JP2007039703A - ゴム組成物及び架橋ゴム並びにゴム成形品 - Google Patents

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克己 岡
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Takashi Kawada
隆 川田
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Abstract

【課題】流動性に優れ、十分な加工性を有するゴム組成物、特に、防振ゴム用のゴム組成物、及びこのゴム組成物を架橋してなる架橋ゴム、並びにこの架橋ゴムからなるゴム成形品を提供する。
【解決手段】本発明のゴム組成物は、共役ジエン単位、アクリレート単位、α,β-不飽和ニトリル単位及び芳香族ビニル単位のうちの少なくとも1種の繰り返し単位、特に、ブタジエン等の共役ジエン単位と、2個以上の重合性不飽和基を有する単量体からなる繰り返し単位に由来する架橋粒子と、EPDM等のエチレン−α−オレフィン系共重合ゴムとを含有し、高化式フローテスタにより測定した流動値(Q)と、架橋粒子を含有しない場合の流動値(Q)との比(Q/Q)が1.2以上、特に1.5以上である。
【選択図】なし

Description

本発明は、特定量の架橋粒子と、エチレン−α−オレフィン系共重合ゴムとを含有し、優れた流動性を有するゴム組成物に関する。また、このゴム組成物を架橋してなり、強度が大きく、圧縮永久歪が小さい等、十分な物性を備える架橋ゴム、及びこの架橋ゴムからなるゴム成形品に関する。
本発明は、エンジンマウント、マフラーハンガー等の防振ゴム類、ダイヤフラム、ロール、ラジエータホース、エアーホース等の各種ホース類及びホースカバー類、パッキン、ガスケット、ウェザーストリップ、O−リング、オイルシール等のシール類、ベルト、ライニング、ダストブーツ等の工業用品、土木建材、燃料電池、電子部品、航空機及び自動車等の部品などの各種の工業用途において利用することができる。
従来より、各種のゴムをブレンドすることにより、新規な特性を有するゴム組成物としたり、架橋ゴムの各種物性の向上、コストの低減等がなされている。このようなゴム組成物としては、例えば、スチレン−ブタジエンゴムとブタジエンゴムとをブレンドしたゴム組成物、スチレン−ブタジエンゴムとエチレン−α−オレフィン共重合ゴムとをブレンドしたゴム組成物などが挙げられる。また、物性の更なる向上のため、エチレン−α−オレフィン共重合ゴムをハロゲン化する方法、架橋促進剤として長鎖のアルキル基を有するジアルキルジチオカーバメート塩及びテトラアルキルチウラムジスルフィド等を用いる方法なども提案されている。
本発明は、上記の状況に鑑みてなされたものであり、流動性に優れ、混練後の冷却時における収縮が少ない等、十分な加工性を有するゴム組成物を提供することを目的とする。また、このゴム組成物を架橋してなり、強度が大きく、圧縮永久歪が小さい等、優れた物性を有する架橋ゴム、及びこの架橋ゴムからなり、薄肉部があっても品質が損なわれることのないゴム成形品を提供することを目的とする。
本発明のゴム組成物は、架橋粒子と、エチレン−α−オレフィン系共重合ゴムとを含有し、該架橋粒子と、該エチレン−α−オレフィン系共重合ゴムとの合計を100質量%とした場合に、該架橋粒子の含有量は5〜50質量%であり、高化式フローテスタにより測定した流動値(Q)と、該架橋粒子を含有しない場合の流動値(Q)との比(Q/Q)が1.2以上であることを特徴とする。
本発明では、上記架橋粒子は、共役ジエン単位、アクリレート単位、α,β−不飽和ニトリル単位及び芳香族ビニル単位のうちの少なくとも1種の繰り返し単位と、2個以上の重合性不飽和基を有する単量体からなる繰り返し単位に由来するゴム組成物とすることができる。
本発明の架橋ゴムは、架橋粒子と、エチレン−α−オレフィン系共重合ゴムとを含有し、該架橋粒子と、該エチレン−α−オレフィン系共重合ゴムとの合計を100質量%とした場合に、該架橋粒子の含有量は5〜50質量%であるゴム組成物を架橋してなり、JIS K 6262により測定した圧縮永久歪(S)と、上記架橋粒子を含有しない場合の圧縮永久歪(S)との比(S/S)が0.95以下であることを特徴とする。
本発明では、上記ゴム組成物の、高化式フローテスタにより測定した流動値(Q)と、該架橋粒子を含有しない場合の流動値(Q)との比(Q/Q)が1.2以上である架橋ゴムとすることができる。
また、上記架橋粒子は、共役ジエン単位、アクリレート単位、α,β−不飽和ニトリル単位及び芳香族ビニル単位のうちの少なくとも1種の繰り返し単位と、2個以上の重合性不飽和基を有する単量体からなる繰り返し単位に由来する架橋ゴムとすることができる。
他の本発明の架橋ゴムは、共役ジエン単位と、2個以上の重合性不飽和基を有する単量体からなる繰り返し単位に由来する架橋粒子と、エチレン−α−オレフィン系共重合ゴムとを含有し、該架橋粒子と、該エチレン−α−オレフィン系共重合ゴムとの合計を100質量%とした場合に、該架橋粒子の含有量は5〜50質量%であるゴム組成物を架橋してなり、粘弾性スペクトロメータにより周波数1Hzで測定した動的弾性率(E’)に対する周波数100Hzで測定した動的弾性率(E’100)の比で表わされる静動比(R)と、上記架橋粒子を含有しない場合の静動比(R)との比(R/R)が1未満であることを特徴とする。
これらの架橋ゴムは、防振ゴム用として利用することができる。
本発明のゴム成形品は、上記の架橋ゴムからなることを特徴とする。
尚、本発明において、「架橋粒子を含有しない場合」とは、ゴム組成物において架橋粒子の減少分がエチレン−α-オレフィン系共重合ゴムにより置き換えられていることを意味する。
本発明のゴム組成物は、優れた流動性を有し、加工し易く、多くの工業分野において利用することができる。
更に、本発明の架橋ゴムは、共役ジエン単位、アクリレート単位、α,β−不飽和ニトリル単位及び芳香族ビニル単位のうちの少なくとも1種の繰り返し単位と、2個以上の重合性不飽和基を有する単量体単位に由来する架橋粒子を含有するゴム組成物を架橋してなり、強度が大きく、圧縮永久歪が小さい等、優れた物性を有する。
以下、本発明を詳しく説明する。
[1]架橋粒子
上記「架橋粒子」を形成する重合体の種類は限定されず、各種の単量体を単独で、或いは併用して重合させてなる単独重合体又は共重合体が挙げられる。重合体が粒子として含有されているため、ゴム組成物の流動性が十分に向上し、且つエチレン-α-オレフィン共重合ゴムにより均一に分散するため、架橋ゴムの物性も改善される。この重合体としては、共役ジエン単位、アクリレート単位、α,β−不飽和ニトリル単位及び芳香族ビニル単位のうちの少なくとも1種の繰り返し単位と、2個以上の重合性不飽和基を有する単量体からなる繰り返し単位に由来するもの(これらの単量体単位を有するもの)が好ましい。また、共役ジエン単位及び/又はアクリレート単位と、2個以上の重合性不飽和基を有する単量体単位に由来する重合体は、架橋ゴムの物性、特に、強度、圧縮永久歪等を十分に向上させることができ、より好ましい。更に、共役ジエン単位と、2個以上の重合性不飽和基を有する単量体単位に由来する(これらの単量体単位を有する)重合体は、防振ゴム等の用途において重要な静動比を向上させることもでき、特に好ましい。
架橋粒子は、レーザ粒径解析システム(大塚電子株式会社製、型式「LPA−3100」)を用いて測定した一次粒子の数平均粒子径が3〜1000nmであり、特に10〜500nm、更には30〜100nmであることが好ましい。また、凝集後の二次粒子の数平均粒子径は0.1〜50μm、特に0.1〜30μm、更には0.3〜10μmであることが好ましい。二次粒子の数平均粒子径が50μmを越えると、ゴム組成物において架橋粒子が十分に分散せず、加工性向上に効果がみられず、架橋ゴムの強度等が十分に向上しない傾向にある。更に、約1000mgの架橋粒子を100mlのトルエンに室温で24時間浸漬した後、100メッシュの金網で濾過した濾液中の固形分量(mg)から求められるトルエン不溶分[(用いた架橋粒子の質量−固形分量)/用いた架橋粒子の質量]×100(%)が50%以上、特に80%以上、更には95%以上であることが好ましい。トルエン不溶分が50%未満であると、加工性が十分に改良されないことがある。
共役ジエン単位を形成する単量体としては、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、イソプレン及びクロロプレン等が挙げられる。これらの単量体は1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用することもできる。
アクリレート単位を形成する単量体としては、(1)(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−プロピル、(メタ)アクリル酸−iso−プロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸−iso−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸へキシル、(メタ)アクリル酸へプチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル類、及び(2)(メタ)アクリル酸メトキシメチル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸エトキシメチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシプロピル、(メタ)アクリル酸ブトキシエチル等の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル類などが挙げられる。これらの単量体は(1)及び(2)の各々の1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用することもでき、(1)と(2)のそれぞれの少なくとも1種類を併用することもできる。
α,β−不飽和ニトリル単位を形成する単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル及びこれらの誘導体等が挙げられ、アクリロニトリルが好ましい。これらの単量体は1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用することもできる。
芳香族ビニル単位を形成する単量体としては、スチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、4−tert−ブチルスチレン及びtert−ブトキシスチレン等が挙げられる。これらの単量体は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用することもできる。
本発明のゴム組成物に用いられる2個以上の重合性不飽和基を有する単量体としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコ−ルジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレ−ト、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、ジイソプロペニルベンゼン及びトリビニルベンゼン等が挙げられる。これらの単量体は1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用することもできる。
また、架橋粒子は、その少なくとも一部に、繰り返し単位として、アミノ基、ヒドロキシル基、エポキシ基及びカルボン酸基(COOH及び/又はCOO−)のうちの少なくとも1種の官能基を有する単量体からなる繰り返し単位、及び2個以上の反応性の異なる重合性不飽和基を有する単量体からなる繰り返し単位を含有することもできる。この架橋粒子を100質量%とした場合に、2個以上の重合性不飽和基を有する単量体からなる繰り返し単位の含有量は、0.01〜10質量%、特に0.1〜10質量%、更には0.3〜7質量%であることが好ましい。この繰り返し単位の含有量が0.01質量%未満であると、架橋度が十分に高くならず、ゴム組成物の加工性を向上させることができない場合がある。一方、この含有量が10質量%を越えると、架橋ゴムの引張強度等が低下する傾向にあり、いずれにしても好ましくない。
架橋粒子は、例えば、ラジカル重合開始剤を用いる乳化重合或いは懸濁重合により各種の単量体を重合させることにより製造することができるが、粒子の大きさ、粒子径の均一性の観点から乳化重合により製造することが好ましい。この乳化重合は、ゴム等の製造で一般に行われているように、各々の単量体を、これらを含む水系媒体において重合させて行うことができる。更に、この重合を、少なくとも2個の重合性不飽和基を有する単量体の存在下に行うことにより、分子鎖に架橋構造を導入することができる。
ラジカル重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、tert−ブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、パラメンタンヒドロパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド及びジクミルパーオキサイド等の有機過酸化物を使用することができる。また、アゾビスイソブチロニトリルにより代表されるジアゾ化合物、過硫酸カリウムにより代表される無機過酸化物、及びこれら過酸化物と硫酸第一鉄との組み合せにより代表されるレドックス系触媒等を用いることもできる。これらのラジカル重合開始剤は各々の種類のうちの1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用することもでき、異なる種類のものを併用することもできる。
また、tert−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン類、四塩化炭素、チオグリコール類、ジテルペン、タ−ピノーレン及びγ−テルピネン類等の連鎖移動剤を併用することもできる。
乳化重合において用いられる乳化剤としては、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤及び両性界面活性剤等が挙げられる。更に、ふっ素系の界面活性剤を使用することもできる。これらの乳化剤は各々の種類のうちの1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用することもでき、異なる種類のものを併用することもできる。
懸濁重合において用いられる懸濁安定剤としては、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム及びヒドロキシエチルセルロース等が挙げられる。これらの懸濁安定剤は1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用することもできる。
乳化重合又は懸濁重合において、各々の単量体及びラジカル重合開始剤等は、反応容器に全量を投入してから重合を開始してもよいし、反応継続時に連続的或いは間欠的に添加してもよい。重合は酸素を除去した反応器を用いて0〜80℃で行うことができ、反応途中で温度或いは攪拌等の操作条件などを適宜に変更することもできる。重合方式は連続式でもよいし、回分式であってもよい。
[2]エチレン−α−オレフィン共重合ゴム
上記「エチレン−α−オレフィン共重合ゴム」は、繰り返し単位として、エチレン単位と、炭素数3〜12のα−オレフィンからなる繰り返し単位とを有する。更に、必要に応じて更に非共役ジエンからなる繰り返し単位を備えていてもよい。この共重合ゴムの、135℃のデカリンを用いて測定した極限粘度は、1.0〜10dl/g、特に1.5〜4.5dl/gであることが好ましい。極限粘度が1.0dl/g未満であると、得られる架橋ゴムの機械的強度が低下し、10dl/gを越えると、得られるゴム組成物が加工性に劣り、好ましくない。
また、エチレン−α−オレフィン共重合ゴムにおいて、エチレン単位、炭素数3〜12のα−オレフィンからなる繰り返し単位及び非共役ジエンからなる繰り返し単位の合計を100質量%とした場合に、エチレン単位は30〜90質量%、特に40〜80質量%、炭素数3〜12のα−オレフィンからなる繰り返し単位は10〜70質量%、特に20〜60質量%であることが好ましく、非共役ジエンからなる繰り返し単位は、通常、20質量%以下(0質量%であってもよい。)、特に15質量%以下であることが好ましい。
素数数3〜12のα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、5−メチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、5−エチル−1−ヘキセン、1−デセン、3−メチル−1−ブテン等が挙げられる。これらのうちではプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンが好ましい。これらのα−オレフィンは1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用することもできる。
非共役ジエンとしては、1,4−ヘキサジエン、1,6−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン等の直鎖の非環状ジエン;
5−メチル−1,4−ヘキサジエン、3,7−ジメチル−1,6−オクタジエン、5,7−ジメチルオクタ−1,6−ジエン、3,7−ジメチル−1,7−オクタジエン、7−メチルオクタ−1,6−ジエン、ジヒドロミルセン等の分岐鎖の非環状ジエン;
テトラヒドロインデン、メチルテトラヒドロインデン、ジシクロペンタジエン、ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタ−2,5−ジエン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−プロペニル−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、5−シクロヘキシリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン等の脂環式ジエン等が挙げられる。
これらの非共役ジエンは1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、特に好ましい非共役ジエンとしては、1,4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン及び5−エチリデン−2−ノルボルネン等が挙げられる。
繰り返し単位として、エチレン単位と炭素数3〜12のα−オレフィン単位とを有する共重合ゴムとしては、エチレン−プロピレン共重合ゴム、エチレン−1−ブテン共重合ゴム、エチレン−1−ペンテン共重合ゴム、エチレン−1−ヘキセン共重合ゴム、エチレン−1−オクテン共重合ゴム等が挙げられる。また、更に非共役ジエン単位を有する共重合ゴムとしては、エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン等が挙げられる。
[3]ゴム組成物
ゴム組成物には、架橋粒子とエチレン−α−オレフィン共重合ゴムとの合計を100質量%とした場合に、架橋粒子が5〜50質量%含有され、この含有量は5〜45質量%であることが好ましい。架橋粒子の含有量が5質量%未満であると、加工性が十分に向上せず、50質量%を越えると、架橋ゴムの物性が低下するため好ましくない。また、このゴム組成物は、高化式フローテスタにより測定した流動値(Q)と、架橋粒子を含有しない場合の流動値(Q)との比(Q/Q)が1.2以上であり、特に1.5以上、更には2.0以上(通常、5以下である。)であって、優れた流動性を有する。この比が1.2未満であると、加工性が低下し、特に、薄肉部を有するゴム成形品では、流動不足による成形不良が生じ易い。
このゴム組成物には、実用に供する場合、通常、補強剤が配合される。この補強剤としては、カーボンブラック及びシリカ等を使用することができる。カーボンブラックの種類等は特に限定されず、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック、グラファイト等が挙げられる。これらのうちでは特にファーネスブラックが好ましく、その具体例としては、MT、SRF、GPF、MAF、FEF、SAF、ISAF、ISAF−HS、ISAF−LS、IISAF−HS、HAF、HAF−HS、HAF−LS等が挙げられる。これらのカーボンブラックは1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用することもできる。
ASTM D3037−81に準じてBET法により測定したカーボンブラックの窒素吸着比表面積は特に限定されないが、架橋ゴムの引張強度等を十分に向上させるためには、5〜200m/g、特に50〜150m/g、更には80〜130m/gであるこが好ましい。また、カーボンブラックのDBP吸着量も特に限定されないが、架橋ゴムの引張強度等を十分に向上させるためには、5〜300ml/100g、特に50〜200ml/100g、更には80〜160ml/100gであることが好ましい。
シリカは、一般に合成ゴムの明色補強配合剤として用いられているものを使用することができる。その種類等は特に限定されず、湿式法ホワイトカーボン、乾式法ホワイトカーボン、コロイダルシリカ等を使用することができる。これらのうちでは含水ケイ酸を主成分とする湿式法ホワイトカーボンが好ましい。これらのシリカ系化合物はそれぞれ1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用することもできる。シリカのASTM D3037−81に準じてBET法により測定した窒素吸着比表面積は特に限定されないが、通常、50〜400m/g、特に50〜220m/g、更には70〜220m/gであることが好ましい。
尚、シリカとカーボンブラックとを併用することもできる。
補強剤は、架橋粒子とエチレン−α−オレフィン共重合ゴムとの合計を100質量部とした場合に、10〜200質量部、特に10〜100質量部、更には10〜80質量部とすることができる。補強剤の配合量が10質量部未満であると、十分な補強効果が得られず好ましくない。一方、200質量部であれば十分な補強効果が得られ、これを越えて多量に含有させる必要はない。本発明のゴム組成物では、補強剤の配合量が10〜40質量部、特に10〜30質量部、更には10〜25質量部あっても、強度が大きく、圧縮永久歪が小さい等の優れた物性を有する架橋ゴムとすることができる。
ゴム組成物には、ゴム用伸展油として、石油系配合油であるパラフィン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル等を配合することができる。このゴム用伸展油としては、パラフィン系のプロセスオイルが好ましい。ゴム用伸展油の配合量は、架橋粒子とエチレン−α−オレフィン共重合ゴムとの合計を100質量部とした場合に、100質量部以下、特に80質量部以下、更には40質量部以下とすることができる。ゴム用伸展油の配合量は、通常、20質量部以上であることが好ましく、20質量部未満であると、各種のゴム配合剤を配合する際の混練時の作業性等が低下し、好ましくない。本発明では、ゴム用伸展油の配合量が40質量部以下であっても、優れた混練性等を有するゴム組成物とすることができる。
本発明のゴム組成物には、補強剤及びゴム用伸展油の他、以下の各種のゴム配合剤を配合することができる。また、発明の効果を損なわない範囲で他のゴム成分を併用してもよい。
ゴム配合剤である充填剤としては、タルク、クレー、炭酸カルシウム及び炭酸マグネシウム等を適量配合することができる。
更に、架橋剤として、ジクミルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド等の有機過酸化物、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄等の硫黄、一塩化硫黄、二塩化硫黄等のハロゲン化硫黄、p−キノンジオキシム、p,p’−ジベンゾイルキノンジオキシム等のキノンジオキシム、トリエチレンテトラミン、ヘキサメチレンジアミンカルバメート、4,4’−メチレンビス−o−クロロアニリン等の有機多価アミン化合物、メチロール基を有するアルキルフェノール樹脂等を配合することができる。架橋剤は各々の種類のうちの1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用することもでき、異なった種類のものを併用することもできる。
架橋剤は、架橋粒子とエチレン−α−オレフィン共重合ゴムとの合計を100質量部とした場合に、通常、0.1〜15質量部とすることができ、0.2〜12質量部、特に0.5〜10質量部、更には1〜10質量部とすることが好ましい。この範囲の配合量であれば、架橋ゴムの引張強度等が十分に向上する。
また、架橋促進剤として、以下の各種のものを配合することができる。
(a)N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N’−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミドなどのスルフェンアミド系架橋促進剤、
(b)ジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、オルトトリルビグアニジン等のグアニジン系架橋促進剤、
(c)チオカルボアニリド、ジオルトトリルチオウレア、エチレンチオウレア、ジエチルチオウレア、トリメチルチオウレア等のチオウレア系架橋促進剤、
(d)2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド、2−メルカプトベンゾチアゾール亜鉛塩、2−メルカプトベンゾチアゾールナトリウム塩、2−メルカプトベンゾチアゾールシクロヘキシルアミン塩、2−(2,4−ジニトロフェニルチオ)ベンゾチアゾール等のチアゾール系架橋促進剤、
(e)テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等のチウラム系架橋促進剤、
(f)ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸鉛、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸亜鉛、ペンタメチレンジチオカルバミン酸亜鉛、エチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸テルル、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、ジエチルジチオカルバミン酸セレン、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジメチルジチオカルバミン酸鉄、ジエチルジチオカルバミン酸ジエチルアミン、ペンタメチレンジチオカルバミン酸ピペリジン、メチルペンタメチレンジチオカルバミン酸ピペコリン等のジチオカルバミン酸系架橋促進剤、
(g)イソプロピルキサントゲン酸ナトリウム、イソプロピルキサントゲン酸亜鉛、ブチルキサントゲン酸亜鉛等のキサントゲン酸系架橋促進剤。
これらの架橋促進剤は各々の種類のうちの1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用することもでき、異なる種類のものを併用することもできる。架橋促進剤の配合量は、架橋粒子とエチレン−α−オレフィン共重合ゴムとの合計を100質量部とした場合に、0.1〜15質量部、特に0.3〜10質量部、更には1〜10質量部とすることが好ましい。
更に、架橋活性化剤として、ステアリン酸等の高級脂肪酸及び酸化亜鉛などを配合することもできる。酸化亜鉛としては、表面活性が高く、粒径が5μm以下のものが好ましい。そのような酸化亜鉛としては、粒径が0.05〜0.2μmの活性亜鉛華或いは0.3〜1μmの亜鉛華等が挙げられる。また、アミン系の分散剤若しくは湿潤剤により表面処理した酸化亜鉛などを使用することもできる。これらの架橋活性化剤は各々の種類のうちの1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用することもでき、異なる種類のものを併用することもできる。架橋活性化剤は、その種類により適宜の配合量とすることができる。
[4]架橋ゴム及びゴム成形品
ゴム組成物は、以下のようにして架橋することができる。
本発明のゴム組成物の架橋方法としては、公知の架橋方法を採用することができ、通常、有機過酸化物架橋、硫黄乃至硫黄系化合物による架橋、樹脂架橋、キノイド架橋、電子線照射架橋、紫外線照射架橋、放射線架橋などの架橋方法を採用することができる。
より具体的には、架橋粒子、エチレン−α−オレフィン共重合ゴム、カーボンブラック等の補強剤、必要に応じてゴム用伸展油、及びその他の配合剤をバンバリーミキサ等の混練機を使用して70〜180℃の温度で混練し、その後、混練物を冷却し、これに更に有機化酸化物等の架橋剤及び架橋促進剤などを、用いる架橋剤等の分解温度などを勘案しつつ、バンバリーミキサ或いはミキシングロール等を用いて配合し、次いで、140〜180℃の温度で10〜60分間加熱することにより架橋させ、所要の架橋ゴムとすることができる。また、架橋剤等を配合した後、所定形状に成形し、この成形品を架橋することによりゴム成形品とすることができる。
この架橋ゴムは、JIS K 6262により測定した圧縮永久歪(S)と、架橋粒子を含有しない場合の圧縮永久歪(S)との比(S/S)が0.95以下である。更に、架橋粒子が、特定の単量体からなる繰り返し単位を有している場合は、圧縮永久歪が0.8以下、特に0.65以下とより小さくなり、防振ゴム用の架橋ゴムとして有用である。
また、架橋粒子が共役ジエン単位を有する場合、架橋ゴムの、JIS K 6394に準拠し、粘弾性スペクトロメータにより、短冊状試片を使用し、温度25℃、静的歪5%、動的歪0.5%の条件で周波数1Hzにおいて測定した動的弾性率(E’)に対する周波数100Hzで測定した動的弾性率(E’100)の比で表わされる静動比(R=E’100/E’)と、架橋粒子を含有しない場合の静動比(R=E’100/E’)との比(R/R)が1未満であり、0.98以下であることが好ましい。更に、この架橋ゴムでは、圧縮永久歪の比(S/S)を0.6以下、特に0.5以下とすることができる。また、静動比の比(R/R)が0.98以下であり、且つ圧縮永久歪の比(S/S)が0.6以下、特に0.5である架橋ゴムとすることもできる。このように架橋粒子が共役ジエン単位を有する場合は、より小さい圧縮永久歪と優れた静動比と併せ有する架橋ゴムとすることができ、防振ゴムとして特に有用である。
この架橋ゴムは、その優れた特性により前記のように各種の工業分野におけるゴム製品として使用することができる。特に、防振ゴムのように1mm以下、更には700μm以下の薄肉部を有するゴム成形品の場合も、ゴム組成物が流動性に優れるため、寸法制度の高い製品とすることができ、強度が大きく、圧縮永久歪が小さく、且つ静動比の小さい、優れた性能を併せ備える防振ゴム等とすることができる。更に、パッキン、ガスケット、ホースカバー等の、その全体が1mm以下、特に700μm以下(通常、100μm以上)の薄肉なゴム成形品の場合も、同様に寸法制度の高い製品とすることができ、強度が大きく、圧縮永久歪が小さい等の優れた性能を併せ備えるパッキン等とすることができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
(1)ゴム組成物及び架橋ゴムの調製
下記の架橋粒子と、エチレン−α−オレフィン共重合ゴムとを使用して、また、比較例2、3では、非架橋の粒子状ではないゴムを用いて、表1〜3の配合処方で容量1.7リットルのバンバリーミキサ(株式会社神戸製鋼所製)により70℃で5分間混練し、表1〜3に記載の実施例1〜13及び比較例1〜6のゴム組成物を調製した後、架橋した。
尚、架橋は、実施例1〜8及び10〜13並びに比較例1〜4及び6では、架橋プレスにより、圧縮永久歪を測定するための試片では170℃で20分間、それ以外の架橋ゴム物性を測定するための試片(厚さ2mmのシート)では170℃で15分間加熱して行った。また、実施例9及び比較例5では、厚さ0.5mmのシートに電子線を照射して架橋した。電子線の照射条件は、加速電圧500kV、照射線量350kGyである。尚、この電子線架橋による試片の場合、圧縮永久歪の測定は厚さ0.5mmのシートを5枚重ねて行った。
Figure 2007039703
この表1において、流動性(Q値)及び圧縮永久歪の欄の括弧内の数値は、それぞれ比較例1のQ値又は圧縮永久歪の値に対する比である。
Figure 2007039703
この表2において、流動性(Q値)及び圧縮永久歪の欄の括弧内の数値は、実施例6〜8では比較例4のQ値又は圧縮永久歪の値に対する比(実施例6〜8及び比較例4は過酸化物架橋)であり、実施例9では比較例5のQ値又は圧縮永久歪の値に対する比(実施例9及び比較例5は電子線架橋)である。
Figure 2007039703
この表3において、流動性(Q値)、圧縮永久歪及び静動比の欄の括弧内の数値は、それぞれ比較例6のQ値又は圧縮永久歪或いは静動比の値に対する比である。
(2)ゴム成分
〔1〕エチレン−α−オレフィン系共重合ゴム[表1及び表2におけるEPDM(1)]:エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合ゴム、ジェイエスアール株式会社製、商品名「JSR EP65」、エチレン含量;53.5質量%、5−エチリデン−2−ノルボルネン含量;9質量%、極限粘度;2.1
〔2〕エチレン−α−オレフィン系共重合ゴム[表3におけるEPDM(2)]:エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合ゴム、エチレン含量;55質量%、5−エチリデン−2−ノルボルネン含量;9質量%、極限粘度;3.6、EPDM(2)100質量部に対して30質量部の伸展油を含有。
〔3〕ブタジエン系架橋粒子、アクリレート系架橋粒子及びニトリル系架橋粒子
表4に記載の単量体を用いて乳化重合により各々の架橋粒子を調製した。また、それぞれの架橋粒子の前記の方法により測定した数平均粒子径及びトルエン不溶分を表4に併記する。
〔4〕ブタジエンゴム:ジェイエスアール株式会社製、商品名「JSR BR 01」
〔5〕アクリルゴム:ジェイエスアール株式会社製、商品名「AREX290」
Figure 2007039703
(3)ゴム用配合剤
〔1〕有機過酸化物:日本油脂株式会社製、商品名「パークミルD−40」
〔2〕架橋助剤(1):三菱レーヨン株式会社製、商品名「アクリエステルTMP」
〔3〕架橋助剤(2):硫黄、鶴見化学工業株式会社製
〔4〕亜鉛華:酸化亜鉛、白水化学工業株式会社製
〔5〕ステアリン酸:株式会社花王製、商品名「ルナックS30」
〔6〕FEFカーボンブラック:東海カーボン株式会社製、商品名「シーストSO」
〔7〕SRFカーボンブラック:東海カーボン株式会社製、商品名「シーストS」
〔8〕MAFカーボンブラック:東海カーボン株式会社製、商品名「シースト116」
〔9〕パラフィン系伸展油:パラフィン系合成油、出光興産株式会社製、商品名「ダイアナプロセスオイルPW380」
(4)物性の評価方法
ゴム組成物及び架橋ゴムの物性は以下の方法により評価した。
〔1〕ロール巻き付き性:ゴム組成物をロールにより混練した際のロールへの巻き付き性により評価した。加工性の指標となる。
尚、評価基準は、◎;ロール面からの浮きがなく、優れている、○;僅かに浮き上がる程度であり、良好である、△;巻き付くが、浮き上がり易く、劣っている、である。
〔2〕未架橋ゴムシートの外観:ゴム組成物をロールにより混練した後の未架橋ゴムシートの表面状態等を目視で観察した。
尚、評価基準は、◎;表面が平滑で艶があり、優れている、○;表面が平滑であり、良好である、×;シートの耳切れがあり、非常に劣っている、である。
〔3〕未架橋ゴムシートの収縮率(ミル収縮):10インチロール(関西ロール株式会社製、めっきなし)を使用し、回転数[F(手前側のロール)/B(後側のロール)]=24/20rpm、ニップ幅2mm、温度50℃の条件で、練り生地(架橋剤を含まないゴム組成物)を2分間巻き付けた後、切り出し、直後及び30分後にマーキング間距離を測定し、未架橋ゴムシートの収縮率を下記の式から算出した。マーキングは、ロール面の刻印にて引き出されたゴムシートに印される。即ち、ロール回転方向(列理方向)に1回転分の距離で印され、マーキング間距離と、この印から印までの距離を測定する。
収縮率(%)=[1−(切り出し30分後の長さ/切り出し直後の長さ)]×100
〔4〕流動性(Q値)(ml/秒):高化式フローテスタ(株式会社島津製作所製)を使用し、温度100℃、荷重100kg、ダイ(厚さ1mm、径1mm)の条件で測定した。
〔5〕引張特性:JIS K 6251に準拠し、3号型試験片を用い、測定温度23℃、引張速度500mm/分の条件で、100%モジュラス(MPa)、引張強さ(MPa)及び引張伸び(%)を測定した。
〔6〕JIS A 硬さ:JIS K 6253により測定した。
〔7〕圧縮永久歪(%):JIS K 6262に準拠して測定した。加熱温度及び加熱時間は表1乃至3に記載のとおりである。
〔8〕静動比:JIS K 6394に準拠し、粘弾性スペクトロメータ(株式会社岩本製作所製)により、短冊状試片を使用し、温度25℃、静的歪5%、動的歪0.5%の条件で周波数1Hzにおいて測定した動的弾性率(E’)に対する周波数100Hzで測定した動的弾性率(E’100)の比として算出した。
以上の方法により評価した結果を表1〜3に併記する。
表1〜3によれば、実施例1〜13のゴム組成物では、EPDMの種類により差はあるものの、それぞれ比較例に比べて、加工性及び寸法安定性に優れ、架橋ゴムの引張強さ、引張伸び及び硬さは十分に大きく、圧縮永久歪は小さく、優れた性能を有していることが分かる。また、ブタジエン系架橋粒子が含有されている実施例5、8及び13では、圧縮永久歪が各々の比較例と比べて特に小さく、(S/S)比がいずれも0.5以下であり、実施例13では、静動比も小さく、防振ゴムとしてより有用であることが分かる。
一方、架橋粒子が含有されていない比較例1では、加工性及び寸法安定性に劣り、架橋ゴムの引張強さ、引張伸び、硬さは実施例と比べて遜色ないものの、流動性に劣り、圧縮永久歪も大きい。更に、架橋粒子に代えて粒子状ではないゴムを含有させた比較例2〜3では、EPDMのみの場合に比べて流動性はやや改善されるものの、圧縮永久歪は大きくなり、防振ゴム、パッキン等の用途では好ましくない。また、架橋粒子が含有されておらず、比較例1とはカーボンブラック及びパラフィン系伸展油の配合量が異なり、過酸化物架橋である比較例4及び電子線架橋である比較例5では、加工性及び寸法安定性に劣り、圧縮永久歪が大きい。また、EPDMの種類が異なり、架橋粒子を含有していない比較例6では、パラフィン系伸展油の配合量が少ないことも影響しているかもしれないが、流動性が低く、加工性及び寸法安定性に劣り、圧縮永久歪も大きい。
上記のように、本発明のゴム組成物は、十分な流動性を有し、成形性に優れるため、薄肉部を有するエンジンマウント等の防振ゴム成形に有用であり、また、製品そのものが全体に薄いパッキン、ガスケットとしても有用である。更に、本発明のゴム組成物を架橋した架橋ゴムからなる防振ゴムにおいては、圧縮永久歪及び静動比に優れた製品が得られ、パッキン、ガスケットにおいては圧縮永久歪に優れた製品が得られる。
この架橋ゴムは、防振ゴム、パッキン等、多くのゴム成形品とすることができ、特に、相当に薄肉な部分を有する成形品とした場合も、各々の成形品に必要とされる特性を十分に備えたゴム成形品とすることができる。

Claims (8)

  1. 架橋粒子と、エチレン−α−オレフィン系共重合ゴムとを含有し、該架橋粒子と、該エチレン−α−オレフィン系共重合ゴムとの合計を100質量%とした場合に、該架橋粒子の含有量は5〜50質量%であり、高化式フローテスタにより測定した流動値(Q)と、該架橋粒子を含有しない場合の流動値(Q)との比(Q/Q)が1.2以上であることを特徴とするゴム組成物。
  2. 上記架橋粒子は、共役ジエン単位、アクリレート単位、α,β−不飽和ニトリル単位及び芳香族ビニル単位のうちの少なくとも1種の繰り返し単位と、2個以上の重合性不飽和基を有する単量体からなる繰り返し単位に由来する請求項1記載のゴム組成物。
  3. 架橋粒子と、エチレン−α−オレフィン系共重合ゴムとを含有し、該架橋粒子と、該エチレン−α−オレフィン系共重合ゴムとの合計を100質量%とした場合に、該架橋粒子の含有量は5〜50質量%であるゴム組成物を架橋してなり、JIS K 6262により測定した圧縮永久歪(S)と、上記架橋粒子を含有しない場合の圧縮永久歪(S)との比(S/S)が0.95以下であることを特徴とする架橋ゴム。
  4. 上記ゴム組成物の、高化式フローテスタにより測定した流動値(Q)と、上記架橋粒子を含有しない場合の流動値(Q)との比(Q/Q)が1.2以上である請求項3記載の架橋ゴム。
  5. 上記架橋粒子は、共役ジエン単位、アクリレート単位、α,β−不飽和ニトリル単位及び芳香族ビニル単位のうちの少なくとも1種の繰り返し単位と、2個以上の重合性不飽和基を有する単量体からなる繰り返し単位に由来する請求項3又は4に記載の架橋ゴム。
  6. 共役ジエン単位と、2個以上の重合性不飽和基を有する単量体からなる繰り返し単位に由来する架橋粒子と、エチレン−α−オレフィン系共重合ゴムとを含有し、該架橋粒子と、該エチレン−α−オレフィン系共重合ゴムとの合計を100質量%とした場合に、該架橋粒子の含有量は5〜50質量%であるゴム組成物を架橋してなり、粘弾性スペクトロメータにより周波数1Hzで測定した動的弾性率(E’)に対する周波数100Hzで測定した動的弾性率(E’100)の比で表わされる静動比(R)と、上記架橋粒子を含有しない場合の静動比(R)との比(R/R)が1未満であることを特徴とする架橋ゴム。
  7. 防振ゴム用である請求項3乃至6のいずれか1項に記載の架橋ゴム。
  8. 請求項3乃至7のいずれか1項に記載の架橋ゴムからなることを特徴とするゴム成形品。
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