JP4117136B2 - ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents

ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤに関する。さらに詳しくは、本発明は、シリカの分散性を高めたゴム組成物であって、低発熱性(低燃費性),破壊特性,耐摩耗性及び加工性などに優れたゴム組成物、及びこのゴム組成物を用いた空気入りタイヤに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車の安全性への関心の高まりに伴い、低燃費性能のみならず、湿潤路面での性能(以下ウェット性能という)、特に、制動性能についても要求が高まってきた。このため、タイヤトレッドのゴム組成物に対する性能要求は、単なる転がり抵抗の低減に止まらず、ウェット性能と低燃費性能を高度に両立するものが必要とされている。
このような、良好な低燃費性と良好なウェット性能とを同時にタイヤに与えるゴム組成物を得る方法として、補強用充填材として、これまで一般的に用いられてきたカーボンブラックに変えてシリカを用いる方法がすでに行われている。
しかしながら、シリカは、その表面官能基であるシラノール基の水素結合により粒子同士が凝集する傾向にあり、ゴム中へのシリカ粒子の分散を良くするために混練時間を長くする必要がある。
【0003】
また、従来より、ゴム組成物に使用する充填材の分散性を高めるために、特に有機リチウム化合物を用いたアニオン重合で得られるジエン系変性重合体の重合活性末端を充填材と相互作用を持つ官能基にて修飾する方法が、最も一般的になりつつある。しかし、この場合、重合体末端官能基とシリカとの強い相互作用により、シリカ粒子の分散が不十分となり、このため、ゴム組成物のムーニー粘度が高くなり、押し出しなどの加工性に劣ると共に、破壊特性,耐摩耗性には劣るなどの欠点を有していた。
これらの欠点を改良するために、シランカップリング剤が開発されたが、依然として、シリカの分散は十分なレベルに達しておらず、特に、工業的に良好なシリカ分散を得ることは困難であった。
また、特開平5−51484号公報には、シリカの分散性を改良するために、シリル化剤を配合することが開示されているが、混練中という短い時間でシリカとシリル化剤を反応させなければならないため、反応効率が十分ではなく、さらに、これらシリル化剤は沸点が低く、混練中に揮発し、反応が十分行われないという欠点を有していた。
【0004】
さらに、特公昭63−2886号公報及び特開平6−157825号公報には、疎水性沈降ケイ酸を用いることが開示されているが、完全疎水化処理をした沈降ケイ酸を用いているため、シランカップリング剤が反応する表面シラノール基が存在しなくなり、その結果、ゴムの補強が十分にとれず、破壊特性,耐摩耗性を向上させることは困難であった。
また、特開平8−245838号公報には、部分疎水化したシリカを天然ゴムおよび/またはジエン系合成ゴムに配合することが開示されているが、この場合にも、未だ更なるシリカ分散とゴム組成物の破壊特性,耐摩耗性の双方を向上させることは困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような状況下で、補強用充填剤としてシリカを用いたゴム組成物であって、ゴムへのシリカ分散性を高めると共に、破壊特性,耐摩耗性及び加工性などに優れた低発熱性(低燃費性)ゴム組成物、及びこのゴム組成物を用いた空気入りタイヤを提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するために、鋭意研究を重ねた結果、不飽和ニトリル単量体を含む特定のジエン系ゴムに、部分疎水化シリカを配合することが有効なことを知見した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、(a)エチレン性不飽和ニトリル単量体単位と、(b)芳香族ビニル単量体単位と、(c)共役ジエン単量体単位とを有し、かつ上記(a),(b)及び(c)単位の合計量に基づき、(a)単位5〜45重量%を含有する共役ジエン系共重合体ゴムを含むゴム成分と、(B)有機珪素化合物によって表面処理されたシリカであって、次式
A=100−〔(DBA吸着量x)/(DBA吸着量y )〕×100
〔式中、DBA吸着量xは、表面処理後のシリカのジノルマルブチルアミン吸着量であり、DBA 吸着量yは、表面処理前のシリカのジノルマルブチルアミン吸着量である。〕
で示される疎水化率Aが15≦A≦70の範囲にある部分疎水化シリカとを含むことを特徴とするゴム組成物を提供するものである。
また、本発明は、前記ゴム組成物を用いたことを特徴とする空気入りタイヤをも提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明のゴム組成物においては、(A)成分として、以下に示す共役ジエン共重合体ゴムを含むゴム成分が用いられる。
当該共役ジエン共重合体ゴムは、(a)エチレン性不飽和ニトリル単量体単位と、(b)芳香族ビニル単量体単位と、(c)共役ジエン単量体単位とを有するものであり、(a)単位は、上記(a),(b)及び(c)単位の合計量に基づき、5〜45重量%を含有することが必要である。(a)単位であるエチレン性不飽和ニトリル単位の含有量が5重量%未満ではシリカ分散性が不良となり、破壊特性,耐摩耗性,低発熱性が十分に向上しない場合がある。一方、この含有量が45重量%を越えると共役ジエン共重合体ゴムのガラス転移点(Tg)が高くなりすぎ、ゴム弾性体としての性質が失われる。このエチレン性不飽和ニトリル単位の好ましい含有量は、8〜35重量%であり、特に9〜20重量%が好ましい。
ここで、単量体(a)としては、アクリロニトリル及びメタクリロニトリル等が挙げられるが、これらのうち、アクリロニトリルが好ましい。これらの単量体(a)は1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用することもできる。
【0008】
(b)単位である芳香族ビニル単量体単位の含有量としては、10〜50重量%を含有することが好ましい。この含有量が10重量%未満では得られる加硫ゴムの耐摩耗性が不十分となるおそれがあり、一方、50重量%を超えると得られる加硫ゴムの反発弾性が小さくなり、tanδが大きくなりやすい。
この芳香族ビニル単量体単位の好ましい含有量は15〜40重量%である。
単量体(b)としては、スチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、4−tert−ブチルスチレン及びtert−ブトキシスチレン等が挙げられるが、これらのうち、スチレンが特に好ましい。これらの単量体(b)は1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用することもできる。
単量体(c)としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、及びクロロプレンなどが挙げられるが、これらのうち、1,3−ブタジエン、イソプレンが特に好ましい。これらの単量体(c)は1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用することもできる。
【0009】
共役ジエン系共重合体ゴムにおける繰り返し単位において、単量体(c)からなる単量体単位の含有量は20〜81重量%が好ましく、さらに好ましくは50〜80重量%である。単量体(c)からなる単量体単位の含有量が20重量%未満であると、得られる加硫ゴムの反発弾性が小さくなり、tanδが大きくなることがある。
前記共役ジエン系共重合体ゴムは、必要に応じて、単量体(a)、(b)及び(c)の他、各種のエステル系単量体が共重合したものとすることができる。
このエステル系単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、iso−プロピル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類、及び酢酸ビニル等のビニルエステル類が挙げられる。これらのエステル系単量体からなる単量体単位の含有量は、共役ジエン系共重合体ゴムの特性を損なわない範囲の量比とすることができるが、単量体単位全量に対して20重量%以下とすることが好ましい。
本発明の共役ジエン系共重合体ゴムとしては、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体などが好ましく挙げられる。また、該共重合体ゴムはランダム共重合体のものが好ましい。
【0010】
また、共役ジエン系共重合体ゴムは、ガラス転移点が−60℃〜0℃であり、かつムーニ一粘度〔ML1+4(100℃)〕が20〜200のものが好ましい。
上記「ガラス転移点」は、用いる単量体の組成比によって変化するが、ASTM D3418−82(Reapproved 1988)に準じて示差走査熱量計(DSC)により測定した場合に、−60〜0℃であり、−50〜―10℃であることが好ましい。更に、ガラス転移の外挿開始温度と外挿終了温度との差は好ましくは20℃以下であり、より好ましくは18℃以下、更に好ましくは15℃以下、特に13℃以下である。
なお、下限は通常、5℃である。この温度差が20℃を超えると、得られる加硫ゴムのウェットスキッド抵抗が低下し、tanδも大きくなり好ましくない。また、上記単量体(a)からなる単量体単位の含有量が9〜15重量%であると共に、且つガラス転移の外挿開始温度と外挿終了温度との差が13℃以下、特に10℃以下であることが好ましい。
ここで、ガラス転移の外挿開始温度及び外挿終了温度はASTM D3418−82(Reapproved 1988)に準じて示差走査熱量系(DSC)により測定した。外挿開始温度は、図1に示すDSCの昇温曲線において、低温側のベースラインを延長した直線と、低温側の変曲点P1と高温側の編曲点Phとの間のほぼ直線部分Lを延長した直線とが交わる点に対応する温度軸の読みとした。また、外挿終了温度は、図1に示すDSCの昇温曲線において、高温側のベースラインを延長した直線と、直線部分Lを延長した直線とが交わる点に対応する温度軸の読みとした。
【0011】
本発明の共役ジエン系共重合体ゴムのムーニー粘度[ML1+4(100℃)]は20〜200であることが好ましいが、さらに30〜150であることが好ましい。ムーニー粘度が20未満であると、得られる加硫ゴムの耐摩耗性が低下することがある。一方、200を超えると、この共役ジエン系共重合体ゴムを含有するゴム組成物の加工性が低下することがある。
また、共役ジエン系共重合体ゴムのGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフ)法により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量は好ましくは100000以上であり、特に好ましくは100000〜2000000である。重量平均分子量が100000未満であること、得られる加硫ゴムの耐磨耗性が低下する傾向にあり、tanδが大きくなることもある。一方、2000000を超えると、この共役ジエン系共重合体ゴムを含有するゴム組成物の加工性が低下することがある。この重量平均分子量は、重合時、ラジカル重合において一般に使用されるアルキルメルカプタンに代表される連鎖移動剤を用いることにより制御することができる。
【0012】
共役ジエン系共重合体ゴムは、水系媒体において上記単量体(a)、(b)及び(c)並びに必要に応じてエステル系単量体をラジカル重合開始剤を用いて重合させ、製造することができる。重合方法は特に制限されないが、通常、乳化重合が好ましい。乳化重合は一般的な方法であればよく、所定の単量体を乳化剤の存在下に水系媒体において乳化させ、ラジカル重合開始剤により重合を開始し、所定の重合転化率となった時点で重合停止剤により重合を停止する方法が挙げられる。
本発明において、上記単量体(a)の仕込み方が重要であり、重合系に分割して添加することが好ましい。単量体(a)の一部を重合開始前に投入し、残部を重合過程において重合系に間欠的に、あるいは連続的に添加することが好ましい。また、重合途中で測定される全単量体仕込み分の重合転化率が10〜95%、好ましくは20〜80%となった後に、単量体(a)の残部を一括して又は分割して又は連続的に添加することが好ましい。なお、単量体(a)の全量を重合開始前に重合系に投入して共重合させた場合、共重合ゴムのガラス転移の開始温度と終了温度との差が20℃を超えて大きくなる傾向にあり、好ましくない。また、重合開始前の上記単量体(a)の初期仕込み量は、使用する単量体(a)全量に対して、好ましくは20〜95重量%、より好ましくは20〜90重量%、更に好ましくは30〜85重量%である。
【0013】
乳化剤としては、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤及び両性界面活性剤が挙げられる。また、ふっ素系の界面活性剤を使用することもできる。これらの乳化剤としては、アニオン系界面活性剤が多用され、例えばカプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸等の炭素数10以上の長鎖脂肪酸のカリウム塩又はナトリウム塩等の他、ロジン酸塩等を使用することができる。
ラジカル重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、tert−ブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、パラメンタンヒドロパーオキサイド、ジーtert−ブチルヒドロパーオキサイド及びジクミルパーオキサイド等の有機過酸化物を使用することができる。また、アゾビスイソブチロニトリルにより代表されるアゾ化合物、過硫酸カリウムにより代表される無機過酸化物、及びこれら過酸化物と硫酸第一鉄との組み合わせにより代表されるレドックス系触媒等を用いることもできる。これらのラジカル重合開始剤は1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用することもできる。
【0014】
また、共役ジエン系共重合体ゴムの分子量を調節するため、連鎖移動剤として、tert−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン等のアルキルメルカプタン類、四塩化炭素、チオグリコール類、ジテルペン、ターピノーレン及びγ―テルピネン類等の連鎖移動剤を使用することもできる。
重合は酸素を除去した反応器を用いて0〜100℃で行うことができ、重合温度は0〜80度であることが特に好ましい。重合方式は連続式でもよいし、回分式であってもよく、重合温度等、あるいは攪拌等の操作条件等を反応途中で適宜変更することもできる。尚、重合転化率が高くなるとゲル化する傾向があるため、重合転化率は80%以下に抑えることが好ましい。重合は所定の重合転化率に達した時点で、重合停止剤を添加することにより停止することができる。この重合停止剤としては、ヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン等のアミン化合物、又はヒドロキノン等のキノン化合物等を用いることができる。
重合停止後、生成した共役ジエン系共重合体ゴムラテックスから、必要に応じて、水蒸気蒸留等の方法により未反応の単量体を除去した後、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム等の塩、及び必要であれば、塩酸、硝酸、硫酸等を更に添加し、共役ジエン系共重合体ゴムをクラムとして凝固させることができる。このクラムを洗浄し、脱水した後、ドライヤー等により乾燥することにより、共役ジエン系共重合体ゴムとすることができる。
【0015】
さらに、上記共役ジエン系共重合体ゴムは、伸展油を含有したものとすることができ、この場合、伸展油の含有量は、上記共役ジエン系共重合体ゴム100重量部に対して10〜60重量部、好ましくは20〜50重量部である。伸展油が10重量部未満であると、加工性が十分に向上せず、60重量部を超えると、ゴム組成物の調製時に所要の加工性等に応じて配合される伸展油の量比が制限されるため好ましくない。得られる油展ゴムのムーニー粘度〔ML1+4(100℃)〕は好ましくは20〜180、特に好ましくは30〜150である。また、伸展油としては特に限定されず、例えば芳香族系油、ナフテン系油、パラフィン系油を挙げることができる。これらの1種でもよいし、2種以上の混合物でもよい。また、これらのうち、芳香族系の伸展油が特に好ましい。
【0016】
本発明のゴム組成物においては、(A)成分のゴム成分として、前記共役ジエン系共重合体ゴムを少なくとも30重量%含むことが必要である。この量が30重量%未満では所望の物性を有するゴム組成物が得られないことがある。ゴム成分中の該共役ジエン系共重合体ゴムの好ましい含有量は35重量%以上であり、特に40〜100重量%が好適である。
上記の共役ジエン系共重合体ゴムと併用されるゴム成分としては、天然ゴム及びジエン系合成ゴムが挙げられ、ジエン系合成ゴムとしては、例えばスチレン−ブタジエン共重合体(SBR),ポリブタジエン(BR),ポリイソプレン(IR),ブチルゴム(IIR),エチレン−プロピレン共重合体及びこれらの混合物等が挙げられる。また、その一部が多官能型変性剤、例えば四塩化スズのような変性剤を用いることにより分岐構造を有しているものでもよい。
【0017】
次に、本発明の組成物において、(B)成分として、有機珪素化合物によって疎水化したシリカが用いられる。この疎水化の程度は、次式
A=100−〔(DBA吸着量x)/(DBA吸着量y)〕×100
〔式中、DBA吸着量xは、表面処理後のシリカのジノルマルブチルアミン吸着量であり、DBA 吸着量yは、表面処理前のシリカのジノルマルブチルアミン吸着量である。〕で表される疎水化率Aは15≦A≦70であることが必要である。
上記DBA吸着量とはシリカの疎水化の程度を示す指標である。DBA分子中のアミノ基がシリカ表面に存在するシラノール基とイオン結合することにより、吸着が起こる。これが大きいことは、疎水化があまり行われていないこと、つまりシリカ表面のシラノール基の量が多いことを示し、これが小さいことは、疎水化が進んでいることを示す。
【0018】
疎水化率Aが15未満では、十分な耐摩耗性を得ることが困難であり、70を超えると、十分なゴム中への分散改良効果が得られず、耐摩耗性、低転がり抵抗性(低燃費性)の改善がなされない。この点から、疎水化率Aは好ましくは30≦A≦60である。
また表面処理前のDBA吸着量xは、200mmol/kg以上、500mmol/kg以下が好ましい。さらに、表面処理後のDBA吸着量yは、100mmol以上、230mmol/kg以下が好ましい。DBA吸着量が100mmol/kg未満では、十分な補強性が維持できず、耐摩耗性が十分でないことがあり、DBA吸着量が230mmol/kgを超えると、ゴム配合物の粘度が十分に下がらず、シリカの分散不良による耐摩耗性を招くことがある。
【0019】
本発明のゴム組成物に用いられる部分疎水化シリカは、表面処理剤として、下記の一般式(I)〜(V)で表わされる化合物および低分子量環状ポリシロキサンよりなる群より選ばれた少なくとも一種の有機珪素化合物で処理することが好ましい。
【0020】
【化1】
Figure 0004117136
【化2】
Figure 0004117136
【化3】
Figure 0004117136
【化4】
Figure 0004117136
【化5】
Figure 0004117136
【0021】
(上記式中、R1〜R8はそれぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基,炭素数2〜6のアルケニル基,炭素数3〜6のシクロアルキル基,フェニル基又は炭素数7〜12のアラルキル基である。nは1〜3の整数である。)
【0022】
上記有機珪素化合物の具体例としては、トリメチルシラノール、トリメチルモノクロルシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサメチルジシルチアンなどが挙げられる。
シリカの処理に用いる有機珪素化合物の量は、所望の疎水化率が得られるように調整する。これは、処理されるシリカおよび有機珪素化合物の種類によって異なる。処理時のシリカの含有水分としては、有機珪素化合物が加水分解性の官能基を有していることからも、適度(約3〜10%)の水分を含むことが好ましく、処理後、加熱操作を実施してもよい。
【0023】
本発明のゴム組成物に用いられる部分疎水化シリカの使用量は、(A)成分100重量部当たり、10〜85重量部の範囲であることが好ましい。使用量が10重量部未満では、分散改良による耐摩耗性および低転がり抵抗性のメリットが小さく、85重量部を超えるとロールバギーなどの作業性の悪化をもたらすことがある。
本発明のゴム組成物においては、本発明の目的が損なわれない範囲で、前記の部分疎水化シリカと併用して、疎水化処理していない通常のシリカを用いることができる。
上記で用いられるシリカとしては特に制限はなく、従来ゴムの補強用充填材として慣用されているものの中から任意に選択して用いることができる。例えば湿式シリカ(含水ケイ酸),乾式シリカ(無水ケイ酸),ケイ酸カルシウム,ケイ酸アルミニウム等が挙げられるが、中でも破壊特性の改良効果並びにウェットグリップ性及び低転がり抵抗性の両立効果が最も顕著である湿式シリカが好ましい。
【0024】
さらに、本発明のゴム組成物においては、所望により、貯蔵弾性率や補強性などを向上させる目的で、さらに、(C)成分としてカーボンブラックを用いることができる。このカーボンブラックとしては特に制限はなく、従来ゴムの補強用充填材として慣用されているものの中から任意のものを選択して用いることができる。このカーボンブラックとしては、例えばFEF,SRF,HAF,ISAF,SAF等が挙げられる。好ましくはヨウ素吸着量(IA)が60mg/g以上で、かつ、ジブチルフタレート吸油量(DBP)が80ミリリットル/100g以上のカーボンブラックである。このカーボンブラックを用いることにより、諸物性の改良効果は大きくなるが、特に、耐摩耗性に優れるHAF,ISAF,SAFが好ましい。
【0025】
本発明においては、この所望により用いられる(C)成分のカーボンブラックの配合量は、前記(A)成分100重量部に対し、80重量部以下の範囲になるように、かつ前記(B)成分のシリカとの合計量が120重量部以下になるように選ぶのがよい。このカーボンブラックの配合量が80重量部を超えたり、(B)成分との合計量が120重量部を超えると所望の物性を有するゴム組成物が得られにくく、本発明の目的が達せられないおそれがある。配合効果及び物性などの面から、この(C)成分の好ましい配合量は、5〜70重量部の範囲であり、かつ(B)成分との合計配合量は100重量部以下が好ましい。
【0026】
本発明のゴム組成物においては、所望により、(D)成分としてシランカップリング剤を配合することができる。このシランカップリング剤としては、特に制限はなく、従来ゴム組成物に使用されている公知のもの、例えば、ビス(3−トリメチルシリルプロピル)テトラサルファイド、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−α−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−N、N−ジメチルチオカルバモイル−テトラスルフィド、2−ベンゾチアジル−3−トリメトキシシリルプロピルテトラスルフィドが好ましく挙げられる。
この所望により用いられるシランカップリング剤の配合量は、全シリカ量に対して、通常1〜20重量%の範囲で選定される。この量が1重量%未満ではカップリング剤としての効果が充分に発揮されにくく、また、20重量%を超えるとゴム成分のゲル化を引き起こすおそれがある。カップリング剤としての効果及びゲル化防止などの点から、このシランカップリング剤の好ましい配合量は、5〜15重量%の範囲である。
【0027】
本発明のゴム組成物には、所望により、通常ゴム工業界で用いられる各種薬品、例えば加硫剤,加硫促進剤,プロセス油,老化防止剤,スコーチ防止剤,亜鉛華,ステアリン酸などを含有させることができる。
本発明のゴム組成物は、ロール、インターナルミキサー等の混練り機を用いて混練りすることによって得られ、成形加工後、加硫を行い、タイヤトレッド,アンダートレッド,カーカス,サイドウォール,ビード部分等のタイヤ用途を始め、防振ゴム,ベルト,ホースその他の工業品等の用途にも用いることができるが、特にタイヤトレッド用ゴムとして好適に使用される。本発明の空気入りタイヤは、本発明のゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。
このようにして得られた本発明の空気入りタイヤは、低燃費性、破壊特性及び耐摩耗性に優れており、しかも該ゴム組成物の加工性が良好であるので、生産性にも優れている。
【0028】
【実施例】
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、重合体の物性は、下記の方法に従って測定した。
<重合体の物性>
重合体の重量平均分子量(Mw)の測定はゲルパーミエーションクロマトグラフィ[GPC;東ソー製HLC−8020、カラム;東ソー製GMH−XL(2本直列)]により行い、示差屈折率(R1)を用いて、単分散ポリスチレンを標準としてポリスチレン換算で行った。
重合体のムーニー粘度は東洋精機社製のRLM−01型テスターを用いて、100℃で測定した。
重合体中の結合アクリロニトリル単位含有量は、元素分析による窒素含有量から算出して求めた。
重合体中のスチレン単位含有量は1H−NMRスペクトルの積分比より算出した。
重合体のガラス転移点(Tg)はパーキンエルマー社製の示差走査熱分析機(DSC)7型装置を用い−100℃まで冷却した後に10℃/minで昇温する条件で測定した。
また、加硫ゴムの物性を下記の方法で測定すると共に、ゴム組成物のムーニー粘度を下記のようにして測定した。
【0029】
<シリカのDBA吸着量>
R.Meyer: Kautschuku. Gummi.,7(8),180〜182(1954)に従って測定した。つまり、105℃、2時間で乾燥した試料250mgを精秤し、これに50mlの1/500規定のDBA石油ベンジン溶液を加え、20℃で2時間放置する。この上澄液の25mlに、クロロフォルム5ml、クリスタルバイオレット指示薬2〜3滴を加え、紫色が青色に変わるまで、1/100規定の過塩素酸の無水酢酸溶液で滴定し、このときの滴定値をAmlとする。別に、試料を含まないブランクテストを行い、その滴定値をBmlとする。DBA吸着量は次式によって求められる。
DBA吸着量(mmol/kg) =80× (B−A) ×f
(ただし、f は1/100規定の過塩素酸溶液の力価である。)
【0030】
<加硫ゴムの物性>
(1)低発熱性
粘弾性測定装置(レオメトリックス社製)を使用し、温度50℃、歪み5%、周波数15Hzでtanδ(50℃)を測定した。tanδ(50℃)が小さい程、低発熱性である。
(2)破壊強力
切断時の強力(Tb)をJIS K6301−1995に従って測定した。
(3)耐摩耗性
ランボーン型摩耗試験機を用い、室温におけるスリップ率60%の摩耗量を測定し、比較例4又は12の耐摩耗性を100として、耐摩耗指数として指数表示した。指数が大きい方が良好となる。
<ゴム組成物のムーニー粘度>
JIS K6300−1994に準じ、130℃にてムーニー粘度[ML1+4/130℃]を測定した。
【0031】
製造例1(重合体A:油展共役ジエン系共重合体ゴム)
重合用容器に、水を200部(重量部、以下同じ)、ロジン酸石鹸を4.5部、ブタジエンを69部、スチレンを26部、及びアクリロニトリルを5部仕込んだ。その後、重合用容器の温度を5℃に設定し、ラジカル重合開始剤としてp−メンタンハイドロパーオキサイドを0.03部、エチレンジアミン4酢酸ナトリウムを0.02部、硫酸第1鉄7水和物を0.01部、及びソジウムホルムアルデヒドスルホキシレートを0.03部添加して重合を開始した。重合転化率が30%に達した時点で、アクリロニトリルを3部更に添加し、重合転化率が60%に達した時点で、ジエチルヒドロキシルアミンを添加して重合を停止させた。次いで、スチームストリッピングにより未反応単量体を回収し、共役ジエン系共重合体ゴムラテックスを得た。
その後、このラテックスに含有される固形分100部に対して37.5部のアロマオイル(富士興産株式会社製、商品名「フッコール・アロマックス#3」)を含む乳化物を配合し、これを硫酸と塩化ナトリウムにより凝固させてクラムとした。次いで、このクラムを熱風乾燥機により乾燥させ、アロマオイルで油展された共役ジエンゴムAを得た。
ラテックスに含まれる共役ジエン系共重合体ゴムのムーニー粘度は127、結合アクリロニトリル量は10重量%、結合スチレン量は20重量%、重量平均分子量は640000、ガラス転移点は−43℃であり、ガラス転移の外挿開始温度と外挿終了温度との差は11℃であった。また、油展共役ジエン系共重合体ゴムAのムーニー粘度は49であった。
【0032】
製造例2(重合体B:油展共役ジエン系共重合体ゴム)
重合用容器に、水を200部、ロジン酸石鹸を4.5部、ブタジエンを66部、スチレンを19部、及びアクリロニトリルを7部仕込んだ。その後、重合用容器の温度を5℃に設定し、ラジカル重合開始剤としてp−メンタンハイドロパーオキサイドを0.03部、エチレンジアミン4酢酸ナトリウムを0.02部、硫酸第1鉄7水和物を0.01部、及びソジウムホルムアルデヒドスルホキシレートを0.03部添加して重合を開始した。重合転化率が30%に達した時点で、アクリロニトリルを5部更に添加し、重合転化率が60%に達した時点で、ジエチルヒドロキシルアミンを添加して重合を停止させた。次いで、製造例Aの場合と同様にしてアロマオイルで油展された共役ジエン系共重合体ゴムBを得た。
ラテックスに含まれる共役ジエン系共重合体ゴムのムーニー粘度は132、結合アクリロニトリル量は14重量%、結合スチレン量は15重量%、重量平均分子量は640000、ガラス転移点は−45℃であり、ガラス転移の外挿開始温度と外挿終了温度との差は12℃であった。また、油展共役ジエン系共重合体ゴムAのムーニー粘度は45であった。
【0033】
製造例3(重合体C:油展共役ジエン系共重合体ゴム)
重合用容器に、水を200部、ロジン酸石鹸を4.5部、ブタジエンを66部、スチレンを26部、及びアクリロニトリルを8部仕込んだ。その後、重合用容器の温度を5℃に設定し、ラジカル重合開始剤としてp−メンタンハイドロパーオキサイドを0.03部、エチレンジアミン4酢酸ナトリウムを0.02部、硫酸第1鉄7水和物を0.01部、及びソジウムホルムアルデヒドスルホキシレートを0.03部添加して重合を開始した。重合転化率が60%に達した時点で、ジエチルヒドロキシルアミンを添加して重合を停止させた。次いで、製造例Aの場合と同様にしてアロマオイルで油展された共役ジエン系共重合体ゴムCを得た。
ラテックスに含まれる共役ジエン系共重合体ゴムのムーニー粘度は125、結合アクリロニトリル量は10重量%、結合スチレン量は20重量%、重量平均分子量は640000、ガラス転移点は−41℃であり、ガラス転移の外挿開始温度と外挿終了温度との差は25℃であった。また、油展共役ジエン系共重合体ゴムAのムーニー粘度は47であった。
【0034】
製造例4(重合体D:油展共役ジエン系共重合体ゴム)
重合用容器に、水を200部、ロジン酸石鹸を4.5部、ブタジエンを58部、及びスチレンを42部仕込んだ。その後、重合用容器の温度を5℃に設定し、ラジカル重合開始剤としてp−メンタンハイドロパーオキサイドを0.03部、エチレンジアミン4酢酸ナトリウムを0.02部、硫酸第1鉄7水和物を0.01部、及びソジウムホルムアルデヒドスルホキシレートを0.03部添加して重合を開始した。重合転化率が60%に達した時点で、ジエチルヒドロキシルアミンを添加して重合を停止させた。次いで、製造例Aの場合と同様にしてアロマオイルで油展された共役ジエン系共重合体ゴムDを得た。
ラテックスに含まれる共役ジエン系共重合体ゴムのムーニー粘度は126、結合スチレン量は35重量%、重量平均分子量は760000、ガラス転移点は−42℃であった。また、油展共役ジエン系共重合体ゴムAのムーニー粘度は47であった。
【0035】
製造例5(重合体E:非油展共役ジエン系共重合体ゴム)
重合用容器に、水を200部、ロジン酸石鹸を4.5部、ブタジエンを80部、スチレンを12部、及びアクリロニトリルを5部仕込んだ。その後、重合用容器の温度を5℃に設定し、ラジカル重合開始剤としてp−メンタンハイドロパーオキサイドを0.03部、エチレンジアミン4酢酸ナトリウムを0.02部、硫酸第1鉄7水和物を0.01部、及びソジウムホルムアルデヒドスルホキシレートを0.03部添加して重合を開始した。重合転化率が30%に達した時点で、アクリロニトリルを3部更に添加し、重合転化率が60%に達した時点で、ジエチルヒドロキシルアミンを添加して重合を停止させた。次いで、スチームストリッピングにより未反応単量体を回収し、共役ジエン系共重合体ゴムラテックスを得た。ラテックスに含まれる共役ジエン系共重合体ゴムのムーニー粘度は50、結合アクリロニトリル量は10重量%、結合スチレン量は11重量%、重量平均分子量は450000、ガラス転移点は−60℃であった。
【0036】
製造例6(重合体F:非油展共役ジエン系共重合体ゴム)
重合用容器に、水を200部、ロジン酸石鹸を4.5部、ブタジエンを72部、スチレンを28部仕込んだ。その後、重合用容器の温度を5℃に設定し、ラジカル重合開始剤としてp−メンタンハイドロパーオキサイドを0.03部、エチレンジアミン4酢酸ナトリウムを0.02部、硫酸第1鉄7水和物を0.01部、及びソジウムホルムアルデヒドスルホキシレートを0.03部添加して重合を開始した。重合転化率が60%に達した時点で、ジエチルヒドロキシルアミンを添加して重合を停止させた。次いで、スチームトリッピングにより未反応単量体を回収し、共役ジエン系共重合体ゴムラテックスを得た。
ラテックスに含まれる共役ジエン系共重合体ゴムのムーニー粘度は49、結合スチレン量は23.5%、重量平均分子量440000、ガラス転移点は−61℃であった。
上記により得られた重合体A〜Fのミクロ構造及び物性値を第1表に示す。
ここで、重合体A〜Dは重合体100重量部に対してオイル37.5重量部を加えた油展ゴムであるが、重合体E,Fは油展していない。
【0037】
【表1】
Figure 0004117136
【0038】
なお、実施例及び比較例で用いた処理又は未処理シリカ(含水ケイ酸)の性状を第2表に示す。ここで、サンプル▲2▼〜▲6▼は、処理剤の種類又は疎水化率Aを異にする部分疎水化シリカである。
【0039】
【表2】
Figure 0004117136
【0040】
(注)
*ニプシールAQ:商標,日本シリカ工業(株)製
実施例1〜6及び比較例1〜10
ゴム成分として、製造例1〜4で得られた第1表の重合体A〜D(油展ゴム)を用い、第3表の配合1に示す配合処方(充填材はカーボンブラック/シリカ併用系)により、第1ステージ混練りをした後、第2ステージ混練りを行ってゴム組成物を調製した。
【0041】
【表3】
Figure 0004117136
【0042】
(注)
*1;6C〔N−(1,3ジメチルブチル)−N‘−フェニル−p−フェニレンジアミン〕
*2;DPG(ジフェニルグアジニン)
*3;DM(ジベンゾチアジルスルフェンアミド)
*4;NS(N−t−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)
上記各ゴム組成物のムーニー粘度を測定すると共に、160℃,15分間の条件で加硫して得たゴム組成物について物性を測定した。その結果を第4表に示す。
【0043】
【表4】
Figure 0004117136
【0044】
上記の結果より、本発明における実施例1〜3,4,5を、各々比較例5,6,7と比べた場合、シリカは各同一種類であるが、これらの実施例では、破壊強力,低発熱性,耐摩耗性の全てにおいて極めて優れていることが分かる。
また、共役ジエン系共重合体ゴムとして、特にガラス転移の外挿開始温度と外挿終了温度との差が20℃以下の重合体A又はBを用いた実施例1,2は、実施例3に比べて本発明の効果が大きいことが分かる。
なお、疎水化処理を全くしていないシリカを用いた比較例1〜4においては、tanδは低くなるが、分散性がよくないために破壊強力や耐摩耗性においては、実施例1〜5に比べて非常に劣っている。
また、比較例8は、シリカの疎水化率Aの範囲が本発明の範囲外であるために、本発明における共役ジエン系共重合体ゴムを用いているが、その効果は得られない。
実施例7,8及び比較例12〜14
ゴム成分として、製造例5,6で得られた第1表の重合体E,F(非油展ゴム)を用い、第3表の配合2に示す配合処方(充填材はシリカ単独系)により、第1ステージ混練りをした後、第2ステージ混練りを行ってゴム組成物を調製した。このゴム組成物ムーニー粘度を測定すると共に、160℃,15分間の条件で加硫したゴム組成物について物性を測定した。その結果を第5表に示す。
【0045】
【表5】
Figure 0004117136
【0046】
上記の結果より、実施例7,8は、比較例1、12に対して、ムーニー粘度,破壊強力,低発熱性及び耐摩耗性の全てにおいて優れていることがわかる。なお、比較例13〜14は、ムーニー粘度は低下しているが、破壊強力と耐摩耗性は非常に劣っている。
【0047】
【発明の効果】
本発明のゴム組成物においては、シリカの分散性を大きく向上することができ、良好な低発熱性と共に,優れた破壊特性及び耐摩耗性が得られ,特にタイヤトレッド用ゴムとして好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における共役ジエン系共重合体ゴムのガラス転移の外挿開始温度と外挿終了温度の求め方を示すDSCのチャートである。

Claims (12)

  1. (A)(a)エチレン性不飽和ニトリル単量体単位と、(b)芳香族ビニル単量体単位と、(c)共役ジエン単量体単位とを有し、かつ上記(a),(b)及び(c)単位の合計量に基づき、(a)単位5〜45重量%を含有する共役ジエン系共重合体ゴムを含むゴム成分と、(B)有機珪素化合物によって表面処理されたシリカであって、次式
    A=100−〔(DBA吸着量x)/(DBA吸着量y)〕×100
    〔式中、DBA吸着量xは、表面処理後のシリカのジノルマルブチルアミン吸着量であり、DBA吸着量yは、表面処理前のシリカのジノルマルブチルアミン吸着量である。〕
    で示される疎水化率Aが、15≦A≦70の範囲にある部分疎水化シリカとを含むことを特徴とするゴム組成物。
  2. 前記有機珪素化合物が下記一般式(I)〜(IV)で表される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
    Figure 0004117136
    Figure 0004117136
    Figure 0004117136
    Figure 0004117136
    (上記式中、R1 6 はそれぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基,炭素数2〜6のアルケニル基,炭素数3〜6のシクロアルキル基,フェニル基又は炭素数7〜12のアラルキル基である。nは1〜3の整数である。)
  3. 前記部分疎水化シリカが、前記有機珪素化合物によって表面処理された後、加熱操作が実施されてなるシリカであることを特徴とする請求項1または2に記載のゴム組成物。
  4. 共役ジエン系共重合体ゴムが、(a),(b)及び(c)単位の合計量に基づき、(b)単位を10〜50重量%を含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴム組成物。
  5. 共役ジエン系共重合体ゴムが、ガラス転移点−60℃〜0℃及びムーニ一粘度〔ML1+4(100℃)〕20〜200のものである請求項1〜4のいずれか1項に記載のゴム組成物。
  6. 共役ジエン系共重合体ゴムが、ガラス転移の外挿開始温度と外挿終了温度との差が20℃以下のものである請求項1〜5のいずれか1項に記載のゴム組成物。
  7. 共役ジエン系共重合体ゴムが、アクリルニトリルとスチレンとブタジエンとの共重合体である請求項1〜6のいずれか1項に記載のゴム組成物。
  8. (A)成分中に、前記共役ジエン系共重合体ゴムを30重量%以上含有する請求項1〜7のいずれか1項に記載のゴム組成物。
  9. (B)成分の部分疎水化シリカの配合量が、(A)成分100重量部当たり、10〜85重量部である請求項1〜8のいずれか1項に記載のゴム組成物。
  10. さらに、(A)成分100重量部当たり、(C)カーボンブラック80重量部以下を含む請求項1〜9のいずれか1項に記載のゴム組成物。
  11. さらに、シリカ量に対し、(D)カップリング剤1〜20重量%を含む請求項1〜10のいずれか1項に記載のゴム組成物。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載のゴム組成物をトレッドゴムとして用いたことを特徴とする空気入りタイヤ。
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