JP2009035702A - インクジェット用インク - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも、モノアミン(a3)と酸無水物基を1つ有する化合物(a4)とからなる群から選ばれる1以上と、酸無水物基を2つ以上有する化合物(a1)と、ジアミン(a2)とを反応させる工程を有する、ポリアミド酸(A)を含むインクジェット用インクの製造方法。
【選択図】なし
Description
ポリイミドを所望のパターン膜として使用する場合、従来はエッチングや感光性ポリイミドを用いてパターンを形成することが一般的であったが、フォトレジスト、現像液、エッチング液、剥離液などの多種大量の薬液が必要であり、さらに煩雑な工程を要するものであった。
そこで、近年、インクジェットにより所望のパターン膜を形成する方法が検討されている。
インクジェット用インクは各種提案されているが[例えば、特開2003−213165号公報(特許文献4)、特開2006−131730号公報(特許文献5)]、ポリイミド系のインクジェット用インクを調製しようとすると、インク組成物に含まれる溶媒がN−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒に限定されてしまうため、インクジェットヘッドの耐久性低下やジェッティングの精度低下を招く。
本発明は以下のようなインクジェット用インク等を提供する。
[1] 下記一般式(1)
で表される構成単位を有し、
下記一般式(21)および一般式(22)
−NH−R3 (21)
で表される分子末端基の群から選ばれる1以上の分子末端基を有するポリアミド酸(A)を含むインクジェット用インク。
前記インクジェット用インク中のポリアミド酸(A)の重量平均分子量は、1,000〜10,000が好ましく、1,000〜4,500がさらに好ましく、1,000〜3,500が特に好ましい。
[2] さらに溶媒(B)を含む[1]に記載のインクジェット用インク。
[3] 溶媒(B)が、乳酸エチル、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、シクロヘキサノンおよびγ―ブチロラクトンからなる群から選ばれる1以上である、[2]に記載のインクジェット用インク。
[4] 溶媒(B)が、溶媒全重量に対してアミド系溶媒を20重量%以上含まない、[2]または3に記載のインクジェット用インク。
[6] さらにエポキシ樹脂(C)を含む、[1]〜[5]のいずれかに記載のインクジェット用インク。
[7] エポキシ樹脂(C)が、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタンおよび下記式(4)〜(7)で表される化合物
からなる群から選ばれる1以上の化合物である、[6]に記載のインクジェット用インク。
[9] インクジェット用インク100重量部に対して、ポリアミド酸(A)5〜55重量部を含む[1]〜[7]のいずれかに記載のインクジェット用インク。
[10] インクジェット用インク100重量部に対して、ポリアミド酸(A)20〜50重量部を含む[1]〜[7]のいずれかに記載のインクジェット用インク。
[8]〜[10]のいずれかに記載のインクジェット用インクにおいて、25℃の粘度が1〜50mPa・sであることが好ましい。また、[8]〜[10]のいずれかに記載のインクジェット用インクにおいて、40℃の粘度が1〜50mPa・sが好ましい。[8]〜[10]のいずれかに記載のインクジェット用インクにおいて、120℃の粘度が1〜50mPa・sが好ましい。
[11] インクジェット用インクに含まれる水分量が10,000ppm以下である、[1]〜[10]のいずれかに記載のインクジェット用インク。
[12] インクジェット用インクに含まれる水分量が5,000ppm以下である、[1]〜[10]のいずれかに記載のインクジェット用インク。
[13−1] 少なくとも、モノアミン(a3)と酸無水物基を1つ有する化合物(a4)とからなる化合物の群から選ばれる1以上と、酸無水物基を2つ以上有する化合物(a1)と、ジアミン(a2)とを反応させてポリアミド酸(A)を合成する工程を有する、ポリアミド酸(A)を含むインクジェット用インクの製造方法であって、
ポリアミド酸(A)が、酸無水物基を2つ以上有する化合物(a1)1モルに対して、ジアミン(a2)0.01〜0.5モルおよびモノアミン(a3)1〜1.98モルを用いて得られたインクジェット用インクの製造方法。
[13−2] ポリアミド酸(A)が、酸無水物基を2つ以上有する化合物(a1)1モルに対して、ジアミン(a2)0.15〜0.25モルおよびモノアミン(a3)1.5〜1.7モルを用いて得られた、[13−1]に記載のインクジェット用インクの製造方法。
[13−3] 少なくとも、モノアミン(a3)と酸無水物基を1つ有する化合物(a4)とからなる化合物の群から選ばれる1以上と、酸無水物基を2つ以上有する化合物(a1)と、ジアミン(a2)とを反応させてポリアミド酸(A)を合成する工程を有する、ポリアミド酸(A)を含むインクジェット用インクの製造方法であって、
ポリアミド酸(A)が、ジアミン(a2)1モルに対して、酸無水物基を2つ以上有する化合物(a1)0.01〜0.5モルおよび酸無水物基を1つ有する化合物(a4)1〜1.98モルを用いて得られた、インクジェット用インクの製造方法。
[13−4] ポリアミド酸(A)が、ジアミン(a2)1モルに対して、酸無水物基を2つ以上有する化合物(a1)0.15〜0.25モルおよび酸無水物基を1つ有する化合物(a4)1.5〜1.7モルを用いて得られた、[13−3]に記載のインクジェット用インクの製造方法。
で表されるテトラカルボン酸二無水物、および、酸無水物基を有するモノマーと他の重合性モノマーとの共重合体からなる群から選ばれる1以上である、[13]に記載のインクジェット用インクの製造方法。
[15] 前記テトラカルボン酸二無水物が、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,2−[ビス(3,4ージカルボキシフェニル)]ヘキサフルオロプロパン二無水物、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、メチルシクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、エタンテトラカルボン酸二無水物およびブタンテトラカルボン酸二無水物からなる群から選ばれる1以上である、[14]に記載のインクジェット用インクの製造方法。
[16] 酸無水物基を有するモノマーが無水マレイン酸である、[14]または[15]に記載のインクジェット用インクの製造方法。
[17] 他の重合性モノマーが、スチレン、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、N−シクロヘキシルマレイミドおよびN−フェニルマレイミドからなる群から選ばれる1以上である、[14]〜[16]のいずれかに記載のインクジェット用インクの製造方法。
[19] ジアミン(a2)が下記一般式(9)
NH2−R2−NH2 (9)
(式中、R2はそれぞれ独立して炭素数2〜100の有機基である。)
で表されるジアミンである、[13]〜[18]のいずれかに記載のインクジェット用インクの製造方法。
[20] ジアミン(a2)が、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、2,2’−ジアミノジフェニルプロパン、ベンジジン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]シクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−4−メチルシクロヘキサン、ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]シクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]4−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]メタンおよび下記式(3)
(式中、R33およびR34は独立して炭素数1〜3のアルキルまたはフェニルであり、R35は独立してはメチレン、フェニレンまたはアルキル置換されたフェニレンであり、xは独立して1〜6の整数であり、yは1〜70の整数である。)
で表される化合物からなる群から選ばれる1以上である、[13]〜[18]のいずれかに記載のインクジェット用インクの製造方法。
[21] モノアミン(a3)が、アミノシリコン化合物である、[13]〜[20]のいずれかに記載のインクジェット用インクの製造方法。
前記アミノシリコン化合物としては、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、4−アミノブチルトリメトキシシラン、4−アミノブチルトリエトキシシラン、4−アミノブチルメチルジエトキシシラン、p−アミノフェニルトリメトキシシラン、p−アミノフェニルトリエトキシシラン、p−アミノフェニルメチルジメトキシシラン、p−アミノフェニルメチルジエトキシシラン、m−アミノフェニルトリメトキシシランおよびm−アミノフェニルメチルジエトキシシランからなる群から選ばれる1以上が好ましい。
[22] 酸無水物基を1つ有する化合物(a4)が、下記式(23)
で表されるシリコン含有化合物である、[13]〜[21]のいずれかに記載のインクジェット用インクの製造方法。
前記シリコン含有化合物としては、p−(トリメトキシシリル)フェニルサクシニックアンヒドリド、p−(トリエトキシシリル)フェニルサクシニックアンヒドリド、m−(トリメトキシシリル)フェニルサクシニックアンヒドリド、m−(トリエトキシシリル)フェニルサクシニックアンヒドリド、トリメトキシシリルプロピルサクシニックアンヒドリド、トリエトキシシリルプロピルサクシニックアンヒドリド、下記式(α)で表される化合物、および、下記式(β)で表される化合物
からなる群から選ばれる1以上が好ましい。
[24] 溶媒(B)が、乳酸エチル、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、シクロヘキサノンおよびγ―ブチロラクトンからなる群から選ばれる1以上である、[23]に記載のインクジェット用インクの製造方法。
[25] 酸無水物基を2つ以上有する化合物(a1)が、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物およびスチレン−無水マレイン酸共重合体からなる群から選ばれる1以上であり、
ジアミン(a2)が、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ジアミノジフェニルプロパンおよび式(3)
の化合物からなる群から選ばれる1以上であり、
モノアミン(a3)が、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、4−アミノブチルトリメトキシシラン、4−アミノブチルトリエトキシシラン、4−アミノブチルメチルジエトキシシラン、p−アミノフェニルトリメトキシシラン、p−アミノフェニルトリエトキシシラン、p−アミノフェニルメチルジメトキシシラン、p−アミノフェニルメチルジエトキシシラン、m−アミノフェニルトリメトキシシランおよびm−アミノフェニルメチルジエトキシシランからなる群から選ばれる1以上であり、
酸無水物基を1つ有する化合物(a4)が、p−(トリメトキシシリル)フェニルサクシニックアンヒドリド、p−(トリエトキシシリル)フェニルサクシニックアンヒドリド、m−(トリメトキシシリル)フェニルサクシニックアンヒドリド、m−(トリエトキシシリル)フェニルサクシニックアンヒドリド、トリメトキシシリルプロピルサクシニックアンヒドリド、トリエトキシシリルプロピルサクシニックアンヒドリド、下記式(α)で表される化合物、および、下記式(β)で表される化合物からなる群から選ばれる1以上を、
であり、
溶媒(B)が、乳酸エチル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピオン酸メチルおよびγ―ブチロラクトンからなる群から選ばれる1以上である、[23]または[24]に記載のインクジェット用インクの製造方法。
ジアミン(a2)が、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、および式(3)
(式中、R33およびR34は独立して炭素数1〜3のアルキルまたはフェニルであり、R35は独立してはメチレン、フェニレンまたはアルキル置換されたフェニレンであり、xは独立して1〜6の整数であり、yは1〜15の整数である。)
の化合物からなる群から選ばれる1以上であり、
モノアミン(a3)が、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシランおよび3−アミノプロピルメチルジエトキシシランからなる群から選ばれる1以上であり、
酸無水物基を1つ有する化合物(a4)として、トリメトキシシリルプロピルサクシニックアンヒドリドおよびトリエトキシシリルプロピルサクシニックアンヒドリドからなる群から選ばれる1つ以上であり、
溶媒(B)が、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテルおよびγ―ブチロラクトンからなる群から選ばれる1以上である、[23]または[24]に記載のインクジェット用インクの製造方法。
[27] 溶媒(B)が、溶媒全重量に対してアミド系溶媒を20重量%以上含まないことを特徴とする[23]〜[26]のいずれかに記載のインクジェット用インクの製造方法。
[28] 溶媒(B)が、アミド系溶媒を含まない[23]〜[26]のいずれかに記載のインクジェット用インクの製造方法。
[30] インクジェット用インクがエポキシ樹脂(C)をさらに含む、[13]〜[29]のいずれかに記載のインクジェット用インクの製造方法。
[31] エポキシ樹脂(C)が、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタンおよび下記式(4)〜(7)で表される化合物
からなる群から選ばれる1以上の化合物である、[30]に記載のインクジェット用インクの製造方法。
[32]
インクジェット用インク100重量部に対して、ポリアミド酸(A)5〜55重量部を含む、[13]〜[31]のいずれかに記載のインクジェット用インクの製造方法。
[33]
インクジェット用インク100重量部に対して、ポリアミド酸(A)20〜50重量部を含む、[13]〜[31]のいずれかに記載のインクジェット用インクの製造方法。
また、インクジェット用インクに含まれる水分量は10,000ppm以下が好ましく、5,000ppm以下がさらに好ましい。
ポリアミド酸膜を加熱処理してポリイミド膜を形成する工程、を経て得られたポリイミド膜またはパターン状ポリイミド膜。
[36] [1]〜[12]および[34]のいずれかに記載されたインクジェット用インクをインクジェット塗布方法によって塗布してから乾燥させてポリアミド酸膜を形成する工程、および、ポリアミド酸膜を加熱処理してポリイミド膜を形成する工程を含むインク塗布方法。
[37] [36]に記載のインク塗布方法を用いてポリイミド膜を形成する、ポリイミド膜形成方法。
[38] [37]に記載されたポリイミド膜形成方法で基板上にポリイミド膜が形成されたフィルム基板。
[39] [38]に記載されたフィルム基板を有する電子部品。
また、パターン状ポリイミド膜の形成のために、本発明の好ましい態様に係るインクジェット用インクを用いる場合、インクジェット印刷により必要な部分のみに描画するため材料使用量は圧倒的に少なく、フォトマスクを使用する必要がないので多品種大量生産が可能であり、また、製造に要する工程数が少ないとものである。
本発明のインクジェット用インクから形成されたポリイミド膜は、例えば、耐熱性、電気絶縁性が高く、電子部品の信頼性、歩留まりを向上させる。
本発明でポリアミド酸(A)の合成に用いられる酸無水物基を2つ以上有する化合物(a1)の具体例としては、スチレン−無水マレイン酸共重合体、メタクリル酸メチル−無水マレイン酸共重合体等の無水物基を有するラジカル重合性モノマーと他のラジカル重合性モノマーとの共重合体や上記一般式(8)で表されるテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。テトラカルボン酸二無水物としては、例えば2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、エタンテトラカルボン酸二無水物、4―(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1,2−ジカルボン酸無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、下記式a1−1〜a1-73で表される化合物等のテトラカルボン酸二無水物が挙げられる。
本発明において、ポリアミド酸(A)の合成に用いられるジアミン(a2)はアミノ基を2つ有していれば特に限定されるものではないが、例えば上記一般式(9)で表される化合物が挙げられる。上記一般式(9)で表される化合物の具体例としては、下記一般式(II)〜(VIII)で表される化合物が挙げられる。
[式(II)中、
A1は、−(CH2)m−であり、ここでmは1〜6の整数であり、
式(III)〜(VII)中、
A1は、単結合、−O−、−S−、−S−S−、−SO2−、−CO−、−CONH−、−NHCO−、−C(CH3)2−、−C(CF3)2−、−(CH2)m−、−O−(CH2)m−O−、−S−(CH2)m−S−であり、ここでmは1〜6の整数であり、
A2は、単結合、−O−、−S−、−CO−、−C(CH3)2−、−C(CF3)2−または炭素数1〜3のアルキレンであり、
シクロヘキサン環またはベンゼン環に結合している水素は、−F、−CH3と置き換えられていてもよい。]
A3は、単結合、−O−、−COO−、−OCO−、−CO−、−CONH−または−(CH2)m−(式中、mは1〜6の整数である)であり、
R6は、ステロイド骨格を有する基、シクロヘキサン環とベンゼン環とからなる群から選ばれる1以上を有する基、または、ベンゼン環に結合している2つのアミノ基の位置関係がパラ位のときは炭素数2〜30のアルキル、もしくは該位置関係がメタのときは炭素数1〜10のアルキルまたはフェニルであり、
該アルキルにおいては、任意の−CH2−が−CF2−、−CHF−、−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられていてもよく、−CH3が−CH2F、−CHF2または−CF3で置き換えられていてもよく
該フェニルの環形成炭素に結合している水素は、−F、−CH3、−OCH3、−OCH2F、−OCHF2または−OCF3と置き換えられていてもよい。]
一般式(IX)で表されるジアミンとしては、例えば下記式(IX−1)〜(IX−11)で表されるジアミンが挙げられる。
[式(XI)と(XII)中、
R10は−Hまたは−CH3であり、
R11はそれぞれ独立して、−Hまたは炭素数1〜20のアルキルもしくは炭素数2〜20アルケニルであり、A6はそれぞれ独立して、単結合、−C(=O)−または−CH2−であり、R13およびR14はそれぞれ独立して、−H、炭素数1〜20のアルキルまたはフェニルである。]
一般式(XI)で表されるジアミンとしては、例えば式(XI−1)〜(XI−4)で表されるジアミンが挙げられる。
一般式(XII)で表されるジアミンとしては、例えば式(XII−1)〜(XII−8)で表されるジアミンが挙げられる。
[式(XIII)中、R15は−Hまたは炭素数1〜20のアルキルであり、該アルキルのうち炭素数2〜20のアルキルの任意の−CH2−は、−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、
A7はそれぞれ独立して−O−または炭素数1〜6のアルキレンであり、
A8は単結合または炭素数1〜3のアルキレンであり、
環Tは1,4−フェニレンまたは1,4−シクロヘキシレンであり、
hは0または1である。]
[式(XIV)中、
R16は炭素数2〜30のアルキルであり、これらの中でも炭素6〜20のアルキルが好ましい。R17は−Hまたは炭素数1〜30のアルキルであり、これらの中でも炭素1〜10のアルキルが好ましい。
A7はそれぞれ独立して−O−または炭素数1〜6のアルキレンである。
一般式(XIII)で表されるジアミンとしては、例えば式(XIII−1)〜(XIII−9)で表されるジアミンが挙げられる。
一般式(XIV)で表されるジアミンとしては、例えば(XIV−1)〜(XIV−3)で表されるジアミンが挙げられる。
(式中、R30およびR31は独立して炭素数3〜20のアルキル基である。)
また、本発明のインクジェット用組成物に含まれるポリアミド酸(A)を合成するために用いることができるジアミン(a2)は、1種単独、または、2種以上を組み合わせて用いることができる。すなわち、2種以上の組み合わせとしては、上記ジアミン同士、上記ジアミンとそれ以外のジアミン、または、上記ジアミン以外のジアミン同士を用いることができる。
本発明のインクジェット用組成物に含まれるポリアミド酸(A)の合成に任意に用いることができるモノアミン(a3)は、そのような性質を有していれば特に限定されないが、具体例としては、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、4−アミノブチルトリメトキシシラン、4−アミノブチルトリエトキシシラン、4−アミノブチルメチルジエトキシシラン、p−アミノフェニルトリメトキシシラン、p−アミノフェニルトリエトキシシラン、p−アミノフェニルメチルジメトキシシラン、p−アミノフェニルメチルジエトキシシラン、m−アミノフェニルトリメトキシシランおよびm−アミノフェニルメチルジエトキシシラン、2−アミノ安息香酸、3−アミノ安息香酸、4−アミノ安息香酸、モノエタノールアミン、n−ブチルアミン、アニリンなどを挙げることができる。
これらの中でも、得られる膜の耐久性が優れるという点から、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、p−アミノフェニルトリメトキシシランが好ましく、3−アミノプロピルトリエトキシシランが特に好ましい。
これらのモノアミンは一種単独でまたは二種以上組み合わせても使用できる。
本発明のインクジェット用組成物に含まれるポリアミド酸(A)の合成に任意に用いることができる酸無水物基を1つ有する化合物(a4)は、酸無水物基を1つ有していれば特に限定されないが、具体例としては、上記式(23)で表されるシリコン含有化合物が好ましい。このようなシリコン含有化合物の中でも、p−(トリメトキシシリル)フェニルサクシニックアンヒドリド、p−(トリエトキシシリル)フェニルサクシニックアンヒドリド、m−(トリメトキシシリル)フェニルサクシニックアンヒドリド、m−(トリエトキシシリル)フェニルサクシニックアンヒドリド、トリメトキシシリルプロピルサクシニックアンヒドリド、トリエトキシシリルプロピルサクシニックアンヒドリド、上記式(α)で表される化合物、上記式(β)で表される化合物が好ましい。上記式(α)で表される化合物は、たとえば、5−ノルボルネン−2,3―ジカルボン酸無水物とトリメトキシシランとを反応させて得ることができる。また、上記式(β)で表される化合物は、たとえば、アリルナジック酸無水物とトリメトキシシランとを反応させて得ることができる。
ポリアミド酸(A)は、たとえば、モノアミン(a3)と酸無水物基を1つ有する化合物(a4)とからなる化合物の群から選ばれる1以上と、酸無水物基を2つ以上有する化合物(a1)と、ジアミン(a2)とを反応させて合成できる。
ポリアミド酸(A)の合成にモノアミン(a3)を用いる場合、酸無水物基を2つ以上有する化合物(a1)1モルに対して、ジアミン(a2)0.01〜0.5モルおよびモノアミン(a3)1〜1.98モル用いることが好ましく、酸無水物基を2つ以上有する化合物(a1)1モルに対して、ジアミン(a2)0.15〜0.25モルおよびモノアミン(a3)1.5〜1.7モル用いることがさらに好ましい。
また、ポリアミド酸(A)の合成に酸無水物基を1つ有する化合物(a4)を用いる場合、ジアミン(a2)1モルに対して、酸無水物基を2つ以上有する化合物(a1)0.01〜0.5モルおよび酸無水物基を1つ有する化合物(a4)1〜1.98モル用いることが好ましく、ジアミン(a2)1モルに対して、酸無水物基を2つ以上有する化合物(a1)0.15〜0.25モルおよび酸無水物基を1つ有する化合物(a4)1.5〜1.7モル用いることがさらに好ましい。
たとえば、モノアミン(a3)と酸無水物基を1つ有する化合物(a4)とからなる化合物の群から選ばれる1以上と、酸無水物基を2つ以上有する化合物(a1)と、ジアミン(a2)とを反応させてポリアミド酸(A)を合成するために用いられる溶媒は、当該ポリアミド酸(A)が合成できれば特に限定されるものではないが、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、シクロヘキサノン、γ―ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、およびN,N−ジメチルアセトアミド、などを挙げることができる。
これらの中でもプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピオン酸メチル、シクロヘキサノン、ジエチレングリコールメチルエチルエーテルおよびジエチレングリコールジメチルエーテルを用いると、インクジェットヘッドへのダメージが少ないインクとすることができるので好ましい。
これらの反応溶媒は単独でも、2種以上の混合溶媒としても使用できる。また、上記反応溶媒以外に他の溶媒を混合して用いることもできる。
また、反応原料の反応系への添加順序に特に限定されない。すなわち、酸無水物基を2つ以上有する化合物(a1)とジアミン(a2)とモノアミン(a3)と酸無水物基を1つ有する化合物(a4)とを同時に反応溶媒に加える、ジアミン(a2)とモノアミン(a3)を反応溶媒中に溶解させた後に酸無水物基を2つ以上有する化合物(a1)または酸無水物基を2つ以上有する化合物(a1)と酸無水物基を1つ有する化合物(a4)を添加する、酸無水物基を2つ以上有する化合物(a1)と酸無水物基を1つ有する化合物(a4)を反応溶媒中に溶解させた後にモノアミン(a3)をあらかじめ反応させた後にジアミン(a2)を添加する、酸無水物基を2つ以上有する化合物(a1)とジアミン(a2)とをあらかじめ反応させて共重合体を合成した後に、その共重合体にモノアミン(a3)を添加する、などいずれの方法も用いることができる。
本発明のインクジェット用インクに含まれるポリアミド酸(A)は、たとえば、上記一般式(1)で表される構成単位を有し、上記一般式(21)および一般式(22)で表される分子末端基の群から選ばれる1以上の分子末端基を有する。
このポリアミド酸(A)は、例えば、上述した、モノアミン(a3)と酸無水物基を1つ有する化合物(a4)とからなる化合物の群から選ばれる1以上と、酸無水物基を2つ以上有する化合物(a1)と、ジアミン(a2)とを反応させることによって合成できる。すなわち、ポリアミド酸(A)の繰り返し単位となる上記一般式(1)は、重合基を2つ以上有する酸無水物基を2つ以上有する化合物(a1)と重合基を2つ有するジアミン(a2)との反応によって得ることができる。他方、モノアミン(a3)と酸無水物基を1つ有する化合物(a4)は重合基を1つしか有さないので、これらの化合物はポリアミド酸(A)において分子末端基を構成する。すなわち、上記式(21)のR3はモノアミン(a3)の残基であり、上記式(22)のR4は酸無水物基を1つ有する化合物(a4)の残基である。なお、当該のポリアミド酸(A)の構成とモノマーとの関係は一例に過ぎない。また、ポリアミド酸(A)の製造方法も当該方法に限定されない。
重量平均分子量が1,000〜20,000であるポリアミド酸(A)が特に溶媒に対する溶解性が優れていてインクジェット用インクとして好ましい。
本発明において、ポリアミド酸(A)の溶媒に対する「溶解性」をさらに向上させるために、その重量平均分子量は1,000〜10,000であることが好ましく、1,000〜5,000であることがさらに好ましい。
そして、ポリアミド酸(A)の重量平均分子量が、1,000〜4,500であることがさらに好ましく、この中でも、1,000〜3,500であることが特に好ましい。
また、1,000以上の重量平均分子量を有するポリアミド酸(A)は、加熱処理によってポリイミド膜を形成するステップにおいて蒸発することがなく、化学的・機械的に安定であり、2,000以下の重量平均分子量を有するポリアミド酸(A)は、溶媒に対する溶解性を向上させることができるので、得られる塗膜の膜厚を大きくすることが可能であり、インクジェット用インクとして好ましく用いることができるから、ポリアミド酸(A)の重量平均分子量が1,000〜2,000であることが最も好ましい。
本発明のインクジェット用インクは、例えば、ポリアミド酸(A)を溶媒(B)に溶解して得ることができる。したがって、本発明のインクジェット用インクに含まれる溶媒は、ポリアミド酸(A)を溶解することができる溶媒であれば特に制限されない。また、単独ではポリアミド酸(A)を溶解しない溶媒であっても、他の溶媒と混合することによって、インクジェット用インクに含まれる溶媒(B)として用いることが可能である。
本発明のインクジェット用インクは、エポキシ樹脂(C)をさらに含んでもよい。本発明のインクジェット用インクに含まれるエポキシ樹脂(C)は、オキシランを有すれば特に限定されないが、オキシランを2つ以上有する化合物が好ましい。
また、オキシランを有するモノマーと共重合を行う他のモノマーとの具体例としては、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、クロルメチルスチレン、(3−エチル−3−オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート、N−シクロヘキシルマレイミドおよびN−フェニルマレイミドなどを挙げることができる。
これらの中でも、上記式(4)の化合物である「アラルダイトCY184」、上記式(5)の化合物である商品名「セロキサイド2021P」、上記式(6)の化合物である商品名「テクモアVG3101L」、上記式(7)の化合物である商品名「エピコート828」は、得られるポリイミド膜の平坦性が特に良好であるため好ましい。
本発明においてインクジェット用インク中のポリアミド酸(A)の濃度は特に限定されないが、インクジェット用インク100重量部に対して、ポリアミド酸(A)を5〜60重量部含むことが好ましく、5〜55重量部含むことがさらに好ましく、20〜50重量%が特に好ましい。これらの濃度範囲であると、1回のインクジェッティングで得られる膜の厚さが最適となり、ジェッティング精度が高いので好ましい。
本発明においてインクジェット用インク中の水分量は特に限定されないが、10,000ppm以下が好ましく、5,000ppm以下がさらに好ましい。これらの水分量であると、インクジェット用インクの粘度変化が少なく保存安定性に優れるので好ましい。
本発明のインクジェット用インクは、たとえば、ポリアミド酸(A)と溶媒(B)とを混合して得られるが、必要により、さらにエポキシ樹脂(C)を含んでもよい。
さらに、目的とする特性によっては、本発明のインクジェット用インクは、界面活性剤、帯電防止剤、カップリング剤、トリメリット酸等のエポキシ硬化剤、アミノシリコン化合物、溶媒、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤、水溶性ポリマー等の添加剤を必要により選択して添加し、それらを均一に混合溶解することにより得ることができる。
インクジェット用インクの塗布性の向上を望むときには、かかる目的に沿った界面活性剤を添加できる。本発明のインクジェット用インクに添加される界面活性剤の具体例としては、商品名「Byk−300」、「Byk−306」、「Byk−335」、「Byk−310」、「Byk−341」、「Byk−344」、「Byk−370」(ビック・ケミー(株)製)などのシリコン系界面活性剤;商品名「Byk−354」、「ByK−358」、「Byk−361」(ビック・ケミー(株)製)などのアクリル系界面活性剤、商品名「DFX−18」、「フタージェント250」、「フタージェント251」(ネオス(株)製)などのフッ素系界面活性剤を挙げることができる。
これらの界面活性剤は、一種のみを用いてもよく、また、二種以上を混合して用いてもよい。
界面活性剤は、下地基板への濡れ性、レベリング性、または塗布性を向上させるために使用するものであり、インクジェット用インク100重量部に対し0.01〜1重量部添加して用いられることが好ましい。
本発明のインクジェット用インクに添加される帯電防止剤は、特に限定されるものではなく、公知の帯電防止剤を用いることができる。具体的には、酸化錫、酸化錫・酸化アンチモン複合酸化物、酸化錫・酸化インジウム複合酸化物等の金属酸化物や四級アンモニウム塩等が挙げられる。
これらの帯電防止剤は、一種のみを用いてもよく、また、二種以上を混合して用いてもよい。
帯電防止剤は、帯電を防止するために使用するものであり、インクジェット用インク100重量部に対し0.01〜1重量部添加して用いられることが好ましい。
本発明のインクジェット用インクに添加されるカップリング剤は、特に限定されるものではなく、公知のカップリング剤を用いることができる。添加されるカップリング剤はシランカップリング剤が好ましく、具体的には、トリアルコキシシラン化合物またはジアルコキシシラン化合物等を挙げることができる。好ましくは、例えば、γ−ビニルプロピルトリメトキシシラン、γ−ビニルプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロイルプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロイルプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−アミノエチル−γ−イミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、 N−アミノエチル−γ−アミノプロピルトジエトキシシラン、 N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、 N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、 N−フェニル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、 N−フェニル−γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン等が例示できる。これらの中でも、γ−ビニルプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルトリメトキシシラン、γ-メタクリロイルプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
カップリング剤は、インクジェット用インク100重量部に対し0.01〜3重量部添加して用いられることが好ましい。
本発明のインクジェット用インクに添加されるエポキシ硬化剤は、特に限定されるものではなく、公知のエポキシ硬化剤を用いることができる。具体的には、有機酸ジヒドラジド化合物、イミダゾールおよびその誘導体、ジシアンジアミド、芳香族アミン、多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物等が挙げられる。さらに具体的には、ジシアンジアミド等のジシアンジアミド類、アジピン酸ジヒドラジド、1,3−ビス(ヒドラジノカルボエチル)−5−イソプロピルヒダントイン等の有機酸ジヒドラジド、2,4−ジアミノ―6―[2’−エチルイミダゾリル−(1’)]−エチルトリアジン、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体、無水フタル酸、無水トリメリット酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸―1,2−無水物等の酸無水物等が挙げられる。
中でも透明性が良好な無水トリメリット酸および1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸―1,2−無水物が好ましい。
エポキシ硬化剤は、インクジェット用インク100重量部に対し0.2〜5重量部添加して用いられることが好ましい。
本発明のインクジェット用インクにおいてアミノシリコン化合物を添加することができる。アミノシリコン化合物としては、パラアミノフェニルトリメトキシシラン、パラアミノフェニルトリエトキシシラン、メタアミノフェニルトリメトキシシラン、メタアミノフェニルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
これらのアミノシリコン化合物は、一種のみを用いてもよく、また、二種以上を混合して用いてもよい。
アミノシリコン化合物は、基板への密着性を良くするために使用するものであり、インクジェット用インク100重量部に対し0.05〜2重量部添加して用いられることが好ましい。
本発明のインクジェット用インクは、本発明の特性を損なわない範囲(好ましくはインクジェット用インク100重量部に対して20重量部以内)で、可溶性ポリイミド、ポリエステル、アクリル酸ポリマー、アクリレートポリマー等のポリマー成分と混合して使用することも可能である。
また、本発明のインクジェット用インクには、ジカルボン酸もしくはその誘導体とジアミンとの反応生成物であるポリアミドやテトラカルボン酸二無水物、ジカルボン酸もしくはその誘導体とジアミンとの反応生成物であるポリアミドイミド等のポリマー成分を本発明の目的を損なわない範囲で添加することができる。
本発明においてインクジェット用インクの粘度は特に限定されないが、常温(25℃)でジェッティングを行う場合は、その粘度が1〜50mPa・sであると、インクジェット塗布方法によるジェッティング精度が向上する点で好ましい。また、25℃におけるインクジェット用インクの粘度は、より好ましくは5〜30mPa・s、さらに好ましくは8〜20mPa・s(25℃)である。
インクヘッドを加熱してジェッティングを行う場合は、加熱温度(好ましくは40〜120℃)におけるインクジェット用インクの粘度は1〜50mPa・sが好ましく、5〜30mPa・sであればさらに好ましく、8〜20mPa・sが特に好ましい。
本発明のインクジェット用インクを、基板表面にインクジェットにより塗布し、ホットプレート、またはオーブンなどで加熱処理して全面または所定のパターン状(たとえばライン状)のポリイミド膜が形成される。また、本発明のポリイミド膜の形成は、加熱処理に限定されず、UV処理やイオンビーム、電子線、ガンマ線などの処理でもよい。
インクジェット塗布方法には、インクの吐出方法により各種のタイプがある。吐出方法としては、たとえば圧電素子型、バブルジェット(登録商標)型、連続噴射型、静電誘導型などが挙げられる。本発明にかかるインクは、インクに含まれる各成分を適正に選択することにより、様々な方法でジェッティングが可能であり、インクジェット用インクを予め定められたパターン状に塗布することができる。
インクジェット塗布方法を用いて、基板上に、本発明のインクジェット用インクをインクジェットによって塗布した後、ホットプレート、またはオーブンなどでの加熱により溶媒を気化等させて除去する、すなわち乾燥することによってポリアミド酸の膜を形成することができる。
加熱条件は各成分の種類および配合割合によって異なるが、通常70〜120℃で、オーブンを用いた場合5〜15分間、ホットプレートを用いた場合1〜5分間でポリアミド酸の膜が形成される。
ポリアミド酸の膜を形成後、ポリアミド酸をイミド化させるために180〜350℃、好ましくは200〜300℃で、オーブンを用いた場合30〜90分間、ホットプレートを用いた場合5〜30分間加熱処理することによってポリイミド膜を得ることができる。
ポリアミド酸の膜がパターン状に形成されている場合には、パターン状のポリイミド膜が形成される。本明細書では、特に言及のない限り、ポリイミド膜は、パターン状のポリイミド膜を含むものとする。
本発明のフィルム基板は、例えば、インクジェット等の方法により配線が形成されたポリイミドフィルム等の基板上に、本発明のインクジェット用インクをインクジェット塗布方法によって全面または所定のパターン状(ライン状等)に塗布し、その後、当該基板を乾燥し、さらに加熱してポリイミド膜が形成されて得られる。
例えば、予め配線が形成されたポリイミドフィルム等のフィルム基板上に、本発明のインクジェット用インクをインクジェット塗布方法によって塗布し、その後、当該フィルム基板を乾燥し、さらに加熱することによって、絶縁性を有するポリイミド膜で被覆されたフレキシブルな電子部品が得られる。
3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物:ODPA
3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物:BTDA
2,2−[ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)]ヘキサフルオロプロパン二無水物:6FDA
ジアミン(a2)
3,3’−ジアミノジフェニルスルホン:DDS
上記式(3)において、R3、R4がともにメチルであり、R5がメチレンであり、xが3でありyが10〜15程度の混合物である、平均分子量が1,000である化合物(商品名「FM3311」(チッソ(株)製)):FM3311
p−フェニレンジアミン:PDA
2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン:HFBA
モノアミン(a3)
3−アミノプロピルトリエトキシシラン:S330
酸無水物基を1つ有する化合物(a4)
トリエトキシシリルプロピルサクシニックアンヒドリド:TESA
溶媒(B)
ジエチレングリコールメチルエチルエーテル:EDM
N−メチル−2−ピロリドン:NMP
γ―ブチロラクトン:GBL
温度計、攪拌機、原料投入仕込み口および窒素ガス導入口を備えた500mlの四つ口フラスコに、表1に示すとおりに原料を仕込み、乾燥窒素気流下40℃で5hr攪拌したところ、淡黄色透明なポリアミド酸の25重量%溶液を得た。この溶液の粘度は9.6mPa・s(25℃)であった。GPCで測定した重量平均分子量は2,100であった。この溶液をそのままインクジェット用インク(1)として使用した。
実施例1で用いた四つ口フラスコに、表1に示すとおりに原料を仕込み、乾燥窒素気流下40℃で5hr攪拌したところ、ポリアミド酸の25重量%溶液を得た。この溶液をそのままインクジェット用インク(2)として使用した。
このインクジェット用インク(2)の粘度と重量平均分子量を実施例1と同じ条件で測定した。その結果、粘度は7.3mPa・s(25℃)であり、重量平均分子量は3,400であった。
表1に示すとおりに原料を仕込むこと以外は実施例1と同じ条件でインクジェット用インクを調製し、それぞれをインクジェット用インク(3)〜(11)として使用した。
得られたインクジェット用インク(3)〜(11)の25℃における粘度を実施例1と同じ条件で測定した。また、インクジェット用インク(3)〜(11)の水分量を、メトロームシバタ社製KFティトリーノ787型水分計(カールフィッシャー法)により測定した。これらの測定結果は表1に示すとおりであった。
実施例1で用いた500mlの四つ口フラスコに、以下に示すとおりに原料を仕込み、乾燥窒素気流下40℃で10hr攪拌した後、70℃に昇温して8hr攪拌して減粘し、黄色透明なポリアミド酸の8重量%溶液を得た。この溶液をそのままインクジェット用インク(C1)とした。
このインクジェット用インク(C1)の粘度を実施例1と同じ条件で測定した。その結果、粘度は9.1mPa・s(25℃)であった。
また、インクジェット用インク(C1)では、溶媒としてEDMを使用すると反応生成物が析出するため、NMPを使用して、GPCで測定した重量平均分子量は25,000であった。
ODPA 20.0g
DDS 16.0g
NMP 414.0g
実施例1で合成されたインクジェット用インク(1)をインクジェット用インクとして使用し、デージアイ社製インクジェット塗布装置NANO JET R2Rでポリイミド基板上に幅500μm、長さ5cmのライン&スペース塗布を行った。塗布回数は1回で、ノズルからのジェッティング速度は10回/sとした。基板を80℃のホットプレートで5分間乾燥した後、250℃のオーブンで30分間加熱し、ライン状に形成された絶縁性のポリイミド膜(12)を得た。
得られたポリイミド膜のライン幅、エッジの直線性を光学顕微鏡で観察し、膜厚を測定した。膜厚はKLA−Tencor Japan株式会社製触針式膜厚計αステップ200を使用し、3箇所の測定値の平均値を膜厚とした。その結果を表2に示す。ライン幅はほぼ塗布したときの幅を維持しており、ラインのエッジの直線性も良好であり、ラインは十分な厚みを有している。
実施例2で合成されたインクジェット用インク(2)をインクジェット用インクとして使用した以外は、実施例12と同じ条件でポリイミド膜(13)を得た。
得られたポリイミド膜について、実施例12と同じ条件で評価を行った。その結果を表2に示す。ライン幅はほぼ塗布したときの幅を維持しており、ラインのエッジの直線性も良好であり、ラインは十分な厚みを有している。
実施例3〜11で調製された、それぞれのインクジェット用インク(3)〜(11)をインクジェット用インクとして使用し、FUJIFILM Dimatix社製インクジェット塗布装置DMP−2831で1.5mm厚のガラスエポキシ樹脂両面銅張り板上に1ドット幅でドットピッチ40ミクロンに設定し、長さ5cmのライン塗布を常温(25℃)で行った。インクジェットヘッドのヒーターの設定をOFFとし、ピエゾ電圧は16V、駆動周波数は5kHzとした。基板を80℃のホットプレートで5分間乾燥した後、230℃のオーブンで30分間加熱し、ライン状に形成された絶縁性のポリイミド膜(14)〜(22)を得た。
各インクジェット用インク(3)〜(11)を塗布して得られたポリイミド膜(14)〜(22)のライン幅およびこのライン幅の均一性を光学顕微鏡で観察し、膜厚を測定した。膜厚は実施例12と同じ条件で測定した。その結果を表3に示す。
表3に示されるように、実施例14〜22のポリイミド膜は、ラインのエッジの直線性も良好であり、ラインは十分な厚みを有している。
また、実施例21で得られたポリイミド膜(21)の光学顕微鏡写真は、図1のとおりであった。
比較例1で合成されたインクジェット用インク(C1)をインクジェット用インクとして使用した以外は、実施例12と同じ条件でポリイミドの絶縁膜(C2)を得た。
得られたポリイミド膜(C2)について、実施例12と同じ条件で評価を行った。その結果、ポリイミド膜(C2)のライン幅は610〜680μmとなり、塗布したときの幅より大幅に広がってしまった。また、得られたポリイミド膜(C2)のラインのエッジの直線性も不十分でギザギザがあった。得られたポリイミド膜(C2)のラインの膜厚は0.4μmであり、充分な厚さが得られなかった。
原料の仕込み量を下記に示すとおりとし、濃度30%溶液として仕込むこと以外は実施例1と同じ条件でインクジェット用インク(12)を調製し、実施例3と同じ条件で粘度および水分量を測定した。この溶液の粘度は12.1mPa・s(40℃)であり、水分量は1750ppmであった。
ODPA 27.5g
DDS 5.5g
S330 29.5g
EDM 87.5g
GBL 87.5g
Claims (37)
- 下記一般式(1)
で表される構成単位を有し、
下記一般式(21)および一般式(22)
−NH−R3 (21)
で表される分子末端基の群から選ばれる1以上の分子末端基を有する、重量平均分子量が1,000〜10,000のポリアミド酸(A)と、
溶媒(B)とを含むインクジェット用インク。 - ポリアミド酸(A)の重量平均分子量が1,000〜4,500のである、請求項1に記載のインクジェット用インク。
- ポリアミド酸(A)の重量平均分子量が1,000〜3,500のである、請求項1に記載のインクジェット用インク。
- 溶媒(B)が、乳酸エチル、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、シクロヘキサノンおよびγ―ブチロラクトンからなる群から選ばれる1以上である、請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット用インク。
- 溶媒(B)が、溶媒全重量に対してアミド系溶媒を20重量%以上含まない、請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット用インク。
- 溶媒(B)が、アミド系溶媒を含まない、請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット用インク。
- さらにエポキシ樹脂(C)を含む、請求項1〜6のいずれかに記載のインクジェット用インク。
- エポキシ樹脂(C)が、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタンおよび下記式(4)〜(7)で表される化合物
からなる群から選ばれる1以上の化合物である、請求項7に記載のインクジェット用インク。 - インクジェット用インク中のポリアミド酸(A)の濃度が5〜60重量%であり、25℃の粘度が1〜50mPa・sである、請求項1〜8のいずれかに記載のインクジェット用インク。
- インクジェット用インク中のポリアミド酸(A)の濃度が5〜60重量%であり、40℃の粘度が1〜50mPa・sである、請求項1〜8のいずれかに記載のインクジェット用インク。
- インクジェット用インク中のポリアミド酸(A)の濃度が5〜60重量%であり、120℃の粘度が1〜50mPa・sである、請求項1〜8のいずれかに記載のインクジェット用インク。
- インクジェット用インクに含まれる水分量が10,000ppm以下である、請求項1〜11のいずれかに記載のインクジェット用インク。
- インクジェット用インクに含まれる水分量が5,000ppm以下である、請求項1〜11のいずれかに記載のインクジェット用インク。
- 少なくとも、モノアミン(a3)と酸無水物基を1つ有する化合物(a4)とからなる化合物の群から選ばれる1以上と、酸無水物基を2つ以上有する化合物(a1)と、ジアミン(a2)とを反応させてポリアミド酸(A)を合成する工程を有する、ポリアミド酸(A)を含むインクジェット用インクの製造方法であって、
ポリアミド酸(A)が、酸無水物基を2つ以上有する化合物(a1)1モルに対して、ジアミン(a2)0.01〜0.5モルおよびモノアミン(a3)1〜1.98モルを用いて得られたインクジェット用インクの製造方法。 - ポリアミド酸(A)が、酸無水物基を2つ以上有する化合物(a1)1モルに対して、ジアミン(a2)0.15〜0.25モルおよびモノアミン(a3)1.5〜1.7モルを用いて得られた、請求項14に記載のインクジェット用インクの製造方法。
- 少なくとも、モノアミン(a3)と酸無水物基を1つ有する化合物(a4)とからなる化合物の群から選ばれる1以上と、酸無水物基を2つ以上有する化合物(a1)と、ジアミン(a2)とを反応させてポリアミド酸(A)を合成する工程を有する、ポリアミド酸(A)を含むインクジェット用インクの製造方法であって、
ポリアミド酸(A)が、ジアミン(a2)1モルに対して、酸無水物基を2つ以上有する化合物(a1)0.01〜0.5モルおよび酸無水物基を1つ有する化合物(a4)1〜1.98モルを用いて得られた、インクジェット用インクの製造方法。 - ポリアミド酸(A)が、ジアミン(a2)1モルに対して、酸無水物基を2つ以上有する化合物(a1)0.15〜0.25モルおよび酸無水物基を1つ有する化合物(a4)1.5〜1.7モルを用いて得られた、請求項16に記載のインクジェット用インクの製造方法。
- 酸無水物基を2つ以上有する化合物(a1)が、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,2−[ビス(3,4ージカルボキシフェニル)]ヘキサフルオロプロパン二無水物、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、メチルシクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、エタンテトラカルボン酸二無水物およびブタンテトラカルボン酸二無水物からなる群から選ばれる1以上である請求項14〜17のいずれかに記載のインクジェット用インクの製造方法。
- ジアミン(a2)が、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、2,2’−ジアミノジフェニルプロパン、ベンジジン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]シクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−4−メチルシクロヘキサン、ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]シクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]4−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]メタンおよび下記式(3)
(式中、R3およびR4は独立して炭素数1〜3のアルキルまたはフェニルであり、R5は独立してはメチレン、フェニレンまたはアルキル置換されたフェニレンであり、xは独立して1〜6の整数であり、yは1〜50の整数である。)
で表される化合物からなる群から選ばれる1以上である、請求項14〜18のいずれかに記載のインクジェット用インクの製造方法。 - モノアミン(a3)が、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、4−アミノブチルトリメトキシシラン、4−アミノブチルトリエトキシシラン、4−アミノブチルメチルジエトキシシラン、p−アミノフェニルトリメトキシシラン、p−アミノフェニルトリエトキシシラン、p−アミノフェニルメチルジメトキシシラン、p−アミノフェニルメチルジエトキシシラン、m−アミノフェニルトリメトキシシランおよびm−アミノフェニルメチルジエトキシシランからなる群から選ばれる1以上である、請求項14〜19のいずれかに記載のインクジェット用インクの製造方法。
- 酸無水物基を1つ有する化合物(a4)が、p−(トリメトキシシリル)フェニルサクシニックアンヒドリド、p−(トリエトキシシリル)フェニルサクシニックアンヒドリド、m−(トリメトキシシリル)フェニルサクシニックアンヒドリド、m−(トリエトキシシリル)フェニルサクシニックアンヒドリド、トリメトキシシリルプロピルサクシニックアンヒドリド、トリエトキシシリルプロピルサクシニックアンヒドリド、下記式(α)で表される化合物、および、下記式(β)で表される化合物
からなる群から選ばれる1以上である、請求項14〜20のいずれかに記載のインクジェット用インクの製造方法。 - インクジェット用インクが溶媒(B)をさらに含む、請求項14〜21のいずれかに記載のインクジェット用インクの製造方法。
- 溶媒(B)が、乳酸エチル、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、シクロヘキサノンおよびγ―ブチロラクトンからなる群から選ばれる1以上である、請求項22に記載のインクジェット用インクの製造方法。
- 溶媒(B)が、溶媒全重量に対してアミド系溶媒を20重量%以上含まないことを特徴とする請求項22または23に記載のインクジェット用インクの製造方法。
- 溶媒(B)が、アミド系溶媒を含まない請求項22または23に記載のインクジェット用インクの製造方法。
- インクジェット用インクが、さらにエポキシ樹脂(C)を含む、請求項14〜25のいずれかに記載のインクジェット用インクの製造方法。
- エポキシ樹脂(C)が、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタンおよび下記式(4)〜(7)で表される化合物
からなる群から選ばれる1以上の化合物である、請求項26に記載のインクジェット用インクの製造方法。 - インクジェット用インク100重量部に対して、ポリアミド酸(A)10〜55重量部を含む、請求項14〜27のいずれかに記載のインクジェット用インクの製造方法。
- インクジェット用インク100重量部に対して、ポリアミド酸(A)20〜50重量部を含む、請求項14〜27のいずれかに記載のインクジェット用インクの製造方法。
- インクジェット用インクに含まれる水分量が10000ppm以下である、請求項14〜29のいずれかに記載のインクジェット用インクの製造方法。
- インクジェット用インクに含まれる水分量が5000ppm以下である、請求項14〜29のいずれかに記載のインクジェット用インクの製造方法。
- 請求項14〜31に記載されたインクジェット用インクの製造方法を用いて製造されたインクジェット用インク。
- 請求項1〜13および32のいずれかに記載されたインクジェット用インクをインクジェット塗布方法によって塗布してポリアミド酸膜を形成する工程、および、
ポリアミド酸膜を加熱処理してポリイミド膜を形成する工程、を経て得られたポリイミド膜またはパターン状ポリイミド膜。 - 請求項1〜13および32のいずれかに記載されたインクジェット用インクをインクジェット塗布方法によって塗布してから乾燥させてポリアミド酸膜を形成する工程、および、ポリアミド酸膜を加熱処理してポリイミド膜を形成する工程を含むインク塗布方法。
- 請求項34に記載のインク塗布方法を用いてポリイミド膜を形成する、ポリイミド膜形成方法。
- 請求項35に記載されたポリイミド膜形成方法で基板上にポリイミド膜が形成されたフィルム基板。
- 請求項36に記載されたフィルム基板を有する電子部品。
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