JP2009030037A - 防振ゴム組成物および防振部材 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、動特性や破断強度、破断伸び等の優れた物性を保持しつつ、耐熱性、耐久性を向上せしめることのできる防振ゴム用組成物およびその架橋物を用いた防振部材に関するものである。
従来、自動車や各種車両には振動の吸収や騒音の低減等といった目的のため、トーショナルダンパーやエンジンマウント、マフラーハンガー等の防振ゴム製の部品が用いられている。特に自動車用途で用いられる防振ゴム部品には、従来求められていた動特性や耐久性といった基本的な特性のほか、自動車の高出力化、高速化などに伴うエンジンルーム内の従来以上の高温度雰囲気下に耐え得る耐熱性が要求されている。
一般に防振ゴム用ゴム組成物のゴム成分としては、低動倍率や耐疲労性の観点から天然ゴムまたは天然ゴムとジエン系合成ゴムとのブレンドが広く用いられている。低動倍化については、特定のカーボンブラックを使用する(特許文献1参照)といった試みが為されているが、この場合にあっては加硫ゴムの破断強度や破断伸び等の特性低下の問題がある。
一方、ゴムの補強材としてはカーボンブラックに匹敵する補強性があるものにシリカが知られている。シリカの使用では一般にシランカップリング剤を併用した例が知られている。シランカップリング剤は、シリカ表面のシラノールと反応することによりシリカ同士の相互作用を低減し、ゴムの損失正接や動的弾性率が小さくなることが知られている。(非特許文献1参照)
シリカを補強材とした防振ゴム組成物としては、BET比表面積を規定したシリカを使用する(特許文献2参照)といった試みが為されているが、この場合にあってはカーボンブラックを補強材とした場合と比較すると、耐久性は若干向上しているが十分とは言えない。
シリカを補強材とした防振ゴム組成物としては、BET比表面積を規定したシリカを使用する(特許文献2参照)といった試みが為されているが、この場合にあってはカーボンブラックを補強材とした場合と比較すると、耐久性は若干向上しているが十分とは言えない。
また本出願人はシランカップリング剤処理したシリカをゴム中に配合する低動倍防振ゴム組成物を出願したが(特願2007−146937)、この場合にあっては低動倍性と硬度依存性の改良が為されているものの耐熱性に関しては考慮されていない。
特開平3-227343号公報
特開平11-193338号公報
日本ゴム協会誌、第78巻、第6号、2005年 p237
本発明はかかる事情を背景として為されたものであり、その解決課題とするところは、動特性や破断強度、破断伸び等の優れた物性を保持しつつ、耐熱性、耐久性を向上せしめることのできる防振ゴム用組成物およびその架橋物を用いた防振部材を提供することにある。
本発明による耐熱性防振ゴム用組成物は、ゴム成分100重量部に対しシランカップリング剤処理したシリカ5〜60重量部と、下記一般式[I]および/または一般式[II]で表されるチウラム系化合物0.5〜10重量部を含有することを特徴とするものである。
(式中、R1、R2、R3およびR4は、同一または異なり、炭素数1〜12の直鎖または分岐鎖の炭化水素基、または芳香環を含む炭素数7〜12の直鎖または分岐鎖の炭化水素基でかつこれらの少なくとも1つは炭素数2〜12の直鎖または分岐鎖の炭化水素基であり、nは1〜8の整数である。)
(式中、R5およびR6は、同一または異なり、炭素数1〜12の直鎖または分岐鎖の炭化水素基でかつこれらの少なくとも1つは炭素数2〜12の直鎖または分岐鎖の炭化水素基であり、nは1〜8の整数である。)
(式中、R7は炭素数1〜18の一価の炭化水素基であり、R8は炭素数1〜9の二価の炭化水素基、xは2〜6、Yは0〜2の整数である。)
本発明に好適に用いられるゴム成分は、天然ゴム、イソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、エチレンプロピレンターポリマー、ブチルゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、エポキシ化天然ゴムおよび末端変性スチレンブタジエンゴムからなる群から選ばれる少なくとも1種である。
本発明は、また、上記防振ゴム組成物と金属片との加硫接着体からなる防振部材を提供する。
本発明によれば、動特性や破断強度、破断伸び等の優れた物性を保持しつつ、耐熱性、耐久性を向上せしめることのできる防振ゴム用組成物およびその架橋物を用いた防振部材を提供することができる。
本発明に用いられるゴム成分は、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、エチレンプロピレンターポリマー、ブチルゴム、アクリロニトリルブタジエンゴムなどの硫黄架橋可能なゴムであることが好ましく、これらの2つ以上を組み合わせたゴムブレンドであってもよい。またゴム成分は、エポキシ化天然ゴムや末端変性スチレンブタジエンゴムといった、化学変性されたゴムであってもよい。
本発明に特に好ましく用いられるゴム成分は、耐久性や動倍率の観点から、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴムのうち2種類以上を組み合わせたブレンドゴムであり、これら3種類を組み合わせたブレンドゴムがさらに好ましい。
(式中、R1、R2、R3およびR4は、同一または異なり、炭素数1〜12、好ましくは1〜10の直鎖または分岐鎖の炭化水素基、または芳香環を含む炭素数7〜12、好ましくは7〜10の直鎖または分岐鎖の炭化水素基でかつこれらのうち少なくとも1つは炭素数2〜12、好ましくは2〜10の直鎖または分岐鎖の炭化水素基であり、nは1〜8、好ましくは2〜6の整数である。)
(式中、R5およびR6は、同一または異なり、炭素数1〜12、好ましくは1〜10の直鎖または分岐鎖の炭化水素基でかつこれらの少なくとも1つは炭素数2〜12、好ましくは2〜10の直鎖または分岐鎖の炭化水素基であり、nは1〜8、好ましくは2〜6の整数である。)
一般式[I]のチウラム系化合物の例としてはテトラエチルチウラムジスルフィド(TETD)、テトラブチルチウラムジスルフィド(TBTD)、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド、テトラベンジルチウラムジスルフィド(TBZTD)などが挙げられる。一般式[II]のチウラム系化合物の例としてはジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド(DPTT)などが挙げられる。ただし、本発明で用いられるチウラム系化合物はこれらに限定されるものではなく、またこれらは単独または混合して使用することもできる。さらにこれらの化合物をシリカやタルクといった担体に担持させたものを使用してもよく、担持型のものの具体例にはノクセラーTBT−N(大内新興化学工業社製)などが挙げられる。特にテトラブチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィドが好ましく、これら2種類を併用したものが特に好ましい。
本発明におけるゴム組成物において、前記一般式[I]および/または一般式[II]で表されるチウラム系化合物は、ゴム100重量部に対して0.5〜10重量部使用の割合で配合することが好ましい。該配合量が0.5重量部未満であると弾性率が低く、防振ゴムとして不適である。また10重量部を超えた配合量でもそれ以上の効果は得られない。該チウラム化合物の配合量は1.0〜8.0重量部がより好ましく、2.0〜7.0重量部がより好ましい。
本発明に用いられるシリカに特に制限は無いが、好適に用いられるシリカは、BET比表面積が20〜150m2/gであり、かつ見掛粒子径が80μm以下の湿式シリカである。このような湿式シリカとしては、例えばトクシールGU、233(以上、トクヤマ社製)ニプシールER、E743(以上、東ソーシリカ社製)ハイシール233、532EP(以上、PPGジャパン社製)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。特に好ましいシリカは、BET比表面積が35〜120m2/gであり、見掛けの平均粒子径が20μm以下のシリカである。BET比表面積が小さすぎると補強性が悪く、大きすぎると動倍率が大きくなり好ましくない。見掛けの平均粒子径が大きすぎるとやはり動倍率が大きくなり好ましくない。
(式中、R7は炭素数1〜18の一価の炭化水素基であり、R8は炭素数1〜9の二価の炭化水素基、xは2〜6、Yは0〜2の整数である。)
具体的には、「カブラス2A」、「カブラス2B」、「カブラス4」(以上、ダイソー社製)、「Si75」、「Si69」(デグサ社製)、「A−1289」(GEシリコーン社製)、「KBE−846」(信越化学社製)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらは単独または混合して使用することもできる。特にビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド(略称TESPD)、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(略称TESPT)が好ましい。
シリカ表面のシラノールをシランカップリング剤で効果的に処理するためには、シリカ粒子の凝集が少ない方が効率的である。従って、シリカの見掛粒子径は80μm以下、特に30μm以下であることが好ましい。また、シリカをシランカップリング剤で処理する方法としては特に制限はなく、公知の乾式処理または湿式処理を適宜処理方法として用いることができる。
シランカップリング剤処理シリカをゴム成分100重量部に対し5〜60重量部配合する。シランカップリング剤処理シリカの配合量が少なすぎると補強性が悪く、多すぎると物性バランスが悪くなり、硬度が大きくなりすぎる。
本発明によるゴム組成物には、本発明の趣旨を逸脱しない限り、通常ゴム工業で用いられる添加剤を配合することができる。例えば、硫黄、パーオキサイド等の加硫剤を使用でき、この場合、適当な加硫促進剤を併用してもよい。その他に加工助剤、老化防止剤、充填剤、補強剤、可塑剤等を使用することもできる。
本発明によるゴム組成物は、均一化のために通常混練に付される。該目的が達成される限り混練温度に特に制限はないが、好ましくは10℃〜180℃、より好ましくは30℃〜150℃で混練してよい。混練時間は特に制限はないが、例えば1分〜1時間である。
上記ゴム組成物の混練は、通常ゴム工業にて使用されるロール、加圧ニーダー、インターミキサー、バンバリーミキサーなどの混練機を用いて行われ、その混練時において必要な添加剤、加硫剤、加硫促進剤などを配合することができる。
このように調製された未加硫ゴム組成物の混練物は、押出成形機、カレンダーロールまたはプレスにより意図する形状に成形し、加熱加硫される。加硫温度や加硫時間には特に制限はないが、好ましくは100℃〜230℃で1分〜3時間加熱して加硫ゴム組成物を得る。また、加硫の際には金型を用いても良い。
本発明による防振部材は上記未加硫組成物と金属片との加硫接着体からなるものである。加硫温度や加硫時間といった加硫条件は前記に記載した条件であってよい。ここで、使用される金属片の材質には特に制限はない。一般的には鋼鉄、ステンレススチール、亜鉛、銅、真鍮、アルミニウムや、更にこれらの合金が使用される。
次に、本発明を実施例および比較例によりさらに詳細に説明する。但し、本発明はその要旨を逸脱しない限り以下の実施例に何ら限定されるものではない。
なお、実施例、比較例におけるゴムの性能評価は下記の項目について行った。
a)引張り試験
加硫シートから3号形ダンベル試験片を打ち抜き、ORIENTEC社製「TENSILON RTA−500」を用いて、JIS K6301に準拠して引張り試験を行った。
加硫シートから3号形ダンベル試験片を打ち抜き、ORIENTEC社製「TENSILON RTA−500」を用いて、JIS K6301に準拠して引張り試験を行った。
b)耐熱試験
JIS K6257に準拠して、130℃で200時間行った。
JIS K6257に準拠して、130℃で200時間行った。
c)ばね定数測定試験1
図1に示すような一文字型マウントからなる試験片を作成し、IMV製Elastomer Test System ETS−1000を用いてばね定数を測定し、得られた測定値から動倍率を算出した。図1中、(1)は大筒部(1a)とその直径に設けられた一文字部(1b)とからなるゴム片、(2)は一文字部(1b)の長さ中央すなわちゴム片(1)の中心に設けられた小筒状の金属片である。一文字部(1b)の長さは80mm、幅は20mm、厚みは35mmであり、金属片(2)の外径は17mmである。この試験片を用いて、大筒部(1a)を固定し、金属片(2)を軸方向に振動させ、金属片(2)を含む一文字部(1b)のばね定数を測定した。
図1に示すような一文字型マウントからなる試験片を作成し、IMV製Elastomer Test System ETS−1000を用いてばね定数を測定し、得られた測定値から動倍率を算出した。図1中、(1)は大筒部(1a)とその直径に設けられた一文字部(1b)とからなるゴム片、(2)は一文字部(1b)の長さ中央すなわちゴム片(1)の中心に設けられた小筒状の金属片である。一文字部(1b)の長さは80mm、幅は20mm、厚みは35mmであり、金属片(2)の外径は17mmである。この試験片を用いて、大筒部(1a)を固定し、金属片(2)を軸方向に振動させ、金属片(2)を含む一文字部(1b)のばね定数を測定した。
動ばね定数は初期圧縮1.5mm、振幅±0.05mm、加振周波数100Hz、静ばね定数は圧縮区間0〜5mm(予備圧縮)、計算区間1.0〜2.0mm、0.17mm/秒で測定して動倍率(動ばね定数/静ばね定数)を算出した。
d)耐久性試験1
上述したように図1に示す一文字型マウントからなる試験片を作成し、鷺宮製作所製三連熱間耐久試験機を用いて耐久性を測定した。この試験片を用いて、大筒部(1a)を固定し、金属片(2)を軸方向に±14mm、5Hzで70℃の雰囲気下にて振動させ、振動回数から、金属片(2)を含む一文字部(1b)の耐久性を評価した。
上述したように図1に示す一文字型マウントからなる試験片を作成し、鷺宮製作所製三連熱間耐久試験機を用いて耐久性を測定した。この試験片を用いて、大筒部(1a)を固定し、金属片(2)を軸方向に±14mm、5Hzで70℃の雰囲気下にて振動させ、振動回数から、金属片(2)を含む一文字部(1b)の耐久性を評価した。
f)ばね定数測定試験2
図2に示すような試験片を作成し、IMV製Elastomer Test System ETS−1000を用いてばね定数を測定し、得られた測定値から動倍率を算出した。
図2中、(11)は、片側に上下一対の垂直脚部(11c)(11d)を有する大筒部(11a)と、大筒部(11a)の両側に渡って設けられた屈曲部(11b)とからなるゴムの試験片である。屈曲部(11b)は120度の角度で「く」の字状に屈曲している。(12)は屈曲部(11b)の長さ中央に設けられた小筒状の金属片である。屈曲部(11b)の各部位の長さは、金属片(12)の外周から大筒部(11a)の内周までの距離(21)が25mm、屈曲部(11b)の頂点から大筒部(11a)の内周までの距離(22)が48mm、金属片(12)の外周から屈曲部(11b)の頂点までの距離(23)が8mm、屈曲部(11b)御幅は15mm、厚みは30mmである。大筒部(11a)の内周の長径は75mm、内周の短径は65mmであり、金属片(12)の外径は26mmである。この試験片(11)の脚部(11c)(11d)を、垂直に対し15度の角度(24)で傾斜する支持金具(3)に固定し、金属片(12)を軸方向に振動させ、金属片(12)を含む屈曲部(11b)のばね定数を測定した。
図2に示すような試験片を作成し、IMV製Elastomer Test System ETS−1000を用いてばね定数を測定し、得られた測定値から動倍率を算出した。
図2中、(11)は、片側に上下一対の垂直脚部(11c)(11d)を有する大筒部(11a)と、大筒部(11a)の両側に渡って設けられた屈曲部(11b)とからなるゴムの試験片である。屈曲部(11b)は120度の角度で「く」の字状に屈曲している。(12)は屈曲部(11b)の長さ中央に設けられた小筒状の金属片である。屈曲部(11b)の各部位の長さは、金属片(12)の外周から大筒部(11a)の内周までの距離(21)が25mm、屈曲部(11b)の頂点から大筒部(11a)の内周までの距離(22)が48mm、金属片(12)の外周から屈曲部(11b)の頂点までの距離(23)が8mm、屈曲部(11b)御幅は15mm、厚みは30mmである。大筒部(11a)の内周の長径は75mm、内周の短径は65mmであり、金属片(12)の外径は26mmである。この試験片(11)の脚部(11c)(11d)を、垂直に対し15度の角度(24)で傾斜する支持金具(3)に固定し、金属片(12)を軸方向に振動させ、金属片(12)を含む屈曲部(11b)のばね定数を測定した。
動ばね定数は初期圧縮1.5mm、振幅±0.05mm、加振周波数100Hz、静ばね定数は圧縮区間0〜5mm(予備圧縮)、計算区間1.0〜2.0mm、0.17mm/秒で測定し、その測定値から動倍率(動ばね定数/静ばね定数)を算出した。
g)耐久性試験2
上述したように図2に示す試験片を作成し、鷺宮製作所製三連熱間耐久試験機を用いて耐久性を測定した。この試験片を用いて、足付き大筒部(1a)を固定し、金属片(2)を17゜傾斜方向に+11〜−7mm、5Hzで70℃の雰囲気下にて振動させ、振動回数から、金属片(2)を含むゴム部(1b)の耐久性を評価した。
上述したように図2に示す試験片を作成し、鷺宮製作所製三連熱間耐久試験機を用いて耐久性を測定した。この試験片を用いて、足付き大筒部(1a)を固定し、金属片(2)を17゜傾斜方向に+11〜−7mm、5Hzで70℃の雰囲気下にて振動させ、振動回数から、金属片(2)を含むゴム部(1b)の耐久性を評価した。
シランカップリング剤処理シリカの製造
シリカ1.1kgを紙袋に入れ、120℃に調整したオーブン内に15時間置いた。これをオーブンから取出して40−60℃に冷却した後、ポリエチレン製袋中に1kgを量り取り、これにステアリン酸3.8gを添加して充分に混合した後、ここへTESPTを150g混合した。こうして調製したシランカップリング剤処理シリカをポリエチレン袋に入れ、更に内面にポリエチレンをコートしたアルミニウム袋に入れ、使用時まで密封した。
シリカ1.1kgを紙袋に入れ、120℃に調整したオーブン内に15時間置いた。これをオーブンから取出して40−60℃に冷却した後、ポリエチレン製袋中に1kgを量り取り、これにステアリン酸3.8gを添加して充分に混合した後、ここへTESPTを150g混合した。こうして調製したシランカップリング剤処理シリカをポリエチレン袋に入れ、更に内面にポリエチレンをコートしたアルミニウム袋に入れ、使用時まで密封した。
試験1
下記表1に示す配合により2本ロールにて80℃で混練操作を行い(但し比較例3と比較例4については混練後、混練物を100℃に昇温しTESPTを加え、計6分間混練した。)、得られた混練物を冷却した後、これらに表2に示す成分を添加し、さらに全体を2本ロールにて混練し、実施例1および比較例1〜5のゴム配合組成物を得た。なお、実施例1および比較例2,4のTBTDについては、比較例1,3,5のTMTDと同じモル数となるよう配合量を調整した。
下記表1に示す配合により2本ロールにて80℃で混練操作を行い(但し比較例3と比較例4については混練後、混練物を100℃に昇温しTESPTを加え、計6分間混練した。)、得られた混練物を冷却した後、これらに表2に示す成分を添加し、さらに全体を2本ロールにて混練し、実施例1および比較例1〜5のゴム配合組成物を得た。なお、実施例1および比較例2,4のTBTDについては、比較例1,3,5のTMTDと同じモル数となるよう配合量を調整した。
得られたゴム配合組成物を160℃ で10分間プレスして厚み2mmの加硫シートを得た。この加硫シートについて、上述した試験方法でa)引張り試験およびb)耐熱試験を行った。これらの結果を表3および表4に示す。
表3、表4に示す比較例1と2、比較例3と4、比較例5と実施例1は、それぞれ同一充填剤配合系においてチウラム系化合物のみ異なる種類としたものである。比較例1,3,5と比較例2,4、実施例1をそれぞれ比較すると、同一充填剤系の配合同士でチウラム化合物のアルキル鎖が長くなることにより、常態物性を保持したまま、耐熱性を向上せしめることができるが、一般にゴム弾性を維持していると言われる耐熱試験後の伸びが100%以上となるものは本発明による組成物である実施例1のみである。
試験2
下記表5に示す配合により2本ロールにて80℃で混練操作を行い、得られた混練物を冷却した後、これらに表6に示す成分を添加し、さらに全体を2本ロールにて混練し、実施例2〜5および比較例6のゴム配合組成物を得た。なお、実施例2のTBTD、実施例3のTETDについては、比較例6のTMTDと同じモル数となるよう配合量を調整した。
下記表5に示す配合により2本ロールにて80℃で混練操作を行い、得られた混練物を冷却した後、これらに表6に示す成分を添加し、さらに全体を2本ロールにて混練し、実施例2〜5および比較例6のゴム配合組成物を得た。なお、実施例2のTBTD、実施例3のTETDについては、比較例6のTMTDと同じモル数となるよう配合量を調整した。
得られたゴム配合組成物を160℃ で10分間プレスして厚み2mmの加硫シートを得た。この加硫シートについて、上述した試験方法でa)引張り試験およびb)耐熱試験を行った。
これらの結果を表7および表8に示す。
これらの結果を表7および表8に示す。
表7、表8に示す結果より、本発明の組成物は常態伸び、破断強度などの特性を保持しつつ、耐熱性を向上できることが示されている。
試験3
下記表9に示す配合により、バンバリーミキサーにて混練操作を行い、得られた混練物を冷却した後、これらに表10に示す成分を添加し、さらに全体を2本ロールにて混練し、実施例6および比較例7のゴム配合組成物を得た。
下記表9に示す配合により、バンバリーミキサーにて混練操作を行い、得られた混練物を冷却した後、これらに表10に示す成分を添加し、さらに全体を2本ロールにて混練し、実施例6および比較例7のゴム配合組成物を得た。
得られたゴム配合組成物を160℃ で7分間プレスして厚み2mmの加硫シートを得た。この加硫シートについて、上述した試験方法でa)引張り試験およびb)耐熱試験を行った。これらの結果を表11および表12に示す。
また、得られたゴム配合組成物を金属片に160℃ で12分間プレスして加硫接着させ、図1に示す防振部材のばね定数試験兼耐久性試験片を得た。この試験片について、上述した試験方法でc)ばね定数測定試験1およびd)耐久性試験1を行った。これらの結果を表13および表14に示す。
表11〜表14に示す結果より、本発明の組成物は常態伸び、破断強度、などの特性を保持しつつ、耐熱性、耐久性を向上できることが示されている。
試験4
下記表15に示す配合により、インターミックスミキサーにて混練操作を行い、得られた混練物を冷却した後、これらに表16に示す成分を添加し、さらに全体を2本ロールにて混練し、実施例7、8および比較例8のゴム配合組成物を得た。
下記表15に示す配合により、インターミックスミキサーにて混練操作を行い、得られた混練物を冷却した後、これらに表16に示す成分を添加し、さらに全体を2本ロールにて混練し、実施例7、8および比較例8のゴム配合組成物を得た。
得られたゴム配合組成物を160℃ で10分間プレスして厚み2mmの加硫シートを得た。この加硫シートについて、上述した試験方法でa)引張り試験およびb)耐熱試験を行った。これらの結果を表17および表18に示す。
また、得られたゴム配合組成物を80℃に予熱し、マツダ製縦型インジェクション成型機100にて金属片に160℃ で6分間プレスして加硫接着させ、図2に示す防振部材のばね定数試験兼耐久性試験片を得た。この試験片について、上述した試験方法でf)ばね定数測定試験2およびg)耐久性試験2を行い、前者の測定値から動倍率を算出した。これらの結果を表19および表20に示す。
TMTD:テトラメチルチウラムジスルフィド、大内新興化学工業社製
TBTD:テトラブチルチウラムジスルフィド、大内新興化学工業社製
DPTT:ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、大内新興化学工業社製
TBTD:テトラブチルチウラムジスルフィド、大内新興化学工業社製
DPTT:ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、大内新興化学工業社製
表11〜表20に示す結果より、本発明の組成物は常態伸び、破断強度などの特性を保持しつつ、耐熱性、耐久性を向上できることが示されている。
本発明の防振ゴム組成物は主に防振ゴム分野において、有効に利用することができる。
Claims (4)
- ゴム成分100重量部に対しシランカップリング剤処理したシリカ5〜60重量部と、下記一般式[I]および/または一般式[II]で表されるチウラム系化合物0.5〜10重量部を含有することを特徴とする防振ゴム組成物。
- ゴム成分が天然ゴム、イソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、エチレンプロピレンターポリマー、ブチルゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、エポキシ化天然ゴムおよび末端変性スチレンブタジエンゴムからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1または2に記載の防振ゴム組成物。
- 請求項1、2または3に記載の防振ゴム組成物と金属片との加硫接着体からなることを特徴とする防振部材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008168304A JP2009030037A (ja) | 2007-06-29 | 2008-06-27 | 防振ゴム組成物および防振部材 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007171954 | 2007-06-29 | ||
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