JP2009022545A - 入浴介助装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】乗降位置でロック状態を解除したとしても、操作レバーの操作をやめればレバーピンがロック状態の位置に戻り、再び着座部がロック状態になるという問題があった。
【解決手段】乗降位置および入浴位置の各位置で、着座部600の回転および移動ができないロック状態にすることができるロック機構と、着座部600のロック状態が解除されたときに、乗降位置または入浴位置でロック解除状態を保持できるロック解除保持機構とを有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、入浴介助装置に関するものであり、詳しくは、乗降位置から入浴位置まで着座部が回転しながら移動し、入浴位置で着座部が昇降可能な入浴介助装置に関するものである。
従来の入浴介助装置として、例えば、本出願人が提案した特許文献1のようなものが知られている。これは浴槽のリムに載置されるコの字型のフレームと、フレームに取り付けられた昇降装置と、フレームに取り付けられ、昇降装置を介して昇降可能となった着座台と、着座台に載置された着座部と、を備え、着座部にピニオンギアが設けられ、着座台にラックギアおよび着座部のスライドをガイドするスライドガイドが設けられたものがあった。この入浴介助装置は、被介助者が乗り降りする乗降位置から座面が昇降する際の上限位置(入浴位置)まで、着座部が着座台に対して回転と同時にスライドする複合動作で移動するようになっているので、乗降位置で浴槽を背面にしてリムに腰掛ける通常の休憩動作のような感覚で単に着座部に腰掛けたり、または、着座部から単に立ち上がるという動作のみで入浴を行えるようになる。よって、体が不自由な被介助者であっても極めて楽に入浴が行えるようになるという実用上優れた効果を奏することができるものである。また、介助者にとっても乗降時の負担が軽減されるだけでなく、乗降位置から入浴位置まで抱きかかえるような支援をすることなく被介助者を乗降位置から入浴位置に移動できるため、介助時の負担を大きく軽減できるものである。また、この入浴介助装置には、乗降位置と入浴位置との各位置で、着座部を着座台にロックするロック機構が設けられている。このように、乗降位置と入浴位置の各位置において着座部が着座台に対して回転もスライドもしないので、乗降位置で被介助者を着座部に安心して乗り降りさせることができるとともに、入浴位置で被介助者を安心して昇降させることができるというものであった。以上のことから明確な通り特許文献1に示した先行技術は、体が不自由な人を入浴させる入浴介助装置としては実に有効なものである。
特開2006−102241号公報
本発明は、本出願人が提案したこの従来の入浴介助装置を、被介助者および介助者にとって一層使いやすい物となるように更なる工夫を凝らしたものである。具体的には、この従来の入浴介助装置では、乗降位置で着座部をロック状態にして、被介助者を着座部に乗せ、その後乗降位置から入浴位置まで被介助者を移動させることになるが、乗降位置から入浴位置まで被介助者を移動させる際には、介助者が操作レバーを操作することによりロック状態を解除する必要がある。しかしながら、従来の入浴介助装置では、乗降位置でロック状態を解除したとしても、操作レバーの操作により引っ張られるレバーピンが圧縮バネにより付勢されているため、操作レバーの操作をやめればレバーピンがロック状態の位置に戻り、再び着座部がロック状態になる。
このように、再び着座部がロック状態になるので、乗降位置から被介助者(着座部)を移動させようとする際には、介助者は、一方の手で被介助者の上体を支えながら他方の手で操作レバーを操作してロック状態を解除し、そして再びロック状態にならないように操作レバーを操作しながら乗降位置から被介助者を移動させる必要があり、介助者の負担が大きくなる要因が残されていることを見出した。
そこで、本発明は、乗降位置から入浴位置までの被介助者の移動をスムーズに行なうことができ、被介助者の不安および介助者の負担を軽減させることができる入浴介助装置を提供するものである。
本発明のうち第1の態様に係るものは、浴槽リム側に位置し被介助者を乗降させる乗降位置から、浴槽中央側に位置し被介助者を入浴させる入浴位置まで、着座部が回転しながら移動し、入浴位置で着座部が昇降可能な入浴介助装置において、乗降位置および入浴位置の各位置で、着座部の回転および移動ができないロック状態にすることができるロック機構と、着座部のロック状態が解除されたときに、乗降位置および入浴位置でロック解除状態を保持できるロック解除保持機構と、を有することを特徴とする。
上述のように、乗降位置から入浴位置に被介助者を移動させる際には、介助者が操作レバーを操作することによりロック状態を解除することが必要である。本発明によれば、着座部のロック状態が解除されたときに、乗降位置でロック解除状態を保持できるロック解除保持機構を有しているので、介助者は、ロック状態にある着座部に、不安なく被介助者を着座部に乗せた後に着座部のロック状態を解除すれば、ロック解除保持機構によりロック解除状態が保持される。これにより、介助者は、ロック解除状態が保持されるため操作レバーから手を離すことが可能となり、被介助者を両手で確実に支えた安全な状態で被介助者を回転させながら移動させることが可能となる。特に移動の開始は被介助者が姿勢を崩しやすいが、その時期に介助者はロック操作部から手を離して両手で確実に被介助者を支えることができるため、介助者も被介助者も不安を抱くことがなく介助負担を軽減することができる。
一方、入浴位置で着座部の回転および移動ができないロック状態にすることができるロック機構を有しているので、被介助者は、入浴位置で着座部がロックされた安定した状態で入浴することができる。また、入浴位置で着座部のロック状態が解除されたときに、入浴位置でロック解除状態を保持できるロック解除保持機構を有しているので、被介助者を入浴位置から乗降位置まで移動させる際に、介助者により着座部のロック状態が解除されれば、そのロック解除状態が保持され、着座部が再びロック状態になることがないため、介助者は、被介助者を両手で確実に支えた状態で着座部を回転させながら移動させることが可能となり、介助者も被介助者も不安を抱くことがなく解除の負担を軽減することができる。
本発明のうち第2の態様に係るものは、第1の態様に係る入浴介助装置であって、ロック解除保持機構は、着座部を乗降位置および入浴位置から所定量回転させることにより、ロック解除状態の保持が解除されるように構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、ロック解除保持の状態が乗降位置や前記入浴位置から着座部を所定量回転させることで自動的に解除されるように構成されているため、介助者は、被介助者を乗降位置から入浴位置に単に移動させるだけで自動的にロック解除保持の状態を解除することができる。すなわち、介助者はロック解除保持の状態を解除するために何等の操作を行う必要がないため、介助者は、被介助者から手を離す必要がなく、よって、移動中に片手の介護になるような不安定な状態を回避できて、被介助者に不安を抱かせることを防止できるという極めて有用な効果を奏することができる。
本発明のうち第3の態様に係るものは、第2の態様に係る入浴介助装置であって、着座部は、乗降位置から入浴位置まで、左右いずれの回転方向に回転させても移動可能であり、ロック機構は、乗降位置と、乗降位置から左方向へ回転させたときの入浴位置と、乗降位置から右方向へ回転させたときの入浴位置のそれぞれの位置で、着座部をロック状態にすることができるとともに、ロック解除保持機構は着座部の左右いずれの回転方向に対しても所定量回転させた時にロック解除状態の保持が解除されるように構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、乗降位置から入浴位置まで、左右いずれの回転方向に回転させても移動可能であるので、シャワーや蛇口などの浴室の設備の位置に合わせて入浴介助装置の設置位置や設置の向き、また着座部の回転方向を選択することができる。また、被介助者が障害者などの場合においても、障害の位置などに応じて回転しやすい方向を選択することができ、入浴介助装置の使用態様の選択肢が増大する。また、乗降位置と、乗降位置から左方向へ回転させたときの入浴位置と、乗降位置から右方向へ回転させたときの入浴位置のそれぞれの位置で、着座部をロック状態にすることができるので、着座部の回転方向がいずれの方向であっても、乗降位置および入浴位置の各位置で、着座部の回転および移動ができないロック状態とすることができる。これにより被介助者の着座部への乗り降りおよび入浴位置での昇降を安定した状態で安全に行うことができる。また、これに合わせて、ロック解除の状態を保持できるとともに、このロック解除保持の状態が、左右いずれに着座部を回転させても所定量着座部を回転させれば自動的に解除されるように構成されているため、設置場所の制約を与えることなく実用上優れた請求項2の効果を左右いずれの状態でも奏することができるものである。
本発明の入浴介助装置によれば、乗降位置から入浴位置までの被介助者の移動をスムーズに行なうことができ、被介助者の不安および介助者の負担を軽減させることができる入浴介助装置を提供するものである。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態における入浴介助装置について説明する。図1は、本発明の一実施形態における入浴介助装置を取り付けた状態を示す斜視図である。
図1に示すように、入浴介助装置1は、上面視コの字型をなすフレーム10と、フレーム10に取り付けられ浴槽内を昇降可能なシート50とを備え、該シート50は、着座台500と着座部600とを有し、その着座部600のみが入浴位置と乗降位置との間を回転しながら移動するようになっている。
フレーム10は、たとえばステンレスなどでできており、昇降装置300(図5参照)を備えたベース部100と、該ベース部100の両端から略垂直に延在したアーム部200(右側アーム部200Aと左側アーム部200B)とからなる。そして、ベース部100が、浴槽の長手方向片端部のリム上に載置され、アーム部200(右側アーム部200Aと左側アーム部200B)は、浴槽の両側方のリム上に載置されるようになっている。また、フレーム10のベース部100と各アーム部200には樹脂でできたカバーが被せられている。
次に、図2〜図4を用いて、入浴介助装置1の着座部600が移動する工程について説明する。図2は、本発明の一実施形態における入浴介助装置の着座部が乗降位置にある状態を示す図であり、図3は、同着座部が乗降位置から入浴位置までの中間位置(移動中)にある状態を示す図であり、図4は、同着座部が入浴位置にある状態を示す図である。なお、図1では、シート50に背凭れ690を有する入浴介助装置1を示しているが、図2〜図4では、説明の便宜上、該背凭れ690を省略して説明する。また、本実施形態における入浴介助装置1では、背凭れ690を有する入浴介助装置1について説明するが、これに限らず、背凭れ690を有しない入浴介助装置1を用いてもよい。
図2に示すように、乗降位置は、入浴介助装置1の着座部600が浴槽のリム側に完全に移動して被介助者を乗り降りさせる位置であり、この乗降位置で介助者は被介助者を着座部600に乗せる。そして、介助者は被介助者を着座部600に乗せた後は、着座部600を回転させながら被介助者を入浴位置に移動させ(図3参照)、着座部600が乗降位置から90度回転することにより、被介助者を入浴位置まで移動させることができる(図4参照)。ここで、入浴位置は、入浴介助装置1の着座部600が浴槽側に移動してシート50が浴槽内に下降できる着座部600の位置である。
次に、図5を用いて、フレーム10の内部構成について説明する。図5は、本発明の一実施形態における入浴介助装置のフレーム部の内部構成図である。
図5に示すように、ベース部100には、DCモータ310、ウォーム歯車と平歯車とを組み合わせた減速ギア320、ワイヤ繰出巻取ドラム330が備わっている。減速ギア320とワイヤ繰出巻取ドラム330は、支持ブラケット350でベース部100にしっかりと固定されている。また、ベース部100には、DCモータ310を駆動するバッテリ370、DCモータ310の駆動を制御する制御ボックス360のほか、ブラケットとバネとから構成され、ワイヤ繰出巻取ドラム330に巻き取られるワイヤWの巻き取り方向を規制するワイヤ巻乱防止部380が備わっている。また、ベース部100には、各アーム部間(右側アーム部200Aと左側アーム部200Bの間)の間隔を調整可能とするアーム部間隔調整機構(図示略)が備わり、入浴介助装置1の取り付けられる浴槽の横幅に応じて入浴介助装置1のアーム部間の間隔を調整できるようになっている。
また、ワイヤ巻乱防止部380(図5左側部分)近傍には、ワイヤ繰出巻取ドラム330の上側から繰り出されたワイヤWを後述するプーリに案内するガイドプーリ390が備わっている。ワイヤ繰出巻取ドラム330には、ステンレス製の撚り線で周囲が樹脂で覆われたワイヤであって、シート50を吊持するための4本のワイヤWが各アーム部200(右側アーム部200Aと左側アーム部200B)に向かって2本ずつ巻回(右側アーム部200Aと左側アーム部200B、2本ずつ巻回)されている。また、ベース部100の両端部には、繰り出したり巻き取られたりするワイヤWの延在方向をアーム部200の延在方向に変えるベースプーリ110が備わっている。
各アーム部200(右側アーム部200Aと左側アーム部200B)のベース側基端部近傍およびアーム先端部近傍には、各アーム部200に2本ずつ備えられているワイヤWの延在方向を変える第1のワイヤ繰出巻取プーリ210(第1プーリ210)が各ワイヤWに対応して設けられている。第1プーリ210は、例えばポリアセタール(POM)などの強度と自己潤滑性、成型性に優れた樹脂でできている。この第1プーリ210によって、4本のワイヤW(右側アーム部200Aと左側アーム部200B、各2本づつ備えられている)をアーム部200の延在方向から対向する他のアーム部200(左側アーム部200Bまたは右側アーム部200A)の方向に延在するように変更する。
また、第1プーリ210の浴槽側で、第1プーリ210の下方には、各アーム部(200A、200B)の第1プーリ210に対応して第2のワイヤ繰出巻取プーリ220(第2プーリ220)が設けられている。この第2プーリ220は、例えば、ポリアセタールなどの強度と自己潤滑性、成型性に優れた樹脂でできている。この第2プーリ220によって、第1プーリ210から浴槽側に向かって延在されたワイヤWの向きを着座部600の下降方向に変更する。また、各アーム部200(右側アーム部200Aと左側アーム部200B)の延在方向の略中央部には、アーム部200を浴槽に位置決め固定するストッパ230が設けられている。なお、各ワイヤWの端部は、ステンレスでできた支持シャフト290に着脱可能に取り付けられている。
以上のように、ワイヤ繰出巻取ドラム330によって巻き取られるワイヤWは、ベースプーリ110、第1プーリ210、第2プーリ220によりそれぞれ方向を変えて、第2プーリ220からシート50の下降方向に向かう方向に延在する。これにより、ワイヤ繰出巻取ドラム330でワイヤWを巻き取ることにより、入浴位置で入浴介助装置1のシート50を浴槽内に昇降させることができる。
次に、図6を用いて、シート50について説明する。図6は、本発明の一実施形態における入浴介助装置のシートが下降した状態を示す図である。
シート50は、たとえばステンレス製の上面視矩形の着座台500と、たとえばステンレスなどの金属製のベースをポリアセタールやPE(ポリエチレン)などの樹脂で被覆することでできている上面視略矩形の着座部600と、着座部600にステンレスなどの金属パイプを介して取り付けられた背凭れ690を有し、乗降位置と入浴位置との間を回転しながら移動するようになっている。なお、上述したように、シート50は、背凭れ690を有しないものでもよい。また、着座部600は、すべてが上記樹脂でできているものでもよい。
入浴位置において、各アーム部200に隣接する着座台500のアーム部側の側方には、着座台吊り下げ用のステンレスでできた支持ブラケット590が取り付けられている。そして、支持ブラケット590には、切り欠き(図示略)等が形成され、この支持ブラケット590に支持シャフト290が着脱自在に取り付けられている。また、着座台500の上部には、着座部600と着座台500との間への手等の挟み込みを防止する保護カバー580が着座部600の移動を妨げないように設けられている。
また、着座台500の保護カバー580の側方には、ヒンジ部(図示略)が設けられ、該ヒンジ部に樹脂でできたフラップ状の副座部570が起き上がり可能に備わっている。なお、副座部570の上面は、入浴位置において着座部600の下面と略面一となっており、着座部600と副座部570との間に隙間が生じないようにし、これによって、着座部600に着座した被介助者の手挟みを防止している。また、副座部570は、シート50を浴槽内に下降させた際にワイヤWによって上方に起き上がるようになっており、シート50下降中にワイヤWの一部を覆って着座した被介助者の手挟みを防止する役目も果たしている(図6参照)。
次に、図7および図8を用いて、着座部600を着座台500に対して回転および移動可能に支持する支持機構について説明する。図7は、本発明の一実施形態における入浴介助装置の一部分解斜視図であり、図8は、本発明の一実施形態における入浴介助装置の着座台および着座部(乗降位置)を示す図である。なお、図7および図8では、説明の便宜上、着座部600は樹脂を取り除いた金属製のベースのみを示している。
図7に示すように、着座台500には、着座部500の移動を案内するガイドレール510が取り付けられる(図7参照)。ガイドレール510は、着座台500と同じくステンレスなどの金属でできており、ネジ(図示略)等を用いて着座台500に締結されている。ガイドレール510は、図7に示すように、長方形の金属板の両側の長辺からそれぞれ所定の幅で略直角に折り曲げた形状を有している。また、このガイドレール510に摺動可能に係合されるスライダ520は、たとえばポリアセタールなどの樹脂でできており、直径の異なる3個の円盤が同軸に重なった形状を有している。下段の円盤の直径は、ガイドレール510の下端部の幅とほぼ等しく、中段の円盤の直径は、ガイドレール510の上端部の幅とほぼ等しくなっていることにより、スライダ520とガイドレール510とが係合できるようになっている。また、上段の円盤の直径は、中段の直径より小さく、その中心が着座部600の特定箇所に連結される。このようにスライダ520が着座部600に連結された状態でスライダ520をガイドレール510に係合させることにより、着座部600が着座台500に移動可能に支持される。
また、図7に示すように、第1アーム610は、略円盤状部分6100と棒状部分とにより構成され、一端が着座台500に取り付けられ、他端が着座部600に連結されている。そして、第1アーム610は、着座台500との結合点を支点Pとして、回動することができる。なお、第1アーム610は、ステンレス等の金属でできている。
このように、第1アーム610は、一端が着座台500に取り付けられ他端が着座部600に連結され、そして、第1アーム610の他端と連結された着座部600は、着座部600の中心でもスライダ520と連結されている。このことから、着座部600が回転することにより、第1アーム610はPを支点として回転し、スライダ520がガイドレール510に沿って、着座部600の位置からP側方向に移動する。つまり、着座部600は回転しながらP側方向に移動することになる(図8参照)。なお、本実施形態では、第1アーム610と着座台500との結合点を、ガイドレール510により案内されて着座部600が移動する移動方向の直線上(スライダ520の中心点の軌跡の延長線上)に位置させている(図8参照)。ロック部材620は、一端が着座部600に取り付けられ、他端がロック解除操作レバー630の一端に連結され、着座部600が着座台500に対して回転および移動できない状態(ロック状態)にするものである(図8参照)。すなわち、ロック部材620の側面に設けられた凸部624が、第1アーム610の略円盤状部分6100の外周に設けられた凹部625と嵌合することにより、着座部600が着座台500に対して回転および移動できない状態(ロック状態)にすることができる(図8参照)。なお、ロック部材620は、ステンレス等の金属でできている。
ロック解除操作レバー630は、ロック状態を解除するために用いるもので、ステンレス等の金属でできており、一端がロック部材620の他端に連結され、他端がバネ640により付勢されている。なお、バネ640は、着座部600に取り付けられる(図8参照)。このロック解除操作レバー630を操作することにより、上述したロック部材620の凸部624が第1アーム610の凹部625から離れ、ロックが解除される。
ロック解除操作レバー630に設けられたL字状の穴(L字穴650)の内部に設けられたロック解除保持ピン660は、着座部600に締結され、乗降位置または入浴位置で、ロック解除状態を保持した状態にするものである。また、ロック解除操作レバー630の一方の側面には円弧状の突起部626が設けられ、ロック解除状態の保持を解除する際に用いられる。詳細は後述する。
第1アーム610の略円盤状部分6100に設けられた回転規制ピン挿着穴820(右回転規制ピン挿着穴820aおよび左回転規制ピン挿着穴820b)は、回転規制ピン830を挿着することにより、着座部600の右回転もしくは左回転のいずれかの回転を規制するものである。このように、回転規制ピン挿着穴820に挿着されている回転規制ピン830は、着座部600に設けられた回転規制孔810に沿って移動する。そして、回転規制ピン挿着穴820(820aまたは820b)に挿着された回転規制ピン830が、回転規制孔810の末端に当接するまで、着座部600は回転する。
次に、図9〜図12を用いて、着座部600の回転移動について説明する。なお、図9〜図12では、着座部600が左回りに設定されている、つまり、右回転規制ピン挿入穴820aに回転規制ピン830が挿着され、着座部600が右回転できないように回転規制されている。図9は、本発明の一実施形態における入浴介助装置の着座部が右回転規制で乗降位置にある状態を示す図である。なお、図9〜図12では、図面の上部側を洗い場側、下部側を浴槽側としている。以下、着座部600が、乗降位置(図2)・乗降位置から入浴位置までの中間位置(移動中(図3))・入浴位置(図4)の各位置にあるときの状態について、詳細に説明する。
上述したように、着座部600の回転方向が左回り(反時計回り)に設定されているので、第1アーム610の略円盤状部分6100に設けられた右回転規制ピン挿着穴820aに回転規制ピン830が挿着されている(図9参照)。そして、着座部600が乗降位置にあるときには、回転規制ピン830は、着座部600に設けられた回転規制孔810の左端に当接しているので、着座部600をこの位置から右方向に回転させることができなくなっている。このように、回転規制ピン830を右回転規制ピン挿着穴820aに挿着することにより、着座部600の右方向の回転が規制され、左方向のみに回転可能となる。これにより、介助者および被介助者が予測していない方向に回転することによる事故の発生を防止することができ、入浴介助装置の安全性を向上させることができる。
図9に示すように、着座部600が乗降位置でロック状態にあるときは、ロック部材620に設けられている凸部624が第1アーム610の略円盤状部分6100の外周に設けられている凹部625と嵌合している。この嵌合状態は、ロック解除操作レバー630がバネ640により付勢され、ロック部材620が左方向に引っ張られることにより、維持される。このとき、ロック解除保持ピン660は、L字穴650の長辺の先端部に当接している(ロック状態)。これにより、着座部600の回転が規制され、着座部600は回転および移動ができなくなる。
次に、ロック状態の解除およびロック解除状態の保持について説明する。図10は、着座部のロックが解除され、ロック解除状態が保持されている状態を示す図である。着座部600が乗降位置でロック状態にあるときに、ロック解除操作レバー630に設けられた操作レバー部分630aを着座部600と直行する方向(紙面右側)に押すことにより、ロック部材620が着座部600と連結された端点を支点として回転し、ロック部材620の凸部624が第1アーム610の凹部625から離れ、ロック状態が解除される(図10参照)。そして、ロック状態が解除されることにより、ロック解除保持ピン660がロック解除操作レバー630のL字穴650の長辺の先端部(図9参照)から短辺の先端部(図10参照)に移動し、ロック解除操作レバー630は、ロック解除保持ピン660がL字穴650の長辺の先端部に当接する位置に戻ることができなくなる。これにより、着座部600が乗降位置(ロック部材620の凸部624と第1アーム610の凹部625とが対向する位置)にある場合でも、凸部624と凹部625が嵌合することできなくなる(ロック解除状態が保持された状態)。
このように、ロック状態が解除されることにより、ロック解除状態が保持された状態になり、着座部600は、乗降位置から入浴位置方向へ移動することができるようになるので、介助者は、ロック解除操作レバー630の操作レバー部分630aから手を離し、両手を用いて被介助者の体をしっかり支えながら移動させることができる。また、乗降位置で、安定した状態で被介助者を回転および移動し始めることができるので、介助者は、被介助者を安定した状態で浴槽リムを越えさせることができる。これにより、被介助者が浴槽リムを越える際においても、介助者の負担を軽減することができる。
次に、着座部600が左回転し、ロック解除状態の保持が解除される場合について説明する。図11は、着座部のロック解除状態の保持が解除される状態を示す図である。図11に示すように、着座部600が左回りに回転することにより、着座部600は入浴位置方向に移動する。このとき、第1アーム610の右回転規制ピン挿着穴820aに挿着された回転規制ピン830は、回転規制孔810に沿って左端からから右端方向に移動する。
そして、着座部600の回転および移動が進むと、ロック解除操作レバー630に設けられた円弧状の突起部626が第1アーム610の略円盤状部分6100に設けられたロック解除状態保持解除部670(ロック解除状態保持解除部(左回転用)670a)に接触し、ロック解除操作レバー630は、このロック解除状態保持解除部(左回転用)670aにより、操作レバー部分630aの方向(図11の下側方向)に押される。これにより、L字穴650の短辺の先端部にあったロック解除保持ピン660が長辺と短辺の曲折部の方向に移動する(図11参照)。ロック解除保持ピン660が長辺と短辺の曲折部付近まで移動すると、バネ640の付勢力によりロック解除保持ピン660がL字穴650の長辺の先端部方向に移動する。つまり、ロック解除状態の保持が解除されると、ロック解除保持ピン660は、ロック状態のときと同様の位置(図9参照)となり、ロックが可能な状態となる。よって、この状態で、着座部600を乗降位置もしくは入浴位置に移動させることにより、直座部600がロック状態になる。このように、着座部600のロック解除状態の保持は、着座部600が乗降位置から入浴位置まで移動する途中で着座部600が回転することにより解除されるので、介助者は、移動中にロック解除状態の保持を解除するための操作を行なわなくてもよく、介助者は被介助者から移動中にロック解除の保持状態を介助するために手を離す必要がなく、被介助者を安定させた姿勢のままで移動させることができ、介助者および被介助者の負担を軽減することができるとともに、移動中の不安も増加させることを防止できる。
次に、ロック状態(入浴位置)について説明する。図12は、着座部が入浴位置でのロック状態を示す図である。図12に示すように、着座部600が左回りに90度回転して入浴位置に到達すると、ロック部材620の凸部624は第1アーム610の凹部625に自動的に嵌合し、ロック状態となることができる。これにより、入浴位置での昇降を安定した状態で安全に行うことができる。
また、着座部600が入浴位置に到達すれば、回転規制ピン830の位置は、回転規制孔810の右端に当接する位置まで移動し着座部600は、入浴位置を超えて回転できなくなる。
次に、図13〜図16を用いて、着座部600の回転移動について説明する。なお、図13〜図16では、着座部600が右回りに設定されている、つまり、左回転規制ピン挿入穴820bに回転規制ピン830が挿着され、着座部600が左回転できないように回転規制されている。図13は、本発明の一実施形態における入浴介助装置の着座部が左回転規制で乗降位置にある状態を示す図である。なお、図13〜図16では、図面の上部側を洗い場側、下部側を浴槽側としている。
上述したように、着座部600の回転方向が右回り(時計回り)に設定されているので、第1アーム610の略円盤状部分6100に設けられた左回転規制ピン挿着穴820bに回転規制ピン830が挿着されている(図13参照)。そして、着座部600が乗降位置にあるときには、回転規制ピン830は、着座部600に設けられた回転規制孔810の右端に当接しているので、着座部600をこの位置から左方向に回転させることができなくなっている。このように、回転規制ピン830を左回転規制ピン挿着穴820bに挿着することにより、着座部600の右方向の回転が規制され、右方向のみに回転可能となる。このように、左右いずれの回転方向に回転させても移動可能であるので、シャワーや蛇口などの浴室の設備の位置に合わせて入浴介助装置の設置位置や設置の向き、また着座部600の回転方向を選択することができる。また、被介助者が障害者などの場合においても、障害の位置などに応じて回転しやすい方向を選択することができ、入浴介助装置の使用態様の選択肢が増大する。
なお、図13では、回転規制ピン830の位置が異なること以外、図9と同様であるので、説明を省略する。
図14は、着座部のロックが解除され、ロック解除状態が保持されている状態を示す図である。図14では、回転規制ピン830が左回転規制ピン挿着穴820bに挿着されている。なお、その他の図10と同様の部分については、説明を省略する。
次に、着座部600が右回転し、ロック解除状態の保持が解除される場合について説明する。図15は、着座部のロック解除状態の保持が解除される状態を示す図である。図15に示すように、着座部600が右回りに回転することにより、着座部600は入浴位置方向に移動する。このとき、第1アーム610の左回転規制ピン挿着穴820bに挿着された回転規制ピン830は、回転規制孔810に沿って右端からから左端方向に移動する。
なお、その他の図11と同様の部分については、説明を省略する。
次に、ロック状態(入浴位置)について説明する。図16は、着座部が入浴位置でのロック状態を示す図である。図16に示すように、着座部600が右回りに90度回転して入浴位置に到達すると、ロック部材620の凸部624は第1アーム610の凹部625に自動的に嵌合し、ロック状態となることができる。なお、第1アーム610の略円盤状部分6100の外周には3箇所の凹部625が設けられている。この3箇所の凹部625のうち、真中の凹部625が着座部600が乗降位置にあるときにロック部材620の凸部624と嵌合する凹部625であり、この凹部625を挟んで、両側に等しい距離で他の凹部625が設けられている。これにより、乗降位置と、乗降位置から左方向へ回転させたときの入浴位置と、乗降位置から右方向へ回転させたときの入浴位置のそれぞれの位置で、着座部600をロック状態にすることができる。
また、着座部600が入浴位置に到達すれば、回転規制ピン830の位置は、回転規制孔810の左端に当接する位置まで移動し着座部600は、入浴位置を超えて回転できなくなる。
次に、図17〜図19を用いて、屈折リンク機構のアームの移動状態について説明する。図17は、本発明の一実施形態における入浴介助装置の着座部が乗降位置にあるときの第1アームおよび第2アームを示す説明図であり、図18は、同着座部が乗降位置から入浴位置までの中間位置(移動中)にあるときの第1アームおよび第2アームを示す説明図であり、図19は、同着座部が入浴位置にあるときの第1アームおよび第2アームを示す説明図である。なお、図17〜図19では、上部が洗い場側、下部が浴槽側を示す。
なお、上述のように、第1アーム610は、一端が着座台500に取り付けられ他端が着座部600に連結され、そして、第1アーム610の他端と連結された着座部600は、着座部600の中心でスライダ520と連結され、着座部600が回転することにより、第1アーム610はPを支点として回転し、スライダ520がガイドレール510に沿って、着座部600の位置からP側方向に移動する。つまり、着座部600は回転しながらP側方向に移動することになる(図8参照)。つまり、本実施形態における入浴介助装置1では、着座部600を着座台500に対して回転および移動可能に支持する支持機構に用いられる屈折リンク機構は、第1アーム610、および、着座部600の第1アーム610が連結した点Qとスライダ520が取り付けられた点Rとの間に存在する着座部600そのもので構成した第2アーム720とから構成されている形態となる。そこで、図17〜図19においては、説明の便宜上、第1アーム610を直線PQで示し、第2アーム720を直線QRで示している。
図17に示すように、着座部600が乗降位置にあるときは、第1アーム610(直線PQ)と第2アーム720(直線QR)は、直線状に配置されている。このため、着座部600の移動方向への力に対しては大きな抵抗力が発生する。具体的には、被介助者が着座部600に乗降する際に、着座部600を浴槽側に押す力(着座部600を移動方向に押す力)を加えたとしても、その力の作用点である着座部600の回転中心Rには、浴槽側に押す力と同等逆向きの力が反作用として発生し、これらの力はともに打ち消し合う力として作用するので、着座部600は浴槽側には移動できない。
本実施形態における入浴介助装置1の使用時においては、着座部600が乗降位置にあるときに、浴槽側を背面にして被介助者が着座部600に着座したり、着座部600から立ち上がる際には、この着座部600に、着座部600が浴槽側に移動するような力が作用してしまう。この力によって着座部600が実際に浴槽側へ移動したり、または大きく振動的にがたついたりした場合には、着座部600に乗降しようとする被介助者は、姿勢を崩したり不安を感じてしまい、また、被介助者を支える介助者も負担を強いられるものとなる。本実施形態における入浴介助装置1では、上述のように着座部600が乗降位置にあるときは、第1アーム610(直線PQ)と第2アーム720(直線QR)は、直線状に配置されているので、被介助者を着座部600に乗降させる際、着座部600に浴槽方向への力が働いても着座部600にはその力に対向する大きな抵抗力が発生するように構成されているため、ロック機構によるロックと合わせて乗降位置付近では着座部600が無用に移動したり、大きく振動的にがたついたりすることがなくなり着座部600を極めて安定した状態にできる。これにより、被介助者を乗降位置で着座部600に着座させたり、着座部600から立ち上がる際、着座部600に入浴位置方向への力が働いたとしても、着座部600は被介助者が不安を感じるような違和感のある動き(浴槽側を背面して着座している被介助者が浴槽側に移動するような動きなど)を生じないので、被介助者を不安にさせることなく安定した状態で着座部600に乗降させることができる。また、介助者の負担もこれに伴って当然軽減されることになる。
図18に示すように、着座部600が乗降位置から左回り(反時計回り)に回転および移動して、乗降位置から入浴位置までの中間位置にあるときは、第1アーム610(直線PQ)がPを中心に回転してQの位置が移動し、第2アーム720(直線QR)もQを中心に回転するのでRがスライダ520とともにガイドレール510に案内されて移動する。つまり、直線PRに対して、Qが右側に偏移した位置となる。また、スライダ520は、Rで着座部600に固定されているので、第2アーム720の回転角度分だけ着座部600がRを中心として回転する。なお、着座部600がごく僅かだけ入浴位置方向に移動した場合(着座部600が乗降位置付近にある場合)には、直線PRに対するQの偏移もごく僅かとなり、PとQとRとを結ぶ線は直線状に近くなる。そのため、着座部600が乗降位置にあるときと同様に、着座部600の移動方向への力に対しては大きな抵抗力が発生するので、着座部600を浴槽側に押す力(着座部600を移動方向に押す力)を加えたとしても、着座部600は浴槽側に移動しにくい。
本実施形態における入浴介助装置1の使用時においては、被介助者が浴槽リムを越える際にも、介助者は不安定な姿勢で被介助者を支えている関係上、着座部600に不要な力を作用させてしまう場合が多い。また、被介助者が浴槽リムを越える際は、被介助者も不安定な姿勢であるため、自ら動いてしまうことにより同様に着座部600に不要な力を作用させてしまう場合がある。このような場合でも、本実施形態における入浴介助装置1では、着座部600が乗降位置付近にあるときは、直線PRに対するQの偏移もごく僅かとなり、PとQとRとを結ぶ線は直線状に近くなるので、これらの不要な力に対して大きな抵抗力が作用し、被介助者が浴槽リムを越える領域においても、違和感を伴うような動きを抑えることができ、着座部600を安定させることができる。よって、安定した動きで浴槽リムを越えさせることができる。これにより、被介助者、介助者ともに浴槽リムを越える際の不安や負担を小さくすることができる。
図19に示すように、着座部600が入浴位置に到達すると、第2アーム720(直線RQ)の位置は、着座部600の移動方向(直線RP)に対して90度の位置となる。第2アーム720と着座部600の回転角度は等しいので、入浴位置では、着座部600も乗降位置から90度回転していることになる。このときには、着座部600を移動方向へ押す力に対する抵抗力が最も小さくなるので、着座部600を移動方向に軽く押したり、引いたりするだけで、容易に移動させることができる。
本実施形態における入浴介助装置1の使用時においては、被介助者を入浴位置から乗降位置まで移動させる際には、介助者は少し離れた入浴位置にいる被介助者まで手を伸ばし、被介助者を乗降位置のところまで引き寄せる必要があるが、前かがみで手を伸ばす悪い姿勢でありながら、被介助者を自分の方に引き寄せるためにある程度の力が必要な辛い状況となる。本実施形態における入浴介助装置1では、着座部600が入浴位置にあるときは、第2アーム720(直線RQ)の位置は、着座部600の移動方向(直線RP)に対して90度の位置となり、着座部600を移動方向へ押す力に対する抵抗力が最も小さくなるので、入浴位置にいる被介助者に対して、介助者の姿勢が悪く力をかけにくい状況であっても、小さい力で被介助者を乗降位置まで引き寄せることができるため、介助者の介助性を極めて向上させることができる。また、被介助者の姿勢を崩すような力を与えることもないので、被介助者に不安を与えることがなく、また負担を与えることもなく、スムーズに移動させることができる。また、被介助者を引き寄せる際には、スムーズで速い動きを生じるが、被介助者は安定した姿勢で着座し、浴槽に正対している不安の少ない姿勢であるので、不安を感じることなく、被介助者の体を支えるための無用な負担も必要にならない。
本実施形態では、図17〜図19を用いて着座部600が乗降位置から入浴位置まで左回り(反時計回り)に回転する場合を説明したが、上述のように、着座部600は右回り(時計回り)にも回転することができる。なお、着座部600が右回りに回転する場合、第1アーム610と第2アーム720の連結点Qの直線PRに対する偏移の方向が左側になるだけであり、その他の説明は、左回りに回転する場合と同様であるので、ここでは説明を省略する。
次に、図20および図21を用いて、着座部600の回転角度と横移動量(乗降位置から入浴位置方向への移動距離)の関係について説明する。図20は、本発明の一実施形態における入浴介助装置の第1アームおよび第2アームの回転角度と着座部の横移動量との関係の説明図である。なお、第2アーム720は着座部600上のQR間に存在するので、第2アーム720の回転角度は着座部600の回転角度と等しくなる。
図20上段に示すように、着座部600が乗降位置にあるとき、つまり、第1アーム610と第2アーム720が直線をなすときは、両アームとも回転角度は「0」であり、着座部600の横移動量(第2アーム720の端点Rの移動距離)Lも「0」である。
そして、着座部600が乗降位置から入浴位置までの中間位置にあるときは、着座部600の移動方向に対する第1アーム610の回転角度はα度となり、第2アーム720の回転角度はβ度となる。また、ここで、第1アーム610の長さをA、第2アーム720の長さをBとすると、着座部600の横移動量Lは、L=(A+B)―(A×COSα+B×COSβ)の式で求めることができる(図20下段参照)。
図21は、同第2アームの回転角度と着座部の横移動量との関係を示すグラフ図である。図21では、第1アーム610の長さAが130mm、第2アーム720の長さBが92mmのものを用いている、この場合に、第2アーム720が0度から30度まで回転すると、横移動量Lは、約20mmとなる。その後、30度から60度まで30度回転すると、その間の横移動量は約50mm(70mm−20mm)となり、その後、さらに60度から90度まで30度回転すると、その間の横移動量は約60mm(130mm−70mm)となる。すなわち、図21でも明らかなように、第2アーム720が回転を始めてから30度付近までは、回転角度に対する移動量の比率は小さいが、第2アーム720の回転角度が30度を越えると回転角度に対する移動量の比率が大きくなり、さらに回転角度が大きくなると、回転量に対してほぼ一定の割合で着座部600が横移動することがわかる。
このように、本実施形態における入浴介助装置1では、着座部600が乗降位置付近にあるときは、乗降位置付近から離れた位置にあるときと比較して、着座部600の回転量に対する移動距離の比率を小さくしているので、乗降位置で被介助者を着座部600に着座させたり立ち上がらせたりする際に着座部600に入浴位置方向への力が作用しても、着座部600が入浴位置方向へ移動する距離を小さくできるため、着座部600が、大きくまたは速く入浴位置方向に回転を伴いながら移動することを抑制できる。これにより、被介助者を乗降位置で乗降させる際に、着座部600が入浴位置方向に不安を抱かせるような挙動を起こさない、被介助者を安定した状態で着座部600に乗降させることができるため介助者も被介助者も不安感や負担を感じることを回避できるものである。
また、被介助者が浴槽リムを越える際にも、介助者は不安定な姿勢で被介助者を支えている関係上、着座部600を回転させる不要な力が働いてしまう場合が多い。また、被介助者も不安定な姿勢であるため、自ら動いてしまうことにより同様に着座部600を回転させるような不要な力を作用させてしまう場合がある。このような場合でも、これらの不要な力によって着座部600が回転させられても、その回転量に対する移動距離の比率を小さなものとできるため、被介助者が浴槽リムを越える領域においても、違和感を伴うような動きを抑えることができ、着座部600を安定させることができる。よって、安定した動きで浴槽リムを越えさせることができる。これにより、被介助者、介助者ともに浴槽リムを越える際の不安や負担を小さくすることができる。
一方、被介助者の足が浴槽リムを越えて着座部600が乗降位置付近から離れると、着座部600の回転量に対する移動距離の比率が大きくなるので、介助者は、被介助者を少し回転させるだけで大きく移動させることができ、被介助者を容易かつスムーズに入浴位置まで移動させることができる。なお、浴槽リムを越えた領域は、被介助者の姿勢も足を湯船に落とし、しっかりと着座している状況であり、さらに浴槽は背後ではなく略正対して視認できるので、大きな不安を感じることもない。このように、浴槽リムを越えた領域では速くスムーズに動かしても、不安を抱いたり姿勢を崩すということはなく、却って不安定な移動の動作を早く終了させることが不安や負担を軽くすることになる。
以上のように、本実施形態における入浴介助装置によれば、操作に対する繊細な動作によって今までにはない使いやすい入浴介助装置を実現でき、それゆえ、被介助者および介助者の両方の負担を大幅に軽減させることができる。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の一実施形態における入浴介助装置を取り付けた状態を示す斜視図である。 本発明の一実施形態における入浴介助装置の着座部が乗降位置にある状態を示す図である。 同着座部が乗降位置から入浴位置までの中間位置(移動中)にある状態を示す図である。 同着座部が入浴位置にある状態を示す図である。 本発明の一実施形態における入浴介助装置のフレーム部の内部構成図である。 本発明の一実施形態における入浴介助装置のシートが下降した状態を示す図である。 本発明の一実施形態における入浴介助装置の一部分解斜視図である。 本発明の一実施形態における入浴介助装置の着座台および着座部(乗降位置)を示す図である。 本発明の一実施形態における入浴介助装置の着座部が右回転規制で乗降位置にある状態を示す図である。 着座部のロックが解除され、ロック解除状態が保持されている状態を示す図である。 着座部のロック解除状態の保持が解除される状態を示す図である。 着座部が入浴位置でのロック状態を示す図である。 本発明の一実施形態における入浴介助装置の着座部が左回転規制で乗降位置にある状態を示す図である。 着座部のロックが解除され、ロック解除状態が保持されている状態を示す図である。 着座部のロック解除状態の保持が解除される状態を示す図である。 着座部が入浴位置でのロック状態を示す図である。 本発明の一実施形態における入浴介助装置の着座部が乗降位置にあるときの第1アームおよび第2アームを示す説明図である。 同着座部が乗降位置から入浴位置までの中間位置(移動中)にあるときの第1アームおよび第2アームを示す説明図である。 同着座部が入浴位置にあるときの第1アームおよび第2アームを示す説明図である。 本発明の一実施形態における入浴介助装置の第1アームおよび第2アームの回転角度と着座部の横移動量との関係の説明図である。 同第2アームの回転角度と着座部の横移動量との関係を示すグラフ図である。
符号の説明
1 入浴介助装置
10 フレーム
50 シート
100 ベース部
200 アーム部
300 昇降装置
500 着座台
510 ガイドレール
520 スライダ
600 着座部
610 第1アーム
6100 略円盤状部分
620 ロック部材
624 凸部
625 凹部
626 突起部
630 ロック解除操作レバー
640 バネ
650 L字穴
660 ロック解除保持ピン
670 ロック解除状態保持解除部
720 第2アーム
810 回転規制孔
820 回転規制ピン挿着穴
830 回転規制ピン
W ワイヤ

Claims (3)

  1. 浴槽リム側に位置し被介助者を乗降させる乗降位置から、浴槽中央側に位置し被介助者を入浴させる入浴位置まで、着座部が回転しながら移動し、前記入浴位置で着座部が昇降可能な入浴介助装置において、
    浴槽リムに載置されるフレームと、
    該フレームに取り付けられた着座台と、
    該着座台に載置された着座部と、
    該着座部を回転および移動可能に支持する支持機構と、を備え、
    該支持機構は、
    前記乗降位置および前記入浴位置の各位置で、前記着座部の回転および移動ができないロック状態にすることができるロック機構と、
    前記着座部の前記ロック状態が解除されたときに、前記乗降位置および前記入浴位置でロック解除状態を保持できるロック解除保持機構と、を有することを特徴とする入浴介助装置。
  2. 前記ロック解除保持機構は、前記着座部を前記乗降位置および前記入浴位置から所定量回転させることにより、前記ロック解除状態の保持が解除されるように構成されていることを特徴とする請求項1記載の入浴介助装置。
  3. 前記着座部は、前記乗降位置から前記入浴位置まで、左右いずれの回転方向に回転させても移動可能であり、
    前記ロック機構は、前記乗降位置と、該乗降位置から左方向へ回転させたときの前記入浴位置と、該乗降位置から右方向へ回転させたときの前記入浴位置のそれぞれの位置で、前記着座部を前記ロック状態にすることができるとともに、前記ロック解除保持機構は前記着座部の左右いずれの回転方向に対しても所定量回転させた時にロック解除状態の保持が解除されるように構成されていることを特徴とする請求項2記載の入浴介助装置。
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