JP2009030021A - 発光体及びその製法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電子線又は紫外線による励起に基づいて紫外線領域300〜400nmに発光ピークを有する発光体であって、酸化物の粉末からなり、かつ前記発光ピークにおける発光強度が高い発光体を提供すること。
【解決手段】前記発光体が、周期表第2A族元素の酸化物の粉末からなるものであり、かつ前記発光ピークにおいて、波長325nmの発光強度をα、波長375nmの発光強度をβ、波長450nmの発光強度をγとしたときの強度比α/γが1.5以上であり、かつβ/γが2.0以上である。好ましくは、周期表第2A族元素はMgである。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子線又は紫外線による励起に基づいて紫外線領域300〜400nmに発光ピークを有する発光体及びその製法に関する。
現在、プラズマディスプレイパネル(PDP)において発光材料として使用されている蛍光体は、真空下でのキセノンガス内の放電により放射される波長147nmの真空紫外線や電子線等によって励起され発光するものである。しかし、実用化されているPDP用蛍光体は波長147nmの真空紫外線や電子線による発光強度が低いことから、PDPの発光効率を改良することが望まれていた。
また、PDPにおいて発光セルの空間に存在する放電ガスから放射された紫外線や電子線等はあらゆる方向に放射されるにも関わらず、前記蛍光体以外の、放電空間を取り巻く構成材料に向かって放射された紫外線や電子線の大半は蛍光体の励起に利用されず、損失となっている。
このような放射紫外線や電子線を有効活用し、かつPDPの発光効率を改善する技術として、特許文献1では、従来から誘電体層上に保護層として設けられていた薄膜酸化マグネシウム層の上に、さらに粒子状の酸化マグネシウム結晶体を含む結晶酸化マグネシウム層を設ける方法が開示されている。当該酸化マグネシウム結晶体は、電子線励起によって波長域200〜300nm内にピークを有するカソード・ルミネッセンス発光を行うものであり、具体的には、マグネシウムを加熱して発生するマグネシウム蒸気を気相酸化して得られる、比表面積から求めた平均粒径が2000〜4000Å(0.2〜0.4μm)の酸化マグネシウム単結晶体を使用することが記載されている。これによってPDPの発光効率の改善だけではなく、放電遅れ等の放電特性の改善をも可能にすると記載されている。
一方、特許文献2では、PDPにおいて放電開始電圧をより低減するために誘電体層上に設ける保護膜として、酸化マグネシウムの蒸着膜が記載されており、当該膜の表面に酸素イオンを注入することにより、カソード・ルミネッセンス測定において300〜500nmの範囲、特に400nmに発光極大を持つピークが生じることが記載されている。
さらに特許文献3でも、カソード・ルミネッセンス測定において波長355nmの発光ピークを有する酸化マグネシウム保護層を設けたガス放電パネルが記載され、当該保護層に、2個の自由電子をトラップする酸素欠陥が存在しているため、二次電子が多数得られることによって優れた発光効率や、走査速度の向上が達成されると記載されている。この保護層はスパッタ法、プラズマCVD法、又はイオンプレーティング法で形成されると記載されている。
以上のように200〜300nmの範囲でカソード・ルミネッセンス発光の発光ピークを有する酸化マグネシウム粉末は知られ、また、300〜500nmの範囲でカソード・ルミネッセンス発光の発光ピークを有する、酸化マグネシウムの蒸着膜は知られていたが、300〜400nmの範囲でカソード・ルミネッセンス発光の発光ピークを有し、かつ十分にその発光強度が大きい酸化マグネシウム粉末は知られていなかった。
このような発光特性を持つ酸化マグネシウム粉末を得ることができれば、PDPにおける発光効率の改善や、放電特性の改善に寄与することができるものと期待される。
特許第3842276号明細書 特開2001−332175号公報 特許第3623406号公報
本発明は、上記現状に鑑み、電子線又は紫外線による励起に基づいて紫外線領域300〜400nmに発光ピークを有する発光体であって、酸化物の粉末からなり、かつ前記発光ピークにおける発光強度が高い発光体を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく種々検討を重ねた結果、マグネシウム等の周期表第2A族元素の酸化物の粉末を製造する過程において特定の熱処理工程を経ること、又は、酸化マグネシウムに対して特定の異種元素を混入させることによって、得られた粉末による紫外線領域300〜400nmでのカソード・ルミネッセンス発光の発光レベルが著しく増大し、従来にない発光特性を持つ酸化物粉末が製造されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、電子線又は紫外線による励起に基づいて紫外線領域300〜400nmに発光ピークを有する発光体であって、当該発光体が、周期表第2A族元素の酸化物の粉末からなるものであり、かつ前記発光ピークにおいて、波長325nmの発光強度をα、波長375nmの発光強度をβ、波長450nmの発光強度をγとしたときの強度比α/γが1.5以上であり、かつβ/γが2.0以上であることを特徴とする発光体に関する。
好ましくは、前記周期表第2A族元素が、Mg、Ca、Sr又はBaであり、より好ましくは、Mgである。
好ましくは、前記酸化物粉末の純度が99.9質量%以上である。
好ましくは、前記周期表第2A族元素の酸化物が、酸化マグネシウムであり、当該酸化マグネシウムが、チタン、バリウム、及び、カルシウムからなる群より選択される少なくとも1つの異種元素を含むものである。
好ましくは、マグネシウムに対する前記異種元素の割合が、0.0001〜1モル%である。好ましくは、前記酸化マグネシウムと前記異種元素とを合わせた純度が99.9質量%以上である。
好ましくは、前記酸化物粉末が、走査型電子顕微鏡にて観察した形状が立方体の一次粒子からなる粉末である。
好ましくは、前記酸化物粉末が、レーザ回折散乱式粒度分布測定による累積50%粒子径(D50)が0.1μm以上のものである。
好ましくは、前記酸化物粉末の結晶子径が、500Å以上である。
好ましくは、前記酸化物粉末が、液相法により製造されたものである。
また、本発明は、前記発光体を搭載してなる光学デバイスにも関する。
さらに本発明は、電子線又は紫外線による励起に基づいて紫外線領域300〜400nmに発光ピークを有する周期表第2A族元素の酸化物粉末を製造する方法であって、周期表第2A族元素の酸化物前駆体を閉鎖系或いは開放系で焼成した後、さらに、得られた周期表第2A族元素の酸化物粉末を、アルゴン、窒素、及び水素からなる群より選択される少なくとも1種を含む非酸化性雰囲気下で熱処理することを特徴とする方法にも関する。
本発明によって、電子線又は紫外線で励起されることによって紫外線領域300〜400nmの範囲内で極めて高レベルの発光を行う酸化物の粉末からなる発光体を提供することができる。
本発明の発光体は、カソード・ルミネッセンス測定において電子線又は紫外線で励起されることによって、紫外線領域の波長300〜400nmの範囲内で1以上のピークを有する発光を行うものである。
本発明の発光体は、周期表第2A族元素の酸化物から構成されるものである。本発明において酸化物はいわゆる単純酸化物及びそれらの複酸化物を意味し、当該酸化物の主要元素は、周期表第2A族元素と、酸素原子である。前記周期表第2A族元素としては、Mg、Ca、Sr又はBaが挙げられ、なかでもMgが好ましい。すなわち本発明における周期表第2A族元素の酸化物は、最も好ましくは酸化マグネシウム(MgO)である。
本発明の発光体は周期表第2A族元素の酸化物の粉末からなるものである。ここで、当該酸化物粉末は、1次粒子の形状が立方体状であることがより好ましい。この形状は走査型電子顕微鏡によって確認することができる。なお「立方体状」とは幾何学的な意味での厳密な立方体を指すものではなく、顕微鏡写真を目視で観察することによりおおよそ立方体と認識可能な形状を指す。また、当該酸化物は、立方体状の1次粒子が凝集することなく、各々分離しており、分散性が良好な性質を有するものが好ましい。
さらに、当該酸化物粉末の粒子は平均粒径が大きいものであることが好ましく、具体的には、レーザ回折散乱式粒度分布測定による累積50%粒子径(D50)で0.1μm以上を満たすものが好ましい。当該D50としては0.3μm以上が好ましく、0.5μm以上がより好ましい。なお、D50とは、メジアン径のことで、粒度の累積グラフにおいて50体積%に相当する粒径(μm)をいい、粉体をある粒子径で2つに分けたとき、大きい側と小さい側が等量となる粒径のことである。
また、前記酸化物粉末は、X線回折法を用いて測定した結晶子径が500Å以上であることが好ましく、1000Å以上であることがより好ましい。
本発明の発光体を構成する酸化物の粉末は、好ましくは、立方体状に一次粒子の粒子形状がそろっており、立方体状結晶表面に微粒子が付着しておらず、当該表面が清浄、かつ平滑なものであり、粒度分布が狭いものであることが好ましい。
本発明の一実施形態では、本発明における酸化物粉末はきわめて高純度のものであり、具体的な純度としては99.9質量%以上が好ましく、99.99質量%以上がより好ましい。
本発明の別の実施形態では、本発明における酸化物は酸化マグネシウムであるが、当該酸化マグネシウムが、チタン、バリウム、及び、カルシウムからなる群より選択される少なくとも1つの異種元素を含む。この場合において、前記異種元素の含量は、マグネシウムに対して微量となる範囲であれば特に限定されないが、具体的には、マグネシウムに対する異種元素の割合として、0.0001〜1モル%の範囲であり、0.001〜1モル%の範囲が好ましい。最も好ましくは、0.01モル%程度である。当該含量は通常の元素分析法により決定することができる。
この実施形態において、前記異種元素以外の含有元素のみを不純物とした場合の酸化マグネシウムの純度は高純度である。具体的には99.9質量%以上が好ましく、99.99質量%以上がより好ましい。この純度の数値は、紫外線領域200〜300nmで高レベルの発光を行うために酸化物発光体に含有されている前記異種元素以外の含有元素を不純物とし、当該不純物の含有量のみを考慮した数値である。
本発明の発光体である酸化物粉末は、電子線又は紫外線で励起されることによって紫外線領域300〜400nmの範囲内で極めて高レベルの発光を行うものであり、特に320nm〜330nmの範囲、及び370nm〜380nmの範囲において発光ピークを有するものである。当該発光ピークにおける発光強度がきわめて大きいものであることを表すために、本発明では次の指標を用いる。
すなわち本発明の発光体は、波長325nmの発光強度をαとし、波長375nmの発光強度をβとし、波長450nmの発光強度をγとした場合において、強度比α/γが1.5以上(好ましくは2.0以上、より好ましくは3.0以上、さらに好ましくは4.0以上)、かつβ/γが2.0以上(好ましくは2.5以上、より好ましくは3.0以上)を満足するものである。すなわち、前述した波長領域外にあって発光強度が比較的弱い箇所である波長450nmの発光強度γと比較して、発光ピーク近傍である波長325nmの発光強度α、及び別の発光ピークの近傍である波長375nmの発光強度βそれぞれが、所定の倍率以上とすることによって、本発明の発光体による特定域での高レベルの発光を規定したものである。
前記α/γ、及びβ/γそれぞれの上限値は特に限定されないが、例えば、α/γについては50以下、あるいは30以下とすることができ、β/γについては40以下、あるいは20以下とすることができる。
次に、本発明の発光体を製造する方法を説明するが、まず、異種元素を混入しない第一の実施形態による本発明の発光体を製造する方法について説明する。
一般に、周期表第2A族元素の酸化物粉末を製造する方法としては、当該元素の金属単体の蒸気を酸化することによる気相法と、水溶液反応により得た水酸化物や炭酸化物等の前駆体を焼成することによる液相法とが知られているが、本発明による酸化物粉末を製造する方法としては、液相法を使用することが好ましい。
具体的な製造方法としては、酸化物の製法として知られている各種方法を適用することができ、最終工程として、後述する熱処理工程を行うことによって本発明の発光体を得ることができるが、以下では、周期表第2A族元素の酸化物が酸化マグネシウムである場合の液相法について詳細に説明する。
液相法で用いる酸化マグネシウム前駆体としては従来より使用される前駆体であってよく、特に限定されないが、例えば、水酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、シュウ酸マグネシウム等が挙げられる。なかでも、得られる発光体の特性が優れているので、水酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、及び、これらの混合物が好ましい。
酸化マグネシウム前駆体の焼成はハロゲン化物イオンの存在下に行うことが好ましい。これによって、得られる酸化マグネシウムの形状を立方体状にし、結晶性を高めることができる。ハロゲン化物イオンとしては、塩化物イオン、フッ化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオンが挙げられるが、塩化物イオンが好ましい。ハロゲン化物イオンを含む化合物の具体例としては、塩酸、塩化アンモニウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム等が挙げられる。
ハロゲン化物イオンの存在量としては、酸化マグネシウム前駆体全量に対して0.3〜30質量%の範囲が好ましい。ハロゲン化物イオンの存在量が少なすぎると結晶が立方体状に成長しにくく、逆に多すぎると、酸化マグネシウムの結晶が成長しにくくなる。好ましくは1.0〜25質量%の範囲であり、より好ましくは10〜25質量%の範囲である。
ハロゲン化物イオンを含む化合物は、酸化マグネシウム前駆体そのものであってもよいし、酸化マグネシウム前駆体に含まれている不純物に由来するものであってもよいし、酸化マグネシウム前駆体を溶液合成法によって調製する際に生じる副生物であってもよいし、酸化マグネシウム前駆体に対して別途添加したものであってもよいし、閉鎖式或いは開放式の炉中のガス雰囲気に、例えば気体の塩化水素や、分子状塩素等として添加したものであってもよい。また、酸化マグネシウム前駆体に含まれている不純物や酸化マグネシウム調製時に生じた副生物を洗浄等により十分に除去し、あらためて酸化マグネシウム前駆体に、又は、ガス雰囲気に添加してもよい。
酸化マグネシウム前駆体が塩基性炭酸マグネシウムと水酸化マグネシウムとの混合物である場合に当該前駆体を溶液合成法で調製するには、例えば、(1)塩化マグネシウム水溶液と水酸化ナトリウム水溶液を混合して水酸化マグネシウムスラリーを得、(2)当該スラリー中の水酸化マグネシウムの一部を炭酸化して、塩基性炭酸マグネシウムと水酸化マグネシウムを含むスラリーを得、(3)当該スラリーを濾過して、塩基性炭酸マグネシウムと水酸化マグネシウムとの混合物を得る。この混合物には、出発物質である塩化マグネシウム、又は、副生物である塩化ナトリウムとして、塩化物イオンが含まれている。
前記工程(1)において水酸化マグネシウムスラリーを得た後、水で希釈することによって、当該スラリーの濃度を、好ましくは50〜100g/Lの範囲に、より好ましくは60〜90g/Lの範囲に調整するとよい。スラリーの濃度を下げることによってスラリーの粘度を低減して、次の工程(2)での炭酸化反応が均一に進行するようにするためである。
前記工程(2)においては、前記スラリーに炭酸ガスを吹き込むことによって、スラリー中の水酸化マグネシウムの一部を炭酸化する。この炭素化反応の温度は40〜80℃が好ましい。この温度範囲では水酸化マグネシウムから塩基性炭酸マグネシウムへの変換が速やかに行われ、反応効率がよい。さらに、この温度範囲内では、濾過効率に優れた粒径を有する塩基性炭酸マグネシウムと水酸化マグネシウムとの混合物を得ることができる。
前記炭酸化反応で使用する炭酸ガスの使用量は、水酸化マグネシウムスラリー中の水酸化マグネシウムの一部を塩基性炭酸マグネシウムに転化して、塩基性炭酸マグネシウムと水酸化マグネシウムとの混合物を与えることができる量とする。具体的な炭酸ガスの使用量は、水酸化マグネシウム1モルに対して0.2〜2.0モル当量であることが好ましい。この範囲内では、濾過効率に優れた塩基性炭酸マグネシウムと水酸化マグネシウムとの混合物を、効率よく得ることが可能となる。
前記工程(3)においては、前記工程(2)で得られた塩基性炭酸マグネシウムと水酸化マグネシウムとを含むスラリーを濾過にかけて、塩基性炭酸マグネシウムと水酸化マグネシウムとの混合物を固体として得る。この固形混合物には塩化物イオンが含まれているので、これをそのまま、洗浄せずに、乾燥した後、後述する焼成に付してもよいし、この混合物を、適切な量の水を用いて洗浄することによってケーキ中の塩化物イオンの量を適正なレベルに低減してから、乾燥及び焼成に付してもよい。洗浄を十分に行ってしまうと塩化物イオンの含有量が低くなりすぎるので、洗浄の度合いを、洗浄水の使用量、洗浄時間等によって制御すればよい。しかし、十分に洗浄を行い塩化物イオンを完全に除去してから、別途ハロゲン化物イオン含有化合物を添加してもよい。
酸化マグネシウム前駆体が水酸化マグネシウムである場合に当該前駆体を溶液合成法で調製するには、例えば、(4)塩化マグネシウム水溶液と水酸化ナトリウム水溶液を混合して水酸化マグネシウムスラリーを得、(5)当該スラリーを濾過して、固形の水酸化マグネシウムを得る。この固形物には、出発物質である塩化マグネシウム、又は、副生物である塩化ナトリウムとして、塩化物イオンが含まれている。
前記工程(4)については上述した工程(1)と同様である。
前記工程(5)では、前記工程(4)で得られた水酸化マグネシウムスラリーを濾過にかけて、固形の水酸化マグネシウムを得る。この固形物には塩化物イオンが含まれているので、これを上述のように処理すればよい。
本発明の発光体を製造するにあたっては、酸化マグネシウム前駆体の焼成を閉鎖系或いは開放系どちらでも行うことができるが、上述したハロゲン化物イオンによる効果が顕著に達成されるので、閉鎖系で行うことがより好ましい。ここで閉鎖系とは、焼成を行う空間に存在する気体が、実質的に、外部に流出せず、また、外部からも実質的に気体が流入しないようにほぼ密閉された系をいい、大気や酸素等の雰囲気下で開放して、又は、それらの気流を流しながら行われる通常の焼成方法とは異なる。閉鎖系で焼成することにより、ハロゲン化物イオンが外部に飛散することなく、焼成を行う容器中に留まり、酸化物粉末の結晶が成長する過程に十分に介在することによって、きわめて結晶性の良い立方体状結晶粉末を得ることが可能になる。
この閉鎖系での焼成は、例えば、雰囲気ガスの流出入が実質的にない密閉式の電気炉を使用するか、密閉できる坩堝に入れるかして行うことができる。焼成時の温度としては600℃〜1400℃程度がよく、1200℃程度が最も好ましい。焼成時の温度が高すぎると、得られる結晶が凝集して分散性が悪くなる場合がある。焼成時間としては温度にもよるが、通常1〜10時間程度である。例えば、温度が1200℃程度の場合には5時間程度が適当である。なお、焼成のために昇温する際の速度としては特に限定されないが、5〜10℃/min程度がよい。
前記の条件下での焼成によって結晶性の良い立方体状酸化物粉末が成長するのであるが、密閉下で焼成を行うために、前記のハロゲン化物イオン含有化合物等の不純物が十分に除去されず、焼成後の粉末に混入していることになる。このハロゲン化物イオン含有化合物の混入量を低減して酸化物粉末の純度を上げるために、前述の閉鎖系での一次焼成後に、さらに開放系で2回目の焼成を行うことが好ましい。
この二次焼成は、通常の開放系で行う焼成であってよく、例えば、前駆体に含まれる不純物を酸化ガスとして除去することが可能となるよう、大気や、酸素雰囲気が好ましく、大気雰囲気下で雰囲気ガスの流動があるガス炉や、酸素気流下での電気炉等で行うことができる。二次焼成時の温度、時間、及び、炉内の気体としては、ハロゲン化物イオン含有化合物等の不純物が除去できればよく、特に限定されないが、結晶成長は一次焼成ですでに完了しているので、二次焼成の時間は比較的短めとしてもよい。
次に、得られた酸化物の粉末を、アルゴン、窒素、及び水素からなる群より選択される少なくとも1種を組む非酸化性雰囲気下において、さらに熱処理(第三次焼成)にかける。この工程を行うことによって酸化物粉末による300〜400nmでの発光強度が著しく増強され、本発明の発光体とすることができる。その理由は明らかではないが、非酸化性雰囲気下で熱処理を行うことによって、酸化物粉末に含まれる酸素欠陥(酸素空孔)の数が増加したことに起因するものと考えられる。
当該熱処理は、酸素を実質的に含有しない非酸化性雰囲気下であって、アルゴン、窒素、及び水素からなる群より選択される少なくとも1種を含む雰囲気下で行われるものであれば特に限定されない。しかしながら、300〜400nmでの発光ピークの強度が最も大きくなることから、窒素雰囲気が最も好ましい。また、開放系であってもよいし、閉鎖系であってもよいが、前記雰囲気ガスを通気しながらの開放系が好ましい。また、当該熱処理を行う焼成炉の種類としても特に限定されず、例えば、ガス炉、電気炉等が挙げられる。当該熱処理時の温度としては800℃〜1800℃程度が可能であるが、この三次焼成を高温で行ったほうが300〜400nmでの発光ピークの強度がより大きくなるので、1000℃〜1800℃がより好ましく、1300℃〜1800℃がさらに好ましい。焼成時間は適宜決定すればよいが、数十分〜数時間程度でよい。
次いで、酸化マグネシウムに、チタン、バリウム、及びカルシウムからなる群より選択される少なくとも1つの異種元素(以下単に「異種元素」という場合がある)を混入する第二の実施形態における本発明の発光体を製造する方法について説明する。この場合、本発明の発光体を製造する方法としては、異種元素のドープ、及びその含量を精密にコントロールすることができるため、液相法を使用することが好ましい。
具体的な製造方法としては、酸化物の製法として知られている各種方法を適用することができ、その過程において異種元素を混入することによって本発明の酸化物発光体を得るようにすればよい。
上述した第一の実施形態と同様にして製造すればよいが、ただし、酸化マグネシウム前駆体が微量の異種元素を含むようにこれを調製する。しかしながら、前記前駆体が不純物を多く含むと、得られる発光体の純度が低くなるので、異種元素以外の不純物は少ないほうがよい。なお、上述した第一の実施形態において必須であった第三次焼成は、この第二の実施形態においては不要である。
上述した第一の実施形態における酸化マグネシウム前駆体を調整する工程を以下のように改変すればよい。すなわち、酸化マグネシウム前駆体調整工程は、異種元素の塩化物や酸化物、水酸化物等を相当量の水酸化ナトリウム水溶液に添加して溶解させたものを、塩化マグネシウム水溶液と水酸化ナトリウム水溶液とを混合して反応させる際に添加することにより行ってもよいし、異種元素の塩化物や酸化物、水酸化物等を塩化マグネシウム水溶液に添加し溶解させたものを、水酸化ナトリウム水溶液に添加し反応させることにより行ってもよい。
本発明の発光体は、紫外線領域の波長300〜400nmで強力に発光をするので、プラズマディスプレイパネルを始め各種光学デバイスに応用することができる。
特に、本発明の発光体は、酸化物粉末からなるものであるので、PDPにおいて保護膜上に設けられる結晶酸化マグネシウム層(クリスタルエミッシブレイヤー)を構成する酸化マグネシウム結晶体として好適に利用できるものと考えられる。当該結晶酸化マグネシウム層を形成するには、本発明における酸化物粉末を、スプレー法や静電塗布法などによって直接、前記保護膜に付着させるようにしてもよいし、発光体を含有するペーストを作製して、当該ペーストを前記保護膜に塗布、乾燥させるようにしてもよい。
以下に実施例を掲げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
以下の実施例では、以下に示す手順に沿って各種物性等を測定した。
(1)カソード・ルミネッセンスの測定法
日立製作所製のFE−SEM装置S−4300SEに、堀場製作所製のカソード・ルミネッセンス測定装置MP32Mを接続したシステムを使用した。Pdを10nm蒸着した試料を用い、視野内の被覆率50%以上、加速電圧20kV、アパーチャー3、スリット1mm、測定倍率5,000倍で観察し、CL発光スペクトルを計測した。
(2)走査型電子顕微鏡(SEM)観察法
走査型電子顕微鏡(商品名:JSM−5410、JEOL製)を使用してSEM組成像を撮影し、粒子形状の観察および立方体状酸化マグネシウムの一辺の長さの測定をした。
(3)結晶子径の測定方法
本発明の発光体の結晶子径は、粉末X線回折法を用いて測定し、Scherrer式で算出した。
(4)レーザ回折散乱式粒度分布測定法
レーザ回折散乱式粒度分布測定装置(商品名:HIRA、日機装 製)を使用して、累積50%粒子径(D50)を測定した。
実施例1
塩化マグネシウム(MgCl2)水溶液に水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液を反応させて、水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)スラリーを得た。
この水酸化マグネシウムスラリーをイオン交換水でスラリー濃度75g/Lに希釈し、希釈した水酸化マグネシウムスラリー30Lを100〜150rpmの速度で攪拌しながら、水蒸気を吹込み、液温を60℃に調整した。次に、液温を60℃に保持しながら、タンクの下部からCO2濃度100容量%の炭酸ガスを3/4当量吹込み、一部を塩基性炭酸マグネシウムに変換した。
次いで、このスラリーを濾過し、得られたケーキを、イオン交換水で洗浄した。この後、当該ケーキを120℃で10時間乾燥機にて乾燥し、前駆体を得た。
次に、この水酸化マグネシウムと塩基性炭酸マグネシウムの混合物である前駆体を、大気雰囲気で雰囲気ガスの流出入のない閉鎖式の電気炉にて、昇温速度6℃/minで1200℃まで加熱し同温度で5時間保持することによって焼成し、酸化マグネシウム粉末を生成させた。
これをさらに、大気雰囲気中で雰囲気ガスの流入があるガス炉にて1200℃で1時間再焼成し、酸化マグネシウム粉末を得た。
さらに、得られた酸化マグネシウム粉末を、電気炉にセットし、純度99.99%のアルゴンガスで減圧置換し、アルゴンガス通気下、昇温温度10℃/minで1000℃まで昇温し、1時間保持した後、10℃/minで300℃以下まで冷却し、酸化マグネシウム粉末を得た。得られた酸化マグネシウム粉末の純度は99.99質量%以上、走査型電子顕微鏡にて観察した形状は立方体状、レーザ回折散乱式粒度分布による累積50%粒子径(D50)は1.44μm、結晶子径は1000Å以上であった。
実施例2
最後の熱処理工程時の温度を1300℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして酸化マグネシウム粉末を得た。得られた酸化マグネシウム粉末の純度は、99.99質量%以上、走査型電子顕微鏡にて観察した形状は立方体状、レーザ回折散乱式粒度分布による累積50%粒子径(D50)は1.42μm、結晶子径は、1000Å以上であった。
実施例3
最後の熱処理工程時の温度を1600℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして酸化マグネシウム粉末を得た。得られた酸化マグネシウム粉末の純度は、99.99質量%以上、走査型電子顕微鏡にて観察した形状は立方体状、レーザ回折散乱式粒度分布による累積50%粒子径(D50)は1.46μm、結晶子径は1000Å以上であった。
実施例1〜3で得られた酸化マグネシウム粉末について、カソード・ルミネッセンスを測定した結果を図1及び表1に示す。図1より、実施例1〜3で得られた酸化マグネシウム粉末は、波長300〜400nmの範囲内(特に324nm、372nm付近)に極めて発光強度が高い発光ピークを有することが分かる。
また、得られた酸化マグネシウム粉末を走査型電子顕微鏡(15,000倍)で観察した結果、観察された結晶の形状はほぼ全てが立方体状であり、きわめて粒子形状がそろっており、立方体状結晶の一辺はおよそ0.1〜1μm程度であり、きわめて粒度分布の狭いものであることが分かった。さらに、結晶表面に微粒子が付着しておらず、結晶表面が平滑で、清浄であり、さらには、個々の立方体状結晶が良く分離していることが分かった。
実施例4
最後の熱処理工程において雰囲気ガスとして窒素ガスを用い、処理温度を1600℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして酸化マグネシウム粉末を得た。得られた酸化マグネシウム粉末の純度は99.99質量%以上、走査型電子顕微鏡にて観察した形状は立方体状、レーザ回折散乱式粒度分布による累積50%粒子径(D50)は1.48μm、結晶子径は1000Å以上であった。
実施例4で得られた酸化マグネシウム粉末について、カソード・ルミネッセンスを測定した結果を、実施例3の結果とともに図2及び表1に示す。図2より、実施例4で得られた酸化マグネシウム粉末は、波長300〜400nmの範囲内(特に324nm、372nm付近)に極めて発光強度が高い発光ピークを有することが分かる。
実施例5
最後の熱処理工程において雰囲気ガスとして、窒素と水素の9:1混合ガスを用い、処理温度を800℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして酸化マグネシウム粉末を得た。得られた酸化マグネシウム粉末の純度は99.99質量%以上、走査型電子顕微鏡にて観察した形状が立方体状、レーザ回折散乱式粒度分布による累積50%粒子径(D50)は1.39μm、結晶子径は1000Å以上であった。
実施例6
最後の熱処理工程において雰囲気ガスとして、窒素と水素の9:1混合ガスを用いたこと以外は、実施例1と同様にして酸化マグネシウム粉末を得た。得られた酸化マグネシウム粉末の純度は99.99質量%以上、走査型電子顕微鏡にて観察した形状は立方体状、レーザ回折散乱式粒度分布による累積50%粒子径(D50)は1.43μm、結晶子径は1000Å以上であった。
実施例5及び6で得られた酸化マグネシウム粉末について、カソード・ルミネッセンスを測定した結果を図3及び表1に示す。図3より、実施例5及び6で得られた酸化マグネシウム粉末は、波長300〜400nmの範囲内(特に324nm、372nm付近)に発光強度が高い発光ピークを有することが分かる。
比較例1
気相法により製造された市販の酸化マグネシウム粉末を使用した。
比較例2
アルゴンガス雰囲気下での熱処理工程を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にして酸化マグネシウム粉末を得た。
比較例1及び2で得られた酸化マグネシウム粉末について、カソード・ルミネッセンスを測定した結果を図4及び表1に示す。図4及び表1より、比較例1の気相法による酸化マグネシウム粉末には、波長300〜400nmの範囲内で若干のピークは認められたが、実施例1〜6ほど発光強度が高くないことは明らかである。比較例1の気相法による酸化マグネシウム粉末を走査型電子顕微鏡(15,000倍)で観察した結果、立方体状結晶が含まれているがそれと同時に、微細な微粒子状の結晶が多量に付着しており、表面が清浄とは言えないものであることが分かった。また、比較例2の最後の熱処理を行わなかった酸化マグネシウム粉末についても、波長300〜400nmの範囲内で若干のピークは認められたが、実施例1〜6ほど発光強度が高くないことが明らかである。
Figure 2009030021
実施例7
塩化マグネシウム(MgCl2)水溶液に水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液を反応させて、水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)スラリーを得た。最終生成物である酸化マグネシウム粉末に、マグネシウムに対して0.01モル%のチタンが含まれるよう、この反応時に、適量の塩化チタン(IV)(関東化学社製)を水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液に溶解させたものを添加した。
この水酸化マグネシウムスラリーをイオン交換水でスラリー濃度75g/Lに希釈し、希釈した水酸化マグネシウムスラリー30Lを500〜600rpmの速度で攪拌しながら、オートクレーブで液温を115℃に保持し、1時間水熱反応した。
次いで、このスラリーを濾過し、得られたケーキを、イオン交換水20Lで水洗した。この後、当該ケーキを120℃で10時間乾燥機にて乾燥し、前駆体を得た。
次にこの前駆体を、大気雰囲気で雰囲気ガスの流出入のない閉鎖式の電気炉にて、昇温速度6℃/minで1200℃まで加熱し同温度で5時間保持することによって焼成し、酸化マグネシウム粉末を生成させた。
これをさらに、大気雰囲気中で雰囲気ガスの流入があるガス炉にて1200℃で1時間再焼成し、本発明の酸化マグネシウム粉末を得た。
得られたチタン含有酸化マグネシウム粉末の純度は、チタンを除いて99.99質量%以上、走査型電子顕微鏡にて観察した形状は立方体状、レーザ回折散乱式粒度分布による累積50%粒子径(D50)は4.92μm、結晶子径は1000Å以上であった。
実施例8
最終生成物である酸化マグネシウム粉末に、マグネシウムに対して0.01mol%のバリウムが含まれるよう、塩化チタン(IV)の代わりに適量の塩化バリウム二水和物(関東化学社製)を使用した以外は、実施例7と同様にして酸化マグネシウム粉末を得た。
得られたバリウム含有酸化マグネシウム粉末の純度は、バリウムを除いて99.99質量%以上、走査型電子顕微鏡にて観察した形状は立方体状、レーザ回折散乱式粒度分布による累積50%粒子径(D50)は1.93μm、結晶子径は1000Å以上であった。
実施例9
最終生成物である酸化マグネシウム粉末に、マグネシウムに対して0.01mol%のカルシウムが含まれるよう、塩化チタン(IV)の代わりに適量の水酸化カルシウム(関東化学社製)をイオン交換水に分散させ、水酸化マグネシウムスラリーに添加した以外は、実施例7と同様にして酸化マグネシウム粉末を得た。
得られたカルシウム含有酸化マグネシウム粉末の純度は、カルシウムを除いて99.99質量%以上、走査型電子顕微鏡にて観察した形状は立方体状、レーザ回折散乱式粒度分布による累積50%粒子径(D50)は1.20μm、結晶子径は1000Å以上であった。
Figure 2009030021
実施例1〜3で測定したカソード・ルミネッセンスの発光スペクトルを示すグラフ 実施例3及び4で測定したカソード・ルミネッセンスの発光スペクトルを示すグラフ 実施例5及び6で測定したカソード・ルミネッセンスの発光スペクトルを示すグラフ 比較例1及び2で測定したカソード・ルミネッセンスの発光スペクトルを示すグラフ 実施例7〜9で測定したカソード・ルミネッセンスの発光スペクトルを示すグラフ

Claims (13)

  1. 電子線又は紫外線による励起に基づいて紫外線領域300〜400nmに発光ピークを有する発光体であって、
    当該発光体が、周期表第2A族元素の酸化物の粉末からなるものであり、かつ
    前記発光ピークにおいて、波長325nmの発光強度をα、波長375nmの発光強度をβ、波長450nmの発光強度をγとしたときの強度比α/γが1.5以上であり、かつβ/γが2.0以上であることを特徴とする発光体。
  2. 前記周期表第2A族元素が、Mg、Ca、Sr又はBaである、請求項1記載の発光体。
  3. 前記周期表第2A族元素が、Mgである、請求項1記載の発光体。
  4. 前記酸化物粉末の純度が99.9質量%以上である、請求項1〜3のいずれかに記載の発光体。
  5. 前記周期表第2A族元素の酸化物が、酸化マグネシウムであり、当該酸化マグネシウムが、チタン、バリウム、及び、カルシウムからなる群より選択される少なくとも1つの異種元素を含むものである、請求項1記載の発光体。
  6. マグネシウムに対する前記異種元素の割合が、0.0001〜1モル%である、請求項5に記載の発光体。
  7. 前記酸化マグネシウムと前記異種元素とを合わせた純度が99.9質量%以上である、請求項5または6に記載の発光体。
  8. 前記酸化物粉末が、走査型電子顕微鏡にて観察した形状が立方体の一次粒子からなる粉末である、請求項1〜7のいずれかに記載の発光体。
  9. 前記酸化物粉末が、レーザ回折散乱式粒度分布測定による累積50%粒子径(D50)が0.1μm以上のものである、請求項1〜8のいずれかに記載の発光体。
  10. 前記酸化物粉末の結晶子径が、500Å以上である、請求項1〜9のいずれかに記載の発光体。
  11. 前記酸化物粉末が、液相法により製造されたものである、請求項1〜10のいずれかに記載の発光体。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の発光体を搭載してなる光学デバイス。
  13. 電子線又は紫外線による励起に基づいて紫外線領域300〜400nmに発光ピークを有する周期表第2A族元素の酸化物粉末を製造する方法であって、
    周期表第2A族元素の酸化物前駆体を閉鎖系或いは開放系で焼成した後、
    さらに、得られた周期表第2A族元素の酸化物粉末を、アルゴン、窒素、及び水素からなる群より選択される少なくとも1種を含む非酸化性雰囲気下で熱処理することを特徴とする方法。
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