JP4425653B2 - シリカ充填ゴム組成物および成形体 - Google Patents

シリカ充填ゴム組成物および成形体 Download PDF

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Description

本発明は、シリカの分散性が高められたシリカ充填ゴム組成物と、該ゴム組成物の架橋成形体とに、関する。
従来から、ゴムの補強用充填材として、カーボンブラックやシリカが広く使用されており、一般的には、バンバリーミキサー、オープンロール、ニーダー等の混練装置を用いてゴムに配合する乾式法が広く採用されている。近年、シリカを充填したゴム組成物は、カーボンブラックを充填したゴム組成物と比較し、自由に着色でき、環境汚染性が少なく、耐引裂性に優れるばかりでなく、低燃費性と高グリップ性の両立が可能となることが見出され、タイヤトレッド用ゴム材料として注目されている。しかしながら、シリカは通常、表面がシラノール基に覆われ強い自己凝集性を持っているためにゴムとの親和性に乏しく、ゴム中に良好に分散させることは困難であり、引張強度や耐摩耗性などの補強性に劣るという問題があった。
そこで、ジエン系のゴムとシリカとの親和性を高めるために、シランカップリング剤を配合する方法(特許文献1参照)が提案されている。しかしながら、これらのシランカップリング剤を用いるだけでは、低燃費性、補強性及び加工性の改善の効果が未だ十分でない。また、シリカに対して親和性の官能基を導入したゴムを用いる方法(特許文献2参照)などが提案されているが、これらは加工時の発熱が大きく加工性に劣り、低燃費性や補強性も十分には改善されていない。
また、ジエン系ゴムラテックスとシリカを適当な割合で混合し、ゴムをシリカとともに凝固させるいわゆる湿式法により得られたジエン系ゴム組成物が開示されている。例えば、カチオン系有機界面活性物質を使用し、ゴムラテックスと珪酸充填剤と特定の部数のコロイド状珪酸を共凝固させる方法により得られるゴム組成物が開示されている(特許文献3参照)が、シリカが均一に分散凝固した組成物を得るのが困難であり、また低燃費性及び補強性の改善効果は十分でない。
さらに、カチオン性樹脂で処理された平均粒子径1μm以下のシリカとゴムラテックスを混合し、シリカと伴にゴムを凝固させる方法により得られたゴム組成物が開示されている(特許文献4参照)。上記方法で得られたゴム組成物は、引張強度や耐摩耗性が大幅に改善されているが、完全に均一な凝固物が得られず組成物の物性が安定しないという問題があった。
特開平3−252431号公報 特開平1−101344号公報 特開昭63−051435号公報 特開2001−213971号公報
本発明の目的は、加工性を低下させることなく、シリカの分散性が高められたシリカ充填ゴム組成物と、該ゴム組成物の架橋成形体とを、提供することにある。
本発明者らは、上記技術課題を解決すべく鋭意研究を行なった結果、シリカをゴム中に均一分散させるためには、カチオン性高分子の配合量が重要であり、その最適な配合量は、用いるシリカの比表面積と特定の関係があるとの知見を得た。そして、この知見の下にカチオン性高分子を最適量配合すれば、シランカプリング剤等を用いずとも、或いは少量の配合でも、得られるゴム組成物の加工性を低下させることなく、該ゴム組成物中にシリカを良好に分散させることができることを見出し、本発明を完成させた。
かくして本発明によれば、以下の発明1〜5が提供される。
1.ゴム、シリカ、及びカチオン性高分子を含有して成るシリカ充填ゴム組成物であって、前記シリカのセチルトリメチルアンモニウムブロマイド(CTAB)吸着法により測定した比表面積(単位:m/g)をSとし、前記カチオン性高分子の前記シリカ100重量部に対する配合量(単位:重量部)をcとしたとき、前記カチオン性高分子が、下記関係式を満足するように配合されていることを特徴とするシリカ充填ゴム組成物。24≦(S/c)≦60。
2.さらにシランカップリング剤を含有し、該シランカップリング剤の前記シリカ100重量部に対する配合量(単位:重量部)をdとしたとき、前記シランカップリング剤が、下記関係式を満足するように配合されていることを特徴とする上記1に記載のシリカ充填ゴム組成物。20≦(S/d)≦100。
3.前記ゴムが、ジエン系ゴムである上記1または2に記載のシリカ充填ゴム組成物。
4.ゴムのラテックス、シリカ、及びカチオン性高分子とを混合し、ゴムをシリカとともに凝固させて得られることを特徴とする上記1から3までのいずれかに記載のシリカ充填ゴム組成物。
5.上記1から4までのいずれかに記載のシリカ充填ゴム組成物を架橋成形して成る成形体。
本発明によれば、加工性を低下させることなく、シリカの分散性が高められたシリカ充填ゴム組成物と、該ゴム組成物の架橋成形体とを提供することができる。
本発明のシリカ充填ゴム組成物は、ゴム、シリカ、及びカチオン性高分子を含有して成り、前記シリカのセチルトリメチルアンモニウムブロマイド(CTAB)吸着法により測定した比表面積(単位:m/g)をSとし、前記カチオン性高分子の前記シリカ100重量部に対する配合量(単位:重量部)をcとしたとき、前記カチオン性高分子が、下記関係式を満足するように配合されていることを特徴とする。24≦(S/c)≦60。
本発明において用いられるゴムは、何等制限なく、目的とする用途に応じて適宜選択すれば良く、具体的には、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエン共重合ゴム、アクリルニトリルブタジエン共重合ゴム、スチレンブタジエンイソプレン共重合ゴム、ブタジエンイソプレン共重合ゴム、アクリロニトリルスチレンブタジエン共重合ゴムなどのジエン系ゴム;クロロプレンゴム;ブチルゴム;アクリルゴムなどが挙げられる。これらのゴムは、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシシリル基、アミノ基及びエポキシ基等を有していても良い。これらのゴムは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いても良い。
これらの中でも、特にタイヤ用途に用いる場合においては、耐摩耗性や低燃費性等のタイヤの性能を勘案すると、天然ゴムラテックスやスチレンブタジエン共重合ゴムなどのジエン系ゴムラテックスを用いることが好適である。
ジエン系ゴムのムーニー粘度(ML1+4 ,100℃)は、10〜200、好ましくは30〜150の範囲である。
スチレンブタジエン共重合ゴム、スチレンブタジエンイソプレン共重合ゴム、アクリロニトリルスチレンブタジエン共重合ゴム等に含有されるスチレン共重合ジエン系ゴムのスチレン量は60重量%以下、好ましくは50重量%以下である。アクリロニトリル共重合ジエン系ゴムのアクリロニトリル量は60重量%以下、好ましくは55重量%以下である。スチレン量やアクリロニトリル量が多すぎると多過ぎると発熱性やスキッド性や低温脆化が劣る。
これらのゴムラテックスは、単独で、あるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。
本発明においては、ゴムに、伸展油を混合することもできる。伸展油としては、ゴム工業において通常使用されるものが使用でき、パラフィン系、芳香族系、ナフテン系の石油系軟化剤、植物系軟化剤、脂肪酸などが挙げられる。石油系軟化剤の場合には、多環芳香族の含有量が3%未満であることが好ましい。この含有量は、IP346の方法(英国のTHE INSTITUTE PETROLEUMの検査方法)により測定される。
ゴムとしては、溶液重合法、乳化重合法、懸濁重合法、気相重合法等で得られるものが用いられる。これらのゴムは、有機溶媒溶液、ラテックス、スラリー及び固体状で用いることができる。固体状のゴムを微粉化したり再溶解したりしたものをラテックス状態として用いることもできる。これらの中でも、効率的にシリカを分散させるためには、乳化重合法で得られるラテックスを用いることが好ましい。
乳化重合によりゴムを得る場合には、通常の乳化重合法を用いればよく、例えば、所定量の単量体を乳化剤の存在下に水性媒体中に乳化分散し、重合開始剤により乳化重合する方法が挙げられる。各単量体の使用量は、重合体における各単量体単位量が所望の含有量になるよう、適宜選択される。
乳化剤としては、例えば、炭素数10以上の長鎖脂肪酸塩および/またはロジン酸塩が用いられる。具体例としては、例えば、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸などの脂肪酸のカリウム塩またはナトリウム塩が例示される。
重合開始剤としては、例えば、過硫酸アンモニウムや過硫酸カリウムのような過硫酸塩;過硫酸アンモニウムと硫酸第二鉄との組み合わせ、有機過酸化物と硫酸第二鉄との組み合わせ、及び過酸化水素と硫酸第二鉄との組み合わせなどのレドックス系開始剤;などが挙げられる。
重合体の分子量を調節するために、分子量調整剤を使用する。分子量調整剤としては、例えば、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタンなどのメルカプタン類、四塩化炭素、チオグリコール酸、ジテルペン、ターピノーレン、γ−テルピネン類などが挙げられる。
乳化重合の温度は、使用する重合開始剤の種類によって適宜選択することができるが、通常、0〜100℃で、好ましくは0〜60℃である。重合様式は、連続重合、回分重合等のいずれでの様式でも構わない。
重合反応停止の際の重合転化率は、重合体のゲル化を防止する観点から、85重量%以下とすることが好ましく、50〜80重量%の範囲とすることがより好ましい。重合反応停止は、通常、所定の重合転化率に達した時点で、重合系に重合停止剤を添加することによって行われる。重合停止剤としては、例えば、ジエチルヒドロキシルアミンやヒドロキシルアミン等のアミン系化合物;ヒドロキノンやベンゾキノンなどのキノン系化合物;亜硝酸ナトリウム、ソジウムジチオカーバメートなどが挙げられる。
重合反応停止後、必要に応じて、老化防止剤を添加してもよい。老化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、オクタデシル−3−(3‘,3’−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートやスチレン化フェノールなどのフェノール系安定剤、2,4−ビス(オクチルチオメチル)−6−メチルフェノールなどのイオウ系安定剤、N−(1,3−ジメチルブチル)−N‘−フェニル−p−フェニレンジアミンなどのアミン系安定剤、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンなどのキノリン系安定剤、ヒドロキノン系安定剤、リン系安定剤などが挙げられる。
また、重合反応停止後、得られた重合体ラテックスから必要に応じて未反応モノマーを除去するのが好ましい。
本発明において用いられるシリカは、公知の方法により得られる乾式シリカ、湿式シリカ、ゾル−ゲル法シリカ及びコロイダルシリカなどを用いることができる。乾式シリカは、一般に、四塩化珪素を酸水素炎中で燃焼させて得られる。また、湿式シリカは、珪酸アルカリを酸で中和することによって得られる沈降シリカやゲル法シリカが代表的であり、鉱酸の一部もしくは代わりに硫酸アルミニウムを用いて中和反応させた金属塩を多く含有した沈降シリカも用いることもできる。さらに、ゾル−ゲル法シリカは、テトラエメキシシランやテトラエトキシシラン等の珪素のアルコキシドを酸性あるいはアルカリ性の含水有機溶媒中で加水分解することによって得られるものである。さらに、コロイダルシリカは、珪酸アルカリ水溶液を電気透析により脱アルカリすることによって得られる。本発明においては、生産性に優れる湿式シリカ、特に沈降シリカを用いるのが好ましい。
上記シリカは、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド(CTAB)の吸着により測定した比表面積は、40〜300m /gであるのが好ましく、50〜280m /gであるのがより好ましく、60〜260m /gであるのが最も好ましい。
また、上記シリカは、窒素の吸着法により測定した比表面積(SBET )が50〜300m /gのものが好ましく、60〜280m /gのものがより好ましく、70〜260m /gのものが最も好ましい。
さらに、上記シリカのジブチルフタレート吸油量(以下、単に吸油量という)は100〜400ml/100gのものが好ましく、110〜350ml/100gのものがより好ましく、120〜300ml/100gであるものが最も好ましい。
本発明においては、上記した比表面積、吸油量を有するシリカを用いた場合、得られるシリカ充填ゴム組成物からなる成形体において、引張強度や耐摩耗性などの補強性や低燃費性が良好なバランスとなる。
これらのシリカは、単独で、あるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。
本発明に用いるカチオン性高分子は、水に溶解させた際に電離してカチオン性を示す高分子であれば何等制限なく使用することができる。具体的には、例えば、高分子主鎖もしくは側鎖に1〜3級のアミノ基及び4級アンモニウム塩基を有する高分子が代表的である。
このようなカチオン性高分子としては、例えば、1〜3級のアミノ基やそのアンモニウム塩基、および4級のアンモニウム塩基を有するモノマーを重合して得られるものが好適に使用される。さらに、上記した効果を阻害しない範囲で、その他のモノマーと共重合したものでも良い。
本発明においては、特に3級および4級のアンモニウム塩基を有するモノマーを重合して得られるものが、得られるシリカ充填ゴム組成物からなる成形体において、その補強性が良好になる点で好ましい。
また、スチールコード等の金属への被服に本発明のゴム組成物を用いる場合には3〜4級のカチオン性高分子が好ましい。さらに、上記した効果を阻害しない範囲で、その他のモノマーと共重合したものでも良い。
本発明においては好適なカチオン性高分子を具体的に例示すると、ポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、ポリビニルピリジン、ポリアミンスルホン、ポリアリルアミン、ポリジアリルメチルアミン、ポリアミドアミン、ポリアミノアルキルアクリレート、ポリアミノアルキルメタアクリレート、ポリアミノアルキルアクリルアミド、ポリエポキシアミン、ポリアミドポリアミン、ポリエステルポリアミン、ジシアンジアミド・ホルマリン縮合物、ポリアルキレンポリアミン・ジシアンジアミド縮合物、エピクロロヒドリン・ポリアミン縮合物、エピクロロヒドリン・ジメチルアミン縮合物などのエピクロロヒドリン・アミン縮合物等、及びそれらのアンモニウム塩、更に、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ポリメタクリル酸エステルメチルクロライド等の4級アンモニウム塩基を有した高分子を挙げることができる。
これらのうち、ポリジアリルメチルアミンおよびそのアンモニウム塩、エピクロロヒドリン・アミン縮合物、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドが好ましい。
また、上記カチオン性高分子の重量平均分子量は、好ましくは1,000〜1,000,000、より好ましくは2,000〜900,000、最も好ましくは3,000〜800,000である。上記重量平均分子量を1,000以上にすることにより、ジエン系架橋ゴムの引張強度や耐摩耗性などの補強性の改善効果が高くなり、また、上記重量平均分子量を1,000,000以下にすることにより、ゴム中でのシリカ分散が良好となる。
また、上記カチオン性高分子のコロイド滴定により算出したカチオン当量分子量の値は、220以下が好ましく、200以下がより好ましく、180以下が最も好ましい。
これらのカチオン性高分子は、単独で、あるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。
本発明のシリカ充填ゴム組成物は、上記カチオン性高分子の配合量を以下のように調整する点に特徴がある。即ち、前記シリカのセチルトリメチルアンモニウムブロマイド(CTAB)の吸着により測定したシリカの比表面積(単位:m/g)をSとし、前記シリカ100重量部に対する前記カチオン性高分子の配合量(単位:重量部)cとしたとき、前記カチオン性高分子が、下記式を満足するように配合される。
24≦(S/c)≦60、好ましくは27≦(S/c)≦55、特に好ましくは30≦(S/c)≦50。
式中のS/cが60を超える状態でカチオン性高分子が配合されると、シリカ分散性を向上できず、得られるゴム組成物からなる成形体の補強性や低燃費性に劣る。一方、S/Aが24未満では、例えばゴムをラテックス状態でシリカとともに凝固する際に、ゴムの一部がシリカを取り込まずに一方的に凝固してしまい、必要とする性能を有するゴム組成物を収率良く得ることが困難となる。また、過度にS/cが小さいと、かえってそのゴム組成物から成る成形体の補強性が低下する場合がある。
本発明においては、ゴム組成物にさらにシランカップリング剤を配合することが好ましい。シランカップリング剤を配合することで、成形体の補強性および低燃費性がさらに改善される。
シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)テトラスルフィド、ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)ジスルフィドなどや、特開平6−248116号公報に記載されるγ−トリメトキシシリルプロピルジメチルチオカルバミルテトラスルフィド、γ−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアジルテトラスルフィドなどのテトラスルフィド類などが挙げられる。混練時のスコーチを避けられるので、シランカップリング剤は、一分子中に含有される硫黄が4個以下のものが好ましい。これらのシランカップリング剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明においては、さらに、シランカップリング剤の配合量を以下のように調整することが好ましい。すなわち、前記シリカのセチルトリメチルアンモニウムブロマイド(CTAB)吸着法により測定した比表面積(単位:m/g)をSとし、前記シランカップリング剤の前記シリカ100重量部に対する配合量(単位:重量部)をdとしたとき、前記シランカプリング剤が、下記関係式を満足するように配合されていることが好ましい。20≦(S/d)≦100、より好ましくは22<(S/d)<70、特に好ましくは25<(S/d)<50。式中のS/dが100を超えるように前記シランカップリング剤が配合されると、ゴム組成物の加工性や補強性に劣り、一方、S/dが20未満では、物性への効果の割にはコストが高くなり無駄である。
本発明のシリカ充填ゴム組成物を製造する方法は、何等制限されるものではないが、ゴムのラテックス、シリカ、及びカチオン性高分子とを混合し、ゴムをシリカとともに凝固させる方法が、補強性、低燃費性に優れるシリカ分散の向上したシリカ充填ゴム組成物からなる成形体が得られる点で好ましい。
上記方法において、珪酸アルカリと酸との中和反応によって得られたシリカを乾燥することなく、スラリー状あるいは湿ケーク状の形態で水に分散せしめて調整された水性懸濁液をゴムラテックスと混合するのがより好ましい。このように、シリカを乾燥工程を経ないで水に分散させることにより、シリカの物性設計の自由度が増し、乾燥時の熱収縮による自己凝集のデメリットを避けられることにより、シリカ分散を向上することができる。
上記方法において、上記カチオン性高分子とシリカの水性懸濁液とを混合する方法は、該カチオン性高分子が水性懸濁液中に均一に混合される方法であれば、特に制限されない。具体的には、カチオン性高分子を粉末状のシリカに吸着させても良くシリカの水性懸濁液に攪拌下添加しても良く、カチオン性高分子を予め作成しておいたシリカの水性懸濁液に攪拌下添加しても良く、シリカを水と混合・分散させて水性懸濁液とする際に同時に配合しても良い。代表的な調整方法を例示すれば、下記の方法が挙げられる。
(1)ゴムラテックスとシリカとを混合後、カチオン性高分子をそのまま/あるいは水溶液として混合する方法、または、カチオン性高分子の水溶液にゴムラテックスとシリカの混合液を混合する方法。
(2)シリカとカチオン性高分子とを水中で混合後、これにゴムラテックスを混合する方法、または、ゴムラテックスにシリカとカチオン性高分子とを水中で混合した水溶液を混合する方法。
(3)ゴムラテックス、シリカ及びカチオン性高分子を同時に混合する方法。
本発明において、ゴムラテックスを用いる場合には、ゴムラテックスは何等制限されず、アニオン系乳化剤、ノニオン系乳化剤、カチオン系乳化剤などで安定化されたゴムラテックスを用いることができる。これらのうち、アニオン系乳化剤で安定化されたゴムラテックスを用いるのが好ましい。これらの乳化剤で安定化されたゴムラテックスを用いると、ゴムの一部あるいは全部がシリカと共に凝固し、均一にシリカが充填されたゴム組成物が得られやすい。また、前述した伸展油を用いる場合にも、ゴムラテックスにこれらの乳化剤とともに混合しておいても良い。
上記ゴムラテックス中のゴムの濃度は、特に限定されず、目的、用途に応じて適宜設定すれば良い。通常は1〜80重量%、好ましくは3〜55重量%、特に好ましくは5〜30重量%の範囲である。この範囲にあるときに凝固の制御性が良い。
本発明において、シリカ水性懸濁液中のシリカの平均粒子径は、特に限定されず、目的とする用途を勘案して適宜決定されればよい。一般的には、0.1〜50μmの範囲が好適に使用される。上記平均粒子径を0.1μm以上にすることにより、シリカの自己凝集性による分散不良を防ぐことができ、得られるシリカ充填ゴムを用いたゴム組成物の硬度が良好になる。一方、平均粒子径を50μm以下とすることにより、ゴム中でのシリカの分散が良好となり、十分な補強性や低燃費性が得られる。の中でも、タイヤに用いられる場合は、シリカの平均粒子径を1μm〜30μmとするのが好ましい。
シリカの粒子径の調整は、凝固前であればいずれの段階で行なってもよく、また、その調整は、特に制限なく公知の方法が使用できる。例えば、ジェットミル、ボールミル、ナラミル、ミクロミル等を使用して、目的とする粒子径が得られるように適宜調整する乾式粉砕法、また、ディスパー、ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、コロイドミル等を使用して、目的とする粒子径が得られるように適宜調整する湿式粉砕法により得ることができる。また、湿式粉砕法によりシリカの粒子径を調整する場合は、水、有機溶媒またはゴムラテックス中、もしくはこれらの混合溶液中にて調整することができる。
本発明において、ゴムラテックスへのシリカの配合量は、特に限定されず、目的とする用途に応じて適宜決定されれば良いが、ゴムラテックス中のゴム100重量部に対して20〜200重量部が好ましく、30〜120重量部が最も好ましい。上記範囲である場合に、得られるシリカ充填ゴム組成物からなる成形体において、補強性や低燃費性が良好となる。
なお、上記水性懸濁液中のシリカの濃度は、通常は、1〜40重量%のものが好適に使用される。この範囲にあるときにシリカ水性懸濁液の流動性が良くなり、共凝固の制御性が良く、均一なシリカ充填ゴム組成物を得ることが出来る。
また、凝固時のpHは、3.5〜8.0とするのが好ましく、ゴムラテックスの添加量が過剰であるとpHが上昇するため酸及び/又は塩を添加してpHを調整するのが好ましい。
なお、上記ゴムラテックスとシリカとを混合し、ゴムをシリカとともに凝固させる方法において、ゴムの凝固を完結させるために、硫酸、燐酸、塩酸などの無機酸;蟻酸、酢酸、酪酸などの有機酸;硫酸アルミニウムなどのルイス酸;などの酸、塩化ナトリウム、塩化カルシウムなどの塩を用いることができる。
本発明のゴム組成物に伸展油を配合する場合には、伸展油を乳化させたオイルエマルジョンを、凝固が始まる以前に系中に添加するのが好ましく、あらかじめゴムラテックスと混ぜておくことがより好ましい。
凝固温度は、10℃〜90℃で行われることが好ましく、20℃〜80℃がより好ましい。凝固の方法は特に制限なく、一般的には、プロペラ、ディスパー、ホモジナイザー等の一般的な分散装置を用いて混合する方法が採用される。
上記方法で得られる、シリカが分散した凝固物のろ過、水洗、脱水、乾燥等、各々の工程についても特に制限されることはなく、一般的に用いられる方法を適宜使用すれば良い。凝固により生じるゴムとシリカの固形分(以下、クラムという)と液体成分(以下、セラムという)を分離し、得られたクラムを水洗し、ろ過後、スクイザ等で水分を絞って脱水し、粒状に粉砕した後に押出乾燥機、熱風式乾燥機などで乾燥し、ペレット状、あるいはブロック状に成形する方法が採用される。また、クラムとセラムを分離することなく、噴霧乾燥することにより、クラムを粉状に成形することができる。
本発明において、ゴム組成物にシランカップリング剤をさらに配合する場合は、その配合方法は、特に制限されず、予め上前述のシリカ水性懸濁液に配合しておいても良く、上記カチオン性高分子とシリカの混合物に配合しても良いが、特に本発明においては、後述するロールやバンバリーミキサーでの混練時に配合して混合するか、これら全ての段階で少量ずつ分割して混合するのが好ましい。
本発明においては、ゴム、シリカ及びカチオン性高分子を混合する際に、本発明の効果を損なわない範囲で、例えば、カーボンブラック等の補強剤、タルク、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム等の充填剤、老化防止剤、活性剤、可塑剤等の配合剤を適宜配合しても良い。
本発明のシリカ充填ゴム組成物は、そのまま使用しても良いし、未充填ゴムと共に混練して、シリカが所定の濃度となるように用いても良い。ゴムとその他の補強剤との組成物と混ぜても良い。
補強剤としては、カーボンブラック、カーボンブラック表面にシリカを担持させたカーボン−シリカデュアル・フェイズ・フィラーを配合しても良い。補強剤の総量は、ゴム100重量部に対し20〜200重量部が好ましく、所望の濃度となるように用いれば良い。
また、本発明のシリカ充填ゴム組成物に用いたシリカと異なる比表面積や吸油量のシリカを配合しても良い。
カーボンブラックとしては、例えば、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック、グラファイトなどを用いることができる。これらの中でも、特にファーネスブラックが好ましく、その具体例としては、SAF、ISAF、ISAF−HS、ISAF−LS、IISAF−HS、HAF、HAF−HS、HAF−LS、FEFなどのグレードのものが挙げられる。これらのカーボンブラックは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明のシリカ充填ゴム組成物は、本発明の効果を本質的に損なわない範囲で、本発明に用いたゴム以外のゴムを含んでもよい。そのようなゴムを併用する場合の割合は用途や目的に合わせて適宜選択されるが、本発明のシリカ充填ゴム中のゴムとの比率で、通常、全ゴムの1〜90重量%、好ましくは10〜80重量%の範囲である。
そのようなゴムとしては、例えば、エピクロロヒドリンゴムなどのポリエーテルゴム、フッ素ゴム、シリコンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴムおよびウレタンゴムなどが挙げられる。
さらに、本発明のシリカ充填ゴム組成物は、該組成物に用いたゴムと同類のゴムであって、組成物に用いたゴムとミクロ構造等が異なるゴムと任意の割合でブレンドして使用することもできる。例えば、ブタジエンゴムなどのジエン系ゴムであって、ブタジエン部のトランス結合含有量70〜95%の高トランス構造ゴム、シス結合含有量70〜100%の高シス構造ゴム、ビニル結合含有量が0〜13%の低ビニル構造ゴム、ビニル結合含有量が18〜50%の中ビニル構造ゴム、及びビニル結合含有量が50〜80%の高ビニル構造ゴムなどの、本発明組成物に用いたジエン系ゴムとそのミクロ構造の異なるジエン系ゴムなどと、本発明組成物とを任意にブレンドして用いることもできる。
本発明のゴム組成物には、上記成分以外に、常法に従って、架橋剤、架橋促進剤、架橋活性化剤、老化防止剤、活性剤、可塑剤、滑剤、充填剤などの配合剤をそれぞれ必要量含有することができる。
架橋剤としては、例えば、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄などの硫黄;一塩化硫黄、二塩化硫黄などのハロゲン化硫黄;ジクミルパーオキシド、ジターシャリブチルパーオキシドなどの有機過酸化物;p−キノンジオキシム、p,p’−ジベンゾイルキノンジオキシムなどのキノンジオキシム;トリエチレンテトラミン、ヘキサメチレンジアミンカルバメート、4,4’−メチレンビス−o−クロロアニリンなどの有機多価アミン化合物;メチロール基をもったアルキルフェノール樹脂;などが挙げられる。これらの中でも、硫黄が好ましい。これらの架橋剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いられる。架橋剤の配合量は、ゴム100重量部に対して、好ましくは0.3〜10重量部、より好ましくは0.5〜5重量部である。
架橋促進剤としては、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N’−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミドなどのスルフェンアミド系架橋促進剤;ジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、オルトトリルビグアニジンなどのグアニジン系架橋促進剤;ジエチルチオウレアなどのチオウレア系架橋促進剤;2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド、2−メルカプトベンゾチアゾール亜鉛塩などのチアゾール系架橋促進剤;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィドなどのチウラム系架橋促進剤;ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛などのジチオカルバミン酸系架橋促進剤;イソプロピルキサントゲン酸ナトリウム、イソプロピルキサントゲン酸亜鉛、ブチルキサントゲン酸亜鉛などのキサントゲン酸系架橋促進剤;などの架橋促進剤が挙げられる。これらの架橋促進剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いられるが、スルフェンアミド系架橋促進剤を含むものが好ましい。架橋促進剤の配合量は、ゴム100重量部に対して、好ましくは0.3〜10重量部、より好ましくは0.5〜5重量部である。
架橋活性化剤としては、例えば、ステアリン酸などの高級脂肪酸や酸化亜鉛などを用いることができる。酸化亜鉛としては、表面活性の高い粒度5μm以下のものを用いるのが好ましく、粒度が0.05〜0.2μmの活性亜鉛華や0.3〜1μmの亜鉛華などを挙げることができる。また、酸化亜鉛は、アミン系の分散剤や湿潤剤で表面処理してあってもよい。これらの架橋活性化剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を併用して用いることができる。架橋活性化剤の配合割合は、架橋活性化剤の種類により適宜選択される。高級脂肪酸の配合量は、ゴム100重量部に対して、好ましくは0.3〜10重量部、より好ましくは0.5〜5重量部である。酸化亜鉛の配合量は、ゴム100重量部に対して、好ましくは0.1〜5重量部、より好ましくは0.5〜2重量部である。
さらに、配合剤としては、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、シリコーンオイルなどの活性剤;炭酸カルシウム、タルク、クレー、水酸化アルミニウムなどの充填剤;ワックスなどが挙げられる。
本発明のシリカ充填ゴム組成物に、上記配合剤を配合する場合には、常法に従って各成分を混練する。例えば、架橋剤と架橋促進剤を除く配合剤とシリカ充填ゴム組成物と必要に応じてその他のゴムや補強剤を混練後、その混練物に架橋剤と架橋促進剤を混練してゴム組成物を得ることができる。架橋剤と架橋促進剤と除く配合剤とシリカ充填ゴム組成物との混練温度は、好ましくは20〜200℃、より好ましくは80〜190℃、特に好ましくは120〜180℃の範囲とする。次いで、得られた混練物を、好ましくは100℃以下、より好ましくは80℃以下まで冷却した後、それと架橋剤および架橋促進剤とを混練する。
本発明のシリカ充填ゴム組成物は、通常、上記の架橋剤を配合し、架橋性ゴム組成物として使用される。架橋方法は特に限定されず、架橋物の性状、大きさなどに応じて選択すればよい。金型中に架橋性ゴム組成物を充填して加熱することにより成形と同時に架橋してもよく、予め成形しておいた未加硫ゴム組成物を加熱して架橋しても良い。架橋温度は、好ましくは120〜200℃、より好ましくは100〜190℃、最も好ましくは120〜180℃である。
本発明のゴム組成物は、その特性を生かす各種用途、例えば、トレッド、アンダートレッド、カーカス、サイドウオール、ビード部などのタイヤ用部材;ホース、窓枠、ベルト、靴底、防振ゴム、自動車部品、免震ゴムなどのゴム部材;耐衝撃性ポリスチレン、ABS樹脂等の樹脂強化ゴム部材;などに利用できる。なかでも、タイヤ用部材として好適であり、低燃費タイヤのタイヤトレッドとして特に好適である。
本発明をさらに具体的に説明するために、以下に実施例および比較例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例における各種物性は、下記の方法により測定した。
(1)シリカの平均粒子径
光散乱回折式の粒度分布測定装置(コールター社製、コールターLS−230)を用いて体積基準中位径を測定し、この値を平均粒子径として採用した。
(2)比表面積
a)セチルトリメチルアンモニウムブロマイド(CTAB)の吸着による比表面積(SCTAB)の測定: シリカ湿ケークを乾燥器(120℃)に入れて乾燥した後、ASTM D3765−92記載の方法に準じて実施した。ただし、ASTM D3765−92記載の方法は、カーボンブラックのSCTABを測定する方法なので、若干改良を加えた方法とした。すなわち、カーボンブラックの標品であるITRB(83.0m/g)を使用せず、別途にCTAB標準液を調整し、これによってエアロゾルOT溶液の標定を行い、シリカ表面に対するCTAB1分子あたりの吸着断面積を35平方オングストロームとしてCTABの吸着量から比表面積を算出した。これは、カーボンブラックとシリカとでは表面状態が異なるので、同一比表面積でもCTABの吸着量に違いがあると考えられるためである。
b)窒素吸着法による比表面積(SBET )の測定: シリカ湿ケークを乾燥器(120℃)に入れて乾燥した後、マイクロメリティクス社製のアサップ2010を使用して、窒素吸着量を測定し、相対圧0.2における1点法の値を採用した。
(3)吸油量
JIS−K6220により求めた。
(4)共重合体中のスチレン単位量:JIS−K6383(屈折率法)に準じて測定した。
(5)シリカ含有率
熱分析装置TG/DTA(セイコー電子工業製TG/DTA320)を用いて、乾燥試料の空気中での熱分解後の残分率及び150℃までの重量減少率を測定し、下記式を用いて算出した。実施例では、ゴム100重量部に対する量(重量部)に換算して記載した。測定条件は、空気中で昇温速度20℃/min、到達温度600℃、600℃での保持時間20分で行った。
シリカ含有率(%)=燃焼残分率/(100−150℃までの重量減少率)×100
(6)硬度
JIS−K6253に準じて、Duro−A硬度計を用いて測定した。
(7)100%、300%モジュラス、引張強度、伸びは、JIS−K6251の引張応力試験法により測定した。
(8)tanδ(60℃)は、レオメトリックス社製造RDA−IIを用い、0.5%ねじれ、20Hzの条件で60℃におけるtanδを測定した。この特性は、指数で表示した。このtanδ(60℃)値が小さいと低燃費性に優れることを示す。
(9)弾性率のひずみ依存性は、レオメトリックス社製造RDA−IIを用い、1Hzの条件で、50℃におけるねじれを0.05%から10%の範囲で測定した。10%ねじれでのG’の値と0.1%ねじれでのG’の値の差を△G’として求めた。この特性は、指数で表示した。この値が小さいとシリカの分散が良好で低燃費性に優れることを示す。
(10)ムーニー粘度(ML1+4 ,100℃)は、JIS−K6300に準じて測定した。この特性は、指数で表示した。この値が小さいとシリカの分散が良好で加工性に優れることを示す。
(シリカの製造例1)
温度調節機付きの1mの反応容器に珪酸ナトリウム水溶液(SiO濃度:10g/L、モル比:SiO/NaO=3.41)223Lを投入し、90℃に昇温した。次いで、22%硫酸73Lと珪酸ナトリウム水溶液(SiO濃度:90g/L、モル比:SiO/NaO=3.41)438Lを同時に120分かけて投入した。10分間熟成後、22%硫酸16Lを25分かけて投入した。上記反応は反応液温度を90℃に保持し、反応液を常時攪拌しながら行い、最終的に反応液のpHが3.2のシリカスラリーを得た。これをフィルタープレスでろ過、水洗し、シリカ固形分が24%のシリカ湿ケーク(A)を得た。
得られたシリカ湿ケーク(A)の一部を乾燥して得たシリカ粉末(a)のBET比表面積(SBET )は165m/g、CTAB比表面積(SCTAB)が155m/gであり、吸油量は180ml/100gであった。シリカ粉末(a)は比較例4に用いた。シリカ粉末(a)の加熱減量は6%であった。
(シリカ製造例2)
温度調節機付きの1mの反応容器に珪酸ナトリウム水溶液(SiO濃度:10g/L、モル比:SiO/NaO=3.41)201Lを投入し、95℃に昇温した。次いで、22%硫酸77Lと珪酸ナトリウム水溶液(SiO濃度:90g/L、モル比:SiO/NaO=3.41)455Lを同時に140分かけて投入した。10分間熟成後、22%硫酸16Lを30分かけて投入した。上記反応は反応液温度を95℃に保持し、反応液を常時攪拌しながら行い、最終的に反応液のpHが2.9のシリカスラリーを得た。これをフィルタープレスでろ過、水洗し、シリカ固形分が25%のシリカ湿ケーク(B)を得た。
得られたシリカ湿ケーク(B)の一部を乾燥して得たシリカ粉末(b)のBET比表面積(SBET )は121m/g、CTAB比表面積(SCTAB)は110m/gであり、吸油量は170ml/100gであった。
(シリカ製造例3)
温度調節機付きの1mの反応容器に珪酸ナトリウム水溶液(SiO濃度:10g/L、モル比:SiO/NaO=3.41)158Lを投入し、95℃に昇温した。次いで、22%硫酸90Lと珪酸ナトリウム水溶液(SiO濃度:90g/L、モル比:SiO/NaO=3.41)535Lを同時に210分かけて投入した。10分間熟成後、22%硫酸17Lを40分かけて投入した。上記反応は反応液温度を95℃に保持し、反応液を常時攪拌しながら行い、最終的に反応液のpHが3.1のシリカスラリーを得た。これをフィルタープレスでろ過、水洗し、シリカ固形分が28%のシリカ湿ケーク(C)を得た。
得られたシリカ湿ケーク(C)の一部を乾燥して得たシリカ粉末(c)のBET比表面積(SBET )は92m/g、CTAB比表面積(SCTAB)は85m/gであり、吸油量は160ml/100gであった。
(シリカ製造例4)
温度調節機付きの1mの反応容器に珪酸ナトリウム水溶液(SiO濃度:10g/L、モル比:SiO/NaO=3.41)304Lを投入し、85℃に昇温した。次いで、22%硫酸62Lと珪酸ナトリウム水溶液(SiO濃度:90g/L、モル比:SiO/NaO=3.41)368Lを同時に75分かけて投入した。10分間熟成後、22%硫酸16Lを20分かけて投入した。上記反応は反応液温度を85℃に保持し、反応液を常時攪拌しながら行い、最終的に反応液のpHが2.9のシリカスラリーを得た。これをフィルタープレスでろ過、水洗し、シリカ固形分が22%のシリカ湿ケーク(D)を得た。
得られたシリカ湿ケーク(D)の一部を乾燥して得たシリカ粉末(d)のBET比表面積は220m/g、CTAB比表面積(SCTAB)は200m/gであり、吸油量は200ml/100gであった。シリカ粉末(d)は比較例7に用いた。シリカ粉末(d)の加熱減量は6%であった。
(シリカ水性懸濁液の製造例1)
上記シリカ製造例1で得られたシリカ湿ケーク(A)とカチオン性高分子(重量平均分子量が2万のポリジアリルメチルアンモニウムクロライド:カチオン当量分子量147.5)及び純水を、ホモジナイザーを用いてシリカ湿ケークを粉砕しながら同時に混合し、カチオン性高分子を含有したシリカ水性懸濁液(I)を得た。該水性懸濁液中のシリカ濃度は13%、カチオン性高分子はシリカ100重量部に対して4重量部になるように調整した。得られた水性懸濁液中のシリカの平均粒子径は15μmであった(シリカ水性懸濁液A1)。
(シリカ水性懸濁液の製造例2)
カチオン性高分子を重量平均分子量が4万のポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(カチオン当量分子量161.5)とし、カチオン性高分子を3重量部にした以外はシリカ水性懸濁液の製造例1と同様に作製した(シリカ水性懸濁液A2)。
(シリカ水性懸濁液の製造例3)
カチオン性高分子をシリカ100重量部に対して3.5重量部になるように調整した。得られた水性懸濁液中のシリカの平均粒子径は16μmであった。このろ過、回収し、150℃の熱風乾燥機中で乾燥してシリカ水性懸濁液(A3)を得た。A3の加熱減量は6%であった。
(シリカ水性懸濁液の製造例4)
シリカ湿ケークを(B)とし、カチオン性高分子を3重量部とした以外は、シリカ水性懸濁液の製造例1と同様に作製した(シリカ水性懸濁液B1)。得られた水性懸濁液中のシリカの平均粒子径は17μmであった。
(シリカ水性懸濁液の製造例5)
カチオン性高分子を重量平均分子量が24万のエピクロルヒドリン・ジメチルアミン共重合体(カチオン当量分子量137.5)とした以外は、シリカ水性懸濁液の製造例4と同様に作製した(シリカ水性懸濁液B2)。
(シリカ水性懸濁液の製造例6)
シリカ湿ケークを(C)とした以外は、シリカ水性懸濁液の製造例4と同様に作製した(シリカ水性懸濁液C1)。得られた水性懸濁液中のシリカの平均粒子径は16μmであった。
(シリカ水性懸濁液の製造例7)
カチオン性高分子をシリカ100重量部に対して8重量部とした以外は、シリカ水性懸濁液の製造例1と同様に作製した(シリカ水性懸濁液A4)。
(シリカ水性懸濁液の製造8)
カチオン性高分子をシリカ100重量部に対して2重量部とした以外は、シリカ水性懸濁液の製造例1と同様に作製した(シリカ水性懸濁液A5)。
(シリカ水性懸濁液の製造9)
シリカ湿ケークを(D)とし、カチオン性高分子をシリカ100重量部に対して3重量部とした以外は、シリカ水性懸濁液の製造例1と同様に作製した(シリカ水性懸濁液D1)。得られた水性懸濁液中のシリカの平均粒子径は15μmであった。
(シリカ水性懸濁液の製造10)
カチオン性高分子をシリカ100重量部に対して2重量部とした以外は、シリカ水性懸濁液の製造例8と同様に作製した(シリカ水性懸濁液D2)。
(シリカ水性懸濁液の製造11)
カチオン性高分子をシリカ100重量部に対して9重量部とした以外は、シリカ水性懸濁液の製造例8と同様に作製した(シリカ水性懸濁液D3)。
(ゴムの製造例1)
攪拌機付き耐圧反応器に脱イオン水200部、ロジン酸石鹸1.5部、脂肪酸石鹸2.1部、単量体として1,3−ブタジエン72部、スチレン28部、およびt−ドデシルメルカプタン0.20部を仕込んだ。反応器温度を10℃とし、重合開始剤としてジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド0.03部、ソディウム・ホルムアルデヒド・スルホキシレート0.04部を、および、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム0.01部と硫酸第二鉄0.03部とを反応器に添加して重合を開始した。重合転化率が45%に達した時点で、t−ドデシルメルカプタン0.05部を添加して反応を継続させた。重合転化率が70%に達した時点で、ジエチルヒドロキシルアミンを0.05部添加して反応を停止させた。
未反応単量体を水蒸気蒸留により除去した後、重合体100部に対して、老化防止剤として、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート0.8部および2,4−ビス(n−オクチルチオメチル)−6−メチルフェノール0.12部を30重量%乳化水溶液をもって添加し、重合体ラテックス(R1)を得た。
その一部を取り出し、硫酸でpH3〜5になるように調製しながら、塩化ナトリウムにより、50℃で重合体ラテックスを凝固し、クラム状の重合体を得た。このクラムを80℃の熱風乾燥機で乾燥し、固形ゴム(r1)を得た。得られたゴムのスチレン量は23.6重量%でムーニー粘度は52であった。得られた固形ゴム(r1)は比較例3に用いた。
(ゴムの製造例2)
攪拌機付き耐圧反応器に脱イオン水200部、ロジン酸石鹸1.5部、脂肪酸石鹸2.1部、単量体として1,3−ブタジエン57.5部、スチレン42.5部、およびt−ドデシルメルカプタン0.12部を仕込んだ。反応器温度を10℃とし、重合開始剤としてジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド0.1部、ソディウム・ホルムアルデヒド・スルホキシレート0.06部を、および、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム0.014部と硫酸第二鉄0.02部とを反応器に添加して重合を開始した。重合転化率が45%に達した時点で、t−ドデシルメルカプタン0.05部を添加して反応を継続させた。重合転化率が70%に達した時点で、ジエチルヒドロキシルアミンを0.05部添加して反応を停止させた。
未反応単量体を水蒸気蒸留により除去した後、重合体100部に対して、老化防止剤として、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル-p-フェニレンジアミン0.21部と2,2,4−トリメチル-1,2−ジハイドロクイノリン0.14部を60重量%乳化水溶液をもって添加し、重合体ラテックス(R2)を得た。
その一部を取り出し、重合体ラテックス中の重合体100部に対して、伸展油としてEnerthene1849A(ブリティッシュペトロリアム社製)を脂肪酸石鹸により66重量%乳化水溶液として37.5部を添加した。その後、硫酸でpH3〜5になるように調製しながら、塩化ナトリウムにより、伸展油を含む重合体ラテックスを60℃で凝固し、クラム状の重合体を得た。このクラムを80℃の熱風乾燥機で乾燥し、固形ゴム(r2)を得た。得られたゴムのスチレン量は35.0重量%でムーニー粘度は49であった。得られた固形ゴム(r2)は比較例6に用いた。
実施例1
上記シリカ水性懸濁液(A1)731gに純水を足しシリカ濃度5%とした懸濁液中にSBRラテックス(固形分:23%)870gを攪拌下滴下し、22%硫酸を用いてpHを5〜6に維持しながら、40℃で共凝固させた。混合後のpHは6.3であった。
この凝固物をろ過、水洗、乾燥して、シリカ充填ゴム(1)299gを得た。シリカの含有率は、SBR100重量部に対して47.4重量部であった。
得られたシリカ充填ゴム(1)は、表2に示す配合量になるように、シランカップリング剤(Si69、デグッサ社製)、パラフィンワックス、ステアリン酸、亜鉛華(粒度0.4μm、亜鉛華#1:本荘ケミカル社製)、老化防止剤(ノクラック6C:大内新興社製)を50℃オープンロールで混合し、次いで、バンバリーミキサー(東洋精機製ラボプラストミル型式100C ミキサータイプB−250)を用いて2分間混練した。混錬終了時の温度は150℃であった。次いで硫黄および架橋促進剤(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミドとジフェニルグアニジン)とを50℃のオープンロールで混練した後、シート状に取り出した。得られたゴム組成物を160℃で15分プレス加硫して試験片を作製し、各物性を測定した。
結果を表3に示す。
実施例2
表2に示す配合量にて実施例1と同様にゴム組成物の試験片を作製し、各物性を測定した。結果を表3に示す。
実施例3
シリカ水性懸濁液をA2とする以外は実施例1と同様にシリカ充填ゴム(3)を作製した。シリカの含有率は、SBR100重量部に対して47.5重量部であった。表2に示す配合量にて実施例1と同様にゴム組成物の試験片を作製し、各物性を測定した。結果を表3に示す。
実施例4
シリカ水性懸濁液A3を用い、表2に示す配合量にて実施例1と同様にゴム組成物の試験片を作製し、各物性を測定した。結果を表3に示す。
実施例5
シリカ水性懸濁液をB1とする以外は実施例1と同様にシリカ充填ゴム(4)を作製した。シリカの含有率は、SBR100重量部に対して47.5重量部であった。表2に示す配合量にて実施例1と同様にゴム組成物の試験片を作製し、各物性を測定した。結果を表3に示す。
実施例6
シリカ水性懸濁液をB2とする以外は実施例1と同様にシリカ充填ゴム(5)を作製した。シリカの含有率は、SBR100重量部に対して47.5重量部であった。表2に示す配合量にて実施例1と同様にゴム組成物の試験片を作製し、各物性を測定した。結果を表3に示す。
実施例7
シリカ水性懸濁液をC1とする以外は実施例1と同様にシリカ充填ゴム(6)を作製した。シリカの含有率は、SBR100重量部に対して47.5重量部であった。表2に示す配合量にて実施例1と同様にゴム組成物の試験片を作製し、各物性を測定した。結果を表3に示す。
比較例1
シリカ水性懸濁液をA4とする以外は実施例1と同様に共凝固を試みたが、SBRラテックス添加初期に一部が単独で凝固しまい、セラム水に浮くSBR主体の肥大化したクラムとシリカ主体の沈降する微細クラムの混在となり、完全に均一な共凝固ができなかった。そのため物性評価を実施しなかった。
比較例2
シリカ水性懸濁液をA5とする以外は実施例1と同様にシリカ充填ゴム(8)を作製した。シリカの含有率は、SBR100重量部に対して47.5重量部であった。表2に示す配合量にて実施例1と同様にゴム組成物の試験片を作製し、各物性を測定した。結果を表3に示す。
比較例3〜4
表2に示す配合量にて実施例1と同様にゴム組成物の試験片を作製し、各物性を測定した。結果を表3に示す。
実施例8
SBRラテックス(固形分:23%)870gと脂肪酸石鹸により66重量%乳化水溶液とした伸展油Enerthene1849A(ブリティッシュペトロリアム社製)114gとを混合した。このSBRラテックスとオイルエマルション混合物をシリカ水性懸濁液(D1)1109gに純水を足しシリカ濃度5%とした懸濁液中に中に攪拌下滴下し、22%硫酸とカチオン性高分子(重量平均分子量が2万のポリジアリルメチルアンモニウムクロライド)の3%水溶液140gを用いてpHを5〜6に維持しながら、60℃で共凝固させた。混合後のpHは6.5であった。
この凝固物をろ過、水洗、乾燥して、シリカ充填ゴム(9)423gを得た。シリカの含有率は、SBR100重量部に対して70.1重量部であった。
得られたシリカ充填ゴム(9)は、表5に示す配合量になるように、シランカップリング剤(Si69、デグッサ社製)、パラフィンワックス、ステアリン酸、亜鉛華(粒度0.4μm、亜鉛華#1:本荘ケミカル社製)、老化防止剤(ノクラック6C:大内新興社製)を50℃オープンロールで混合し、次いで、バンバリーミキサー(東洋精機製ラボプラストミル型式100C ミキサータイプB−250)を用いて2分間混練した。混錬終了時の温度は143℃であった。次いで硫黄および架橋促進剤(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミドとジフェニルグアニジン)とを50℃のオープンロールで混練した後、シート状に取り出した。得られたゴム組成物を160℃で15分プレス加硫して試験片を作製し、各物性を測定した。結果を表6に示す。
実施例9
シリカ水性懸濁液をD2とし、pH調整時に添加するカチオン性高分子の3%水溶液を93gする以外は実施例8と同様にシリカ充填ゴム(10)を作製した。シリカの含有率は、SBR100重量部に対して70.0重量部であった。表5に示す配合量にて実施例8と同様にゴム組成物の試験片を作製し、各物性を測定した。結果を表6に示す。
比較例5
シリカ水性懸濁液をD3とし、pH調整にカチオン性高分子を用いない以外は実施例8と同様に共凝固を試みたが、SBRラテックスとオイルエマルション混合物の添加初期に一部が単独で凝固しまい、セラム水に浮くSBR主体の肥大化した油展クラムと単独で分離し容器に付着したオイルとシリカ主体の沈降する微細クラムの混在となり、完全に均一な共凝固ができなかった。そのため物性評価を実施しなかった。
比較例6
シリカ水性懸濁液をD2とし、pH調整は硫酸だけを用いた以外は実施例8と同様にシリカ充填ゴム(12)を作製した。シリカの含有率は、SBR100重量部に対して69.7重量部であった。表5に示す配合量にて実施例8と同様にゴム組成物の試験片を作製し、各物性を測定した。結果を表6に示す。
比較例7
表5に示す配合量にて実施例8と同様にゴム組成物の試験片を作製し、各物性を測定した。結果を表6に示す。
以上、実施例及び比較例で用いたシリカ充填ゴム組成物の製造に用いた各種配合剤の種類を表1及び表4に示す。
Figure 0004425653
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以上、表3および表6に示すように、実施例1〜9での試験片は、いずれも△G’が90未満であり、さらに、いずれもtanδ(60℃)が100未満となり、シリカの分散性に優れており、低燃費を実現できることが確認された。これに対し、比較例1〜7の試料片は、いずれも△G’が90以上であり、また、いずれもtanδ(60℃)が100以上となり、低燃費を実現することができないことも確認された。なお、実施例1〜9では、硬度が一定範囲の中で、100%モジュラスと300%モジュラスのバランスが良く、且つ、引張強度、破断伸びが向上し、シリカ分散性に優れ補強性に優れた組成物であることが確認された。また、実施例1〜9では、組成物のムーニー粘度が低減し、加工性に優れることが確認された。

Claims (3)

  1. ゴムのラテックス、シリカ、及びカチオン性高分子を混合し、ゴムをシリカとともに凝固させて得られるゴム組成物と、シランカップリング剤を含有して成るシリカ充填ゴム組成物であって、
    前記シリカのセチルトリメチルアンモニウムブロマイド(CTAB)吸着法により測定した比表面積(単位:m/g)をSとし、前記カチオン性高分子の前記シリカ100重量部に対する配合量(単位:重量部)をcとしたとき、前記カチオン性高分子が、下記関係式を満足するように配合され、かつ
    該シランカップリング剤の前記シリカ100重量部に対する配合量(単位:重量部)をdとしたとき、前記シランカップリング剤が、下記関係式を満足するように配合されていることを特徴とするシリカ充填ゴム組成物。
    24≦(S/c)≦60。
    22<(S/d)≦100。
  2. 前記ゴムが、ジエン系ゴムである請求項に記載のシリカ充填ゴム組成物。
  3. 請求項1または2に記載のシリカ充填ゴム組成物を架橋成形してなる成形体。
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