JP5319041B2 - ゴム組成物 - Google Patents

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本発明は、架橋ゴム粒子と共役ジエン/芳香族ビニル共重合ゴムとを必須成分とするゴム組成物に関する。本発明のゴム組成物は加工性に優れ、特に補強剤としてシリカを用いた場合の作業性、寸法安定性等に優れる。また、このゴム組成物を加硫してなる加硫ゴムは、優れた引張強度及び耐摩耗性等を有する。
従来より、ゴム製品に使用される原料ゴムとして、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、天然ゴム、スチレン・ブタジエン共重合ゴム、アクリロニトリル・ブタジエン共重合ゴム等の共役ジエン系ゴムなどが多用されている。
これらの原料ゴムを使用し、補強剤としてシリカを用いれば、黒色以外の有色ゴム製品が得られる。しかし、シリカを用いた場合はカーボンブラックに比べて、加硫ゴムの引張強度及び耐摩耗性等が低下するという問題がある。更に、シリカを配合した場合の他の問題点として、▲1▼混練時の加工性及びコンパウンドの一体性の低下、▲2▼コンパウンドをロール等でシートとした場合の表面の平滑性が十分ではなく、シートエッジも整っておらず、冷却とともに相当に収縮する、等が挙げられる。
このような問題が生ずる理由として、シリカが十分に分散せず、凝集してしまうことが考えられる。シリカが十分に分散していないゴム組成物では、補強剤の配合による所期の補強効果が得られないばかりか、分散不良のシリカ粒子間の相互作用に基づく発熱を生じ、加工性が大幅に低下することがある。そして、シリカの分散が不良となる原因は、シリカがカーボンブラックに比べて自己相互作用が強く凝集状態になり易いこと、及び原料ゴムの多くが炭素と水素により構成され、シリカと比べて極性が小さいため、シリカとの親和性が小さい点にあると考えられている。
このシリカと炭化水素系ゴムとの親和性を高めるため、シリカと親和性のある官能基を導入した共役ジエン系ゴムを用いることが従来より検討されている。例えば、ヒドロキシル基を導入した共役ジエン系ゴム(WO96/23027号公報)、アルコキシシリル基を導入した共役ジエン系ゴム(特開平9−208623号公報)、及びアルコキシシリル基と、アミノ基又はヒドロキシル基とを導入した共役ジエン系ゴム(特開平9−208633号公報)が提案されている。しかし、これらの官能基を導入した共役ジエン系ゴムの多くは、シリカを混合する際にシリカと強く凝集するため、分散不良が生じたり、加工時の発熱が大きく、加工性に劣る等の問題を有している。
また、シリカの凝集を防ぎ、均一に分散させる目的で、シランカップリング剤を配合することが一般に行われている。これによりシリカの分散性はある程度向上し、ゴム組成物の加工性及び加硫ゴムの引張強度及び耐摩耗性等は相当に改良される。しかし、シート表面及びシートエッジの平滑性、或いは冷却時のシートの収縮等の問題は未だ十分に改良されているとはいえない。更に、加工性並びに引張強度及び耐摩耗性等を十分に向上させるためにば、シランカップリング剤をシリカに対して8〜15質量%程度と相当量配合する必要があるが、シランカップリング剤は高価であり、ゴム組成物のコスト上昇を招く。
発明が解決しようとする課題
本発明は、上記の従来の問題を解決するものであり、混練時の加工性が良好であり、シート表面が平滑であって、シートエッジが整っており、冷却時の収縮が少ない等、加工性及び作業性に優れたゴム組成物を提供することを目的とする。このゴム組成物を加硫してなる加硫ゴムは、優れた引張強度及び耐摩耗性等を有する。
課題を解決するための手段
前記の問題点を解決するため種々検討したところ、ゴム組成物に特定の組成を有する架橋ゴム粒子と、共役ジエン/芳香族ビニル共重合ゴムを含有させることにより、補強剤としてシリカを用いた場合であっても、混練時の加工性に優れ、シート表面及びシートエッジの平滑性が良好で、冷却時のシートの収縮も少ないゴム組成物が得られることが分かった。また、このゴム組成物を使用すれば、十分な引張強度及び耐摩耗性等を有する加硫ゴムが得られることも分かった。更に、シランカップリング剤の配合量を低減しても、或いはシランカップリング剤を配合しなくても、加工性、引張強度等が実用上まったく問題にならない程度にまで十分に改良されることが分かつた。また、カーボンブラック配合においても、加工性に優れ、寸法安定性の良好なゴム組成物が得られ、耐摩耗性等に優れる加硫ゴムが得られることが見出された。
本発明は、このような知見に基づいてなされたものである。
本発明のゴム組成物は、(1)繰り返し単位として、(a)共役ジエン単位39.89〜79.89質量%、(b)芳香族ビニル単位20〜60質量%、(c)少なくとも2個の重合性不飽和基を有する単量体単位0.01〜10質量%、及び(d)1個の重合性不飽和基とアミノ基とを有する単量体単位0.1〜30質量%[(a)、(b)、(c)及び(d)の合計量を100質量%とする。]を含む架橋ゴム粒子、並びに(2)共役ジエン単位の1,2−ビニル結合量が10〜30%であり、1,4−トランス結合量が55%を超える共役ジエン/芳香族ビニル共重合ゴムを含有することを特徴とする。
上記「架橋ゴム粒子」は、(a)共役ジエン単位を形成する単量体(以下、「単量体▲1▼」という。)、(b)芳香族ビニル単位を形成する単量体(以下、「単量体▲2▼」という。)、(c)少なくとも2個の重合性不飽和基を有する単量体単位を形成する単量体(以下、「単量体▲3▼」という。)、及び(d)1個の重合性不飽和基とアミノ基とを有する単量体単位を形成する単量体(以下、「単量体▲4▼」という。)により構成される。また、後述する他の重合性不飽和単量体(以下、「単量体▲5▼」という。)を併用することもできる。
この架橋ゴム粒子は、100mlのトルエンに室温で24時間浸漬した後、100メッシュの金網で濾過した濾液中の固形分量から求めたトルエン不溶分が80質量%以上であり、レーザ粒径解析システム(大塚電子株式会社製、型式「LPA−3100」)を用いて測定した粒子径が500nm以下の粒子状ゴムである。
架橋ゴム粒子は、単量体▲1▼〜▲4▼及び必要に応じて単量体▲5▼を使用し、乳化重合或いは懸濁重合等の重合方法により製造することができる。
単量体▲1▼としては、1,3−ブタジエン、イソプレン(2−メチル−1,3−ブタジエン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン及びクロロプレン(2−クロロ−1,3−ブタジエン)等が挙げられる。これらの単量体▲1▼は1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用することもできる。
架橋ゴム粒子における繰返し単位において、単量体▲1▼からなる単位の含有量は39.89〜79.89質量%であり、特に40〜70質量%であることが好ましい。単量体▲1▼からなる単位の含有量が下限値未満であると、加工性が改良されず、加硫ゴムの引張強度が低下する。
単量体▲2▼としては、スチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、4−tert−ブチルスチレン及びtert−ブトキシスチレン等が挙げられる。これらの単量体▲2▼は1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用することもできる
架橋ゴム粒子における繰返し単位において、単量体▲2▼からなる単位の含有量は20〜60質量%であり、特に20〜50質量%であることが好ましい。単量体▲2▼からなる単位の含有量が20質量%未満であると、加硫ゴムの耐摩耗性等が低下する。一方、この含有量が60質量%を超える場合は、加工性が低下する。
単量体▲3▼としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、ジイソプロペニルベンゼン及びトリビニルベンゼン等が挙げられる。これらの単量体▲3▼は1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用することもできる
架橋ゴム粒子における繰返し単位において、単量体▲3▼からなる単位の含有量は0.01〜10質量%であり、特に0.1〜10質量%であることが好ましい。単量体▲3▼からなる単位の含有量が0.01質量%未満であると、ゴム組成物の加工性が低下する。一方、この含有量が10質量%を超える場合は、加工性が損なわれるとともに、加硫ゴムの引張強度等が大きく低下する。
単量体▲4▼としては、三級アミノ基を有する単量体が好ましく、以下の各種のものが挙げられる。
(a)ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノメチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−(ジ−n−プロピルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、2−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、2−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、2−(ジ−n−プロピルアミノ)プロピル(メタ)アクリレート、3−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、3−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート及び3−(ジ−n−プロピルアミノ)プロピル(メタ)アクリレート等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート類、
(b)N−ジメチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、N−ジエチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、N−(2−ジメチルアミノエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(2−ジエチルアミノエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(2−ジメチルアミノプロピル)(メタ)アクリルアミド、N−(2−ジエチルアミノプロピル)(メタ)アクリルアミド、N−(3−ジメチルアミノプロピル)(メタ)アクリルアミド及びN−(3−ジエチルアミノプロピル)(メタ)アクリルアミド等のN−ジアルキルアミノアルキル基含有不飽和アミド類、
(c)N,N−ジメチル−p−アミノスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノスチレン、ジメチル(p−ビニルベンジル)アミン、ジエチル(p−ビニルベンジル)アミン、ジメチル(p−ビニルフェネチル)アミン、ジエチル(p−ビニルフェネチル)アミン、ジメチル(p−ビニルベンジルオキシメチル)アミン、ジメチル[2−(p−ビニルベンジルオキシ)エチル]アミン、ジエチル(p−ビニルベンジルオキシメチル)アミン、ジエチル[2−(p−ビニルベンジルオキシ)エチル]アミン、ジメチル(p−ビニルフェネチルオキシメチル)アミン、ジメチル[2−(p−ビニルフェネチルオキシ)エチル]アミン、ジエチル(p−ビニルフェネチルオキシメチル)アミン、ジエチル[2−(p−ビニルフェネチルオキシ)エチル]アミン、2−ビニルピリジン、3−ビニルピリジン及び4−ビニルピリジン等の三級アミノ基含有ビニル芳香族化合物等、が挙げられる。
これらのうちではジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート類及び三級アミノ基含有ビニル芳香族化合物が好ましい。これらのアミノ基を有する単量体は1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用することもできる。
架橋ゴム粒子における繰返し単位において、単量体▲4▼からなる単位の含有量は0.1〜30質量%であり、特に0.3〜15質量%であることが好ましい。単量体▲4▼からなる単位の含有量が0.1質量%未満であると、架橋ゴム粒子とシリカとの親和性が不十分となり、ゴム組成物の加工性が低下する。一方、この含有量が30質量%を超える場合は、架橋ゴム粒子とシリカ或いはカーボンブラックとが強く凝集するため、加工性が低下する。
単量体▲5▼は、共重合し得る不飽和基を1個有する化合物であればよく、その種類は特に限定されない。
この単量体▲5▼としては、(メタ)アクリロニトリル、シアン化ビニリデン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、(メタ)アクリルアミド、マレイミド、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、iso−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート及びシクロヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの単量体▲5▼は1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用することもできる。
また、単量体▲5▼を使用する場合は、単量体▲1▼、▲2▼、▲3▼及び▲4▼の合計量を100質量部(以下、「部」と略記する。)とした場合に、0.1〜5部、特に0.5〜3部とすることができる。
架橋ゴム粒子は、ラジカル重合開始剤を用いる乳化重合或いは懸濁重合により製造することができるが、粒子の大きさ、粒子径の均一性の観点から乳化重合により製造することが好ましい。
ラジカル重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、tert−ブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、パラメンタンヒドロパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド及びジクミルパーオキサイド等の有機過酸化物を使用することができる。また、アゾビスイソブチロニトリルにより代表されるアゾ化合物、過硫酸カリウムにより代表される無機過酸化物、及びこれら過酸化物と硫酸第一鉄との組み合せにより代表されるレドックス系触媒等を用いることもできる。これらのラジカル重合開始剤は各々の種類のうちの1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用することもでき、異なる種類のものを併用することもできる。
また、tert−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン類、四塩化炭素、チオグリコール類、ジテルペン、タ−ピノーレン及びγ−テルピネン類等の連鎖移動剤を併用することもできる。
乳化重合において用いられる乳化剤としては、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤及び両性界面活性剤等が挙げられる。また、ふっ素系の界面活性剤を使用することもできる。これらの乳化剤は各々の種類のうちの1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用することもでき、異なる種類のものを併用することもできる。
懸濁重合において用いられる懸濁安定剤としては、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム及びヒドロキシエチルセルロース等が挙げられる。これらの懸濁安定剤は1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用することもできる。
乳化重合又は懸濁重合において、各単量体及びラジカル重合開始剤等は、反応容器に全量を投入してから重合を開始してもよいし、反応継続時に連続的或いは間欠的に添加してもよい。重合は酸素を除去した反応器を用いて0〜80℃で行うことができ、反応途中で温度或いは攪拌等の操作条件などを適宜に変更することもできる。重合方式は連続式でもよいし、回分式であってもよい。
上記「共役ジエン/芳香族ビニル共重合ゴム」としては、スチレン−ブタジエン共重合ゴム等が挙げられる。この共役ジエン/芳香族ビニル共重合ゴムの共役ジエン単位の1,2−ビニル結合量は10〜30%であり、1,4−トランス結合量は55%を超える。1,2−ビニル結合量が30%を超えると、加硫ゴムの耐摩耗性等が低下する。また、これらの共役ジエン/芳香族ビニル共重合ゴムに、カルボン酸基、アミノ基、ヒドロキシル基、エポキシ基及びアルコキシシリル基のうちの少なくとも1種の官能基が導入された共役ジエン/芳香族ビニル共重合ゴムを使用することもできる。それによって、シリカと共役ジエン/芳香族ビニル共重合ゴムとの親和性を高めることができる。尚、共役ジエン/芳香族ビニル共重合ゴムの芳香族ビニル単位は20〜50質量%であることが好ましい。
この共役ジエン/芳香族ビニル共重合ゴムは、100mlのトルエンに室温で24時間浸漬した後、100メッシュの金網で濾過した濾液中の固形分量から求めたトルエン不溶分が30質量%以下であり、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフ)により求めたポリスチレン換算の重量平均分子量が100000〜2000000であって、繰り返し単位として共役ジエン単位と芳香族ビニル単位とを含むゴムである。
共役ジエン/芳香族ビニル共重合ゴムは、架橋ゴム粒子の形成に用いられる単量体▲1▼と単量体▲2▼、及び必要に応じて単量体▲5▼を、乳化重合或いは懸濁重合させることにより製造することができる。また、官能基が導入された共役ジエン/芳香族ビニル共重合ゴムは、架橋ゴム粒子の形成に用いられる単量体▲1▼と単量体▲2▼、及び1個の重合性不飽和基と、カルボン酸基、アミノ基、ヒドロキシル基、エポキシ基及びアルコキシシリル基のうちの少なくとも1種の官能基とを有する単量体単位を形成する単量体(以下、「単量体▲6▼」という。)、並びに必要に応じて単量体▲5▼を、乳化重合或いは懸濁重合させることにより製造することができる。この重合方法は特に限定されないが、通常、乳化重合により製造することが好ましい。
単量体▲6▼のうち、カルボン酸基を有する単量体としては、
(a)(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、テトラコン酸及びけい皮酸等の不飽和カルボン酸類、
(b)フタル酸、こはく酸、アジピン酸等の非重合性多価カルボン酸と、(メタ)アリルアルコ−ル及び2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有不飽和化合物とのモノエステル等の遊離カルボン酸基含有エステル類、及びこれらの塩等、が挙げられる。
これらのうちでは不飽和カルボン酸類が好ましい。また、これらのカルボン酸基を有する単量体は1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用することもできる。
ヒドロキシル基を有する単量体としては、
(a)2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート及び4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類、
(b)ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコ−ル等のポリアルキレングリコール(アルキレングリコール単位数は、例えば2〜23)のモノ(メタ)アクリレート類、
(c)N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド及びN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド等のヒドロキシル基含有不飽和アミド類、
(d)o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、o−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、m−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、p−ヒドロキシ−α−メチルスチレン及びp−ビニルベンジルアルコール等のヒドロキシル基含有ビニル芳香族化合物、
(e)(メタ)アリルアルコール等、が挙げられる。
これらのうちではヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類及びヒドロキシル基含有ビニル芳香族化合物が好ましい。これらのヒドロキシル基を有する単量体は1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用することもできる。
エポキシ基を有する単量体としては、(メタ)アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート及び3,4−オキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらのエポキシ基を有する単量体は1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用することもできる。
アルコキシシリル基を有する単量体としては、
(メタ)アクリロキシメチルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルメチルジメトキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルジメチルメトキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルトリエトキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルメチルジエトキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルジメチルエトキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルトリプロポキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルメチルジプロポキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルジメチルプロポキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリプロポキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジプロポキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルプロポキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジフェノキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルフェノキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジベンジロキシシラン及びγ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルフェノキシシラン等、が挙げられる。これらのアルコキシシリル基を有する単量体は1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用することもできる。
尚、単量体▲6▼のうち、アミノ基を有する単量体としては架橋ゴム粒子の重合において使用される単量体▲4▼と同様のものを用いることができる。
単量体▲6▼は任意に選択して使用することができる。また、カルボン酸基、アミノ基、ヒドロキシル基、エポキシ基或いはアルコキシシリル基を有する単量体のうちの2種以上を組み合わせて使用することもできる。例えば、カルボン酸基を有する単量体とヒドロキシル基を有する単量体とを組み合わせて使用することもできる。
共役ジエン/芳香族ビニル共重合ゴム及び官能基が導入された共役ジエン/芳香族ビニル共重合ゴムにおける単量体▲1▼からなる単位の含有量は50〜80質量%、特に55〜80質量%であることが好ましい。また、単量体▲2▼からなる単位の含有量は20〜50質量%、特に20〜45質量%であることが好ましい。単量体▲2▼からなる単位の含有量が20質量%未満であると、加硫ゴムの耐摩耗性等が低下することがある。一方、この含有量が50質量%を超える場合は、加硫ゴムの弾性が劣る傾向にある。また、官能基が導入された共役ジエン/芳香族ビニル共重合ゴムにおける単量体▲6▼からなる単位の含有量は0.1〜30質量%であることが好ましく、この含有量が上限値を超える場合は、共役ジエン/芳香族ビニル共重合ゴムとシリカ或いはカーボンブラックとが強く凝集し、加工性が低下することがあるため好ましくない。
また、本発明のゴム組成物には、実用に供する場合、通常、補強剤が配合される。この補強剤としては、特に限定されないが、シリカ及び/又はカーボンブラックが好ましく用いられる。このシリカとしては、一般に合成ゴムの明色補強配合剤として用いられているものを使用することができる。シリカの種類等は特に限定されないが、湿式法ホワイトカーボン、乾式法ホワイトカーボン、コロイダルシリカ、及び特開昭62−62838号公報に記載された沈降シリカ等が挙げられる。これらのうち、含水ケイ酸を主成分とする湿式法ホワイトカーボンが特に好ましい。これらのシリカはそれぞれ1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用することもできる。このシリカの比表面積は特に限定されないが、窒素吸着比表面積(ASTM D3037−81に準じBET法により測定される値)で通常50〜400m2/g、特に50〜220m2/g、更には70〜220m2/gであれば、所期の補強効果が十分に得られ、加硫ゴムの耐摩耗性及び発熱性等が十分に改良される。
上記シリカを単独で用いる場合、その含有量は、架橋ゴム粒子成分と非架橋ゴム成分との含有量の合計を100部とした場合に、2〜120部、特に10〜100部とすることが好ましい。上記シリカの含有量が2部未満であると、十分な補強効果が得られず好ましくない。一方、この含有量が120部であれば十分な補強効果が得られ、これを超えて多量に含有させる必要はない。
上記カーボンブラックの種類等も特に限定されないが、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック、グラファイト等を使用することができる。これらのうちでは特にファーネスブラックが好ましく、その具体例としては、SAF、ISAF、ISAF−HS、ISAF−LS、IISAF−HS、HAF、HAF−HS、HAF−LS、FEF等が挙げられる。これらのカーボンブラックは1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用することもできる。
シリカの場合と同様にして測定したカーボンブラックの窒素吸着比表面積は好ましくは5〜200m2/gであり、より好ましくは50〜150m2/g、更に好ましくは80〜130m2/gである。この範囲であれば、加硫ゴムの引張強度、耐摩耗性等が十分に向上する。また、カーボンブラックのDBP吸着量も特に限定されないが、好ましくは5〜300ml/100g、更に好ましくは50〜200ml/100g、特に好ましくは80〜160ml/100gであれば、引張強度、耐摩耗性等が十分に改良されるため好ましい。更に、カーボンブラックとして、特開平5−230290号公報に記載されたセチルトリメチルアンモニウムブロマイドの吸着比表面積が110〜170m2/gであり、165MPaの圧力で4回繰り返し圧縮した後のDBP(24M4DBP)吸油量が110〜130ml/100gであるハイストラクチャーカーボンブラックを用いることにより、耐摩耗性を更に向上させることができる。
補強剤として、シリカとカーボンブラックとを併用するとともできる。この場合、その含有量を、架橋ゴム粒子成分と非架橋ゴム成分との含有量の合計100部に対して10〜120部、特に40〜100部とすることが好ましい。この合計量が10部未満であると、十分な補強効果が得られず好ましくない。一方、120部であれば十分な補強効果が得られ、これを超えて多量に含有させる必要はない。更に、シリカとカーボンブラックとの量比は特に限定されないが、シリカを100部とした場合に、カーボンブラックを5〜200部、特に10〜150部とすることが好ましい。この範囲の量比であれば、より優れた引張強度及び耐摩耗性等を併せ有する加硫ゴムとすることができる。
また、補強剤として、カ−ボン−シリカデュアル・フェイズフィラー等を用いることができる。
本発明のゴム組成物には、上記の補強剤の他、以下の各種の成分を配合することができる。
充填剤として、クレー、炭酸カルシウム及び炭酸マグネシウム等を適量配合することもできる。また、石油系配合油である芳香族系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、パラフィン系プロセスオイル等のゴム用伸展油を配合することができる。この伸展油としては、芳香族系及びナフテン系のプロセスオイルが好ましい。
更に、加硫促進剤として、アルデヒドアンモニア系、グアニジン系、チオウレア系、チアゾール系及びジチオカルバミン酸系などが使用することができ、これらは架橋ゴム粒子と共役ジエン/芳香族ビニル共重合ゴムとの合計量を100部とした場合に、0.5〜15部、特に1〜10部配合することが好ましい。更に、加硫剤としては、硫黄が代表的なものであるが、その他に硫黄含有化合物、過酸化物等を用いることもできる。この加硫剤は、架橋ゴム粒子と共役ジエン/芳香族ビニル共重合ゴムとの合計量を100部とした場合に、通常、0.5〜10部、特に1〜6部配合することが好ましい。
この他に、シランカップリング剤、亜鉛華、加硫助剤、老化防止剤及び加工助剤などを適量配合することもできる。
また、本発明のゴム組成物及びそれを用いたゴム製品は、以下のようにして製造することができる。
先ず、架橋ゴム粒子、共役ジエン/芳香族ビニル共重合ゴム、シリカ、カーボンブラック、カ−ボン−シリカデュアル・フェイズフィラー等の補強剤、ゴム用伸展油、その他の配合剤などをバンバリーミキサ等の混練機を使用して70〜180℃の温度で混練する。その後、混練物を冷却し、これにさらに硫黄等の加硫剤及び加硫促進剤などを、バンバリーミキサ或いはミキシングロール等を用いて配合し、所定の形状に成形する。次いで、140〜180℃の温度で加硫し、所要の加硫ゴム、即ち、ゴム製品を得る。
このように、本発明のゴム組成物を用いて得られる加硫ゴムは、優れた引張強度及び反発弾性等を有している。また、良好な加工性をも併せ有しており、このゴム組成物は、その優れた特性により各種分野におけるゴム製品として使用することができる。例えば、ゴムロール、もみすりロール、ベルト、ホース、スポンジ、ゴム板、ゴム引き布等の工業用品、透明靴、一般有色靴、スポンジ靴底等の履物部材、トレッド、ベーストレッド、サイドウォール、ゴムチェーシァー等の大型車、一般車用タイヤ、衛生スキン、医療用品等の衛生材料などとして用いることができる。
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明する。
(1)架橋ゴム粒子の製造
重合用容器に水200部、ロジン酸石鹸4.5部、及び表1の組成の単量体(表1における単位は「部」である。)を仕込んだ。その後、重合用容器の温度を5℃に設定し、ラジカル重合開始剤としてp−メンタンハイドロパーオキサイド0.1部、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム0.07部、硫酸第一鉄7水和物0.05部、及びソディウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.15部を添加して12時間重合させ、架橋ゴム粒子を含むエマルジョンを得た。重合転化率は略100%であった。
次いで、このエマルジョンに、架橋ゴム粒子100部に対して37.5部となるようにアロマオイルを配合し、これを硫酸と塩により凝固させてクラムとした後、熱風乾燥機により乾燥させ、表1の単量体組成からなる架橋ゴム粒子1〜4を得た。
Figure 0005319041
(2)共役ジエン/芳香族ビニル共重合ゴムの製造
重合用容器に水200部、ロジン酸石鹸4.5部、及び表2の組成の単量体(表2における単位は「部」である。)を仕込んだ。その後、重合用容器の温度を5℃に設定し、ラジカル重合開始剤としてp−メンタンハイドロパーオキサイド0.1部、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム0.07部、硫酸第一鉄7水和物0.05部、及びソディウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.15部を添加して重合を開始した。重合転化率が60%に達した時点でジエチルヒドロキシルアミンを添加して重合を停止させた後、スチームストリッピングにより未反応単量体を回収して、共役ジエン芳香族ビニル共重合ゴムを含むエマルジョンを得た。
次いで、このエマルジョンに、共役ジエン/芳香族ビニル共重合ゴム100部に対して37.5部となるようにアロマオイルを配合し、これを硫酸と塩により凝固させてクラムとした後、熱風乾燥機により乾燥させ、表2の単量体組成を有する共役ジエン/芳香族ビニル共重合ゴム1〜8を得た。
Figure 0005319041
表2における各単量体の結合量及び各共役ジエン/芳香族ビニル共重合ゴムの重量平均分子量は以下の方法により測定した。
(a)結合スチレン量(質量%);赤外吸収スペクトル法により検量線を作成して求めた。
(b)ブタジエン単位の1,2−ビニル結合量及び1,4−トランス結合量(量%);赤外吸収スペクトル法(モレロ法)により求めた。
(c)カルボン酸基含有単量体結合量(質量%);ゴムをトルエンに溶解し、メタノ−ルで再沈殿させる操作を2回行って精製し、真空乾燥した後、ゴムをクロロホルムに溶解し、中和滴定により求めた。
(d)アミノ基含有単量体結合量(質量%);ゴムをトルエンに溶解し、メタノールにより再沈殿させる操作を2回行って精製し、真空乾燥した後、元素分析を行い、窒素含有量から算出した。
(e)ヒドロキシル含有単量体結合量(質量%);ゴムをトルエンに溶解し、メタノ−ルで再沈殿させる操作を2回行って精製し、真空乾燥した後、270MHz 1H−NMRで測定した。
(f)エポキシ基含有単量体結合量(質量%);ゴムをトルエンに溶解し、メタノールで再沈殿させる操作を2回行って精製し、真空乾燥した後、Jay法[R.R.Jay;Anal.Chem.,36,667(1964)]に準じて、滴定により求めた。
(g)アルコキシシリル基含有単量体結合量(質量%);ゴムをトルエンに溶解し、メタノールで再沈殿させる操作を2回行って精製し、真空乾燥した後、270MHz 1H−NMRで測定した。
(h)共役ジエン/芳香族ビニル共重合ゴムの重量平均分子量;GPCを使用し、標準ポリスチレン換算により求めた。
以上の結果を表2に併記する。
(3)架橋ゴム粒子と共役ジエン/芳香族ビニル共重合ゴムとの湿式混合
架橋ゴム粒子を含むエマルジョンと共役ジエン/芳香族ビニル共重合ゴムを含むエマルジョンとを、固形分で表3の量比になるように混合した。その後、混合されたエマルジョンに含まれる架橋ゴム粒子及び共役ジエン/芳香族ビニル共重合ゴム100部に対して37.5部のアロマオイルを配合し、これを硫酸と塩により凝固させてクラムとした後、熱風乾燥機により乾燥させ、表3の量比のゴムを含む湿式混合ゴム1〜3を得た。この湿式混合によれば、架橋ゴム粒子と共役ジエン/芳香族ビニル共重合ゴムとを乾式で混合する場合に比べてより均一に混合することができる。
Figure 0005319041
(4)ゴム組成物及び加硫ゴムの調製
表1の架橋ゴム粒子及び表2の共役ジエン/芳香族ビニル共重合ゴムを使用し、表4〜5及び表8の配合処方でラボプラストミル(東洋精機株式会社製)により混練して表4〜5及び表8に記載の実施例1〜12及び実施例16〜19のゴム組成物を得た。その後、加硫プレスにより、160℃で20分加硫し、加硫ゴムを得た。また、表3の湿式混合ゴムを使用し、同様にして表6に記載の実施例13〜15のゴム組成を得、これらを同様にして加硫した。更に、架橋ゴム粒子を用いず、共役ジエン/芳香族ビニル共重合ゴムのみを使用し、同様にして表7に記載の比較例1〜4及び表8に記載の比較例5〜6のゴム組成物を得、これらを同様にして加硫した。
尚、上記の配合処方において用いた配合剤は以下のものである。
▲1▼シリカ;日本シリカ工業株式会社製、商品名「ニプシルAQ」
▲2▼カーボンブラック;三菱化学株式会社製、商品名「ダイヤブラックN220」
▲3▼シランカップリング剤;デグッサ社製、商品名「Si69」
▲4▼老化防止剤;大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクラック810NA」
▲5▼加硫促進剤(a);大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクセラーCZ」
▲6▼加硫促進剤(b);大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクセラーD」
表4〜7における各ゴム組成物及び加硫ゴムの物性は以下の方法により測定した。
(A)加工性;ゴム組成物をロールにより混練した際のロールへの巻き付き性により評価した。尚、評価基準は以下のとおりである。
◎;ロール面からの浮きがなく、優れている。○;僅かに浮き上がる程度であり、良好である。△;巻き付くが、浮き上がり易く、劣っている。×;ほとんど巻き付かず、非常に劣っている。
(B)未加硫ゴムシートの収縮;ゴム組成物をロールにより混練した後の未加硫ゴムシートの収縮の程度、及び表面状態等を目視で評価した。尚、評価基準は以下のとおりである。
◎;収縮が極めて小さく、未加硫ゴムシートの表面が平滑で艶があり、優れている。○;収縮が小さく、未加硫ゴムシートの表面が平滑であり、良好である。△;収縮があり、劣っている。×;収縮が極めて大きく、未加硫ゴムシートの耳切れがあり、非常に劣っている。
(C)引張特性;JIS K 6301に準拠し、3号型試験片を用い、測定温度25℃、引張速度500mm/分の条件で、破断時伸び(%)及び引張強さ(MPa)を測定した。
(D)耐摩耗性;JIS K 6264に準拠し、アクロン式摩耗試験機を用いて測定した。評価結果は、摩耗が激しい(0点)から摩耗が極めて少ない(5点)の間の整数により表す。
以上、評価した結果を表4〜7に併記する。
Figure 0005319041
Figure 0005319041
Figure 0005319041
Figure 0005319041
Figure 0005319041
表4〜6及び表8の結果によれば、実施例1〜15及び実施例16〜19のゴム組成物では、いずれも加工性及び寸法安定性に優れ、また、引張強度及び耐摩耗性に優れた加硫ゴムが得られていることが分かる。一方、表7の結果によれば、比較例1のゴム組成物は、シランカップリング剤が多いためか加工性は良好であるものの、得られる加硫ゴムの物性に劣り、比較例3、4では、物性は良好であるものの加工性に劣っている。更に、比較例2では、加工性、物性ともに劣っている。また、表8の結果によれば、比較例5、6では、加工性及び寸法安定性、特に、寸法安定性に劣っている。このように、比較例1〜6のゴム組成物では、加工性等と物性とが両立せず、工業用品等として有用な加硫ゴムを安定して調製し得ないことが推察される。
発明の効果
本発明によれば、特に、補強剤としてシリカを配合した場合にも、良好な加工性等を有するゴム組成物とすることができる。また、このゴム組成物は、優れた引張強度及び耐摩耗性等を有する加硫ゴムとすることができ、ゴムロール、もみすりロール、ベルト、ホース、スポンジ、ゴム板、ゴム引き布等の工業用品、透明靴、一般有色靴、スポンジ靴底等の履物部材、トレッド、ベーストレッド、サイドウォール、ゴムチェーシァー等の大型車、一般車用タイヤ、衛生スキン、医療用品等の衛生材料などとして有用である。

Claims (6)

  1. (1)繰り返し単位として、(a)共役ジエン単位39.89〜79.89質量%、(b)芳香族ビニル単位20〜60質量%、(c)少なくとも2個の重合性不飽和基を有する単量体単位0.01〜10質量%、及び(d)1個の重合性不飽和基とアミノ基とを有する単量体単位0.1〜30質量%[(a)、(b)、(c)及び(d)の合計量を100質量%とする。]を含む架橋ゴム粒子、並びに(2)共役ジエン単位の1,2−ビニル結合量が10〜30%であり、1,4−トランス結合量が55%を超える共役ジエン/芳香族ビニル共重合ゴムを含有することを特徴とするゴム組成物。
  2. 上記(a)共役ジエン単位を形成する共役ジエン、及び上記共役ジエン/芳香族ビニル共重合ゴムの該共役ジエン単位を形成する共役ジエンは、1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、イソプレン及びクロロプレンのうちの少なくとも1種であり、
    上記(b)芳香族ビニル単位を形成する芳香族ビニル、及び上記共役ジエン/芳香族ビニル共重合ゴムの該芳香族ビニル単位を形成する芳香族ビニルは、スチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、4−tert−ブチルスチレン及びtert−ブトキシスチレンのうちの少なくとも1種であり、
    上記(c)少なくとも2個の重合性不飽和基を有する単量体単位を形成する単量体は、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、ジイソプロペニルベンゼン及びトリビニルベンゼンのうちの少なくとも1種であり、
    上記(d)1個の重合性不飽和基とアミノ基とを有する単量体単位を形成する単量体は、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート類、N−ジアルキルアミノアルキル基含有不飽和アミド類及び三級アミノ基含有ビニル芳香族化合物のうちの少なくとも1種である請求項1記載のゴム組成物。
  3. 更に、他の重合性不飽和単量体単位を含み、該重合性不飽和単量体単位を形成する単量体は、(メタ)アクリロニトリル、シアン化ビニリデン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、(メタ)アクリルアミド、マレイミド、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、iso−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート及びシクロヘキシル(メタ)アクリレートのうちの少なくとも1種である請求項1又は2に記載のゴム組成物。
  4. 上記共役ジエン/芳香族ビニル共重合ゴムの少なくとも一部が、1個の重合性不飽和基と、カルボン酸基(CO2H及び/又はCO2 -)、アミノ基、ヒドロキシル基、エポキシ基及びアルコキシシリル基のうちの少なくとも1種の官能基とを有する単量体単位を0.1〜30質量%含有する請求項1乃至3のいずれかに記載のゴム組成物。
  5. 更にシリカ及び/又はカーボンブラックを含有する請求項1乃至4のいずれかに記載のゴム組成物。
  6. 上記シリカ及び上記カーボンブラックを併用する場合、該シリカ及び該カーボンブラックの合計量は、上記架橋ゴム粒子と上記共役ジエン/芳香族ビニル共重合ゴムとの合計量100重量部に対して、10〜120重量部である請求項5記載のゴム組成物。
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