JP2002213332A - 始動電動機の遊星歯車装置 - Google Patents

始動電動機の遊星歯車装置

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JP2002213332A
JP2002213332A JP2001012204A JP2001012204A JP2002213332A JP 2002213332 A JP2002213332 A JP 2002213332A JP 2001012204 A JP2001012204 A JP 2001012204A JP 2001012204 A JP2001012204 A JP 2001012204A JP 2002213332 A JP2002213332 A JP 2002213332A
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gear
engine
planetary gear
driving
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Yoji Nishimura
洋二 西村
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Mitsubishi Electric Corp
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電動機を小型化するとともに騒音が少ない始
動電動機の遊星歯車装置を得る。 【解決手段】 電動機1の駆動力を伝える駆動歯車1
3、この駆動歯車13に歯合してその周りを公転する複
数の駆動側遊星歯車14、この遊星歯車14が内面を公
転する駆動側内歯歯車15、遊星歯車14の回転可能な
中心軸16に連結されて遊星歯車14の公転力を回転力
として取り出す駆動側出力軸17を有した駆動側減速部
18の駆動側出力軸17に設けられた中間歯車26に駆
動側減速部18とほぼ同様に機関側遊星歯車21、機関
側内歯歯車22、中心軸23に連結された機関側出力軸
24を有した機関側減速部25が設けられていることに
よって、機関側出力軸24に出力される回転トルクが大
きくなり、電動機1を小型にすることができ、内歯歯車
15、22を樹脂であるポリアミドとすることによっ
て、騒音が小さくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電動機の駆動力
を減速して取り出し、機関始動をする始動電動機の遊星
歯車装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】通常、機関の始動は、電動機の駆動力を
機関のリングギアに伝達させて行う。電動機の駆動軸の
回転は遊星歯車が利用された減速部で減速され、その出
力が機関のリングギアに伝達される。このリングギアに
伝達された電動機の駆動力は機関側に設けられたクラッ
チが連結することによって機関に伝達され、機関始動を
行う。
【0003】図3は始動電動機の遊星歯車装置の構成を
示す要部断面図であり、図4はI−I線に沿った視図で
ある。図3において、始動電動機の遊星歯車装置は、機
関を始動するための駆動力を発生する電動機1の駆動軸
2に設けられた駆動歯車3、この駆動歯車3に歯合する
とともに駆動軸2の回転により駆動歯車3の周りを公転
する複数の遊星歯車4、この遊星歯車4と内周面で歯合
して遊星歯車4の公転軌道を定める内歯歯車5、この複
数の遊星歯車4の各中心軸7に連結されて複数の遊星歯
車4の公転力を回転力として出力する出力軸6を有して
いる。出力軸6の機関側にはピニオンが設けられてお
り、機関のリングギアに歯合して電動機1の駆動力を機
関に伝達するように構成されている。また、これら始動
電動機の遊星歯車装置は鉄やアルミといった金属で作ら
れており、駆動力の大きな応力にも耐え得る材質となっ
ている。
【0004】駆動歯車3は電動機1の駆動軸2の軸線上
に中心軸線があり、駆動軸2の回転に伴って軸線を中心
にぶれがなく振動の少ない回転を行う。この駆動歯車3
は駆動歯車3の周囲に配置された遊星歯車4にすべりを
生じないように歯合しており、確実に電動機1で発生し
た駆動力を遊星歯車4に伝達する。
【0005】遊星歯車4は図3及び図4に示すように、
駆動歯車3の周囲に複数(例えば、2個)配置され、駆
動歯車3に歯合しているが、同時に内歯歯車5にも歯合
し、駆動歯車3と内歯歯車5との間で駆動歯車3の中心
軸を中心に公転するように構成されている。遊星歯車4
の内歯歯車5への歯合についてもすべりが生じないの
で、遊星歯車4は自転しながら駆動歯車3の周囲を移動
することが可能となる。また、複数(例えば、2個)の
遊星歯車4の各中心軸7は遊星歯車4に回転自在に貫装
されており、それぞれ一本の出力軸6に連結されてい
る。
【0006】内歯歯車5は、図4に示すように円環状で
あり、その内面に遊星歯車4に歯合する歯部が形成され
ている。また、この内歯歯車5は遊星歯車4の駆動歯車
3に対する公転を円滑にするために駆動歯車3の中心軸
線に対して相対的に固定されており、また、内歯歯車5
自体の回転を防止するためにピン8によって固定されて
いる。
【0007】出力軸6は図3に示すように、駆動軸2の
軸線上に配置されており、遊星歯車4の各中心軸7がそ
れぞれこの出力軸6に連結されている。従って、遊星歯
車4の公転によって出力軸6は駆動軸2の軸線を中心に
回転する。また、上記のように、この回転力を機関のリ
ングギアに伝達するため出力軸6の機関側に図示しない
ピニオンが設けられ、機関のリングギアに歯合するよう
に構成されている。
【0008】このように構成された始動電動機の遊星歯
車装置は、以下のような動作を行う。即ち、電動機1で
発生した駆動力は駆動軸2に回転力として取り出され、
この駆動軸2に設けられた駆動歯車3が回転する。駆動
歯車3の回転に伴って駆動歯車3の周囲に歯合して配置
された遊星歯車4も回転する。この遊星歯車4は内歯歯
車5の内面にも歯合しているので、駆動歯車3及び内歯
歯車5の両方にすべりを生じない状態で回転するととも
に駆動歯車3の周りを移動、すなわち公転する。従っ
て、駆動歯車3の回転速度は駆動歯車3の径と遊星歯車
4の径との比によって遊星歯車4の回転速度に変換さ
れ、この遊星歯車4の回転速度により遊星歯車4の公転
速度が決定する。ここで、このようにして駆動力が遊星
歯車4の公転力として伝達されるが、遊星歯車4の公転
速度は駆動歯車3の回転速度に比べて小さいためこの公
転により生じるトルクは駆動歯車3の回転により生じる
トルクより大きくなる。そして、遊星歯車4の公転に伴
い、この遊星歯車4の中心に回転自在に設けられた中心
軸7も駆動歯車3の周りを公転する。この中心軸7は全
ての遊星歯車4に同様に設けられており、これら中心軸
7の全てが機関側リングギアに歯合するピニオンが設け
られた出力軸6に連結されている。出力軸6は駆動軸2
の軸線方向に位置しているので、遊星歯車4の中心軸7
は出力軸6の軸線を中心として公転し、遊星歯車4の公
転力の全てが出力軸6の回転力として円滑に伝達され
る。このように伝達された駆動力は出力軸6に設けられ
たピニオンを回転させ、ピニオンに歯合するリングギア
を回転させる。リングギアの回転力を機関に伝達するた
めにクラッチがリングギア及び機関の間に設けられ、機
関を始動する際にクラッチが連結される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このような始動電動機
の遊星歯車装置では、機関の始動に必要なトルクを発生
する電動機を使用するとどうしても電動機が大型化する
ため、電動機1の駆動軸2と機関のリングギアの中心軸
との間の距離が大きくなり、ピニオン及びリングギアの
間に駆動力を伝達するための歯車(インタメギア)を挿
入する必要があり、伝達機構として複雑になるだけでな
く、小型化の要請に逆行するものとなるといった問題が
あった。また、駆動歯車3、遊星歯車4及び内歯歯車5
は鉄又はアルミ等といった金属で作製されたものである
ので、駆動軸2からの駆動力が伝達される際にそれぞれ
の歯車3、4及び5が互いに衝突することにより衝突音
が発生して騒音となり、また衝突による振動が歯車3、
4及び5に衝撃破損や機械的疲労といった悪影響を与え
る問題もあった。
【0010】そこでこの発明は、上記のような問題点を
解決することを課題とするもので、駆動力を発生する電
動機を小型化し、減速して駆動力を伝達するために用い
られる歯車同士の衝突により発生する騒音を低減すると
ともに前記衝突による振動を低減して衝撃破損や機械的
疲労を起こさない始動電動機の遊星歯車装置を得ること
を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明に係る始動電動
機の遊星歯車装置は、機関を始動するための駆動力を発
生する電動機の駆動軸に設けられた駆動歯車、前記駆動
歯車に歯合するとともに前記駆動軸の回転により前記駆
動歯車の周りを公転する複数の駆動側遊星歯車、前記駆
動側遊星歯車と内周面で歯合して前記駆動側遊星歯車の
公転軌道を定める駆動側内歯歯車、前記複数の駆動側遊
星歯車の各中心軸に連結されて前記複数の駆動側遊星歯
車の公転力を回転力として出力する駆動側出力軸を有し
た駆動側減速部と、前記駆動側出力軸から伝達される回
転力により前記駆動軸の軸線の周りを公転する複数の機
関側遊星歯車、前記機関側遊星歯車と内周面で歯合して
前記機関側遊星歯車の公転軌道を定める機関側内歯歯
車、前記複数の機関側遊星歯車の各中心軸に連結されて
前記複数の機関側遊星歯車の公転力を回転力として機関
に出力し得る機関側出力軸を有した機関側減速部とを備
えたものである。
【0012】また、前記駆動側内歯歯車及び前記駆動側
遊星歯車の少なくとも一方が、互いの歯面が衝突するこ
とによって発生する衝突力を吸収し得る材質であるもの
である。
【0013】また、前記機関側内歯歯車及び前記機関側
遊星歯車の少なくとも一方が、互いの歯面が衝突するこ
とによって発生する衝突力を吸収し得る材質であるもの
である。
【0014】また、前記材質は、弾性を有するものであ
る。
【0015】また、前記材質は、樹脂であるものであ
る。
【0016】また、前記樹脂は、ポリアミドであるもの
である。
【0017】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1はこの実施の
形態1に係る始動電動機の遊星歯車装置の要部断面図で
ある。図1において、始動電動機の遊星歯車装置は、機
関を駆動するための駆動力を発生する電動機1の駆動軸
2に設けられた駆動歯車13、この駆動歯車13に歯合
するとともに駆動軸2の回転により駆動歯車13の周り
を公転する複数(例えば、2個)の駆動側遊星歯車1
4、この駆動側遊星歯車14と内周面で歯合して駆動側
遊星歯車14の公転軌道を定める駆動側内歯歯車15、
複数(例えば、2個)の駆動側遊星歯車14の各中心軸
16に連結されてこれら駆動側遊星歯車14の公転力を
回転力として出力する駆動側出力軸17を有した駆動側
減速部18と、駆動側出力軸17から伝達される回転力
により駆動軸2の軸線の周りを公転する複数(例えば、
2個)の機関側遊星歯車21、この機関側遊星歯車21
と内周面で歯合して機関側遊星歯車21の公転軌道を定
める機関側内歯歯車22、複数(例えば、2個)の機関
側遊星歯車21の各中心軸23に連結されてこれら機関
側遊星歯車21の公転力を回転力として機関に出力し得
る機関側出力軸24を有した機関側減速部25とを備え
ている。
【0018】駆動歯車13は電動機1の駆動軸2の軸線
上に中心軸線があり、駆動軸2の回転に伴って軸線を中
心にぶれがなく振動の少ない回転を行う。この駆動歯車
13は駆動歯車13の周囲に配置された駆動側遊星歯車
14にすべりを生じないように歯合しており、確実に電
動機1で発生した駆動力を駆動側遊星歯車14に伝達す
る。
【0019】駆動側遊星歯車14は駆動歯車13の周囲
に複数(例えば、2個)配置され、駆動歯車13に歯合
しているが、同時に駆動側内歯歯車15にも歯合し、駆
動歯車13と駆動側内歯歯車15との間で駆動歯車13
の中心軸線を中心に公転するように構成されている。駆
動側遊星歯車14と駆動側内歯歯車15との歯合につい
てもすべりが生じないので、駆動側遊星歯車14は自転
しながら駆動歯車13の周囲を移動することが可能とな
る。また、複数(例えば、2個)の駆動側遊星歯車14
の各中心軸16は駆動側遊星歯車14に回転自在に貫装
されており、それぞれ一本の駆動側出力軸16に連結さ
れている。
【0020】駆動側内歯歯車15は円環状で内面に駆動
側遊星歯車14に歯合する歯部が形成されており、ま
た、この駆動側内歯歯車15は駆動側遊星歯車14の駆
動歯車13に対する公転を円滑にするために駆動歯車1
3の中心軸線に対して相対的に固定されており、また、
駆動側内歯歯車15自体の回転を防止するためにピン8
によって固定されている。この駆動側内歯歯車15は樹
脂であるポリアミドで作製されており、駆動側遊星歯車
14が公転することにより駆動側遊星歯車14及び駆動
側内歯歯車15の互いの歯面が衝突して発生する衝突力
を吸収し得る材質となっている。
【0021】駆動側出力軸17は図1に示すように、駆
動軸2の軸線上に配置されており、駆動側遊星歯車14
の各中心軸16がそれぞれこの駆動側出力軸17に連結
されている。従って、駆動側遊星歯車14の公転によっ
て駆動側出力軸17は駆動軸2の軸線を中心に回転す
る。また、この回転力を機関側減速部25に伝達するた
めに駆動側出力軸17には中間歯車26が設けられてお
り、機関側減速部25における機関側遊星歯車21に歯
合している。この中間歯車26は駆動軸2の軸線上に中
心軸線がくるように設けられ、この駆動軸2の軸線を中
心に回転するように構成されている。
【0022】機関側遊星歯車21は中間歯車26の周囲
に複数(例えば、2個)配置され、中間歯車26に歯合
しているが、同時に機関側内歯歯車22にも歯合し、中
間歯車26と機関側内歯歯車22との間で中間歯車26
の中心軸線を中心に公転するように構成されている。機
関側遊星歯車21と機関側内歯歯車22との歯合につい
てすべりが生じないので、機関側遊星歯車21は自転し
ながら中間歯車26の周囲を移動することが可能とな
る。また、複数(例えば、2個)の機関側遊星歯車21
の各中心軸23は機関側遊星歯車21に回転自在に貫装
されており、それぞれ一本の機関側出力軸24に連結さ
れている。
【0023】機関側内歯歯車22は円環状で内面に機関
側遊星歯車21に歯合する歯部が形成されており、ま
た、この機関側内歯歯車22は機関側遊星歯車21の中
間歯車26に対する公転を円滑にするために中間歯車2
6の中心軸線に対して相対的に固定されており、また、
機関側内歯歯車22自体の回転を防止するためにピン8
によって固定されている。この機関側内歯歯車22は樹
脂であるポリアミドで作製されており、機関側遊星歯車
21が公転することにより機関側遊星歯車21及び機関
側内歯歯車22の互いの歯面が衝突して発生する衝突力
を吸収し得る材質となっている。
【0024】機関側出力軸24は駆動側出力軸17と同
様に駆動軸2の軸線上にこの機関側出力軸24の中心軸
が一致するように配置されており、機関側遊星歯車21
の各中心軸23がそれぞれこの機関側出力軸24に連結
されているが、この機関側出力軸24の機関側にはピニ
オンが設けられており、機関のリングギアに歯合してい
る。
【0025】このように構成された始動電動機の遊星歯
車装置は、以下のような動作を行う。即ち、電動機1で
発生した駆動力は駆動軸2に回転力として取り出され、
この駆動軸2に設けられた駆動歯車13が回転する。駆
動歯車13の回転に伴って駆動歯車13の周囲に歯合し
て配置された駆動側遊星歯車14も回転する。この駆動
側遊星歯車14は駆動側内歯歯車15の内面にも歯合し
ているので、駆動歯車13及び駆動側内歯歯車15の両
方にすべりを生じない状態で回転するとともに駆動歯車
13の周りを移動、すなわち公転する。従って、駆動歯
車13の回転速度は駆動歯車13の径と駆動側遊星歯車
14の径との比によって駆動側遊星歯車14の回転速度
に変換され、この駆動側遊星歯車14の回転速度により
駆動側遊星歯車14の公転速度が決定する。ここで、こ
のようにして駆動力が駆動側遊星歯車14の公転力とし
て伝達されるが、駆動側遊星歯車14の公転速度は駆動
歯車13の回転速度に比べて小さいためこの公転により
生じるトルクは駆動歯車13の回転により生じるトルク
より大きくなる。また、駆動側内歯歯車15はポリアミ
ドによって作製されているので、駆動側遊星歯車14及
び駆動側内歯歯車15が互いの歯面に衝突することによ
って発生する衝突力をこの駆動側内歯歯車15で吸収
し、この衝突により生じる振動に起因する騒音あるいは
この衝突力に起因する駆動側遊星歯車14及び駆動側内
歯歯車15の衝撃破損を防止する。
【0026】駆動側遊星歯車14が駆動歯車13の周り
を公転すると、この駆動側遊星歯車14の中心に回転自
在に設けられた中心軸16も駆動歯車13の周りを公転
する。この中心軸16は全ての駆動側遊星歯車14に同
様に設けられており、これら中心軸16の全てが機関側
遊星歯車21に歯合して機関側減速部25にこの公転力
を伝達する駆動側出力軸17に連結されている。駆動側
出力軸17は駆動軸2の軸線方向に位置しているので、
駆動側遊星歯車14の中心軸16は駆動側出力軸17の
軸線を中心として公転し、駆動側遊星歯車14の公転力
の全てが駆動側出力軸17の回転力として円滑に伝達さ
れる。
【0027】駆動側出力軸17の回転力はこの駆動側出
力軸17に設けられた中間歯車26と機関側遊星歯車2
1との歯合によって伝達されるが、この機関側遊星歯車
21を有した機関側減速部25において駆動側減速部1
8での動作と同様の動作が行われる。即ち、中間歯車2
6が回転すると、その周囲に配置された機関側遊星歯車
21が機関側内歯歯車22の内面に歯合しつつ駆動軸2
の軸線を中心として公転し、この公転により機関側遊星
歯車21の中心軸23に連結された機関側出力軸24が
回転する。ここでも機関側内歯歯車22がポリアミド製
であるので、機関側遊星歯車21と機関側内歯歯車22
との衝突力を吸収し騒音あるいはこれら歯車21、22
の衝撃破損を防止する。この機関側出力軸24の回転は
駆動側出力軸17の回転よりトルクが大きく減速された
回転であり、この回転により機関側出力軸24に設けら
れたピニオンが回転し、このピニオンに歯合した機関の
リングギアも回転して機関始動を行う。
【0028】このような構成においては、駆動側減速部
18で電動機1の駆動力が減速された後に、さらに機関
側減速部25で減速されるので、機関側出力軸24に出
力される回転トルクは従来の始動電動機の遊星歯車装置
によって出力される回転トルクより大きくなる。従っ
て、機関を始動させるのに必要な回転トルクが同じであ
ることを考慮すると、この構成では従来より小さな駆動
力で機関を始動させることができる。よって、電動機1
を従来より小さくすることができ、この電動機1と機関
との間隔を狭めて始動電動機の占有空間を小さくでき
る。
【0029】なお、上記では駆動側内歯歯車15及び機
関側内歯歯車22の両方が樹脂であるポリアミドによっ
て作製された始動電動機の遊星歯車装置を示している
が、駆動側内歯歯車15のみがポリアミドで作製されて
いるときには、駆動側内歯歯車15にかかる駆動側遊星
歯車14との衝突力はトルクの小さい電動機1の駆動力
に基づくものであって、トルクの大きい駆動側出力軸1
7の回転力に基づく機関側内歯歯車22と機関側遊星歯
車21との衝突力より小さいので、樹脂であるポリアミ
ドは自己の持つ弾性を余裕をもって発揮してこの衝突力
を確実に吸収することができる。従って、駆動内歯歯車
15のみをポリアミド製としても構わない。
【0030】また、通常の始動時には電動機1からの駆
動力はピニオンを経て機関のリングギアに渡り、機関を
駆動させることにより機関が自力で動作するきっかけを
つくる。しかし、このきっかけにより正常に機関が動作
し続けることができない場合がまれに発生する。この場
合には、電動機1からの駆動力が機関に回転力として与
えられるが、電動機1の駆動が止まると、機関の回転力
を維持するための手段は慣性のみとなり、摩擦等により
機関の回転数が徐々に下がってくる。その後、図5に示
すように、機関が回転できず、上死点まで達することが
できなくなると、機関のクランクの自重により機関は逆
方向に回転をし始める。この時に電動機1に電流が流れ
て駆動力が発生すると、始動するためのピニオンの回転
方向と機関のリングギアの回転方向とが逆になり、ピニ
オンや機関側減速部25等に大きな負荷がかかる。この
場合に機関側内歯歯車22のみをポリアミド製とする
と、機関からの回転力を機関に近い部分で弾力的に吸収
して機関側遊星歯車21あるいは中間歯車26等に異常
な応力を与えることを防止する。従って、機関側内歯歯
車22のみをポリアミド製としても構わない。
【0031】例えば、図2は駆動側内歯歯車15をポリ
アミド製としたときの発生音と鉄製としたときの発生音
とを比較したグラフであるが、このグラフからも明らか
な通り駆動側内歯歯車15をポリアミド製としたことに
より確実に発生音が低減し、始動電動機の遊星歯車装置
の動作中の騒音が低減される。
【0032】実施の形態2.実施の形態1では駆動側内
歯歯車15又は機関側内歯歯車22あるいはその両方を
樹脂であるポリアミド製とするものであるが、ここでは
駆動側内歯歯車15及び機関側内歯歯車22は従来と同
様に鉄あるいはアルミ等の金属製であるが、駆動側遊星
歯車14及び機関側遊星歯車21をポリアミド製とする
始動電動機の遊星歯車装置である。他の構成及び動作は
実施の形態1と同様である。
【0033】この構成によれば、実施の形態1と同様に
駆動側遊星歯車14と駆動側内歯歯車15との衝突力及
び機関側遊星歯車21と機関側内歯歯車22との衝突力
をポリアミド製の遊星歯車14及び21により吸収して
この衝突力に基づく騒音又は衝撃破損を防止するだけで
なく、駆動側遊星歯車14と駆動歯車13との衝突力及
び機関側遊星歯車21と中間歯車26との衝突力をもこ
れら遊星歯車14及び21が吸収し、より効果的に騒音
及び衝撃破損を防止する。
【0034】なお、電動機1側の駆動側減速部18にか
かるトルクは機関側減速部25にかかるトルクより小さ
く、このトルクが小さい側の駆動側遊星歯車14を樹脂
であるポリアミドとすると確実にこの駆動側遊星歯車1
4への衝突力を吸収できるので、駆動側遊星歯車14の
みをポリアミド製としても構わない。
【0035】また、機関が逆方向に回転するときに電動
機1が駆動した場合には、機関から電動機1方向に回転
力が伝達し、機関側遊星歯車21のみをポリアミド製と
すると、機関からの回転力を機関に近い部分で弾力的に
吸収して機関側内歯歯車22あるいは中間歯車26等に
異常な応力を与えることを防止する。従って、機関側遊
星歯車21のみをポリアミド製としても構わない。
【0036】なお、上記各実施の形態では駆動側減速部
18及び機関側減速部25の減速比は同一である必要は
ない。従って、駆動側出力軸17の軸径及び機関側出力
軸24の軸径、駆動歯車13の大きさ及び中間歯車26
の大きさ、駆動側遊星歯車14の大きさ及び機関側遊星
歯車21の大きさ、駆動側内歯歯車15及び機関側内歯
歯車22の大きさは同一である必要はない。
【0037】
【発明の効果】以上の説明から明らかな通り、この発明
によれば、機関を始動するための駆動力を発生する電動
機の駆動軸に設けられた駆動歯車、前記駆動歯車に歯合
するとともに前記駆動軸の回転により前記駆動歯車の周
りを公転する複数の駆動側遊星歯車、前記駆動側遊星歯
車と内周面で歯合して前記駆動側遊星歯車の公転軌道を
定める駆動側内歯歯車、前記複数の駆動側遊星歯車の各
中心軸に連結されて前記複数の駆動側遊星歯車の公転力
を回転力として出力する駆動側出力軸を有した駆動側減
速部と、前記駆動側出力軸から伝達される回転力により
前記駆動軸の軸線の周りを公転する複数の機関側遊星歯
車、前記機関側遊星歯車と内周面で歯合して前記機関側
遊星歯車の公転軌道を定める機関側内歯歯車、前記複数
の機関側遊星歯車の各中心軸に連結されて前記複数の機
関側遊星歯車の公転力を回転力として機関に出力し得る
機関側出力軸を有した機関側減速部とを備えたので、前
記電動機で発生する駆動力が小さくなり電動機が小型化
し、前記電動機と前記機関との間隔が小さくなり始動電
動機自体が小型化した始動電動機の遊星歯車装置を得る
ことができる。
【0038】また、前記駆動側内歯歯車及び前記駆動側
遊星歯車の少なくとも一方が、互いの歯面が衝突するこ
とによって発生する衝突力を吸収し得る材質であるの
で、前記電動機からの回転力に起因する前記衝突で生ず
る振動による騒音及び衝撃破損を防止する始動電動機の
遊星歯車装置を得ることができる。
【0039】また、前記機関側内歯歯車及び前記機関側
遊星歯車の少なくとも一方が、互いの歯面が衝突するこ
とによって発生する衝突力を吸収し得る材質であるの
で、前記機関からの回転力に起因する前記衝突で生ずる
振動による騒音及び衝撃破損を防止する始動電動機の遊
星歯車装置を得ることができる。
【0040】また、前記材質は、弾性を有するものであ
るので、前記衝突による変形が復元することにより前記
電動機の駆動力を効率よく前記機関に伝達する始動電動
機の遊星歯車装置を得ることができる。
【0041】また、前記材質は、樹脂であるので、コス
トが低く容易に入手できる始動電動機の遊星歯車装置を
得ることができる。
【0042】また、前記樹脂は、ポリアミドであるの
で、耐摩耗性に優れ、長寿命の始動電動機の遊星歯車装
置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係る始動電動機の
遊星歯車装置の要部断面図である。
【図2】 この発明の実施の形態1における駆動側内歯
歯車15をポリアミド製としたときの発生音と鉄製とし
たときの発生音とを比較したグラフである。
【図3】 従来の始動電動機の遊星歯車装置の要部断面
図である。
【図4】 図3のI−I線に沿った視図である。
【図5】 機関が正常に始動しない場合の機関の回転速
度及び電動機に供給される電流と時間との関係を示すグ
ラフである。
【符号の説明】
1 電動機、2 駆動軸、3 駆動歯車、4 遊星歯
車、5 内歯歯車、6出力軸、7 中心軸(遊星歯
車)、13 駆動歯車、14 駆動側遊星歯車、15
駆動側内歯歯車、16 中心軸(駆動側遊星歯車)、1
7 駆動側出力軸、18 駆動側減速部、21 機関側
遊星歯車、22 機関側内歯歯車、23 中心軸(機関
側遊星歯車)、24 機関側出力軸。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機関を始動するための駆動力を発生する
    電動機の駆動軸に設けられた駆動歯車、前記駆動歯車に
    歯合するとともに前記駆動軸の回転により前記駆動歯車
    の周りを公転する複数の駆動側遊星歯車、前記駆動側遊
    星歯車と内周面で歯合して前記駆動側遊星歯車の公転軌
    道を定める駆動側内歯歯車、前記複数の駆動側遊星歯車
    の各中心軸に連結されて前記複数の駆動側遊星歯車の公
    転力を回転力として出力する駆動側出力軸を有した駆動
    側減速部と、 前記駆動側出力軸から伝達される回転力により前記駆動
    軸の軸線の周りを公転する複数の機関側遊星歯車、前記
    機関側遊星歯車と内周面で歯合して前記機関側遊星歯車
    の公転軌道を定める機関側内歯歯車、前記複数の機関側
    遊星歯車の各中心軸に連結されて前記複数の機関側遊星
    歯車の公転力を回転力として機関に出力し得る機関側出
    力軸を有した機関側減速部とを備えたことを特徴とする
    始動電動機の遊星歯車装置。
  2. 【請求項2】 前記駆動側内歯歯車及び前記駆動側遊星
    歯車の少なくとも一方が、互いの歯面が衝突することに
    よって発生する衝突力を吸収し得る材質であることを特
    徴とする請求項1に記載の始動電動機の遊星歯車装置。
  3. 【請求項3】 前記機関側内歯歯車及び前記機関側遊星
    歯車の少なくとも一方が、互いの歯面が衝突することに
    よって発生する衝突力を吸収し得る材質であることを特
    徴とする請求項1又は請求項2に記載の始動電動機の遊
    星歯車装置。
  4. 【請求項4】 前記材質は、弾性を有するものであるこ
    とを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の始動電動
    機の遊星歯車装置。
  5. 【請求項5】 前記材質は、樹脂であることを特徴とす
    る請求項2乃至請求項4の何れかに記載の始動電動機の
    遊星歯車装置。
  6. 【請求項6】 前記樹脂は、ポリアミドであることを特
    徴とする請求項5に記載の始動電動機の遊星歯車装置。
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