を回収する水回収手段と、前記水回収手段の回収した水を、前記酸化剤ガス供給流路を通流する酸化剤ガスに噴射する水噴射手段と、前記燃料電池の温度を検出する温度検出手段と、前記圧縮機を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記燃料電池の温度が高くなるにつれて目標酸化剤ガス圧力が高くなる第1マップを参照して、前記温度検出手段の検出する前記燃料電池の温度に基づいて前記目標酸化剤ガス圧力を算出し、算出された前記目標酸化剤ガス圧力となるように前記圧縮機を制御することを特徴とする燃料電池システムである。
このような構成によれば、膨張手段が膨張(断熱機械膨張、又は、断熱自由膨張)させた酸化剤オフガスは、温度低下し、飽和水蒸気量が小さくなり、飽和水蒸気圧が低下する。これにより、膨張後の酸化剤オフガスにおいて、これに含まれる水蒸気が凝縮し、凝縮水が生成する。次いで水回収手段が、水(凝縮水)を回収し、水噴射手段が、水回収手段の回収した水を、酸化剤ガス供給流路を通流する酸化剤ガスに噴射する。
そして、制御手段が、第1マップ(後記する実施形態では図4のマップ)を参照して、温度検出手段の検出する燃料電池の温度に基づいて、目標酸化剤ガス圧力を算出し、算出された目標酸化剤ガス圧力となるように圧縮機を制御する。
ここで、第1マップにおいて、燃料電池の温度が高くなるにつれて目標酸化剤ガス圧力が高くなる関係であるから、酸化剤ガス流路を通流する酸化剤ガスの相対湿度は100(%RH)と良好になる、又は、100(%RH)に近づき易くなる。
これにより、燃料電池に向かう加湿すべき酸化剤ガスと、多湿の酸化剤オフガスとの間において水分交換させ、前記酸化剤ガスを加湿する加湿器を小型化、又は、省略できる。したがって、燃料電池システムの全体構成も小型化し、レイアウトの自由度も確保され、例えば、燃料電池車にも搭載容易となる。
また、前記燃料電池システムにおいて、前記膨張手段は酸化剤オフガスによって回転するエキスパンダであり、前記圧縮機と前記エキスパンダとは、前記エキスパンダの回転エネルギが前記圧縮機に伝達可能に連結されていることが好ましい。
このような構成によれば、酸化剤オフガスが通流することでエキスパンダが回転し、回転エネルギを得る。そして、この回転エネルギは圧縮機に伝達され、この回転エネルギによって圧縮機を駆動できる。
また、前記燃料電池システムにおいて、前記水噴射手段は、前記圧縮機に向かう酸化剤ガスに水を噴射することが好ましい。
このような構成によれば、水噴射手段が圧縮機に向かう酸化剤ガスに水を噴射する。これにより、噴射された水(ミスト)を含む酸化剤ガスが圧縮機に向かうことになり、この水によって、圧縮機を構成する羽根車(回転体)とそのハウジングとのクリアランスがシールされ易くなる。したがって、圧縮機における空気漏れが少なくなる。
また、前記燃料電池システムにおいて、発電要求量(後記する実施形態ではアクセル開度)に基づいて、前記燃料電池の目標電流値を算出する目標電流値算出手段を備え、前記制御手段は、前記目標電流値が大きくなるにつれて前記目標酸化剤ガス圧力が高くなる第2マップ(後記する実施形態では図4のマップ)を参照して、前記目標電流値算出手段の算出する前記目標電流値に基づいて前記目標酸化剤ガス圧力を算出することが好ましい。
このような構成によれば、目標電流値算出手段の算出した目標電流値が大きくなるにつれて、目標酸化剤ガス圧力が大きくなる。これにより、目標電流値が大きくなり、発電に伴う生成する水の量が増加し、この水による圧力損失が大きくなっても、目標酸化剤ガス圧力を高くすることにより、過不足無く酸化剤ガスを燃料電池に供給できる。
また、前記燃料電池システムにおいて、前記水回収手段が現在回収する現在水量と、予め定められ前記水回収手段が回収しているべき必要水量とに基づいて、前記水回収手段において増加させるべき増加水量を算出する増加水量算出手段と、前記燃料電池の温度、前記増加水量、前記目標電流値、及び、酸化剤ガスの圧力の増加させるべき圧力増加量が予め関連付けられた第3マップ(後記する実施形態では図9のマップ)を参照して、前記燃料電池の温度、前記増加水量、及び、前記目標電流値に基づいて、前記圧力増加量を算出する圧力増加量算出手段と、を備え、前記制御手段は、前記目標酸化剤ガス圧力と前記圧力増加量とを加算した圧力を指令値として前記圧縮機を制御することが好ましい。
このような構成によれば、制御手段が、目標酸化剤ガス圧力と圧力増加量とを加算した圧力を指令値として圧縮機を制御するので、水回収手段の回収する水量を必要水量にできる。これにより、その後に発電要求量が大きくなったとしても、水噴射手段によって多量の水を噴射できる。
また、前記燃料電池システムにおいて、前記制御手段は、前記燃料電池の温度が所定温度未満であり、前記燃料電池は低温状態であると判断される場合、前記目標酸化剤ガス圧力を小さくすることが好ましい。
このような構成によれば、燃料電池は低温状態であると判断される場合、制御手段が目標酸化剤ガス圧力を小さくするので、燃料電池内で凝縮水が生成し難くなり、フラッディングし難くなる。
本発明によれば、システム構成を小型化しつつ、燃料電池に向かう酸化剤ガスの相対湿度を良好とする燃料電池システムを提供することができる。
本実施形態に係る燃料電池システムの構成図である。 燃料電池スタックの出力する電流値が一定であり、カソード流路を通流する空気(FC空気)の圧力(FC空気圧力)が一定であるとした場合において、燃料電池スタックの温度と、カソード流路を通流する空気が相対湿度100(%RH)となるための必要水蒸気量(g/min)との関係を示すマップである。 燃料電池スタックの出力する電流値が一定であり、燃料電池スタックの温度が一定であるとした場合において、カソード流路を通流する空気の圧力(FC空気圧力)と、この空気が相対湿度100(%RH)となるための必要水蒸気量(g/min)との関係を示すマップである。 燃料電池スタックの温度と、目標電流値と、目標空気圧力との関係を示すマップである。 (a)、(b)共に、水噴射手段の構成例を示す断面図である。 カソード流路を通流する空気の圧力(FC空気圧力)及びエキスパンダの前後差圧と、エキスパンダの下流における凝縮水の生成量(g/min)との関係を示すマップである。 アクセル開度(発電要求量)と目標電流値との関係を示すマップである。 本実施形態に係る燃料電池システムの動作を示すフローチャートである。 水回収器における増加水量と、目標電流値と、圧力増加量との関係を示すマップであり、(a)は燃料電池スタックの温度が高い場合、(b)は燃料電池スタックの温度が低い場合を例示している。
以下、本発明の一実施形態について、図1〜図9を参照して説明する。
≪燃料電池システムの構成≫
図1に示す本実施形態に係る燃料電池システム1は、図示しない燃料電池車(移動体)に搭載されている。燃料電池システム1は、燃料電池スタック10(燃料電池)と、燃料電池スタック10のアノードに対して水素(燃料ガス)を給排するアノード系と、燃料電池スタック10のカソードに対して酸素を含む空気(酸化剤ガス)を給排するカソード系と、燃料電池スタック10を経由するように冷媒を循環(通流)させる冷媒系と、燃料電池スタック10の出力端子(図示しない)に接続され、燃料電池スタック10の発電電力を消費する電力消費系と、これらを電子制御する制御手段であるECU70(Electronic Control Unit、電子制御装置)と、を備えている。
なお、燃料ガス、酸化剤ガスの具体的種類はこれに限定されない。
<燃料電池スタック>
燃料電池スタック10は、複数(例えば200〜400枚)の固体高分子型の単セルが積層して構成されたスタックであり、複数の単セルは直列で接続されている。単セルは、MEA(Membrane Electrode Assembly:膜電極接合体)と、これを挟む2枚の導電性を有するセパレータと、を備えている。MEAは、1価の陽イオン交換膜等からなる電解質膜(固体高分子膜)と、これを挟むアノード及びカソード(電極)とを備えている。
アノード及びカソードは、カーボンペーパ等の導電性を有する多孔質体と、これに担持され、アノード及びカソードにおける電極反応を生じさせるための触媒(Pt、Ru等)と、を含んでいる。
各セパレータには、各MEAの全面に水素又は空気を供給するための溝や、全単セルに水素又は空気を給排するための貫通孔が形成されており、これら溝及び貫通孔がアノード流路11(燃料ガス流路)、カソード流路12(酸化剤ガス流路)として機能している。
そして、アノード流路11を介して各アノードに水素が供給されると、式(1)の電極反応が起こり、カソード流路12を介して各カソードに空気が供給されると、式(2)の電極反応が起こり、各単セルで電位差(OCV(Open Circuit Voltage)、開回路電圧)が発生するようになっている。次いで、燃料電池スタック10と後記するモータ51等の外部負荷とが電気的に接続され、電流が取り出されると、燃料電池スタック10が発電するようになっている。
2H→4H+4e …(1)
+4H+4e→2HO …(2)
このように燃料電池スタック10が発電すると、水分(水蒸気)がカソードで生成し、カソード流路12から排出されるカソードオフガスは多湿となる。
また、各セパレータには、各単セルを冷却するための冷媒が通流させるための溝や貫通孔が形成されており、これら溝及び貫通孔が冷媒流路13として機能している。
ここで、燃料電池スタック10が良好に発電するには、式(1)〜(2)の電極反応が良好に進行するように燃料電池スタック10の温度が高い方が好ましい。なぜなら、アノード、カソードに含まれ、式(1)〜(2)の電極反応を促進させる触媒の活性が高まるからである。
また、アノードで生成した水素イオン(式(1)参照)が電解質膜内をカソードに向かって良好に移動するように、電解質膜は湿潤状態であることが好ましく、カソード流路12を通流する空気は相対湿度100(%RH)であることが好ましい。
ところが、燃料電池スタック10の出力する電流値が一定であり、カソード流路12を通流する空気(FC空気)の圧力(FC空気圧力)が一定であるとした場合において、燃料電池スタック10の温度(FC温度)が高くなると、カソード流路12を通流する空気の温度が高くなり、その飽和水蒸気量(g/m)が大きくなる。したがって、図2に示すように、燃料電池スタック10の温度が高くなるにつれて、カソード流路12を通流する空気が相対湿度100(%RH)となるための必要水蒸気量(g/min)も多くなる。
一方、燃料電池スタック10の出力する電流値が一定であり、燃料電池スタック10の温度が一定であるとした場合において、カソード流路12を通流する空気の圧力が高くなると、その飽和水蒸気圧(Pa)、飽和水蒸気量(g/m)が小さくなる。したがって、図3に示すように、カソード流路12を通流する空気の圧力が高くなるにつれて、この空気が相対湿度100(%RH)となるための必要水蒸気量(g/min)は少なくなる。
このような図2、図3の傾向を考慮すると、図4のマップ(第1マップ、第2マップ)に示すように、燃料電池スタック10の温度が高くなるにつれて、カソード流路12を通流する空気の圧力(目標空気圧力)を高めることにより、この空気の相対湿度を100(%RH)に、又は、近づけることができる。すなわち、所定の加湿器33の容量において、カソード流路12を通流する空気の温度上昇に伴う飽和水蒸気量の増加を、略相殺するように、カソード流路12を通流する空気の圧力を高めることにより、相対湿度を100(%RH)に、又は、近づけることができる。
具体的には、触媒の種類・担持量、電解質膜の特性(イオン交換容量、含水量、耐圧性等)に対応して、カソード流路12を通流する空気の目標圧力(目標空気圧力)等は変動するから、図4のマップは、事前試験、シミュレーション等によって求められ、本実施形態では、ECU70に予め記憶されている。
また、図4のマップに示すように、燃料電池スタック10の目標電流値が大きくなるにつれて、目標空気圧力が高くなる傾向となっている。なぜなら、燃料電池スタック10の電流値(目標電流値)が大きくなると、(1)空気の流量が増加するうえ、式(2)に基づいて、カソードで生成する水分が増加し、この水分によってカソード流路12における水蒸気分圧が増加し、さらに、(2)消費される酸素量が増加するうえ、前記生成した水分によって酸素分圧不足となり易いからである。
さらに、燃料電池スタック10の温度が所定温度(低温状態判断温度、例えば50℃)未満であり、燃料電池スタック10が暖機完了前であって、低温状態であると判断される場合、図4のマップに示すように、通常状態(暖機完了状態)に対して、目標空気圧力が小さくなるように補正することが好ましい。
なぜなら、燃料電池スタック10が低温状態である場合、相対湿度100%を満足させる水分の量が、高温状態である場合よりも少なくてよいので、カソード流路12における圧力を上げる必要が無いからである。そこで、目標空気圧力が小さくなるように補正することにより、空気の飽和水蒸気量が大きくなり、凝縮水の発生が抑制されることになる。
この場合において、燃料電池スタック10の温度が低くなるにつれて、凝縮水が生成し易くなるので、目標空気圧力の補正量(圧力を下げる量)が大きくなるようにしてもよい。
<アノード系>
図1に戻って説明を続ける。
アノード系は、水素タンク21(燃料ガス供給手段)と、エゼクタ22と、気液分離器23と、常閉型のドレン弁24と、常閉型のパージ弁25と、を備えている。
水素タンク21は、配管21a、エゼクタ22、配管22aを介して、アノード流路11の入口に接続されている。そして、水素タンク21の水素は、配管21a等を通って、アノード流路11に供給されるようになっている。
なお、エゼクタ22は、水素タンク21からの水素をノズルで噴射することで負圧を発生させ、この負圧によって配管23bのアノードオフガスを吸引するものである。また、配管21aには、システムの運転中に開かれる常閉型の遮断弁(図示しない)と、水素タンク21からの水素を所定圧力に減圧する減圧弁(レギュレータ、図示しない)とが設けられている。
アノード流路11の出口は、配管23a、気液分離器23、配管23bを介して、エゼクタ22の吸気口に接続されている。そして、アノード流路11から排出されたアノードオフガスは、配管23a等を通って、エゼクタ22に向かい、アノードオフガス(水素)が循環するようになっている。なお、アノードオフガスは、アノードにおける電極反応で消費されなかった水素、及び、カソードから透過した水蒸気を含んでいる。
気液分離器23は、アノードオフガスと、これに含まれる水分(凝縮水(液体)、水蒸気(気体))とを分離するものである。
水分の分離方式としては、例えば、(1)気液分離器23において、アノードオフガスが通流する流路の断面積を拡大し、水素よりも比重の大きい、水分(液体、気体)を自重により留まらせる方式を採用できる。その他、(2)気液分離器23内に、低温冷媒が通流する低温冷媒管を設け、水分を冷却し、水分を分離する方式も採用できる。
そして、分離された水分は、気液分離器23の底部からなるタンク部23cに一時的に貯溜されるようになっている。
タンク部23cは、配管24a、常閉型のドレン弁24、配管24bを介して、後記する希釈器35に接続されている。そして、ECU70によってドレン弁24が開かれると、タンク部23cの水が、配管24a、配管24bを通って、希釈器35に向かい、後記する水回収器36で回収(貯溜)されるようになっている。
配管23bの途中は、配管25a、常閉型のパージ弁25、配管25bを介して、後記する希釈器35に接続されている。そして、ECU70によってパージ弁25が開かれると、水分(水蒸気)を含むアノードオフガスが、配管25a、配管25bを通って、希釈器35に排出され、燃料電池スタック10の発電性能が回復するようになっている。
なお、ECU70は、例えば、燃料電池スタック10を構成する単セルの電圧のうちの最低の電圧(最低セル電圧)が、所定単セル電圧以下である場合、パージ弁25を開く必要があると判断するように設定されている。
<カソード系>
カソード系は、コンプレッサ31(圧縮機)と、オリフィス32(水噴射手段)と、加湿器33と、エキスパンダ34(膨張手段)と、希釈器35と、水回収器36(水回収手段)と、水位センサ37と、ドレン弁38と、温度センサ39と、を備えている。
コンプレッサ31の吸気口は、配管31aを介して、車外(外部)と連通している。コンプレッサ31の吐出口は、配管31b、加湿器33、配管33aを介して、カソード流路12の入口に接続されている。そして、コンプレッサ31の羽根車(回転体、タービンブレード)が回転すると、コンプレッサ31は、配管31aを介して車外の空気を吸気して圧縮し、この圧縮された空気が配管31b等を通ってカソード流路12に圧送されるようになっている。
したがって、カソード流路12に供給される空気(酸化剤ガス)が通流する酸化剤ガス供給流路は、配管31a、配管31b、配管33aを備えて構成されている。
また、コンプレッサ31の前記羽根車の回転速度が高くなると、コンプレッサ31の空気の吐出圧が高くなり、カソード流路12を通流する空気の圧力が高くなるように構成されている。したがって、コンプレッサ31は、カソード流路12を通流する空気(酸化剤ガス)の圧力を制御する酸化剤ガス圧力制御手段、として機能している。
さらに、コンプレッサ31の前記羽根車は、エキスパンダ34の羽根車(回転体)と、クラッチ31cを有する伝達軸31dを介して連結されており、エキスパンダ34の回転エネルギが、伝達軸31dを介して、コンプレッサ31に伝達し、エキスパンダ34の回転エネルギが回収・利用されるようになっている。なお、クラッチ31cは、ECU70によって、ON(連結)/OFF(非連結)制御される。
さらにまた、コンプレッサ31の前記羽根車は、ECU70によって回転速度が制御されるモータ31eにも連結されている。
したがって、コンプレッサ31は、(1)クラッチ31cがONされている場合、モータ31e及びエキスパンダ34からの動力によって作動し、(2)クラッチ31cがOFFされている場合、モータ31eからの動力によって作動する。
オリフィス32は、配管31aに設けられており、コンプレッサ31に吸気される空気を絞って流速を高め、その下流で負圧を発生させるようになっている(図5(a)参照)。そして、オリフィス32の下流の配管31aは、配管32aを介して水回収器36と接続されている。これにより、前記負圧によって、水回収器36の水が吸引され、配管31aを通り、コンプレッサ31に向かう空気に噴射され、空気が加湿されるようになっている。したがって、燃料電池車の加速時、つまり、アクセル開度が大きくなり、これに基づいてコンプレッサ31の回転速度が上昇するにつれて、前記負圧が大きくなり、水の噴射量が増加する関係となっている。
したがって、水回収器36の回収した水を、配管31a(酸化剤ガス供給流路)を通流する空気(酸化剤ガス)に噴射する水噴射手段は、オリフィス32と、配管32aとを備えて構成されている。
ただし、水噴射手段の具体的構成はこれに限定されず、その他に例えば、図5(b)に示すように、オリフィス32を設けず、配管32aに電動ポンプ32bを設け、この電動ポンプ32bを適宜に作動させることにより、水回収器36の水を配管31aに噴射する構成としてもよい。この場合において、配管31aにインジェクタを取り付け、水の噴射量を高精度で制御する構成としてもよい。また、目標空気圧力と燃料電池スタック10の温度と、図3とに基づいて、相対湿度が100(%RH)となるように必要水蒸気量を算出し、これに従って、水の噴射量を制御してもよい。
また、配管32aは、コンプレッサ31の上流の配管31aに接続されており、コンプレッサ31に向かう空気に水を噴射するようになっている。これにより、水(ミスト等)を含む空気がコンプレッサ31に吸気されるので、この水によって、コンプレッサ31の羽根車とこの羽根車を収容するハウジングとの間におけるクリアランス(隙間)がシールされ、コンプレッサ31における空気漏れ(損失)が小さくなる。
温度センサ39は、配管31aの上流端近傍に取り付けられている。そして、温度センサ39は、コンプレッサ31に吸気される空気の温度を検出し、ECU70に出力するようになっている。
加湿器33は、水分透過性を有する複数の中空糸膜33eを備えている。そして、加湿器33は、中空糸膜33eを介して、カソード流路12に向かう空気とカソード流路12から排出された多湿のカソードオフガスとを水分交換させ、カソード流路12に向かう空気を加湿するようになっている。
カソード流路12の出口には、配管33b、加湿器33、配管33c、エキスパンダ34、配管34a、希釈器35、配管35a、水回収器36、配管36aが接続されている。そして、カソード流路12から排出されたカソードオフガスは、配管33b等を通って、車外に排出されるようになっている。
したがって、カソード流路12から排出されたカソードオフガス(酸化剤オフガス)が通流する酸化剤オフガス排出流路は、配管33b、配管33c、配管34a、配管35a、配管36aを備えて構成されている。
エキスパンダ34は、その内部に羽根車(回転体、タービンブレード)を備え、この羽根車は配管33cからのカソードオフガスで回転するようになっている。これにより、通流するカソードオフガスの流体エネルギが、エキスパンダ34の前記羽根車の回転エネルギに変換・回収されつつ、カソードオフガスが体積膨張(断熱機械膨張)し、その圧力が低下するようになっている。
なお、前記羽根車の回転エネルギは、前記したように、伝達軸31dを介して、コンプレッサ31に伝達するようになっている。また、エキスパンダ34に代えて、カソードオフガスを断熱自由膨張させる背圧弁(バタフライ弁等)を備える構成でもよい。
また、カソードオフガスは、エキスパンダ34における体積膨張に伴って、放熱して温度低下し、その飽和水蒸気量が下がり、カソードオフガスに含まれる水蒸気が凝縮し、凝縮水が生成するようになっている。ここで、カソード流路12を通流する空気の圧力(FC空気圧力、目標空気圧力)が大きくなると、エキスパンダ34の回転速度(回生エネルギ)が増加すると共に、エキスパンダ34の前後差圧が大きくなるので、エキスパンダ34の下流における凝縮水(g/min)は増加する傾向となる(図6参照)。そして、このように生成した凝縮水は、希釈器35を通って、水回収器36で、回収・貯溜されるようになっている。なお、エキスパンダ34の下流の圧力は略大気圧である。
希釈器35は、配管25bからのアノードオフガスと、配管34aからのカソードオフガス(希釈用ガス)とを混合し、アノードオフガス中の水素を、カソードオフガスで希釈する容器であり、その内部に希釈空間を備えている。また、カソードオフガスが希釈器35に流入すると、カソードオフガスの膨張及び放熱による温度低下がさらに進み、凝縮水の生成が進むようになっている。
水回収器36は、カソードオフガスに同伴する水(凝縮水)を回収し、一時的に貯溜するものである。なお、水回収器36は、エキスパンダ34の下流の酸化剤オフガス排出流路に設けられている。また、回収された水は、水回収器36の底部を構成するタンク部36bに一時的に貯溜されるようになっている。
水位センサ37は、水回収器36の適所に取り付けられており、タンク部36bに貯溜されている水の水位(cm)を検出し、ECU70に出力するようになっている。なお、水位センサ37による水位の検出方式は、例えば、レーザ反射式、フロート式を採用できる。
水回収器36のタンク部36bには、配管38a、常閉型のドレン弁38、配管38bが接続されている。そして、ECU70によってドレン弁38が開かれると、タンク部36bの水が、配管38a、配管38bを通って、車外に排出されるようになっている。
<冷媒系>
冷媒系は、ポンプ41と、ラジエータ42(放熱器)と、温度センサ43(温度検出手段)と、を備えている。
ポンプ41の吐出口は、配管41a、冷媒流路13、配管42a、ラジエータ42、配管42bを順に介して、ポンプ41の吸込口に接続されている。そして、ECU70の指令に従ってポンプ41が作動すると、冷媒が冷媒流路13とラジエータ42との間で循環し、燃料電池スタック10が適宜に冷却され、過昇温せず、好適な発電温度(80〜100℃)となるように構成されている。
温度センサ43は、配管42aに取り付けられており、冷媒流路13から排出された直後の冷媒の温度を、燃料電池スタック10の温度として検出し、ECU70に出力するようになっている。
ただし、燃料電池スタック10の温度を検出する温度センサ43の位置はこれに限定されず、例えば、燃料電池スタック10自体、配管23a、配管33bに取り付けられた構成でもよい。また、複数の温度センサを備える構成でもよい。
<電力消費系>
電力消費系は、モータ51(負荷)と、電力制御器52と、出力検出器53と、を備えている。モータ51は、電力制御器52、出力検出器53を介して、燃料電池スタック10の出力端子に接続されている。
モータ51は、燃料電池車の動力源なる走行用の電動モータである。
電力制御器52は、ECU70からの指令(目標電流値等)に従って、燃料電池スタック10の発電電力(出力電流、出力電圧)を制御するものであり、DC/DCチョッパ、DC/DCコンバータ等の電子回路を内蔵している。
出力検出器53は、電流センサ、電圧センサを備えており、燃料電池スタック10の現在の電流値(実電流値)、電圧値(実電圧値)を検出し、ECU70に出力するようになっている。
<アクセル>
アクセル61(アクセルペダル)は、運転者が燃料電池車を走行させる際に踏み込むペダルであり、運転席の足元に配置されている。そして、アクセル61は、その踏み込み量(アクセル開度)をECU70に出力するようになっている。
<ECU>
ECU70は、燃料電池システム1を電子制御する制御装置であり、CPU、ROM、RAM、各種インタフェイス、電子回路などを含んで構成されており、その内部に記憶されたプログラムに従って、各種機能を発揮し、コンプレッサ31等の各種機器を制御するようになっている。
<ECU−目標電流値算出機能>
ECU70(目標電流値算出手段)は、アクセル61から入力されるアクセル開度(発電要求量)と、図7のマップとに基づいて、燃料電池スタック10に出力させるべき目標電流値を算出する機能を備えている。
図7のマップに示すように、アクセル開度が大きくなるにつれて目標電流値が大きくなる関係となっている。この他に、高圧バッテリ(図示しない)への充電要求量を考慮して、目標電流値を算出してもよい。
なお、目標電流値は、ECU70が電力制御器52に出力する指令値である。また、図7のマップは、事前試験等により求められECU70に予め記憶されている。
<ECU−目標空気圧力算出機能>
ECU70(目標空気圧力算出手段)は、燃料電池スタック10の温度と、目標電流値と、図4のマップとに基づいて、目標空気圧力(カソード流路12における空気の目標圧力)を算出する機能を備えている。
この場合において、図4のマップに示すように、燃料電池スタック10の温度が所定温度未満であり、燃料電池スタック10は低温状態であると判断される場合、通常状態における目標空気圧力を延長したものに対して、目標空気圧力は小さくなるように補正される。
この他、ECU70が、温度センサ39の検出する吸気空気の温度、及び/又は、外気温度(図示しない)の検出する外気温度が低くなるにつれて、その後に燃料電池スタック10の温度が低下すると予測される場合、燃料電池スタック10の温度が低くなるように予め補正する構成としてもよい。
<ECU−増加水量算出機能>
ECU70(増加水量算出手段)は、水回収器36において増加させるべき水の量(増加水量)を算出する機能を備えている。具体的な算出手順は後で説明する。
<ECU−圧力増加量算出機能>
ECU70(圧力増加量算出手段)は、前記増加水量等に基づいて、目標空気圧力の増加させるべき圧力増加量(補正値)を算出する機能を備えている。具体的な算出手順は後で説明する。
≪燃料電池システムの動作≫
次に、燃料電池システム1の動作について、図8を参照して説明する。
なお、アノード流路11に水素が、カソード流路12に空気がそれぞれ供給されており、ECU70は、アクセル開度(発電要求量)に基づいて、電力制御器52を制御し、燃料電池スタック10は発電している。
ステップS101において、ECU70は、アクセル61から入力されるアクセル開度(発電要求量)と、図7のマップとに基づいて、燃料電池スタック10に出力させるべき目標電流値を算出する。
ステップS102において、ECU70は、燃料電池スタック10の温度と、ステップS101で算出した目標電流値と、図4のマップとに基づいて、目標空気圧力(カソード流路12における空気の目標圧力)を算出する。
ステップS103において、ECU70は、水回収器36において増加させるべき水の量(増加水量)を算出する。増加水量は、必要水量から現在水量を減算することにより得られる。
必要水量は、事前試験等によって予め定められた量であって、例えば、燃料電池車がその後に加速し、配管32aから配管31aに噴射される水量が増加しても、水回収器36が空(残水量0)にならない量に設定される。
現在水量は、水回収器36に現在貯溜されている水の量であって、例えば、(1)水位センサ37からの現在の水位(cm)とタンク部36bの内断面積(cm)とを乗算することにより算出される。
現在水量は、その他に、(2)システム停止時(燃料電池車の停止時)における水量と、このステップS103における増加水量を積算した積算増加水量とを加算したものから、水回収器36からの流出水量を積算した積算流出水量を減算することにより、算出される。
システム停止時における水量は、燃料電池車の停止中、水位センサ37より検出される。これにより、燃料電池車の走行中に対して、水位が高精度で検出される。
積算増加水量は、燃料電池スタック10の出力する電流値と、発電時間とに基づいて算出することもできる。
流出水量は、配管32aから配管31aに噴射される噴射量と、ドレン弁38を通って排出される排出量とに基づいて算出される。
ステップS104において、ECU70は、目標空気圧力の圧力増加量(補正値)を算出する。
具体的には、ECU70は、図9(a)、図9(b)のマップ(第3マップ)を参照して、燃料電池スタック10の温度、ステップS103で算出した増加水量、ステップS101で算出した目標電流値に基づいて、圧力増加量を算出する。なお、図9(a)、図9(b)のマップは、事前試験等により求められ、ECU70に予め記憶されている。
図9(a)、図9(b)に示すように、ステップS103で算出した増加水量が大きくなるにつれて、エキスパンダ34の前後差圧を大きくするために(図6参照)、圧力増加量が大きくなる関係となっている。また、ステップS101で算出された目標電流値が大きくなるにつれて、圧力増加量が大きくなる関係となっている。さらに、燃料電池スタック10の温度が高くなるにつれて、圧力増加量が大きくなる関係となっている。
ステップS105において、ECU70は、コンプレッサ31(モータ31e)を制御するための指令値を算出する。具体的には、ECU70は、ステップS102で算出した目標空気圧力と、ステップS104で算出した圧力増加量とを加算することで指令値を得る。
ステップS106において、ECU70は、ステップS105で算出した指令値に従って、コンプレッサ31(モータ31e)を制御する。この場合において、前記指令値が大きくなるにつれて、コンプレッサ31の回転速度が大きくなる関係となっている。
その後、ECU70の処理は、リターンを通って、スタートに戻る。
≪燃料電池システムの効果≫
このような燃料電池システム1によれば、次の効果を得る。
燃料電池スタック10の温度が高くなるにつれて目標空気圧力を高くするので(図4参照)、カソード流路12を通流する空気の相対湿度が100(%RH)と良好に又は近づき易くなる。これにより、加湿器33を小型化、又は、省略できる。したがって、燃料電池システム1の全体構成を小型化し、各種機器のレイアウトの自由度も高まり、燃料電池車にも搭載容易となる。
コンプレッサ31とエキスパンダ34とが、伝達軸31dを介して動力が伝達可能に連結されているので、エキスパンダ34の回転エネルギによってコンプレッサ31を駆動できる。コンプレッサ31の上流に水が噴射されるので、コンプレッサ31における空気漏れ(損失)を小さくできる。
目標電流値が大きくなるにつれて、目標空気圧力を大きくするので(図4参照)、相対湿度を良好としつつ、過不足無く空気を供給できる。
目標空気圧力と、水回収器36の水量を考慮して算出した圧力増加量とを加算した圧力を指令値としてコンプレッサ31を制御するので、水回収器36の水量を必要水量にできる。これにより、その後に燃料電池車が加速しても、多量の水を噴射できる。
燃料電池スタック10が低温状態であると判断される場合、目標空気圧力を小さくするので、フラッディングし難くなる。
≪変形例≫
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば、次のように変更できる。
前記した実施形態では、コンプレッサ31のみで空気を圧送する構成を例示したが、その他に例えば、コンプレッサ31の上流及び/又は下流に、別のコンプレッサを設け、直列に設けられた複数のコンプレッサで空気を圧送する構成としてもよい。
前記した実施形態では、水回収器36は希釈器35の下流に配置された構成を例示したが、エキスパンダ34の下流であればよい。すなわち、水回収器36がエキスパンダ34と希釈器35との間に配置された構成でもよいし、水回収器36が希釈器35内に配置された構成でもよい。また、水回収器36のタンク部36bが、水回収器本体と別体であってもよい。
前記した実施形態では、燃料電池システム1が燃料電池車に搭載された場合を例示したが、その他の移動体、例えば、自動二輪車、列車、船舶に搭載された構成でもよい。また、家庭用の据え置き型の燃料電池システムや、給湯システムに組み込まれた燃料電池システムに、本発明を適用してもよい。
1 燃料電池システム
10 燃料電池スタック(燃料電池)
11 アノード流路(燃料ガス流路)
12 カソード流路(酸化剤ガス流路)
31 コンプレッサ(圧縮機)
31a、31b、33a 配管(酸化剤ガス供給流路)
32 オリフィス(水噴射手段)
32a 配管(水噴射手段)
33b、33c、34a、35a、36a 配管(酸化剤オフガス排出流路)
34 エキスパンダ(膨張手段)
36 水回収器(水回収手段)
43 温度センサ(温度検出手段)
70 ECU(制御手段、目標電流値算出手段、増加水量算出手段、圧力増加量算出手段)

Claims (6)

  1. 燃料ガス流路及び酸化剤ガス流路を有し、前記燃料ガス流路に燃料ガスが、前記酸化剤ガス流路に酸化剤ガスがそれぞれ供給されることで発電する燃料電池と、
    前記酸化剤ガス流路に向かう酸化剤ガスが通流する酸化剤ガス供給流路と、
    前記酸化剤ガス供給流路に設けられ、前記酸化剤ガス流路に向けて酸化剤ガスを圧送すると共に、酸化剤ガスの圧力を制御する圧縮機と、
    前記酸化剤ガス流路からの酸化剤オフガスが通流する酸化剤オフガス排出流路と、
    前記酸化剤オフガス排出流路に設けられ、酸化剤オフガスを膨張させる膨張手段と、
    前記膨張手段の下流の前記酸化剤オフガス排出流路に設けられ、水を回収する水回収手段と、
    前記水回収手段の回収した水を、前記酸化剤ガス供給流路を通流する酸化剤ガスに噴射する水噴射手段と、
    前記燃料電池の温度を検出する温度検出手段と、
    前記圧縮機を制御する制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、
    前記燃料電池の温度が高くなるにつれて目標酸化剤ガス圧力が高くなる第1マップを参照して、前記温度検出手段の検出する前記燃料電池の温度に基づいて前記目標酸化剤ガス圧力を算出し、
    算出された前記目標酸化剤ガス圧力となるように前記圧縮機を制御する
    ことを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記膨張手段は酸化剤オフガスによって回転するエキスパンダであり、
    前記圧縮機と前記エキスパンダとは、前記エキスパンダの回転エネルギが前記圧縮機に伝達可能に連結されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記水噴射手段は、前記圧縮機に向かう酸化剤ガスに水を噴射する
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 発電要求量に基づいて、前記燃料電池の目標電流値を算出する目標電流値算出手段を備え、
    前記制御手段は、前記目標電流値が大きくなるにつれて前記目標酸化剤ガス圧力が高くなる第2マップを参照して、前記目標電流値算出手段の算出する前記目標電流値に基づいて前記目標酸化剤ガス圧力を算出する
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  5. 前記水回収手段が現在回収する現在水量と、予め定められ前記水回収手段が回収しているべき必要水量とに基づいて、前記水回収手段において増加させるべき増加水量を算出する増加水量算出手段と、
    前記燃料電池の温度、前記増加水量、前記目標電流値、及び、酸化剤ガスの圧力の増加させるべき圧力増加量が予め関連付けられた第3マップを参照して、前記燃料電池の温度、前記増加水量、及び、前記目標電流値に基づいて、前記圧力増加量を算出する圧力増加量算出手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記目標酸化剤ガス圧力と前記圧力増加量とを加算した圧力を指令値として前記圧縮機を制御する
    ことを特徴とする請求項4に記載の燃料電池システム。
  6. 前記制御手段は、前記燃料電池の温度が所定温度未満であり、前記燃料電池は低温状態であると判断される場合、前記目標酸化剤ガス圧力を小さくする
    ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
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