JP5013171B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、燃料供給源から供給される燃料ガスを燃料電池へと流すための供給流路に可変ガス供給装置を備えた燃料電池システムに関する。
従来より、反応ガス(燃料ガス及び酸化ガス)の供給を受けて発電を行う燃料電池を備えた燃料電池システムが提案され、実用化されている。また、近年においては、水素タンク等の燃料供給源から供給される燃料ガスを燃料電池へと流すための燃料供給流路に、機械式可変レギュレータやインジェクタ等の可変ガス供給装置を設けることにより、燃料供給源からの燃料ガスの供給圧力をシステムの運転状態に応じて変化させることを可能にした燃料電池システムが提案されている(例えば、特許文献1参照。)
特開2005−302563号公報
このような可変ガス供給装置を備えた燃料電池システムにおいては、燃料電池に供給される燃料ガスの状態量(圧力、流量等)を逐次変化させることが可能になる一方で、可変ガス供給装置の制御性や異常検知の観点から、当該可変ガス供給装置からの下流側へのガス供給量の推定を高精度に行う必要がある。ところが、かかる推定を高精度に行うために流量計を新規に設けたのでは、コスト上昇を招くという課題がある。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、コスト上昇を招くことなく、可変ガス供給装置からのガス供給量の推定精度を向上させることを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明に係る燃料電池システムは、燃料電池と、燃料供給源から供給される燃料ガスを前記燃料電池へと流すための供給流路と、この供給流路の上流側のガス状態を調整して下流側に供給する可変ガス供給装置と、前記可変ガス供給装置に対するガス供給指令量をPI制御する制御部と、を備えてなる燃料電池システムにおいて、前記燃料電池での燃料ガス消費量と、前記燃料電池内でのアノード極側からカソード極側へのクロスリーク量と、前記PI制御に用いられるP項と、を加えて算出される、実際に要求されている実ガス供給要求量を、当該可変ガス供給装置からその下流側に供給されるガス供給量と推定する推定部を備えるものである。
前記燃料電池システムにおいて、前記ガス供給指令量は、前記実ガス供給要求量と、前記PI制御に用いられるI項と、を乗じて算出される。
さらに、前記燃料電池システムにおいて、前記実ガス供給要求量は、前記可変ガス供給装置の下流側における目標圧力値の変動に基づき算出される目標圧変動補正流量をさらに加えて算出されてもよい。
PI制御によるガス供給指令量は、あくまでも、可変ガス供給装置に実際に要求されている実ガス供給要求量を満足するために可変ガス供給装置に指令される指令値なのであって、例えば可変ガス供給装置の個体差や経年変化に起因する動作特性の相違や変化を補正するための補正項が含まれる等の理由により、実ガス供給要求量とは相違してしまうことが不可避的であるところ、上記のごとく構成された本発明の燃料電池システムによれば、可変ガス供給装置からのガス供給量の推定値として、ガス供給指令量を使用する代わりに、実ガス供給要求量を使用することとしたので、流量計を使用せずに、可変ガス供給装置からのガス供給量の推定精度を向上させることができる。
また、前記燃料電池システムにおいて、前記燃料電池から排出される燃料オフガスを流すための排出流路と、前記排出流路内の流体を外部に排出するための排出弁と、を備え、前記推定部にて推定されたガス供給量が、前記排出弁の開放時点からの排出量の推定に用いられてもよい。
この構成によれば、排出弁からのパージ量の推定に、可変ガス供給装置からのガス供給量の推定値が用いられる場合において、可変ガス供給装置のガス供給量の推定精度が向上するので、それに伴い、パージ量の推定精度も向上する。
前記燃料電池システムにおいて、前記可変ガス供給装置は、弁体を電磁駆動力で直接的に所定の駆動周期で駆動して弁座から離隔させる電磁駆動式の開閉弁(例えば、インジェクタ)であってもよい。
本発明によれば、可変ガス供給装置を備えた燃料電池システムにおいて、コスト上昇を招くことなく、可変ガス供給装置からのガス供給量の推定精度を向上させることができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る燃料電池システム1について説明する。本実施形態においては、本発明を燃料電池車両(移動体)の車載発電システムに適用した例について説明することとするが、燃料電池車両以外の各種移動体(ロボット、船舶、航空機等)に本発明に係る燃料電池システムを搭載することもできる。また、本発明に係る燃料電池システムを、建物(住宅、ビル等)用の発電設備として用いられる定置用発電システムに適用してもよい。
まず、図1及び図2を用いて、本発明の実施形態に係る燃料電池システム1の構成について説明する。
本実施形態に係る燃料電池システム1は、図1に示すように、反応ガス(酸化ガス及び燃料ガス)の供給を受けて電気化学反応により電力を発生する燃料電池2と、酸化ガスとしての空気を燃料電池2に供給する酸化ガス配管系3と、燃料ガスとしての水素ガスを燃料電池2に供給する燃料ガス配管系4と、燃料電池2に冷媒を供給して燃料電池2を冷却する冷媒配管系と、システムの電力を充放電する電力系6と、システム全体を統括制御する制御部7と、を備えている。
燃料電池2は、例えば固体高分子電解質型で構成され、多数の単電池を積層したスタック構造を備えている。燃料電池2の単電池は、イオン交換膜からなる電解質の一方の面に空気極を有し、他方の面に燃料極を有し、さらに空気極及び燃料極を両側から挟みこむように一対のセパレータを有している。
一方のセパレータの燃料ガス流路に燃料ガスが供給され、他方のセパレータの酸化ガス流路に酸化ガスが供給され、このガス供給により燃料電池2は電力を発生する。燃料電池2には、発電中の電流を検出する電流センサ2aが取り付けられている。
酸化ガス配管系3は、燃料電池2に供給される酸化ガスが流れる空気供給流路11と、燃料電池2から排出された酸化オフガスが流れる排気流路12と、を有している。空気供給流路11には、フィルタ13を介して酸化ガスを取り込むコンプレッサ14と、コンプレッサ14により圧送される酸化ガスを加湿する加湿器15と、が設けられている。
排気流路12を流れる酸化オフガスは、背圧調整弁を通って加湿器15で水分交換に供された後、最終的に排ガスとしてシステム外の大気中に排気される。コンプレッサ14は、図示されていないモータの駆動により大気中の酸化ガスを取り込む。
燃料ガス配管系4は、水素供給源21と、水素供給源21から燃料電池2に供給される水素ガスが流れる水素供給流路22と、燃料電池2から排出された水素オフガス(燃料オフガス)を水素供給流路22の合流点A1に戻すための循環流路23と、循環流路23内の水素オフガスを水素供給流路22に圧送する水素ポンプ24と、循環流路23に分岐接続された排気排水流路25と、を有している。
水素供給源21は、本発明における燃料供給源に相当するものであり、例えば高圧タンクや水素吸蔵合金などで構成され、例えば35MPa又は70MPaの水素ガスを貯留可能に構成されている。後述する遮断弁26を開くと、水素供給源21から水素供給流路22に水素ガスが流出する。水素ガスは、後述するレギュレータ27やインジェクタ28により最終的に例えば200kPa程度まで減圧されて、燃料電池2に供給される。
なお、炭化水素系の燃料から水素リッチな改質ガスを生成する改質器と、この改質器で生成した改質ガスを高圧状態にして蓄圧する高圧ガスタンクと、から水素供給源21を構成してもよい。また、水素吸蔵合金を有するタンクを水素供給源21として採用することもできる。
水素供給流路22には、水素供給源21からの水素ガスの供給を遮断又は許容する遮断弁26と、水素ガスの圧力を調整するレギュレータ27と、インジェクタ28と、が設けられている。また、インジェクタ28の下流側であって水素供給流路22と循環流路23との合流部A1の上流側には、水素供給流路22内の水素ガスの圧力を検出する圧力センサ29が設けられている。
また、インジェクタ28の上流側には、水素供給流路22内の水素ガスの圧力及び温度を検出する圧力センサ及び温度センサが設けられている。圧力センサ29等で検出された水素ガスのガス状態(圧力、温度)に係る情報は、後述するインジェクタ28のフィードバック制御やパージ制御に用いられる。
レギュレータ27は、その上流側圧力(一次圧)を、予め設定した二次圧に調圧する装置である。本実施形態においては、一次圧を減圧する機械式の減圧弁をレギュレータ27として採用している。機械式の減圧弁の構成としては、背圧室と調圧室とがダイアフラムを隔てて形成された筺体を有し、背圧室内の背圧により調圧室内で一次圧を所定の圧力に減圧して二次圧とする公知の構成を採用することができる。
インジェクタ28は、弁体を電磁駆動力で直接的に所定の駆動周期で駆動して弁座から離隔させることによりガス流量やガス圧を調整することが可能な電磁駆動式の開閉弁である。インジェクタ28は、水素ガス等の気体燃料を噴射する噴射孔を有する弁座を備えるとともに、その気体燃料を噴射孔まで供給案内するノズルボディと、このノズルボディに対して軸線方向(気体流れ方向)に移動可能に収容保持され噴射孔を開閉する弁体と、を備えている。
本実施形態においては、インジェクタ28の弁体は電磁駆動装置であるソレノイドにより駆動され、このソレノイドに給電されるパルス状励磁電流のオン・オフにより、噴射孔の開口面積を2段階、多段階、又は無段階に切り替えることができるようになっている。
そして、制御部7から出力される制御信号によって、インジェクタ28のガス噴射時間及びガス噴射時期が制御されることにより、水素ガスの流量及び圧力が高精度に制御される。このように、インジェクタ28は、弁(弁体及び弁座)を電磁駆動力で直接開閉駆動するものであり、その駆動周期が高応答の領域まで制御可能であるため、高い応答性を有する。
なお、インジェクタ28の弁体の開閉によりガス流量が調整されるとともに、インジェクタ28の下流に供給されるガス圧力がインジェクタ28上流のガス圧力より減圧されるため、インジェクタ28を調圧弁(減圧弁、レギュレータ)と解釈することもできる。また、本実施形態では、ガス要求に応じて所定の圧力範囲の中で要求圧力に一致するようにインジェクタ28の上流ガス圧の調圧量(減圧量)を変化させることが可能な可変調圧弁と解釈することもできる。
以上のとおり、インジェクタ28は、水素供給流路22の上流側のガス状態(ガス流量、水素モル濃度、ガス圧力)を調整して下流側に供給するものであり、本発明における可変ガス供給装置に相当する。
なお、本実施形態においては、図1に示すように、水素供給流路22と循環流路23との合流部A1より上流側にインジェクタ28を配置している。また、図1に破線で示すように、燃料供給源として複数の水素供給源21を採用する場合には、各水素供給源21から供給される水素ガスが合流する部分(水素ガス合流部A2)よりも下流側にインジェクタ28を配置するようにする。
循環流路23には、気液分離器30及び排気排水弁31を介して、排気排水流路25が接続されている。気液分離器30は、水素オフガスから水分を回収するものである。排気排水弁31は、制御部7からの指令によって作動することにより、気液分離器30で回収した水分と、循環流路23内の不純物を含む水素オフガス(燃料オフガス)と、を外部に排出(パージ)するものである。
排気排水弁31の開放により、循環流路23内の水素オフガス中の不純物の濃度が下がり、循環供給される水素オフガス中の水素濃度が上がる。排気排水弁31の上流位置(循環流路23上)及び下流位置(排気排水流路25上)には、各々、水素オフガスの圧力を検出する上流側圧力センサ及び下流側圧力センサが設けられている。
排気排水弁31及び排気排水流路25を介して排出される水素オフガスは、図示されていない希釈器によって希釈されて排気流路12内の酸化オフガスと合流するようになっている。水素ポンプ24は、図示されていないモータの駆動により、循環系内の水素ガスを燃料電池2に循環供給する。水素ガスの循環系は、水素供給流路22の合流点A1の下流側流路と、燃料電池2のセパレータに形成される燃料ガス流路と、循環流路23と、によって構成されることとなる。
冷媒配管系は、燃料電池2内の冷却流路に連通する冷媒流路と、冷媒流路に設けられた冷却ポンプと、燃料電池2から排出される冷媒を冷却するラジエータと、燃料電池2から排出される冷媒の温度を検出する温度センサと、を有している。冷却ポンプは、図示されていないモータの駆動により、冷媒流路内の冷媒を燃料電池2に循環供給する。温度センサで検出された冷媒の温度(=燃料電池2から排出される水素オフガスの温度)は、後述するパージ制御に用いられる。
電力系6は、高圧DC/DCコンバータバッテリトラクションインバータ、トラクションモータ64、図示されていない各種の補機インバータ等を備えている。高圧DC/DCコンバータは、直流の電圧変換器であり、バッテリから入力された直流電圧を調整してトラクションインバータ側に出力する機能と、燃料電池2又はトラクションモータ64から入力された直流電圧を調整してバッテリに出力する機能と、を有する。
高圧DC/DCコンバータのこれらの機能により、バッテリの充放電が実現される。また、高圧DC/DCコンバータにより、燃料電池2の出力電圧が制御される。
バッテリは、バッテリセルが積層されて一定の高電圧を端子電圧とし、図示しないバッテリコンピュータの制御によって余剰電力を充電したり補助的に電力を供給したりが可能になっている。トラクションインバータは、直流電流を三相交流に変換し、トラクションモータ64に供給する。トラクションモータ64は、例えば三相交流モータであり、燃料電池システム1が搭載される車両の主動力源を構成する。
補機インバータは、各モータの駆動を制御する電動機制御部であり、直流電流を三相交流に変換して各モータに供給する。補機インバータは、例えばパルス幅変調方式のPWMインバータであり、制御部7からの制御指令に従って燃料電池2又はバッテリから出力される直流電圧を三相交流電圧に変換して、各モータで発生する回転トルクを制御する。
制御部7は、車両に設けられた加速用の操作部材(アクセル等)の操作量を検出し、加速要求値(例えばトラクションモータ64等の負荷装置からの要求発電量)等の制御情報を受けて、システム内の各種機器の動作を制御する。
なお、負荷装置とは、トラクションモータ64のほかに、燃料電池2を作動させるために必要な補機装置(例えばコンプレッサ14、水素ポンプ24、冷却ポンプの各モータ等)、車両の走行に関与する各種装置(変速機、車輪制御部、操舵装置、懸架装置等)で使用されるアクチュエータ、乗員空間の空調装置(エアコン)、照明、オーディオ等を含む電力消費装置を総称したものである。
制御部7は、図示していないコンピュータシステムによって構成されている。かかるコンピュータシステムは、CPU、ROM、RAM、HDD、入出力インタフェース及びディスプレイ等を備えるものであり、ROMに記録された各種制御プログラムをCPUが読み込んで所望の演算を実行することにより、後述するフィードバック制御やパージ制御など種々の処理や制御を行う。
具体的には、制御部7は、図2に示すように、電流センサ2aで検出した燃料電池2の発電電流値に基づいて、燃料電池2で消費される水素ガスの流量(以下「水素消費量」という)を算出する(燃料消費量算出機能:B1)。本実施形態においては、発電電流値と水素消費量との関係を表す特定の演算式を用いて、制御部7の演算周期毎に水素消費量を算出し更新することとしている。
また、制御部7は、燃料電池2の発電電流値に基づいて、燃料電池2に供給される水素ガスのインジェクタ28の下流位置における目標圧力値を算出する(目標圧力値算出機能:B2)。本実施形態においては、発電電流値と目標圧力値との関係を表す特定のマップを用いて、制御部7の演算周期毎に目標圧力値を算出している。
また、制御部7は、算出した目標圧力値と、圧力センサ29で検出したインジェクタ28の下流位置の圧力値(検出圧力値)と、の偏差を算出する(圧力差算出機能:B3)。そして、制御部7は、算出した偏差を低減させるために、フィードバック補正流量としてのP項(比例項)の算出(P項算出機能:B4)及びI項(積分項)の算出(I項算出機能:B5)を行う。
つまり、本実施形態においては、目標追従型のPI制御を用いてフィードバック補正流量を算出している。そして、制御部7は、上記水素消費量に上記P項と燃料電池2内で生じるクロスリーク量とを加算し、この加算値に上記I項を乗じることにより、インジェクタ28の噴射流量を算出する(噴射流量算出機能:B7)。
ここで、インジェクタ28の下流位置において前回算出した目標圧力値と、今回算出した目標圧力値と、の偏差に対応するフィードフォワード補正流量を算出し(フィードフォワード補正流量算出機能)、このフィードフォワード補正流量を前記加算値(=水素消費量+P項+クロスリーク量)に加算し、この加算値に上記I項を乗じることにより、インジェクタ28の噴射流量を算出するようにしてもよい。
かかる場合におけるフィードフィードフォワード補正流量は、目標圧力値の変化に起因する水素ガス流量の変動分(目標圧変動補正流量)であり、例えば、目標圧力値の偏差とフィードフォワード補正流量との関係を表す特定の演算式を用いて、制御部7の演算周期毎に更新するものである。
クロスリーク量は、燃料電池2内の燃料ガス流路(アノード極側)から電解質膜を介して酸化ガス流路(カソード極側)へと透過する水素ガスの量であり、本実施形態ではインジェクタ28の下流位置における水素ガスの圧力値(圧力センサ29での検出圧力値)に基づいて算出する(クロスリーク量算出機能:B6)。具体的には、インジェクタ28の下流位置における水素ガスの圧力値とクロスリーク量との関係を表す特定のマップを用いて、クロスリーク量を算出している。
一方、制御部7は、インジェクタ28の上流のガス状態(圧力センサ29で検出した水素ガスの圧力及び不図示の温度センサで検出した水素ガスの温度)に基づいて、インジェクタ28の上流の静的流量を算出する(静的流量算出機能:B8)。本実施形態においては、インジェクタ28の上流側の水素ガスの圧力及び温度と静的流量との関係を表す特定の演算式を用いて、制御部7の演算周期毎に静的流量を算出して更新することとしている。
制御部7は、上記インジェクタ28の噴射流量を上記静的流量で除算(Duty算出機能:B9)した値に、インジェクタ28の駆動周期を乗じることにより、インジェクタ28の基本噴射時間を算出する(基本噴射時間算出機能:B10)とともに、この基本噴射時間に、後述する無効噴射時間を加算してインジェクタ28の総噴射時間を算出する(総噴射時間算出機能:B12)。
この駆動周期とは、インジェクタ28の噴射孔の開閉状態を表す段状(オン・オフ)波形の周期を意味し、本実施形態においては、制御部7により駆動周期を一定の値に設定している。
無効噴射時間とは、インジェクタ28が制御部7から制御信号を受けてから実際に噴射を開始するまでに要する時間を意味し、本実施形態においては、インジェクタ35の上流側の水素ガスの圧力と、インジェクタ28の基本噴射時間と、当該無効噴射時間との関係を表す特定のマップを用いて、制御部7の演算周期毎に無効噴射時間を算出して更新することとしている(無効噴射時間算出機能:B11)。
そして、制御部7は、以上の手順を経て算出したインジェクタ28の総噴射時間を実現させるための制御信号を出力することにより、インジェクタ28のガス噴射時間及びガス噴射時期を制御して、燃料電池2に供給される水素ガスの流量及び圧力を調整する。
また、制御部7は、インジェクタ28のフィードバック制御(インジェクタ28の下流位置の検出圧力値を所定の目標圧力値に追従させるようなインジェクタ28のガス噴射時間及びガス噴射時期の制御)を行うと同時に、パージ制御(排気排水弁31の開閉制御)を行うことにより、循環流路23内の水分及び水素オフガスを排気排水弁31から外部に排出する。
このパージ制御において、制御部7は、開放された排気排水弁31からの水素オフガスの総排出量を推定する。また、この推定に際して、インジェクタ28の噴射流量推定値Qinjを用いるので、制御部7は、上記水素消費量と上記P項と上記クロスリーク量との加算値に、所定の単位変換を施した値をインジェクタ28の噴射流量推定値Qinjと推定する(噴射流量推定機能:B21)。すなわち、本実施形態の制御部7は、本発明の推定部としても機能する。
続いて、図3及び図4のフローチャートを用いて、本実施形態に係る燃料電池システム1の運転方法について説明する。
燃料電池システム1の通常運転時においては、水素供給源21から水素ガスが水素供給流路22を介して燃料電池2の燃料極(アノード極)に供給されるとともに、加湿調整された空気が空気供給流路11を介して燃料電池2の酸化極(カソード極)に供給されることにより、発電が行われる。この際、燃料電池2から引き出すべき電力(要求電力)が制御部7で演算され、その発電量に応じた量の水素ガス及び空気が燃料電池2内に供給される。
本実施形態においては、このような通常運転時に、インジェクタ28のフィードバック制御を実施するとともに、排気排水弁31のパージ制御(循環流路23の内部に滞留する水分や水素オフガスを外部に排出するための排気排水弁31の開閉制御)を実施する。
まず、図3のフローチャートに示すように、燃料電池システム1の制御部7は、電流センサ2aによる燃料電池2の発電時における電流値、圧力センサ29によるインジェクタ28の下流側における圧力値、及び温度センサによる燃料電池2の冷媒の温度Tを含む各種のセンサ出力を検出する(センサ出力検出工程:S1)。
いで、制御部7は、燃料電池2に供給される水素ガスのインジェクタ28の下流位置における目標圧力値、及び排気排水弁31からの水素オフガスの目標パージ量Qを含む各種の制御目標値を算出する(目標値算出工程:S3)。
次いで、制御部7は、ステップS1で検出した電流値に基づく燃料電池2における水素消費量、燃料電池2内でのクロスリーク量、及びステップS1で検出した圧力値とステップS3で算出した目標圧力値との偏差に基づき算出されるPI制御のP項及びI項と、に基づいてインジェクタ28の噴射流量(ガス供給指令量)を推定する(噴射流量推定工程:S5)。
次いで、制御部7は、噴射流量推定工程S5で推定したインジェクタ28の噴射流量と、インジェクタ28の静的流量及び駆動周期及び無効噴射時間と、に基づいて、インジェクタ28の噴射時間を算出し(噴射時間算出工程:S7)、この噴射時間を実現させるための制御信号を出力することにより、インジェクタ28のガス噴射時間及びガス噴射時期を制御して、燃料電池2に供給される水素ガスの流量及び圧力を調整する(フィードバック制御工程:S9)。
制御部7は、上記インジェクタ28のフィードバック制御工程S9を実現させながら、パージ開始要求の有無を判定する(パージ要求判定工程:S11)。そして、パージ開始要求無と判定した場合には、排気排水弁31を閉鎖あるいは元もとの閉鎖状態を維持する(パージ弁閉鎖工程:S21)一方、パージ開始要求有と判定した場合には、インジェクタ28からのガス噴射が既に開始されているか否かを判定する(ガス噴射有無判定工程:S13)。
制御部7は、このガス噴射有無判定工程S13において、ガス噴射が未だ開始されていないと判定した場合には、引き続きガス噴射有無判定工程S13を続行する一方、ガス噴射が既に開始されていると判定した場合には、排気排水弁31を開放する(パージ弁開放工程:S15)。これにより、気液分離器30に溜まった水分が排気排水流路25へと排出され、水分の排出が終了するとほぼ同時に循環流路23内の水素オフガスが排気排水流路25へと排出されることとなる。
次いで、制御部7は、開放された排気排水弁31からの水素オフガスの総排出量(以下、パージ量Q)を推定し(パージ量推定工程:S17)、パージ量推定工程S17で推定されたパージ量Qが、目標値算出工程S3で算出された目標パージ量Q以上であるかを判定する(パージ量判定工程:S19)。
この推定したパージ量Qが目標パージ量Q未満である場合には、引き続きパージ量推定工程S17及びパージ量判定工程S19を続行する一方、推定したパージ量Qが目標パージ量Q以上である場合には、排気排水弁31を閉鎖する(パージ弁閉鎖工程:S21)。
本実施形態に係る燃料電池システム1においては、制御部7によるパージ量推定工程S17でのパージ量Qの推定に際して、インジェクタ28の噴射流量推定値Qinj、パージ開始時点からの燃料電池2における水素消費量変動分の時間積算値ΔQFC、及び水素オフガスの排出(パージ)に起因するインジェクタ28の下流位置における圧力低下分ΔPに対応する水素オフガスの排出量QΔPを用いて推定を行っている。
ここで、インジェクタ28の噴射流量推定値Qinjの算出に際しては、インジェクタ28の総噴射時間から噴射流量推定値を算出することも可能であるが、かかる場合には、以下の理由により、インジェクタ28の噴射流量の推定を正確に行うことができない。
すなわち、インジェクタ28の総噴射時間は、上記のとおり、燃料電池2の発電電流値に基づき算出される水素消費量と、上記PI制御におけるP項と、上記燃料電池2内のクロスリーク量との加算値に、上記PI制御におけるI項を乗じて得た値をインジェクタ28への噴射指令流量(ガス供給指令量)とし、この噴射指令流量を用いて算出されるものである。
ところが、このPI制御におけるI項は、例えばインジェクタ28の個体差や経年変化に起因する動作特性の相違や変化を補正する等ための補正項であることから、上記水素消費量とP項とクロスリーク量との加算値にI項を乗じて得た噴射指令流量は、あくまでも、インジェクタ28に実際に要求されている実噴射要求流量(実ガス供給要求量)を満足するために当該インジェクタ28に指令される指令値なのであって、実噴射要求流量とは不可避的に相違する。
したがって、インジェクタ28の噴射流量推定値Qinjを当該インジェクタ28の総噴射時間から算出してしまうと、インジェクタ28に実際に要求されている実噴射要求流量に補正項としてのI項を乗じた分が、推定誤差として含まれてしまうことになり、上記のとおり、インジェクタ28の噴射流量の推定を正確に行うことができなくなる。
そこで、本実施形態の制御部7は、インジェクタ28の総噴射時間から噴射流量推定値Qinjを算出する代わりに、燃料電池2の発電電流値に基づき算出される上記水素消費量と、圧力センサ29の検出圧力値と目標圧力値との偏差に基づき算出される上記P項と、圧力センサ29の検出圧力値に基づき算出される上記クロスリーク量との加算値、言い換えれば、上記I項を乗じる前の実噴射要求流量をインジェクタ28の噴射流量推定値Qinjとして使用する。
このように、本実施形態の燃料電池システム1によれば、パージ制御におけるインジェクタ28の噴射流量推定値Qinjの推定に際して、インジェクタ28への噴射要求に対応する実噴射要求流量の推定値を噴射流量の推定値として使用する結果、インジェクタ28の噴射流量ひいてはパージ量Qの推定精度が向上するので、排気排水弁31の開閉動作を適切に行えるようになる。
本発明の実施形態に係る燃料電池システムの構成図である。 図1に示す燃料電池システムの制御部の制御態様を説明するための制御ブロック図である。 図1に示す燃料電池システムの運転方法を説明するためのフローチャートの一部である。 図3に示すフローチャートの続きを示すフローチャートである。
符号の説明
1…燃料電池システム、2…燃料電池、7…制御部(推定部)、21…水素供給源(燃料供給源)、22…水素供給流路(供給流路)、23…循環流路(排出流路)、28…インジェクタ(可変ガス供給装置)、29…圧力センサ、30…気液分離器、31…排気排水弁(排出弁)。

Claims (5)

  1. 燃料電池と、燃料供給源から供給される燃料ガスを前記燃料電池へと流すための供給流路と、この供給流路の上流側のガス状態を調整して下流側に供給する可変ガス供給装置と、前記可変ガス供給装置に対するガス供給指令量をPI制御する制御部と、を備えてなる燃料電池システムにおいて、
    前記燃料電池での燃料ガス消費量と、前記燃料電池内でのアノード極側からカソード極側へのクロスリーク量と、前記PI制御に用いられるP項と、を加えて算出される、実際に要求されている実ガス供給要求量を、当該可変ガス供給装置からその下流側に供給されるガス供給量と推定する推定部を備える燃料電池システム。
  2. 前記実ガス供給要求量は、前記可変ガス供給装置の下流側における目標圧力値の変動に基づき算出される目標圧変動補正流量を、さらに加えて算出される、請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記ガス供給指令量は、前記実ガス供給要求量と、前記PI制御に用いられるI項と、を乗じて算出される請求項1又は2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記燃料電池から排出される燃料オフガスを流すための排出流路と、前記排出流路内の流体を外部に排出するための排出弁と、を備え、
    前記推定部にて推定されたガス供給量が、前記排出弁の開放時点からの排出量の推定に用いられる請求項1から3の何れかに記載の燃料電池システム。
  5. 前記可変ガス供給装置は、弁体を電磁駆動力で直接的に所定の駆動周期で駆動して弁座から離隔させる電磁駆動式の開閉弁である請求項1から4の何れかに記載の燃料電池システム。
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