JP2009013886A - スタータ - Google Patents

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Abstract

【課題】低温時の良好なエンジン始動性を確保でき、且つ、常温時での始動時間を短縮できるスタータを提供する。
【解決手段】二組の減速機に用いられる二つのインターナルギヤ25、29の外周に同軸状に配設される係合部材34と、この係合部材34を軸方向反モータ側へ駆動する電磁コイル35と、係合部材34を軸方向モータ側へ付勢するリターンスプリング37とを備える。電磁コイル35がOFFの状態では、リターンスプリング37に付勢された係合部材34が軸方向モータ側へ移動して第1のインターナルギヤ25と機械的に係合することにより、第1のインターナルギヤ25の回転が規制されて、第1の減速比が選択される。一方、電磁コイル35をONして係合部材34を軸方向反モータ側へ駆動すると、係合部材34との係合により第2のインターナルギヤ29の回転が規制されて、第2の減速比が選択される。
【選択図】図2

Description

本発明は、二組の遊星歯車減速機を有する減速型スタータに関する。
従来、モータの回転を減速する遊星歯車減速機を備え、この減速機の減速比を一段に固定した(減速比を変更できない)スタータが公知である(特許文献1参照)。
一段の減速比は、エンジンのフリクションが最も大きくなるスタータの最低使用温度条件(概ね−20℃以下)における必要トルクから決められることが一般的である。このため、エンジンのフリクションが小さくなる常温での始動時には、モータの必要トルクが小さく、モータの性能曲線上の作動点が軽負荷側に移って出力が低下することにより、回転数が大きく上昇しない。
一方、エンジンの始動に要する時間は、スタータの始動回転数の影響を受け、回転数が高い程、始動時間を短縮できる。スタータの始動回転数が高くなると、始動時の車体振動が低減することにより、運転者の体感上の快適性が向上すると共に、排気ガス低減にも寄与できる。常温においてスタータの始動回転数を上げるためには、減速機の減速比を低温時より下げることが有効である。すなわち、減速比を二段に設定して、常温時と低温時とで減速比を切り替えることにより達成できる。
この減速比を二段に切り替えるための手段として、特許文献2、3に示される従来技術がある。
特開昭61−28756号公報 特開昭61−236951号公報 特開昭61−282650号公報
ところが、特許文献1に示される従来技術では、部品点数が多く、構造が複雑であるため、減速装置が大きくなり、小型化が要求されるスタータへの適用は困難である。また、減速比が低減速比=1(入力軸と出力軸とが同回転数)と高減速比=n(但し、10<n<1)であって、低減速比=1ではトルク不足となるため、常温でのエンジン始動にも適していない。
一方、特許文献2には、異なる減速比を有する二段の遊星歯車機構を設け、その遊星歯車機構のインターナルギヤを固定するために、インターナルギヤの外周をブレーキバンドにより締め付けて制動を掛ける方法が記載されている。
しかし、二つのインターナルギヤに対する制動および制動の解除を行うために2本のブレーキバンドが必要であり、その2本のブレーキバンドをどの様に操作するのか明らかでない。また、ブレーキバンドを操作するための駆動手段も開示されていないため、スタータへの適用は困難である。
本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的は、低温時での良好なエンジン始動性を確保でき、且つ、常温時での始動時間を短縮できるスタータを提供することにある。
(請求項1の発明)
本発明は、モータの電機子軸上に異なる減速比を有する二組の遊星歯車減速機が並設され、どちらか一方の減速機を選択してモータの回転速度を減速するスタータであって、二組の減速機に用いられる二つのインターナルギヤの外周に同軸状に配設されると共に、スタータ内部の固定部材に係合して周方向に回動不能、且つ、軸方向に移動可能に設けられ、二つのインターナルギヤのどちらか一方と機械的に係合して、そのインターナルギヤの回転を規制する係合部材を備え、この係合部材を軸方向に移動させることにより、回転規制するインターナルギヤを切り替えて減速比を変更することを特徴とする。
本発明によれば、二つのインターナルギヤの外周に同軸状に配設された係合部材を軸方向に移動させることにより、二つのインターナルギヤのどちらか一方と機械的に係合して、そのインターナルギヤの回転を規制することができる。これにより、スタータの使用条件(例えば外気温度)等に応じて回転規制するインターナルギヤを選択的に切り替えることにより、低減速比と高減速比とを使い分けることができる。
また、係合部材を軸方向に移動させるだけで、回転を規制するインターナルギヤと、回転を許容するインターナルギヤとを容易に切り替えることができる、すなわち、一方のインターナルギヤの回転が規制されると、他方のインターナルギヤの回転が許容され、他方のインターナルギヤの回転が規制されると、一方のインターナルギヤの回転が許容されるので、部品点数の少ない簡素な構成で、二つのインターナルギヤの回転規制および回転規制の解除を行うことができる。
(請求項2の発明)
請求項1に記載したスタータにおいて、二つのインターナルギヤのうち、軸方向モータ側に配置される第1のインターナルギヤには、軸方向反モータ側の外周に凹凸部が形成され、軸方向反モータ側に配置される第2のインターナルギヤには、軸方向モータ側の外周に凹凸部が形成され、係合部材の内周には、第1のインターナルギヤに形成された凹凸部に係合可能な第1の凹凸部と、第2のインターナルギヤに形成された凹凸部に係合可能な第2の凹凸部とが形成され、係合部材を軸方向モータ側へ移動させることにより、第1の凹凸部が第1のインターナルギヤの凹凸部に係合して第1のインターナルギヤの回転が規制され、係合部材を軸方向反モータ側へ移動させることにより、第2の凹凸部が第2のインターナルギヤの凹凸部に係合して第2のインターナルギヤの回転が規制されることを特徴とする。
例えば、二つのインターナルギヤの軸方向反対側の外周にそれぞれ凹凸部が形成される場合、具体的には、第1のインターナルギヤの軸方向モータ側の外周と、第2のインターナルギヤの軸方向反モータ側の外周とにそれぞれ凹凸部が形成されると、係合部材には、第1の凹凸部と第2の凹凸部とを軸方向に離して形成する必要がある。つまり、二つのインターナルギヤを軸方向に跨いで、その軸方向両側に第1の凹凸部と第2の凹凸部とを形成するため、係合部材の軸方向長さが長くなる。
これに対し、本発明では、第1のインターナルギヤと第2のインターナルギヤとが軸方向に向かい合う側の外周にそれぞれ凹凸部が形成されるので、第1の凹凸部と第2の凹凸部とを軸方向に近接して形成することができ、係合部材の軸方向長さを短くすることが可能である。
(請求項3の発明)
請求項1または2に記載したスタータにおいて、係合部材は、第1の凹凸部と第2の凹凸部とが軸方向に連続して一体に設けられていることを特徴とする。
本発明では、第1の凹凸部と第2の凹凸部とを一体に設けることにより、加工工数を低減でき、コスト低減に寄与できる。
(請求項4の発明)
請求項1〜3に記載した何れかのスタータにおいて、二つのインターナルギヤは、軸方向に対向する両者の端面同士が相対回転自在に凹凸嵌合していることを特徴とする。
この場合、二つのインターナルギヤの軸心を一致させることができるので、係合部材による二つのインターナルギヤの切り替えをスムーズに行うことが可能である。
(請求項5の発明)
請求項1〜4に記載した何れかのスタータにおいて、二つのインターナルギヤのうち、少なくとも一方は、樹脂材料により構成されていることを特徴とする。
二つのインターナルギヤのうち、どちらか一方は、係合部材との係合が解除されて空転するため、インターナルギヤに質量の小さい樹脂材料を用いることで、空転するインターナルギヤの回転アンバランスによる影響を小さくでき、振動を抑制できる。
(請求項6の発明)
請求項1〜5に記載した何れかのスタータにおいて、通電時に電磁石を形成し、その電磁石の磁力を利用して係合部材を軸方向の一方に移動させる電磁コイルと、この電磁コイルへの通電が停止して電磁石の磁力が消滅した時に、係合部材を軸方向の他方へ押し戻すためのリターンスプリングとを有し、電磁コイルは、二つのインターナルギヤのうち、軸方向モータ側に配置される第1のインターナルギヤのモータ側、または、軸方向反モータ側に配置される第2のインターナルギヤの反モータ側に近接して配設されていることを特徴とする。
上記の構成によれば、電磁コイルとリターンスプリングとによる簡素な構成で係合部材を軸方向に移動させることにより、二つのインターナルギヤの回転規制および回転規制の解除を行うことができる。
また、電磁石の吸引力に頼ることなく、係合部材との機械的な係合によってインターナルギヤの回転を規制できるので、電磁コイルを小型化できる。つまり、電磁コイルは、係合部材を軸方向の一方に移動できるだけの吸引力(磁力)を発生できれば良いので、大きな吸引力は不要であり、小型化が可能である。
さらに、その小型化された電磁コイルをインターナルギヤの軸方向に近接して配置することにより、電磁コイルを使用することによる径方向の大型化を回避できる。
(請求項7の発明)
請求項6に記載したスタータにおいて、係合部材は、電磁石に吸引される強磁性体により構成されていることを特徴とする。
この場合、電磁石の吸引力によって係合部材を直接駆動できるので、部品点数を少なくでき、構造の簡素化を図ることが可能である。
(請求項8の発明)
請求項6または7に記載したスタータにおいて、電磁コイルが発生する磁束を通す固定ヨークを備え、この固定ヨークは、二つのインターナルギヤのうち、どちらか一方のインターナルギヤと電磁コイルとの間に配設されるリング状磁路部を有し、係合部材は、リング状磁路部の外周を軸方向に延設された円筒鉄心部を有し、この円筒鉄心部の内周部がリング状磁路部の外周部に凹凸係合して周方向に回動規制され、且つ、軸方向に移動可能に設けられていることを特徴とする。
上記の構成によれば、係合部材の回動を規制するために、固定ヨーク以外の部品を新たに設ける必要はなく、固定ヨークを利用して係合部材の回動を規制でき、且つ、軸方向の移動を可能にできるので、部品点数の増加を抑制できる。この固定ヨークは、請求項1の発明に記載した「スタータ内部の固定部材」に該当する。
また、円筒鉄心部の内周部とリング状磁路部の外周部とを凹凸係合させることにより、円筒鉄心部の内周面とリング状磁路部の外周面との対向面積が大きくなるため、磁気抵抗が減少して、電磁コイルの吸引力を向上できる。
(請求項9の発明)
請求項6〜8に記載した何れかのスタータにおいて、係合部材は、電磁コイルの非通電時に、二組の減速機のうち、低減速比側の減速機に用いられるインターナルギヤの回転を規制し、電磁コイルの通電時に、高減速比側の減速機に用いられるインターナルギヤの回転を規制することを特徴とする。
これにより、電磁コイルへの通電と通電停止(非通電)に応じて、低減速比側の減速機と高減速比側の減速機とを切り替えて使用できる。
(請求項10の発明)
請求項6〜8に記載した何れかのスタータにおいて、係合部材は、電磁コイルの非通電時に、二組の減速機のうち、使用頻度の多い側の減速機に用いられるインターナルギヤの回転を規制し、電磁コイルの通電時に、使用頻度の少ない側の減速機に用いられるインターナルギヤの回転を規制することを特徴とする。
これにより、電磁コイルへの通電に要する電気エネルギーを最小限に抑えることが可能である。
(請求項11の発明)
請求項9または10に記載したスタータにおいて、電磁コイルは、外気温度が0℃より高い時に非通電とされ、外気温度が0℃以下の時に通電されることを特徴とする。
この場合、外気温度に応じて減速比を切り替えて使用できる。すなわち、外気温度が0℃より高い時は、低減速比側の減速機を使用することにより、スタータの駆動回転数が上昇して、エンジン始動時間の短縮を図ることが可能である。一方、外気温度が0℃以下の時は、高減速比側の減速機を使用することにより、エンジンのフリクションが大きくなっても、良好なエンジン始動性を確保できる。
本発明を実施するための最良の形態を以下の実施例により詳細に説明する。
図1はスタータ1の部分断面図である。
本実施例のスタータ1は、図1に示す様に、回転力を発生するモータ2と、このモータ2の回転を減速して出力軸3に伝達する二段の減速装置(後述する)と、この減速装置の減速比を切り替えるための切替え装置(後述する)と、出力軸3の外周にクラッチ4と一体に配置されるピニオンギヤ5と、モータ2の通電回路に設けられるメイン接点(図示せず)を開閉すると共に、シフトレバー6を介してクラッチ4とピニオンギヤ5を一体に軸方向に移動させる働きを有する電磁スイッチ7と、エンジン側に固定されるフロントハウジング8等より構成される。
モータ2は、電機子9に通電される電流を回転位相に応じて切り替えるための整流子とブラシ(図示せず)を有する周知の整流子電動機である。電機子9は、回転力を出力する電機子軸9aを有し、この電機子軸9aの反整流子側(図1の左側)の先端部が、出力軸3のモータ側端部に穿設された空洞部の内周に軸受10を介して相対回転自在に挿入され、電機子軸9aの後端部が、エンドフレーム11に固定された軸受(図示せず)により回転自在に支持されている。
出力軸3は、電機子軸9aと同一軸線上に配置され、モータ側の端部が、フレーム部材12の内径側に固定された軸受13により回転自在に支持され、反モータ側の端部が、フロントハウジング8の先端部に固定された軸受14により回転自在に支持されている。フレーム部材12は、フロントハウジング8に設けられた円筒壁部8aの内周に嵌合して、周方向に回動不能に固定されている。
クラッチ4は、出力軸3の外周にヘリカルスプライン嵌合して、エンジン始動時に出力軸3の回転をピニオンギヤ5に伝達する。また、ピニオンギヤ5がエンジンによって回された時、つまり、ピニオンギヤ5の回転速度が出力軸3の回転速度を上回ると、ピニオンギヤ5の回転が出力軸3に伝わらない様に、両者間の動力伝達を遮断する一方向クラッチとして構成されている。
ピニオンギヤ5は、エンジンのリングギヤ(図示せず)に噛み合わされた後、クラッチ4を介して伝達される回転力によりリングギヤを駆動する。
電磁スイッチ7は、始動スイッチ(図示せず)の閉操作によってバッテリから通電されるスイッチコイル(図示せず)と、このスイッチコイルの内周側を可動するプランジャ15とを有し、スイッチコイルへの通電によって電磁石が形成されると、その電磁石にプランジャ15が吸引されてメイン接点を閉操作する。また、スイッチコイルへの通電が停止して吸引力が消滅すると、図示しないスプリングの反力によりプランジャ15が押し戻されてメイン接点を開操作する。
メイン接点は、電磁スイッチ7に取り付けられる2本の外部端子16、17を介してモータ回路に接続される一組の固定接点(図示せず)と、プランジャ15と一体に可動して一組の固定接点間を断続する可動接点(図示せず)とで形成され、この可動接点を通じて一組の固定接点間が導通することでメイン接点が閉状態となり、一組の固定接点間の導通が遮断されることでメイン接点が開状態となる。
シフトレバー6は、レバーホルダ18により回動自在に支持されるレバー支点部6aを有し、このレバー支点部6aより一端側のレバー端部が電磁スイッチ7のプランジャ15に取り付けられたシフト用ロッド19に連結され、レバー支点部6aより他端側のレバー端部がクラッチ4に係合して、プランジャ15の動きをクラッチ4に伝達する働きを有する。
続いて、減速装置について説明する。
減速装置は、図2に示す様に、電機子軸9aに形成された第1のサンギヤ20を中心に構成される第1の遊星歯車減速機(第1の減速機と呼ぶ)と、同じく、電機子軸9aに形成された第2のサンギヤ21を中心に構成される第2の遊星歯車減速機(第2の減速機と呼ぶ)とを有している。なお、第1の減速機に設定される減速比を第1の減速比、第2の減速機に設定される減速比を第2の減速比と呼ぶ時に、第1の減速比より第2の減速比の方が大きく設定される。
第1のサンギヤ20と第2のサンギヤ21は、第2のサンギヤ21の方が第1のサンギヤ20より電機子軸9aの先端側(図2の左側)に形成され、且つ、第1のサンギヤ20の方が第2のサンギヤ21より歯先径が大きく、歯数が多く設けられている。
第1のサンギヤ20の外周には、軸受22を介して遊星ピン23に回転自在に支持された第1の遊星ギヤ24が複数個噛み合わされ、その第1の遊星ギヤ24は、第1のサンギヤ20と同心に配置された第1のインターナルギヤ25の内周にも噛み合わされている。 同様に、第2のサンギヤ21の外周には、軸受26を介して遊星ピン27に回転自在に支持された第2の遊星ギヤ28が複数個噛み合わされ、その第2の遊星ギヤ28は、第2のサンギヤ21と同心に配置された第2のインターナルギヤ29の内周にも噛み合わされている。
遊星ピン23、27は、出力軸3と一体に設けられた遊星キャリア30に固定され、その遊星キャリア30の周方向に遊星ピン23と遊星ピン27とが交互に配設されている。また、遊星ピン23には、遊星キャリア30と第1の遊星ギヤ24との間にスペーサ部材31が嵌め合わされ、このスペーサ部材31により、第1の遊星ギヤ24が軸方向反モータ側(遊星キャリア30側)へ移動することを規制している。
第1のインターナルギヤ25は、図4に示す様に、軸方向の反モータ側に環状凸部25aが設けられ、この環状凸部25aより軸方向モータ側には、環状凸部25aより外径を大きく設定した大径部25bが設けられている。また、大径部25bの反モータ側の外周には、複数の歯部25cが全周に形成されている。この第1のインターナルギヤ25は、図2に示す様に、モータ2のヨーク32とフロントハウジング8の円筒壁部8aとの間に挟持されるジョイント部材33の内周に大径部25bの外周が回転可能に嵌合して、電機子軸9aと同心に配置されている。
第2のインターナルギヤ29は、第1のインターナルギヤ25より内径が大きく、歯数が多く設けられている。この第2のインターナルギヤ29は、図5に示す様に、軸方向のモータ側にギヤの歯底径より内径を大きく形成した環状凹部29aが設けられ、この環状凹部29aと第1のインターナルギヤ25に設けられた環状凸部25aとが相対回転自在に凹凸嵌合している(図2参照)。また、第2のインターナルギヤ29は、二段の外径を有し、軸方向モータ側に外径を小さく設定した小径部29b、軸方向反モータ側に外径を大きく設定した大径部29cが設けられ、この大径部29cの軸方向モータ側の外周には、複数の歯部29dが全周に形成されている。なお、大径部29cに形成された歯部29dは、第1のインターナルギヤ25の大径部25bに形成された歯部25cと同一数を有し、且つ、両者の歯底径および歯先径が同一寸法に設定されている。
次に、切替え装置について説明する。
切替え装置は、図2に示す様に、第1のインターナルギヤ25と第2のインターナルギヤ29のどちらか一方と機械的に係合する係合部材34と、通電により電磁石を形成し、その電磁石の吸引力で係合部材34を軸方向反モータ側へ駆動する電磁コイル35と、この電磁コイル35が発生する磁束を通すための固定ヨーク36と、電磁コイル35への通電が停止された時に、係合部材34を軸方向モータ側へ押し戻すためのリターンスプリング37等を備える。なお、前記フレーム部材12は、例えば、鉄等の強磁性体により構成され、固定ヨーク36と共に磁路の一部を形成している。
係合部材34は、電磁石によって磁化される強磁性体(例えば鉄)により構成され、二つのインターナルギヤ25、29の外周に同軸状に配設されるリング形状を有し、その外周が、フロントハウジング8の円筒壁部8aの内周に嵌合して径方向の移動が規制(心出し)されると共に、軸方向に摺動可能に設けられている。また、係合部材34は、図6に示す様に、軸方向モータ側に内径が小さく設定された回転規制部34aが設けられ、この回転規制部34aより軸方向反モータ側には、内径が大きく設定された円筒鉄心部34bが設けられている。回転規制部34aの内周および円筒鉄心部34bの内周には、それぞれ複数の歯部34c、34dが全周に形成されている。
回転規制部34aの内周に形成された歯部34cは、係合部材34が軸方向モータ側へ移動した状態で、図2に示す様に、歯部34cのモータ側半分が、第1のインターナルギヤ25に形成された歯部25cと噛み合い、係合部材34が軸方向反モータ側へ移動した状態で、図3に示す様に、歯部34cの反モータ側半分が、第2のインターナルギヤ29に形成された歯部29dと噛み合うことができる。つまり、回転規制部34aに形成された歯部34cは、本発明の請求項2に記載した第1の凹凸部と第2の凹凸部とが一体に構成されている。
なお、回転規制部34aに形成された歯部34cの軸方向長さは、第1のインターナルギヤ25に形成された歯部25cと、第2のインターナルギヤ29に形成された歯部29dとの間に確保される空間の軸方向距離より若干短く設定されている。すなわち、回転規制部34aに形成された歯部34cは、第1のインターナルギヤ25に形成された歯部25cと、第2のインターナルギヤ29に形成された歯部29dとの両方に同時に噛み合うことは無い。また、回転規制部34aに形成された歯部34c、第1のインターナルギヤ25に形成された歯部25c、および、第2のインターナルギヤ29に形成された歯部29dには、歯部同士の噛み合いを円滑に行うために、それぞれ周方向の両角部に適当な面取りを施すことが有効である。
電磁コイル35は、図2に示す様に、樹脂製のボビン38に巻線されて、第2のインターナルギヤ29の軸方向反モータ側に配置され、ボビン38に設けられた突起部38aを介してフレーム部材12に固定されている。この電磁コイル35は、スタータ1の外部に引き出されたコイル端部が、図示しない通電制御手段(例えばECU)に接続されており、この通電制御手段からの信号によりON(通電)とOFF(通電停止)とが切り替えられる。
なお、通電制御手段は、例えば、外気温度を直接または間接的に検出し、その外気温度に応じて電磁コイル35のON/OFF状態を切り替えることができる。具体的には、外気温度が0℃より高い時に電磁コイル35をOFFにし、外気温度が0℃以下の時に電磁コイル35をONにする。
固定ヨーク36は、図2に示す様に、電磁コイル35の内周側に磁路を形成する円筒状磁路部36aと、電磁コイル35の軸方向モータ側に磁路を形成するリング状磁路部36bとを有し、円筒状磁路部36aの反モータ側端部が、フレーム部材12に設けられた中間段付き部12aの外周に嵌合して回動不能に固定され、電機子軸9aと軸心が一致する様に配置されている。
リング状磁路部36bの外径部には、図7に示す様に、複数の歯部36cが全周に形成され、この歯部36cには、係合部材34の円筒鉄心部34bの内周に形成された歯部34dが噛み合わされて、係合部材34の周方向の回動が規制されている。但し、係合部材34の軸方向の移動は許容されている。なお、図7は、フレーム部材12に電磁コイル35と固定ヨーク36とが組み付けられたコイルユニットの斜視図である。
リターンスプリング37は、フレーム部材12の外径部と、係合部材34の外周に形成された段差との間に配設され、係合部材34を軸方向モータ側へ付勢している。これにより、係合部材34は、電磁コイル35が非通電の時に、リターンスプリング37の付勢力により軸方向モータ側へ押し出され、係合部材34の回転規制部34aに形成された歯部34cが第1のインターナルギヤ25に形成された歯部25cと噛み合っている。この時、係合部材34は、図2に示す様に、軸方向モータ側の端面がジョイント部材33に当接した状態で静止している。
一方、電磁コイル35の通電時には、リターンスプリング37の付勢力に抗して係合部材34が電磁石に吸引され、係合部材34の回転規制部34aに形成された歯部34cが第2のインターナルギヤ29に形成された歯部29dと噛み合っている。この時、係合部材34は、図3に示す様に、軸方向反モータ側の端面がフレーム部材12に当接した状態で静止している。
次に、スタータ1の作動を説明する。
始動スイッチの閉操作により、電磁スイッチ7のスイッチコイルに通電されてプランジャ15が吸引されると、そのプランジャ15の移動に応じて、シフトレバー6を介してクラッチ4とピニオンギヤ5が一体に出力軸3上を反モータ方向(図1の左方向)へ押し出される。また、プランジャ15の移動により、メイン接点が閉じることで、バッテリからモータ2に通電されて電機子9に回転力が生じる。電機子9の回転は、第1の減速比または第2の減速比により減速されて出力軸3に伝達され、更に、出力軸3からクラッチ4を介してピニオンギヤ5に伝達される。このピニオンギヤ5がリングギヤに噛み合うことにより、ピニオンギヤ5からリングギヤに回転力が伝達されて、エンジンをクランキングする。
クランキングからエンジンが始動して始動スイッチが開操作されると、スイッチコイルへの通電が停止されて吸引力が消滅する。その結果、スプリングの反力でプランジャ15が押し戻されるため、メイン接点が開いてバッテリからモータ2への通電が停止されることにより、電機子9の回転が次第に減速して停止する。
また、プランジャ15が押し戻されると、エンジン始動時と反対方向にシフトレバー6が揺動して、クラッチ4がモータ方向へ押し戻されるため、ピニオンギヤ5がリングギヤから離脱して、クラッチ4と一体に出力軸3上を後退し、所定の位置(図1に示す位置)で停止する。
続いて、減速装置の作動について説明する。
a)第1の減速比を選択する場合。
電磁コイル35がOFFの状態であり、係合部材34の回転規制部34aに形成された歯部34cと第1のインターナルギヤ25に形成された歯部25cとが噛み合っているため、第1のインターナルギヤ25の回転が規制され、第2のインターナルギヤ29の回転が許容されている(図2参照)。従って、電機子9に発生する回転力は、第1のサンギヤ20から第1の遊星ギヤ24に伝達され、その第1の遊星ギヤ24が自転しながら第1のサンギヤ20の周囲を公転する。一方、第2の遊星ギヤ28は、第2のインターナルギヤ29の回転が規制されていない(回転が許容されている)ので、第2のサンギヤ21の回転に応じて自転するだけであり、公転することはない。
これにより、第1の遊星ギヤ24の公転が遊星キャリア30から出力軸3に伝達される。すなわち、電機子9の回転が第1の減速比により減速されて出力軸3に伝達される。
b)第2の減速比を選択する場合。
通電制御手段からの信号により電磁コイル35がONされると、係合部材34が電磁石に吸引され、リターンスプリング37の付勢力に抗して反モータ側へ移動する。その結果、回転規制部34aに形成された歯部34cと第1のインターナルギヤ25に形成された歯部25cとの噛み合いが解除され、回転規制部34aに形成された歯部34cと第2のインターナルギヤ29に形成された歯部29dとの噛み合いが行われる。この時、歯部34cと歯部29dとが噛み合い可能な位置、つまり、回転規制部34aに形成された歯部34c(凸部)が第2のインターナルギヤ29に形成された歯部29dと歯部29dとの間(凹部)に位置している場合は、そのまま、回転規制部34aに形成された歯部34cが第2のインターナルギヤ29に形成された歯部29dと歯部29dとの間に入り込んで、両者の噛み合いが完了する。これにより、第2のインターナルギヤ29の回転が規制され、第1のインターナルギヤ25の回転が許容される(図3参照)。
一方、係合部材34が電磁石に吸引されて反モータ側へ移動した時に、回転規制部34aに形成された歯部34cの端面と第2のインターナルギヤ29に形成された歯部29dの端面とが軸方向に当接した場合は、電機子9の回転に伴って、第2のインターナルギヤ29が第2のサンギヤ21とのギヤ比に応じてゆっくりと回転する。これにより、回転規制部34aに形成された歯部34cの端面と第2のインターナルギヤ29に形成された歯部29dの端面との間に電磁石の吸引力による押圧荷重が作用しながら、歯部29dの位置が周方向にずれて、歯部34cと噛み合い可能な位置まで回転した時点で両者の歯部同士が噛み合うことができる。
係合部材34により第2のインターナルギヤ29の回転が規制された状態で、始動スイッチの閉操作により電機子9に回転力が発生すると、その電機子9の回転力が、第2のサンギヤ21から第2の遊星ギヤ28に伝達されて、第2の遊星ギヤ28が自転しながら第2のサンギヤ21の周囲を公転する。一方、第1の遊星ギヤ24は、第1のインターナルギヤ25の回転が規制されていない(回転が許容されている)ので、第1のサンギヤ20の回転に応じて自転するだけであり、公転することはない。
これにより、第2の遊星ギヤ28の公転が遊星キャリア30から出力軸3に伝達される。すなわち、電機子9の回転が第2の減速比により減速されて出力軸3に伝達される。
エンジンの始動後、始動スイッチの開操作に連動して、通電制御手段からの信号により電磁コイル35がOFFされると、係合部材34に対する電磁石の吸引力が消滅するため、係合部材34がリターンスプリング37に付勢されてモータ側へ押し戻される。その結果、回転規制部34aに形成された歯部34cと第2のインターナルギヤ29に形成された歯部29dとの噛み合いが解除され、回転規制部34aに形成された歯部34cと第1のインターナルギヤ25に形成された歯部25cとの噛み合いが行われる。この時、歯部34cと歯部25cとが噛み合い可能な位置、つまり、回転規制部34aに形成された歯部34c(凸部)が第1のインターナルギヤ25に形成された歯部25cと歯部25cとの間(凹部)に位置している場合は、そのまま、歯部34cが歯部25cと歯部25cとの間に入り込んで、両者の噛み合いが完了する。これにより、第1のインターナルギヤ25の回転が規制され、第2のインターナルギヤ29の回転が許容される(図2参照)。
一方、係合部材34がモータ側へ押し戻された時に、回転規制部34aに形成された歯部34cの端面と第1のインターナルギヤ25に形成された歯部25cの端面とが軸方向に当接した場合は、リターンスプリング37の荷重が作用した状態で、歯部34cと歯部25cの端面同士が当接した状態が保たれる。この状態で、次回のエンジン始動時にモータ2の電機子9が回転すると、第1のインターナルギヤ25は、第1のサンギヤ20とのギヤ比に応じてゆっくりと回転するため、第1のインターナルギヤ25に形成された歯部25cの位置が周方向にずれて、回転規制部34aに形成された歯部34cと噛み合い可能な位置まで回転した時点で両者の歯部同士が噛み合うことができる。これにより、第1のインターナルギヤ25の回転が規制され、第2のインターナルギヤ29の回転が許容されて、第1の減速比によるエンジン始動が可能となる。
続いて、スタータ1の特性について図8を参照して説明する。
なお、図8には、第1の減速機(第1の減速比)を用いた場合のトルクと回転数を実線グラフで示し、第2の減速機(第2の減速比)を用いた場合のトルクと回転数を破線グラフで示している。
先ず、常温(概ね5〜35℃)における作動点のトルクがTwで示される時に、第1の減速比を使用した場合の出力はP1、回転数はN1となる。また、第2の減速比を使用した場合の出力はP2、回転数はN2となる。本実施例のスタータ1では、0℃より高い温度条件において第1の減速比を使用するため、出力はP1、回転数はN1となり、第2の減速比を使用した場合より、出力および回転数が大幅に向上して、始動時間の短縮を図ることができる。
一方、概ね−20℃以下の低温における作動点のトルクがTcで示される時に、従来の一段の減速比による出力はPc、回転数はNcである。本実施例のスタータ1では、0℃以下の温度条件において第2の減速比を使用するため、出力はPc、回転数はNcとなり、従来の一段の減速比と同じ作動点となる。これにより、従来と同じ良好な低温始動性を確保できる。
(実施例の効果)
本実施例のスタータ1は、係合部材34との機械的な係合(歯部同士の噛み合い)によって、第1のインターナルギヤ25または第2のインターナルギヤ29の回転を確実に規制でき、且つ、係合部材34を軸方向に移動させることで、回転規制するインターナルギヤ25、29を切り替えて減速比を変更できる。この構成によれば、一つの係合部材34で二つのインターナルギヤ25、29の回転規制と回転規制の解除を実施できるので、部品点数を低減でき、構造を簡素化できる。
また、二つのインターナルギヤ25、29の回転規制と回転規制の解除を行うために、係合部材34を軸方向に移動させる構成であり、係合部材34を径方向に動かす必要はないので、径方向の大型化を抑制できる。
二つのインターナルギヤ25、29は、軸方向に隣接して配置され、その軸方向に対向する両者の端面同士が相対回転自在に凹凸嵌合しているので、両者の軸心を一致させることができる。これにより、二つのインターナルギヤ25、29の偏心を抑制でき、係合部材34による二つのインターナルギヤ25、29の切り替えをスムーズに行うことが可能である。
また、二つのインターナルギヤ25、29のうち、どちらか一方は、係合部材34との係合が解除されて空転するため、少なくとも一方のインターナルギヤに質量の小さい樹脂材料(例えば、ポリアミド樹脂)を用いることにより、空転する側のインターナルギヤに生じる回転アンバランスの影響を小さくでき、振動を抑制できる効果がある。
本実施例では、係合部材34の駆動手段として電磁コイル35を用いているが、この電磁コイル35の吸引力に頼ることなく、係合部材34との機械的な係合によってインターナルギヤ25、29の回転を規制できるので、電磁コイル35を小型化できる。つまり、電磁コイル35は、係合部材34を軸方向(反モータ方向)に吸引できるだけの磁力を発生すれば良く、電磁コイル35の吸引力でインターナルギヤ25、29の回転を規制する必要がないので、小型化が可能である。
更に、小型化した電磁コイル35を第2のインターナルギヤ29の軸方向に隣接して配置することにより、径方向にスタータ1が大型化することを回避できる。
また、係合部材34は、円筒鉄心部34bの内周に形成された歯部34dが、固定ヨーク36のリング状磁路部36bの外周に形成された歯部36cに噛み合うことで周方向に回動規制されている。この場合、係合部材34の回動を規制するために、固定ヨーク36以外の部品を新たに設ける必要はなく、部品点数の増加を抑制できる。
さらに、径方向に対向する円筒鉄心部34bの内周とリング状磁路部36bの内周とにそれぞれ歯部34d、36cを形成することで、円筒鉄心部34bの内周面とリング状磁路部36bの外周面との対向面積が大きくなるため、磁気抵抗が減少して、電磁コイル35の吸引力を向上できる。
更に、本実施例では、外気温度に応じて電磁コイル35のON/OFF状態を切り替えているので、例えば、外気温度が0℃より高い時には、電磁コイル35をOFFにして、減速比が小さい第1の減速比を選択することにより、第2の減速比を選択する場合よりスタータ1の駆動回転数が上昇して、エンジン始動時間の短縮を図ることが可能である。一方、外気温度が0℃以下の時は、電磁コイル35をONにして、減速比が大きい第2の減速比を選択することにより、外気温度の低下によりエンジンのフリクションが大きくなっても、良好なエンジン始動性を確保できる。
また、外気温度が0℃より高い時に第1の減速比を選択すると、例えば、日本を初めとして、アメリカ、ヨーロッパ等、地球上の多くの地域では、第1の減速比の方が第2の減速比より使用頻度が多くなる。このため、使用頻度の多い第1の減速比を選択する時に、電磁コイル35をOFFにすることで、電磁コイル35への通電に要する電気エネルギーを最小限に抑えることが可能である。
スタータの部分断面図である。 減速装置と切替え装置(電磁コイルOFF)の断面図である。 減速装置と切替え装置(電磁コイルON)の断面図である。 第1のインターナルギヤの斜視図である。 第2のインターナルギヤの斜視図である。 係合部材の斜視図である。 コイルユニットの斜視図である。 スタータの特性図である。
符号の説明
1 スタータ
2 モータ
9a 電機子軸
25 第1のインターナルギヤ
25c 第1のインターナルギヤに形成された歯部(凹凸部)
29 第2のインターナルギヤ
29d 第2のインターナルギヤに形成された歯部(凹凸部)
34 係合部材
34b 係合部材の円筒鉄心部
34c 回転規制部の内周に形成された歯部(第1の凹凸部、第2の凹凸部)
35 電磁コイル
36 固定ヨーク(スタータ内部の固定部材)
36b リング状磁路部
37 リターンスプリング

Claims (11)

  1. モータの電機子軸上に異なる減速比を有する二組の遊星歯車減速機が並設され、どちらか一方の減速機を選択してモータの回転速度を減速するスタータであって、
    前記二組の減速機に用いられる二つのインターナルギヤの外周に同軸状に配設されると共に、スタータ内部の固定部材に係合して周方向に回動不能、且つ、軸方向に移動可能に設けられ、前記二つのインターナルギヤのどちらか一方と機械的に係合して、そのインターナルギヤの回転を規制する係合部材を備え、この係合部材を軸方向に移動させることにより、回転規制するインターナルギヤを切り替えて減速比を変更することを特徴とするスタータ。
  2. 請求項1に記載したスタータにおいて、
    前記二つのインターナルギヤのうち、軸方向モータ側に配置される第1のインターナルギヤには、軸方向反モータ側の外周に凹凸部が形成され、軸方向反モータ側に配置される第2のインターナルギヤには、軸方向モータ側の外周に凹凸部が形成され、
    前記係合部材の内周には、前記第1のインターナルギヤに形成された凹凸部に係合可能な第1の凹凸部と、前記第2のインターナルギヤに形成された凹凸部に係合可能な第2の凹凸部とが形成され、
    前記係合部材を軸方向モータ側へ移動させることにより、前記第1の凹凸部が前記第1のインターナルギヤの凹凸部に係合して前記第1のインターナルギヤの回転が規制され、前記係合部材を軸方向反モータ側へ移動させることにより、前記第2の凹凸部が前記第2のインターナルギヤの凹凸部に係合して前記第2のインターナルギヤの回転が規制されることを特徴とするスタータ。
  3. 請求項1または2に記載したスタータにおいて、
    前記係合部材は、前記第1の凹凸部と前記第2の凹凸部とが軸方向に連続して一体に設けられていることを特徴とするスタータ。
  4. 請求項1〜3に記載した何れかのスタータにおいて、
    前記二つのインターナルギヤは、軸方向に対向する両者の端面同士が相対回転自在に凹凸嵌合していることを特徴とするスタータ。
  5. 請求項1〜4に記載した何れかのスタータにおいて、
    前記二つのインターナルギヤのうち、少なくとも一方は、樹脂材料により構成されていることを特徴とするスタータ。
  6. 請求項1〜5に記載した何れかのスタータにおいて、
    通電時に電磁石を形成し、その電磁石の磁力を利用して前記係合部材を軸方向の一方に移動させる電磁コイルと、
    この電磁コイルへの通電が停止して電磁石の磁力が消滅した時に、前記係合部材を軸方向の他方へ押し戻すためのリターンスプリングとを有し、
    前記電磁コイルは、前記二つのインターナルギヤのうち、軸方向モータ側に配置される第1のインターナルギヤのモータ側、または、軸方向反モータ側に配置される第2のインターナルギヤの反モータ側に近接して配設されていることを特徴とするスタータ。
  7. 請求項6に記載したスタータにおいて、
    前記係合部材は、前記電磁石に吸引される強磁性体により構成されていることを特徴とするスタータ。
  8. 請求項6または7に記載したスタータにおいて、
    前記電磁コイルが発生する磁束を通す固定ヨークを備え、この固定ヨークは、前記二つのインターナルギヤのうち、どちらか一方のインターナルギヤと前記電磁コイルとの間に配設されるリング状磁路部を有し、
    前記係合部材は、前記リング状磁路部の外周を軸方向に延設された円筒鉄心部を有し、この円筒鉄心部の内周部が前記リング状磁路部の外周部に凹凸係合して周方向に回動規制され、且つ、軸方向に移動可能に設けられていることを特徴とするスタータ。
  9. 請求項6〜8に記載した何れかのスタータにおいて、
    前記係合部材は、前記電磁コイルの非通電時に、前記二組の減速機のうち、低減速比側の減速機に用いられるインターナルギヤの回転を規制し、前記電磁コイルの通電時に、高減速比側の減速機に用いられるインターナルギヤの回転を規制することを特徴とするスタータ。
  10. 請求項6〜8に記載した何れかのスタータにおいて、
    前記係合部材は、前記電磁コイルの非通電時に、前記二組の減速機のうち、使用頻度の多い側の減速機に用いられるインターナルギヤの回転を規制し、前記電磁コイルの通電時に、使用頻度の少ない側の減速機に用いられるインターナルギヤの回転を規制することを特徴とするスタータ。
  11. 請求項9または10に記載したスタータにおいて、
    前記電磁コイルは、外気温度が0℃より高い時に非通電とされ、外気温度が0℃以下の時に通電されることを特徴とするスタータ。
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