JP2008016349A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】可変ガス供給装置を備えた燃料電池システムにおいて、負荷変動が大きい運転状況下でガス供給状態の安定化を図る。
【解決手段】燃料電池2と、燃料供給源21から供給される燃料ガスを燃料電池2へと流すための供給流路22と、供給流路22の上流側のガス状態を調整して下流側に供給する可変ガス供給装置28と、燃料電池2から排出される燃料オフガスを流すための排出流路23と、排出流路23内のガスを外部に排出するための排気弁31と、を備え、燃料電池2への発電要求に応じて可変ガス供給装置28からのガス供給状態が制御される燃料電池システム1であって、排気弁31の開放中に燃料電池2への発電要求の単位時間当たりの変化分が所定の閾値を超えた場合に、排気弁31からのガス排出を制限する排気制御手段7を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池システムに関する。
従来より、反応ガス(燃料ガス及び酸化ガス)の供給を受けて発電を行う燃料電池を備えた燃料電池システムが提案され、実用化されている。かかる燃料電池システムの燃料電池の内部や燃料オフガスの循環流路には、発電に伴って窒素や一酸化炭素等の不純物が経時的に蓄積する。このような不純物を外部に排出するために、循環流路に接続した排出流路に排気弁を設け、この排気弁の開閉制御を行うことにより、循環流路内のガスを一定時間毎に排出する技術(パージ技術)が提案されている。
また、現在においては、排気弁を通過するガスの流量が所定値を超えた場合に排気弁を閉じるように制御する技術(特許文献1参照。)や、燃料電池の発電状態に応じて排出時間を設定することにより、発電状態に対応する要求排出量と同量の排気を実現させる技術(特許文献2参照。)が提案されている。
特開2004−179000号公報 特開2005−141977号公報
ところで、燃料電池システムには、水素タンク等の燃料供給源から供給される燃料ガスを燃料電池へと流すための燃料供給流路が設けられている。そして、近年においては、この燃料供給流路に機械式可変レギュレータ等の可変ガス供給装置を設けることにより、燃料供給源からの燃料ガスの供給圧力をシステムの運転状態に応じて変化させる技術が提案されている。
前記したような可変ガス供給装置を設けた場合には、燃料電池に供給される燃料ガスの状態量(圧力、流量、温度等)が逐次変化することとなる。従って、可変ガス供給装置を備えた燃料電池システムにおいて前記特許文献1や前記特許文献2に記載されたような技術を採用するだけでは、排気弁からの排気量(パージ量)の安定化を実現させることが困難であった。また、負荷変動(燃料電池への発電要求の変動)が大きい運転状況下においては、可変ガス供給装置からのガス供給状態やパージ量の安定化が困難となっていた。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、可変ガス供給装置を備えた燃料電池システムにおいて、負荷変動が大きい運転状況下でガス供給状態の安定化を図ることを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明に係る第1の燃料電池システムは、燃料電池と、燃料供給源から供給される燃料ガスを燃料電池へと流すための供給流路と、この供給流路の上流側のガス状態を調整して下流側に供給する可変ガス供給装置と、燃料電池から排出される燃料オフガスを流すための排出流路と、この排出流路内のガスを外部に排出するための排気弁と、を備え、燃料電池への発電要求に応じて可変ガス供給装置からのガス供給状態が制御される燃料電池システムであって、排気弁の開放中に燃料電池への発電要求の単位時間当たりの変化分が所定の閾値を超えた場合に、排気弁からのガス排出を制限する排気制御手段を備えるものである。
かかる構成を採用すると、燃料電池への発電要求(負荷)が急変して可変ガス供給装置からのガス供給状態が急変する場合に、排気弁からのガス排出を制限することができる。従って、負荷変動が大きい運転状況においても、ガス供給状態を安定させることが可能となる。なお、「ガス状態」とは、流量、圧力、温度、モル濃度等で表されるガスの状態を意味し、特にガス流量及びガス圧力の少なくとも一方を含むものとする。また、「ガス供給状態」とは、可変ガス供給装置から燃料電池へと供給される燃料ガスのガス状態を意味する。
前記燃料電池システムにおいて、排気弁の開放中に燃料電池への発電要求の単位時間当たりの変化分が所定の閾値を超えた場合に、排気弁を全閉状態に維持する排気制御手段を採用することができる。
また、前記燃料電池システムにおいて、排気弁からのガス排出制限中に燃料電池への発電要求の単位時間当たりの変化分が所定の閾値以下になった場合に、排気弁からのガス排出制限を解除する排気制御手段を採用することができる。
かかる構成を採用すると、燃料電池への発電要求の単位時間当たりの変化分が所定の閾値以下(定常状態)になった場合に、排気弁からのガス排出制限を解除することができる。従って、負荷変動が大きい運転状況を脱した場合に速やかにパージを行うことができるので、燃料電池の発電状態を安定させることが可能となる。
また、前記燃料電池システムにおいて、排気弁からのガス排出制限の時間が所定時間を超えた場合に、排気弁からのガス排出制限を解除する排気制御手段を採用することもできる。
かかる構成を採用すると、排気弁からのガス排出制限の時間が所定時間を超えた場合に、強制的にガス排出を再開させることができる。従って、排気弁からのガス排出が長時間制限されることに起因して燃料電池の発電状態が不安定になることを回避することが可能となる。
また、本発明に係る第2の燃料電池システムは、燃料電池と、燃料供給源から供給される燃料ガスを燃料電池へと流すための供給流路と、この供給流路の上流側のガス状態を調整して下流側に供給する可変ガス供給装置と、燃料電池から排出される燃料オフガスを流すための排出流路と、この排出流路内のガスを外部に排出するための排気弁と、を備える燃料電池システムであって、可変ガス供給装置からのガス供給状態の単位時間当たりの変化分が所定の閾値を超えた場合に、排気弁からのガス排出を制限する排気制御手段を備えるものである。
かかる構成を採用すると、可変ガス供給装置からのガス供給状態が急変する場合に、排気弁からのガス排出を制限することができる。従って、ガス供給状態を安定させることが可能となる。なお、「ガス状態」とは、流量、圧力、温度、モル濃度等で表されるガスの状態を意味し、特にガス流量及びガス圧力の少なくとも一方を含むものとする。また、「ガス供給状態」とは、可変ガス供給装置から燃料電池へと供給される燃料ガスのガス状態を意味する。
また、前記燃料電池システムにおいて、排出流路に気液分離器を設け、この気液分離器の液溜部からの排水と排気との双方を兼ねる排気排水弁を排気弁として採用することもできる。
また、前記燃料電池システムにおいて、インジェクタを可変ガス供給装置として採用することができる。
インジェクタとは、弁体を電磁駆動力で直接的に所定の駆動周期で駆動して弁座から離隔させることによりガス状態(ガス流量やガス圧力)を調整することが可能な電磁駆動式の開閉弁である。所定の制御部がインジェクタの弁体を駆動して燃料ガスの噴射時期や噴射時間を制御することにより、燃料ガスの流量や圧力を制御することが可能となる。
本発明によれば、可変ガス供給装置を備えた燃料電池システムにおいて、負荷変動が大きい運転状況下でガス供給状態の安定化を実現させることが可能となる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る燃料電池システム1について説明する。本実施形態においては、本発明を燃料電池車両(移動体)の車載発電システムに適用した例について説明することとする。
まず、図1及び図2を用いて、本発明の実施形態に係る燃料電池システム1の構成について説明する。本実施形態に係る燃料電池システム1は、図1に示すように、反応ガス(酸化ガス及び燃料ガス)の供給を受けて電力を発生する燃料電池2と、酸化ガスとしての空気を燃料電池2に供給する酸化ガス配管系3と、燃料ガスとしての水素ガスを燃料電池2に供給する燃料ガス配管系4と、燃料電池2に冷媒を供給して燃料電池2を冷却する冷媒配管系5と、システムの電力を充放電する電力系6と、システム全体を統括制御する制御部7と、を備えている。
燃料電池2は、例えば固体高分子電解質型で構成され、多数の単電池を積層したスタック構造を備えている。燃料電池2の単電池は、イオン交換膜からなる電解質の一方の面に空気極を有し、他方の面に燃料極を有し、さらに空気極及び燃料極を両側から挟みこむように一対のセパレータを有している。一方のセパレータの燃料ガス流路に燃料ガスが供給され、他方のセパレータの酸化ガス流路に酸化ガスが供給され、このガス供給により燃料電池2は電力を発生する。
酸化ガス配管系3は、燃料電池2に供給される酸化ガスが流れる空気供給流路11と、燃料電池2から排出された酸化オフガスが流れる排気流路12と、を有している。空気供給流路11には、フィルタ13を介して酸化ガスを取り込むコンプレッサ14と、コンプレッサ14により圧送される酸化ガスを加湿する加湿器15と、が設けられている。排気流路12を流れる酸化オフガスは、背圧調整弁16を通って加湿器15で水分交換に供された後、最終的に排ガスとしてシステム外の大気中に排気される。コンプレッサ14は、図示されていないモータの駆動により大気中の酸化ガスを取り込む。
燃料ガス配管系4は、水素供給源21と、水素供給源21から燃料電池2に供給される水素ガスが流れる水素供給流路22と、燃料電池2から排出された水素オフガス(燃料オフガス)を水素供給流路22の合流点A1に戻すための循環流路23と、循環流路23内の水素オフガスを水素供給流路22に圧送する水素ポンプ24と、循環流路23に分岐接続された排気排水流路25と、を有している。
水素供給源21は、本発明における燃料供給源に相当するものであり、例えば高圧タンクや水素吸蔵合金などで構成され、例えば35MPa又は70MPaの水素ガスを貯留可能に構成されている。後述する遮断弁26を開くと、水素供給源21から水素供給流路22に水素ガスが流出する。水素ガスは、後述するレギュレータ27やインジェクタ28により最終的に例えば200kPa程度まで減圧されて、燃料電池2に供給される。なお、炭化水素系の燃料から水素リッチな改質ガスを生成する改質器と、この改質器で生成した改質ガスを高圧状態にして蓄圧する高圧ガスタンクと、から水素供給源21を構成してもよい。また、水素吸蔵合金を有するタンクを水素供給源21として採用することもできる。
水素供給流路22には、水素供給源21からの水素ガスの供給を遮断又は許容する遮断弁26と、水素ガスの圧力を調整するレギュレータ27と、インジェクタ28と、が設けられている。また、インジェクタ28の下流側であって水素供給流路22と循環流路23との合流部A1の上流側には、水素供給流路22内の水素ガスの圧力を検出する圧力センサ29が設けられている。また、インジェクタ28の上流側には、水素供給流路22内の水素ガスの圧力及び温度を検出する図示されていない圧力センサ及び温度センサが設けられている。圧力センサ29等で検出された水素ガスのガス状態(圧力、温度)に係る情報は、後述するインジェクタ28のフィードバック制御やパージ制御に用いられる。
レギュレータ27は、その上流側圧力(一次圧)を、予め設定した二次圧に調圧する装置である。本実施形態においては、一次圧を減圧する機械式の減圧弁をレギュレータ27として採用している。機械式の減圧弁の構成としては、背圧室と調圧室とがダイアフラムを隔てて形成された筺体を有し、背圧室内の背圧により調圧室内で一次圧を所定の圧力に減圧して二次圧とする公知の構成を採用することができる。本実施形態においては、図1に示すように、インジェクタ28の上流側にレギュレータ27を2個配置することにより、インジェクタ28の上流側圧力を効果的に低減させることができる。このため、インジェクタ28の機械的構造(弁体、筺体、流路、駆動装置等)の設計自由度を高めることができる。また、インジェクタ28の上流側圧力を低減させることができるので、インジェクタ28の上流側圧力と下流側圧力との差圧の増大に起因してインジェクタ28の弁体が移動し難くなることを抑制することができる。従って、インジェクタ28の下流側圧力の可変調圧幅を広げることができるとともに、インジェクタ28の応答性の低下を抑制することができる。レギュレータ27は、水素供給流路22の上流側のガス状態(ガス圧力)を調整して下流側に供給するものであり、本発明における可変ガス供給装置に相当する。
インジェクタ28は、弁体を電磁駆動力で直接的に所定の駆動周期で駆動して弁座から離隔させることによりガス流量やガス圧を調整することが可能な電磁駆動式の開閉弁である。インジェクタ28は、水素ガス等の気体燃料を噴射する噴射孔を有する弁座を備えるとともに、その気体燃料を噴射孔まで供給案内するノズルボディと、このノズルボディに対して軸線方向(気体流れ方向)に移動可能に収容保持され噴射孔を開閉する弁体と、を備えている。本実施形態においては、インジェクタ28の弁体は電磁駆動装置であるソレノイドにより駆動され、このソレノイドに給電されるパルス状励磁電流のオン・オフにより、噴射孔の開口面積を2段階又は多段階に切り替えることができるようになっている。制御部7から出力される制御信号によってインジェクタ28のガス噴射時間及びガス噴射時期が制御されることにより、水素ガスの流量及び圧力が高精度に制御される。インジェクタ28は、弁(弁体及び弁座)を電磁駆動力で直接開閉駆動するものであり、その駆動周期が高応答の領域まで制御可能であるため、高い応答性を有する。
インジェクタ28は、その下流に要求されるガス流量を供給するために、インジェクタ28のガス流路に設けられた弁体の開口面積(開度)及び開放時間の少なくとも一方を変更することにより、下流側(燃料電池2側)に供給されるガス流量(又は水素モル濃度)を調整する。なお、インジェクタ28の弁体の開閉によりガス流量が調整されるとともに、インジェクタ28下流に供給されるガス圧力がインジェクタ28上流のガス圧力より減圧されるため、インジェクタ28を調圧弁(減圧弁、レギュレータ)と解釈することもできる。また、本実施形態では、ガス要求に応じて所定の圧力範囲の中で要求圧力に一致するようにインジェクタ28の上流ガス圧の調圧量(減圧量)を変化させることが可能な可変調圧弁と解釈することもできる。インジェクタ28は、水素供給流路22の上流側のガス状態(ガス流量、水素モル濃度、ガス圧力)を調整して下流側に供給するものであり、本発明における可変ガス供給装置に相当する。
なお、本実施形態においては、図1に示すように、水素供給流路22と循環流路23との合流部A1より上流側にインジェクタ28を配置している。また、図1に破線で示すように、燃料供給源として複数の水素供給源21を採用する場合には、各水素供給源21から供給される水素ガスが合流する部分(水素ガス合流部A2)よりも下流側にインジェクタ28を配置するようにする。
循環流路23には、気液分離器30及び排気排水弁31を介して、排気排水流路25が接続されている。気液分離器30は、水素オフガスから水分を回収するものである。排気排水弁31は、制御部7からの指令によって作動することにより、気液分離器30で回収した水分と、循環流路23内の不純物を含む水素オフガス(燃料オフガス)と、を外部に排出(パージ)するものである。排気排水弁31の開放により、循環流路23内の水素オフガス中の不純物の濃度が下がり、循環供給される水素オフガス中の水素濃度が上がる。排気排水弁31の上流位置(循環流路23上)及び下流位置(排気排水流路25上)には、各々、水素オフガスの圧力を検出する上流側圧力センサ32及び下流側圧力センサ33が設けられている。これら圧力センサで検出された水素オフガスの圧力に係る情報は、後述するパージ制御に用いられる。循環流路23は本発明における排出流路の一実施形態であり、排気排水弁31は本発明における排出弁の一実施形態である。
排気排水弁31及び排気排水流路25を介して排出される水素オフガスは、図示されていない希釈器によって希釈されて排気流路12内の酸化オフガスと合流するようになっている。水素ポンプ24は、図示されていないモータの駆動により、循環系内の水素ガスを燃料電池2に循環供給する。水素ガスの循環系は、水素供給流路22の合流点A1の下流側流路と、燃料電池2のセパレータに形成される燃料ガス流路と、循環流路23と、によって構成されることとなる。
冷媒配管系5は、燃料電池2内の冷却流路に連通する冷媒流路41と、冷媒流路41に設けられた冷却ポンプ42と、燃料電池2から排出される冷媒を冷却するラジエータ43と、を有している。冷却ポンプ42は、図示されていないモータの駆動により、冷媒流路41内の冷媒を燃料電池2に循環供給する。
電力系6は、高圧DC/DCコンバータ61、バッテリ62、トラクションインバータ63、トラクションモータ64、図示されていない各種の補機インバータ等を備えている。高圧DC/DCコンバータ61は、直流の電圧変換器であり、バッテリ62から入力された直流電圧を調整してトラクションインバータ63側に出力する機能と、燃料電池2又はトラクションモータ64から入力された直流電圧を調整してバッテリ62に出力する機能と、を有する。高圧DC/DCコンバータ61のこれらの機能により、バッテリ62の充放電が実現される。また、高圧DC/DCコンバータ61により、燃料電池2の出力電圧が制御される。
バッテリ62は、バッテリセルが積層されて一定の高電圧を端子電圧とし、図示しないバッテリコンピュータの制御によって余剰電力を充電したり補助的に電力を供給したりすることが可能になっている。トラクションインバータ63は、直流電流を三相交流に変換し、トラクションモータ64に供給する。トラクションモータ64は、例えば三相交流モータであり、燃料電池システム1が搭載される車両の主動力源を構成する。補機インバータは、各モータの駆動を制御する電動機制御部であり、直流電流を三相交流に変換して各モータに供給する。補機インバータは、例えばパルス幅変調方式のPWMインバータであり、制御部7からの制御指令に従って燃料電池2又はバッテリ62から出力される直流電圧を三相交流電圧に変換して、各モータで発生する回転トルクを制御する。
制御部7は、車両に設けられた加速用の操作部材の操作量(アクセル開度)等を検出し、加速要求値(例えばトラクションモータ64等の負荷装置からの発電要求量)等の制御情報を受けて、システム内の各種機器の動作を制御する。なお、負荷装置とは、トラクションモータ64のほかに、燃料電池2を作動させるために必要な補機装置(例えばコンプレッサ14、水素ポンプ24、冷却ポンプ42の各モータ等)、車両の走行に関与する各種装置(変速機、車輪制御部、操舵装置、懸架装置等)で使用されるアクチュエータ、乗員空間の空調装置(エアコン)、照明、オーディオ等を含む電力消費装置を総称したものである。
制御部7は、図示していないコンピュータシステムによって構成されている。かかるコンピュータシステムは、CPU、ROM、RAM、HDD、入出力インタフェース及びディスプレイ等を備えるものであり、ROMに記録された各種制御プログラムをCPUが読み込んで所望の演算を実行することにより、後述するパージ制御など種々の処理や制御を行う。
具体的には、制御部7は、図2に示すように、アクセルセンサで検出したアクセル開度に基づいて、燃料電池10の発電電流値を算出する(電流算出機能:B1)。本実施形態においては、アクセル開度と燃料電池10の発電電流値との関係を表す特定のマップを用いて発電電流値を算出している。
また、制御装置4は、燃料電池10の発電電流値に基づいて、燃料電池10で消費される水素ガスの流量(以下「水素消費量」という)を算出する(燃料消費量算出機能:B2)。本実施形態においては、発電電流値と水素消費量との関係を表す特定の演算式を用いて、制御部7の演算周期毎に水素消費量を算出し更新することとしている。
また、制御部7は、燃料電池2の発電電流値に基づいて、燃料電池2に供給される水素ガスのインジェクタ28の下流位置における目標圧力値を算出する(目標圧力値算出機能:B3)とともに、目標パージ量(排気排水弁31からの水素オフガスの目標排出量)を算出する(目標パージ量算出機能:B4)。本実施形態においては、発電電流値と目標圧力値及び目標パージ量との関係を表す特定のマップを用いて、制御部7の演算周期毎に目標圧力値及び目標パージ量を算出している。
また、制御部7は、算出した目標圧力値と、圧力センサ29で検出したインジェクタ28の下流位置の圧力値(検出圧力値)と、の偏差を算出する(圧力差算出機能:B5)。そして、制御部7は、算出した偏差を低減させるために水素消費量に加算される水素ガス流量(フィードバック補正流量)を算出する(補正流量算出機能:B6)。本実施形態においては、PI制御等の目標追従型制御則を用いてフィードバック補正流量を算出している。また、制御部7は、水素消費量とフィードバック補正流量とを加算してインジェクタ28の噴射流量を算出する(噴射流量算出機能:B7)。そして、制御部7は、算出した噴射流量や駆動周期に基づいてインジェクタ28の噴射時間を算出し、この噴射時間を実現させるための制御信号を出力することにより、インジェクタ28のガス噴射時間及びガス噴射時期を制御して、燃料電池2に供給される水素ガスの流量及び圧力を調整する。
また、制御部7は、前記したインジェクタ28のフィードバック制御(インジェクタ28の下流位置の検出圧力値を所定の目標圧力値に追従させるようなインジェクタ28のガス噴射時間及びガス噴射時期の制御)を行うと同時に、排気排水弁31の開閉制御を行うことにより、循環流路23内の水分及び水素オフガスを排気排水弁31から外部に排出する。この際、制御部7は、インジェクタ28からのガス供給状態の変化に基づいて排気排水弁31からの水素オフガスの総排出量(パージ量Q)を算出し(パージ量算出機能:B8)、算出したパージ量Qが所定の目標パージ量Q以上であるか否かを判定する(パージ量偏差判定機能:B9)。そして、制御部7は、算出したパージ量Qが目標パージ量Q未満である場合には排気排水弁31を開放し、算出したパージ量Qが目標パージ量Q以上である場合には排気排水弁31を閉鎖する(パージ制御機能:B10)。
ここで、制御部7のパージ量算出機能B8の詳細について説明する。インジェクタ28のフィードバック制御により、インジェクタ28の下流位置における圧力センサ29の検出圧力値が目標圧力値に追従している状態において、排気排水弁31の開放により循環流路23から水素オフガスが排出されると、検出圧力値が一時的に低下する。制御部7は、このような水素オフガスの排出(パージ)に起因する圧力低下分を算出し、この算出した圧力低下分に基づいて、圧力低下分に対応する水素オフガスの排出量(圧力変化対応流量)を算出する(圧力変化対応流量算出機能:B8a)。本実施形態においては、パージに起因する圧力低下分と、この圧力低下分に対応する水素ガスの排出量と、の関係を表す特定の演算式を用いて、圧力変化対応流量Qを算出している。また、制御部7は、水素オフガスの排出(パージ)に起因する圧力低下分を補うためのフィードバック補正流量(ガス補正供給流量)を算出し(補正流量算出機能:B6)、このフィードバック補正流量のパージ開始時点からの時間積算値Qを算出する(補正流量積算機能:B8b)。そして、制御部7は、圧力変化対応流量Qと、フィードバック補正流量のパージ開始時点からの時間積算値Qと、を加算することにより、排気排水弁31からの水素オフガスの総排出量(パージ量Q)を算出する(パージ量算出機能:B8)。
また、制御部7のパージ制御機能B10の詳細について説明する。制御部7は、排気排水弁31の開放中(Q<Qの場合)に、アクセル開度(燃料電池2への発電要求に係る物理量)の単位時間当たりの変化分(アクセル開閉速度)を検出する。そして、制御部7は、アクセル開閉速度が所定の閾値を超え、これに伴ってインジェクタ28からのガス供給状態の単位時間当たりの変化分が所定の閾値を超えた場合(負荷変動が大きい運転状態になった場合)に、排気排水弁31を全閉状態にしてパージ(ガス排出)を制限する。また、制御部7は、前記したパージ制限中にアクセル開閉速度が所定の閾値以下になった場合(負荷変動が比較的小さい定常運転状態に戻った場合)に、排気排水弁31を再び開放してパージ制限を解除する。すなわち、制御部7は、本発明における排気制御手段として機能する。なお、パージ制限の基準となる所定の閾値(アクセル開閉速度の閾値)は、燃料電池システム1の仕様、規模、使用方法等に応じて適宜変更することができる。
続いて、図3〜図5のフローチャートと、図6及び図7のタイムチャートと、を用いて、本実施形態に係る燃料電池システム1の運転方法について説明する。
燃料電池システム1の通常運転時においては、水素供給源21から水素ガスが水素供給流路22を介して燃料電池2の燃料極に供給されるとともに、加湿調整された空気が空気供給流路11を介して燃料電池2の酸化極に供給されることにより、発電が行われる。この際、燃料電池2から引き出すべき電力(要求電力)が制御部7で演算され、その発電量に応じた量の水素ガス及び空気が燃料電池2内に供給されるようになっている。本実施形態においては、このような通常運転時に、インジェクタ28のフィードバック制御を実施するとともに、排気排水弁31のパージ制御(循環流路23の内部に滞留する水分や水素オフガスを外部に排出するための排気排水弁31の開閉制御)を実施する。
まず、図3のフローチャートに示すように、燃料電池システム1の制御部7は、アクセルセンサで検出したアクセル開度に基づいて、燃料電池10の発電電流値を算出する(電流算出工程:S1)。次いで、制御部7は、算出した電流値に基づいて、燃料電池2における水素消費量を算出する(水素消費量算出工程:S2)とともに、燃料電池2に供給される水素ガスのインジェクタ28の下流位置における目標圧力値及び目標パージ量を算出する(目標値算出工程:S3)。
次いで、制御部7は、圧力センサ29を用いて、インジェクタ28の下流側の圧力値を検出する(圧力値検出工程:S4)。次いで、制御部7は、目標値算出工程S3で算出した目標圧力値と、圧力値検出工程S4で検出した圧力値(検出圧力値)と、の偏差を低減させるために水素消費量に加算される水素ガス流量(フィードバック補正流量)を算出する(補正流量算出工程:S5)。次いで、制御部7は、水素消費量とフィードバック補正流量とを加算してインジェクタ28の噴射流量を算出し、この噴射流量や駆動周期に基づいてインジェクタ28の噴射時間を算出する。そして、制御部7は、この噴射時間を実現させるための制御信号を出力することにより、インジェクタ28のガス噴射時間及びガス噴射時期を制御して、燃料電池2に供給される水素ガスの流量及び圧力を調整する(フィードバック制御工程:S6)。
制御部7は、前記したフィードバック制御工程S6を実現させながら、パージ開始要求の有無を判定する(パージ要求判定工程:S7)。本実施形態においては、気液分離器30の液溜部に溜まった水分量が所定の閾値を超える場合に、図示されていない液量センサが制御部7に対してパージ開始要求信号を出力するようになっている。制御部7は、パージ要求判定工程S7においてパージ開始要求無と判定した場合には、排気排水弁31を閉鎖する(パージ弁閉鎖工程:S16、図4参照)。一方、制御部7は、パージ要求判定工程S7でパージ開始要求信号を受けてパージ開始要求有と判定し、かつ、インジェクタ28からのガス噴射が既に開始されている場合には、排気排水弁31を開放する(パージ弁開放工程:S8、図4参照)。図6(A)〜(C)に示されるように、パージ弁開放工程S8において排気排水弁31が開放されることにより、気液分離器30に溜まった水分が排気排水流路25へと排出され、水分の排出が終了するとほぼ同時に循環流路23内の水素オフガスが排気排水流路25へと排出されることとなる。
また、図4のフローチャートに示すように、制御部7は、排気排水弁31の開放と同時に、排気排水弁31からの水素オフガスの総排出量(パージ量Q)を推定する(パージ量推定工程:S9)。ここで、図5のフローチャート等を用いて、パージ量推定工程S9について説明する。
まず、制御部7は、排気排水弁31の開放により水素オフガスが排出されたことに起因するインジェクタ28の下流側の圧力低下分ΔP(水素基準圧から水素現在圧を減じて得た値:図6(D)参照)に基づいて、圧力低下分ΔPに対応する流量としての圧力変化対応流量Qを算出する(圧力変化対応流量算出工程:S20)。次いで、制御部7は、排気排水弁31の開放により水素オフガスが排出されたことに起因するインジェクタ28の下流側の圧力低下分を補うためのフィードバック補正流量を算出し、このフィードバック補正流量のパージ開始時点からの時間積算値Q(図6(E)参照)を算出する(補正流量積算工程:S21)。続いて、制御部7は、圧力変化対応流量Qと、パージ開始時点からのフィードバック補正流量の時間積算値Qと、を加算することにより、排気排水弁31からの水素オフガスの総排出量(パージ量Q)を算出する(パージ量算出工程:S22)。
次いで、図4のフローチャートに示すように、制御部7は、パージ量推定工程S9で推定された水素オフガスの総排出量(パージ量Q)が、目標値算出工程S3で算出された目標パージ量Q以上であるかを判定する(パージ量判定工程:S10)。そして、制御部7は、パージ量判定工程S10において、推定したパージ量Qが目標パージ量Q以上であると判定した場合には、排気排水弁31を閉鎖する(パージ弁閉鎖工程:S16)。一方、制御部7は、パージ量判定工程S10において、推定したパージ量Qが目標パージ量Q未満であると判定した場合には、アクセル開閉速度ΔTの絶対値が所定の閾値(ΔTAmax)を超えるか否かを判定する(第1負荷変動量判定工程:S11)。
そして、制御部7は、第1負荷変動量判定工程S11において、アクセル開閉速度ΔTの絶対値が所定の閾値以下であると判定した場合に、再びパージ量推定工程S9に戻って制御を続行する。一方、制御部7は、第1負荷変動量判定工程S11において、図7(A)に示すようにアクセル開閉速度ΔTの絶対値が所定の閾値を超えると判定した場合に、図7(B)に示すように排気排水弁31を全閉状態にしてパージ(ガス排出)を一時的に制限する(パージ制限工程:S12)。
パージ制限工程S12の後、制御部7は、アクセル開閉速度ΔTの絶対値が所定の閾値以下となったか否かを判定し(第2負荷変動量判定工程:S13)、アクセル開閉速度ΔTの絶対値が所定の閾値以下となったものと判定するまでパージ制限工程S12を続行する。そして、制御部7は、図7(A)に示すようにアクセル開閉速度ΔTの絶対値が所定の閾値以下となった時点から所定のディレイタイムtが経過したか否かを判定し(ディレイタイム経過判定工程:S14)、ディレイタイムtが経過した時点で排気排水弁31を再び開放してパージ制限を解除する(パージ再開工程:S15)。その後、制御部7は、再びパージ量推定工程S9に戻って制御を続行する。
以上説明した実施形態に係る燃料電池システム1においては、アクセル開閉速度ΔTの絶対値が所定の閾値を超える場合(燃料電池2への発電要求が急変してインジェクタ28からのガス供給状態が急変する場合)に、排気排水弁31からのガス排出(パージ)を一時的に制限することができる。従って、負荷変動が大きい運転状況においても、ガス供給状態を安定させることが可能となる。
また、以上説明した実施形態に係る燃料電池システム1においては、パージ制限中にアクセル開閉速度ΔTの絶対値が所定の閾値以下になった場合(負荷変動が比較的小さい定常運転状態に戻った場合)に、パージ制限を解除することができる。従って、負荷変動が大きい運転状況を脱した場合に速やかにパージを行うことができるので、燃料電池2の発電状態を安定させることが可能となる。
なお、以上の実施形態においては、燃料電池システム1の水素ガス配管系4に循環流路23を設けた例を示したが、例えば、図8に示すように、燃料電池2に排出流路32を接続して循環流路23を廃止することもできる。かかる構成(デッドエンド方式)を採用した場合においても、制御部7で、燃料電池2への発電要求が急変した場合にパージを一時的に制限するように排気排水弁31の開閉状態を制御することにより、前記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
また、以上の実施形態においては、図4及び図7に示すように、アクセル開閉速度ΔTの絶対値が所定の閾値以下となるまで(すなわち負荷変動が比較的小さい定常運転状態に戻るまで)パージ制限を続行した例を示したが、パージを制限する時間が所定時間を超えた場合に、強制的にパージ制限を解除することもできる。
例えば、図9のフローチャート及び図10のタイムチャートに示すように、制御部7は、第2負荷変動量判定工程S13においてアクセル開閉速度ΔTの絶対値が所定の閾値を超えると判定した場合に、パージ制限時間が所定時間tを超えるか否かを判定することができる(タイムアウト判定工程:S14a)。そして、制御部7は、タイムアウト判定工程S14aにおいてパージ制限時間が所定時間t以下であると判定した場合に引き続きパージ制限を続行する一方、パージ制限時間が所定時間tを超えるものと判定した場合に、強制的に排気排水弁31を開放してパージ制限を解除することができる(パージ再開工程:S15)。このような制御を採用すると、パージが長時間制限されることに起因して燃料電池2の発電状態が不安定になることを回避することが可能となる。
また、以上の実施形態においては、アクセル開閉速度ΔTの絶対値が所定の閾値以下となった時点から所定のディレイタイムtが経過したか否かを判定し、このディレイタイムtが経過した時点で排気排水弁31を再び開放してパージ制限を解除した例を示したが、ディレイタイムtを設けることなく、アクセル開閉速度ΔTの絶対値が所定の閾値以下となった時点で速やかにパージ制限を解除することもできる。
また、以上の実施形態においては、燃料電池2への発電要求が急変する場合に、排気排水弁31を全閉状態に維持した例を示したが、排気排水弁31を必ずしも「全閉状態」にする必要はなく、排気排水弁31からのガス排出を大部分(例えば80%程度)制限するように排気排水弁31の閉鎖態様をシステムの運転状態や仕様に応じて適宜設定することもできる。
また、以上の実施形態においては、燃料電池への発電要求の変化分に係る物理量として「アクセル開閉速度」を採用した例を示したが、他の物理量(例えば燃料電池車両の加速度、燃料電池の発電電流値の変化分、GPSで取得した地図情報等)を燃料電池への発電要求の変化分に係る物理量として採用することができる。
また、以上の実施形態においては、図2に示すように、制御部が、アクセル開閉速度を検出し、このアクセル開閉速度が所定の閾値を超えた場合にパージを制限した例を示したが、アクセル開閉速度を検出する代わりに、インジェクタ28からのガス供給状態(インジェクタ28から供給される水素ガスの圧力や流量)の単位時間当たりの変化分を検出し、このガス供給状態の単位時間当たりの変化分が所定の閾値を超えた場合にパージを制限することもできる。
また、以上の実施形態においては、循環流路23に水素ポンプ24を設けた例を示したが、水素ポンプ24に代えてエジェクタを採用してもよい。また、以上の実施形態においては、排気と排水との双方を実現させる排気排水弁31を循環流路23に設けた例を示したが、気液分離器30で回収した水分を外部に排出する排水弁と、循環流路23内のガスを外部に排出するための排気弁と、を別々に設け、制御部7で排水弁及び排気弁を別々に制御することもできる。
また、以上の実施形態においては、水素ガス配管系4の水素供給流路22のインジェクタ28の下流位置に圧力センサ29を配置し、この位置における圧力を調整する(所定の目標圧力値に近付ける)ようにインジェクタ28の作動状態を設定した例を示したが、インジェクタ制御用の圧力センサの位置はこれに限られるものではない。例えば、燃料電池2の水素ガス入口近傍位置(水素供給流路22上)や、燃料電池2の水素ガス出口近傍位置(循環流路23上)や、水素ポンプ24の出口近傍位置(循環流路23上)にインジェクタ制御用の圧力センサを配置することもできる。かかる場合には、圧力センサの各位置における目標圧力値を記録したマップを予め作成しておき、このマップに記録した目標圧力値と、圧力センサで検出した圧力値(検出圧力値)と、に基づいてフィードバック補正流量を算出するようにする。
また、以上の実施形態においては、水素供給流路22に遮断弁26及びレギュレータ27を設けた例を示したが、インジェクタ28は、可変調圧弁としての機能を果たすとともに、水素ガスの供給を遮断する遮断弁としての機能をも果たすため、必ずしも遮断弁26やレギュレータ27を設けなくてもよい。従って、インジェクタ28を採用すると遮断弁26やレギュレータ27を省くことができるため、システムの小型化及び低廉化が可能となる。
また、以上の実施形態においては、燃料電池2の発電電流値に基づいて水素消費量、目標圧力値及び目標パージ量を設定した例を示したが、燃料電池2の運転状態を示す他の物理量(燃料電池2の発電電圧値や発電電力値、燃料電池2の温度等)を検出し、この検出した物理量に応じて水素消費量、目標圧力値及び目標パージ量を設定してもよい。また、燃料電池2が停止状態にあるか、起動時の運転状態にあるか、間欠運転に入る直前の運転状態にあるか、間欠運転から回復した直後の運転状態あるか、通常運転状態にあるか等の運転状態を制御部が判定し、これら運転状態に応じて水素消費量等を設定することもできる。
また、以上の各実施形態においては、本発明に係る燃料電池システムを燃料電池車両に搭載した例を示したが、燃料電池車両以外の各種移動体(ロボット、船舶、航空機等)に本発明に係る燃料電池システムを搭載することもできる。また、本発明に係る燃料電池システムを、建物(住宅、ビル等)用の発電設備として用いられる定置用発電システムに適用してもよい。
本発明の実施形態に係る燃料電池システムの構成図である。 図1に示した燃料電池システムの制御部の制御態様を説明するための制御ブロック図である。 図1に示した燃料電池システムの運転方法を説明するためのフローチャートである。 同上。 図1に示した燃料電池システムの運転方法におけるパージ量推定工程を説明するためのフローチャートである。 図1に示した燃料電池システムの運転方法を説明するためのタイムチャートであり、(A)は排気排水弁の開閉動作、(B)は排気排水弁からの排水量、(C)は排気排水弁からの排気量(パージ量)、(D)はパージに起因したインジェクタ下流側圧力の低下、(E)はインジェクタ下流側圧力の低下分を補うためのフィードバック補正流量、を各々示すものである。 図1に示した燃料電池システムの運転方法のパージ制限工程及びパージ再開工程を説明するためのタイムチャートであり、(A)はアクセル開閉速度、(B)は排気排水弁の開閉動作、を各々示すものである。 図1に示した燃料電池システムの変形例を示す構成図である。 図1に示した燃料電池システムの他の運転方法を説明するためのフローチャートである。 図1に示した燃料電池システムの他の運転方法のパージ制限工程及びパージ再開工程を説明するためのタイムチャートであり、(A)はアクセル開閉速度、(B)は排気排水弁の開閉動作、を各々示すものである。
符号の説明
1…燃料電池システム、2…燃料電池、7…制御部(排気制御手段)、21…水素供給源(燃料供給源)、22…水素供給流路(供給流路)、23…循環流路(排出流路)、28…インジェクタ(可変ガス供給装置)、29…圧力センサ、30…気液分離器、31…排気排水弁(排気弁)、32…排出流路。

Claims (7)

  1. 燃料電池と、燃料供給源から供給される燃料ガスを前記燃料電池へと流すための供給流路と、この供給流路の上流側のガス状態を調整して下流側に供給する可変ガス供給装置と、前記燃料電池から排出される燃料オフガスを流すための排出流路と、この排出流路内のガスを外部に排出するための排気弁と、を備え、前記燃料電池への発電要求に応じて前記可変ガス供給装置からのガス供給状態が制御される燃料電池システムであって、
    前記排気弁の開放中に前記燃料電池への発電要求の単位時間当たりの変化分が所定の閾値を超えた場合に、前記排気弁からのガス排出を制限する排気制御手段を備える、
    燃料電池システム。
  2. 前記排気制御手段は、前記排気弁の開放中に前記燃料電池への発電要求の単位時間当たりの変化分が所定の閾値を超えた場合に、前記排気弁を全閉状態に維持するものである、
    請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記排気制御手段は、前記排気弁からのガス排出制限中に前記燃料電池への発電要求の単位時間当たりの変化分が所定の閾値以下になった場合に、前記排気弁からのガス排出制限を解除するものである、
    請求項1又は2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記排気制御手段は、前記排気弁からのガス排出制限の時間が所定時間を超えた場合に、前記排気弁からのガス排出制限を解除するものである、
    請求項1又は2に記載の燃料電池システム。
  5. 燃料電池と、燃料供給源から供給される燃料ガスを前記燃料電池へと流すための供給流路と、この供給流路の上流側のガス状態を調整して下流側に供給する可変ガス供給装置と、前記燃料電池から排出される燃料オフガスを流すための排出流路と、この排出流路内のガスを外部に排出するための排気弁と、を備える燃料電池システムであって、
    前記可変ガス供給装置からのガス供給状態の単位時間当たりの変化分が所定の閾値を超えた場合に、前記排気弁からのガス排出を制限する排気制御手段を備える、
    燃料電池システム。
  6. 前記排出流路に設けられた気液分離器を備え、
    前記排気弁は、前記気液分離器の液溜部からの排水と排気との双方を兼ねる排気排水弁である、
    請求項1から5の何れか一項に記載の燃料電池システム。
  7. 前記可変ガス供給装置は、インジェクタである、
    請求項1から6の何れか一項に記載の燃料電池システム。
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