JP4660959B2 - ゴム組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定の架橋ゴム粒子及びこの架橋ゴム粒子他と非架橋ゴム成分とを必須とするゴム組成物に関する。本発明のゴム組成物は加工性に優れ、特に補強剤としてシリカを用いた場合の作業性、寸法安定性等に優れる。また、このゴム組成物を加硫してなる加硫ゴムは、ベルト、ホース、ロール及びタイヤ等のゴム製品として各種の工業用途において使用することができる。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ゴム製品に使用される原料ゴムとして、
(A)ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、天然ゴムに代表される、繰り返し単位が共役ジエン単位のみからなる重合体、
(B)スチレン−ブタジエン共重合ゴム、スチレン−イソプレン共重合ゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合ゴムに代表される、繰り返し単位として共役ジエン単位と芳香族ビニル単位とを有する重合体、
【0003】
(C)アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴムに代表される、繰り返し単位として共役ジエン単位とα,β−不飽和ニトリル単位とを必須とする重合体、
(D)アクリルゴムに代表される、繰り返し単位としてアクリレート単位を必須とする重合体、
(E)エチレン−プロピレンゴムに代表される、繰り返し単位としてエチレン、炭素数3〜12のα−オレフィン、及び必要に応じて非共役ポリエンからなる重合体、
等が多用されている。
【0004】
これらの原料ゴムを使用し、補強剤としてシリカを用いれば、黒色以外の有色ゴム製品が得られ、また、それらを用いた配合ゴムの性能として発熱性を低く抑えることができる。しかし、シリカを用いた場合はカーボンブラックに比べて、加硫ゴムの引張強度及び耐摩耗性等が低下するという問題がある。更に、シリカを配合した場合の他の問題点として、(1)混練時の加工性及びコンパウンドの一体性の低下、(2)コンパウンドをロール等でシートとした場合の表面の平滑性が十分ではなく、シートエッジも整っておらず、冷却とともに相当に収縮する、等が挙げられる。
【0005】
このような問題が生ずる理由として、シリカが十分に分散せず、凝集してしまうことが考えられる。シリカが十分に分散していないゴム組成物では、補強剤の配合による所期の補強効果が得られないばかりか、分散不良のシリカ粒子間の相互作用に基づく発熱を生じ、加工性が大幅に低下することがある。そして、シリカの分散が不良となる原因は、シリカがカーボンブラックに比べて自己相互作用が強く凝集状態になり易いこと、及び原料ゴムの多くが主成分として炭素と水素により構成され、シリカと比べて極性が小さいため、シリカとの親和性が低い点にあると考えられている。
【0006】
このシリカと炭化水素系ゴムとの親和性を高めるため、シリカと親和性のある官能基を導入した共役ジエン系ゴムを用いることが従来より検討されている。例えば、ヒドロキシル基を導入した共役ジエン系ゴム(WO96/23027号公報)、アルコキシシリル基を導入した共役ジエン系ゴム(特開平9−208623号公報)、及びアルコキシシリル基と、アミノ基又はヒドロキシル基とを導入した共役ジエン系ゴム(特開平9−208633号公報)が提案されている。しかし、これらの官能基を導入した共役ジエン系ゴムの多くは、シリカを混合する際にシリカと強く凝集するため、分散不良が生じたり、加工時の発熱が大きく、加工性に劣る等の問題を有している。
【0007】
また、シリカの凝集を防ぎ、均一に分散させる目的で、シランカップリング剤を配合することが一般に行われている。これによりシリカの分散性はある程度向上し、ゴム組成物の加工性及び加硫ゴムの引張強度及び耐摩耗性等は相当に改良される。しかし、シート表面及びシートエッジの平滑性、或いは冷却時のシートの収縮等の問題は未だ十分に改良されているとはいえない。更に、加工性並びに引張強度及び耐摩耗性等を十分に改良するためには、シランカップリング剤をシリカに対して8〜15質量%程度と相当量配合する必要があるが、シランカップリング剤は高価であり、ゴム組成物のコスト上昇を招く。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の従来の問題を解決するものであり、混練時の加工性が良好であり、シート表面が平滑であって、シートエッジが整っており、冷却時の収縮が少ない等、加工性及び作業性に優れたゴム組成物を提供することを目的とする。また、このゴム組成物を加硫してなる加硫ゴムは、優れた引張強度及び耐摩耗性等を有する。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記の問題点を解決するため種々検討したところ、ゴム組成物に特定の組成を有する架橋ゴム粒子を含有させることにより、補強剤としてシリカを用いた場合であっても、混練時の加工性に優れ、シート表面及びシートエッジの平滑性が良好で、冷却時のシートの収縮も少ないゴム組成物が得られることが分かった。また、このゴム組成物を使用すれば、発熱性が小さく、十分な引張強度及び耐摩耗性等を有する加硫ゴムが得られることも分かった。更に、シランカップリング剤の配合量を低減しても、或いはシランカップリング剤を配合しなくても、加工性、引張強度等が実用上まったく問題にならない程度にまで十分に改良されることが見出された。
本発明は、このような知見に基づいてなされたものである。
【0011】
本発明のゴム組成物は、[1](1)繰り返し単位として、(a)共役ジエン単位30〜94.89質量%、(b)芳香族ビニル単位5〜69.89質量%、(c)少なくとも2個の重合性不飽和基を有する単量体単位0.01〜10質量%、及び(d)1個の重合性不飽和基と、アミノ基、ヒドロキシル基及びエポキシ基のうちの少なくとも1種の官能基とを有する単量体単位0.1〜30質量%[(a)、(b)、(c)及び(d)の合計量を100質量%とする)を備える架橋ゴム粒子、(2)繰り返し単位として、(a)共役ジエン単位30〜94.89質量%、(b)芳香族ビニル単位5〜69.89質量%、(c)少なくとも2個の重合性不飽和基を有する単量体単位0.01〜10質量%、及び(e)1個の重合性不飽和基と、カルボン酸基(COH及び/又はCO )とを有する単量体単位0.1〜30質量%[(a)、(b)、(c)及び(e)の合計量を100質量%とする]を備える架橋ゴム粒子、並びに(3)上記(1)における(d)を用いなかった他は(1)と同様の架橋ゴム粒子、のうちの少なくとも1種と、[2]非架橋ゴム成分からなるゴム組成物であって、[2]非架橋ゴム成分が、(A)繰り返し単位が共役ジエン単位のみからなる重合体、(B)繰り返し単位として、共役ジエン単位と芳香族ビニル単位とを有し、該共役ジエン単位の1,4−トランス結合量が55%以下の重合体、(C)繰り返し単位として、共役ジエン単位とα,β−不飽和ニトリル単位とを有する重合体、(D)アクリルゴム、(E)繰り返し単位として、エチレン単位と炭素数3〜12のα−オレフィン単位とを有する重合体、のうちの少なくとも1種であることを特徴とする。
【0012】
上記「架橋ゴム粒子(1)」は、(a)共役ジエン単位を形成する単量体(以下、「単量体(i)」という。)、(b)芳香族ビニル単位を形成する単量体(以下、「単量体(ii)」という。)、(c)少なくとも2個の重合性不飽和基を有する単量体単位を形成する単量体(以下、「単量体(iii)」という。)、及び(d)1個の重合性不飽和基と、アミノ基、ヒドロキシル基及びエポキシ基のうちの少なくとも1種の官能基とを有する単量体単位を形成する単量体(以下、「単量体(iv)」という。)により構成される。また、後述する他の重合性不飽和単量体(以下、「単量体(vi)」という。)を用いることもできる。
【0013】
本発明においては、(1)単量体(i)(iv)からなる架橋ゴム粒子、(2)単量体(i)(iii)及び1個の重合性不飽和基とカルボン酸基とを有する単量体(以下、「単量体(v)」という。)からなる架橋ゴム粒子、並びに(3)単量体(i)(iii)からなる架橋ゴム粒子のうちの少なくとも1種を用いることができる。更に、(1)、(2)及び(3)の各々において単量体(vi)を併用することができる。
【0014】
この架橋ゴム粒子は、架橋ゴム粒子を100mlのトルエンに室温で24時間浸漬した後、100メッシュの金網で濾過した濾液中の固形分量から求められるトルエン不溶分80質量%以上が好ましく、レーザ粒径解析システム(大塚電子株式会社製、型式「LPA−3100」)を用いて測定した粒子径10〜500nmが好ましく、特に30〜500nmの粒子状ゴムが好ましい
【0015】
架橋ゴム粒子は、単量体(i)(iii)或いは(iv)又は(v)及び必要に応じて単量体(vi)を使用し、乳化重合或いは懸濁重合等の重合方法により製造することができる。即ち、乳化重合によるゴム等の製造で一般に行われている、単量体(i)(ii)(iv)(v)及び必要に応じて単量体(vi)の水系媒体における重合を、少なくとも2個の重合性官能基を有し、共重合により架橋構造が導入され得る単量体(iii)の存在下に行うことにより、本発明の架橋ゴム粒子或いはゴム組成物を構成する架橋ゴム粒子を製造することができる。
【0016】
単量体(i)としては、1,3−ブタジエン、イソプレン(2−メチル−1,3−ブタジエン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン及びクロロプレン(2−クロロ−1,3−ブタジエン)等が挙げられる。これらの単量体(i)は1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用することもできる。
【0017】
架橋ゴム粒子における繰返し単位において、単量体(i)からなる単位の含有量は、30〜94.89質量%であり、特に40〜94.8質量%であることが好ましい。また、本発明における(3)の単量体(i)(iii)により構成される架橋ゴム粒子の場合は、単量体(i)からなる単位の含有量は、30〜94.99質量%であり、特に40〜94.9質量%であることが好ましい。単量体(i)からなる単位の含有量が下限値末満であると、加工性が改良されず、加硫ゴムの引張強度等が低下する。
【0018】
単量体(ii)としては、スチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、4−tert−ブチルスチレン及びtert−ブトキシスチレン等が挙げられる。これらの単量体(ii)は1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用することもできる。
【0019】
架橋ゴム粒子における繰返し単位において、単量体(ii)からなる単位の含有量は、5〜69.89質量%であり、特に5〜50質量%であることが好ましい。本発明における(3)の単量体(i)(iii)で構成される架橋ゴム粒子の場合は、単量体(ii)からなる単位の含有量は5〜69.99質量%であり、特に5〜50質量%であることが好ましい。単量体(ii)からなる単位の含有量が上限を超える場合は、加工性が低下する。
【0020】
単量体(iii)としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコ−ルジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレ−ト、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、ジイソプロペニルベンゼン及びトリビニルベンゼン等が挙げられる。これらの単量体(iii)は1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用することもできる。
【0021】
架橋ゴム粒子における繰返し単位において、単量体(iii)からなる単位の含有量は0.01〜10質量%であり、特に0.1〜10質量%であることが好ましい。単量体(iii)からなる単位の含有量が0.01質量%未満であると、架橋ゴム粒子の架橋度が十分に高くならず、加工時に粒子形状を維持することができないためゴム組成物の加工性が向上しない。一方、この含有量が10質量%を超える場合は、加硫ゴムの引張強度等が大きく低下し、いずれにしても好ましくない。
【0022】
単量体(iv)のうち、アミノ基を有する単量体としては、三級アミノ基を有する単量体が好ましく、
(a)ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノメチル(メタ)アクリレート、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−(ジ−n−プロピルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、2−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、2−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、2−(ジ−n−プロピルアミノ)プロピル(メタ)アクリレート、3−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、3−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート及び3−(ジ−n−プロピルアミノ)プロピル(メタ)アクリレート等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート類、
【0023】
(b)N−ジメチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、N−ジエチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、N−(2−ジメチルアミノエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(2−ジエチルアミノエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(2−ジメチルアミノプロピル)(メタ)アクリルアミド、N−(2−ジエチルアミノプロピル)(メタ)アクリルアミド、N−(3−ジメチルアミノプロピル)(メタ)アクリルアミド及びN−(3−ジエチルアミノプロピル)(メタ)アクリルアミド等のN−ジアルキルアミノアルキル基含有不飽和アミド類、
【0024】
(c)N,N−ジメチル−p−アミノスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノスチレン、ジメチル(p−ビニルベンジル)アミン、ジエチル(p−ビニルベンジル)アミン、ジメチル(p−ビニルフェネチル)アミン、ジエチル(p−ビニルフェネチル)アミン、ジメチル(p−ビニルベンジルオキシメチル)アミン、ジメチル[2−(p−ビニルベンジルオキシ)エチル]アミン、ジエチル(p−ビニルベンジルオキシメチル)アミン、ジエチル[2−(p−ビニルベンジルオキシ)エチル]アミン、ジメチル(p−ビニルフェネチルオキシメチル)アミン、ジメチル[2−(p−ビニルフェネチルオキシ)エチル]アミン、ジエチル(p−ビニルフェネチルオキシメチル)アミン、ジエチル[2−(p−ビニルフェネチルオキシ)エチル]アミン、2−ビニルピリジン、3−ビニルピリジン及び4−ビニルピリジン等の三級アミノ基含有ビニル芳香族化合物等、が挙げられる。
これらのうちではジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート類及び三級アミノ基含有ビニル芳香族化合物が好ましい。これらのアミノ基を有する単量体は各々の種類のうちの1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用することもでき、異なる種類のものを併用することもできる。
【0025】
ヒドロキシル基を有する単量体としては、
(a)2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート及び4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類、
(b)ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコ−ル等のポリアルキレングリコール(アルキレングリコール単位数は、例えば2〜23)のモノ(メタ)アクリレート類、
【0026】
(c)N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド及びN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド等のヒドロキシル基含有不飽和アミド類、
(d)o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、o−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、m−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、p−ヒドロキシ−α−メチルスチレン及びp−ビニルベンジルアルコール等のヒドロキシル基含有ビニル芳香族化合物、
(e)(メタ)アリルアルコール等、が挙げられる。
これらのうちではヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類及びヒドロキシル基含有ビニル芳香族化合物が好ましい。これらのヒドロキシル基を有する単量体は各々の種類のうちの1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用することもでき、異なる種類のものを併用することもできる。
【0027】
エポキシ基を有する単量体としては、(メタ)アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート及び3,4−オキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらのエポキシ基を有する単量体は1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用することもできる。
【0028】
単量体(v)としては、
(a)(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、テトラコン酸及びけい皮酸等の不飽和カルボン酸類、
(b)フタル酸、こはく酸、アジピン酸等の非重合性多価カルボン酸と、(メタ)アリルアルコ−ル及び2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有不飽和化合物とのモノエステル等の遊離カルボキシル基含有エステル類、及びこれらの塩等が挙げられる。
これらのうちでは不飽和カルボン酸類が好ましい。また、これらのカルボン酸基を有する単量体は各々の種類のうちの1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用することもでき、異なる種類のものを併用することもできる。
【0029】
これらの単量体(iv)及び単量体(v)はそれぞれ任意に選択して使用することができる。また、単量体(iv)のアミノ基、ヒドロキシル基、エポキシ基のうちの2種以上を組み合わせて使用することもできる。例えば、アミノ基を有する単量体とヒドロキシル基を有する単量体とを組み合わせ、単量体(iv)として使用することができる。
【0030】
架橋ゴム粒子における繰返し単位において、単量体(iv)及び単量体(v)からなる単位の含有量は0.1〜30質量%であり、特に0.3〜15質量%であることが好ましい。単量体(iv)及び単量体(v)からなる単位の含有量が0.1質量%未満であると、架橋ゴム粒子とシリカとの親和性が不十分となり、ゴム組成物の加工性が十分に向上しない。一方、この含有量が30質量%を超える場合は、架橋ゴム粒子とシリカとが強く凝集するため、加工性が低下する。
【0031】
単量体(vi)は、共重合し得る不飽和基を1個有する化合物であればよく、その種類は特に限定されない。
この単量体(vi)としては、(メタ)アクリロニトリル、シアン化ビニリデン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、(メタ)アクリルアミド、マレイミド、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、iso−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、n−へキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート及びシクロヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの単量体(vi)は1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用することもできる。
また、単量体(vi)を使用する場合は、単量体(i)(ii)(iii)及び(iv)又は(v)の合計量を100質量部(以下、「部」と略記する。)とした場合に、0.1〜50部、特に0.5〜30部とすることができる。
【0032】
架橋ゴム粒子の粒子径は、「10〜500nm」が好ましく、特に30〜500nm、更には30〜200nmであることが好ましい。粒子径が500nmを超えると、ゴム組成物において架橋ゴム粒子が十分に分散せず、加工性が低下する。この架橋ゴム粒子の粒子径は、乳化重合においては用いる乳化剤及び電解質の種類、量等により制御することができる。また、架橋ゴム粒子は、100mlのトルエンに室温で24時間浸漬した後、100メッシュの金網により濾過した濾液に含まれる固形分量から算出されるトルエン不溶分が「80質量%以上」が好ましく、特に85質量%以上であることが好ましい。トルエン不溶分が80質量%未満の場合は、加工性が十分に改良されない。
【0033】
架橋ゴム粒子は、ラジカル重合開始剤を用いる乳化重合或いは懸濁重合により製造することができるが、粒子の大きさ、粒子径の均一性の観点から乳化重合により製造することが好ましい。
【0034】
ラジカル重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、tert−ブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、パラメンタンヒドロパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド及びジクミルパーオキサイド等の有機過酸化物を使用することができる。また、アゾビスイソブチロニトリルにより代表されるアゾ化合物、過硫酸カリウムにより代表される無機過酸化物、及びこれら過酸化物と硫酸第一鉄との組み合せにより代表されるレドックス系触媒等を用いることもできる。これらのラジカル重合開始剤は各々の種類のうちの1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用することもでき、異なる種類のものを併用することもできる。
また、tert−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン類、四塩化炭素、チオグリコール類、ジテルペン、タ−ピノーレン及びγ−テルピネン類等の連鎖移動剤を併用することもできる。
【0035】
乳化重合において用いられる乳化剤としては、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤及び両性界面活性剤等が挙げられる。また、ふっ素系の界面活性剤を使用することもできる。これらの乳化剤は各々の種類のうちの1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用することもでき、異なる種類のものを併用することもできる。
【0036】
懸濁重合において用いられる懸濁安定剤としては、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム及びヒドロキシエチルセルロース等が挙げられる。これらの懸濁安定剤は1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用することもできる。
【0037】
乳化重合又は懸濁重合において、各々の単量体及びラジカル重合開始剤等は、反応容器に全量を投入してから重合を開始してもよいし、反応継続時に連続的或いは間欠的に添加してもよい。重合は酸素を除去した反応器を用いて0〜80℃で行うことができ、反応途中で温度或いは攪拌等の操作条件などを適宜に変更することもできる。重合方式は連続式でもよいし、回分式であってもよい。
【0038】
上記「非架橋ゴム成分」は、以下の(A)〜(E)の重合体等のうちの少なくとも1種である。
(A)繰り返し単位が共役ジエン単位のみからなる重合体、
(B)繰り返し単位として、共役ジエン単位と芳香族ビニル単位とを有し、共役ジエン単位の1,4−トランス結合量が55%以下の重合体、
(C)繰り返し単位として、共役ジエン単位とα,β−不飽和ニトリル単位とを有する重合体、この(C)には必要に応じてアクリレート単位、芳香族ビニル単位が含まれていてもよい。
(D)アクリルゴム、通常、50質量%以上のアクリレートを含む。この(D)には、不飽和基を導入するために、2個以上の重合性炭素−炭素二重結合を分子中に有する単量体単位(単量体(vii)により形成される)が含まれていてもよい。
(E)繰り返し単位として、チレン単位と素数3〜12のα−オレフィン単位(単量体(viii)により形成される)とを有する重合体、この(E)には必要に応じて非共役ポリエン単位(単量体(ix)により形成される)が含まれていてもよい。
【0039】
非架橋ゴム成分(A)〜(D)を構成する共役ジエン単位は、架橋ゴム粒子における単量体(i)と同様の単量体を、非架橋ゴム成分(B)を構成する芳香族ビニル単位は架橋ゴム粒子における単量体(ii)と同様の単量体を、非架橋ゴム成分(C)を構成するα,β−不飽和ニトリル単位は、架橋ゴム粒子における単量体(vi)の一部と同様の単量体を、及び非架橋ゴム成分(C)、(D)を構成するアクリレート単位は、架橋ゴム粒子における単量体(vi)の一部と同様の単量体を使用して形成することができる。
【0040】
また、非架橋ゴム成分(D)のアクリルゴムにおいて、不飽和基を導入するために用いる2個以上の重合性炭素−炭素二重結合を分子中に有する単量体(vii)の炭素数は5〜25であることが好ましい。単量体(vii)としては、ビニルメタクリレート、ビニルアクリレート、アリルメタクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、1,1−ジメチルプロペニルメタクリレート、1,1−ジメチルプロペニルアクリレート、1,1−ジメチル−3−ブテニルメタクリレート、1,1−ジメチル−3−ブテニルアクリレート、イタコン酸ジビニル、マレイン酸ジビニル、ビニル1,1−ジメチルプロペニルエーテル、ビニル1,1−ジメチル−3−ブテニルエーテル、1−アクロイルオキシ−1−フェニルエテン等が挙げられる。これらのうちではビニルメタクリレート、アリルメタクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレートが特に好ましい。これらの単量体(vii)は1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用することもできる。
【0041】
非架橋ゴム成分(E)においてエチレン単位を形成する単量体はエチレンである。また、炭素数3〜12のα−オレフィン単位を形成する単量体(viii)としては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、5−メチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、5−エチル−1−ヘキセン、1−デセン、3−メチル−1−ブテンなどが挙げられる。これらのうちでは1−ヘキセン、1−オクテンが特に好ましい。これらのα−オレフィンは1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用することもできる。
【0042】
非共役ポリエン単位を形成する単量体(ix)としては、一般に用いられる非共役ジエンを特に限定されることなく用いることができるが、便宜上、生成する重合体に分岐鎖が形成されるか否かで2種類に分けることができる。
重合体に分岐鎖が形成される非共役ジエンとしては、ジシクロペンタジエン、2,5−ノルボルナジエン、5−ビニル−2−ノルボルネンの他、炭素数6〜20の脂肪族α,ω−ジエン等が挙げられる。この脂肪族α,ω−ジエンとしては、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、1,7−オクタジエン、1,8−ノナジエン、1,9−デカジエン等が挙げられる。
【0043】
また、重合体に分岐鎖が形成されない非共役ジエンとしては、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、5−(1−ブテニル)−2−ノルボルネン、シクロオクタジエン、ビニルシクロヘキセン、1,5,9−シクロドデカトリエン、6−メチル−4,7,8,9−テトラヒドロインデン、2,2’−ジシクロペンテニル、トランス−1,2−ジビニルシクロブタン、2−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、5,7−ジメチル−1,6−オクタジエン、3,7−ジメチル−1,6−オクタジエン、1,4,7−オクタトリエン、ジシクロオクタジエン、メチレンノルボルネン等を挙げることができる。
【0044】
これらの非共役ポリエンのうちで、重合体に分岐鎖が形成されるものとしては、1,9−デカジエン、ジシクロペンタジエンが好ましい。また、分岐鎖が形成されないものとしては、5−エチリデン−2−ノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、5,7−ジメチル−1,6−オクタジエンが好ましい。これらの非共役ポリエンはそれぞれ1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用することもできるが、重合体に分岐鎖が形成されるものと、形成されないものとを各々少なくとも1種使用することがより好ましい。
【0045】
(A)〜(E)から選ばれる非架橋ゴム成分としては、以下のものが挙げられる。
(A)繰り返し単位が共役ジエン単位のみからなる重合体;
(i)乳化重合ポリブタジエンゴム、(ii)Ti、Ni、Co等の遷移金属化合物と有機アルミニウム化合物とを主成分とするチーグラー系触媒、或いはNd化合物と有機アルミニウム化合物からなる触媒により調製される高−cis−ポリブタジエンゴム、(iii)Ba化合物と有機マグネシウム化合物、有機アルミニウム化合物とからなる触媒により調製される高−trans−ポリブタジエンゴム、(iv)乳化重合ポリイソプレンゴム、高−cis−ポリイソプレンゴム、ブタジエン-イソプレン共重合ゴム、天然ゴム、クロロプレンゴム等、
【0046】
(B)繰り返し単位として、共役ジエン単位と20〜50質量%の芳香族ビニル単位とを有し、共役ジエン単位の1,4−トランス結合量が55%以下の重合体;
溶液重合スチレンーブタジエンランダム共重合ゴム、溶液重合スチレンーブタジエンブロック共重合ゴム、溶液重合スチレン−イソプレンランダム共重合ゴム、溶液重合スチレン−イソプレン−ブタジエンランダム共重合ゴム、スチレン−ブタジエン−スチレントリブロック共重合ゴム、スチレン−イソプレン−スチレントリブロック共重合ゴム等、
【0047】
(C)繰り返し単位として、共役ジエン単位と5〜60質量%のα,β−不飽和ニトリル単位とを必須とし、必要に応じてアクリレート単位、芳香族ビニル単位を有する重合体;
アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、アクリロニトリル−イソプレン共重合ゴム、アクリロニトリル−スチレン-ブタジエン共重合ゴム、アクリロニトリル−スチレン−イソプレン共重合ゴム等、
(D)アクリルゴム;アクリレートを50質量%以上含むアクリルゴム、アクリレート−ブタジエン共重合ゴム等、
【0048】
(E)繰り返し単位として、エチレン単位と炭素数3〜12のα−オレフィン単位とを必須とし、必要に応じて非共役ポリエン単位を有する重合体;
エチレン/プロピレン共重合ゴム、エチレン/1−ブテン共重合ゴム、エチレン/1−ペンテン共重合ゴム、エチレン/1−ヘキセン共重合ゴム、エチレン/1−オクテン共重合ゴム等、及びこれら単量体単位と非共役ポリエン単位を形成する単量体単位とを有するエチレン/プロピレン/5−エチリデン−2−ノルボルネン等のエチレン/プロピレン−ジエン共重合ゴム等、
【0049】
また、本発明のゴム組成物では、アミノ基、ヒドロキシル基、エポキシ基及びカルボン酸基のうちの少なくとも1種の官能基が導入された非架橋ゴム成分を使用することもできる。この官能基を導入するための単量体としては、架橋ゴム粒子の場合と同様のものを使用することができる。更に、以下に示すアルコキシシリル基を有する単量体を共重合させた非架橋ゴム成分を用いることもできる。
【0050】
アルコキシシリル基を有する単量体としては、
(メタ)アクリロキシメチルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルメチルジメトキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルジメチルメトキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルトリエトキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルメチルジエトキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルジメチルエトキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルトリプロポキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルメチルジプロポキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルジメチルプロポキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリプロポキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジプロポキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルプロポキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジフェノキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルフェノキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジベンジロキシシラン及びγ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルフェノキシシラン等が挙げられる。
【0051】
これらのアルコキシシリル基を有する単量体は1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用することもできる。それによってシリカと非架橋ゴム成分との親和性を高めることができる。
【0052】
非架橋ゴム成分は、これらを構成するための各々の単量体を、乳化重合或いは懸濁重合させることにより製造することができる。また、官能基が導入された非架橋ゴム成分は、架橋ゴム粒子の形成において用いられる単量体(iv)(v)或いはアルコキシシリル基を有する単量体を併用し、乳化重合又は懸濁重合させることにより製造することができる。この重合方法は特に限定されないが、通常、乳化重合により製造することが好ましい。
【0053】
非架橋ゴム成分は、100mlのトルエンに室温で24時間浸漬した後、100メッシュの金網で濾過した濾液に含まれる固形分量から算出されるトルエン不溶分が「20質量%以下」が好ましく、15質量%以下であることがより好ましい。また、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフ)により求めたポリスチレン換算の重量平均分子量は50000〜2000000であることが好ましい。
【0054】
本発明のゴム組成物には、このゴム組成物に含まれる全ゴム成分を100質量部(以下、部と略記する。)とした場合に、1〜70部の架橋ゴム粒子と、30〜99部の非架橋ゴム成分とが含有されることが好ましい。架橋ゴム粒子が1部未満の場合、加工性の改良効果が小さく、70部を超えると加硫ゴムの物性が低下し好ましくない。
【0055】
また、このゴム組成物には、実用に供する場合、通常、補強剤が配合される。この補強剤としては、特に限定されないが、シリカ及び/又はカーボンブラックが好ましく用いられる。このシリカとしては、一般に合成ゴムの明色補強配合剤として用いられているものを使用することができる。シリカの種類等は特に限定されないが、湿式法ホワイトカーボン、乾式法ホワイトカーボン、コロイダルシリカ、及び特開昭62−62838号公報に記載された沈降シリカ等が挙げられる。これらのうち、含水ケイ酸を主成分とする湿式法ホワイトカーボンが特に好ましい。これらのシリカはそれぞれ1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用することもできる。このシリカの比表面積は特に限定されないが、窒素吸着比表面積(ASTM D3037−81に準じBET法により測定される値)で通常50〜400m2/g、特に50〜220m2/g、更には70〜220m2/gであれば、所期の補強効果が十分に得られ、加硫ゴムの耐摩耗性及び発熱性等が十分に改良される。
【0056】
上記シリカを単独で用いる場合、その含有量は、架橋ゴム粒子成分と非架橋ゴム成分との含有量の合計を100部とした場合に、2〜120部、特に10〜100部とすることが好ましい。上記シリカの含有量が2部未満であると、十分な補強効果が得られず好ましくない。一方、この含有量が120部であれば十分な補強効果が得られ、これを超えて多量に含有させる必要はない。
【0057】
上記カーボンブラックの種類等も特に限定されないが、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック、グラファイト等を使用することができる。これらのうちでは特にファーネスブラックが好ましく、その具体例としては、SAF、ISAF、ISAF−HS、ISAF−LS、IISAF−HS、HAF、HAF−HS、HAF−LS、FEF等が挙げられる。これらのカーボンブラックは1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用することもできる。
【0058】
シリカの場合と同様にして測定したカーボンブラックの窒素吸着比表面積は好ましくは5〜200m2/gであり、より好ましくは50〜150m2/g、更に好ましくは80〜130m2/gである。この範囲であれば、加硫ゴムの引張強度、耐摩耗性等が十分に向上する。また、カーボンブラックのDBP吸着量も特に限定されないが、好ましくは5〜300ml/100g、更に好ましくは50〜200ml/100g、特に好ましくは80〜160ml/100gであれば、引張強度、耐摩耗性等が十分に改良されるため好ましい。更に、カーボンブラックとして、特開平5−230290号公報に記載されたセチルトリメチルアンモニウムブロマイドの吸着比表面積が110〜170m2/gであり、165MPaの圧力で4回繰り返し圧縮した後のDBP(24M4DBP)吸油量が110〜130ml/100gであるハイストラクチャーカーボンブラックを用いることにより、耐摩耗性を更に向上させることができる。
【0059】
補強剤として、シリカとカーボンブラックとを併用することもできる。この場合、その含有量を、架橋ゴム粒子成分と非架橋ゴム成分との含有量の合計100部に対して10〜120部、特に40〜100部とすることが好ましい。この合計量が10部未満であると、十分な補強効果が得られず好ましくない。一方、120部であれば十分な補強効果が得られ、これを超えて多量に含有させる必要はない。更に、シリカとカーボンブラックとの量比は特に限定されないが、シリカを100部とした場合に、カーボンブラックを5〜200部、特に10〜150部とすることが好ましい。この範囲の量比であれば、より優れた引張強度及び耐摩耗性等を併せ有する加硫ゴムとすることができる。
また、補強剤として、カ−ボン−シリカデュアル・フェイズフィラー等を用いることができる。
【0060】
本発明のゴム組成物には、上記の補強剤の他、以下の各種の成分を配合することができる。
充填剤としてタルク、クレー、炭酸カルシウム及び炭酸マグネシウム等を適量配合することもできる。また、石油系配合油である芳香族系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、パラフィン系プロセスオイル等のゴム用伸展油を配合することができる。この伸展油としては、芳香族系及びナフテン系のプロセスオイルが好ましい。更に、補強剤としてシリカを使用する際は、シランカップリング剤を併用することで、加工性と補強性とのバランスをより向上させることができる。シランカップリング剤の配合量は、シリカ100部に対して20部未満、特に10部未満とすることが好ましい。また、活性剤として、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、シリコーンオイル、トリエタノールアミン、トリ−iso−プロパノールアミン等を用いることもできる。この他に、老化防止剤及び加工助剤などを適量配合することもできる。
【0061】
また、架橋剤としては、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄等の硫黄、一塩化硫黄、二塩化硫黄等のハロゲン化硫黄、ジクミルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド等の有機過酸化物、p−キノンジオキシム、p,p’−ジベンゾイルキノンジオキシム等のキノンジオキシム、トリエチレンテトラミン、ヘキサメチレンジアミンカルバメート、4,4’−メチレンビス−o−クロロアニリン等の有機多価アミン化合物、メチロール基を有するアルキルフェノール樹脂等が挙げられる。これらのうちでは硫黄が好ましく、粉末硫黄が特に好ましい。これらの架橋剤は各々の種類のうちの1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用するすることもでき、異なった種類のものを併用することもできる。
【0062】
この架橋剤は、架橋ゴム粒子と非架橋ゴム成分との合計量を100部とした場合に、通常、0.1〜15部とすることができ、0.3〜10部、特に0.5〜5部とすることが好ましい。この範囲の量比の架橋剤を配合すれば、引張強度、耐摩耗性等が十分に向上する。
【0063】
加硫促進剤としては、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N’−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミドなどのスルフェンアミド系加硫促進剤、ジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、オルトトリルビグアニジン等のグアニジン系加硫促進剤、チオカルボアニリド、ジオルトトリルチオウレア、エチレンチオウレア、ジエチルチオウレア、トリメチルチオウレア等のチオウレア系加硫促進剤、
【0064】
2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド、2−メルカプトベンゾチアゾール亜鉛塩、2−メルカプトベンゾチアゾールナトリウム塩、2−メルカプトベンゾチアゾールシクロヘキシルアミン塩、2−(2,4−ジニトロフェニルチオ)ベンゾチアゾール等のチアゾール系加硫促進剤、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等のチウラム系加硫促進剤、
【0065】
ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸鉛、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸亜鉛、ペンタメチレンジチオカルバミン酸亜鉛、エチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸テルル、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、ジエチルジチオカルバミン酸セレン、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジメチルジチオカルバミン酸鉄、ジエチルジチオカルバミン酸ジエチルアミン、ペンタメチレンジチオカルバミン酸ピペリジン、メチルペンタメチレンジチオカルバミン酸ピペコリン等のジチオカルバミン酸系加硫促進剤、イソプロピルキサントゲン酸ナトリウム、イソプロピルキサントゲン酸亜鉛、ブチルキサントゲン酸亜鉛等のキサントゲン酸系加硫促進剤などが挙げられる。
【0066】
これらの加硫促進剤は各々の種類のうちの1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用することもでき、異なる種類のものを併用することもできる。この加硫促進剤としては、少なくともスルフェンアミド系加硫促進剤を用いることが特に好ましい。加硫促進剤の配合量は、架橋ゴム粒子と非架橋ゴム成分との合計量を100部とした場合に、0.1〜15部、特に0.3〜10部、更には1〜10部とすることが好ましい。
【0067】
加硫活性化剤としては、ステアリン酸等の高級脂肪酸及び酸化亜鉛などを使用することができる。酸化亜鉛としては、表面活性が高く、粒径が5μm以下のものが好ましい。そのような酸化亜鉛としては、粒径が0.05〜0.2μmの活性亜鉛華或いは0.3〜1μmの亜鉛華等が挙げられる。また、アミン系の分散剤若しくは湿潤剤により表面処理した酸化亜鉛などを使用することもできる。
【0068】
これらの加硫活性化剤は各々の種類のうちの1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用することもでき、異なる種類のものを併用することもできる。加硫活性化剤は、その種類により適宜の配合量とすることができ、高級脂肪酸を用いる場合は、架橋ゴム粒子と非架橋ゴム成分との合計量100部に対して、0.05〜15部、特に0.1〜10部、更には0.5〜5部とすることが好ましい。また、酸化亜鉛を用いる場合は、0.05〜10部、特に0.1〜7部、更には0.5〜5部とすることが好ましい。この範囲の配合量であれば、ゴム組成物の加工性、及び加硫ゴムの引張強度、耐摩耗性等が非常にバランスよく向上するため特に好ましい。
【0069】
本発明のゴム組成物及びそれを用いたゴム製品は、以下のようにして製造することができる。
先ず、架橋ゴム粒子、非架橋ゴム成分、シリカ、カーボンブラック、カ−ボン−シリカデュアル・フェイズフィラー等の補強剤、ゴム用伸展油、その他の配合剤などをバンバリーミキサ等の混練機を使用して70〜180℃の温度で混練する。その後、混練物を冷却し、これに更に硫黄等の加硫剤及び加硫促進剤などを、バンバリーミキサ或いはミキシングロール等を用いて配合し、所定の形状に成形する。次いで、140〜180℃の温度で加硫し、所要の加硫ゴム、即ち、ゴム製品を得る。
【0070】
また、この加硫ゴムは、その優れた特性により各種分野におけるゴム製品として使用することができる。例えば、ゴムロール、もみすりロール、ベルト、ホース、スポンジ、ゴム板、ゴム引き布等の工業用品、透明靴、一般有色靴、スポンジ靴底等の履物部材、トレッド、ベーストレッド、サイドウォール、ゴムチェーファーなどの大型車、一般車用タイヤ、衛生スキン、医療用品等の衛生材料などとして用いることができる。
【0071】
【発明の実施の形態】
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明する。
(1)架橋ゴム粒子の製造
重合用容器に水200部、ロジン酸石鹸4.5部、及び表1の組成の単量体(表1における単位は「部」である。)を仕込んだ。その後、重合用容器の温度を5℃に設定し、ラジカル重合開始剤としてp−メンタンハイドロパーオキサイド0.1部、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム0.07部、硫酸第一鉄7水和物0.05部、及びソディウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.15部を添加して12時間重合させ、架橋ゴム粒子を含むエマルジョンを得た。重合転化率は略100%であった。次いで、このエマルジョンを硫酸と塩により凝固させてクラムとし、その後、熱風乾燥機により乾燥させ、表1の単量体組成からなる架橋ゴム粒子1〜5を得た。
【0072】
【表1】
Figure 0004660959
【0073】
(2)非架橋ゴム成分の製造
重合用容器に水200部、ロジン酸石鹸4.5部、及び表2の組成の単量体(表2における単位は「部」である。)とターシャリードデシルメルカプタン0.1部を仕込んだ。その後、重合用容器の温度を5℃に設定し、ラジカル重合開始剤としてp−メンタンハイドロパーオキサイド0.1部、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム0.07部、硫酸第一鉄7水和物0.05部、及びソディウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.15部を添加して重合を開始した。重合転化率が60%に達した時点でジエチルヒドロキシルアミンを添加して重合を停止させた後、スチームストリッピングにより未反応単量体を回収して、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合ゴムを含むエマルジョンを得た。
【0074】
次いで、このエマルジョンを硫酸と塩により凝固させてクラムとし、その後、熱風乾燥機により乾燥させ、表2の単量体組成からなる非架橋ゴム成分(以下、「非架橋ゴム成分3」という)を得た。この非架橋ゴム成分3の重量平均分子量を、GPCを使用し、標準ポリスチレン換算により求めた。結果を表2に併記する。
尚、表2における非架橋ゴム成分5の非共役ポリエンは、5−エチリデン−2−ノルボルネンである。
【0075】
【表2】
Figure 0004660959
【0076】
表2における各単量体の結合量等は以下の方法により測定した。
(a)結合スチレン量(質量%);赤外吸収スペクトル法により検量線を作成して求めた。
(b)結合アクリロニトリル量(質量%);ゴムをトルエンに溶解し、メタノ−ルで再沈殿させる操作を2回行って精製し、真空乾燥した後、元素分析を行い、窒素含有量から算出した。
【0077】
(c)エチレン含量(質量%);13C核磁気共鳴スペクトルにより求めた。
(d)ヨウ素価;赤外スペクトル法により求めた。
(e)ブタジエン単位のビニル結合量及び1,4−トランス結合量(%);赤外スペクトル法(モレロ法)により求めた。
以上、測定した結果を表2に併記する。
【0078】
(3)架橋ゴム粒子と非架橋ゴム成分との湿式混合
表1に記載の架橋ゴム粒子3を含むエマルジョンと、表2に記載の非架橋ゴム成分3を含むエマルジョンとを、固形分の質量比で1:9になるように混合した。その後、これを硫酸と塩により凝固させてクラムとし、熱風乾燥機により乾燥させ、湿式混合ゴムを得た。この湿式混合によれば、架橋ゴム粒子と非架橋ゴム成分とを乾式で混合する場合に比べてより均一に混合することができる。
【0079】
(4)ゴム組成物及び加硫ゴムの調製
表1の架橋ゴム粒子、表2の非架橋ゴム成分及び上記(3)における湿式混合ゴムを使用し、表3〜5の配合処方でラボプラストミル(東洋精機株式会社製)により混練し、表3〜5に記載の実施例1〜11のゴム組成物とした。その後、加硫プレスにより、160℃で20分加硫し、加硫ゴムを得た。また、架橋ゴム粒子を用いず、非架橋ゴム成分のみを使用し、同様にして表3〜5に記載の比較例1〜6のゴム組成物を得、これらを同様にして加硫した。
【0080】
【表3】
Figure 0004660959
【0081】
【表4】
Figure 0004660959
【0082】
【表5】
Figure 0004660959
【0083】
尚、上記の配合処方において用いた配合剤としては、以下のものを用いた。
(1)シリカ;日本シリカ工業株式会社製、商品名「ニプシルVN3」
(2)カーボンブラック;三菱化学株式会社製、商品名「ダイヤブラックN220」
(3)シランカップリング剤;(a)はデグッサ社製、商品名「Si69」、(b)はGE東芝シリコーン株式会社製、商品名「TSL8380」
(4)老化防止剤;大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクラック810NA」
(5)加硫促進剤;(a)は大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクセラーCZ」、(b)は大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクセラーD」
【0084】
表3〜5におけるゴム組成物及び加硫ゴムの物性は以下の方法により評価した。
(A)加工性;ゴム組成物をロールにより混練した際のロールへの巻き付き性により評価した。尚、評価基準は以下のとおりである。
◎;ロール面からの浮きがなく、優れている。○;僅かに浮き上がる程度であり、良好である。△;巻き付くが、浮き上がり易く、劣っている。×;ほとんど巻き付かず、非常に劣っている。
【0085】
(B)未加硫ゴムシートの収縮;ゴム組成物をロールにより混練した後の未加硫ゴムシートの収縮の程度、及び表面状態等を目視で観察した。尚、評価基準は以下の通りである。
◎;収縮が極めて小さく、未加硫ゴムシートの表面が平滑で艶があり、優れている。○;収縮が小さく、未加硫ゴムシートの表面が平滑であり、良好である。△;収縮が有り、劣っている。×;収縮が極めて大きく、未加硫ゴムシートの耳切れがり、非常に劣っている。
【0086】
(C)引張特性;JIS K 6301に準拠し、3号型試験片を用い、測定温度25℃、引張速度500mm/分の条件で、破断時伸びEB(%)及び引張強さTB(MPa)を測定した。
(D)耐摩耗性;JIS K 6264に準拠し、アクロン式摩耗試験機を用いて測定した。評価結果は、摩耗が激しい(0点)から摩耗が極めて少ない(5点)の間の整数により表す。
以上、評価した結果を表3〜5に併記する。
【0087】
表3〜5によれば、実施例1〜11のゴム組成物では、加工性及び寸法安定性に優れ、加硫ゴムの伸び、引張強さも十分に大きく、耐摩耗性も4又は5であって良好であることが分かる。一方、架橋ゴム粒子を用いていない比較例1〜6では寸法安定性が低下し、特に、比較例2、4では、耐摩耗性は2であり、劣っていることが分かる。
【0088】
【発明の効果】
本発明のゴム組成物によれば、上記の架橋ゴム粒子等を使用することにより、特に、補強剤としてシリカを用いた場合に、良好な加工性及び寸法安定性等を有するゴム組成物とすることができる。

Claims (7)

  1. [1](1)繰り返し単位として、(a)共役ジエン単位30〜94.89質量%、(b)芳香族ビニル単位5〜69.89質量%、(c)少なくとも2個の重合性不飽和基を有する単量体単位0.01〜10質量%、及び(d)1個の重合性不飽和基と、アミノ基、ヒドロキシル基及びエポキシ基のうちの少なくとも1種の官能基とを有する単量体単位0.1〜30質量%[(a)、(b)、(c)及び(d)の合計量を100質量%とする]を備える架橋ゴム粒子、(2)繰り返し単位として、(a)共役ジエン単位30〜94.89質量%、(b)芳香族ビニル単位5〜69.89質量%、(c)少なくとも2個の重合性不飽和基を有する単量体単位0.01〜10質量%、及び(e)1個の重合性不飽和基と、カルボン酸基(COH及び/又はCO )とを有する単量体単位0.1〜30質量%[(a)、(b)、(c)及び(e)の合計量を100質量%とする]を備える架橋ゴム粒子、並びに(3)繰り返し単位として、(a)共役ジエン単位30〜94.99質量%、(b)芳香族ビニル単位5〜69.99質量%、(c)少なくとも2個の重合性不飽和基を有する単量体単位0.01〜10質量%[(a)、(b)及び(c)の合計量を100質量%とする]を備える架橋ゴム粒子、から選ばれる少なくとも1種の架橋ゴム粒子と、[2]非架橋ゴム成分とからなるゴム組成物であって、
    上記非架橋ゴム成分が、(A)繰り返し単位が共役ジエン単位のみからなる重合体、(B)繰り返し単位として、共役ジエン単位と芳香族ビニル単位とを有し、該共役ジエン単位の1,4−トランス結合量が55%以下の重合体、(C)繰り返し単位として、共役ジエン単位とα,β−不飽和ニトリル単位とを有する重合体、(D)アクリルゴム、(E)繰り返し単位として、エチレン単位と炭素数3〜12のα−オレフィン単位とを有する重合体、のうちの少なくとも1種であることを特徴とするゴム組成物。
  2. 上記(a)共役ジエン単位を形成する共役ジエンは、1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、イソプレン及びクロロプレンのうちの少なくとも1種であり、
    上記(b)芳香族ビニル単位を形成する芳香族ビニルは、スチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、4−tert−ブチルスチレン及びtert−ブトキシスチレンのうちの少なくとも1種であり、
    上記(c)少なくとも2個の重合性不飽和基を有する単量体単位を形成する単量体は、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコ−ルジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレ−ト、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、ジイソプロペニルベンゼン及びトリビニルベンゼンのうちの少なくとも1種である請求項1記載のゴム組成物
  3. 上記(d)1個の重合性不飽和基及びアミノ基を有する単量体単位を形成する単量体は、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート類、N−ジアルキルアミノアルキル基含有不飽和アミド類、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート類及び三級アミノ基含有ビニル芳香族化合物のうちの少なくとも1種である請求項1又は2に記載のゴム組成物
  4. 上記(d)1個の重合性不飽和基及びヒドロキシル基を有する単量体単位を形成する単量体は、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類、ポリアルキレングリコール(アルキレングリコール単位数は2〜23)のモノ(メタ)アクリレート類、ヒドロキシル基含有不飽和アミド類、ヒドロキシル基含有ビニル芳香族化合物及び(メタ)アリルアルコールのうちの少なくとも1種である請求項1又は2に記載のゴム組成物
  5. 上記(d)1個の重合性不飽和基及びエポキシ基を有する単量体単位を形成する単量体は、(メタ)アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート及び3,4−オキシシクロヘキシル(メタ)アクリレートのうちの少なくとも1種である請求項1又は2に記載のゴム組成物
  6. 更に、シリカ及び/又はカーボンブラックを含有する請求項1乃至5のいずれかに記載のゴム組成物。
  7. 更に、シランカップリング剤を含有する請求項記載のゴム組成物。
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