JP4746989B2 - シリカ含有共役ジエン系ゴム組成物及び成形体 - Google Patents

シリカ含有共役ジエン系ゴム組成物及び成形体 Download PDF

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Description

本発明は、新規なシリカ含有ゴム組成物に関し、さらに詳しくは、タイヤトレッド用として好適なゴム組成物及び該ゴム組成物の架橋成形体に関する。
タイヤのトレッド用ゴム組成物は、低燃費性、グリップ性、機械的強度、耐摩耗性及び耐低温脆化性などの、相反する種々の特性を満足させることが要求されている。したがってゴム組成物に単一種類のゴムを用いたのではこれらの特性をバランスさせるのは困難であるため複数種類のジエンゴムを組み合わせるのが一般的である。
さらに、複数のジエンゴムを組み合わせる際に、タイヤ用ゴム組成物の充填剤として従来から用いられているカーボンブラックの分散を制御して前記特性を改善する方法も試みられている。例えば、特許文献1には、2種以上のゴムをブレンドして得られるゴム組成物において、組成物中の一方の原料ゴムにカーボンブラックを偏在させることによりゴム組成物の物性等を制御することが開示されている。しかし、このゴム組成物は加工が困難であることが指摘されている。
一方、カーボンブラック混練のエネルギー低減や加工性向上のために、ゴムラテックスとカーボンブラックの水性懸濁液とを混合し、共凝固させて得られる湿式法カーボンブラック充填ゴム組成物を得る方法が開示されている(例えば特許文献2参照)。この方法により得られたゴム組成物は、カーボンブラックの分散性が良好で優れた機械的特性を有していることからタイヤ用部材などに広く使用されている。
そこで、2種以上のゴムをブレンドする際にも、一方の原料ゴムに湿式法カーボンブラック充填ゴム組成物を用いて前記加工性の問題を解決する提案がなされている(特許文献3参照)。しかしながら、これらの方法で得られたゴム組成物は、低燃費性とグリップ性という二律背反の特性の両立を従来以上に高度のレベルで要求するタイヤトレッド用の材料としては不十分であった。
特開平9−67469号公報 特開昭59−49247号公報 特開平10−226736号公報
本発明の目的は、低燃費性、ウェットグリップ性、機械的強度、耐摩耗性及び耐低温脆化性を高度にバランスさせた、タイヤトレッド用として好適に用いられるゴム組成物及び該ゴム組成物を架橋成形してなる成形体を提供することである。
本発明者等は、シリカを充填したゴム組成物がカーボンブラックを充填したゴム組成物と比較して、低燃費性と高度のグリップ性を両立させられるということに注目した。その反面、これを架橋して得られる架橋ゴム成形体の機械的強度や耐摩耗性などに劣るという問題もあることから、前記低燃費性と高度のウェットグリップ性を維持しつつ、機械的強度や耐摩耗性も改良すべくさらに研究を進めた。その結果、共役ジエン系ゴムのラテックスとシリカの水分散液とを共凝固して得られる共役ジエン系ゴム−シリカ混合物であって、該混合物中の、シリカとシリカに結合して溶媒不溶化した共役ジエン系ゴム成分(溶媒不溶分)の総量の割合が特定以上である混合物に、前記共役ジエン系ゴムとのガラス転移温度の差が特定範囲の別の共役ジエン系ゴムとを配合して得られるシリカ含有共役ジエン系ゴム組成物を用いることにより、低燃費性、ウェットグリップ性、機械的強度、耐摩耗性及び耐低温脆化性を高度にバランスさせた、タイヤトレッド用として好適に用いられるゴム組成物が得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明によれば、ガラス転移温度が−120〜0℃である共役ジエン系ゴム(a)の水分散液又は溶液と、シリカの水分散液とを共凝固させて得られる、30重量%以上のトルエン不溶分を含有する共役ジエン系ゴム−シリカ混合物(A)に対し、前記共役ジエン系ゴム(a)とのガラス転移温度の差の絶対値が3〜100℃である共役ジエン系ゴム(b)を配合して成るシリカ含有共役ジエン系ゴム組成物が提供される。
好ましくは、本発明に係るシリカ含有共役ジエン系ゴム組成物は、共役ジエン系ゴム−シリカ混合物(A)が、共役ジエン系ゴム(a)100重量部に対し、25〜200重量部のシリカを含有する。
好ましくは、本発明に係るシリカ含有共役ジエン系ゴム組成物は、共役ジエン系ゴム−シリカ混合物(A)に含有されるシリカの量が、共役ジエン系ゴム−シリカ混合物(A)中の全トルエン不溶分に対して、80重量%以下である。
好ましくは、本発明に係るシリカ含有共役ジエン系ゴム組成物は、共役ジエン系ゴム−シリカ混合物(A)が、共凝固後であって、共役ジエン系ゴム(b)が配合される前に、50〜220℃に加熱される工程を経て得られるものである。
好ましくは、本発明に係るシリカ含有共役ジエン系ゴム組成物は、共役ジエン系ゴム(a)のガラス転移温度が、−80℃〜−15℃である。
好ましくは、本発明に係るシリカ含有共役ジエン系ゴム組成物は、共役ジエン系ゴム(b)の、共役ジエン系ゴム(a)とのガラス転移温度の差の絶対値が、10〜95℃である。
好ましくは、本発明に係るシリカ含有共役ジエン系ゴム組成物は、共役ジエン系ゴム(a)が、天然ゴム、スチレンブタジエン共重合ゴム及びアクリロニトリルブタジエン共重合ゴムの何れかを含むものであり、共役ジエン系ゴム(b)が、天然ゴム、スチレンブタジエン共重合ゴム、ポリブタジエンゴム及びポリイソプレンゴムの何れかを含むものである。
好ましくは、本発明に係るシリカ含有共役ジエン系ゴム組成物は、共役ジエン系ゴム(a)が、スチレンブタジエン共重合ゴムであり、共役ジエン系ゴム(b)が、スチレンブタジエン共重合ゴムまたはポリブタジエンゴムである。
好ましくは、本発明に係るシリカ含有共役ジエン系ゴム組成物は、共役ジエン系ゴム(b)が、該共役ジエン系ゴム(b)100重量部に対し1〜200重量部の充填剤を含有する。
好ましくは、本発明に係るシリカ含有共役ジエン系ゴム組成物は、共役ジエン系ゴム(a)と共役ジエン系ゴム(b)との重量比が95:5〜5:95である。
本発明によれば、前記いずれかのシリカ含有共役ジエン系ゴム組成物に、さらに架橋剤を配合して成る架橋性シリカ含有共役ジエン系ゴム組成物が提供される。
本発明によれば、前記架橋性シリカ含有共役ジエン系ゴム組成物を架橋成形してなる成形体が提供される。
本発明によれば、ガラス転移温度が−120〜0℃である共役ジエン系ゴム(a)の水分散液又は溶液と、シリカの水分散液とを共凝固させ、共凝固物を得る工程と、
前記共凝固物を50〜220℃に加熱して、30重量%以上のトルエン不溶分を含有する共役ジエン系ゴム−シリカ混合物(A)を得る工程と、
前記共役ジエン系ゴム−シリカ混合物(A)に、共役ジエン系ゴム(a)とのガラス転移温度の差の絶対値が3〜100℃である共役ジエン系ゴム(b)を配合する工程とを、含んでなるシリカ含有共役ジエン系ゴム組成物の製造方法が提供される。
本発明によれば、低燃費性、ウェットグリップ性、機械的強度、耐摩耗性及び耐低温脆化性を高度にバランスさせた、タイヤトレッド用として好適に用いられるゴム組成物及び該ゴム組成物を架橋成形してなる成形体を提供することができる。
〔共役ジエン系ゴム−シリカ混合物(A)〕
本発明で用いる共役ジエン系ゴム−シリカ混合物(A)は、共役ジエン系ゴム(a)の水分散液又は溶液と、シリカの水分散液とを共凝固させて製造され、30重量%以上のトルエン不溶分を含有する。トルエン不溶分が30重量%よりも少ないと、得られるシリカ含有共役ジエン系ゴム組成物の機械的強度、耐摩耗性、低燃費性及び耐低温脆化性の悪化を招く。なお、前記トルエン不溶分とは、前記共役ジエン系ゴム−シリカ混合物(A)を、23℃のトルエンに溶解させた結果、トルエンに溶解しない成分のことであり、シリカに化学的に結合した共役ジエン系ゴム(いわゆるバウンドラバー)及びシリカを含む。
共役ジエン系ゴム−シリカ混合物(A)中のトルエン不溶分の含有量は、42〜80重量%が好ましく、45〜70重量%が特に好ましい。混合物(A)中のトルエン不溶分の含有量が前記範囲にあると、最終的に得られるシリカ含有共役ジエン系ゴム組成物が、低燃費性、ウェットグリップ性、機械的強度、耐摩耗性及び耐低温脆化性の全てにより優れる。なお、混合物(A)中のトルエン不溶分の含有量が上述した範囲であっても、乾式混合で得られるシリカ含有共役ジエン系ゴム組成物は前記特性において十分な効果は得られない。
混合物(A)を得るために用いる共役ジエン系ゴム(a)は、ガラス転移温度(Tg)が−120〜0℃、好ましくは−80〜−15℃、特に好ましくは−60〜−25℃のものである。Tgが低過ぎる共役ジエン系ゴムは、これを製造するのが困難であり、Tgが高過ぎると低燃費性、耐低温脆化性に劣る。
混合物(A)を得るために用いるシリカとしては、公知の方法により得られる乾式シリカ、湿式シリカ、ゾル−ゲル法シリカ及びコロイダルシリカなどを用いることができる。湿式シリカは、珪酸アルカリを酸で中和することによって得られる沈降シリカやゲル法シリカが代表的であり、鉱酸の一部もしくは代わりに硫酸アルミニウムを用いて中和反応させた金属塩を多く含有した沈降シリカも用いることもできる。本発明においては、ゴムの補強性、生産性に優れる湿式シリカ、特に沈降シリカを用いるのが好ましい。
前記シリカは、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド(CTAB)の吸着により測定した比表面積(SCTAB)が、40〜300m /gであるのが好ましく、50〜280m /gであるのがより好ましく、60〜260m /gであるのが最も好ましい。また、前記シリカは、窒素の吸着法(BET法)により測定した比表面積(SBET )が50〜300m /gであるのが好ましく、60〜280m /gであるのがより好ましく、70〜260m /gであるのが最も好ましい。さらに、前記シリカのジブチルフタレート吸油量(以下、単に吸油量という)は100〜400ml/100gであるのが好ましく、110〜350ml/100gであるのがより好ましく、120〜300ml/100gであるのが最も好ましい。
本発明においては、前記の比表面積、吸油量を有するシリカを用いた場合、得られるシリカ含有共役ジエン系ゴム組成物の引張強度、耐摩耗性及び低燃費性等により優れる。これらのシリカは、単独で、あるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。
本発明で用いる共役ジエン系ゴム−シリカ混合物(A)は、シリカの含有量が、共役ジエン系ゴム(a)100重量部に対し、25〜200重量部であるのが好ましく、30〜150重量部がより好ましく、35〜100重量部が特に好ましい。共役ジエン系ゴム(a)100重量部に対するシリカの含有量が多すぎると、得られるシリカ含有共役ジエン系ゴム組成物が硬くなりすぎ、混練加工性が悪化し、機械的強度や耐摩耗性が悪化する場合があり、逆に少なすぎると、特に低温脆化性を向上させることが困難になる。
本発明で用いる共役ジエン系ゴム−シリカ混合物(A)は、シリカの含有量が、共役ジエン系ゴム−シリカ混合物(A)中の全トルエン不溶分に対して、80重量%以下であるのが好ましく、より好ましくは75重量%以下である。共役ジエン系ゴム−シリカ混合物(A)に含有されるシリカの量を、共役ジエン系ゴム−シリカ混合物(A)中の全トルエン不溶分に対して、80重量%以下にすることで、より一層、低燃費性、ウェットグリップ性及び耐低温脆化性に優れたシリカ含有共役ジエン系ゴム組成物を得ることができる。
本発明においては、共役ジエン系ゴム−シリカ混合物(A)を得る際における共役ジエン系ゴム(a)の水分散液(または溶液)とシリカの水分散液との混合液に、さらにカチオン性物質を配合させることが好ましい。該混合液中にカチオン性物質を配合させることで、共凝固物を容易に得ることができ、さらに容易に混合物(A)中にトルエン不溶分(バウンドラバー)を生成させることができる。
なお、カチオン性物質の配合は、共役ジエン系ゴム(a)の水分散液(または溶液)と、シリカの水分散液との、一方または両方に対して予め行ってもよいし、あるいは両者の混合液に対して行ってもよい。
カチオン性物質の配合量は、混合物に含まれるシリカ100重量部に対し、好ましくは0.1〜10重量部、より好ましくは0.5〜7.5重量部、さらに好ましくは1〜6重量部である。カチオン性物質の配合量が少なすぎると、混合物(A)中のトルエン不溶分の割合が低下する傾向があり、多すぎると、制御よく混合物(A)を得ることが困難になり、また、得られる組成物の耐摩耗性の悪化を招く場合がある。
カチオン性物質としては、例えば、カチオン性界面活性剤やカチオン性高分子を挙げることができる。
前記カチオン性界面活性剤としては、ステアリルアミンアセテートなどのアルキルアミンアセテート類、ステアリルアミン塩酸塩などのアルキルアミン塩酸塩類、ラウリルジメチルアミンオキサイドなどのアルキルアミンオキサイド類、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライドなどのアルキルアンモニウムハライド類、アルキルベンジルジメチルアンモニウムクロライドなどのアルキルアリールアンモニウムハライド類、ステアリルベタインなどのアルキルベタイン類などが挙げられる。
また、前記カチオン性高分子としては、水に溶解させた際に電離してカチオン性を示す高分子が何等制限なく使用される。例えば、1〜3級のアミノ基やそのアンモニウム塩基、および4級のアンモニウム塩基を有するモノマーを重合して得られるものが好適に使用される。さらに、前記した効果を阻害しない範囲で、その他のモノマーと共重合したものでも良い。
好適なカチオン性高分子を具体的に例示すると、ポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、ポリビニルピリジン、ポリアミンスルホン、ポリアリルアミン、ポリジアリルメチルアミン、ポリアミドアミン、ポリアミノアルキルアクリレート、ポリアミノアルキルメタアクリレート、ポリアミノアルキルアクリルアミド、ポリエポキシアミン、ポリアミドポリアミン、ポリエステルポリアミン、ジシアンジアミド・ホルマリン縮合物、ポリアルキレンポリアミン・ジシアンジアミド縮合物等、エピクロルヒドリン・ジアルキルアミン縮合物及びそれらのアンモニウム塩、更に、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ポリメタクリル酸エステルメチルクロライド等の4級アンモニウム塩基を有した高分子を挙げることができる。
前記カチオン性高分子の重量平均分子量は、好ましくは1,000〜1,000,000、より好ましくは2,000〜900,000、最も好ましくは3,000〜800,000である。前記重量平均分子量を1,000以上にすることにより、加硫ゴムの引張強度や耐摩耗性などが向上し、また、前記重量平均分子量を1,000,000以下にすることにより、ゴム中でのシリカ分散が良好となる。また、前記カチオン性高分子のコロイド滴定により算出したカチオン当量分子量の値は、好ましくは250以下、より好ましくは220以下、最も好ましくは200以下である。本発明において用いるカチオン性物質としては、ゴム組成物の加硫生産性が高く、加硫して得られる加硫ゴムの引張強度や耐摩耗性が優れる点でカチオン性高分子を用いるのが特に好ましい。前記カチオン性界面活性剤、カチオン性高分子は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明においては、共役ジエン系ゴム−シリカ混合物(A)に、さらにシランカップリング剤を配合させることが好ましい。混合物(A)中にシランカップリング剤を配合させることで、組成物の耐低温脆化性、ウェットグリップ性、低燃費性および耐摩耗性がさらに改善される。
混合物(A)中のシランカップリング剤の配合量は、該混合物(A)に含まれるシリカ100重量部に対し、好ましくは0.1〜20重量部、より好ましくは0.5〜15重量部、最も好ましくは1〜10重量部である。シランカップリング剤の配合量が少なすぎると、得られるゴム組成物の機械的強度や耐摩耗性が悪化する傾向があり、多すぎても本発明の改善効果は変わらない。
シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−オクタチオ−1−プロピル−トリエトキシシラン、ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)テトラスルフィド、ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)ジスルフィド、γ−トリメトキシシリルプロピルジメチルチオカルバミルテトラスルフィド、γ−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアジルテトラスルフィドなどを挙げることができる。シランカップリング剤は、混練時のスコーチを避けるために、一分子中に含有される硫黄が4個以下のものが好ましい。これらのシランカップリング剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明においては、共役ジエン系ゴム−シリカ混合物(A)にさらにシリル化剤を配合してもよい。シリル化剤を配合することで、組成物の低燃費性及び耐摩耗性がさらに改善される。シリル化剤としては、例えば、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、tert−ブチルジメチルクロロシランなどロロシラン化合物; フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシ)シラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのアルコキシシラン化合物; ヘキサメチルジシラザンなどのシラザン化合物;N−トリメチルシリルアセトアミド、N,N−(ビストリメチルシリル)アセトアミドなどのアセトアミド類; N,N−(ビストリメチルシリル)ウレアなどの尿素類; などが挙げられる。これらのシリル化剤は、単独で用いてもよいし、任意の2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのシリル化剤のうち、特にクロロシラン化合物、アルコキシシラン化合物、シラザン化合物が好ましく用いられる。
混合物(A)中の、シリカ100重量部に対するシリル化剤の配合量は、好ましくは0.1〜20重量部、より好ましくは0.5〜15重量部、最も好ましくは1〜10重量部である。
前記シランカップリング剤及びシリル化剤は、共役ジエン系ゴム(a)とシリカとを共凝固する工程の前後、得られた共凝固物の脱水工程の前後等いずれで配合してもよく、具体的には、シリカの水分散液に予め配合する方法、共役ジエン系ゴム(a)の水分散液(または溶液)に配合する方法、共凝固時に配合する方法、共凝固物の脱水時に配合する方法、脱水後のゴムクラムに配合する方法などが挙げられる。また、これら全ての段階で少量ずつ分割して混合してもよい。
精度良く添加するために、共凝固前に共役ジエン系ゴム(a)の水分散液(または溶液)またはシリカの水分散液に予め添加するのが好ましい。また、得られる組成物の低燃費性や耐摩耗性をさらに改善するために、カチオン性物質を添加する前のシリカの水分散液に添加するのが特に好ましい。また、シランカップリング剤及びシリル化剤とシリカの水分散液を混合する際の混合温度は、通常10〜100℃、好ましくは40〜90℃、より好ましくは60〜80℃であり、混合時間は、通常0.1〜180分、好ましくは0.5〜150分、より好ましくは1〜120分である。
本発明において、オルガノポリシロキサンやポリエーテル系重合体を、共役ジエン系ゴム−シリカ混合物(A)に添加してもよい。オルガノポリシロキサンやポリエーテル系重合体を添加することで、得られる組成物の低燃費性や耐摩耗性がさらに改善される。オルガノポリシロキサンとしては、重合度3〜10,000のものが好ましく、メトキシ基、ヒドロキシル基、アミノ基、アルコキシ基、エポキシ基、カルボニル基、スルフィド基、スルホニル基、ニトリル基などの官能基を有することが好ましい。またポリエーテル系重合体は、主鎖にエーテル結合を有する重合体であり、例えば、アルキレンオキシド、エピハロヒドリン、不飽和エポキシドなどのオキシラン化合物の重合体であり、分子量100〜10,000,000のものが好ましい。これらは単独で、あるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。
また、これらの添加量は、特に限定されないが、混合物(A)中のシリカ100重量部に対して0.1〜50重量部の範囲が好ましい。添加方法は特に制限されず、共役ジエン系ゴム(a)とシリカとを共凝固する工程の前後、得られた共凝固物の脱水工程の前後等いずれで配合してもよく、具体的には、シリカの水分散液に予め配合する方法、共役ジエン系ゴム(a)の水分散液(または溶液)に配合する方法、共凝固時に配合する方法、共凝固物の脱水時に配合する方法、脱水後のゴムクラムに配合する方法などが挙げられる。また、これら全ての段階で少量ずつ分割して混合してもよい。精度良く添加するために、共凝固前に共役ジエン系ゴム(a)の水分散液(または溶液)またはシリカの水分散液に予め添加するのが好ましい。
本発明で用いる共役ジエン系ゴム−シリカ混合物(A)を製造する方法は、共役ジエン系ゴム(a)の水分散液又は溶液、シリカの水分散液、及び必要に応じてさらにカチオン性物質やシランカップリング剤等を混合し、共役ジエン系ゴム(a)をシリカとともに共凝固させる方法が採用される。
共役ジエン系ゴム(a)の水分散液又は溶液としては、混合物(A)中でシリカを高度に分散させるために、共役ジエン系ゴム(a)の重合後であり、かつ乾燥前の共役ジエン系ゴム(a)の水分散液又は溶液(より好ましくは水分散液)を用いることが好ましい。さらに混合後に均一に凝固させるためには、共役ジエン系ゴム(a)の水分散液として、共役ジエン系ゴム(a)の乳化液又は懸濁液を用いることがより好ましい。
水分散液又は溶液中の共役ジエン系ゴム(a)の濃度は、特に限定されず、目的、用途に応じて適宜設定すれば良い。通常は1〜80重量%、好ましくは3〜55重量%、特に好ましくは5〜30重量%の範囲である。この範囲にあるときに共凝固の制御性が良い。
本発明では、シリカを均一にゴム組成物中に分散させるために、シリカを水分散液の形で用いる。特に、シリカ製造上の比表面積や吸油量等の制御の正確さと高度なシリカ分散性を両立するには、湿式法で合成し洗浄した後であり、乾燥前のシリカケークを水分散液とした水性懸濁液(シリカの懸濁液)を用いるのがより好ましい。
水分散液中のシリカの平均粒子径は、特に限定されず、目的とする用途を勘案して適宜決定されればよい。一般的には、0.05〜50μmの範囲が好適に使用される。前記平均粒子径を0.05μm以上にすることにより、シリカの自己凝集性による分散不良を防ぐことができ、得られるゴム組成物の硬度が良好になる。一方、平均粒子径を50μm以下とすることにより、ゴム中でのシリカの分散が良好となり、十分な機械的強度や低燃費性が得られる。中でも、タイヤトレッドに用いられる場合は、シリカの平均粒子径を0.1〜40μmとするのが好ましく、1〜30μmとするのがより好ましい。
シリカの粒子径の調整は、共凝固前であればいずれの段階で行なってもよく、また、その調整は、特に制限なく公知の方法が使用できる。例えば、乾式粉砕法、湿式粉砕法により得ることができる。また、湿式粉砕法によりシリカの粒子径を調整する場合は、水、有機溶媒または共役ジエン系ゴム(a)の水分散液又は溶液中、もしくはこれらの混合溶液中にて調整することができる。
水分散液中のシリカの濃度は、通常は、1〜40重量%のものが好適に使用される。この範囲にあるときにシリカの水分散液の流動性が良くなり、共凝固の制御性が良く、均一なゴム組成物を得ることが出来る。
共凝固の方法については、共役ジエン系ゴム(a)中にシリカが均一に取り込まれた共凝固物を得る方法であれば何等制限されず、公知の技術が適用できる。たとえば、シリカをカチオン性物質、シランカップリング剤、シリル化剤で処理することによって、共役ジエン系ゴム(a)との親和性を向上させて、シリカと共役ジエン系ゴム(a)を共凝固させる方法等が挙げられる。中でもカチオン性物質を用いることが、収率、生産性よく、得られる点で、より好ましい。
また、共凝固時の混合液のpHは、3.5〜8.0とするのが好ましく、共役ジエン系ゴム(a)の水分散液の添加量が過剰であるとpHが上昇するため酸を添加してpHを調整するのが好ましい。
なお、共役ジエン系ゴム(a)の水分散液又は溶液とシリカの水分散液とを混合し、共役ジエン系ゴム(a)をシリカとともに共凝固させる方法において、ゴムの凝固を完結させるために、硫酸、燐酸、塩酸などの無機酸;蟻酸、酢酸、酪酸などの有機酸;硫酸アルミニウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウムなどの塩を用いることができる。
混合物(A)に伸展油を配合する場合には、共凝固が始まる以前に系中に添加するのが好ましく、あらかじめ共役ジエン系ゴム(a)の水分散液又は溶液と混ぜておくことがより好ましい。
共凝固は、10℃〜90℃で行われることが好ましく、20℃〜80℃がより好ましい。共凝固の方法は特に制限なく、一般的には、プロペラ、ディスパー、ホモジナイザー等の一般的な分散装置を用いて混合液を攪拌する方法が採用される。
前記方法で得られる、シリカが分散した共凝固物のろ過、水洗、脱水、乾燥等、各々の工程についても特に制限されることはなく、一般的に用いられる方法を適宜使用すれば良い。共凝固により生じるゴムとシリカの固形物(以下、クラムという)と液体成分(以下、セラムという)を分離し、得られたクラムを水洗し、ろ過後、スクリーン、遠心分離、デカンター、フィルタープレス、スクイザ等で水分を絞って脱水し、次いで押出乾燥機、熱風式乾燥機、撹拌翼を有する間接加熱式容器などで乾燥し、顆粒状、ペレット状、シート状あるいはブロック状に成形する方法が採用される。また、クラムとセラムを分離することなく、噴霧乾燥することにより、クラムを粉状に成形することができる。
本発明では、前記共凝固後の共凝固物を加熱する工程を経ることにより、共役ジエン系ゴム−シリカ混合物(A)を得ることが好ましい。共凝固物を加熱することにより、得られる混合物(A)中のトルエン不溶分量及びトルエン不溶分中におけるシリカの割合の制御が容易になる。
共凝固物の加熱温度は、好ましくは50〜220℃、より好ましくは70〜200℃、特に好ましくは90〜180℃である。加熱温度が低すぎると、加熱した場合の効果が効率的に得られず、高すぎると混合物(A)が劣化する傾向にある。加熱時間は、通常、5秒〜720分程度、好ましくは30秒〜120分程度とする。特に好ましくは1分〜30分程度である。
加熱は、例えば、共凝固で得られたクラム(共凝固物)を加熱乾燥する方法や、共凝固で得られたクラム(共凝固物)を加熱混練する等の手段により行うことができる。加熱は、共凝固物の脱水時、乾燥時、後述する他の配合剤との乾式混練時のいずれのタイミングで行っても良い。この加熱工程は、共凝固物中にシランカップリング剤が含まれた状態で行われると、共役ジエン系ゴム(a)がシランカップリング剤を介してシリカと強固に結合するので、より効果的である。
本発明においては、混合物(A)を製造する際に、共役ジエン系ゴム(a)と共凝固されるシリカ以外の、充填剤や配合剤を適宜配合してもよい。ここでの充填剤や配合剤としては、カーボンブラック、カーボンブラック表面にシリカを担持させたカーボン−シリカ・デュアル・フェイズ・フィラー、タルク、炭酸カルシウム、クレー、水酸化アルミニウム等の他に、例えば、老化防止剤;活性剤;可塑剤等が挙げられる。
本発明のシリカ含有共役ジエン系ゴム組成物における充填剤の総量(共役ジエン系ゴム(a)と共凝固されるシリカを含む)は、共役ジエン系ゴム(a)および(b)の総量100重量部に対し20〜200重量部が好ましく、30〜150重量部がより好ましい。
カーボンブラックとしては、例えば、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック、グラファイトなどを用いることができる。これらの中でも、特にファーネスブラックが好ましく、その具体例としては、SAF、ISAF、ISAF−HS、ISAF−LS、IISAF−HS、HAF、HAF−HS、HAF−LS、FEFなどのグレードのものが挙げられる。これらのカーボンブラックは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
活性剤としては、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、シリコーンオイルなどが挙げられる。
〔共役ジエン系ゴム(b)〕
本発明のシリカ含有共役ジエン系ゴム組成物は、前記の共役ジエン系ゴム−シリカ混合物(A)に共役ジエン系ゴム(b)を配合してなるものである。
本発明で用いる共役ジエン系ゴム(b)は、前記共役ジエン系ゴム(a)とのガラス転移温度(Tg)の差の絶対値が3〜100℃、好ましくは10〜95℃、特に好ましくは20〜90℃のものである。このような範囲のTgを有する共役ジエン系ゴム(b)を用いることにより、ウェットグリップ性、耐摩耗性、耐低温脆化性が高度にバランスされた組成物が得られる。Tgの差の絶対値が小さすぎると、ゴム(b)を配合することによる効果が得られず、逆に差の絶対値が大きすぎると、得られる組成物の低燃費性、耐低温脆化性に劣る。
前記共役ジエン系ゴム(b)は、Tgが、好ましくは−120〜40℃、より好ましくは−110〜35℃、特に好ましくは−100〜30℃のものである。
共役ジエン系ゴム(b)には、本発明の効果を阻害しない限り充填剤を配合することができる。充填剤としては、特に限定されず、目的に応じて、シリカや水酸化アルミニウムなどの金属酸化物、カーボンブラック、カーボン−シリカ・デュアル・フェイズ・フィラー、炭酸カルシウム、タルク、クレー、コーンスターチなどが挙げられる。
共役ジエン系ゴム(b)に配合される充填剤の配合量は、共役ジエン系ゴム(b)100重量部に対し、好ましくは1〜200重量部、より好ましくは30〜150重量部、特に好ましくは40〜100重量部である。充填剤の配合量が多すぎると、充填剤の分散が困難となり、得られる組成物の低燃費性、耐摩耗性、機械強度などが悪化する傾向がある。共役ジエン系ゴム(b)に充填剤を配合する方法は、乾式混合であっても湿式混合であっても良い。
前記充填剤を配合する場合に、共役ジエン系ゴム(b)は、前記充填剤と親和性の高い官能基で変性されたものであることが好ましい。そのような官能基としては、ヒドロキシル基、アミノ基、エポキシ基、アルコキシシリル基及び錫含有基などが挙げられる。共役ジエン系ゴム(b)を変性させて前記官能基を導入する方法としては、例えば、国際公開WO96/16118号公報、特開平9−235323号公報、特開2002−284814号報、等に記載されている方法を用いることができる。
また、共役ジエン系ゴム(b)には、シランカップリング剤、その他の配合剤が含有させてもよい。
上述した共役ジエン系ゴム(a)及び(b)としては、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、スチレンブタジエン共重合ゴム、アクリロニトリルブタジエン共重合ゴム、スチレンブタジエンイソプレン共重合ゴム、ブタジエンイソプレン共重合ゴム、アクリロニトリルスチレンブタジエン共重合ゴム、スチレンイソプレン共重合ゴム、ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレンブロック共重合体などが挙げられる。中でも、共役ジエン系ゴム(a)としては、天然ゴム、スチレンブタジエン共重合ゴム及びアクリロニトリルブタジエン共重合ゴムの何れかを含むものが好ましく、より好ましくはスチレンブタジエン共重合ゴムを含むものであり、さらに好ましくはスチレンブタジエン共重合ゴムである。共役ジエン系ゴム(b)としては、天然ゴム、スチレンブタジエン共重合ゴム、ポリブタジエンゴム及びポリイソプレンゴムの何れかを含むものが好ましく、より好ましくはスチレンブタジエン共重合ゴム及びポリイソプレンゴムの何れか一つ以上、さらに好ましくはスチレンブタジエン共重合ゴムまたはポリブタジエンゴムである。
これらの共役ジエン系ゴム(a)、(b)は、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシシリル基、アミノ基及びエポキシ基等を有していても良い。
共役ジエン系ゴム(a)及び(b)のムーニー粘度(ML1+4 ,100℃)は、10〜200、好ましくは30〜150の範囲である。
スチレンブタジエン共重合ゴム、スチレンブタジエンイソプレン共重合ゴム、アクリロニトリルスチレンブタジエン共重合ゴム等に含有されるスチレン共重合ジエン系ゴムの結合スチレン量は1〜55重量、好ましくは5〜50重量%、より好ましくは20〜45重量%である。スチレン量が多すぎると、耐低温脆化性、低燃費性、耐摩耗性に劣る傾向がある。これらの共役ジエン系ゴム(a)及び(b)は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。前記共役ジエン系ゴム(a)及び(b)を2種以上組み合わせて用いる場合には、全ての共役ジエン系ゴム(b)が、全ての共役ジエン系ゴム(a)に対してそのガラス転移温度の差の絶対値が3〜100℃であることが必要である。
但し、本発明のシリカ含有共役ジエン系ゴム組成物には、前記共役ジエン系ゴム(a)とそのガラス転移温度の差の絶対値が3〜100℃の範囲にない、前記共役ジエン系ゴム(b)以外の他の共役ジエン系ゴムを、本発明の効果を損ねない範囲にて配合してもよい。その場合に、このような共役ジエン系ゴムの配合量は、共役ジエン系ゴムの総重量中に、好ましくは20重量%以下、より好ましくは10重量%以下、特に好ましくは5重量%以下である。この範囲を外れると目的とする効果が得られ難くなる。
本発明においては、共役ジエン系ゴムに、伸展油を混合してもよい。伸展油としては、ゴム工業において通常使用されるものが使用でき、パラフィン系、芳香族系、ナフテン系の石油系軟化剤、植物系軟化剤、脂肪酸などが挙げられる。石油系軟化剤の場合には、多環芳香族の含有量が3%未満であることが好ましい。この含有量は、IP346の方法(英国のTHE INSTITUTE PETROLEUMの検査方法)により測定される。油展を行う場合、その量は、共役ジエン系ゴムの総量100重量部に対し、通常5〜100重量部、好ましくは10〜60重量部、特に好ましくは20〜50重量部である。
混合物(A)に共役ジエン系ゴム(b)を配合する割合は、混合物(A)中の共役ジエン系ゴム(a)と共役ジエン系ゴム(b)との重量比が、好ましくは95:5〜5:95、より好ましくは90:10〜10:90、特に好ましくは、80:20〜20:80となるように配合する。ゴム(a)及びゴム(b)のいずれかの重量比が少なすぎると、本発明の効果が得られないことがある。
混合物(A)と共役ジエン系ゴム(b)との配合方法は、特に限定されず、バンバリー、ニーダーや押出し混合機での混合などの公知の方法が用いられる。
本発明の架橋性シリカ含有共役ジエン系ゴム組成物は、前記のシリカ含有共役ジエン系ゴム組成物にさらに架橋剤を配合して成るものである。
架橋剤としては、例えば、硫黄、ハロゲン化硫黄、有機過酸化物、有機多価アミン化合物、メチロール基をもったアルキルフェノール樹脂などが挙げられる。これらの中でも、硫黄が好ましい。これらの架橋剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いられる。架橋剤の配合量は、ゴム成分100重量部に対して、好ましくは0.3〜10重量部、より好ましくは0.5〜5重量部である。
本発明の架橋性シリカ含有共役ジエン系ゴム組成物には、常法に従って、架橋促進剤、架橋活性化剤、スコーチ防止剤などを、それぞれ必要量含有させることができる。
架橋促進剤としては、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミドなどのスルフェンアミド系架橋促進剤、ジフェニルグアニジンなどのグアニジン系架橋促進剤、チオウレア系架橋促進剤、チアゾール系架橋促進剤、チウラム系架橋促進剤、ジチオカルバミン酸系架橋促進剤、キサントゲン酸系架橋促進剤などの架橋促進剤が挙げられる。これらの架橋促進剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いられるが、スルフェンアミド系架橋促進剤を含むものが好ましい。架橋促進剤の配合量は、ゴム成分100重量部に対して、好ましくは0.3〜10重量部、より好ましくは0.5〜5重量部である。
架橋活性化剤としては、例えば、ステアリン酸などの高級脂肪酸や活性亜鉛華、亜鉛華などの酸化亜鉛などを用いることができる。これらの架橋活性化剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を併用して用いることができる。架橋活性化剤の配合割合は、架橋活性化剤の種類により適宜選択される。
本発明のシリカ含有共役ジエン系ゴム組成物に、前記配合剤を配合する場合には、常法に従って各成分を混練する。例えば、架橋剤と架橋促進剤を除く配合剤とシリカ充填ゴム組成物と必要に応じてその他のゴムや補強剤を混練後、その混練物に架橋剤と架橋促進剤を混練してゴム組成物を得ることができる。架橋剤と架橋促進剤と除く配合剤とシリカ充填ゴム組成物との混練温度は、好ましくは20〜200℃、より好ましくは80〜190℃、特に好ましくは120〜180℃の範囲とする。次いで、得られた混練物を、好ましくは100℃以下、より好ましくは80℃以下まで冷却した後、それと架橋剤および架橋促進剤とを混練する。
本発明の成形体は、前記の架橋性シリカ含有共役ジエン系ゴム組成物を架橋成形してなる。
架橋方法は特に限定されず、組成物の性状、得るべき成形体の大きさなどに応じて選択すればよい。金型中に架橋性ゴム組成物を充填して加熱することにより成形と同時に架橋してもよく、予め成形しておいた架橋性ゴム組成物を加熱して架橋しても良い。架橋温度は、好ましくは120〜200℃、より好ましくは100〜190℃、最も好ましくは120〜180℃である。
本発明の成形体は、その特性を生かす各種用途、例えば、トレッド、アンダートレッド、カーカス、サイドウオール、ビード部などのタイヤ用部材;ホース、窓枠、ベルト、靴底、防振ゴム、自動車部品、免震ゴムなどのゴム部材;耐衝撃性ポリスチレン、ABS樹脂等の樹脂強化ゴム部材;などに利用できる。なかでも、タイヤ用部材として好適であり、低燃費タイヤのタイヤトレッドとして特に好適である。
本発明をさらに具体的に説明するために、以下に実施例および比較例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、特に示さない限り、「部」及び「%」は重量基準である。実施例および比較例における各種物性は、下記の方法により測定した。
(1)シリカの平均粒子径
光散乱回折式の粒度分布測定装置(コールター社製、コールターLS−230)を用いて体積基準中位径を測定し、この値を平均粒子径として採用した。
(2)比表面積
a)セチルトリメチルアンモニウムブロマイド(CTAB)の吸着による比表面積(SCTAB)の測定
シリカ湿ケークを乾燥器(120℃)に入れて乾燥した後、ASTM D3765−92記載の方法に準じて実施した。ただし、ASTM D3765−92記載の方法は、カーボンブラックのSCTABを測定する方法なので、若干改良を加えた方法とした。すなわち、カーボンブラックの標品であるITRB(83.0m/g)を使用せず、別途にCTAB標準液を調整し、これによってエアロゾルOT溶液の標定を行い、シリカ表面に対するCTAB1分子あたりの吸着断面積を35平方オングストロームとしてCTABの吸着量から比表面積を算出した。これは、カーボンブラックとシリカとでは表面状態が異なるので、同一比表面積でもCTABの吸着量に違いがあると考えられるためである。
b)窒素吸着法による比表面積(SBET)の測定
シリカ湿ケークを乾燥器(120℃)に入れて乾燥した後、マイクロメリティクス社製のアサップ2010を使用して、窒素吸着量を測定し、相対圧0.2における1点法の値を採用した。
(3)吸油量
JIS K6220により求めた。
(4)共重合体中の結合スチレン量
JIS K6383(屈折率法)に準じて測定した。
(5)ムーニー粘度(ML1+4 ,100℃)
JIS K6300に準じて測定した。
(6)ガラス転移温度
示差走査熱分析器(パーキネルマー社製DSC)を用いて、窒素雰囲気下、昇温速度10℃/分で−150℃から+150℃まで昇温して示差走査熱量を測定し、得られた吸熱曲線を微分して変極点を求めた。この変極点をガラス転移温度とした。
(7)シリカ含有率
熱分析装置TG/DTA(セイコー電子工業製TG/DTA320)を用いて、乾燥試料の空気中での熱分解後の残分率及び150℃までの重量減少率を測定し、下記式を用いて算出した。実施例では、ゴム100重量部に対する量(重量部)に換算して記載した。測定条件は、空気中で昇温速度20℃/min、到達温度600℃、600℃での保持時間20分で行った。
シリカ含有率(%)=燃焼残分率/[100−(150℃までの重量減少率)]×100
(8)トルエン不溶分
乾燥試料0.2gを2mm角程度のサイズに切断し、280メッシュ(目開き53μm)のステンレス製金網で作成したカゴに入れ、60mlのトルエン中に浸漬し、23℃で72時間静置した。72時間後、カゴを取り出しアセトンで洗浄し、40℃で12時間真空乾燥して秤量し、トルエン不溶分を求めた。
(9)ウェットグリップ性
レオメトリックス社製造RDA−IIを用い、0.5%ねじれ、20Hzの条件で0℃におけるtanδを測定した。この特性は、指数で表示した。この指数が大きいほど、ウェットグリップ性に優れる。
(10)低燃費性
レオメトリックス社製造RDA−IIを用い、4.0%ねじれ、1Hzの条件で60℃におけるtanδを測定した。この特性は、指数で表示した。この指数が小さいほど、低燃費性(低発熱性)に優れる。
(11)耐摩耗性
JIS K6264に従い、ランボーン摩耗試験機を用いて測定した。この特性は、指数(耐摩耗指数)で表示した。この値は、大きいほど耐磨耗性に優れる。
(12)引張り強度
JIS K6301に従って、引張試験を行ない、300%伸張時の応力を測定した。この特性は、指数で表示した。この指数が大きいほど、引張強度特性に優れる。
(13)脆化温度
JIS K6261に準じて、低温衝撃脆化試験を行った。この特性は、基準サンプルからの衝撃脆化温度の差で示した。値が負に大きいほど、低温性能(耐低温脆化性)に優れることを示す。
〔共役ジエン系ゴム(a)の水分散液〕
(SBRラテックス(R1)の製造)
撹拌機付き耐圧反応器に脱イオン水200部、ロジン酸石鹸1.5部、脂肪酸石鹸2.1部、単量体として1,3−ブタジエン72部、スチレン28部、およびt−ドデシルメルカプタン0.12部を仕込んだ。反応器温度を10℃とし、重合開始剤としてジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド0.1部、ソディウム・ホルムアルデヒド・スルホキシレート0.06部を反応器に添加した。さらにエチレンジアミン四酢酸ナトリウム0.014部と硫酸第二鉄0.02部とを反応器に添加して重合を開始した。
重合転化率が45%に達した時点で、t−ドデシルメルカプタン0.05部を添加して反応を継続させた。
重合転化率が70%に達した時点で、ジエチルヒドロキシルアミンを0.05部添加して反応を停止させた。
未反応単量体を水蒸気蒸留により除去した後、重合体100部に対して、老化防止剤として、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン0.21部と2,2,4−トリメチル−1,2−ジハイドロクイノリン0.14部を60%乳化水溶液の状態で添加し、固形分濃度が24%のスチレンブタジエン共重合ゴムの水分散液(SBRラテックス(R1))を得た。
ここで、R1の一部を取り出し、R1中のSBR100部に対して、伸展油としてEnerthene1849A(ブリティッシュペトロリアム社製)を脂肪酸石鹸により66%乳化水溶液(以下、オイルエマルションという)として37.5部を添加した。その後、硫酸でpH3〜5になるように調製しながら、塩化ナトリウムにより、伸展油を含むSBRラテックス(R1)を60℃で凝固し、クラム状のSBRを得た。得られたクラムを80℃の熱風乾燥機で乾燥し、固形ゴム(SBR1)を得た。得られたSBR1の結合スチレン量は23.5%であり、ガラス転移温度は−50℃であり、ムーニー粘度は49であった。
(SBRラテックス(R2)の製造)
t−ドデシルメルカプタンを0.20部、重合開始剤としてジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイドを0.03部、ソディウム・ホルムアルデヒド・スルホキシレートを0.04部、エチレンジアミン四酢酸ナトリウムを0.01部、硫酸第二鉄を0.03部とした。老化防止剤としてオクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート0.8部および2,4−ビス(n−オクチルチオメチル)−6−メチルフェノール0.12部を30%乳化水溶液の状態で添加し、固形分濃度が24%のSBRラテックス(R2)を得た。ここで、R2の一部を取り出し、伸展油を添加せずに、硫酸でpH3〜5になるように調製した。これら以外は前記R1の製造の項と同様にして、固形ゴム(SBR2)を得た。得られたSBR2の結合スチレン量は23.6%であり、ガラス転移温度は−50℃であり、ムーニー粘度は52であった。
(SBRラテックス(R3)の製造)
重合開始時に仕込む1,3−ブタジエンを57.5部、スチレンを42.5部とした以外は、SBRラテックス(R1)の製造と同様にして、固形分濃度が24%のSBRラテックス(R3)及び固形ゴム(SBR3)を得た。なお、SBR3の結合スチレン量は35.0%であり、ガラス転移温度は−40℃であり、ムーニー粘度は49であった。
〔参考製造例〕
(ポリブタジエンゴム(BR1)の製造)
攪拌機付きオートクレーブに、シクロヘキサン5000部、1,3−ブタジエン800部およびテトラメチルエチレンジアミン4.5ミリモルを仕込み、40℃にしてから、n−ブチルリチウム7ミリモルを加えて重合を開始した。重合転化率が100%になったことを確認してから、テトラメトキシシランを0.5ミリモル添加し、30分間反応させた後、メタノールを添加して、重合を停止した。重合時の最高到達温度は60℃であった。次いで重合停止した重合反応液にゴム成分100部あたり2,4−ビス(n−オクチルチオメチル)−6−メチルフェノール0.12部を添加し、スチームストリッピング法により凝固し、クラムを得た。得られたクラムを80℃の熱風乾燥機で乾燥し、固形のポリブタジエンゴム(BR1)を得た。得られたBR1は、ビニル結合量が68%、ガラス転移温度が−41℃であり、ムーニー粘度は42であった。
〔シリカの水分散液〕
(シリカの水性懸濁液(S1)の製造)
温度調節機付きの1mステンレス製反応容器に珪酸ナトリウム水溶液(SiO濃度:10g/L、モル比:SiO/NaO=3.41)230Lを投入し、85℃に昇温した。次に、22%硫酸73Lと珪酸ナトリウム水溶液(SiO濃度:90g/L、モル比:SiO/NaO=3.41)440Lを同時に120分かけて投入した。10分間熟成後、22%硫酸16Lを15分かけて投入した。前記反応は反応液温度を85℃に保持し、反応液を常時撹拌しながら行い、最終的に反応液のpHが3.2のシリカスラリーを得た。
得られたシリカスラリーをフィルタープレスで水洗、ろ過し、シリカ固形分が23%のシリカ湿ケーク(SK1)を得た。ここで、得られたシリカ湿ケーク(SK1)の一部を乾燥し、シリカ粉末(sk1)を得た。このシリカ粉末(sk1)のBET比表面積(SBET )、CTAB比表面積(SCTAB)、吸油量及び含水率を測定した。その結果、BET比表面積(SBET )は201m/g、CTAB比表面積(SCTAB)は190m/g、吸油量は210ml/100g、含水率は7.1%であった。
得られたシリカ湿ケーク(SK1)及び純水を、水性懸濁液中のシリカ固形分濃度が15%になるように、ホモジナイザーを用いてシリカ湿ケークを粉砕しながら混合し、次いで、カチオン性物質(ポリジアリルメチルアンモニウムクロライド;重量平均分子量2万、カチオン当量分子量148)をシリカ固形分100部に対して3部となるように混合し、カチオン性物質を含有するシリカ水性懸濁液(S1)を得た。水性懸濁液(S1)中のシリカの粒子径は15μmであった。
(シリカの水性懸濁液(S2)の製造)
珪酸ナトリウム水溶液(前記S1の製造の項と同じ成分)150Lを投入し、95℃に昇温した。次に、22%硫酸78Lと珪酸ナトリウム水溶液(前記S1の製造の項と同じ成分)461Lを同時に190分かけて投入した。10分間熟成後、22%硫酸15Lを15分かけて投入した。前記反応は反応液温度を95℃に保持し、反応液を常時撹拌しながら行い、最終的に反応液のpHが3.1のシリカスラリーを得た。
得られたシリカスラリーをフィルタープレスでろ過、水洗し、シリカ固形分が27%のシリカ湿ケーク(SK2)を得た。ここで、得られたシリカ湿ケーク(SK2)の一部を乾燥し、シリカ粉末(sk2)を得た。このシリカ粉末(sk2)のBET比表面積(SBET )、CTAB比表面積(SCTAB)、吸油量及び含水率を測定した。その結果、BET比表面積(SBET )は100m/g、CTAB比表面積(SCTAB)は93m/g、吸油量は165ml/100g、含水率は4.5%であった。
得られたシリカ湿ケーク(SK2)及び純水を、水性懸濁液中のシリカ固形分濃度が15%になるように、ホモジナイザーを用いてシリカ湿ケークを粉砕しながら混合し、次いで、カチオン性物質(ポリジシアンジアミド・塩化アンモニウム・ホルムアルデヒド重縮合物;カチオン当量分子量198)をシリカ固形分100部に対して6部となるように混合し、得られたシリカ湿ケーク(sK2)及び純水を、前記S1の製造の項と同様に処理して、カチオン性物質を含有するシリカ水性懸濁液(S2)を得た。水性懸濁液(S2)中のシリカの粒子径は15μmであった。
〔共役ジエン系ゴム−シリカ混合物(A)〕
(SBR−シリカ混合物(A1)の製造)
まず、前記S1の製造の項で得られたシリカ水性懸濁液(S1)804部を純水2000部で希釈し、50℃に昇温した。
次に、前記希釈されたシリカ水性懸濁液に、前記R1の製造の項で得られたSBRラテックス(R1)750部とオイルエマルション101部との混合物を撹拌下、添加してシリカとゴムの共凝固物を含む混合液を得た。
次に、前記混合液に10%硫酸を添加し共凝固を完結させ、共凝固物を得た。
得られた共凝固物を40メッシュの金網で回収し、70℃で真空乾燥して、SBR−シリカ混合物(A1)を得た。本製造例では、混合物(A1)の脱水時に、70℃の温度で600分間、加熱を行った。混合物(A1)中のシリカの含有率は、SBR固形分100部に対して65.3部であり、トルエン不溶分の含有率は47%であった。また、これらの値から求められる混合物(A1)中の全トルエン不溶分に対してシリカが占める割合は、68%である。
(SBR−シリカ混合物(A2)の製造)
オイルエマルションを用いなかったこと、SBRラテックス(R1)に代えて前記R2の製造の項で得られたSBRラテックス(R2)750部を用いたこと、及びシリカ水性懸濁液(S1)に代えて前記S2の項で得られたシリカ水性懸濁液(S2)574部を用いたこと以外は、前記A1の製造の項と同様にして、SBR−シリカ混合物(A2)を得た。混合物(A2)中のシリカの含有率は、SBR固形分100部に対して46.4部であり、トルエン不溶分の含有率は42%であった。また、これらの値から求められる混合物(A2)中の全トルエン不溶分に対してシリカが占める割合は、73%である。
(SBR−シリカ混合物(A3)の製造)
前記R3の製造の項で得られたSBRラテックス(R3)を用い、オイルエマルションにSi69(デグッサ社製)2.5部を混合し、前記S2の項で得られたシリカ水性懸濁液(S2)826部を用いた以外は、前記A1の製造の項と同様にして、共凝固物を得た。この共凝固物を40メッシュの金網で回収して、二軸押出機を用いて、脱水、乾燥し、SBR−シリカ混合物(A3)を得た。本製造例では、混合物(A3)の脱水および乾燥時に、それぞれ115℃、160℃の温度でいずれも約2分間、加熱を行った。混合物(A3)中のシリカの含有率は、SBR固形分100部に対して66.8部であり、トルエン不溶分の含有率は48%であった。また、これらの値から求められる混合物(A3)中の全トルエン不溶分に対してシリカが占める割合は、66%である。
(SBR−シリカ混合物(A4)の製造)
上記S2の製造の項で得られたシリカ水性懸濁液(S2)の量を280部とし、これを、純水700部で希釈したものを希釈されたシリカ水性懸濁液として用いたこと以外は、上記A2の製造と同様にして、SBR−シリカ混合物(A4)を得た。混合物(A4)のシリカの含有率は、SBR固形分100部に対して22.8部であり、トルエン不溶分の含有率は、26%であった。また、これらの値から求められる混合物(A4)中の全トルエン不溶分に対してシリカが占める割合は、71%である。
〔実施例1〕
まず、第1工程では、表1に示す配合量で、前記A1の製造の項で得られたSBR−シリカ混合物(A1)に対し、シランカップリング剤(Si75:デグッサ社製)、亜鉛華(粒度0.4μm、亜鉛華#1:本荘ケミカル社製)、ステアリン酸、老化防止剤(ノクラック6C:大内新興社製)を50℃オープンロールで混合し、ゴム組成物1を得た。この工程にてゴム組成物1の温度は約80℃となり、約4分間の加熱を受けた。
次に、第2工程では、バンバリーミキサー(東洋精機製ラボプラストミル型式100C ミキサータイプB−250)を用いて、表1に示す配合量のSBR(Nipol 9521(結合スチレン量:45%、ガラス転移温度:−28℃、油展量:27.3%、ムーニー粘度:50):日本ゼオン社製)を0.5分間素練りした後、カーボンブラック(シースト7HM:東海カーボン社製)、亜鉛華、ステアリン酸、老化防止剤(ノクラック6C)の各配合剤を表1に示す配合量で加え、3.5分間混練して、ゴム組成物2を得た。混練終了時の温度は125℃であった。
次に、第3工程では、表1に示す配合量で、前記ゴム組成物1とゴム組成物2とを前記のバンバリーミキサーで3分間混練した。混練終了時の排出温度は140℃であった。
次に、第4工程では、表1に示す配合量で、混練後のゴム組成物に対して、硫黄および架橋促進剤(CBS:N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミドとDPG:ジフェニルグアニジン)とを50℃のオープンロールで混練して、実施例1のゴム組成物を得た。
得られた実施例1のゴム組成物を160℃で15分プレス加硫して試験片を作製し、各物性(ウェットグリップ性、低燃費性、耐摩耗性、引張強度、脆化温度)を測定した。結果を表2に示す。
〔比較例1〕
まず、第1工程では、表1に示す配合量で、前記R1の製造の項で得られたSBR1と、SBR(Nipol 9521)とを、0.5分間素練りした後に、表1に示す配合剤を加え、4.5分間混練し、ゴム組成物3を得た。混練終了時の排出温度は150℃であった。
次に、第2工程を行わずに、第3工程では、表1に示す配合量で、前記ゴム組成物3を前記のバンバリーミキサーで3分間混練した。混練終了時の排出温度は140℃であった。
次に、第4工程では、表1に示す配合量で、混練後のゴム組成物に対して、表1に示す配合剤を加え、その他は実施例1と同様にして、比較例1のゴム組成物を得て、その試験片を作製し、各物性を測定した。結果を表2に示す。
〔比較例2〕
まず、第1工程では、表1に示す配合量で、前記R1の製造の項で得られたSBR1に対して、表1に示す配合剤を加え、4.5分間混練し、ゴム組成物4を得た。ゴム組成物4の混練終了時の排出温度は150℃であった。
次に、第2工程では、実施例1の第2工程と同様の方法でゴム組成物2を得た。
次に、第3工程では、表1に示す配合量で、前記ゴム組成物4とゴム組成物2とをバンバリーミキサーで3分間混練した。混練終了時の排出温度は140℃であった。
次に、第4工程では、表1に示す配合量で、混練後のゴム組成物に対して、表1に示す配合剤を加え、その他は実施例1と同様にして、比較例2のゴム組成物を得て、その試験片を作製し、各物性を測定した。結果を表2に示す。
〔比較例3〕
まず、第1工程では、比較例2の第1工程と同様の方法でゴム組成物4を得た。
次に、第2工程を行わずに、第3工程では、表1に示す配合量で、得られたゴム組成物4とSBR(Nipol 9521)とを、0.5分間素練りした後に、表1に示す配合剤を加え、バンバリーミキサーで3分間混練した。混練終了時の排出温度は140℃であった。
次に、第4工程では、表1に示す配合量で、混練後のゴム組成物に対して、表1に示す配合剤を加え、その他は実施例1と同様にして、比較例3のゴム組成物を得て、その試験片を作製し、各物性を測定した。結果を表2に示す。
〔比較例4〕
まず、第1工程では、実施例1の第1工程と同様の方法でゴム組成物1を得た。
次に、第2工程では、Nipol9521に代えて、SBR1を用いること以外は、実施例1の第2工程と同様にして、ゴム組成物5を得た。
次に、第3工程では、ゴム組成物2に代えて、上記ゴム組成物5を用いること以外は、実施例1の第3工程と同様にし、さらに、実施例1と同様の第4工程と同様にして、比較例4のゴム組成物を得た。この比較例4のゴム組成物についても、実施例1と同様にして、試験片を作製し、各物性を測定した。結果を表2に示す。
Figure 0004746989
表1に示すように、実施例1のゴム組成物は、Tgが−50℃のSBRラテックス(R1)とシリカの水性懸濁液(S1)とを共凝固させて得られた、トルエン不溶分47%を含有するSBR−シリカ混合物(A1)に対し、前記R1中のSBR1とのTgの差の絶対値が22℃であるSBR(Nipol 9521)を配合したものであり、本発明の範囲内に属するものである。
これに対し、比較例1〜3のゴム組成物は、共役ジエン系ゴムとシリカとを共凝固することなく、乾式法で混合して得たものである。また、比較例4のゴム組成物は、SBR1を含むSBR−シリカ混合物(A1)に対し、さらにSBR1(即ち、Tgが等しいSBR)を配合したものであり、いずれも本発明の範囲内に属しないものである。
Figure 0004746989
※表2の脚注
※1 比較例1を基準(100)とする
※2 比較例1を基準とする温度差(Δ℃)
表2に示すように、実施例1の組成物では、比較例1〜4の組成物と比較して、低燃費性、ウエットグリップ性、機械的(引張)強度、耐磨耗性、及び耐低温脆化性が高度にバランスされていることがわかる。
〔実施例2〕
まず、第1工程では、バンバリーミキサーを用いて、表3に示す配合量の前記A2の製造の項で得られたSBR−シリカ混合物(A2)を0.5分間素練りした後、表3に示す配合量で、シランカップリング剤(Si69:デグッサ社製)、亜鉛華(亜鉛華#1)、ステアリン酸、老化防止剤(ノクラック6C)を加え、4.5分間混練して、ゴム組成物6を得た。混練終了時の温度は、150℃であった。この工程にてゴム組成物6の温度は約110℃から150℃の範囲で、約4分間の加熱を受けた。
次に、第2工程では、バンバリーミキサーを用いて、表3に示す配合量の溶液重合末端変性SBR(Nipol NS−116R(結合スチレン量:21%、ブタジエン単量体単位部分のビニル結合量:63%、ガラス転移温度:−25℃、ムーニー粘度:45):日本ゼオン社製)を0.5分間素練りした後、カーボンブラック(シーストKH:東海カーボン社製)、プロセスオイル(Enerthene1849A:ブリティッシュペトロリアム社製)、亜鉛華、ステアリン酸、老化防止剤(ノクラック6C)の各配合剤を表3に示す配合量で加え、3.5分間混練して、ゴム組成物7を得た。混練終了時の温度は125℃であった。
次に、第3工程では、表3に示す配合量で、前記ゴム組成物6とゴム組成物7とをバンバリーミキサーで3分間混練した。混練終了時の排出温度は145℃であった。
次に、第4工程では、表3に示す配合量で、混練後のゴム組成物に対して、表3に示す配合剤を加え、その他は実施例1と同様にして、実施例2のゴム組成物を得て、その試験片を作製し、各物性を測定した。結果を表4に示す。
〔比較例5〕
まず、第1工程では、表3に示す配合量で、前記R2の製造の項で得られたSBR2と、SBR(Nipol NS−116R)とを、0.5分間素練りした後に、表3に示す配合剤を加え、4.5分間混練し、ゴム組成物8を得た。
次に、第2工程を行わずに、第3工程では、表3に示す配合量で、前記ゴム組成物8をバンバリーミキサーで3分間混練した。混練終了時の排出温度は140℃であった。
次に、第4工程では、表3に示す配合量で、混練後のゴム組成物に対して、表3に示す配合剤を加え、その他は実施例2と同様にして、比較例5のゴム組成物を得て、その試験片を作製し、各物性を測定した。結果を表4に示す。
〔比較例6〕
まず、第1工程では、表3に示す配合量で、前記R2の製造の項で得られたSBR2に対して、表3に示す配合剤を加え、4.5分間混練し、ゴム組成物9を得た。混練終了時の排出温度は150℃であった。
次に、第2工程では、実施例2の第2工程と同様の方法でゴム組成物7を得た。
次に、第3工程では、表3に示す配合量で、前記ゴム組成物9とゴム組成物76とをバンバリーミキサーで3分間混練した。混練終了時の排出温度は140℃であった。
次に、第4工程では、表3に示す配合量で、混練後のゴム組成物に対して、表3に示す配合剤を加え、その他は実施例2と同様にして、比較例6のゴム組成物を得て、その試験片を作製し、各物性を測定した。結果を表4に示す。
〔比較例7〕
まず、第1工程では、表3に示す配合量で、上記A4の製造の項で得られたSBR−シリカ混合物(A4)と、SBR(Nipol NS−116R)とを、0.5分間素練りした後に、表3に示す配合剤を加え、4.5分間混練し、ゴム組成物10を得た。
次に、ゴム組成物8に代えて、ゴム組成物10を用いること以外は、比較例5の第3工程、第4工程と同様にして、比較例7のゴム組成物を得て、その試験片を作製し、各物性を測定した。結果を表4に示す。
Figure 0004746989
表3に示すように、実施例2のゴム組成物は、Tgが−50℃のSBRラテックス(R2)とシリカの水性懸濁液(S2)とを共凝固させて得られた、トルエン不溶分42%を含有するSBR−シリカ混合物(A2)に対し、前記R2中のSBR2とのTgの差の絶対値が25℃である溶液重合SBR(Nipol NS−116R)を配合したものであり、本発明の範囲内に属するものである。
これに対し、比較例5〜6のゴム組成物は、共役ジエン系ゴムとシリカとを共凝固することなく、乾式法で混練して得たものである。また、比較例7のゴム組成物は、トルエン不溶分の含有率が26%であるSBR−シリカ混合物(A4)を用いて得たものであり、いずれも本発明の範囲内に属しないものである。
Figure 0004746989
※表4の脚注
※3 比較例5を基準(100)とする
※4 比較例5を基準とする温度差(Δ℃)
表4に示すように、実施例2の組成物では、比較例5〜7の組成物と比較して、低燃費性、ウエットグリップ性、機械的(引張)強度、耐磨耗性、及び耐低温脆化性が高度にバランスされていることがわかる。
〔実施例3〕
まず、第1工程では、バンバリーミキサーを用いて、表5に示す配合量の前記A3の製造の項で得られたSBR−シリカ混合物(A3)を0.5分間素練りした後、表5に示す配合量で、シランカップリング剤(Si69)、カーボンブラック(シースト7HM)、プロセスオイル、亜鉛華、ステアリン酸、パラフィンワックス、老化防止剤(ノクラック6C)を加え、4.5分間混練して、ゴム組成物11を得た。混練終了時の温度は、145℃であった。
次に、第2工程では、バンバリーミキサーを用いて、表5に示す配合量のゴム組成物11を0.5分間素練りした後、表5に示す配合量のポリブタジエンゴム(高シスBR:Nipol BR1220N(シス結合量:97%、ガラス転移温度:−110℃、ムーニー粘度:43、5重量%トルエン溶液粘度:96cps.、日本ゼオン社製))を加え、3.5分間混練した。混練終了時の排出温度は135℃であった。
次に、第3工程を行わずに、第4工程では、表5に示す配合量で、混練後のゴム組成物に対して、表5に示す配合剤を加え、その他は実施例1と同様にして、実施例3のゴム組成物を得て、その試験片を作製し、各物性を測定した。結果を表6に示す。
〔比較例8〕
まず、第1工程では、表5に示す配合量で、前記R3の製造の項で得られたSBR3と、高シスBR(Nipol BR1220N)とを、0.5分間素練りした後に、表5に示す配合剤を加え、4.5分間混練し、ゴム組成物12を得た。混練終了時の排出温度は150℃であった。
次に、第2工程では、表5に示す配合量で、前記ゴム組成物12をバンバリーミキサーで3分間混練した。混練終了時の排出温度は140℃であった。
次に、第3工程を行わずに、第4工程では、表5に示す配合量で、混練後のゴム組成物に対して、表5に示す配合剤を加え、その他は実施例3と同様にして、比較例8のゴム組成物を得て、その試験片を作製し、各物性を測定した。結果を表6に示す。
〔比較例9〕
まず、第1工程では、表5に示す配合量で、前記R3の製造の項で得られたSBR3に対して、表5に示す配合剤を加え、4.5分間混練し、ゴム組成物13を得た。混練終了時の排出温度は150℃であった。
次に、第2工程では、表5に示す配合量のゴム組成物13を0.5分間素練りした後、表5に示す配合量の高シスBR(Nipol BR1220N)を加え、3.5分間混練した。混練終了時の排出温度は135℃であった。
次に、第3工程を行わずに、第4工程では、表5に示す配合量で、混練後のゴム組成物に対して、表5に示す配合剤を加え、その他は実施例3と同様にして、比較例9のゴム組成物を得て、その試験片を作製し、各物性を測定した。結果を表6に示す。
〔比較例10〕
まず、第1工程では、実施例3の第1工程と同様にして、ゴム組成物11を得た。
次に、第2工程では、高シスBR(Nipol BR1220N)に代えて、上記BR1の製造の項で得られたBR1を、表5に示す配合量で用いること以外は、実施例3の第2工程と同様にした。
次に、第3工程を行わずに、第4工程は、実施例3の第4工程と同様にして、比較例10のゴム組成物を得て、その試験片を作製し、各物性を測定した。結果を表6に示す。
Figure 0004746989
表5に示すように、実施例3のゴム組成物は、Tgが−40℃のSBRラテックス(R3)とシリカの水性懸濁液(S2)とを共凝固させて得られた、トルエン不溶分48%を含有するSBR−シリカ混合物(A3)に対し、前記R3中のSBR3とのTgの差の絶対値が70℃である高シスBR(Nipol BR1220N)を配合したものであり、本発明の範囲内に属するものである。
これに対し、比較例8〜9のゴム組成物は、共役ジエン系ゴムとシリカとを共凝固することなく、乾式法で混合して得たものである。また、比較例10ゴム組成物は、SBR3(Tg:−40℃)を含むSBR−シリカ混合物(A3)に対し、SBR3とのTgの差の絶対値が1℃であるBR1(Tg:−41℃)を配合したものであり、いずれも本発明の範囲内に属しないものである。
Figure 0004746989
※表6の脚注
※5 比較例8を基準(100)とする
※6 比較例8を基準とする温度差(Δ℃)
表6に示すように、実施例3の組成物では、比較例8〜10の組成物と比較して、低燃費性、ウエットグリップ性、機械的(引張)強度、耐磨耗性、及び耐低温脆化性が高度にバランスされていることがわかる。

Claims (12)

  1. ガラス転移温度が−120〜0℃である共役ジエン系ゴム(a)の水分散液又は溶液と、シリカの水分散液とを共凝固させて得られる、42〜80重量%のトルエン不溶分を含有する共役ジエン系ゴム−シリカ混合物(A)に対し、
    前記共役ジエン系ゴム(a)とのガラス転移温度の差の絶対値が3〜100℃である共役ジエン系ゴム(b)を配合して成り、前記共役ジエン系ゴム(a)と前記共役ジエン系ゴム(b)との重量比が95:5〜5:95であるシリカ含有共役ジエン系ゴム組成物。
  2. 共役ジエン系ゴム−シリカ混合物(A)が、共役ジエン系ゴム(a)100重量部に対し、25〜200重量部のシリカを含有する請求項1に記載のシリカ含有共役ジエン系ゴム組成物。
  3. 共役ジエン系ゴム−シリカ混合物(A)に含有されるシリカの量が、共役ジエン系ゴム−シリカ混合物(A)中の全トルエン不溶分に対して、80重量%以下である請求項1に記載のシリカ含有共役ジエン系ゴム組成物。
  4. 共役ジエン系ゴム−シリカ混合物(A)が、共凝固後であって、共役ジエン系ゴム(b)が配合される前に、50〜220℃に加熱される工程を経て得られるものである請求項1に記載のシリカ含有共役ジエン系ゴム組成物。
  5. 共役ジエン系ゴム(a)のガラス転移温度が、−80〜−15℃である請求項1に記載のシリカ含有共役ジエン系ゴム組成物。
  6. 共役ジエン系ゴム(b)の、共役ジエン系ゴム(a)とのガラス転移温度の差の絶対値が、10〜95℃である請求項1に記載のシリカ含有共役ジエン系ゴム組成物。
  7. 共役ジエン系ゴム(a)が、天然ゴム、スチレンブタジエン共重合ゴム及びアクリロニトリルブタジエン共重合ゴムの何れかを含むものであり、共役ジエン系ゴム(b)が、天然ゴム、スチレンブタジエン共重合ゴム、ポリブタジエンゴム及びポリイソプレンゴムの何れかを含むものである請求項1に記載のシリカ含有共役ジエン系ゴム組成物。
  8. 共役ジエン系ゴム(a)が、スチレンブタジエン共重合ゴムであり、共役ジエン系ゴム(b)が、スチレンブタジエン共重合ゴムまたはポリブタジエンゴムである請求項1に記載のシリカ含有共役ジエン系ゴム組成物。
  9. 共役ジエン系ゴム(b)が、該共役ジエン系ゴム(b)100重量部に対し1〜200重量部の充填剤を含有する請求項1に記載のシリカ含有共役ジエン系ゴム組成物。
  10. 請求項1に記載のシリカ含有共役ジエン系ゴム組成物に、さらに架橋剤を配合して成る架橋性シリカ含有共役ジエン系ゴム組成物。
  11. 請求項10記載の架橋性シリカ含有共役ジエン系ゴム組成物を架橋成形してなる成形体。
  12. ガラス転移温度が−120〜0℃である共役ジエン系ゴム(a)の水分散液又は溶液と、シリカの水分散液とを共凝固させ、共凝固物を得る工程と、
    前記共凝固物を50〜220℃に加熱し、42〜80重量%のトルエン不溶分を含有する共役ジエン系ゴム−シリカ混合物(A)を得る工程と、
    前記共役ジエン系ゴム−シリカ混合物(A)に、共役ジエン系ゴム(a)とのガラス転移温度の差の絶対値が3〜100℃である共役ジエン系ゴム(b)を、前記共役ジエン系ゴム(a)と前記共役ジエン系ゴム(b)との重量比が95:5〜5:95となるように配合する工程とを、含んでなるシリカ含有共役ジエン系ゴム組成物の製造方法。
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