JP2009016567A - 気相成長装置及び気相成長方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】チャンバ内に配置されたホルダ102は、その中央部に凹部108が形成された円板状の部材、或いは、ホルダ102の中央部に凹部108が形成され且つその底面中央部に開口部109が形成されたリング状の部材で構成され、ホルダ102の内周壁面に環状の第1の凸部110が設けられ、ホルダ102の凹部108の底面117に形成された第2の凸部111が設けられることを特徴とする。これにより、ホルダ102は接触面積が小さい状態でウェハ101を支持することができ、気相成長を行なった場合にウェハ101のホルダ102への貼りつきを低減することができる。
【選択図】図2
Description
シリコンウェハ等の半導体基板に単結晶膜を成膜させるエピタキシャル成長には、一般に常圧化学気相成長法が用いられ、場合によっては減圧化学気相成長(LPCVD)法が用いられている。
これらの気相成長方法は、シリコンウェハ等の半導体基板が配置された気相成長反応炉内を、常圧(0.1MPa(760Torr))、或いは減圧に保持した状態で、半導体基板を加熱し回転させながらシリコン源と、ボロン化合物、リン化合物或いは砒素化合物等のドーパントとを含む原料ガスを供給する。そして加熱された半導体基板の表面で、原料ガスの熱分解反応或いは水素還元反応が行なわれ、ボロン(B)、リン(P)、或いは砒素(As)がドープされた気相成長膜が成膜される(特許文献1参照)。
基板支持台302は、チャンバ303外に設けられた図示しない回転機構に接続する回転胴316の上部に取り付けられている。回転胴316は、半導体基板301を直交する中心線を軸として回転し、これに付随して基板支持台302に載置した半導体基板301が回転する。
また、基板支持台302は、例えば、そのに凹部308を有し、且つ凹部308の中央部に、凹部308の内径より小さい直径で形成された貫通した開口部309を有するリング状の部材で構成されている。凹部308は、所定の深さに形成され、基板301は凹部308の底面で支持される。支持台302の直下に設けられたヒータ304は、支持台302が開口されているために、より基板301を加熱しやすい構成になっている。かかる状態で基板301を回転させながら、結晶膜の原料成分を含んだプロセスガスを、ガス供給部305から供給する。この時、ガス供給部305の直下にシャワーヘッド306が設けられているため、基板301に対して均等にプロセスガスを供給することができる。そして、加熱された基板301表面において熱分解反応或いは水素還元反応によって、シリコン結晶膜を成膜させる。なお、結晶膜の成膜に不要になったガスは、ガス排気部307から排気される。
凹部308の底面に載置された半導体基板301は、図14に示すように、半導体基板301の側面部から下面部にかけて成膜された結晶膜320aと、基板支持台302の表面から凹部308の底面にかけて成膜された結晶膜320bとが接触し、特に半導体基板301の端部で、比較的厚い結晶膜320c(図14太斜線部)が成膜される。その厚い結晶膜320cによって、半導体基板301が基板支持台302に貼りついてしまう。ここで、半導体基板301表面、凹部308の底面、基板支持台302の内周壁面310及び上面への成長速度は、半導体基板301表面、基板支持台302の上面が大きく、半導体基板301の側面部、基板支持台302の内周壁面310及び凹部308の底面が小さい。しかしながら、半導体基板301の裏面側端部と、凹部308の底面の成長が重畳するため、上述したように、半導体基板301の裏面端部に比較的厚い結晶膜320cが形成されてしまう。この結晶膜320cは、比較的厚いだけでなく、基板301の裏面奥深くにまで入り込み、半導体基板301の裏面と凹部308との強固な貼りつきを生じさせる。
気相成長を行なう空間を形成するチャンバと、
チャンバ内に配置された基板支持台と、
チャンバ内に気相成長によって成膜するためのプロセスガスを供給するガス供給部と、
成膜後のプロセスガスをチャンバ内から排気するガス排気部とを備えた気相成長装置であって、
基板支持台は、その中央部に凹部が形成された円板状の部材、或いは、基板支持台の中央部に凹部が形成され且つその底面中央部に開口部が形成されたリング状部材で構成され、
基板支持台の内周壁面に、内周壁面から内側に突出するように形成された環状の第1の凸部が設けられ、
基板支持台の凹部の底面から上方に向かって形成された第2の凸部が設けられていることを特徴とする。
気相成長を行なう空間を形成するチャンバと、
チャンバ内に配置された基板支持台と、
チャンバ内に気相成長によって成膜するためのプロセスガスを供給するガス供給部と、
成膜後のプロセスガスをチャンバ内から排気するガス排気部とを備えた気相成長装置であって、
基板支持台は、その中央部に凹部が形成された円板状の部材、或いは、基板支持台の中央部に凹部が形成され且つその底面中央部に開口部が形成されたリング状部材で構成され、
基板支持台の内周壁面に、内周壁面から内側に突出するように形成された環状の第1の凸部が設けられ、
基板支持台の凹部の底面から上方に向かって形成された第2の凸部が設けられていることを特徴とする気相成長装置を用いて、基板支持台に載置される基板上に気相成長を行うことを特徴とする。
まず、実施形態1について図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本実施形態の気相成長装置を示す概念図である。
図1に示す気相成長装置100には、半導体基板の一例であるウェハ101を載置する基板支持台の一例であるホルダ102を収容するチャンバ103が備えられている。ホルダ102は、チャンバ103外に設けられた図示しない回転機構と接続する回転胴116の上部に取り付けられている。回転胴116は、ウェハ101を直交する中心線を軸として回転し、これに付随してホルダ102に載置されたウェハ101も回転する。
ホルダ102の直下には、ホルダ102に載置されたウェハ101を裏面から加熱するようにヒータ104が配置されている。
チャンバ103の上部には、加熱されたウェハ101表面に結晶膜を生成するための原料成分を含むプロセスガスをチャンバ103内に供給するガス供給部105が備えられている。ガス供給部105は、ホルダ102の上方にウェハ101表面と対向して配置されたシャワーヘッド106と連結し、ウェハ101表面にプロセスガスを均等に供給する。
また、チャンバ103下部には、結晶膜の成膜に不要になったプロセスガスをチャンバ103外へと排気するガス排気部107が備えられている。
図1では、実施形態1を説明する上で必要な構成以外を省略しており、縮尺等も実物とは一致させていない。以下、各図面において同様である。
ホルダ102は、円板状の部材の中央部に所定の深さの凹部108が形成され、且つ、凹部108の底面中央部に、凹部108の内径より小さい直径で開口部109が形成される。即ち、ホルダ102は、リング状に構成されているため、ホルダ102の直下に配置されたヒータ104によってウェハ101を加熱しやすい構成である。
ホルダ102には、凹部108が形成されているため、所定の高さの内周壁面が形成されている。この内周壁面には、ウェハ101の側面部115を全周にわたって取り囲むように近接して配置された第1の凸部110が形成されている。第1の凸部110の断面の形状は、ホルダ102の内側に向いた三角形状に形成されている。即ち、第1の凸部110は、ホルダ102の内周壁面から内側に突出するように形成されている。
図5に示すように、ウェハ101と第1の凸部110とが接触した場合では、互いに接触する面積は小さい。したがって、先端部114とウェハ101の側面部115とが接触した状態で気相成長を行なっても、ウェハ101表面に成膜された結晶膜とホルダ102に生成された結晶膜との接触する領域も小さい。そのため、ウェハ101の側面部115でのホルダ102への貼りつきを低減させることができる。また、貼りつきが生じたとしても、接触する結晶膜の領域が小さいため、ホルダ102からウェハ101を取り外すことはたやすい。
図4に示す先端部114の位置の高さの値を、凹部108の底面117から先端部114までの距離A1から、第2の凸部111の高さB1を除いた距離X1(ウェハ101下端からウェハ101と先端部114との接点の高さ位置までの距離)とする。
ウェハ101の厚みをtとしたとき、先端部114の位置の高さX1は 0.3t≦X1≦0.5t とすると好適である。具体的には、例えば直径200mmのウェハの場合、厚さtは0.725mmであるので、X1の範囲は0.2175mm(217.5μm)以上0.3625mm(362.5μm)以下となる。この状態でウェハ101の側面部115と先端部114とが接触したとき、安定してウェハ101の側面部を支持することができる。即ち、上述した範囲以外の高さに先端部114を設けると、先端部114と曲面状であるウェハ101の側面部115とを接触させても、ウェハ101の表面に対して略水平方向の遊動を拘束することができない。
この状態では、気相成長終了後にウェハ101を搬出する際に第1の凸部110自体が障害となり、ホルダ102から取り外しにくくなってしまう。また、ウェハ101とホルダ102とが面接触してしまっては、ホルダ102の内周壁面に第1の凸部110を設ける意義が失われてしまう。
更に、X1の値が0に近い場合では先端部114はウェハ101の側面部115と接触できず、ウェハ101の側面部115と凸部上面部112とが接触してしまう。ウェハ101とホルダ102とが面接触してしまっては、X1の値が高すぎる場合と同様に、ホルダ102の内周壁面に第1の凸部110を設ける意義が失われてしまう。
また、凸部下面部113が成す直線L2と直線Vとによって形成される傾斜角Zは、0°<Z≦45°とすると好適である。
上述した範囲の傾斜角が付けられた凸部上面部112と凸部下面部113が形成する第1の凸部110は、ウェハ101の側面部115を線接触のような小さい接触面積で支持する。そのため、図5に示すように、ウェハ101の側面部115とホルダ102とが接触している状態で気相成長を行なっても、ウェハ101のホルダ102への貼りつきを低減させることができる。
図6は本実施形態のホルダ102の他の態様の一例を上方から示した概念図である。
第1の凸部110は、ホルダ102に載置されたウェハ101を支持するとき、より少ない接触面積で支持することが望ましい。このため、第1の凸部110とウェハ101との接触面積を更に少なくするため、図6に示すように等間隔に複数箇所第1の凸部110aを配置してもよい。第1の凸部110は、円環状であり、円形のウェハ101に対して所定の領域の線接触で支持することができる。しかし、ここで図示したホルダ102の内周壁面に等間隔に複数個配置する第1の凸部110aは、線接触する領域が更に小さくなる。これにより、ウェハ101の側面部115とホルダ102との貼りつきをより一層低減させることができる。
図2及び図3に示すように、凹部108の底面117にはウェハ101を裏面から接触して支持する第2の凸部111が設けられている。
このとき、第2の凸部111の直径φは0.5mmから2mm程度とすると好適である。
また、ウェハ101が第2の凸部111との接触部分においてホルダ102と貼りついたとしても、互いに接触している結晶膜の領域が小さいため、貼りつきは強固ではない。そのため、ウェハ101をホルダ102から取り外すことはたやすく、取り外す際にウェハ101を破損しにくい。
さらに、ウェハ101の表面や側面部115に生成された比較的薄い結晶膜の部分に、ウェハ101とホルダ102との貼りつきに起因する傷がつくと、その後の作業工程において、この傷がきっかけとなってウェハ101を破損させることがある。しかし、本実施形態においては、貼りつきの起こる部分がウェハ101の裏面であるため、その後の作業工程においてウェハ101が破損する虞を低減させることができる。
即ち、第2の凸部111の高さが上述の範囲内であれば、高性能な半導体素子を製造する際に必要とされる膜厚の大きな結晶膜を生成させても、凹部108の底面117に生成される結晶膜がウェハ101の裏面に到達して、ウェハ101とホルダ102とが貼りつくことはない。
つまり、第2の凸部111は、ウェハ101に生成させる結晶膜の厚さ以上の高さに形成されていることが望ましい。
図7に示すように、凹部108の底面117に形成された第2の凸部111aの断面は、上向きに形成された三角形状であり、ウェハ101の裏面と第2の凸部111aの頂点を接触させて支持する。そして、図8に示すように、第2の凸部111aは凹部108の底面117に円環の稜線状に形成される。
図9に示すように、底面117に形成された第2の凸部111bは、三角柱の長方形の一面を底面117に接する状態で形成されている。そして、図10に示すように、第2の凸部111bは凹部108の底面117に略等間隔に6箇所配置される。第2の凸部111bは、ホルダ102の中心に対して放射状に配置されることによって、ウェハ101を安定して支持することができる。
この態様では第2の凸部111bを6箇所配置されているが、上述した円筒形の第2の凸部111と同様に3箇所以上配置されてあればよい。第2の凸部111bを配置する個数の多少による特徴は、上述した円筒形の第2の凸部111に対して述べた説明と同様であるため、ここでは説明を省略する。
ウェハ101表面に供給されたプロセスガスはウェハ101表面に沿って略水平に流れる。このとき凹部108の深さdがt+B1と同一以下であれば、ホルダ102の内周壁面がプロセスガスの流れを妨げず、乱流しない。
このとき、上述した本実施形態の特徴によって、長時間、或いは膜厚の大きい結晶膜を成膜させる気相成長を行なっても、ウェハ101がホルダ102に貼りつきにくくすることができる。
図12は本実施形態のホルダ202の形状を説明するために示す概念図である。
本実施形態のウェハ201は側面部215が平坦な面及びウェハ201表面に対し、所定の角度が付けられた複数の斜面を組み合わせて構成されている。ウェハ201をホルダ202に載置したとき、ホルダ202の側端部である平坦な側面部215は、ウェハ201の表面及び凹部208の底面217に対し略垂直である。
図12に示す先端部214の位置の高さの値を、凹部208の底面217から先端部214までの距離A2から、第2の凸部211の高さB2を除いた距離X2(ウェハ201下端からウェハ201の平坦な側面部215と先端部214との接点の高さ位置までの距離)とする。
このとき、先端部214の位置の高さX2は、0.3t≦X2≦0.7t とすると好適である。即ち、先端部214がウェハ201の平坦な側面部215を捉えることができる範囲である。具体的には、例えば直径200mmのウェハの場合、厚さtは0.725であるので、X2の範囲は0.2175mm(217.5μm)以上0.5075mm(507.5μm)以下となる。この状態であれば、先端部214が平坦な側面部215に対向する状態で接触するため、ウェハ201を安定して支持することができる。
但し、気相成長に用いるウェハによって側面部の平坦な側面部の大きさが変わる場合には、これに則して先端部214の位置を変えればよい。つまり、ウェハ201の平坦な側面部215と先端部214とが対向して配置されていれば良い。
よって、本実施形態では第2の凸部211の高さは、先端部214の高さX2の11分の1以上、5分の1以下とすると好適である。先端部214の高さX2の値が0.7tに近ければ、これに対する第2の凸部211の高さの比率は小さいものとなり、0.3tに近ければ、これに対する第2の凸部211の高さの比率は大きいものとなる。言い換えれば、実施形態1に述べた第2の凸部111の高さB1と実施形態2に用いる第2の凸部211の高さB2は実質的に同一でも良い。ここでは、第2の凸部211の高さB2を説明するために用いた先端部214の位置の範囲が実施形態1の先端部114の範囲に比べて広いため、相対的に第2の凸部211の高さB2を示す数値が小さく表されるだけである。
つまり、実際にウェハ201に生成される結晶膜の膜厚が実施形態1において述べたものと同一である場合、第2の凸部211の高さB2は実施形態1の第2の凸部111の高さB1と実質的に同一であればウェハ201の裏面でのホルダ202への貼りつきを低減させることができる。
101、201…ウェハ
102、202…ホルダ
103…チャンバ
104…ヒータ
105…ガス供給部
106…シャワーヘッド
107…ガス排気部
108、208…凹部
109…貫通孔
110、210…第1の凸部
111、111a、111b…第2の凸部
112、212…凸部上面部
113、213…凸部下面部
114、214…先端部
115、215…側面部
116…回転胴
117…底面
Claims (5)
- 気相成長を行なう空間を形成するチャンバと、
前記チャンバ内に配置された基板支持台と、
前記チャンバ内に気相成長によって成膜するためのプロセスガスを供給するガス供給部と、
成膜後のプロセスガスを前記チャンバ内から排気するガス排気部とを備えた気相成長装置であって、
前記基板支持台は、その中央部に凹部が形成された円板状の部材、或いは、前記基板支持台の中央部に凹部が形成され且つその底面中央部に開口部が形成されたリング状の部材で構成され、
前記基板支持台の内周壁面には、前記内周壁面から内側に突出するように形成された環状の第1の凸部が設けられ、
前記基板支持台の前記凹部の底面から上方に向かって形成された第2の凸部が設けられていることを特徴とする気相成長装置。 - 前記第1の凸部は、断面が三角形状をしている環状の凸部であることを特徴とする請求項1に記載の気相成長装置。
- 前記第2の凸部は、円筒状、角柱状、角錐状、円錐状、半球状のいずれかの形状であることを特徴とする請求項1或いは請求項2に記載の気相成長装置。
- 前記第2の凸部は、略等間隔に設けられることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載の気相成長装置。
- 請求項1記載の気相成長装置を用いて、前記基板支持台に載置される基板上に気相成長を行うことを特徴とする気相成長方法。
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