JPWO2017030030A1 - 蛍光体及びその製造方法並びに発光装置 - Google Patents

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Abstract

下記式(1)の組成で表される結晶相を含む蛍光体であって、さらに、ホウ素を100〜2500ppm含有することを特徴とする蛍光体である。SraM1bAlcSidNeOf:Eux1Cey1・・・(1)(ここで、M1はCa,Ba及びMgからなる群より選ばれる1種以上の金属元素であり、2≦a≦8、0≦b≦3、2≦c≦7、10≦d≦25、15≦e≦37、0≦f≦3、0<x1+y1≦0.6である。)

Description

本発明は、蛍光体及びその製造方法並びに発光装置に関し、特に、緑色発光を示す蛍光体及びその製造方法並びに発光装置に関する。
従来、白色発光ダイオード(白色LED)は、青色光を放出する半導体発光素子と黄色の蛍光体とを組み合わせて、青色と黄色との混色により白色光を得る二色混色タイプのものが広く利用されている。しかしながら、この二色混色タイプの白色LEDが発する白色光は、演色性が悪いという問題がある。このため、別の構成として、青色光を発光する半導体発光素子と、緑、赤の2種類の蛍光体を組み合わせて、半導体発光素子からの光で、それぞれの蛍光体を励起することによって、青、緑、赤の混色で白色光を得る三色混色タイプの白色LEDの開発が行なわれている。
緑色発光を示す蛍光体として、種々の組成の緑色蛍光体が開発されている。例えば特許文献1及び非特許文献1には、LED等に使用される緑色蛍光体として、Sr5−y−z−aSi23−xAl3+xx+2a37−x−2a:EuzCez1組成を有する蛍光体が記載され、特に、特許文献1の実施例には、Sr4.9AlSi2135:Eu0.1組成を有する蛍光体が記載されている。
また、例えば特許文献2には、結晶中の外側領域における酸素濃度と内側領域における酸素濃度との比を規定した、Euで付活されたSrSi13Al21属結晶を含む粒子を含有し、波長250〜500nmの光で励起した際に波長490〜580nmの間に発光ピークを有する発光を示す蛍光体が記載されている。
特表2011−505451号公報 特開2013−43937号公報
Chemistry−A European Journal 2009、15、5311−5319
しかしながら、特許文献1及び非特許文献1に記載された緑色蛍光体は、発光特性が十分ではなく、特に発光強度が低いという問題がある。また、非特許文献1に記載されているように、SrAlSiやSrSiなどの橙色〜赤色蛍光体が異相として生成してしまうため、機械的に除去する必要があるといった問題を有する。さらに、特許文献2に記載された蛍光体は、熱に対する発光強度の安定性は高いが、蛍光体自体の発光特性には、さらなる向上が期待される。
また、白色LED用蛍光体は、粒子径が大きすぎると、樹脂中に均一分散しづらくなり、色調にバラつきを生じるという問題が知られており、所定の粒子径範囲に制御する必要がある。また、粒子径を小さくするために、粉砕、分級を行なうと、微粒子が発生し輝度を低減する要因となるため、粉砕工程を必要とせず、所定の粒径に制御する必要がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、所定の粒径に制御されるとともに、異相の生成が抑制され、従来よりも発光特性、特に発光強度に優れた蛍光体及びその製造方法並びに発光装置を提供することを目的とする。
以上の目的を達成するため、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、ユーロピウム及び/又はセリウムで付活された緑色蛍光体において、特定の量のホウ素を含有させることにより、所定の粒径に制御されるとともに、異相の生成が抑制され、発光強度を大幅に向上させることができることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、下記式(1)の組成で表される結晶相を含む蛍光体であって、さらに、ホウ素を100〜2500ppm含有することを特徴とする蛍光体に関する。
SrM1AlSi:Eux1Cey1・・・(1)
(ここで、M1はCa,Ba及びMgからなる群より選ばれる1種以上の金属元素であり、2≦a≦8、0≦b≦3、2≦c≦7、10≦d≦25、15≦e≦37、0≦f≦3、0<x1+y1≦0.6である。)
また、本発明は、少なくともSrAlSi2135構造の結晶相を含む蛍光体であって、X線回折パターンにおけるSrAlSi2135構造の蛍光体の(021)面に由来する回折ピーク強度をA、及びSrAlSi構造の蛍光体の(221)面に由来する回折ピーク強度をBとしたときに、B/A<0.03であることを特徴とする蛍光体に関する。
また、本発明は、下記式(2)の組成で表される結晶相を含む蛍光体に関する。
SrM2AlSi:Eux2Cey2・・・(2)
(ここで、M2はCa,Ba及びMgからなる群より選ばれる1種以上の金属元素であり、2≦g≦8、0≦h≦3、0.02≦i≦0.8、2≦j≦7、10≦k≦25、15≦l≦37、0≦m≦3、0<x2+y2≦0.6である。)
また、本発明は、Sr含有化合物、Al含有化合物、Si含有化合物、Eu含有化合物及び/又はCe含有化合物、並びにB含有化合物を混合し、原料混合物を得る工程と、前記原料混合物を不活性ガス雰囲気下、又は還元性ガス雰囲気下で焼成する工程とを備える蛍光体の製造方法であって、前記B含有化合物の添加量が、前記原料混合物の250〜10000ppmであることを特徴とする蛍光体の製造方法に関する。
さらに、本発明は、上記蛍光体と、該蛍光体に励起光を照射して発光させる光源とを備えることを特徴とする発光装置に関する。
本発明によれば、所定の粒径に制御されるとともに、異相の生成が抑制され、従来よりも発光特性、特に発光強度に優れた蛍光体及びその製造方法並びに発光装置を提供することができる。
実施例5及び比較例1で得られた蛍光体のX線回折(XRD)パターンを示す図である。 実施例5及び比較例1で得られた蛍光体の発光スペクトルを示す図である。 実施例5及び比較例1で得られた蛍光体の走査型電子顕微鏡写真である。 実施例5で得られた蛍光体のB濃度ディプスプロファイルを示す図である。
1.蛍光体
本発明の蛍光体は、下記式(1)の組成で表される結晶相を含む。
SrM1AlSi:Eux1Cey1・・・(1)
(ここで、M1はCa,Ba及びMgからなる群より選ばれる1種以上の金属元素であり、2≦a≦8、0≦b≦3、2≦c≦7、10≦d≦25、15≦e≦37、0≦f≦3、0<x1+y1≦0.6である。)
すなわち、本発明の蛍光体は、ユーロピウム(Eu)及び/又はセリウム(Ce)で付活された蛍光体であり、波長330〜500nmの光で励起した際に、500〜560nmの間にピークを有する緑色蛍光体である。
本発明の蛍光体において、ユーロピウム(Eu)及び/又はセリウム(Ce)は付活剤であり、蛍光体中で発光原子として発光する性質を有する。蛍光体中のユーロピウムのモル比、すなわち上記x1の値は、0≦x1≦0.3の範囲内であり、0.001≦x1≦0.25の範囲内が好ましく、0.1≦x1≦0.15の範囲内がより好ましい。x1の値が0.3を超えると発光原子が高濃度になり互いに近接して発光を打ち消しあうため、発光強度が弱くなりやすい。また、蛍光体中のセリウムのモル比、すなわち上記y1の値は、0≦y1≦0.3の範囲内であり、0≦y1≦0.1の範囲内が好ましく、0≦y1≦0.0001の範囲内がより好ましい。x1+y1の値は、0<x1+y1≦0.6の範囲であり、0.001≦x1+y1≦0.25の範囲内が好ましく、0.1≦x1+y1≦0.15の範囲がより好ましい。本発明においては、Euを含有しない組成である場合、すなわちx1の値が0の場合、または、Ceを含有しない組成である場合、すなわちy1の値が0の場合も含まれるが、少なくともEuまたはCeのいずれかの元素が含有される組成、すなわちx1+y1>0の組成である必要がある。
また、本発明の蛍光体において、蛍光体中のストロンチウム(Sr)のモル比は、2≦a≦8の範囲内であり、4≦a≦8の範囲内が好ましく、4.5≦a≦6の範囲内がより好ましく、4.75≦a≦5.25の範囲内がより好ましい。aの値が2≦a≦8の範囲内である場合、半値幅の狭い高輝度な緑色蛍光体が得られる。
また、本発明の蛍光体において、M1は、カルシウム(Ca),バリウム(Ba)及びマグネシウム(Mg)からなる群より選ばれる1種以上の金属元素であり、上記bの値は、0≦b≦3の範囲内が好ましい。本発明においては、Ca,Ba及びMgを何れも含有しない組成である場合、すなわち、上記bの値が0の場合も含まれる。
また、本発明の蛍光体において、蛍光体中のアルミニウム(Al)のモル比は、2≦c≦7の範囲内であり、3≦c≦7の範囲内が好ましく、4≦c≦6の範囲内が好ましい。cの値が2≦c≦7の範囲内である場合、半値幅の狭い高輝度な緑色蛍光体が得られる。
また、本発明の蛍光体において、蛍光体中のケイ素(Si)のモル比は、10≦d≦25の範囲内であり、15≦d≦25の範囲内が好ましく、19.5≦d≦22.5の範囲内がより好ましく、20.5≦d≦21.5の範囲内がより好ましい。dの値が10≦d≦25の範囲内である場合、半値幅の狭い高輝度な緑色蛍光体が得られる。
さらに、本発明の蛍光体において、蛍光体中の窒素(N)のモル比は、15≦e≦37の範囲内であり、32≦e≦37の範囲内が好ましく、34≦e≦36の範囲内がより好ましく、34.5≦e≦35.5の範囲内がより好ましい。eの値が15≦e≦37の範囲内である場合、半値幅の狭い高輝度な緑色蛍光体が得られる。
また、本発明の蛍光体において、蛍光体中の酸素(O)のモル比は、0≦f≦3の範囲内であり、0.1≦f≦2.3の範囲内が好ましい。fの値が0≦f≦3の範囲内である場合、半値幅の狭い高輝度な緑色蛍光体が得られる。
ここで、本発明の蛍光体は、さらに、ホウ素を含有することを特徴とする。蛍光体全体に対するホウ素の含有量は、100〜2500ppmであり、200〜1500ppmであることが好ましく、300〜1500ppmであることがより好ましい。ホウ素の含有量が100ppmを下回ると発光強度が向上せず、2500ppmより多すぎても発光強度は低くなる。ホウ素の含有量は、誘導結合プラズマ発光分光分析(ICP−AES)装置を用いて測定することができる。
さらに、本発明の蛍光体は、蛍光体最表面におけるホウ素の元素濃度が20000〜100000ppmであることが好ましく、30000〜60000ppmであることがより好ましい。本発明において、蛍光体最表面におけるホウ素の元素濃度とは、蛍光体最表面にX線を照射した際に光電子が取り出せる、外側から数nmの深さで測定されたホウ素の元素濃度と定義することができる。蛍光体最表面におけるホウ素の元素濃度は、X線光電子分光(XPS)装置を用いて測定することができる。
蛍光体粒子は、粒子表面近傍と粒子内部で組成が異なることが多く、組成変動が確認される。本発明においては、蛍光体最表面から100nm(外側〜100nm)の深さ領域を蛍光体表面、また、蛍光体表面を越える(外側から100nmを超える)の深さ領域を蛍光体内部と定義することができる。蛍光体内部は、組成変動が見られない。
本発明の蛍光体は、蛍光体最表面におけるホウ素の元素濃度が蛍光体内部におけるホウ素の元素濃度に比して高いことが好ましい。蛍光体最表面におけるホウ素の元素濃度が蛍光体内部におけるホウ素の元素濃度に比して高いと、半値幅の狭い高輝度な緑色蛍光体が得られる。具体的には、蛍光体最表面におけるホウ素の元素濃度は、蛍光体最表面から200nm内部に存在するホウ素の元素濃度に対し、5〜8倍程度の差を有することが好ましい。蛍光体最表面から200nm内部に存在するホウ素の元素濃度は、蛍光体最表面から200nmまでをエッチングした後、エッチング後の表面にX線を照射した際に光電子が取り出せる、エッチング後の表面から数nmの深さで測定されたホウ素の元素濃度と定義することができ、X線光電子分光(XPS)装置を用いて測定することができる。
また、本発明の蛍光体は、発光スペクトルの半値幅が70nm以下であることが好ましい。ここで、半値幅とは、縦軸を発光強度、横軸を波長としたときに発光スペクトルを測定し、そのピークにおける発光強度をIとしたときに、I/2となるときの波長幅を意味する。半値幅が上記のように比較的狭い場合、高い発光強度を得ることができる。
また、本発明の蛍光体は、X線回折(XRD)装置で測定したX線回折パターンにおけるSrAlSi2135構造の蛍光体の(021)面に由来する回折ピーク強度をAとし、SrAlSi構造の蛍光体の(221)面に由来する回折ピーク強度をBとしたときに、B/A<0.03であり、B/A<0.01であることが好ましく、B/A=0であることがより好ましい。SrAlSi2135構造とは、ICSD Coll Code:420168と同形の結晶構造のことであり、Srの一部をCa,Ba及びMgからなる群より選ばれる1種以上の金属元素で置換した蛍光体の結晶構造も含まれる。また、SrAlSi構造とは、ICSD Coll Code:163667と同形の結晶構造のことであり、Srの一部をCa,Ba及びMgからなる群より選ばれる1種以上の金属元素で置換した蛍光体の結晶構造も含まれる。本発明において、B/A<0.03であることは、本発明の蛍光体中に異相(不純物)として含まれるSrAlSi構造の結晶の量が少ないことを意味する。SrAlSi構造の結晶の量が少ないことで、発光スペクトルの半値幅の狭い高輝度な緑色蛍光体が得られる。
また、本発明の蛍光体は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置で測定したD10径が20〜30μmであることが好ましい。D10径が20〜30μmであると、微粒が少なく発光強度が大きくなる。D10径が30μmを超えると、発光装置、具体的には白色発光LEDとする際に、樹脂中に均一分散しづらくなり、色調にバラつきを生じやすくなる。
さらに、本発明の蛍光体は、走査型電子顕微鏡写真によって測定したHeywood径(円相当径)の平均値が、32μm未満であることが好ましい。例えば、Heywood径は、株式会社マウンテック製の画像解析式粒度分布測定ソフトウェア「Mac−View」を用いて、粉体画像を読み込み、計算することができる。Heywood径の平均値が32μm未満であると、特に白色LEDの発光素子として用いる場合に、粉砕を必要とせず所望の粒度を得ることができるため好ましい。
また、本発明の蛍光体は、下記式(2)の組成で表される結晶相を含む。
SrM2AlSi:Eux2Cey2・・・(2)
(ここで、M2はCa,Ba及びMgからなる群より選ばれる1種以上の金属元素であり、2≦g≦8、0≦h≦3、0.02≦i≦0.8、2≦j≦7、10≦k≦25、15≦l≦37、0≦m≦3、0<x2+y2≦0.6である。)
上記x2の値は、0≦x2≦0.3の範囲内であり、0.001≦x2≦0.25の範囲内が好ましく、0.1≦x2≦0.15の範囲内がより好ましい。x2の値が0.3を超えると発光原子が高濃度になり互いに近接して発光を打ち消しあうため、発光強度が弱くなりやすい。また、上記y2の値は、0≦y2≦0.3の範囲内であり、0≦y2≦0.1の範囲内が好ましく、0≦y2≦0.0001の範囲内がより好ましい。x2+y2の値は、0<x2+y2≦0.6の範囲であり、0.001≦x2+y2≦0.25の範囲内が好ましく、0.1≦x2+y2≦0.15の範囲がより好ましい。本発明においては、Euを含有しない組成である場合、すなわちx2の値が0の場合、または、Ceを含有しない組成である場合、すなわちy2の値が0の場合も含まれるが、少なくともEuまたはCeのいずれかの元素が含有される組成、すなわちx2+y2>0の組成である必要がある。
また、本発明の蛍光体において、蛍光体中のストロンチウム(Sr)のモル比は、2≦g≦8の範囲内であり、4≦g≦8の範囲内が好ましく、4.5≦g≦6の範囲内がより好ましく、4.75≦g≦5.25の範囲内がより好ましい。gの値が2≦g≦8の範囲内である場合、半値幅の狭い高輝度な緑色蛍光体が得られる。
また、本発明の蛍光体において、M2は、カルシウム(Ca),バリウム(Ba)及びマグネシウム(Mg)からなる群より選ばれる1種以上の金属元素であり、上記hの値は、0≦h≦3の範囲内が好ましい。本発明においては、Ca,Ba及びMgを何れも含有しない組成である場合、すなわち、上記hの値が0の場合も含まれる。
また、本発明の蛍光体において、蛍光体中のホウ素(B)のモル比は、0.02≦i≦0.8の範囲内であり、0.04≦i≦0.4の範囲内が好ましい。iの値が0.04≦i≦0.4の範囲内である場合、半値幅の狭い高輝度な緑色蛍光体が得られる。
また、本発明の蛍光体において、蛍光体中のアルミニウム(Al)のモル比は、2≦j≦7の範囲内であり、3≦j≦7の範囲内が好ましく、4≦j≦6の範囲内がより好ましい。jの値が2≦j≦7の範囲内である場合、半値幅の狭い高輝度な緑色蛍光体が得られる。
また、本発明の蛍光体において、蛍光体中のケイ素(Si)のモル比は、10≦k≦25の範囲内であり、15≦k≦25の範囲内が好ましく、19.5≦k≦22.5の範囲内がより好ましく、20.5≦k≦21.5の範囲内がより好ましい。kの値が10≦k≦25の範囲内である場合、半値幅の狭い高輝度な緑色蛍光体が得られる。
さらに、本発明の蛍光体において、蛍光体中の窒素(N)のモル比は、15≦l≦37の範囲内であり、32≦l≦37の範囲内が好ましく、34≦l≦36の範囲内がより好ましく、34.5≦l≦35.5の範囲内がより好ましい。lの値が15≦l≦37の範囲内である場合、半値幅の狭い高輝度な緑色蛍光体が得られる。
また、本発明の蛍光体において、蛍光体中の酸素(O)のモル比は、0≦m≦3の範囲内であり、0.1≦m≦2.3の範囲内が好ましい。mの値が0≦m≦3の範囲内である場合、半値幅の狭い高輝度な緑色蛍光体が得られる。
2.蛍光体の製造方法
本発明の蛍光体は、例えば、Sr含有化合物、Al含有化合物、Si含有化合物、Eu含有化合物及び/又はCe含有化合物、並びにB含有化合物、さらに、必要に応じて、M含有化合物(ここで、MはCa,Ba及びMgからなる群より選ばれる1種以上の金属元素)を混合し、原料混合物を得る工程(混合工程)と、前記原料混合物を不活性ガス含有雰囲気下、又は還元性ガス雰囲気下で焼成する工程(焼成工程)と、必要に応じて、粉砕、分級工程とを備える製造方法によって製造することができる。
(1)混合工程
Sr含有化合物、Al含有化合物、Si含有化合物、Eu含有化合物、Ce含有化合物、B含有化合物、M含有化合物の各原料含有化合物はそれぞれ、窒化物、酸窒化物、酸化物または熱分解により酸化物となる前駆体物質から選択される。
ストロンチウム(Sr)含有化合物の具体例としては特に限定されないが、例えば、窒化ストロンチウム(Sr)、炭酸ストロンチウム(SrCO)、酸化ストロンチウム(SrO)からなる群より選択される1種類以上の粉末を好ましく使用することができ、特に窒化ストロンチウム(Sr)の粉末を好ましく使用することができる。
アルミニウム(Al)含有化合物の具体例としては特に限定されないが、例えば、窒化アルミニウム(AlN)、酸化アルミニウム(Al)、炭酸アルミニウム(Al(CO)からなる群より選択される1種類以上の粉末を好ましく使用することができ、特に窒化アルミニウム(AlN)の粉末を好ましく使用することができる。
ケイ素(Si)含有化合物の具体例としては特に限定されないが、例えば、非晶質窒化ケイ素(Si)、結晶性窒化ケイ素(Si)、二酸化ケイ素(SiO)からなる群より選択される1種類以上の粉末を好ましく使用することができ、特に非晶質窒化ケイ素(Si)、結晶性窒化ケイ素(Si)の粉末を好ましく使用することができる。
ユーロピウム(Eu)含有化合物の具体例としては特に限定されないが、例えば、酸化ユーロピウム(III)(Eu)、酸化ユーロピウム(II)(EuO)、窒化ユーロピウム(EuN)、金属ユーロピウム(Eu)からなる群より選択される1種類以上の粉末を好ましく使用することができる。
セリウム(Ce)含有化合物の具体例としては特に限定されないが、例えば、窒化セリウム(CeN)、酸化セリウム(CeO)、金属セリウム(Ce)からなる群より選択される1種類以上の粉末を好ましく使用することができる。
また、本発明は、上記原料含有化合物に加え、B含有化合物を原料混合物の250〜10000ppmの範囲で添加することを特徴とする。B含有化合物を250〜10000ppm添加することで、得られる蛍光体中に、100〜2500ppmのホウ素を含有させることが可能となる。また、B含有化合物を添加しない場合、得られる蛍光体中に異相(不純物)としてSrAlSi構造の結晶が多く含まれるが、B含有化合物を250〜10000ppm添加することで、SrAlSi構造の結晶の量を減らすことができることが分かった。B含有化合物の添加量は、750〜10000ppmが好ましく、1000〜5000ppmがより好ましい。
ホウ素(B)含有化合物の具体例としては特に限定されないが、例えば、窒化ホウ素(BN)、酸化ホウ素(B)、水酸化ホウ素(B(OH))からなる群より選択される1種以上の粉末を好ましく使用することができる。
また、本発明においては、必要に応じて、M含有化合物(ここで、MはCa,Ba及びMgからなる群より選ばれる1種以上の金属元素)を混合することができる。
M含有化合物におけるカルシウム(Ca)含有化合物の具体例としては特に限定されないが、例えば、窒化カルシウム(Ca)、炭酸カルシウム(CaCO)、酸化カルシウム(CaO)からなる群より選択される1種類以上の粉末を好ましく使用することができる。
M含有化合物におけるバリウム(Ba)含有化合物の具体例としては特に限定されないが、例えば、窒化バリウム(Ba)、炭酸バリウム(BaCO)、酸化バリウム(BaO)からなる群より選択される1種類以上の粉末を好ましく使用することができる。
M含有化合物におけるマグネシウム(Mg)含有化合物の具体例としては特に限定されないが、例えば、窒化マグネシウム(Mg)、炭酸マグネシウム(MgCO)、酸化マグネシウム(MgO)からなる群より選択される1種類以上の粉末を好ましく使用することができる。
これらの原料含有化合物は、それぞれ1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。各原料含有化合物は、純度が99質量%以上であることが好ましい。上記原料含有化合物は、その混合比がほぼそのまま式(1)の組成比となるため、所望の組成比となるように混合比を調整する。ただし、酸素量、窒素量は常に一定とはならないため、原料中に含まれる酸素含有量及び窒素含有量を考慮し、原料の配合比を設定することで、目的とする酸素量及び窒素量に調整することができる。
また、焼成においては、焼結を促進し、より低温で生成させることを目的に、焼結助剤となるLi含有化合物を添加することができる。用いるLi含有化合物としては、酸化リチウム、炭酸リチウム、金属リチウム、窒化リチウムが挙げられ、これらの粉末の夫々を単独で使用してもよく、併用してもよい。また、Li含有化合物の添加量は、後述する焼成工程で得られる焼成物1molに対して、Li元素として0.01〜0.5molが適当である。Li含有化合物は、焼成工程で揮発しやすく、蛍光体粉末中にはほとんど含まれない。
原料粉末の混合方法は、特に制約はなく、それ自体公知の方法、例えば、乾式混合する方法、原料各成分と実質的に反応しない不活性溶媒中で湿式混合した後に溶媒を除去する方法などを採用することができる。混合装置としては、V型混合機、ロッキングミキサー、ボールミル、振動ミル、媒体攪拌ミルなどが好適に使用される。
(2)焼成工程
次に、原料混合物の焼成を行う。原料混合物の焼成は、不活性ガス雰囲気下、又は還元性ガス雰囲気下で焼成することが好ましい。不活性ガス雰囲気は、窒素やアルゴンなどの希ガスあるいはそれらの混合ガスなどの不活性ガスからなることができる。不活性ガス雰囲気であるために、酸素は含まないことが望ましいが、不純物として酸素が0.1vol%未満、さらには0.01vol%未満程度に含まれていてもよい。また、還元性ガス雰囲気は、窒素やアルゴンなどの希ガスと水素ガスや一酸化炭素ガスとの混合ガスからなることができる。還元性ガス雰囲気であるために、酸素は含まないことが望ましいが、不純物として酸素が0.1vol%未満、さらには0.01vol%未満程度に含まれていてもよい。焼成温度は、1500〜2000℃、より好ましくは1600〜1800℃の範囲内である。焼成時間は、一般に0.5〜100時間の範囲内であり、0.5〜20時間の範囲内であることが好ましい。焼成圧力は、常圧以上であればよく、0.92MPa未満であることが好ましい。雰囲気ガスの種類、雰囲気ガス中の酸素濃度及び窒素濃度、焼成温度、焼成時間の設定を変化させることで、目的とする蛍光体の酸素量、窒素量を調整することができる。
(3)粉砕、分級工程
焼成により得られた蛍光体は、粉砕を必要とせずに、例えば白色LEDの発光素子として用いる場合に、所望の粒度を得ることができるが、その他、必要に応じて、粉砕され、場合によっては所望の粒径範囲に分級される。この場合の粉砕方法は、湿式粉砕、乾式粉砕のいずれの方法でもよく、また、分級方法についても、篩い分け操作、流体を利用する操作等、粉体の分級に一般的に用いられるいかなる操作方法を用いてもよい。また、焼成により得られた蛍光体は、必要に応じて、塩酸や硝酸などの鉱酸による酸洗浄処理、ベーキング処理を行なってもよい。
3.発光装置
本発明の蛍光体は、各種の発光装置に使用することができる。本発明の発光装置は、上記式(1)で示される組成分にさらにホウ素を100〜2500ppm含む本発明の蛍光体と、この蛍光体に励起光を照射して発光させる光源とを少なくとも備える。発光装置の具体例としては、白色発光ダイオード(白色LED)、蛍光灯、蛍光表示管(VFD)、陰極線管(CRT)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)などを挙げることができる。このうち白色LEDは、青色蛍光体、赤色蛍光体、本発明の蛍光体(緑色蛍光体)と、例えば波長350〜430nmの紫外光を発光する半導体発光素子とを備え、発光素子からの紫外光で青色蛍光体、緑色蛍光体、赤色蛍光体を励起して、青、赤、緑の混色で白色を得る発光装置である。また、別の構成として、赤色蛍光体、本発明の蛍光体(緑色蛍光体)と、波長430〜500nmの青色光を発光する半導体素子を備え、発光素子からの青色光で緑色蛍光体、赤色蛍光体を励起して、青、赤、緑の混色で白色を得る発光装置に適用することもできる。
青色発光蛍光体の例としては、(Ba,Sr,Ca)MgSi:Eu、(Ba,Sr,Ca)MgAl1017:Eu、(Ba,Sr,Mg、Ca)10(PO(Cl,F):Euなどを挙げることができる。また、赤色発光蛍光体の例としては、(Ba,Sr,Ca)MgSi:Eu,Mn、YS:Eu、LaS:Eu、(Ca,Sr,Ba)Si:Eu、CaAlSiN:Eu、Eu、(Ca,Sr,Ba)Si:Eu,Mn、CaTiO:Pr,Bi、(La,Eu)12などを挙げることができる。半導体発光素子としては、AlGaN系半導体発光素子などを挙げることができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、これらは本発明の目的を限定するものではない。まず、本実施例で用いた各測定方法を示す。
(結晶相の同定)
X線回折(XRD)装置(株式会社リガク製 Ultima IV)を用いて、結晶相の同定を行った。
(粒度分布測定)
レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(日機装株式会社製 MT3300EX II)を用いて、粒度分布測定を行なった。
(走査型電子顕微鏡写真、Heywood径)
走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製 JSM−6510)を用いて、走査型電子顕微鏡写真を撮影した。また、画像解析式粒度分布測定ソフトウェア「Mac−View」(株式会社マウンテック製)を用いて、走査型電子顕微鏡写真を読み込み、Heywood径を計算した。
(蛍光ピーク波長、発光強度、スペクトルの半値幅)
分光蛍光光度計(日本分光株式会社製、FP−6500)を用いて、励起波長450nmにおける蛍光スペクトルを測定し、蛍光ピーク波長とその波長における発光強度、スペクトルの半値幅を求めた。発光強度は、比較例1のピーク波長522.0nmにおける発光強度を100%として示した。
(ホウ素含有量)
蛍光体粉末中のホウ素含有量は、誘導結合プラズマ発光分光分析(ICP−AES)装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製、SPS3250UV)を用いて定量分析を行なった。
(ホウ素の蛍光体最表面元素濃度、内部の元素濃度)
X線光電子分光(XPS)装置(アルバック・ファイ株式会社製PHI1800)によって、X線源:Al−Kα、取り出し角:表面より45°という条件で、蛍光体最表面に存在する元素(外側〜数nmまで取り出せる)を調べ、各元素のピーク強度より、ホウ素の蛍光体最表面における元素濃度を見積もった。
(比較例1)
酸化ユーロピウム(Eu)粉末(純度:99.9%)と、窒化ストロンチウム(Sr)粉末(純度:99%)、非晶質窒化ケイ素(Si)粉末(純度:99%)、窒化アルミニウム(AlN)粉末(純度:99.9%)、炭酸リチウム(LiCO)粉末(純度:99.9%)を表1の混合組成となるように窒素パージされたグローブボックス内で秤量し、乾式の振動ミルを用いて1時間混合して、混合粉末を得た。得られた混合粉末を窒化ケイ素製の坩堝に入れて、黒鉛抵抗加熱式の電気炉に仕込み、電気炉内に窒素を流通させながら、常圧を保った状態で、1650℃まで昇温した後、1650℃で7時間保持し、更に1730℃まで昇温し、1730℃で10時間保持して焼成物を得た。得られた試料は、目開き32μmの篩を通過するまで窒化珪素製の乳鉢で解砕した。得られた粉末について、XRD、粒度分布、蛍光スペクトル、ICP、XPS(PHI1800)を測定した評価結果を表2に示す。また、XRDパターンを図1に、発光スペクトルを図2に、走査型電子顕微鏡写真を図3にそれぞれ示す。
XRD測定の結果、図1に示すXRDパターンが得られた。合成粉末はSrAlSi2135構造とSrAlSi構造の混相となっていた。SrAlSi2135構造の25.8°付近にある(021)面に由来する回折ピークの強度(A)と、SrAlSi構造の24.9°付近にある(221)面に由来する回折ピークの強度(B)との比(B/A)は2.75であった。また、粒度分布測定の結果、D10径は13.8μmであった。ICP、XPS測定の結果、ホウ素は検出されなかった。波長450nmで励起すると、図2に示す発光スペクトルが得られた。ピーク波長は522.0nmと緑色であるが、半値幅は111.1nmと広く、赤色成分を含む発光となっていた。また、図3に示す走査型電子顕微鏡写真より、比較例1は粉砕前の1次粒子径が大きく、Heywood径の平均値は35.9μmであり、目開き32μmの篩で分級する際に粉砕する必要があるため、粉砕破片が増加していた。
(実施例1〜6)
表1のように窒化ホウ素(BN)粉末(純度:99%)を添加する以外は、比較例1と同様の方法で、実施例1〜6を行った。合成粉末の評価結果を表2に示す。XRD測定の結果、25.8°付近にあるSrAlSi2135構造の(021)面に由来する回折ピークの強度(A)と、SrAlSi構造の24.9°付近にある(221)面に由来する回折ピークの強度(B)との比(B/A)は0.03未満であり、特に実施例2〜6は、B/Aが0であり、SrAlSi2135構造の単相が得られていた。また、粒度分布測定の結果、D10径は14.6〜24.5μmであった。図1に実施例5のXRDパターンを示す。
ICP測定の結果、ホウ素含有量はホウ素添加量に従って増加し、110〜2300ppmであった。また、XPS測定の結果、ホウ素の蛍光体最表面における元素濃度は14000〜92000ppmであった。また、波長450nmで励起した際の、発光ピーク波長は520.5〜524.0nmの緑色であり、比較例1を100%としたときの相対発光強度は132.5〜194.9%であった。発光スペクトルの半値幅は67.3〜76.4nmであった。図2に実施例5の発光スペクトルを、図3に実施例5の走査型電子顕微鏡写真をそれぞれ示す。
実施例1〜6では、ホウ素含有量が100〜2500ppmの範囲内にあるため、SrAlSi2135構造の単相で微粒が少ないとともに、発光スペクトル半値幅の狭い高輝度な蛍光体が得られた。また、図3に示す実施例5の粉砕前の走査型電子顕微鏡写真より、実施例5は、比較例1よりも1次粒子径が小さく、このときのHeywood径の平均値は26.8μmであり、目開き32μmの篩で分級する際に粉砕する必要がないため、微粒の少ない粒径の揃った様子が確認された。
さらに、実施例5の試料について、X線光電子分光(XPS)装置(アルバック・ファイ株式会社製PHI5000)を用いて、SiO換算で深さ200nmまでArエッチングした後の表面におけるホウ素の元素濃度を、X線源:Al−Kα、取り出し角:表面より45°という条件で測定した。結果を表3、図4に示した。XPSによる蛍光体最表面におけるホウ素の元素濃度は、55000ppmであり、粒子内部にいくほど低下していき、蛍光体最表面から100nm以上の深さにおけるホウ素の元素濃度(エッチング後の表面を測定)では9000ppm程度に漸近していた。
(比較例2〜4)
表1のように窒化ホウ素(BN)粉末(純度:99%)の添加量を変えたこと以外は、実施例1と同様の方法で、比較例2〜4を行った。合成粉末の評価結果を表2に示す。XRD測定の結果、SrAlSi2135構造の25.8°付近にある(021)面に由来する回折ピークの強度(A)と、SrAlSi構造の24.9°付近にある(221)面に由来する回折ピークの強度(B)との比(B/A)は0.04〜0.21であり、SrAlSi2135構造とSrAlSi構造の混相となっていた。粒度分布測定の結果、D10径は11.5〜17.0μmであった。ICP測定の結果、ホウ素含有量は比較例2では54ppm、比較例3では84ppm、比較例4では3600ppmであった。また、XPS測定の結果、比較例2のホウ素の蛍光体最表面における元素濃度は8000ppm、比較例3のホウ素の蛍光体最表面における元素濃度は12000ppm、比較例4のホウ素の蛍光体最表面における元素濃度は120000ppmであった。発光ピーク波長は523.0〜524.0nmの緑色であり、比較例1を100%としたときの相対発光強度は113.4〜120.1%であった。発光スペクトルの半値幅は78.5〜90.9nmであった。
比較例2〜4では、ホウ素含有量が100〜2500ppmの範囲外であるため、発光スペクトル半値幅の狭い高輝度な蛍光体は得られなかった。

Claims (10)

  1. 下記式(1)の組成で表される結晶相を含む蛍光体であって、
    さらに、ホウ素を100〜2500ppm含有することを特徴とする蛍光体。
    SrM1AlSi:Eux1Cey1・・・(1)
    (ここで、M1はCa,Ba及びMgからなる群より選ばれる1種以上の金属元素であり、2≦a≦8、0≦b≦3、2≦c≦7、10≦d≦25、15≦e≦37、0≦f≦3、0<x1+y1≦0.6である。)
  2. 4≦a≦8、3≦c≦7、15≦d≦25、32≦e≦37であることを特徴とする請求項1に記載の蛍光体。
  3. X線光電子分光(XPS)装置で測定した蛍光体最表面のホウ素の元素濃度が20000〜100000ppmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の蛍光体。
  4. 発光スペクトルの半値幅が70nm以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の蛍光体。
  5. 少なくともSrAlSi2135構造の結晶相を含む蛍光体であって、
    X線回折パターンにおけるSrAlSi2135構造の蛍光体の(021)面に由来する回折ピーク強度をA、及びSrAlSi構造の蛍光体の(221)面に由来する回折ピーク強度をBとしたときに、B/A<0.03であることを特徴とする蛍光体。
  6. 下記式(2)の組成で表される結晶相を含む蛍光体。
    SrM2AlSi:Eux2Cey2・・・(2)
    (ここで、M2はCa,Ba及びMgからなる群より選ばれる1種以上の金属元素であり、2≦g≦8、0≦h≦3、0.02≦i≦0.8、2≦j≦7、10≦k≦25、15≦l≦37、0≦m≦3、0<x2+y2≦0.6である。)
  7. 4≦g≦8、3≦j≦7、15≦k≦25、32≦l≦37であることを特徴とする請求項6に記載の蛍光体。
  8. Sr含有化合物、Al含有化合物、Si含有化合物、Eu含有化合物及び/又はCe含有化合物、並びにB含有化合物を混合し、原料混合物を得る工程と、
    前記原料混合物を不活性ガス雰囲気下、又は還元性ガス雰囲気下で焼成する工程とを備える蛍光体の製造方法であって、
    前記B含有化合物の添加量が、前記原料混合物の250〜10000ppmであることを特徴とする蛍光体の製造方法。
  9. Sr含有化合物がSrであり、Al含有化合物がAlNであり、Si含有化合物がSiであることを特徴とする請求項8に記載の蛍光体の製造方法。
  10. 請求項1乃至7のいずれかに記載の蛍光体と、該蛍光体に励起光を照射して発光させる光源とを備えることを特徴とする発光装置。
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