JP2009024045A - 防振ゴム組成物及びそれを用いてなる防振ゴム - Google Patents

防振ゴム組成物及びそれを用いてなる防振ゴム Download PDF

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崇浩 齊藤
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Abstract

【課題】加工性及び金属との加硫接着性が良好であり、かつ破壊特性及び低動倍率を損なわずに耐オゾン性、電気絶縁性を向上させた防振ゴムを与える防振ゴム組成物、及び該ゴム組成物を用いて得られた上記性状を有する防振ゴムを提供する。
【解決手段】シエン系ゴムとキサントゲン変性クロロプレン系ゴムとの質量比15:85〜65:35の組合わせからなるゴム成分と、カーボンブラック10体積%以下を含むことを特徴とする防振ゴム組成物、及び上記防振ゴム組成物の加硫物からなる防振ゴムである。
【選択図】なし

Description

本発明は、防振ゴム組成物及びそれを用いてなる防振ゴムに関する。さらに詳しくは、本発明は、ゴム成分として、特定の割合のジエン系ゴムとキサントゲン変性クロロプレン系ゴムとの組合わせを含むと共に、カーボンブラックをある値以下の割合で含み、好ましくはシリカをさらに含むゴム組成物であって、加工性及び金属との加硫接着性が良好であり、かつ破壊特性及び低動倍率を損なわずに耐オゾン性、電気絶縁性を向上させた防振ゴムを与える防振ゴム組成物、及び該ゴム組成物を用いて得られた上記性状を有する、鉄道車輌用、特に鉄道車輌用ブッシュとして好適な防振ゴムに関するものである。
従来、防振ゴムは、鉄道車輌、自動車、一般産業機械などの分野において、振動や騒音などを防止するために使用されている。
これらの中で、鉄道車輌用、特に鉄道車輌用ブッシュに用いられる防振ゴムに対しては、動倍率が低いこと、耐オゾン性がよいこと、絶縁性が高いことなどが要求される。
これまで、耐オゾン性を高める手法として、天然ゴムの一部を、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム(EPDM)に置換することが試みられているが、この手法では、得られる防振ゴムは、破壊特性などのゴム物性や耐久性が低下してしまうという欠点があった。
また、ジエン系ゴムに対して、老化防止剤の配合量を増やして耐オゾン性を確保することが行われているが、この場合、ゴム組成物の金属との加硫接着性が低下するという問題があった。
他方、特許文献1〜3には、キサントゲン変性クロロプレン系ゴムなどの変性クロロプレン系ゴムを使用することにより、低動倍率となる防振ゴムが得られることが開示されている。しかしながら、これらの技術においては、ゴム成分として、変性クロロプレン系ゴム単味の配合に限定されており、その結果、繰り返し疲労特性が低下する、金属との接着性が悪いなどの問題が生じ、さらにゴム組成物の加工性が低下する。
特開平7−286071号公報 特開平8−127673号公報 特開平9−235414号公報
本発明は、このような状況下で、加工性及び金属との加硫接着性が良好であり、かつ破壊特性及び低動倍率を損なわずに耐オゾン性、電気絶縁性を向上させた防振ゴムを与える防振ゴム組成物、及び該組成物を用いて得られた上記性状を有する防振ゴムを提供することを目的とするものである。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、キサントゲン変性クロロプロピレン系ゴム自体が耐オゾン性に優れることに着目し、特定の割合のジエン系ゴムとキサントゲン変性クロロプロピレン系ゴムとの組合わせからなるゴム成分を含むと共に、ある値以下の量のカーボンブラックを含み、好ましくはさらにシリカを含むゴム組成物により、その目的を達成し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
(1)ジエン系ゴムとキサントゲン変性クロロプレン系ゴムとの質量比15:85〜65:35の組合わせからなるゴム成分と、カーボンブラック10体積%以下を含むことを特徴とする防振ゴム組成物、
(2)前記ジエン系ゴムが天然ゴムである上記(1)に記載の防振ゴム組成物、
(3)前記カーボンブラックが、ヨウ素吸着量10〜70g/kg及びDBP吸油量30〜180ml/100gのものである上記(1)又は(2)に記載の防振ゴム組成物、
(4)さらに、シリカを含む上記(1)〜(3)のいずれかに記載の防振ゴム組成物、
(5)前記シリカが、BET比表面積70〜230m2/gのものである上記(4)に記載の防振ゴム組成物、
(6)カーボンブラックとシリカとの合計含有量が、ゴム成分100質量部に対して、10〜80質量部である上記(4)又は(5)に記載の防振ゴム組成物、
(7)さらに、シランカップリング剤を、シリカに対して1〜10質量%の割合で含む上記(4)〜(6)のいずれかに記載の防振ゴム組成物、
(8)上記(1)〜(7)のいずれかに記載の防振ゴム組成物の加硫物からなる防振ゴム、及び
(9)鉄道車輌に用いられる上記(8)に記載の防振ゴム、
を提供するものである。
本発明によれば、ゴム成分として、特定の割合のジエン系ゴムとキサントゲン変性クロロプレン系ゴムとの組合わせを含むと共に、カーボンブラックをある値以下の割合で含み、好ましくはシリカをさらに含むゴム組成物であって、加工性及び金属との加硫接着性が良好であり、かつ破壊特性及び低動倍率を損なわずに耐オゾン性、電気絶縁性を向上させた防振ゴムを与える防振ゴム組成物、及び該ゴム組成物を用いて得られた上記性状を有する、鉄道車輌用、特に鉄道車輌用ブッシュとして好適な防振ゴムを提供することができる。
まず、本発明の防振ゴム組成物について説明する。
[防振ゴム組成物]
本発明の防振ゴム組成物は、ジエン系ゴムとキサントゲン変性クロロプレン系ゴムとの質量比15:85〜65:35の組合わせからなるゴム成分と、カーボンブラック10体積%以下を含むことを特徴とする。
(ジエン系ゴム)
本発明の防振ゴム組成物において、ゴム成分の一方の材料として用いられるジエン系ゴムの種類に特に制限はなく、天然ゴム及びジエン系合成ゴムのいずれも用いることができる。ジエン系合成ゴムとしては、例えばスチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、ポリブタジエン(BR)、ポリイソプレン(IR)、スチレン−イソプレン共重合体(SIR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム、エチレンプロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)などを挙げることができる。
本発明においては、当該ジエン系ゴムは一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよいが、破壊特性、低動倍率などの観点から、天然ゴムが特に好適である。
(キサントゲン変性クロロプレン系ゴム)
本発明の防振ゴム組成物において、ゴム成分のもう一つの材料として用いられるキサントゲン変性クロロプレン系ゴム(以下、キサントゲン変性CRと略記することがある。)としては特に制限はなく、従来公知のキサントゲン変性CRの中から、任意のものを適宜選択して用いることができる。
キサントゲン変性CRとしては、例えば2−クロロ−1,3−ブタジエン単量
体単独又は2−クロロ−1,3−ブタジエン単量体と共重合可能な他の単量体を含む単量体混合物を、一般式(I)
Figure 2009024045
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
で表されるジアルキルキサントゲンジスルフィドの存在下、乳化重合して得られたものを用いることができる。なお、2−クロロ−1,3−ブタジエン単量体単独、又は2−クロロ−1,3−ブタジエン単量体と共重合可能な他の単量体を含む単量体混合物をクロロプレン系単量体と称し、また該クロロプレン系単量体の重合体(単独重合体、共重合体)をクロロプレン系重合体又はクロロプレン系ゴムと称する。
上記2−クロロ−1,3−ブタジエン単量体と共重合可能な他の単量体としては、例えば2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン、1−クロロ−1,3−ブタジエン、硫黄、スチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、イソプレン、ブタジエン、アクリル酸、メタクリル酸及びこれらのエステル類などが挙げられる。これらは一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよいが、クロロプレン系重合体が本来もつ特性を損なわない範囲で適宜用いることができる。
クロロプレン単量体単独又はクロロプレン単量体と共重合可能な他の単量体との混合物の重合は、クロロプレン系単量体の重合に一般に用いられる重合開始剤の存在下、水性乳化液中で行われる。この水性乳化重合を実施する場合の乳化剤は特に制限はなく、一般にクロロプレン系単量体の乳化重合に使用される乳化剤、例えば炭素数が6〜22の飽和又は不飽和の脂肪酸のアルカリ金属塩、ロジン酸又は不均化ロジン酸のアルカリ金属塩、β−ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物のアルカリ金属塩などが用いられる。
一般にクロロプレン系重合体の分子量を調節するには連鎖移動剤を用いるが、
本発明においては、上記一般式(I)で表されるジアルキルキサントゲンジスルフィドが用いられる。
このジアルキルキサントゲンジスルフィドの具体例としては、ジメチルキサントゲンジスルフィド、ジエチルキサントゲンジスルフィド、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィド、ジイソブチルキサントゲンジスルフィドなどがある。ジアルキルキサントゲンジスルフィドの使用量は、クロロプレン系重合体の分子量(あるいは、重合体を単離して得られるクロロプレン系ゴムのムーニー粘度)が適正となるように選定される。また、アルキル基の構造や目標とする分子量によってもその使用量は異なるが、一般にはクロロプレン系単量体100質量部に対して0.05〜5.0質量部程度、好ましくは0.3〜1.0質量部の範囲で選定される。
重合温度としては、クロロプレン系重合体が本来有するバランスした特性が維持され、かつ破断強度や引裂強度などに代表される機械的強度が向上する観点から、0〜50℃の範囲が好ましく、20〜50℃の範囲がより好ましい。
重合開始剤としては、公知の過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキサイドなどの有機過酸化物類が用いられる。
重合は転化率が40〜95%程度、好ましくは50〜80%の範囲となるまで実施され、次いで重合禁止剤を少量添加して重合を停止させる。重合禁止剤としては、例えば、チオジフェニルアミン、4−tert−ブチルカテコール、2,2−メチレンビス−4−メチル−6−ターシャリーブチルフェノールなどが用いられる。
未反応の単量体は、例えばスチームストリッピング法などによって除去し、その後ラテックスのpHを5.5〜7.5程度に調整し、常法の凍結凝固、水洗、熱風乾燥などにより重合体を単離することにより、目的とする耐オゾン性に優れるキサントゲン変性クロロプレン系ゴムを得ることができる。
本発明においては、当該キサントゲン変性CRは、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の防振ゴム組成物において、ゴム成分として用いられるジエン系ゴムとキサントゲン変性CRとの含有割合は、ゴム組成物の加工性や金属との加硫接着性を良好なものとし、得られる防振ゴムの低動倍率を維持すると共に、耐オゾン性を向上させる観点から、質量比で15:85〜65:35であることを要し、好ましくは20:80〜60:40である。
(カーボンブラック)
本発明の防振ゴム組成物において、充填材として用いられるカーボンブラックとしては、ヨウ素吸着量が10〜70g/kg及びDBP吸油量が30〜180ml/100gの範囲にあるものが好ましい。このようなカーボンブラックとしては、SRF級グレード、GPF級グレード及びFEF級グレードなどを挙げることができる。また、チッ素吸着比表面積(N2SA)は、10〜75m2/g程度である。
上記カーボンブラックの粒径よりも小さな粒径のカーボンブラックを用いると、得られる防振ゴムの動倍率が高くなるおそれがあり、一方上記カーボンブラックの粒径よりも大きな粒径のカーボンブラックを用いると、得られる防振ゴムの補強性が低下するおそれがある。上記性状を有するカーボンブラックを用いることにより、補強性及び低動倍率のバランスした防振ゴムを与えるゴム組成物を得ることができる。
ヨウ素吸着量のより好ましい範囲は、12〜60g/kgであり、DBP吸油量のより好ましい範囲は60〜180ml/100gである。
なお、上記のヨウ素吸着量は、JIS K 6217−1:2001に準拠して
測定した値であり、DBP吸油量は、JIS K 6217−4:2001に準拠して測定した値である。また、窒素吸着比表面積(N2SA)は、ASTM D3037に準拠して測定した値である。
本発明においては、カーボンブラックとして、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の防振ゴム組成物においては、得られる防振ゴムの電気絶縁性を確保する観点から、上記カーボンブラックの含有量は10体積%以下であることを要する。この含有量が10体積%を超えると電気絶縁性を確保することができない場合がある。
(シリカ)
本発明の防振ゴム組成物においては、電気絶縁性及び低動倍率を維持し、破壊特性を向上させる観点から、シリカを含有させることができる。
シリカとしては、BET比表面積が70〜230m2/gの範囲にあるものが好ましく用いられる。このBET比表面積が70m2/g以上であれば良好な補強効果が得られ、ゴム物性の悪化や耐久性の劣化を抑えることができる。またBET比表面積が230m2/g以下であれば、ゴム組成物中へのシリカの分散不良を抑えることができ、その結果、分散不良による耐久性の低下や動倍率の悪化を抑制することができる。このBET比表面積のより好ましい範囲は80〜200m2/gである。
なお、上記BET比表面積は、「アメリカ化学会誌(J.Am.Chem.Soc.)」、第60巻、第309頁に記載されているブルナウアー、エメット及びテラー(“BET”)法により、測定される値である。
当該シリカとしては、BET比表面積が70〜230m2/gの各種の市販されているものを使用することができる。なお、本発明における「シリカ」の用語は、SiO2を組成式中に含む、二酸化珪素、珪酸、珪酸塩を包含する広義の概念であるが、無水珪酸である二酸化珪素が、上述の作用効果の点から好ましく、特にシリカゲルなどの湿式法で製造されたシリカが好適である。
本発明においては、シリカとして、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の防振ゴム組成物において、カーボンブラックと共にシリカを用いる場合、それらの合計含有量は、カーボンブラックの含有量が10体積%以下であることを満たすと共に、前述のゴム成分100質量部に対して、通常10〜80質量部程度、好ましくは15〜60質量部である。上記充填材の含有量が10質量部以上であれば、得られる防振ゴムの破壊特性が良好となると共に、動倍率も低くなり、80質量部以下であれば、加工性の低下及び動倍率の上昇を抑えることができる。
本発明において、シリカを用いる場合、当該シリカのゴム組成物への分散性を向上させるために、ゴム組成物にシランカップリング剤を含有させることができる。
(シランカップリング剤)
本発明のゴム組成物に、前記シリカと共に含有させるシランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリクロルシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシ−エトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、及びγ−トリメトキシシリルプロピルジメチルチオカルバミルテトラスルフィド、γ−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアジルテトラスルフィド、ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)ジスルフィド、ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)テトラスルフィドなどのテトラスルフィド類などを挙げることができる。
このシランカップリング剤は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その配合量は、使用するシリカに対して、1〜10質量%が好ましく、5〜10質量%がより好ましい。当該シランカップリング剤の配合量が1質量%以上であれば、配合効果が発揮され、得られる防振ゴムの動倍率は良好となり、10質量%より多く配合しても、その量の割には効果の向上
があまり認められず、経済的にむしろ不利となる。
(その他の添加成分)
本発明の防振ゴム組成物には、前述したジエン系ゴムとキサントゲン変性CRとの組合わせからなるゴム成分、充填材のカーボンブラック、シリカ、及びシランカップリング剤以外に、必要に応じ各種添加剤、例えば加硫剤、加硫促進剤、ステアリン酸、亜鉛華、老化防止剤、軟化剤、可塑剤、加工助剤などを含有させることができる。
本発明の防振ゴム組成物における加硫剤としては、ジエン系ゴム及びキサントゲン変性CRの両方に対して有効である硫黄を用いることが好ましい。当該硫黄の含有量は、前述のゴム成分100質量部に対して、0.1〜3質量部の範囲であることが好ましい。この硫黄の含有量が0.1質量部以上であれば、加硫ゴムは良好な破壊特性を維持することができ、一方、3質量部以下であれば、所望の耐熱性及び圧縮永久歪を得ることができる。
本発明で使用できる加硫促進剤としては、ジエン系ゴム及びクロロプレン系ゴムに対して有効なもの、例えばグアニジン系、チアゾール系、チウラム系、チオウレア系などの中から選ばれる一種又は二種以上の混合物を挙げることができる。この加硫促進剤の使用量は、ゴム成分100質量部に対し、通常0.1〜3質量部程度、好ましくは0.5〜2質量部である。
また、老化防止剤としては、例えば4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、ポリメライズド2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン(RD)、N−1,3−ジメチルブチル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン(6C)などを用いることができる。この老化防止剤の使用量は、ゴム成分100質量部に対し、通常0.5〜10質量部程度、好ましくは1〜5質量部である。
本発明で使用できる軟化剤としては、例えばプロセスオイル、パラフィン、流動パラフィン、ワセリン、石油アスファルトなどの石油系軟化剤、ナタネ油、アマニ油、ヒマシ油、ヤシ油などの植物系軟化剤等の一般的な軟化剤を挙げることができる。可塑剤としては、ジオクチルフタレートやジオクチルアジペートなどの一般的なエステル系可塑剤、エーテル・チオエーテル系可塑剤、エーテル・エステル系可塑剤などを用いることができる。
(防振ゴム組成物の調製)
本発明の防振ゴム組成物の調製方法に特に制限はないが、例えば以下に示す方法により、調製することができる。
バンバリミキサー、ニーダー、ロール、インターナルミキサーなどの混練機により、ジェン系ゴムとキサントゲン変性CRとの組合わせからなるゴム成分と、充填材としてのカーボンブラックと、好ましくはシリカと、さらに必要に応じて、シランカップリング剤や、前記のその他添加成分の中で加硫関与成分を除いた成分とを混練りし、さらに加硫剤としての硫黄と加硫関与成分加え混練りすることによって、本発明の防振ゴム組成物を調製することができる。
このようにして得られた本発明の防振ゴム組成物は、所定形状に成形加工後、加硫処理することにより、防振ゴムとすることができ、以下に示す効果を奏する。
(1)ゴム成分として、特定の割合のジエン系ゴムとキサントゲン変性CRとの
組合わせを含むとともに、カーボンブラックをある値以下の割合で含むことにより、良好な耐オゾン性、及び低動倍率を備え、かつ電気絶縁性を確保した防振ゴムを与えることができ、また、ゴム組成物の加工性及び金属との加硫接着性も良好である。
(2)ジエン系ゴムとして天然ゴムを用いることにより、得られる防振ゴムは、
破壊特性などのゴム特性が向上する。
(3)カーボンブラックとして特定の性状を有するものを用いることにより、良好な破壊特性及び低動倍率を有する防振ゴムがえられる。
(4)さらに、シリカを所定の割合で配合することにより、電気絶縁性及び低動倍率を保持すると共に、破壊特性を改善することができ、特に窒素吸着比表面積、(BET比表面積)が特定の範囲にあるシリカは、上記効果が大きい。
(5)シリカと共にシランカップリング剤を配合することにより、ゴム組成物中のシリカの分散性が向上し、上記(4)の効果がさらに大きくなる。
[防振ゴム]
本発明の防振ゴムは、前述した本発明の防振ゴム組成物の加硫物からなるものであって、本発明の防振ゴム組成物を所定形状に成形加工後、通常140〜180℃程度、好ましくは150〜170℃の温度で加硫処理することにより、製造することができる。
本発明の防振ゴムは、破壊特性、低動倍率、耐オゾン性、電気絶縁性及び金属との加硫接着性のいずれも良好であるものにすることができ、これらの性能が要求される用途、例えば鉄道車輌用、特に鉄道車輌用ブッシュに好適に用いられる。
上記鉄道車輌用ブッシュは、近くに配置されているモーターから発生するオゾンの影響を受けるため耐オゾン性を有することが必要であり、また、電気絶縁性でないと、電食を引き起こす問題が生じる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、各例で得られたゴム組成物の加工性及び金属との加硫接着性を評価すると共に、加硫ゴムの諸特性を求めた。
<ゴム組成物の加工性、金属との加硫接着性>
(1)加工性
下記の方法によりミル収縮を求め、加工性を評価した。
未加硫ゴムをロールにてシート化し、収縮具合、表面肌、エッジ切れを目視にて評価した。これら評価項目に対して問題ないものを○で評価し、収縮が大きい、表面肌が悪い、又はエッジ切れを起こす場合には×とした。
(2)金属との加硫接着性
加硫接着は、油圧プレスにて160℃で10分間行い、加硫接着性の評価は、JIS K 6256の金属片とゴムの90度剥離試験に基づき実施し、下記の判定基準に従って評価した。(N=3)
○:剥離試験の際にゴムが破壊される。
×:ゴムと接着剤の界面で剥離が生じる。
なお、金属片は鋼材を使用した。
<加硫ゴムの諸特性>
ゴム組成物を160℃で10分間加硫処理したのち、下記試験方法により評価を行った。
(3)常態物性
ゴム硬度Hs:JIS K 6253(タイプA)に準拠して測定した。
破断伸びEb:JIS K 6251に準拠して測定した。
破断強度Tb:JIS K 6251に準拠して測定した。
(4)動特性
静バネ定数Es:JIS K 6385(引張方法)に準拠して測定した。
動倍率Ed(15Hz、0.2%)/Es:JIS K 6385(引張方法)に準拠して測定した。動倍率Ed(15Hz、0.2%)/Esが2以下を合格とした。
(5)耐オゾン性
JIS K 6259に準拠し、オゾン濃度50pphm、40℃、0〜20%伸張条件下で動的オゾン劣化試験を24時間及び100時間行い、耐オゾン性を評価した。評価は中央部に亀裂が生じるか否かで判定した。
(6)絶縁抵抗
加硫ゴムシートに1000Vの直流電圧を印加し、電気抵抗(MΩ)を測定した。
実施例1〜4及び比較例1〜5
表1に示す配合割合の各成分を、混練りして、9種のゴム組成物を調製した。
この9種のゴム組成物について、加工性及び金属との加硫接着性を評価すると共に、加硫ゴムの諸特性を求めた。
その結果を表1に示す。
Figure 2009024045
[注]
1)キサントゲン変性CR:電気化学工業(株)製「DCR−66」
2)天然ゴム:「RSS#1」
3)EPDM:エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体、住友化学(株)製「エスプレン586」
4)カーボンブラック(N550):FEF;ヨウ素吸着量=43g/kg、DBP吸油量=121ml/100g、N2SA(窒素吸着比表面積)=42m2/g、旭カーボン(株)製「旭#65」
5)シリカ:東ソー・シリカ(株)製「ニップシールVN3」、BET比表面積175m2/g
6)シランカップリング剤;DEGUSSA社製「Si69」
7)プロセスオイル;パラフィン系オイル
8)ワックス;Rhein Chemie社製「Antilux654」
9)老化防止剤I:精工化学(株)製「ノンフレックスRD」
10)老化防止剤II:精工化学(株)製「オゾノン6C」
11)加硫促進剤I:三新化学工業(株)製「サンセラーCZ」
12)加硫促進剤II:三新化学工業(株)製「サンセラーTT」
Figure 2009024045
表1から下記のことが分かる。
ゴム成分として、天然ゴムのみを用いた比較例1では、加硫ゴムは良好な常態物性及び低動倍率を有するものの、耐オゾン性が悪い。ゴム成分として、キサントゲン変性CRのみを用い、かつカーボンブラックを10体積%より多く含有する比較例4では、ゴム組成物の加工性及び金属との加硫接着性が悪い上、加硫ゴムの破断強度が低く、絶縁性も悪い。ゴム成分として、天然ゴムとEPDMの組合わせを用い、かつカーボンブラックを10体積%より多く含有する比較例5では、加硫ゴムは、破断強度が低く、かつ動倍率が高い上、絶縁性が悪い。
ゴム成分として、天然ゴムとキサントゲン変性CRとの組合わせを用い、かつその中のキサントゲン変性CRの含有量が35質量%未満である比較例2では、良好な常態物性及び低動倍率を有するものの、耐オゾン性が悪い。また、カーボンブラックを10体積%より多く含有する比較例3では、良好な常態物性、低動倍率及び耐オゾン性を有するものの、絶縁性が悪い。
これに対し、本発明のゴム組成物である実施例1〜4は、いずれも加工性及び金属との加硫接着性が良好である上、加硫ゴムの常態物性、動倍率、耐オゾン性及び絶縁性が良好である。
本発明の防振ゴム組成物は、加工性及び金属との加硫接着性が良好であると共に、破壊特性及び低動倍率を損なわずに耐オゾン性、電気絶縁性を向上させた防振ゴムを与える。この防振ゴムは、鉄道車輌用、特に鉄道車輌用ブッシュに好適に用いられる。

Claims (9)

  1. ジエン系ゴムとキサントゲン変性クロロプレン系ゴムとの質量比15:85〜65:35の組合わせからなるゴム成分と、カーボンブラック10体積%以下を含むことを特徴とする防振ゴム組成物。
  2. 前記ジエン系ゴムが天然ゴムである請求項1に記載の防振ゴム組成物。
  3. 前記カーボンブラックが、ヨウ素吸着量10〜70g/kg及びDBP吸油量30〜180ml/100gのものである請求項1又は2に記載の防振ゴム組成物。
  4. さらに、シリカを含む請求項1〜3のいずれかに記載の防振ゴム組成物。
  5. 前記シリカが、BET比表面積70〜230m2/gのものである請求項4に記載の防振ゴム組成物。
  6. カーボンブラックとシリカとの合計含有量が、ゴム成分100質量部に対して、10〜80質量部である請求項4又は5に記載の防振ゴム組成物。
  7. さらに、シランカップリング剤を、シリカに対して1〜10質量%の割合で含む請求項4〜6のいずれかに記載の防振ゴム組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の防振ゴム組成物の加硫物からなる防振ゴム。
  9. 鉄道車輌に用いられる請求項8に記載の防振ゴム。
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