JP2001226529A - ゴム状重合体組成物 - Google Patents
ゴム状重合体組成物Info
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Abstract
り、また補強剤としてシリカを配合した場合における発
熱性等に優れたゴム状重合体組成物を提供する。 【解決手段】 本発明のゴム状重合体組成物は、ゴム状
重合体100重量部に対して所定の多相異形粒子0.5
〜100重量部を含有する。この多相異形粒子は、粒子
表面に露出した二以上の重合体相から構成され、かつ少
なくとも一つの重合体相は他の重合相とは単量体単位の
組成または組成比が異なる。本発明のゴム状重合体組成
物は、ゴム状重合体100重量部に対して補強剤(好ま
しくはシリカ系化合物)1〜200重量部をさらに含有
するものとすることができる。多相異形粒子を構成する
二以上の重合体相のうち少なくとも一つは共役ジエン系
重合体からなることが好ましい。また、少なくとも一つ
の重合体相にはシリコン化合物が化学的に結合されてい
ることが好ましい。
Description
し、詳しくはゴム状重合体および多相異形粒子を必須成
分とするゴム状組成物に関する。
料として例えばジエン系ゴムが多量に使用されている。
このジエン系ゴムからゴム製品を得る際、補強剤として
カーボンブラックに替えてシリカを配合したゴム組成物
を用いることにより、発熱性を低めることが提案されて
いる。ところが、シリカ配合ゴム組成物は、カーボンブ
ラック配合ゴム組成物に比べて、十分な耐摩耗性や引張
強度が得られないという問題があった。この原因の一つ
は、ジエン系ゴムに対するシリカの分散性がカーボンブ
ラックに比べて小さいために、十分な補強効果を発現す
ることができないことにあると考えられている。
高めるために、シリカと親和性のある置換基を導入した
ジエン系ゴムを用いることが検討されている。例えば乳
化重合法によるジエン系ゴムでは、第3級アミノ基を導
入したジエン系ゴム(特開平1−1011344号公
報)が、また、アニオン重合法によるジエン系ゴムで
は、分子鎖末端にアルキルシリル基(特開平1−199
501号公報)、ハロゲン化シリル基(特開平5−23
0286号公報)または置換アミノ基(特開昭64−2
2940号公報)などの置換基を導入したジエン系ゴム
が提案されている。
ジエン系ゴムの多くは、シリカと混合する際にシリカと
強く凝集し、これによりシリカの分散不良が起こるた
め、加工性に劣り、発熱性、引張強度および耐摩耗性な
どの特性も十分に改善されないという欠点を有してい
る。上記の欠点を改良するために、特開平9−2086
32号公報では、ケイ素含有ビニル系単量体が共重合さ
れたジエン系ゴムを用いる方法が提案されている。
エン系ゴムを使用するものであり、従来の汎用性のある
共役ジエン系ゴムが使用できないという問題がある。そ
こで、従来の汎用性の共役ジエン系ゴムに添加して使用
することもでき、かつ上記の欠点が改良される分散付与
剤が求められていた。
の共役ジエン系ゴム等のゴム状重合体の成形加工性を改
良し、さらに添加剤が配合されたときその分散性を高
め、特に、補強剤としてシリカを配合した場合における
発熱性に優れ、かつ高い引張強度および耐摩耗性を示
し、さらに加工性も良好なゴム状重合体組成物を提供す
ることにある。
体に多相異形粒子を配合することにより、上記課題が解
決されることを見出して本発明を完成した。すなわち、
請求項1記載のゴム状重合体組成物は、ゴム状重合体1
00重量部に対し多相異形粒子0.5〜100重量部を
含有してなるゴム状重合体組成物であって、上記多相異
形粒子は、いずれも上記多相異形粒子表面への露出面を
備える二以上の重合体相から構成され、該重合体相の少
なくとも一つは下記条件1および/または条件2を満た
すことを特徴とする。条件1;他の重合体相を構成する
単量体単位とは異なる単量体単位を有する。条件2;他
の重合体相を構成する単量体単位と同じであるが、その
含有比率の異なる単量体単位を有する。
のように、ゴム状重合体100重量部に対して、補強剤
1〜200重量部をさらに含有することができる。この
補強剤としては、請求項3記載のように、シリカ系化合
物からなるものが好ましく、この場合には本発明による
効果が特によく発揮される。
体相のうち少なくとも一つは、請求項4記載のように、
共役ジエン系重合体からなることが好ましい。また、重
合体相の少なくとも一つは、請求項5記載のように、エ
ステル基、アミド基、アミン基、カルボキシル基、スル
ホン酸基、硫酸基、グリシジル基および水酸基から選択
された少なくとも一種の反応性官能基を有するものとす
ることができる。さらに、請求項6記載のように、重合
体相の少なくとも一つにシリコン化合物が化学的に結合
された多相異形粒子が好ましく使用され、特に請求項2
記載のゴム状重合体組成物においてはこの多相異形粒子
を含有することが好ましい。
−プロピレン系ゴム、アクリル系ゴム、シリコーン系ゴ
ム、ジエン系ゴム等が挙げられ、このうちジエン系ゴム
が好ましい。このジエン系ゴムとしては、例えば、天然
ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、乳化重合
スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、溶液重合
ランダムSBR(結合スチレン5〜50重量%、ブタジ
エン結合単位部分の1,2−ビニル結合量10〜80
%)、高トランスSBR(ブタジエン結合単位部分の
1,4−トランス結合量70〜95%)、低シスポリブ
タジエンゴム(BR)、高シスBR、高トランスBR
(ブタジエン結合単位部分の1,40トランス結合量7
0〜95%)、スチレン−イソプレン共重合ゴム(SI
R)、ブタジエン−イソプレン共重合ゴム、溶液重合ラ
ンダムスチレン−ブタジエン−イソプレン共重合ゴム
(SIBR)、乳化重合SIBR、乳化重合スチレン−
アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NSB
R)、溶液重合NSBR、乳化重合アクリロニトリル−
ブタジエン共重合ゴム(NBR)、高ビニルSBR−低
ビニルSBRブロック共重合ゴム、ポリスチレン−ポリ
ブタジエン−ポリスチレンブロック共重合体等のブロッ
ク共重合体等が挙げられ、要求特性に応じて適宜選択で
きる。これらのゴムは、それぞれ単独で、あるいは二種
以上を組み合わせて使用することができる。
れる共役ジエン系単量体の例としては、1,3−ブタジ
エン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメ
チル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタ
ジエン、1,3−ペンタジエン等が挙げられる。これら
のなかでも、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3
−ブタジエン等が好ましく、1,3−ブタジエンがより
好ましい。これらの共役ジエン系単量体は、それぞれ単
独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることがで
きる。
用いられる芳香族ビニル系単量体の例としては、スチレ
ン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メ
チルスチレン、4−メチルスチレン、2,4−ジメチル
スチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、4−t−
ブチルスチレン、5−t−ブチル2−メチルスチレン、
モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、モノフルオロ
エチレン等が挙げられ、これらのうちスチレンが好まし
く用いられる。これらの芳香族ビニル系単量体は、それ
ぞれ単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いるこ
とができる。
れるシアン化ビニル系単量体の例としては、(メタ)ア
クリロニトリル(アクリロニトリルおよびメタクリロニ
トリルを指す。)、クロトンニトリル、ケイ皮酸ニトリ
ル等が挙げられ、これらのうち(メタ)アクリロニトリ
ルが好ましい。これらのシアン化ビニル系単量体は、そ
れぞれ単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いる
ことができる。また、ゴム状重合体に極性官能基を導入
できる単量体を共重合させてもよい。極性官能基を導入
できる単量体の例としては下記(1)〜(6)に示す単
量体が挙げられる。これらの極性官能基を導入できる単
量体は、それぞれ単独で、あるいは二種以上を組み合わ
せて用いることができる。
タ)アクリレート、2−シアノプロピル(メタ)アクリ
レート、3−シアノプロピル(メタ)アクリレート等。
このうち、(メタ)アクリロニトリルが特に好ましく用
いられる。
酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタ
コン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチ
ル、イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノエチル、へ
キサヒドロフタル酸モノ−2−(メタ)アクリロイルオ
キシエチル等のカルボキシル基含有不飽和単量体あるい
はその無水物類。このうち、(メタ)アクリル酸が特に
好ましく用いられる。
シエチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシ
ル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシシクロヘキシ
ル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ
(メタ)アクリレート等のヒドロキシ(シクロ)アルキ
ルモノ(メタ)アクリレート類;3−クロロ−2−ヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−アミノ−2
−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の置換ヒ
ドロキシ(シクロ)アルキルモノ(メタ)アクリレート
類。
レート、メチルグリシジルメチルアクリレート、エポキ
シ化シクロヘキシル(メタ)アクリレート等。
ート、プロピル(メタ)アクリレート、n−へキシル
(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)ア
クリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の
(シクロ)アルキル(メタ)アクリレート類;2−メト
キシエチル(メタ)アクリレート、p−メトキシシクロ
ヘキシル(メタ)アクリレート等のアルコキシ(シク
ロ)アルキル(メタ)アクリレート類;酢酸ビニル、プ
ロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等のビニルエ
ステル類。
チロール(メタ)アクリルアミド等のN−メチロール化
不飽和カルボン酸アミド類;2−ジメチルアミノエチル
アクリルアミド等のアミノアルキル基含有アクリルアミ
ド類;(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル
(メタ)アクリルアミド、N,N−エチレンビス(メ
タ)アクリルアミド、マレイン酸アミド、マレイミド等
の不飽和カルボン酸のアミド類或いはイミド類;N−メ
チルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド
等のN−モノアルキル(メタ)アクリルアミド、N,N
−ジアルキルアクリルアミド類;2−ジメチルアミノエ
チル(メタ)アクリレート等のアミノアルキル基含有
(メタ)アクリレート類;2−(ジメチルアミノエトキ
シ)エチル(メタ)アクリレート、等のアミノアルコキ
シアルキル基含有(メタ)アクリレート類;塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン、脂肪酸ビニルエステル等のハロゲ
ン化ビニル化合物類;ジエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)ア
クリレート等の多官能性(メタ)アクリレート類。
記のなかでもNR、BR、IR、SBR、SIBR、N
BR、NSBR等が好ましく、BR、NBR、NSBR
およびSBRがさらに好ましい。このSBRとしては、
共役ジエン系単量体と芳香族ビニル系単量体との合計量
を100重量%として、共役ジエン系単量体が45〜9
5重量%(より好ましくは50〜90重量%、さらに好
ましくは55〜85重量%)、芳香族ビニル系単量体が
5〜55重量%(より好ましくは10〜50重量%、さ
らに好ましくは15〜45重量%)の割合の共重合体で
あることが好ましい。このNBRとしては、共役ジエン
系単量体とシアン化ビニル系単量体との合計量を100
重量%として、共役ジエン系単量体が45〜99重量%
(より好ましくは50〜90重量%、さらに好ましくは
55〜85重量%)、シアン化ビニル系単量体が1〜5
5重量%(より好ましくは2〜50重量%、さらに好ま
しくは3〜45重量%)の割合の共重合体であることが
好ましい。このNSBRとしては、共役ジエン系単量
体、シアン化ビニル系単量体および芳香族ビニル系単量
体の合計量を100重量%として、共役ジエン系単量体
が45〜90重量%(より好ましくは45〜85重量
%、さらに好ましくは50〜85重量%)、シアン化ビ
ニル系単量体が1〜40重量%(より好ましくは2〜3
5重量%、さらに好ましくは3〜30重量%)、芳香族
ビニル系単量体が5〜50重量%(より好ましくは10
〜45重量%、さらに好ましくは15〜40重量%)の
割合の共重合体であることが好ましい。
SBRまたはSBRである場合、そのムーニー粘度(M
L1+4,100℃)は10〜200の範囲であることが
好ましく、より好ましくは20〜150、さらに好まし
くは25〜120の範囲である。ムーニー粘度が過度に
小さいと発熱性や耐摩耗性が低下し、過度に大きいと加
工性が低下する傾向にあるので好ましくない。このB
R、NBR、NSBRまたはSBRの共役ジエン結合単
位部分のミクロ構造は特に限定されず、使用目的によっ
て適宜選択される。例えば、共役ジエン結合単位のビニ
ル結合(1,2−ビニル結合および3,4−ビニル結
合)の割合は、通常5〜95%、好ましくは7〜50
%、より好ましくは10〜30%の範囲である。共役ジ
エン結合単位のビニル結合量がこの範囲であるときに
は、発熱特性や耐摩耗性が硬度にバランスされるので好
ましい。共役ジエン結合単位部分のビニル結合以外は
1,4−結合であり、1,4−シス結合、1,4−トラ
ンス結合のいずれであってもよい。
えて「多相異形粒子」を含有する。この多相異形粒子に
おける「多相」とは、互いに完全には相溶しない二以上
の重合体相が一粒子中に存在することをいう。また「異
形」とは、この二以上の重合体相が粒子の中心点に対し
て非対称に配置されていることをいう。この非対称性を
有する粒子であれば、粒子全体としての形状が図1
(b)〜(d)のような球状である場合にも、また図1
(e)のようなラグビーボール状、図1(f)のような
双子球状、あるいは図1(a)のような球状突起をもつ
球状等の場合にも異形粒子と呼ぶ。なお、図1に示す各
多相異形粒子はいずれも二つの重合体相からなるが、例
えば三つの重合体相からなる場合における各重合体相の
配置は直線状(串団子状)、三角形状、放射状等とする
ことができる。
二以上の重合体相から構成され、これら各重合体相はい
ずれも多相異形粒子表面への露出面を備える。これは、
芯部が粒子表面に露出されない従来のコアシェル粒子等
とは異なり、各重合体相がいずれも多相異形粒子の表面
に露出していることをいう。各重合体相の露出面は、そ
れぞれ一連の面となっていることが好ましい。また、こ
の多相異形粒子を構成する各重合体相は、それぞれ一の
部分に偏在することが好ましい。ここで「一の部分に偏
在する」とは、各重合体相がいずれも実質的に単一の領
域にまとまって存在し、かつその配置が粒子の中心点に
対して非対称であることをいう。
は二以上)は、共役ジエン系重合体からなることが好ま
しい。この「共役ジエン系重合体」とは、共役ジエン系
単量体単位を含む重合体を指し、共役ジエン系単量体の
単独重合、または、共役ジエン系単量体およびこれと共
重合可能な他の単量体の共重合により得られる。共役ジ
エン系重合体からなる重合体相に占める共役ジエン系単
量体単位の割合は、5〜95重量%(より好ましくは1
0〜90重量%、さらに好ましくは15〜85重量%)
とすることが好ましい。この重合体相における共役ジエ
ン系単量体単位の割合が5重量%未満では、この多相異
形粒子を例えば他の樹脂またはゴム等に添加した場合に
十分な効果が得られない場合がある。一方、共役ジエン
系単量体単位の割合が95重量%を超える場合には重合
反応性が低下する。
する「共役ジエン系単量体」としては、1,3−ブタジ
エン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−
1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタ
ジエン等が例示される。このうち、1,3−ブタジエン
が特に好ましく用いられる。この共役ジエン系単量体
は、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、
p−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチル
スチレン、4−メチルスチレン、4−エチルスチレン、
4−tert−ブチルスチレン、3,4−ジメチルスチ
レン、4−メトキシスチレン、4−エトキシスチレン、
2−クロロスチレン、3−クロロスチレン、4−クロロ
スチレン、2,4−ジクロロスチレン、2,6−ジクロ
ロスチレン、4−クロロ−3−メチルスチレン、ジビニ
ルベンゼン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルピリジ
ン、4−ビニルピリジン等の「芳香族ビニル系単量体」
と共重合させることができる。このうち、スチレンが特
に好ましく用いられる。
なくとも一つには、極性官能基を有する官能基含有単量
体が共重合されていることが好ましい。この「極性官能
基」としては、カルボキシル基、シアノ基、水酸基、グ
リシジル基、エステル基等が挙げられる。極性官能基を
有する「官能基含有単量体」としては、極性官能基を導
入できる単量体として挙げた上記(1)〜(6)の単量
体、すなわちシアノ基含有単量体、カルボキシル基含有
単量体、水酸基含有単量体、グリシジル基含有単量体、
エステル基含有単量体およびその他の極性基含有単量体
が例示される。
応性官能基を有することが好ましい。この「反応性官能
基」としては、エステル基、アミド基、アミン基、カル
ボキシル基、スルホン酸基、硫酸基、グリシジル基、水
酸基等が挙げられる。このような多相異形粒子は、樹脂
またはゴムに添加してこれらと架橋またはグラフト反応
させることができ、また顔料や基材に対する密着性が高
いので好ましい。上記反応性官能基を有する重合体相
は、エステル基、アミド基、アミン基、カルボキシル
基、グリシジル基および水酸基等については、例えばこ
れらの反応性官能基を有する上記(1)〜(6)の単量
体を共重合させるか、あるいはこれらの基を有する化合
物をグラフトさせることにより得ることができる。反応
性官能基としてスルホン酸基を有する重合体は、例えば
この基を有する反応性界面活性剤の存在下で単量体を重
合させることにより得ることができる。また、硫酸基を
有する重合体は、例えば過硫酸カリウム等の開始剤や、
亜硫酸ナトリウム等の還元剤を用いて単量体を重合させ
ることにより、これらの開始剤または還元剤の残基とし
て硫酸基が結合した重合体を得ることができる。上記少
なくとも一種の重合体相に含まれる反応性官能基の量
は、この反応性官能基の導入に用いられた化合物に換算
して0.5〜50重量%であることが好ましく、2〜3
0重量%であることがより好ましい。
のうち少なくとも一つは、〔条件1〕他の重合体相を構
成する単量体単位とは異なる単量体単位を有する、〔条
件2〕他の重合体相を構成する単量体単位と同じである
が、その含有比率の異なる単量体単位を有する、の少な
くとも一方の条件を満たす。
b、cからなる多相異形粒子において、重合体相a(ま
たは重合体相b、c)を構成する単量体単位のうち少な
くとも一種はこの重合体相のみに含まれていることを示
す。条件1を満たす重合体相中に占める「他の重合体相
を構成する単量体単位とは異なる単量体単位」の割合
は、通常0.5〜95重量%であり、好ましくは1〜8
0重量%である。これにより、条件1を満たす重合体相
と他の重合体相とを非対称に相分離させることができ
る。
bからなる多相異形粒子において、特定の単量体単位が
重合体相aに占める割合をα重量%、重合体相bに占め
る割合をβ重量%としたとき、αとβとの差の絶対値
(|α−β|と表す)≠0であることを示す。重合体相
の数が三以上の粒子においては、条件2を満たす重合体
相に含まれる特定の単量体単位の割合と、他の重合体相
に含まれるこの単量体単位の割合とを順次比較すればよ
い。これらの割合の差の絶対値は1重量%以上であるこ
とが好ましく、3重量%以上であることがより好まし
い。これにより、条件2を満たす重合体相と他の重合体
相とを非対称に相分離させることができる。
は、上述の官能基含有単量体から形成された官能基含有
単量体単位であることが好ましい。この単量体単位の、
条件1を満たす重合体相中に占める割合、あるいは条件
2を満たす重合体相中に占める割合と他の重合体相に占
める割合との差の好ましい範囲は、この単量体単位の種
類によっても異なる。例えば、極性官能基としてカルボ
キシル基を有する単量体単位の場合には3〜30重量%
(より好ましくは5〜25重量%)、シアノ基の場合に
は10〜55重量%(より好ましくは15〜40重量
%)、水酸基の場合は5〜80重量%(より好ましくは
8〜60重量%)、グリシジル基の場合は10〜90重
量%(より好ましくは15〜85重量%)、エステル基
の場合は10〜90重量%(より好ましくは15〜85
重量%)とすることが好ましい。
合体相と他の重合体相との相分離しやすさ(相分離性)
は、各相を構成する重合体の溶解度パラメータ(SP
値)から推察することもできる。本願の多相異形粒子を
得るためには、条件1および/または2を満たす重合体
相と他の重合体相とのSP値の差が0.5(cal/c
m3)1/2以上であることがが好ましく、0.7(cal/
cm3)1/2以上がより好ましく、1.0(cal/cm3)
1/2以上がさらに好ましい。SP値の差の上限は特に限
定されないが、通常は10(cal/cm3)1/2以下であ
る。このSP値はポリマーハンドブック(WILEY
INTERSCIENCE)、JSRハンドブック等に
記載されている。例えば、ブタジエン/スチレンの60
/40(重量比)共重合体のSP値は8.6(cal/
cm3)1/2、ブタジエン/アクリロニトリルの25/7
5(重量比)共重合体のSP値は13(cal/cm3)
1/2である。
い単量体単位組成としては、共役ジエン系単量体単位5
〜95重量%(より好ましくは10〜90重量%、さら
に好ましくは15〜85重量%)、シアン化ビニル系単
量体単位5〜60重量%(より好ましくは8〜55重量
%、さらに好ましくは10〜55重量%)、および必要
に応じてその他の単量体単位0〜90重量%(より好ま
しくは0〜60重量%、さらに好ましくは0〜40重量
%)からなるものが挙げられる。シアン化ビニル系単量
体単位の割合が5重量%未満では共重合の効果が現れに
くい。一方、60重量%を超えて共重合させると重合中
に凝集物が発生しやすくなる等、重合態様が悪化するの
で好ましくない。
役ジエン系単量体単位5〜95重量%(より好ましくは
10〜90重量%、さらに好ましくは15〜85重量
%)、芳香族ビニル単量体単位5〜95重量%(より好
ましくは10〜85重量%、さらに好ましくは15〜8
0重量%)、および必要に応じてその他の単量体単位0
〜90重量%(より好ましくは0〜60重量%、さらに
好ましくは0〜40重量%)からなるものが挙げられ
る。芳香族ビニル単量体単位の割合が5重量%未満では
共重合の効果が現れにくく、また重合反応性が低い。
少なくとも一つは、ガラス転移温度(Tg)が70℃以
下(より好ましくは40℃以下)の重合体からなること
が好ましい。
重合体相の少なくとも一つにシリコン化合物が化学的に
結合されたものを用いることができる。この多相異形粒
子が、シリコン化合物が化学的に結合されていない重合
体相をも有する場合には、粒子の一部分がシリコン化合
物により非対称に変性された多相異形粒子となり、球状
粒子の全体が均一に変性されたものとは異なる効果が得
られるので好ましい。上記シリコン化合物は、重合体へ
の結合後にこのシリコン化合物同士がさらに反応された
ものであってもよい。例えば、シリコン化合物のもつア
ルコキシシリル基の加水分解縮合反応によりシロキサン
結合を生成させてもよい。
有する化合物をいい、所謂シランカップリング剤をも含
む意味である。このシランカップリング剤の好ましい例
としては、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキ
シシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス
(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4−エポ
キシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−
グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシ
ドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリ
ロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリ
ロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキ
シプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキ
シプロピルトリエトキシシシラン、γ−メルカプトプロ
ピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−ア
ミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシ
ラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシ
シラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−
アミノプロピルトリエトキシシラン、ビス(3−(トリ
エトキシシリル)プロピル)テトラスルフィド、γ−ト
リメトキシシリルプロピルジメチルチオカルバミルテト
ラスルフィド、γ−トリメトキシシリルプロピルベンゾ
アジルテトラスルフィド等が挙げられる。
ルトリクロロシラン、メチルジクロロシラン、ジメチル
ジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルト
リクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、トリフロ
ロプロピルトリクロロシラン、ヘプタデカフロロデシル
トリクロロシラン等のハロゲン化シラン化合物;テトラ
メトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチル
ジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフ
ェニルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチ
ルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フ
ェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラ
ン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキ
シシラン、デシルトリメトキシシラン、トリフロロプロ
ピルトリメトキシシラン、ヘプタデカトリフロロデシル
トリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン等のアル
コキシシラン化合物;等の、上記反応性官能基を介し
て、あるいは直接、重合体に結合し得るシリコン化合物
を使用することができる。本発明に用いるシリコン化合
物としては、シロキサン結合を有する化合物が好まし
く、アルコキシ基を有する化合物がさらに好ましい。
合体相は、重合体中の反応性官能基にシリコン化合物
を反応させる方法または水素引き抜き反応等により重
合体にシリコン化合物を結合させる方法、あるいは、
重合性基を有するシリコン化合物と他の単量体とを共重
合させる方法またはシリコン化合物の存在下で単量体
を重合させてシリコン化合物をグラフトさせる方法、等
により得られる。シリコン化合物を結合させる反応性官
能基としては、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、メ
ルカプト基、アミド基、アミン基、カルボキシル基、ス
ルホン酸基、硫酸基、グリシジル基および水酸基から選
択される少なくとも一種が好ましい。
粒子をシリコン化合物で変性する場合には、粒子の表面
付近にシリコン化合物を効率よく導入することができる
ので、少量のシリコン化合物により粒子の特性を変化さ
せることができる。なお、シリコン化合物がアルコキシ
シリル基を有する場合には、このシリコン化合物を導入
する段階以降の重合反応はpH3.5〜9(より好まし
くは4〜8、さらに好ましくは5〜7)で行うことが好
ましい。
る重合体相の数は、二または三であることが好ましく、
二であることがより好ましい。また、請求項6記載の多
相異形粒子において、シリコン化合物はビニル基、(メ
タ)アクリロイル基、メルカプト基、アミド基、アミン
基、カルボキシル基、スルホン酸基、硫酸基、グリシジ
ル基および水酸基から選択される少なくとも一種の反応
性官能基を介して重合体相に結合されるか、あるいは、
共重合されていることが好ましい。この多相異形粒子
は、例えば二つの重合体相a、bからなる多相異形粒子
の場合、重合体相aからなる重合体粒子の存在下で重合
体相b用の単量体を乳化重合させることにより得ること
ができる。
0,000nm(より好ましくは30〜5,000n
m)であることが好ましい。粒子径がこの範囲外である
粒子は、乳化重合法によって製造することが困難であ
る。なお、本発明に使用される多相異形粒子における
「平均粒子径」とは、粒子の最も長い方向に対する差し
渡しの長さをいい、例えば光散乱法により測定すること
ができる。また、多相異形粒子全体に占める各重合体相
の重量割合はいずれも2〜98重量%(より好ましくは
5〜95重量%)であることが好ましい。多相異形粒子
の全表面積のうち、各重合体相により形成される露出面
の占める割合(面積比)は、いずれも5〜95%(より
好ましくは10〜90%)であることが好ましい。重合
体相aおよびbのいずれか一方の重量または面積の割合
が上記範囲よりも少ない場合には、この粒子が「多相異
形」であることによる効果が十分に得られない場合があ
る。なお、多相異形粒子の全表面積に占める各相の露出
面の割合は、例えば電子顕微鏡写真から測定することが
できる。
多相異形粒子の使用量は、ゴム状重合体100重量部に
対して0.5〜100重量部(好ましくは0.5〜90
重量部、より好ましくは1〜80重量部、さらに好まし
くは2〜70重量部)である。添加量が少なすぎると所
望の効果が得られない。一方、添加量が多すぎるとコス
ト高となり、また安定性、引張強度、耐摩耗製等が低下
する場合がある。
に、補強剤、架橋剤(ただし、硫黄系の架橋の場合は加
硫ともいう。)、加硫促進剤、加硫活性化剤、老化防止
剤、活性剤、可塑剤、滑剤、充填剤等のその他の配合剤
をそれぞれ必要量含有することができる。また、請求項
2記載の組成物は、上記のうち補強剤をも必須成分と
し、その含有量はゴム状重合体100重量部に対して1
〜200重量部(好ましくは10〜150重量部、より
好ましくは30〜120重量部)の範囲である。上記補
強剤としては、特に制限はないが、例えば、シリカ系化
合物やカーボンブラックなどを用いることができる。
ないが、例えば、乾式法ホワイトカーボン、湿式法ホワ
イトカーボン、コロイダルシリカ、及び特開昭62−6
2838号公報に開示される沈降シリカなどが挙げられ
る。このうち、含水ケイ酸を主成分とする湿式法ホワイ
トカーボンが特に好ましい。これらのシリカ系化合物
は、それぞれ単独で、あるいは二種以上を組み合わせて
用いることができる。
ないが、窒素吸着比表面積(BET法)で、通常50〜
400m2/g、好ましくは50〜220m2/g、さら
に好ましくは70〜220m2/gの範囲であるとき
に、補強性、耐摩耗性および発熱性等の改善が十分に達
成され好適である。ここで窒素吸着比表面積は、AST
M D3037−81に準じBET法で測定される値で
ある。
いが、例えばファーネスブラック、アセチレンブラッ
ク、サーマルブラック、チャンネルブラック、グラファ
イトなどを用いることができる。これらの中でも特にフ
ァーネスブラックが好ましく、その具体例としては、S
AF、ISAF、ISAF−HS、ISAF−LS、I
ISAF−HS、HAF、HAF−HS、HAF−L
S、FEF等の種々のグレードのものが挙げられる。こ
れらのカーボンブラックは、それぞれ単独で、あるいは
二種以上を組み合わせて用いることができる。
2SA)は、特に制限はないが、通常5〜200m2/
g、好ましくは50〜150m2/g、より好ましくは
80〜130m2/gの範囲であるときに、引張強度や
耐摩耗性が高いレベルで改善され好適である。また、カ
ーボンブラックのDBP吸着量は、特に制限はないが、
通常5〜300ml/100g、好ましくは50〜20
0ml/100g、より好ましくは80〜160ml/
100gの範囲であるときに、引張強度や耐摩耗性が高
いレベルで改善され好適である。
0290号公報に開示されるセチルトリメチルアンモニ
ウムブロマイドの吸着(CTAB)比表面積が110〜
170m2/gで24,000psiの圧力で4回繰り
返し圧縮を加えた後のDBP(24M4DBP)吸油量
が110〜130ml/100gであるハイストラクチ
ャーカーボンブラックを用いることにより、耐摩耗性を
さらに改善できる。
補強剤として、シリカ系化合物を単独で、あるいはシリ
カ系化合物とカーボンブラックとを併用して用いること
が好ましい。シリカ系化合物とカーボンブラックとを併
用する場合の混合割合は、用途や目的に応じて適宜選択
されるが、通常、シリカ系化合物:カーボンブラック=
10:90〜99:1、好ましくは30:70〜95:
5、より好ましくは50:50〜90:10(重量比)
である。補強剤としてシリカ系化合物を使用する際に
は、必要に応じてシランカップリング剤を併用すること
で、加工性と補強性とのバランスをさらに向上させるこ
とができる。シランカップリング剤の量は、シリカ系化
合物の重量に対して20重量%未満とすることが好まし
く、より好ましくは10重量%未満である。好ましいシ
ランカップリング剤としては、多相異形粒子の重合体相
に化学的に結合させるシリコン化合物として例示したシ
ランカップリング剤等が挙げられる。
が、例えば、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶
性硫黄、高分散性硫黄などの硫黄;一塩化硫黄、二塩化
硫黄などのハロゲン化硫黄;ジクミルパーオキシド、ジ
−t−ブチルパーオキシドなどの有機過酸化物;p−キ
ノンジオキシム、p,p’−ジベンゾイルキノンジオキ
シムなどのキノンジオキシム;トリエチレンテトラミ
ン、ヘキサメチレンジアミンカルバメート、4,4’−
メチレンビス−o−クロロアニリンなどの有機多価アミ
ン化合物;メチロール基をもったアルキルフェノール樹
脂;などが挙げられる。これらの中でも硫黄が好まし
く、粉末硫黄が特に好ましい。これらの架橋剤は、それ
ぞれ単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いられ
る。
重量部に対して、通常0.1〜15重量部、好ましくは
0.3〜10重量部、さらに好ましくは0.5〜5重量
部の範囲である。架橋剤の配合割合がこの範囲にあると
きには、引張強度や耐摩耗性に優れるとともに、耐熱性
や残留ひずみ等の特性にも優れるので特に好ましい。
ヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N
−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミ
ド、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフ
ェンアミド、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾー
ルスルフェンアミド、N,N’−ジイソプロピル−2−
ベンゾチアゾールスルフェンアミドなどのスルフェンア
ミド系加硫促進剤;ジフェニルグアニジン、ジオルトト
リルグアニジン、オルトトリルビグアニジン等のグアニ
ジン系加硫促進剤;チオカルボアニリド、ジオルトトリ
ルチオウレア、エチレンチオウレア、ジエチルチオウレ
ア、トリメチルチオウレア等のチオウレア系加硫促進
剤;2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジ
ルジスルフィド、2−メルカプトベンゾチアゾール亜鉛
塩、2−メルカプトベンゾチアゾールナトリウム塩、2
−メルカプトベンゾチアゾールシクロヘキシルアミン
塩、2−(2,4−ジニトロフェニルチオ)ベンゾチア
ゾール等のチアゾール系加硫促進剤;テトラメチルチウ
ラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィ
ド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチル
チウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテト
ラスルフィド等のチウラム系加硫促進剤;ジメチルジチ
オカルバミン酸ナトリウム、ジエチルジチオカルバミン
酸ナトリウム、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸ナト
リウム、ジメチルジチオカルバミン酸鉛、ジメチルジチ
オカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜
鉛、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸亜鉛、ペンタメ
チレンジチオカルバミン酸亜鉛、エチルフェニルジチオ
カルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸テル
ル、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、ジエチルジチ
オカルバミン酸セレン、ジメチルジチオカルバミン酸
銅、ジメチルジチオカルバミン酸鉄、ジエチルジチオカ
ルバミン酸ジエチルアミン、ペンタメチレンジチオカル
バミン酸ピペリジン、メチルペンタメチレンジチオカル
バミン酸ピペコリン等のジチオカルバミン酸系加硫促進
剤;イソプロピルキサントゲン酸ナトリウム、イソプロ
ピルキサントゲン酸亜鉛、ブチルキサントゲン酸亜鉛等
のキサントゲン酸系加硫促進剤;などの加硫促進剤が挙
げられる。
あるいは二種以上を組み合わせて用いられるが、少なく
ともスルフェンアミド系加硫促進剤を含むものが特に好
ましい。加硫促進剤の配合割合は、ゴム状重合体100
重量部に対して、通常0.1〜15重量部、好ましくは
0.3〜10重量部、さらに好ましくは0.5〜5重量
部の範囲である。
が、例えばステアリン酸などの高級脂肪酸や酸化亜鉛な
どを用いることができる。酸化亜鉛としては、例えば、
表面活性の高い粒度5μm以下のものを用いるのが好ま
しく、かかる具体例としては、粒度が、例えば、0.0
5〜0.2μmの活性亜鉛華や0.3〜1μmの亜鉛華
などを挙げることができる。また、酸化亜鉛は、アミン
系の分散剤や湿潤剤で表面処理したものなどを用いるこ
とができる。
で、あるいは二種以上を併用して用いることができる。
加硫活性化剤の配合割合は、加硫活性化剤の種類により
適宜選択される。例えば、高級脂肪酸を用いる場合に
は、ゴム状重合体100重量部に対して通常0.05〜
15重量部、好ましくは0.1〜10重量部、より好ま
しくは0.5〜5重量部である。また、酸化亜鉛を用い
る場合には、ゴム状重合体100重量部に対して通常
0.05〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部、
より好ましくは0.5〜2重量部である。酸化亜鉛の配
合割合がこの範囲にあるときに、加工性、引張強度及び
耐摩耗性などの特性が高度にバランスされ好適である。
ランカップリング剤等のカップリング剤;ジエチレング
リコール、ポリエチレングリコール、シリコーンオイル
などの活性剤;炭酸カルシウム、タルク、クレーなどの
充填剤;プロセス油、ワックスなどが挙げられる。
て各分野のゴム製品に使用することができる。例えば、
ゴムロール、もみすりロール、ベルト、ホース、スポン
ジ、ゴム板、ゴム引き布等のゴム工業製品;透明底、一
般色物底、スポンジ底等の履物部材;トレッド、ベース
トレッド、サイドウォール、ゴムチェーファー、インナ
ーライナー等の大型車、一般車用タイヤ部材;衛生スキ
ン、医療用品等の衛生材料;などに使用できる。
混練することにより得ることができる。例えば、多相異
形粒子および必要に応じて補強剤その他の添加剤(ただ
し、架橋剤や加硫促進剤は除く)とゴム状重合体とを混
合後、その混合物に架橋剤と加硫促進剤を混合してゴム
状重合体組成物を得ることができる。多相異形粒子およ
び添加剤(ただし、架橋剤や加硫促進剤は除く)とゴム
状重合体の混合温度は通常80〜200℃、好ましくは
100〜190℃、さらに好ましくは140〜180℃
であり、混合時間は通常30秒以上であり、好ましくは
1〜30分間である。架橋剤と加硫促進剤の混合は、通
常100℃以下、好ましくは室温〜80℃まで冷却後行
われ、その後、通常120〜200℃、好ましくは14
0〜180℃の温度でプレス架橋して本発明のゴム状重
合体組成物を得ることができる。
本発明をさらに具体的に説明する。なお、以下におい
て、特記しない限り、「部」および「%」は重量基準で
ある。また、平均粒子径は大塚電子株式会社製:レーザ
ー粒径解析システムPAR IIIにより測定し、粒子形状
は透過型電子顕微鏡により観察した。
ら構成される多相異形粒子の水性分散液を製造した。す
なわち、攪拌機を備え、温度調節可能なオートクレーブ
中に、水350部、ドデシルジフェニルオキシドスルホ
ン酸ナトリウム30部、過硫酸カリウム1.5部、重亜
硫酸ナトリウム0.5部、硫酸第1鉄7水和物0.01
5部、および下記表1に示す第1段目の単量体成分を一
括して仕込み、80℃で3時間反応させて重合転化率が
80%以上であることを確認した。その後、表1に示す
第2段目の単量体成分およびシランカップリング剤(γ
−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)を一括し
て仕込み、同温度で15時間にわたって反応させること
により、重合体相aからなる重合体粒子の水性分散液A
−1〜3を得た。このうちA−3の重合体粒子はシリコ
ン化合物により変性されている。最終的な重合転化率は
いずれも99%であった。
形粒子化 オートクレーブ中に、表2に示す水性分散液(固形分換
算)、ドデシルジフェニルオキシドスルホン酸ナトリウ
ム2.0部、EDTAのナトリウム塩0.033部、ナ
トリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.053
部、ハイドロサルファイドナトリウム0.05部、塩化
カリウム0.04部、硫酸第1鉄7水和物0.013
部、パラメンタンヒドロペルオキシド0.053部、お
よび表2に示す成分を一括して仕込み、30℃で15時
間にわたって反応させることにより、多相異形粒子の水
性分散液B−1〜3を得た。最終的な重合転化率、平均
粒子径および|α−β|の値を表2に併せて示す。な
お、αおよびβは、それぞれ表2に示す官能基含有単量
体の重合体相aおよびbに占める割合(%)であり、|
α−β|はαとβとの差の絶対値を示す。
表3に示す組成の単量体を仕込んだ。その後、重合容器
の温度を5℃に設定し、ラジカル重合開始剤としてp−
メンタンハイドロパーオキサイド0.1部、エチレンジ
アミン四酢酸ナトリウム0.07部、硫酸第一鉄7水和
物0.05部、およびソディウムホルムアルデヒドスル
ホキシレート0.15部を添加して重合を停止させた
後、スチームストリッピングにより未反応単量体を回収
して、共役ジエン系ゴム(ゴム状重合体)の水性分散液
D−1〜4を得た。
の湿式混合 多相異形粒子の水性分散液B−1〜3と、共役ジエン系
ゴムの水性分散液D−1〜4とを、固形分換算で表4に
示す重量比になるように混合した。その後、混合された
水性分散液に含まれる多相異形粒子および共役ジエン系
ゴムの合計量(固形分)100部に対して37.5部と
なるようにアロマオイルを配合し、これを硫酸と塩によ
り凝固させてクラムとした後、熱風乾燥機により乾燥さ
せ、表4に示す重量比のゴムを含む実施例1〜8の湿式
混合ゴムを得た。この湿式混合によれば、多相異形粒子
と共役ジエン系ゴムとを、乾式で混合する場合に比べて
より均一に混合することができる。
処方でラボプラストミル(東洋精機株式会社製)により
混練して、実施例1〜8のゴム状重合体組成物を得た。
その後、架橋プレスにより160℃で20分架橋し、実
施例1〜8の架橋ゴムを得た。一方、比較例として、多
相異形粒子を用いずに共役ジエン系ゴムのみを使用した
点以外は実施例1〜8と同様にして、表4に示す配合処
方で比較例1〜6のゴム状重合体組成物を作製し、これ
らを実施例と同様に架橋した。これら実施例1〜8およ
び比較例1〜6のゴム状重合体組成物及び架橋ゴムの物
性を測定した。その結果を表4に併記する。
下に示す。 シリカ;日本シリカ株式会社製、商品名「ニプシルVN
3」 シランカップリング剤;デグッサ社製、商品名「Si6
9」 東芝シリコーン社製、商品名「TSL8380」 老化防止剤;大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノ
クラック810NA」 加硫促進剤(a);大内新興化学工業株式会社製、商品名
「ノクセラーCZ」 加硫促進剤(b);大内新興化学工業株式会社製、商品名
「ノクセラーD」 カーボンブラック;三菱化学株式会社製、商品名「ダイ
ヤブラックN220」
りおこなった。 加工性 ゴム状重合体組成物をロールにより混練した際のロール
への巻き付き性により評価した。評価基準は以下のとお
りである。 ◎;ロール面からの浮きがない(優れている)。 ○;ロール面に対し僅かに浮きがある程度である(良好
である)。 △;ロールに巻き付くが、浮き上がりやすい(劣ってい
る)。 ×;ほとんどロールに巻き付かない(非常に劣ってい
る)。 ムーニー粘度[(ML1+4(100℃)] JIS K 6300に準拠し、測定温度1000℃、
予熱1分、測定4分の条件で測定した。 引張り測定 JIS K 6301に準拠し、3号型試験片を用い、
測定温度25℃、引張速度500mm/分の条件で、破
断時伸びEB(%)及び引張強さTB(MPa)を測定
した。 耐摩耗性 ASTM D2228に準拠し、ピコ摩耗試験機を用い
て測定した。評価結果は、摩耗激しい(0点)〜摩耗極
めて少ない(5点)で表す。
8のゴム状重合体組成物はいずれも加工性、耐摩耗性と
もに優れ、また架橋ゴムの物性が良好であることがわか
る。さらに、シランカップリング剤が配合されていない
実施例8においても、シランカップリング剤3部が配合
されている他の実施例と同等な結果が得られており、シ
ランカップリング剤を要することなく、優れた性能のゴ
ム組成物および架橋ゴムが得られていることがわかる。
一方、比較例1〜6では、シランカップリング剤の量を
大幅に増した比較例1を除いて加工性に劣る。また、い
ずれも引張り特性の悪化がみられ、加工性と架橋ゴム物
性のバランスが良好な架橋ゴムを得ることはできなかっ
た。
に性質の異なる重合体相が非対称に存在しており、しか
もこれらの重合体相がいずれも粒子表面に露出した多相
異形粒子を含有し、この多相異形粒子により成形加工性
が向上されている。また、添加剤の分散性が改良されて
いるのでこの添加剤の添加効果が十分に発揮される。本
発明のゴム状組成物は、特に添加剤がシリカ系化合物か
らなる補強剤である場合には、発熱性、引張強度、耐摩
耗性、成形加工性等に優れる。
つの重合体相からなる場合における粒子形状の例を示す
模式図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 ゴム状重合体100重量部に対し多相異
形粒子0.5〜100重量部を含有してなるゴム状重合
体組成物であって、 上記多相異形粒子は、いずれも上記多相異形粒子表面へ
の露出面を備える二以上の重合体相から構成され、該重
合体相の少なくとも一つは下記条件1および/または条
件2を満たすことを特徴とするゴム状重合体組成物。 条件1;他の重合体相を構成する単量体単位とは異なる
単量体単位を有する。 条件2;他の重合体相を構成する単量体単位と同じであ
るが、その含有比率の異なる単量体単位を有する。 - 【請求項2】 上記ゴム状重合体100重量部に対し、
補強剤1〜200重量部をさらに含有してなる請求項1
記載のゴム状重合体組成物。 - 【請求項3】 上記補強剤はシリカ系化合物からなる請
求項2記載のゴム状重合体組成物。 - 【請求項4】 上記二以上の重合体相の少なくとも一つ
は共役ジエン系重合体からなる請求項1、2または3記
載のゴム状重合体組成物。 - 【請求項5】 上記二以上の重合体相の少なくとも一つ
はエステル基、アミド基、アミン基、カルボキシル基、
スルホン酸基、硫酸基、グリシジル基および水酸基から
選択された少なくとも一種の反応性官能基を有する請求
項1から4のいずれか一項記載のゴム状重合体組成物。 - 【請求項6】 上記二以上の重合体相の少なくとも一つ
にはシリコン化合物が化学的に結合されている請求項1
から5のいずれか一項記載のゴム状重合体組成物。
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