JP4861722B2 - 青色発光蛍光体粉末及びその製造方法 - Google Patents
青色発光蛍光体粉末及びその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4861722B2 JP4861722B2 JP2006048817A JP2006048817A JP4861722B2 JP 4861722 B2 JP4861722 B2 JP 4861722B2 JP 2006048817 A JP2006048817 A JP 2006048817A JP 2006048817 A JP2006048817 A JP 2006048817A JP 4861722 B2 JP4861722 B2 JP 4861722B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- powder
- europium
- emitting phosphor
- phase
- amorphous phase
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Luminescent Compositions (AREA)
Description
吉松良、本田晋吾、國本崇、大観光徳、田中省作、小林洋志,「真空紫外線励起用蛍光体CaMgSi2O6:Eu2+の発光特性」,信学技報,社団法人電子情報通信学会発行,2001年7月,p.37−42
Ca2MgSi2O7で表されるオケルマナイトを含むことのない。
カルシウム源粉末、ユウロピウム源粉末、マグネシウム源粉末、及び珪素源粉末を、基本組成式がCaMgSi2O6:Eu2+で表されるディオプサイド結晶構造を有する青色発光蛍光体粉末を生成する比率にて含む粉末混合物を還元性雰囲気下にて加熱焼成して、焼成物粉末を得る工程、そして得られた焼成物粉末について、酸素の存在下にて500〜1500℃の温度で焼成する再焼成処理と酸溶液に接触させる酸処理とを行なう工程を含む方法。なお、カルシウム源粉末、ユウロピウム源粉末、マグネシウム源粉末、及び珪素源粉末を、基本組成式がCaMgSi 2 O 6 :Eu 2+ で表されるディオプサイド結晶構造を有する青色発光蛍光体粉末を生成する比率にて含む粉末混合物を還元性雰囲気下にて加熱焼成して、焼成物粉末を得る工程、そして得られた焼成物粉末について、酸素の存在下にて500〜1500℃の温度で焼成する再焼成処理と酸溶液に接触させる酸処理とを行なう工程を含む方法により、基本組成式がCaMgSi 2 O 6 :Eu 2+ で表されるディオプサイド結晶相と、その結晶相の表面を覆う厚さ3〜8nmのアモルファス相とからなり、結晶相のアモルファス相に接する表面の内側に、全ユウロピウムに対する二価のユウロピウムの含有率が70%以上となる厚さが5〜50nmの表面層を有する青色発光蛍光体粒子からなる粉末を製造することができる。
炭酸カルシウム粉末(純度:99.99質量%、レーザ散乱回折法による平均粒子径:3.87μm)、フッ化ユウロピウム粉末(純度:99.9質量%、レーザ散乱回折法による平均粒子径:2.71μm)、酸化マグネシウム粉末(気相酸化反応法により製造したもの、純度:99.99質量%、レーザ散乱回折法による平均粒子径:0.66μm、BET比表面積換算平均粒子径:0.05μm)、そして二酸化珪素粉末(純度:99.9質量%、レーザ散乱回折法による平均粒子径:49.8μm)をCa:Eu:Mg:Siのモル比が0.98:0.02:1:2.00となるようにそれぞれ秤量し、エタノール溶媒中にてボールミルを用いて24時間湿式混合した。得られた混合粉末を乾燥して、エタノールを蒸発させた。得られた粉末混合物をアルミナ坩堝に入れ、2体積%水素−98体積%アルゴンの混合ガス雰囲気中にて、1150℃の温度で3時間焼成した。
焼成物粉末について、再焼成処理を行ない、酸処理を行なわなかった以外は、実施例1と同様にした。この再焼成処理後の焼成物粉末について、X線回折パターン、アモルファス相の厚さ、粒子表面から8.3nmの深さにおける全ユウロピウムに対する二価のユウロピウムの含有率及び励起波長254nmとした発光スペクトルを実施例1と同様に測定した。その結果、X線回折パターンからカルシウムユウロピウムシリケートのX線回折パターンが確認された。アモルファス相の厚さは約7nmであり、全ユウロピウムに対する二価のユウロピウムの含有率は66.4%であった。発光スペクトルの最大発光強度は、市販のBAM:Eu2+青色発光蛍光体の最大発光強度を100とすると82であり、実施例1で得られた処理後の焼成物粉末よりも低い値であった。
焼成物粉末について、酸処理を行ない、再焼成処理を行なわなかった以外は、実施例1と同様にした。この酸処理後の焼成物粉末について、X線回折パターン、アモルファス相の厚さ、粒子表面から8.3nmの深さにおける全ユウロピウムに対する二価のユウロピウムの含有率及び励起波長254nmとした発光スペクトルを実施例1と同様に測定した。その結果、X線回折パターンからカルシウムユウロピウムシリケートのX線回折パターンは検出されなかった。アモルファス相の厚さは約13nmであり、全ユウロピウムに対する二価のユウロピウムの含有率は79.8%であった。発光スペクトルの最大発光強度は、市販のBAM:Eu2+青色発光蛍光体の最大発光強度を100とすると96であり、実施例1で得られた処理後の焼成物粉末よりも低い値であった。
酸化マグネシウム粉末を塩基性炭酸マグネシウム粉末(純度:酸化マグネシウム分として42.0質量%、レーザ散乱回折法による平均粒子径:15.3μm)に変える以外は、実施例1と同じ操作を行なって、焼成物粉末を製造した。
但し、実施例2は、本発明の参考例である。
フッ化カルシウム(CaF2)粉末(純度:99.9質量%、レーザ散乱回折法による平均粒子径:2.70μm)、炭酸カルシウム(CaCO3)粉末(純度:99.99質量%、レーザ散乱回折法による平均粒子径:3.87μm)、酸化ユウロピウム(Eu2O3)粉末(純度:99.9質量%、レーザ散乱回折法による平均粒子径:2.70μm)、酸化マグネシウム(MgO)粉末(気相酸化反応法により製造したもの、純度:99.99質量%、レーザ散乱回折法による平均粒子径:0.66μm、BET比表面積換算平均粒子径:0.05μm)、そして二酸化珪素(SiO2)粉末(純度:99.9質量%、レーザ散乱回折法による平均粒子径:49.8μm)を、モル比が0.015:0.965:0.01:1:2.00(CaF2:CaCO3:Eu2O3:MgO:SiO2)となるようにそれぞれ秤量し、エタノール溶媒中にてボールミルを用いて24時間湿式混合した後、エタノールを蒸発させた。得られた粉末混合物のカルシウム量、ユウロピウム量、マグネシウム量及び珪素量は、モル比で0.98:0.02:1:2.00(Ca:Eu:Mg:Si)であり、フッ素のモル量は、生成するCMS:Eu2+青色発光蛍光体1モルに対して0.030モルである。
得られた粉末混合物をアルミナ坩堝に入れ、2体積%水素−98体積%アルゴンの混合ガス雰囲気中にて、1150℃の温度で3時間焼成した。
フッ化カルシウム粉末、炭酸カルシウム粉末、酸化ユウロピウム粉末、酸化マグネシウム粉末、そして二酸化珪素粉末を、モル比が0.005:0.975:0.01:1:2.00(CaF2:CaCO3:Eu2O3:MgO:SiO2)として、粉末混合物中のフッ素のモル量を、生成するCMS:Eu2+青色発光蛍光体1モルに対して0.010モルとした以外は、実施例2と同様にして焼成物粉末を製造し、得られた焼成物粉末について再焼成処理を行なった。
フッ化カルシウム粉末、炭酸カルシウム粉末、酸化ユウロピウム粉末、酸化マグネシウム粉末、そして二酸化珪素粉末を、モル比が0.02:0.96:0.01:1:2.00(CaF2:CaCO3:Eu2O3:MgO:SiO2)として、粉末混合物中のフッ素のモル量を、生成するCMS:Eu2+青色発光蛍光体1モルに対して0.040モルとした以外は、実施例2と同様にして焼成物粉末を製造し、得られた焼成物粉末について再焼成処理を行なった。
2 アモルファス相
3 表面層
Claims (4)
- 基本組成式がCaMgSi2O6:Eu2+で表されるディオプサイド結晶相と、その結晶相の表面を覆う厚さ3〜8nmのアモルファス相とからなり、結晶相のアモルファス相に接する表面の内側に、全ユウロピウムに対する二価のユウロピウムの含有率が85%以上となる厚さが5〜50nmの表面層を有することを特徴とする青色発光蛍光体粒子からなる粉末。
- Ca 2 MgSi 2 O 7 で表されるオケルマナイトを含むことのない請求項1に記載の粉末。
- カルシウム源粉末、ユウロピウム源粉末、マグネシウム源粉末、及び珪素源粉末を、基本組成式がCaMgSi 2 O 6 :Eu 2+ で表されるディオプサイド結晶構造を有する青色発光蛍光体粉末を生成する比率にて含む粉末混合物を還元性雰囲気下にて加熱焼成して、焼成物粉末を得る工程、そして得られた焼成物粉末について、酸素の存在下にて500〜1500℃の温度で焼成する再焼成処理と酸溶液に接触させる酸処理とを行なう工程を含む、基本組成式がCaMgSi 2 O 6 :Eu 2+ で表されるディオプサイド結晶相と、その結晶相の表面を覆う厚さ3〜8nmのアモルファス相とからなり、結晶相のアモルファス相に接する表面の内側に、全ユウロピウムに対する二価のユウロピウムの含有率が70%以上となる厚さが5〜50nmの表面層を有する青色発光蛍光体粒子からなる粉末の製造方法。
- マグネシウム源粉末が酸化マグネシウム粉末である請求項3に記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006048817A JP4861722B2 (ja) | 2005-03-01 | 2006-02-24 | 青色発光蛍光体粉末及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005056522 | 2005-03-01 | ||
JP2005056522 | 2005-03-01 | ||
JP2006048817A JP4861722B2 (ja) | 2005-03-01 | 2006-02-24 | 青色発光蛍光体粉末及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006274244A JP2006274244A (ja) | 2006-10-12 |
JP4861722B2 true JP4861722B2 (ja) | 2012-01-25 |
Family
ID=37209289
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006048817A Expired - Fee Related JP4861722B2 (ja) | 2005-03-01 | 2006-02-24 | 青色発光蛍光体粉末及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4861722B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4554583B2 (ja) | 2006-10-05 | 2010-09-29 | 株式会社日立製作所 | スラスト軸受装置 |
JP5230214B2 (ja) * | 2007-02-02 | 2013-07-10 | 宇部マテリアルズ株式会社 | 青色発光蛍光体粉末およびその製造方法 |
JP5330684B2 (ja) * | 2007-12-27 | 2013-10-30 | 宇部マテリアルズ株式会社 | 青色発光蛍光体粒子 |
Family Cites Families (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3985478B2 (ja) * | 2000-09-29 | 2007-10-03 | 住友化学株式会社 | 真空紫外線励起発光素子用の蛍光体 |
JP2003306674A (ja) * | 2002-04-15 | 2003-10-31 | Sumitomo Chem Co Ltd | 白色led用蛍光体とそれを用いた白色led |
JP2004285233A (ja) * | 2003-03-24 | 2004-10-14 | Sumitomo Chem Co Ltd | 蛍光体の製造方法 |
JP2004352936A (ja) * | 2003-05-30 | 2004-12-16 | Sumitomo Chem Co Ltd | ケイ酸塩蛍光体の製造方法 |
JP2005187690A (ja) * | 2003-12-26 | 2005-07-14 | Nichia Chem Ind Ltd | 真空紫外線励起珪酸塩蛍光体及びその製造方法並びに真空紫外線励起発光装置 |
JP4440068B2 (ja) * | 2004-10-19 | 2010-03-24 | 宇部マテリアルズ株式会社 | 青色蛍光体 |
JP4533781B2 (ja) * | 2005-03-22 | 2010-09-01 | 宇部マテリアルズ株式会社 | 蛍光体粉末の製造方法 |
JP4639125B2 (ja) * | 2005-08-29 | 2011-02-23 | 宇部マテリアルズ株式会社 | 青色発光蛍光体の製造方法 |
WO2007091615A1 (ja) * | 2006-02-09 | 2007-08-16 | Ube Industries, Ltd. | 青色発光蛍光体の製造方法 |
JP2007217510A (ja) * | 2006-02-15 | 2007-08-30 | Ube Material Industries Ltd | 青色発光蛍光体 |
-
2006
- 2006-02-24 JP JP2006048817A patent/JP4861722B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2006274244A (ja) | 2006-10-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4844567B2 (ja) | 青色発光蛍光体の製造方法 | |
JP5154481B2 (ja) | 青色発光蛍光体 | |
JP4861722B2 (ja) | 青色発光蛍光体粉末及びその製造方法 | |
JP2009074090A (ja) | 真空紫外線励起発光素子用蛍光体 | |
JP5330684B2 (ja) | 青色発光蛍光体粒子 | |
EP2871224B1 (en) | Process for manufacturing silicate phosphors | |
JP4849498B2 (ja) | ケイ酸塩系蛍光体及びケイ酸塩系蛍光体の製造方法 | |
JP6099002B2 (ja) | ケイ酸塩系青色蛍光体の製造方法 | |
JP5230214B2 (ja) | 青色発光蛍光体粉末およびその製造方法 | |
JP4639125B2 (ja) | 青色発光蛍光体の製造方法 | |
WO2010103925A1 (ja) | 蛍光体の製造方法、非晶質赤色蛍光体 | |
JP4533781B2 (ja) | 蛍光体粉末の製造方法 | |
JP2017186459A (ja) | 窒化物蛍光体粉末およびその製造方法 | |
JPWO2016111200A1 (ja) | 蛍光体及び発光装置並びに蛍光体の製造方法 | |
KR101256782B1 (ko) | 청색 발광 형광체 분말 및 그 제조방법 | |
JP2007217510A (ja) | 青色発光蛍光体 | |
JP4440068B2 (ja) | 青色蛍光体 | |
KR100726140B1 (ko) | 아연실리케이트계 녹색 형광체의 제조 방법 | |
JP2008045079A (ja) | 蛍光体の製造方法 | |
WO2012063685A1 (ja) | 黄色蛍光体及びその製造方法 | |
WO2012074105A1 (ja) | 黄色蛍光体及びその製造方法 | |
JP4232559B2 (ja) | 真空紫外線励起発光素子用蛍光体 | |
WO2012043879A1 (ja) | 蛍光体およびその製造方法 | |
JP2013221066A (ja) | 希土類添加複合酸化物蛍光体及びその製造方法 | |
JPWO2017030030A1 (ja) | 蛍光体及びその製造方法並びに発光装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20080903 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20110720 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110729 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110927 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20111018 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20111107 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141111 Year of fee payment: 3 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |