JP2009005420A - 車両用交流発電機及び回転電機 - Google Patents

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Abstract

【課題】
出力特性の優れた回転電機あるいは車載用交流発電機を提供する。
【解決手段】
交流電圧を出力する固定子202と、界磁巻線と回転子鉄心とを有する回転子302とを有しており、固定子202は、回転軸方向に配置され交流電圧をそれぞれ出力する複数の相固定子を有し、相固定子巻線の回転軸方向両外側の一方側から他方側へあるいは他方側から一方側へ交互に伸びる固定子爪を周方向に偶数個有し、回転子302は界磁巻線と回転子鉄心を有し、界磁巻線の回転軸方向の両外側の一方側から他方側へあるいは回転軸方向の両外側の他方側から一方側へ交互に伸びる回転子爪を周方向に偶数個設けており、各相固定子の相固定子鉄心は磁性材からなる板を複数枚積層して形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車に搭載される交流発電機あるいは回転電機に関する。
車載用交流発電機あるいは回転電機は、固定子と回転自在に支持された回転子とを有している。固定子は、周方向に全周に渡って多数のスロットが形成された固定子鉄心と前記多数のスロット内に設けられた固定子巻線を有している。この構造は、固定子鉄心に成形された多数のスロット内に固定子巻線を挿入する工程が必要であるが、前記スロット内に固定子巻線を挿入する作業は簡単ではなく、生産性向上の点で大きな問題となっている。スロットを形成しないで、回転軸の周方向に固定子巻線を有する構造は作業性の点で優れている。
固定子鉄心のスロットに固定子巻線を巻回する構造ではなく、回転軸と垂直な面に固定子巻線を設ける構造は知られており、例えば特開2005−151785号公報(特許文献1)や特開平2−159949号公報(特許文献2)に前記構造が記載されている。
例えば特許文献1に記載の同期発電機では、回転子はU相,V相,W相の分割された3個の永久磁石を有しており、このU相,V相,W相の3個の永久磁石と対になる固定子を有している。この同期発電機は例えば車両用交流発電機の如く、回転速度が大きく変動する状態では発電出力が大きく変動し、使用できない。
特許文献2には環状の発電コイルを有する車両用交流発電機が示されている。車両用の交流発電機では高出力が要求される。この文献に開示された車両用交流発電機では、高出力を得るための技術が示されていない。
特開2005−151785号公報 特開平2−159949号公報
回転軸の周方向に固定子巻線を有する構造の回転電機は、現在、出力特性に対する要求が緩やかな非常に小型のモータで使用されている。高い出力特性の要求される回転電機には使用されていない。特に小型高効率の特性が要求される車用回転電機には未だ使用されていない。また回転速度が大きく変動し、しかも低速回転から高速回転まで高い性能が要求される自動車用交流発電機では実用化されていない。
本発明の目的は、出力特性の優れた回転電機あるいは車載用交流発電機を提供することにある。
本発明の回転電機あるいは交流発電機は、交流電圧を出力する固定子と、界磁巻線と回転子鉄心とを有する回転子とを有しており、前記固定子は、回転軸方向に配置され交流電圧をそれぞれ出力する複数の相固定子を有し、前記相固定子は、周方向に巻かれた相固定子巻線と、前記相固定子巻線に鎖交する磁気回路を形成するための相固定子鉄心を有し、前記相固定子鉄心は前記相固定子巻線の前記回転軸方向両外側の一方側から他方側へあるいは前記回転軸方向両外側の他方側から一方側へ交互に伸びる固定子爪を周方向に偶数個有し、前記回転子は界磁巻線と回転子鉄心を有し、前記回転子鉄心は、前記界磁巻線の前記回転軸方向の両外側の一方側から他方側へあるいは前記回転軸方向の両外側の他方側から一方側へ交互に伸びる回転子爪を周方向に偶数個設けており、前記各回転子爪は、回転軸方向に配置されている複数の相固定子がそれぞれ有している固定子爪と対向する対向面を有しており、前記各相固定子の相固定子鉄心は磁性材からなる板を複数枚積層して形成されている。
また本発明の回転電機あるいは交流発電機は、交流電圧を出力する固定子と、界磁巻線と回転子鉄心とを有する回転子とを有しており、前記固定子は、回転軸方向に配置され交流電圧をそれぞれ出力する複数の相固定子を有し、前記相固定子は、周方向に巻かれた相固定子巻線と、前記相固定子巻線に鎖交する磁気回路を形成するためのを有し、前記相固定子鉄心は前記相固定子巻線の前記回転軸方向両外側の一方側から他方側へあるいは前記回転軸方向両外側の他方側から一方側へ交互に伸びる固定子爪を周方向に偶数個有し、前記回転子は界磁巻線と回転子鉄心を有し、前記回転子鉄心は、前記界磁巻線の前記回転軸方向の両外側の一方側から他方側へあるいは前記回転軸方向の両外側の他方側から一方側へ交互に伸びる回転子爪を周方向に偶数個設けており、前記各回転子爪は、回転軸方向に配置されている複数の相固定子がそれぞれ有している固定子爪と対向する対向面を有しており、前記各相固定子の相固定子鉄心は磁性材からなる板を複数枚積層して形成されており、さらに前記相固定子の相固定子鉄心と隣り合う他の相固定子の相固定子鉄心との間に空隙あるいは非磁性材が設けられていることを特徴とする車載用交流発電機。
本発明の他の特徴は実施の形態の中で説明する。
本発明によれば、特性の優れた回転電機あるいは交流発電機を得ることができる。
以下に説明する実施の形態は、上述の発明の目的のみならず、前記の課題以外の幾つかの課題を解決することができ、上述の発明の効果のみならずそれ以外の効果を有している。従って実施形態の説明の前に、以下の実施の形態において解決される課題や効果について説明する。
〔電気的特性の改善〕
以下に説明する交流発電機に関する実施の形態では、固定子は回転軸の軸方向に配置されたU相V相W相の各相固定子を有しており、各相固定子は固定子巻線と固定子巻線の回転子側であって周方向に全周に渡って所定間隔で配置された固定子爪を有している。回転子は回転軸の周方向に巻回された界磁巻線と界磁巻線の外周側に設けられた回転子爪を有している。回転子爪は回転軸の軸方向に沿って交互伸びる形状しており、前記界磁巻線の発生する磁束により前記回転子爪は交互に逆極性に磁化されている。前記各回転子爪は、回転軸の軸方向に配置された前記U相V相W相の全ての相固定子に対向する形状となっている。前記一つの界磁巻線で回転軸の軸方向に配列された全ての相固定子の巻線と鎖交する磁束を発生する。
前記構造により、U相V相W相の相固定子に対し、前記界磁巻線が共通に使用される。このように全ての相固定子に界磁巻線を共通に使用する構造とすることにより、各相固定子毎に専用の界磁巻線を設ける構造に比べ、界磁巻線のターン数を多くできる、あるいは界磁巻線の断面を大きくして大きな電流を供給することが可能となり、本実施の形態の構造は発生する磁束量を多くできる。このため回転速度の低い領域での発電特性を改善できる。あるいは本実施の形態の構造は、界磁巻線を配置するのに必要とされる空間を、比較的小さくできる効果がある。
U相V相W相の前記相固定子を回転軸の軸方向に配置した構造で、U相V相W相の前記相固定子の各相固定子間を十分に広げて配置すると、回転子の爪が長くなり高速回転時の遠心力による影響が大きくなる。一方U相V相W相の前記相固定子を近づけて配置すると内側の相固定子の時期回路の漏洩磁束が多くなり、鎖交磁束の量が少なくなり、結果として交流発電機としてのU相V相W相の出力がアンバランスになる。あるいは機械的な制動トルクがアンバランスになる問題がある。特に車載用交流発電機では、内側に配置される相の出力が低下し、低速回転での発電特性が低下する恐れがある。
以下の実施の形態では、次のようにして、出力の低下やアンバランスを低減している。(1)軸方向に配置された相固定子の内側部分の磁束を永久磁石により強くする構造とし、U相V相W相が電気的にあるいは機械的にアンバランスになるのを防ぐ構造となっている。また(2)軸方向に配置された相固定子の内側部分の磁気回路の磁気抵抗を両サイドより小さくする構造として、U相V相W相が電気的にあるいは機械的にアンバランスになるのを防ぐ構造となっている。
また以下の実施の形態では、固定子鉄心に鉄粉ではなく、積層鋼板を使用して磁気特性を改善し、出力向上を図っている。さらに積層鋼板を使用した固定子鉄心の交流発電機は、鉄粉を圧縮して形成した鉄心構造を使用する交流発電機に比べ電気的な特性改善が得られるだけでなく、機械的な信頼性が向上し、さらに生産性の改善が合わせて可能となる。すなわち鉄粉を圧縮成形した交流発電機では、形状が大きくなり、鉄心内の鉄の密度を高めるのに限界があり、磁気特性が悪くなる。このため鉄粉を使用した場合には、特に交流発電機においては、低速回転時の発電特性が悪くなる。以下の実施の形態では、このような特性の劣化を低減できる効果がある。
各相固定子は回転軸方向に延びる固定子爪を有し、各固定子爪の根元は周方向に徐々に広がり、固定子外周部につながる形状をしている。また爪の根元と次の爪の根元との間は半径方向に大きく切り欠かれた形状で、半径方向に凹部形状を有している。このような形状とすることにより、磁束漏れを少なくでき、また時期回路の磁気抵抗を小さくできる効果がある。
〔生産性の向上〕
以上電気的な特性の改善に関する効果を説明したが、別の観点での効果として、生産性の向上に係る改善効果がある。以下に説明する実施の形態では、固定子鉄心として積層鉄心を使用しているので、鉄粉を大きな力で圧縮する装置が不要であり、生産性が優れている。
またU相とV相とW相との相固定子において、同じ形状の固定子鉄心を異なる相固定子の鉄心として使用でき、生産する積層鉄心の形状の種類を少なくすることができる。これにより生産性が向上する。
〔材料の有効利用〕
以下の実施の形態の中に、周方向につながった固定子鉄心を使用するのではなく、周方向に分割して形成された分割鉄心を周方向に繋いで相鉄心を形成する実施の形態が有る。この実施の形態は、周方向に分割された形状の鉄心辺を材料として使用するので、前記材料となる鉄心辺を板状の鋼板から成形する工程での材料の無駄を少なくできる。周方向に繋がった状態の固定子材料を板状の鋼板から成形しようとすると、回転子を設ける孔の部分の材料を切り落とすことが必要となり、この材料が無駄となる。周方向において分割された形状の鉄心辺を材料とし、この材料を周方向に繋ぐことにより、固定子鉄心を形成することにより、回転子部分に相当する材料の無駄が出ないように、前記鉄心辺の材料を板状の鋼板から成形することが可能となり、結果的に鋼板材料の無駄を少なくできる効果がある。
また固定子巻線の一方側における相固定子の鉄心に着目すると、周方向に隣接する爪間では磁気回路を形成しないので、つまり固定子巻線の一方側に設けられた一方の爪と固定子巻線の他方側に設けられた上記一方の爪に隣接する他方の爪との間で磁気回路を形成し、隣接する一方の爪間では磁気回路を形成しないので、これら一方の爪同士の間、あるいは他方の爪同士の間で分割し、これら一方の爪同士の間、あるいは他方の爪同士の間で溶接などにより一体化しても磁気的な特性劣化を招くことが無い。従って上記条件で分割すれば、磁気特性の劣化を招くことなく、鋼板材料の無駄を少なくできる効果がある。
他にも効果があるので、他の効果は以下の実施の形態の記載の中で説明する。
[第1実施例]
図1〜図12を用いて本発明の第1の実施の形態を説明する。図1は車両用交流発電機の側面断面図である。図2は車両用交流発電機を部分的に断面とした斜視図である。図4は、回転子と固定子を部分的に断面とした斜視図である。図5は、回転子の斜視図である。図6(a)は、固定子における1つの相を取り出した斜視図であり、図6(b)は、図6(a)の部品毎の斜視図である。図6(c)は、固定子鉄心構成部材における1つの固定子爪磁極の部分を切り取って斜視図で表したものである。図7(a)は、固定子のみを部分的に断面とした斜視図である。図7(b)は、固定子を内周側から見た図である。図8は、固定子の各相毎の斜視図である。図9(a)は、固定子鉄心の周方向位置決め部分を拡大した図である。図9(b)は、連結板の周方向位置決め部分を拡大した図である。図10は、固定子巻線206の端末の這い回し状態を示した図である。図11(a)は、固定子鉄心の第1の製造方法を示す図である。図11(b)は、固定子鉄心の第2の製造方法を示す図である。図12(a)は、固定子鉄心構成部材の側面断面図であり、折曲部の曲げR比率について説明した図である。図12(b)は、出力電流と曲げRと比率の関係を示したグラフである。図13は、固定子鉄心構成部材の側面断面図であり、鋼板の積層枚数について説明した図である。
図1および図2に示す車両用交流発電機は、ハウジング102とハウジング102の内部に設けられた固定子202と前記固定子202の内側に設けられた回転子302を備えている。前記ハウジング102はフロントブラケット104とリアブラケット106とを有しており、前記フロントブラケット104とリアブラケット106とはそれぞれ車両用交流発電機を車両に固定するための前記固定部108を有しており、前記固定部108により交流発電機が車両のエンジン機構に固定される。
前記フロントブラケット104とリアブラケット106はおのおの軸受126Fと126Rとを有しており、これら軸受126Fと126Rとによりシャフト124が回転自在に保持されている。前記シャフト124には前記回転子302が固定されており、また前記シャフト124の端部にはナットによりプーリ132が固定されている。エンジンの回転がベルトによって前記プーリ132に伝達され、前記シャフト124がエンジンの回転速度に比例して回転する。この回転に基づき、回転子302が発生する磁束と固定子202が有する固定子巻線206との鎖交磁束量あるいは鎖交磁束の方向が変化し、交流電流が固定子巻線206に誘起される。エンジンの回転はベルトにより前記プーリ132に伝達されるが、このベルトにより前記プーリ132に回転変動など色々なトルク脈動が伝達されるので、フロントブラケット104に取り付けられている軸受126Fはリアブラケット106に取り付けられている軸受126Rより外径の大きなものが用いられている。
フロントブラケット104は前記プーリ132に加わる応力に耐え、また固定子を強固に保持し、さらに固定子に発生する熱を外部に放出する作用をする。フロントブラケット104の径方向の外周側部分の肉厚は、固定子202の側部の肉厚Aとし、底面側すなわち固定子202の外周側の肉厚Bとすると、肉厚Aの方が肉厚Bより厚い関係となっている。また、リアブラケット106側の端部外周にはリアブラケット106が嵌合可能な環状の段差からなる嵌合部112が形成されている。更にフロントブラケット104の軸方向の端面側の部分の肉厚Cとすると、肉厚Aの方が肉厚Cより厚く、また肉厚Cの方が肉厚Bより厚い関係となっている。
また、リアブラケット106の径方向外周側部分においてもフロントブラケット104と同様にフロントブラケット104側の肉厚Dは底部側の肉厚Eより薄い関係となっていると共に、この肉厚D部分の端部内周には、フロントブラケット104の段差部1aが嵌合可能な環状の段差からなる嵌合部2aが形成されている。尚、リアブラケット106の厚肉E部分は、フロントブラケット104の肉厚Bよりも厚肉となっている。
前記シャフト124には回転子302と共にその両側にファン122が設けられている。またフロントブラケット104およびリアブラケット106には夫々その回転軸方向および径方向の外周側に開口114が形成されており、前記ファン122の回転に基づき軸方向の開口から空気をハウジング内に導入し、径方向に排出する。前記フロントブラケット104及びリアブラケット106は、アルミニウム合金によって成形されており、成形方法としてはダイキャストが用いられる。
この回転子302の両側にはファン122が取り付けられており、ファン122が回転子302と一体的に回転する。2つのファン122が回転することにより、遠心力によって空気が径方向の内側から外側に流れ、フロントブラケット104およびリアブラケット106の回転軸方向の開口114から空気を吸い込み、外周方向の開口114から排出する。この空気により、交流発電機の内部およびフロントブラケット104やリアブラケット106を冷却する。なおフロント側のファン122は、リア側のファン122よりも羽根が小さく、流通させる空気の流量も少ない。
リアブラケット106の軸方向端には、夫々のブラケットよりも薄肉のリアカバー116が複数の螺子118により取り付けられている。図1には複数個の螺子の内一部のみを示す。前記リアカバー116は樹脂製もしくはアルミニウム合金で作られている。前記リアカバー116にはバッテリ22やエンジン制御装置などの外部車載機器と接続されるための端子142が設けられている。またリアカバー116には直流電流を端子142からの界磁電流にスリップリング146に伝えるためのブラシ144を保持しており、さらに前記界磁電流を制御するための制御装置150を有している。この実施例では前記リアカバー116に端子142および制御装置150が設けられており、電気的な回路の主要部が前記リアカバー116に集中している。このため生産ラインで電気回路関係の取り付けを行い、その後交流発電機のハウジングに前記リアカバー116を取り付ける作業を行うことができるので、生産性が向上する。また電気的な製造工程と固定子や回転子の組立工程とを分けることができるので、信頼性が向上する。さらに必要な検査を行ってから前記リアカバー116をハウジングに取り付けることが可能となるので、この点でも生産性が向上する。
前記シャフト124にはスリップリング146が設けられており、前記制御装置150により制御される界磁電流がブラシ144を介して前記スリップリング146に供給され、前記スリップリング146から接続線により回転子の界磁コイルに供給される。
図3は図1と図2に記載の交流発電機の固定子202と回転子302の一部断面の斜視図であり、図4は回転子302の外観の斜視図である。3相交流電力が誘起される固定子202は、U相の電力を発生するためのU相固定子202UとV相の電力を発生するためのV相固定子202VとW相の電力を発生するためのW相固定子202Wとを備えている。また上記U相固定子202UとV相固定子202VとW相固定子202Wとはそれぞれ一方の固定子鉄心232と他方の固定子鉄心252とを有しており、これら一方と他方の固定子鉄心は互いに後述する接合面(図7に開示する接合面218)を有し、上記一方と他方の固定子鉄心の接合面218がそれぞれ接触している。この接合面218が互いに接することで磁気回路が形成されるため磁気抵抗の少ない接合が望ましい。単に接合面218が接触していても良いが、強い圧力が加わるようにして接することで空隙による磁気抵抗の増加を低減できる。また溶接しても良いが、接合面218全体の溶接が困難な場合、接合面218が互いに接した状態で各相固定子の外周側の複数箇所を溶接し、一方と他方の固定子鉄心を互いに固定しても良い。
上記一方と他方の固定子鉄心の内部にそれぞれ相固定子巻線が設けられている。これらの相固定子巻線に鎖交する磁束が上記一方と他方の固定子鉄心で作る磁気回路を通る構造となっており、その磁束の方向が固定子202の内部に設けられた回転子302の回転に従って変化する。上記磁束の大きさおよび方向の変化に従い、上記各相の相固定子巻線に交流電圧が誘起される。上記一方と他方の固定子鉄心には以下で詳述する如く回転子の爪との間で磁束を送受するための固定子爪が設けられると共に漏洩自足を少なくするための固定子窪みが形成されている。図3ではU相固定子202Uの一方の固定子鉄心232の固定子窪み240が見えているが、他の固定子窪みは隠れており、見えない。更にU相固定子202UとV相固定子202Vとの間およびV相固定子202VとW相固定子202Wとの間には非磁性材で形成された連結板216がそれぞれ設けられている。
前記固定子202の内側には空隙を介して界磁巻線を備えた回転子302が回転可能に設けられている。前記回転子302は磁性材料により成形された一方や他方の回転子鉄心322と324を有しており、前記一方の回転子鉄心322や前記他方の回転子鉄心324がシャフト124と一体に回転するように、それぞれセレーション結合でシャフト124に固定されている。前記一方と他方の回転子鉄心322や324は同一形状に加工されており、これら回転子鉄心は互いに向かい合った状態でシャフト124に固定されている。前記一方の回転子鉄心322には一方の回転子爪326が、また前記他方の回転子鉄心324には他方の回転子爪328がそれぞれ設けられており、各回転子鉄心322と324の内側には軸側部342が形成されている。前記一方の回転子鉄心322と前記他方の回転子鉄心324との各軸側部342は互いに対向し、回転子の回転軸に沿った中央部で互いに接した構造となっている。
上記一方および他方の回転子爪326や328と上記各回転子鉄心の各軸側部342との間である、回転子302の内部には、回転子の周方向に巻回された回転子巻線362が設けられている。
前記一方の回転子鉄心322と他方の回転子鉄心324のそれぞれの軸側部342の回転軸における外側の位置に上記一方の回転子爪326と上記他方の回転子爪328がそれぞれ設けられ、図3に示すように、径方向に沿った各爪の断面は略L字形状である。各回転子爪326と328は、その外周面が、後述する固定子爪の内周面と対向しており、互いの面間で磁束の送受が行われる。U相あるいはV相,W相の各相固定子が周方向にそれぞれ有している爪数と同じ数の回転子爪が回転子302に設けられている。即ち上記一方と他方の回転子爪326と328の合計と各相固定子の有する爪数とが一致している。
各回転子の爪の先端は、回転軸に沿って併設されている3相の相固定子の最も遠い相固定子の途中まで伸びている。即ち図3および図4に示す一方の回転子爪326はU相固定子とV相固定子の爪と対向する面を有し、更にW相固定子の爪の一部と対向する面を有しており、一方の回転子爪326の先端はW相固定子の爪の一部までのびている。
また他方の回転子爪328はW相固定子とV相固定子の爪と対向する面を有し、更にU相固定子の爪の一部と対向する面を有しており、他方の回転子爪328の先端はU相固定子の爪の一部まで伸びている。各相固定子の各相固定子巻線と鎖交する磁束を回転子302の一方あるいは他方の爪から供給するには、一方の回転子爪326の先端はW相固定子の爪全体と対向できる面を有することが望ましい。しかし磁束密度の状態に関するシミュレーションを行った結果、一方の回転子爪326の先端部346を通る磁束量は非常に少ないことが分った。同様に他方の回転子爪328の先端部346を通る磁束量は非常に少ないことが分った。従って一方および他方の爪の先端を、3相の固定子を構成する全ての相固定子の爪と対向できる位地まで延ばしても、固定子巻線に鎖交する磁束量はあまり増加しないことが分った。一方または他方の回転子爪を長くしてもそれほど発電出力が増加しないことがシミュレーションにより明らかになった。
車両用交流発電機では、回転子の停止状態から約1万8千回転/分の高速回転まで、回転速度が広く変化することが考えられ、上記高速回転にも対応できることが望ましい。1万5千回転/分あるいは1万8千回転/分の高速領域では、回転子の爪に発生する遠心力が大きくなり、各爪の先端部が固定子方向に変形する。この変形は爪の長さが大きくなるに従って大きくなる。このため、この実施の形態では、発電効率の低い部分の爪を無くして、爪の長さを短くし、上記遠心力による爪の変形を少なくしている。この変形を少なくすることで、回転子爪と固定子爪との空間の径方向長さを短くでき、磁気抵抗を小さくできる。従って爪の長さを短くすることで、固定子爪との対向面積は少なくなり、発電出力が低下するが、一方上記回転子と固定子間の空隙が短く抑えられ、磁気抵抗を抑えられる効果がある。これらの点を考慮し、本実施の形態では、爪の先端がW相固定子やU相固定子の各爪の途中までで終わる形状としている。
上述のとおり、回転子鉄心322と324の軸側部342と回転子爪との間には、回転子巻線である界磁巻線362が回転軸の周方向に巻回され、この界磁巻線362への電流を供給するため界磁巻線の両端部は、シャフト124に沿ってスリップリング146の方に伸びており前述界磁巻線の両端部は夫々接続されている。この構成で、ブラシ144からスリップリング146を介して界磁巻線362に直流電流が供給され、界磁巻線362により磁束が発生する。この磁束により、一方と他方の回転子鉄心322と324に設けられた一方と他方の回転子爪326と328がそれぞれ異なる極性に磁化される。尚、界磁巻線362に供給される電流は、固定子巻線206に誘起される3相電圧が所定の目標電圧になるように制御される。固定子巻線206に誘起される3相電圧は回転子302の回転速度に依存する一方、回転子302の回転速度は車両の運転状態に応じて頻繁に変化するので、界磁巻線362に供給される界磁電流を制御しない場合には固定子巻線206に誘起される3相電圧は上記回転子の回転速度に応じ頻繁に変化する。固定子巻線206に誘起される3相電圧を所定の目標電圧に維持するためには常に界磁巻線を制御することが必要である。前記界磁電流を制御するための制御回路および制御方法は後述する。
図4は図3に記載の回転子302の外観を示す斜視図である。回転子302を構成する一方の回転子鉄心322と他方の回転子鉄心324はそれぞれ8個ずつ、両方で16個の回転子爪を有している。この実施の形態では一方と他方の回転子鉄心はそれぞれ8個ずつであるが、この数に限るものではなく、一方と他方の回転子鉄心はそれぞれ6個から12個の間の数を有することで好ましい発電出力がえられる。この回転子爪の数は、上述のとおり、固定子を構成する各相固定子が有する爪の数に一致している。
前記一方の回転子鉄心322の根元部344には周方向における各一方の回転子爪326の間にそれぞれ一方の回転子窪み332が形成されている。前記他方の回転子鉄心324が有する他方の回転子爪328は前記他方の回転子鉄心324から回転軸に沿って一方の回転子鉄心322の方に向かって伸びており、他方の回転子爪328の先端部346はそれぞれ周方向において、一方の回転子窪み332の位置に配置される。図4には表れないが、同様に他方の回転子鉄心324の根元部344には周方向における各他方の回転子爪328の間にそれぞれ他方の回転子窪み334が形成されている。前記一方の回転子爪326の先端部346はそれぞれ周方向において、他方の回転子窪み334の位置に配置される。
図4に記載のように、前記一方の回転子鉄心322および前記他方の回転子鉄心324が有する一方の回転子爪326と他方の回転子爪328はそれぞれの爪の根元部344の周方向幅をAとし、それぞれの爪の先端部346の周方向幅をBとすると、幅Bは幅Aより小さい。つまり、各回転子爪の固定子側の面の形状は先細りのテーパ形状となる、略台形状を呈している。また、図3に示すように回転子爪の径方向幅は、先端に向かって幅狭となるように内周側が傾斜している。このような形状に形成された一方と他方の夫々の回転子爪が周方向に交互に位置するように配置されており、回転子の周方向において各爪の周方向のセンタと各回転子窪みの周方向のセンタがそれぞれ略一致している。
次に図5〜図10に基づいて固定子202の構造を説明する。図5はU相固定子202Uの外観を示す斜視図、図6は図5に示されたU相固定子202Uの展開図、図7は固定子爪の拡大図、図8は各相固定子の固定子爪の配置関係を示す図、図9は固定子202の展開図、図10は相固定子の位置関係の調整を示す図である。
前述したとおり、固定子202は、U相,V相,W相の3相の交流電圧を発生するためのU相固定子202UとV相固定子202VとW相固定子202Wとを備えている。これらの各相固定子は構造および作用と効果が略同じであり、代表してU相固定子202Uに基づいて各相固定子の具体的構造を説明する。U相固定子202Uは、一方の固定子鉄心232と他方の固定子鉄心252とを有し、内部に図6に示す如く固定子巻線206を有している。この固定子巻線206は出力端を省略して図示している。この実施の形態では固定子鉄心は、軸方向に一方の固定子鉄心232と他方の固定子鉄心252とに2分割されている。分割された一方の固定子鉄心232と他方の固定子鉄心252は、それぞれ外周側に環状形状で径方向の断面がL字形状の一方の固定子鉄心外周部234と他方の固定子鉄心外周部254とを有する。この実施の形態では一方の固定子鉄心232と他方の固定子鉄心252とが同じ形状で向きが異なるのみであり、同形状の固定子鉄心の生産で固定子202を作ることが可能なので、交流発電機の生産性が向上する。
一方の固定子鉄心232には、この実施の形態では、径方向断面L字形状の一方の固定子爪238を等しい間隔で8個備えており、他方の固定子鉄心252には他方の固定子爪258を等しい間隔で8個備えている。一方の固定子鉄心232と他方の固定子鉄心252とは所定間隔で設けられた固定子爪の間に一方の固定子窪み240と他方の固定子窪み260とがそれぞれ設けられ、上記一方の固定子鉄心232と他方の固定子鉄心252とが180°反転した状態で一体化された状態では、一方の固定子鉄心232が有する一方の固定子爪238は他方の固定子窪み260と周方向において一致した位置となり、また他方の固定子鉄心252が有する他方の固定子爪258は一方の固定子窪み240と周方向において一致した位置となる。このような構造により、一方の固定子鉄心232と他方の固定子鉄心252との間の磁束の漏洩を少なくでき、固定子コイルの鎖交磁束量を増加でき、発電効率が向上する。
一方の固定子鉄心232と他方の固定子鉄心252とが有している上記固定子爪は、回転子に対向した面の形状が直角四辺形ではなく先端部が根元部よりやや狭い略台形形状をしており、回転子の爪との対向面積が回転子の回転に伴い徐々に増大し徐々に減少する状態となる。固定子巻線206に鎖交する磁束量が徐々に増加し徐々に減少するように変化するので、発電電圧が矩形波形状から正弦波により近づくようになり、高調波を少なくできる効果がある。
一方の固定子鉄心232と他方の固定子鉄心252とが有する一方と他方の固定子爪238と258は同じ形状であり、代表して他方の爪258の拡大図を図7に示す。他方の固定子鉄心252と他方の爪258とは一体であり、多数の鋼板例えば3枚から17枚、好ましくは5枚〜15枚の内の所定の枚数の鋼板を積層することで固定子鉄心と固定子爪を形成している。固定子鉄心を形成する材料は磁性材料からなる金属板であり、プレス加工性に優れている方が生産し易い。金属板の厚さが薄くなると加工性が悪くなる。また積層枚数が多くなる。このため0.2mmメータから1.0mmの厚さの鋼板を使用し、厚い金属板では3枚、薄い金属板では15枚やそれ以上17枚程度の積層構造とすることで渦電流を抑えるとともに磁気飽和し難い十分な磁気回路の断面を確保できる。また加工性にも優れている。材料としては磁性金属材料からなる金属板を使用可能である。金属板として電磁鋼板を使用することで更に発電機の特性を改善できる。例えは珪素を数パーセント、例えば2パーセント以上6パーセント以内の値で含む珪素鋼板が最適である。
本実施例では、鋼板として電磁鋼板を採用し、夫々の鋼板は他方の固定子鉄心外周部254が径方向の断面がL字形状となるように折り曲げられて形成されている。一方と他方の固定子爪は径方向断面L字形状となるように折り曲げられて形成されている。図7に示す如く、折り曲げられた鋼板が所定枚数、3枚から17枚の間枚数が望ましい、積層されることで磁束を通す磁気回路の断面を確保できる。上記積層構造で固定子爪を有する一方あるいは他方の固定子鉄心232あるいは252が形成される。なお、積層された一方あるいは他方の固定子鉄心232あるいは252は、固定子の接合面218を互いに接触させ、溶接などにより一体的に固定する。
通常の車両用交流発電機の固定子鉄心232あるいは252に用いられる鋼板としては、冷間圧延鋼板(SPCC)が用いている。この鋼板を使用しても良いが、本実施の形態では、電磁鋼板(35H300)を使用する。この電磁鋼板(35H300)は、冷間圧延鋼板(SPCC)に比べて電気抵抗が抵抗率で約3〜4倍大きい。このため渦電流を低減でき、効率を向上できる。ここで鋼板の厚さをt、周波数をf、最大磁束密度をBm、電磁鋼板の抵抗率をρ、比例定数をkeとした場合、渦電流損失Peは、式(1)で表される。この式において電磁鋼板の抵抗率ρが大きくなるとそれに伴い、渦電流損失Peが小さくなるので、渦電流損失を低減できる、効率が向上することがわかる。また渦電流損失Peの低減は発熱の低減に繋がる。
Figure 2009005420
図8(a)は固定子202の一部断面を示す斜視図であり、固定子202は相固定子202Uと202Vと202Wとを有し、相固定子202Uと202Vとの間には結合板216が設けられ、相固定子202Vと202Wとの間には結合板216が設けられている。各相固定子の内部には、絶縁被膜を有する導体を周方向に巻回された相固定子巻線が設けられ、各相固定子巻線は相固定子鉄心内部にワニス等の絶縁樹脂で固定されている。各相固定子巻線の巻線端部は取り出され、図1の制御装置150に導かれ、制御装置150の整流器で全波整流され、外部に出力される。本実施の形態では、固定子巻線206は、断面形状が円形の導体を使用しているが断面が長方形の角線を使用しても良い。尚、相固定子鉄心と固定子巻線206との間に、絶縁部材である絶縁紙を配置し、その上から絶縁樹脂で固めても良い。
図8(b)は、固定子爪の配置を説明する図であり、U相固定子202UとV相固定子202VとW相固定子202Wの各固定子爪が電気角で120度ずつ、ずれた状態となるように、U相固定子202UとV相固定子202VとW相固定子202Wが一体化されている。
図9は固定子202の展開図であり、U相固定子202UとV相固定子202Vとの間には結合板216が設けられ、V相固定子202VとW相固定子202Wとの間に同様の結合板216が設けられている。この実施の形態では、上記結合板216を使用して、U相固定子202Uに対しV相固定子202Vを所定電気角だけ回転した位置関係に固定し、またV相固定子202Vに対してW相固定子202Wを所定電気角だけ回転した位置関係に固定している。この実施の形態では、所定電気角は電気角の120度である。上記所定位置関係にシフトした状態に結合板216を使用して位置決めしているので、非常に簡単かつ正確に位置決めでき、作業性が向上する。また特別な部品を必要としないので、コスト低減の観点でも効果がある。なお、結合板216は非磁性材で作られており、例えばアルミ板であるが、樹脂基板であっても良い。ただしアルミ基板の方が放熱性の点で優れている。
図9で、連結板216の周方向における所定位置において、一方の面に軸方向に突出する2つの突起2162と2164が設けられ、上記突起に対して所定電気角である120度ずれた位置の裏面すなわち他方の面に、図9では現れないが、2つの突起2166と2168が設けられている。この実施の形態では一方の面と他方の面にそれぞれ3個ずつ突起が設けられているが、一個でも良い。また周方向に更に多くの突起を設けても良い。
図10は、結合板216の第1の突起2162と第2の突起2164とがU相固定子202Uの隙間に挿入され、U相固定子202Uに結合板216が位置決めされて固定された状態を示しており、U相固定子202U側の面から結合板216の方を見た図である。U相の一方の固定子鉄心232の一方の固定子窪み240の中央に形成された窪み2402に結合板216の第1の突起2162が挿入し、またU相固定子202Uの他方の固定子鉄心252に設けられた爪258と一方の固定子鉄心232との間に第2の突起2164が挿入されている。これにより、U相固定子202Uと結合板216とが位置決めされる。
図11は結合板216の他方の面を見た図であり、一方の面における第1の突起2162に対して電気角で所定角である60度回転した位置に他方の面の第1の突起2166が設けられ、一方の面における第2の突起2164に対して電気角で所定角である60度回転した位置に他方の面の第2の突起2168が設けられている。上記U相固定子202Uと結合板216との位置決めと同様に、上記結合板216とV相の相固定子202Vとが固定されることで、上記U相固定子202Uに対して上記V相固定子202Vが電気角で60度回転した位置に固定される。
同様にV相固定子202Vと他の結合板216とが固定され、上記他の結合板216とW相固定子202Wとが電気角で120度回転して固定される。このように同じ形状の結合板216を使用することにより、上記U相固定子202Uに対して上記V相固定子202Vが電気角で120度回転して固定され、上記V相固定子202Vに対してW相固定子202Wが電気角で120度回転して固定される。同形状の結合板216を使用することで生産性に優れている。また生産工程の機械化において同じ方法でU相固定子202UとV相固定子202Vの位置決めおよびV相固定子202VとW相固定子202Wとの位置決めを行うことが可能となる。この点でも生産性が優れている。
図12は回転軸方向に並んで配置された3相分の相固定子であるU相固定子202UとV相固定子202VとW相固定子202Wとに巻回された各固定子巻線206の端末線の引き出し状態を示す図で、回転子側から固定子爪を見た図である。実際は各固定子巻線206やそれぞれの端末線は樹脂で覆われて固定されており、見えないが、説明のために樹脂を取り除いた状態を示している。W相固定子202Wの固定子巻線206はW相固定子202Wの一方の固定子爪238と他方の固定子爪258の間を通ってリアカバー116側に伸び、リア側に設けられた図1に示す制御装置150に接続され、図示しない整流回路を介して端子142に接続されている。
またV相固定子202Vの固定子巻線206はV相固定子202VとW相固定子202Wとのそれぞれの一方と他方の固定子爪238と258の間を通ってリアカバー116側に伸び、リア側に設けられた図1に示す制御装置150に接続される。同様にU相固定子202Uの固定子巻線206は、U相固定子202UとV相固定子202VとW相固定子202Wとのそれぞれの一方と他方の固定子爪238と258の間を通ってリアカバー116側に伸び、リア側に設けられた図1に示す制御装置150に接続される。上記U相固定子202UとV相固定子202VとW相固定子202Wの固定子巻線206は、後述するようにスター結線されており、図12で(中性点)と記載した各相の端末線は上記スター結線の中性点として電気的に接続される。各相の端末線の内上記(中性点)と記載した端末とは異なる方の端末は、全波整流回路に電気的に接続され、全波整流回路の出力端は図1端子142に接続されている。このように各爪の間の空隙を利用して各固定子巻線206の接続を行うことで、接続作業を簡単に行うことが可能である。最後に樹脂などを流すことで簡単に保持できる。また電流値は大きいが電圧値は低いので各固定子爪の間の空間を利用しても絶縁破壊の問題が生じ難い。
図13に基づいて各相固定子の一方および他方の固定子鉄心232および252の製造方法について説明する。上記一方および他方の固定子鉄心232および252の製造する方法としては、2つの方法がある。その内の1つを、図13(a)に示す方法で説明する。プレス加工やエッチング加工によって先ず平板状の積層された固定子鉄心部材226を形成する。図示内容を簡単にするため積層する枚数を4枚としているが、先に説明の如く3枚以上17枚程度までの枚数から適宜選ぶことが考えられる。次に図6や図7に示す如く固定子鉄心の外周部234または254の形成および固定子爪238または258の部分を曲げにより形成する。曲げ加工では爪の部分や外周部の部分で内側金属板と外側金属板との間でズレが生じる。このため、折り曲げ加工の後に固定子爪238や258の先端面222をそろえるための切削加工を行う。同様に固定子鉄心外周部234や254の接合面218を揃えるための切削加工を行う。この方法では、一度に複数枚の鋼板を折り曲げるので容易に成形できるといった効果が得られる。一方多数の積層金属板を一度に折り曲げ加工するので、折曲部の各金属板間に隙間ができるなど、高度な加工技術が必要となる課題がある。固定子爪の回転側面220は回転子との磁束の授受に重要な面である。回転子の面と上記面220との間の空間の距離を短くすることは磁気抵抗を小さくする上で重要であり、折り曲げ部26に大きな丸みが付いたり、折り曲げ部26における各金属板間に空間が生じたりすると固定子爪の回転側面220の回転子との対向面積が少なくなり、発電機の効率低下に繋がる心配がある。
図14に固定子202の他の製造方法を示す。先ず切削加工した平板の磁性材からなる金属板を一枚ずつまたは少ない積層枚数ごとに工程1で、折り曲げ加工する。図では1枚ごとに曲げ加工する例を記載している。工程2では曲げ加工された金属板を積層し、工程3で必要な枚数を積層しこれらを一体となるように固定する。固定方法としては溶接が生産性の点で優れている。この方法は、図示のように内周側に積層される金属板は必要な長さが短くてよくなり、外周側に積層される金属板の方が必要寸法が大きくなるので、最初の切削加工時にこの点を考慮し、寸法を変えて加工することが望ましい。もし長さを正確に決めることが困難であれば、一体形成の工程3で、一体化の前後に切断により長さを整える作業を加え、最終形状を整えるようにしても良い。このようにして一体化された各積層固定子鉄心は図13で説明の最終の固定子鉄心と基本的に同じ構造である。図14で図示した参照番号の各部や各面は図13で説明の各部や各面と同じ構造あるいは同じ機能である。この方法を用いれば、折り曲げ部26の形成が比較的容易であり、略直角に近い角度で各金属板を折り曲げることが可能となる。このように折曲部を直角に近づけることで、回転子の面と対向する固定子の爪の回転子側の面220の対向面積を大きくすることが可能となる。このため、回転子302と固定子202間で磁束が通過し易くなり、電気的な特性および効率を向上させることが可能となる。この方法では、複数の形状の鋼板を成形する必要があるため、型の種類が増加することとなるがその後の折り曲げ作業が容易となる効果がある。また金属板間の空間を少なくあるいはほとんどなくすことができ、振動などの影響が受け難い効果がある。
次に、図15を用いて一方あるいは他方の固定子爪238/258の折曲部の曲げ比率と発電機の出力電流との関係について説明する。本実施例における折曲部の曲げ比率とは、図15(a)に示す一方あるいは他方の固定子爪238/258の軸方向における最長をLとし、折曲部の半径をRとした状態での比R/Lのことで、長さLは設計条件で決まる一定値として考えると、曲げ部に大きな局部が生じるほどこの比は大きな値を示し、逆に直角に近づくほど小さな値となる。曲げ部はきれいな円弧状ではないので正確に考えると半径Rとはならないが、概略円弧に近似しているとして計算したものである。この曲げ比率と出力電流との関係をシミュレーションしてみると、図15(b)に示す関係となる。回転子が6000r/min で回転している状態と、1800r/min で回転している状態は、ほぼ同様の傾向を示し、曲げ比率が0.1以上となると出力電流が低下し始め、曲げ比率が0.2以上となると出力電流が急激に低下する。このため、曲げ比率を0.2以下とすることが重要であり、好ましくは、曲げ比率を0.1以下とするとよい。このように曲げ比率が大きいと出力が低下する理由は、回転子の爪との対向面積が減少し、磁気抵抗が増大するためや漏れ磁束が増大するためと考えられる。
次に図16を用いて積層枚数について説明する。誘起電圧(V)をE、磁束(wb)をΦ、固定子巻線206の巻数をN、固定子鉄心232/252の断面積(mm2)をS、磁束密度(T)をB、回転子302の回転数(r/min )をn、極数をPとしたとき、誘起電圧は、式(2)で表される。この式(2)によれば、固定子鉄心232/252の断面積と誘起電圧が比例関係にあることがわかる。このため、積層枚数を増加させることで固定子鉄心232/252の断面積が増加できるので誘起電圧が上昇する。しかしながら、積層枚数が増加しすぎると積層面での磁気抵抗が増大し、内周層まで回転子からの磁束が届かなくなり、誘起電圧が上昇しなくなる。積層枚数については、積層間のギャップにもよるが実験を行ったところ、積層m,積層合計厚みhsとすると積層比率m/hs=0.1以下になると誘起電圧が上昇しなくなることがわかった。このため、積層比率は、0.1以上の範囲で出来るだけ多く積層した方がよい。また、積層間ギャップは合計で0.2mm以下とした方がよい。
Figure 2009005420
次に本実施例の作動について説明する。
エンジンの回転トルクがクランクシャフトからベルトを介してプーリ132に回転が伝達され、シャフト124を介して回転子302を回転させる。ここで回転子302に設けられた界磁巻線362にスリップリング146とブラシ144を介して直流電流を供給すると、界磁巻線362は供給された直流電流に応じた磁束を発生する。これにより回転子302が交互に有する一方および他方の回転子爪326と328をN極およびS極に磁化する。上記界磁巻線362(回転子巻線と同じ)による磁束は、一方の回転子鉄心322のN極に磁化された一方の回転子爪326から固定子202の一方の固定子爪238を通って固定子巻線206の周りを周回し、他方の固定子爪258を通り、更にこの磁束は他方の回転子鉄心324のS極に磁化された他方の回転子爪328に到達する。他の相固定子でも同様の磁気回路が生じる。回転子の回転に伴い回転子爪と固定子爪とが対抗する関係となる相手方の爪が変わるので、磁気回路を通る磁束の方向が回転に伴い交互に反転する。回転子302と固定子202を周回する磁気回路の磁束の方向が変化することで、回転子302に生じた磁束が固定子巻線206と鎖交する磁束が回転と共に変化し、U相,V相,W相の固定子巻線206のそれぞれに交流電圧を誘起し、全体として3相の交流電圧が誘起される。
このようにして発生した交流電圧は、後述する全波整流回路で全波整流されて直流電圧として端子142から出力される。整流された直流電圧は所定の範囲の伝発で例えば約14.3V 程度の所定電圧であり、エンジン回転速度の変化にかかわらず必要な所定電圧の直流が出力されるように制御回路により界磁巻線362に供給する電流が制御される。
上述の固定子の構成では、固定子鉄心を積層金属例えば積層珪素鋼板使用しているので、固定子鉄心の強度が強く、エンジンなどの振動源近くに存在する車両用として使用するのに耐えられる強度を備えている。また、積層方向には、電流が通過しづらくなる、つまり、電気抵抗が増大するので、発生する渦電流を低減することが可能となる。更に渦電流の低減によって発生する熱も減少させることが可能となる。
また、本実施例によれば、固定子鉄心を構成する鋼板を電磁鋼板とした。本実施例の固定子爪磁極における鋼板の積層方向は、内周側から外周側に向かって積層されているため、回転子との対向面には、積層面が形成されない。このため、固定子爪磁極の部分においては、電気抵抗があまり大きくならず、渦電流が発生し易くなってしまうが、本実施例では、鋼板を電磁鋼板として抵抗率を高くしているので渦電流損を低減させることができる。
また積層鋼板として珪素鋼板を使用すると良好な磁気特性が得られ、良好な発電特性が得られる。上記構造であれば、固定子巻線206の構造がシンプルであり、作業性が向上する。
また、本実施例によれば、固定子爪磁極は軸方向側面部分から回転子と対向する部分に渡って折曲部が形成されている。つまり、断面が略L字形状となっている固定子爪磁極を連続した鋼板を積層して構成しているので固定子爪磁極の強度を更に向上させることが可能となる。また、固定子鉄心を構成する鋼板の枚数を最小限に留めることができる。
また、本実施例によれば、固定子鉄心は、軸方向に分割された2つの固定子鉄心構成部材を接合して構成されている。このため、固定子巻線206を装着しやすく、また、鋼板の成形も容易となる。
また、本実施例によれば、固定子爪磁極における回転子と対向する面を平面としている。このため、固定子鉄心の成形が容易となるばかりでなく、固定子爪磁極において磁束が軸方向に流れやすくなるので効率を向上させることができる。
また、本実施例によれば、固定子は、非磁性体からなる連結板を介して軸方向に並んで配置された複数相の相固定子を備えており、連結板には、固定子鉄心における径方向の凹凸に当接して夫々の相固定子を周方向に位置決めする凸部が形成されている。このため、連結板によって各相の固定子間での磁束の漏れを低減でき、更に、各相の固定子を周方向に位置決めすることが可能となる。更に本実施例においては、固定子鉄心を一対の固定子鉄心構成部材によって構成しているが、夫々の固定子鉄心構成部材における周方向の位置決めも兼ねるようにしている。
また、本実施例によれば、各相の固定子巻線206を整流回路に接続する際、固定子爪磁極間の隙間を通しているので、固定子鉄心に穴を開けたりすることによる磁気回路への影響を低減できる。また形状が複雑によると音が出易くなる、上記構造はシンプルであり、音の発生を低減できる。尚、固定子爪磁極間の隙間には、非磁性体としての樹脂を充填しているので固定子巻線206を保持することもでき、各相の固定子同士及び固定子鉄心構成部材を固定することもできる。更には、この樹脂によって固定子爪磁極を含む固定子の強度を向上させることも可能である。加えて、本実施例では樹脂と固定子爪磁極をほぼ同一面とするようにしたため、回転子が回転することによる風切り音を低減することもできる。尚、固定子爪磁極の表面は、樹脂によって被覆されないようにした方が回転子との隙間を小さくできるので磁束を通しやすくできる。
[第2実施例]
次に第2実施例を図17及び図18に基づいて説明する。図17(a)は、第1実施例における各固定子巻線206に誘起される電圧の出力波形である。図17(b)は、第2実施例における各相に誘起される電圧の出力波形である。図18は、第2実施例の回転子及び固定子の側面を断面とした斜視図である。尚、第1実施例と共通する構成については、同一称呼,同一の符号で表すとともに、共通する構成の説明は省略する。
先に説明したとおり、第1実施例の固定子202は、連結板216を介して複数相(U相,V相,W相)の一方と他方の固定子鉄心232と252が隣り合って配置されているが、非磁性体の連結板216を介しても、隣り合う相固定子の一方と他方の固定子鉄心間に磁束が漏れてしまう。このように磁束が隣の一方と他方の固定子鉄心232と252に漏れることにより、軸方向両端に配置される相固定子(U相とW相)の間に配置されるその他の相固定子(V相)の固定子鉄心内の磁束が両端の相固定子の鉄心ないの磁束に比べ少なくなる。このため図14(a)に示すように軸方向両端に配置される相固定子(U相とW相)に比べて出力される交流電圧が小さくなってしまうことがわかった。このため、整流回路15によって整流した後の直流電圧に比較的大きな電圧変動であるリップル電圧発生する。さらに出力される発電電圧自身が低下する可能性がある。
図18に示す第2実施例では、軸方向両端に配置される相固定子(U相とW相)の間に配置されるその他の相固定子(V相)の固定子鉄心内の磁束を、上記軸方向両端に配置される相固定子(U相とW相)の磁束より強くする構造である。上記他の相固定子(V相)の一方および他方の固定子爪238や258と対向する回転子の部分に永久磁石を設けることにより磁束密度を増やす構造である。この実施の形態では、V相固定子202Vの爪に対向する回転子の爪間に軸方向断面が略四角形の永久磁石292を固定している。この永久磁石292の極性は、界磁巻線362に励磁したときに回転子爪に形成される磁極と同極が向かい合うように着磁されている。このため、V相固定子202Vは、他の相に比べて、相固定子巻線に鎖交する磁束量を補強できるので、誘起電圧が図17(a)に比べ増大し、図17(b)に示すように他の相に誘起される電圧と略等しくなる。このような永久磁石292によって各相固定子における出力の違いを是正することができる。上記出力の是正のために使用する磁石292としては、一般の永久磁石を使用できるが特にフェライト磁石が適している。フェライト磁石は内部の電気抵抗が大きく渦電流などの電流を押さえることができ、効率の向上や発熱低減の効果がある。希土類磁石は磁石の磁束密度がフェライト磁石に比べ大きいが、各相固定子の出力を合わせるためであれば、フェライト磁石の磁束密度で十分である。尚、この永久磁石292の軸方向長さは、V相固定子202Vの軸方向長さと略同じ長さとしてV相固定子202Vに対向する位地に保持するとよい。V相固定子202Vの軸方向長さと完全に同じとする必要はなく、あくまでU相固定子202UとW相固定子202Wに対して、V相固定子202Vの漏れ磁束増大分を補えればよい。
このように第2実施例では、各相固定子の固定子巻線206に誘起される電圧を略同じ大きさとすることにより、変換された直流のリップル電圧も小さくできる。また漏洩磁束を補えるので、発電機から出力される低速回転時の誘起電圧を大きくでき効果がある。
また、第2実施例の出力バランス手段として動作する上記磁石292は、回転子爪磁極間に設けられているので、軸方向両端に配置される相以外の相に対向して少なくとも設けられた永久磁石によって構成されているので、回転子と固定子の形状を大きく変更しなくてもバランス機能を持たせることができる。
また、第2実施例の永久磁石は、軸方向両端に配置される相以外の相と対向する部位に設けられているので、単純な形状の永久磁石によってバランス手段を構成することができる。このため、安価な方法により発電出力の変動を少なくすることができる。
[第3実施例]
図19に基づいて第3実施例を説明する。図19は、第3実施例の回転子及び固定子の側面を断面とした斜視図である。第1実施例と共通する構成については、同一称呼,同一の符号で表すとともに、共通する構成の説明は省略する。第3実施例は、第2実施例に対比すると永久磁石292の形状が異なるが、他の部分は、第2実施例とほぼ同一である。第3実施例の永久磁石292は、軸方向断面が略T字形状となるようにV相固定子202Vに対応する部分が厚肉でU相固定子202UとW相固定子202Wに対応する部分が薄肉となっている。このため、V相固定子202Vの固定子巻線206と鎖交する磁束は、他の固定子巻線206と鎖交する磁束に比べて多くなる。上記永久磁石292により発電機全体の出力が増加する。特にV相固定子202Vの出力電圧が他の相の固定子巻線206より多くなり、各相の出力電圧の変動を抑制できる。
このように第3実施例では、永久磁石の形状を両端部より中央部の方が磁石量多い形状となっているので、軸方向両端に配置される相固定子巻線と鎖交する磁束量より、軸方向の内部の相固定子巻線と鎖交する磁束量が多くなり、各相の誘起電圧が等しくなる方向に作用する。具体的には、永久磁石を軸方向両端側が薄肉となるように構成したので夫々の回転子爪磁極間に1つずつの永久磁石を配置するだけでも誘起電圧を均一化の方向に作用し、かつ全体出力が増大する方向に作用する。
[第4実施例]
次に第4実施例を図20に基づいて説明する。図20は、第4実施例の回転子及び固定子の側面を断面とした斜視図である。尚、第1実施例と共通する構成については、同一称呼,同一の符号で表すとともに、共通する構成の説明は省略する。図20に示す第4実施例は、第3実施例において永久磁石292の形状が異なる。他の部分は、第3実施例とほぼ同一である。第4実施例の永久磁石292は、軸方向断面が外周側に向かって幅広となるような略台形状となっており、V相固定子202Vに対応する部分が台形の内周側短辺と対応しており、この内周側短辺から外周側に向かって連続的に幅広となるようにテーパ状に軸方向幅が拡大している。図19で説明の作用と同様、永久磁石292はV相固定子202Vの爪に対応する部分の磁石量が多く、U相固定子202UとW相固定子202Wに対応する部分の方が径方向の長さが短く、U相固定子202UとW相固定子202Wに対応する部分の磁石量少なくなっている。従ってV相固定子202Vの固定子巻線206と鎖交する磁束は、他の固定子巻線206と鎖交する磁束に比べて多くなる。上記永久磁石292により発電機全体の出力が増加し、さらにV相固定子202Vの出力電圧が他の相の固定子巻線206より多くなり、各相の出力電圧の変動を抑制できる。また第4実施例では、永久磁石292の磁石量は軸方向の両側に行くに従って連続的に減少しており、上述の如く各相の誘起電圧の変動を減少させると共に、第3実施例よりも漏洩磁束の量を少なくすることができる。また、永久磁石292が急激に減少する形状ではないので、永久磁石292の一部に応力が集中するのを防止でき、機械的強度が向上する効果がある。
[第5実施例]
次に第5実施例を図21に基づいて説明する。図21は、第5実施例の回転子及び固定子の側面断面図である。尚、第1実施例と共通する構成については、同一称呼,同一の符号で表すとともに、共通する構成の説明は省略する。第5実施例は、第1実施例において、第2実施例及び第3実施例とは異なり、回転子爪磁極間に永久磁石292を設けることでバランス手段を構成しているものではなく、V相固定子202VをU相固定子202U及びW相固定子202Wの形状に対して異なる形状としている。具体的にはV相固定子202Vの一方と他方の固定子鉄心232と252の回転軸方向の長さA2をU相固定子202U及びW相固定子202Wの一方と他方の固定子鉄心232と252の軸方向の長さB2より長くして、U相固定子202U及びW相固定子202Wの一方と他方の固定子鉄心232と252と回転子としての回転子302との間を通過する磁束量よりも、V相固定子202Vの一方と他方の固定子鉄心232と252と回転子302との間を通過する磁束量が多くなる、つまり磁束を通り易くなる構造としたことである。尚、V相固定子202Vの一方と他方の固定子鉄心232と252は、軸方向寸法がU相固定子202U及びW相固定子202Wに比べて長いだけではなく、固定子爪の長さおよび回転子との対向面積を大きくできる。即ちV相固定子202Vの爪の面積をU相固定子202U及びW相固定子202Wの爪の面積に比べて大きくできる。
第5実施例では、軸方向における両端に配置される相固定子と回転子との間を通過する磁束よりも、それ以外の相固定子である中央部の相固定子と回転子との間を通過する磁束が通過し易い構造とすることで、各相の誘起電圧の差を抑えることができる。特に第5実施例では、軸方向両端に配置される固定子鉄心よりも、それ以外の固定子鉄心の軸方向長が長くなるようにする構成としたため、新たな部材を付加することなく各相の誘起電圧の差を減少させることができる。
[第6実施例]
次に第6実施例を図22に基づいて説明する。図22は回転子302及び固定子202の側面断面図である。尚、第1実施例と共通する構成については、同一称呼,同一の符号で表すとともに、共通する構成の説明は省略する。第6実施例は、V相における固定子巻線206の巻数をU相及びW相における固定子巻線206の巻数よりも多くすることによって交流出力の変動を減少するための構成(以下バランス手段と記す)を備えている。このため、V相の一方と他方の固定子鉄心232と252には、U相及びW相に比べて固定子巻線206を多く巻回できるようになっているが、その他の構造は、上述の構造例えば第1実施例とほぼ同様であるため、説明を省略する。
このように、第6実施例のバランス手段は、軸方向両端に配置される相の固定子巻線よりも、それ以外の相における固定子巻線206の巻数を多くしたので、変更する箇所を極力少なくしつつ、各相の誘起電圧をバランスさせることができる。尚、各相の固定子鉄心を変更せず、固定子巻線206のみを変更してもよいが、出力させる誘起電圧をできるだけ大きくするには、図22に示すように固定子鉄心における固定子巻線206が巻回される環状空間をU相及びW相に比べてV相の方を大きくし、この環状空間を利用して固定子巻線206を他の相より多くに巻回する。
[第7実施例]
次に第7実施例を図23に基づいて説明する。図23(a)は、第7実施例の回転子及び固定子の側面を断面とした斜視図である。図23(b)は、第7実施例の回転子及び固定子の側面断面図である。尚、第1実施例と共通する構成については、同一称呼,同一の符号で表すとともに、共通する構成の説明は省略する。
第7実施例は、図23(a)及び図23(b)に示すように回転子爪と各相の固定子202との径方向の隙間を、V相固定子202Vと対向する位置の隙間aが狭く、U相固定子202U及びW相固定子202Wと対向する位置の隙間bを広くすることにより、各相間の出力の変動を押さえる構成(バランス手段)を有している。このバランス手段を構成するためにU相固定子202U及びW相固定子202Wと対向する全ての回転子爪の軸方向両端側をテーパ状に切り欠いているが、その他の部分は、第1実施例とほぼ同様であるので説明を省略する。この構造により、回転子爪の外周面の形状は、略台形状となるが、連続的な凸形状や、段付き状に凸形状としても構わない。
このように、第7実施例のバランス手段は、軸方向両端に配置される固定子鉄心の固定子爪磁極と回転子間の隙間よりも、それ以外の固定子鉄心の固定子爪磁極と回転子間の隙間の方を小さくし、軸方向両端に配置される相と回転子との隙間による磁気抵抗よりも、それ以外の相と回転子との隙間による磁気抵抗を小さくすることで磁束が通過しやすくなるので、全ての相の誘起電圧の相毎の変動を抑えることができる。また、従来の回転子爪磁極に加工を施すだけでバランス手段を構成することができるので部品点数が多くならず、新たに設計し直す必要もない。特に回転子爪磁極の外周面の形状をテーパ形状もしくは、連続的な凸形状とすれば、回転子爪磁極に段差が形成されないため、遠心力が作用したとしても強度を維持することができる。
[第8実施例]
次に第8実施例を図24に基づいて説明する。図24(a)は、第8実施例の回転子及び固定子の側面を断面とした斜視図である。図24(b)は、第8実施例の回転子及び固定子の側面断面図である。図24(c)は、第8実施例における固定子巻線206の結線の一例を示す図である。図24(d)は、第8実施例における固定子巻線206の結線の一例を示す図である。尚、第1実施例と共通する構成については、同一称呼,同一の符号で表すとともに、共通する構成の説明は省略する。
第8実施例は、U相,V相,W相の各相固定子202が一対ずつ設けられている。つまり、図24(a)及び図24(b)に示すように軸方向一端側から第1U相固定子202U1,第1V相固定子202V1,第1W相固定子202W1,第2U相固定子202U2,第2V相固定子202V2,第2W相固定子202W2の順で6つの固定子202が連結板216を介して並んでいる。また、これらの各相固定子202における同相の固定子巻線206は、図24(c)及び図24(d)に示すように直列に接続されており、更に夫々の相は、図24(c)に示すようなスター結線あるいは、図24(d)のようなデルタ(Δ)結線されている。第8実施例は、このようにして各相間での出力の変動を抑えている。
ここで前述したとおり、軸方向に配列された両端部に配置される相固定子よりも、それ以外即ち中央部の相固定子の方が誘起電圧は大きく、特に1つの相固定子が隣り合っているよりも、複数の相固定子が隣り合っているあるいは両方から他の相固定子により挟まれている相固定子の方が磁束の漏れが大きい。このため、第1U相固定子202U1と第2W相固定子202W2は、軸方向端部に位置しているため、誘起電圧が最も大きく、次に第1V相固定子202V1と第2V相固定子202V2は、一端側には隣り合った固定子202が1つしかなく、他端側は複数の固定子202が配置されているので第1U相固定子202U1と第2W相固定子202W2よりも誘起電圧が小さくなる。また、第1W相固定子202W1と第2U相固定子202U2は、両端に複数の固定子202が配置されているので第1V相固定子202V1と第2V相固定子202V2よりも更に誘起電圧が小さくなる。このように各相の誘起電圧は、第1U相と略等しい第2W相の誘起電圧はそれぞれ、第1V相あるいは第2V相より大きくなる。また第1V相あるいはこれと誘起電圧が略等しい第2V相は、第1W相やこれと誘起電圧が略等しい第2U相より誘起電圧が大きくなる。図の如く同相の相固定子巻線を直列に結線することにより各相の誘起電圧の大きさは略等しくなる。
このように第8実施例では各相間の出力の変動を押さえる構造(即ちバランス手段)は次のようになっている。固定子の各相は複数組設けられると共に、軸方向に沿うって配置された一端側から同じ相が同じ順序となるように配置され、同じ相となっている固定子巻線206は、直列に接続されるようにしたので、一部の相の固定子巻線206に誘起される電圧を低下させてバランスさせるのではなく、各相の固定子巻線206に誘起される電圧を全体的に大きくした状態で上記変動を抑える、即ちバランスさせることができる。尚、この第8実施例においては、回転子爪の間の固定子と対向する全範囲に第2実施例〜第4実施例とは異なる同一の厚さの永久磁石を設けたり、固定子鉄心の内周面と回転子爪磁極の外周面の間の隙間を極限まで小さくすることで更なる誘起電圧の向上も図ることができる。
[第9実施例]
次に第9実施例を図25に基づいて説明する。図25(a)は、第9実施例の回転子302及び固定子202の側面断面図である。図25(b)は、各相固定子の軸方向の幅B1に対する各相固定子間の間隔G1との比すなわち相間ギャップ比率(G1/B1)と誘起電圧の関係を示したグラフである。図25(c)は、相間ギャップ比率(G1/B1)と電圧振幅の関係を示したグラフである。尚、第1実施例と共通する構成については、同一称呼,同一の符号で表すとともに、共通する構成の説明は省略する。
第9実施例は、図25(a)に示すように固定子202における軸方向の各相固定子間の隙間G1を第1実施例よりも大きくすることで上述のバランス手段と同様の作用を成す構成としており、連結板216の代わりに樹脂を充填している。このように固定子202における軸方向の各相間の隙間G1を大きくすることにより各相間の漏れ磁束を低減することができるが、回転子302の軸方向長が大きくなる。軸方向の長さが所定の長さに押さえられている場合には、隙間G1を大きくすると各相の固定子202の軸方向長B1が小さくなってしまう。
次に、上記隙間G1と固定子202の軸方向長B1の比となる相間ギャップ比率(G1/B1)と誘起電圧の関係について、図25(b)及び図25(c)に示すような実験を行った。図25(b)は、横軸を相間ギャップ比率(G1/B1)とし、縦軸を各相毎の誘起電圧を平均して合わせた電圧値としたグラフである。この図25(b)によれば相間ギャップ比率(G1/B1)が略0.2 以下で満足する誘起電圧を発生することが可能である。また、図25(b)の波形は、相間ギャップ比率(G1/B1)が0.13から0.15の間をピークの条件としてそれ以上では誘起電圧が下降し始める。以上のように相間ギャップ比率(G1/B1)は、0.2以下で満足な電圧を誘起させることができ、0.15以下とすることが好ましく、特に0.13以下とすると更によい。
しかしながら、一方相間ギャップ比率(G1/B1)を小さくし過ぎると、図17(a)に示すように内側の相であるV相の誘起電圧が低下するので各相の誘起電圧を合計した電圧値が低下してしまう恐れがある。ここで図25(c)には、横軸を相間ギャップ比率(G1/B1)とし、縦軸に直流電圧に変換した後の電圧変動であるリップル電圧を示したグラフを示す。図25(c)よれば、相間ギャップ比率(G1/B1)が0.05以下では、リップル電圧が大きくなってしまい、相間ギャップ比率(G1/B1)が0.05以上であれば、必要な誘起電圧を出力でき、リップル電圧も小さくすることができる。また、相間ギャップ比率(G1/B1)が0.07 を超えたところからリップル電圧が安定し始め、相間ギャップ比率(G1/B1)が0.1付近でリップル電圧が安定する。
以上のように第9実施例は、相間ギャップ比率(G1/B1)を0.05〜0.2とすることで、リップル電圧の少ない誘起電圧を十分に出力できる。また、相間ギャップ比率(G1/B1)を0.07〜0.15とすれば、誘起電圧を大きくすることができる。更には、相間ギャップ比率(G1/B1)を0.1〜0.13とすることが望ましい。
[第10実施例]
次に第10実施例を図26に基づいて説明する。図26(a)は、第10実施例の回転子及び固定子の側面断面図である。図26(b)は、第10実施例の回転子を外周側から見た図である。尚、第1実施例と共通する構成については、同一称呼,同一の符号で表すとともに、共通する構成の説明は省略する。
第10実施例は、回転子302における夫々の回転子爪326あるいは328の外周側表面に周方向に延びる絶縁溝20を設け、この絶縁溝20内に樹脂等の非磁性体を充填している。この絶縁溝20は例えば断面が矩形状である。この絶縁溝20は、U相固定子202UとV相固定子202Vの間の連結板216と対向する部分と、V相固定子202VとW相固定子202Wの間の連結板216と対向する部分に設けられており、連結板216の板厚よりも若干幅広に形成されている。尚、他の部分は、第1実施例とほぼ同様であるので説明を省略する。上記絶縁溝20の幅は1mm程度が好ましく、0.5mmから3mmの間である。
このように回転子302における回転子爪326あるいは328において、各相の相固定子202間と対向する位置に絶縁溝20を設けているので、固定子202から回転子302の表面を経路として他の固定子に漏れてしまう磁束を低減することができ、各相の固定子202から界磁巻線362の周りを磁束が周回するようにすることができる。このため、各相間での誘起電圧の変動を小さくでき、全体の発電出力を増大できる。また、この絶縁溝20は、回転子爪326あるいは328の表面に生じる渦電流を低減する作用を有し、発電効率の向上効果がある。
第10実施例においては、絶縁溝20内に非磁性体を充填したが、回転子爪の強度が十分確保できるならば、絶縁溝20内に何も充填しなくても、空気が非磁性体の代わりとなるため、漏れ磁束を少なくでき、非磁性体を充填しない分、安価となるといった作用効果を得ることができる。
[第11実施例]
次に第11実施例を図27に基づいて説明する。図27(a)は、第11実施例の回転子302及び固定子202の側面断面図である。図24(b)は、第11実施例の回転子爪326あるいは328及び固定子爪238あるいは258の配置を示す図である。図24(c)は、第11実施例の回転子爪326あるいは328及び固定子爪238あるいは258の配置を示す他の態様図である。尚、第1実施例と共通する構成については、同一称呼,同一の符号で表すとともに、共通する構成の説明は省略する。
第11実施例は、回転子302をU相固定子202U,V相固定子202V,W相固定子202Wに対応させて3つに分割している。分割された各回転子は、図1から図16に記載した第1実施例における回転子302の軸方向の長さの1/3の長さとしたものである。回転子爪326や328の軸方向の長さも第1実施例に比べて1/3程度に形成され、界磁巻線362の巻数も第1実施例の巻数より少なくなっている。このように構成された3つの分割回転子12U,12V,12Wが隣り合った状態で回転子302を構成する。
図27(b)に示すように固定子爪238や258は、第1実施例と同様にU相固定子202U,V相固定子202V,W相固定子202Wの各固定子爪がそれぞれ電気角で120度ずつ周方向にずれた状態で配置される。一方回転子爪は、夫々の分割回転子12U,12V,12Wが電気角でずれのない状態、周方向に同一に配置される。
このように回転子302を固定子202の相毎に分割したので磁束は、夫々が独立した状態で周回することになり、誘起電圧をバランスさせることができる。しかし回転子巻線が分割されているため十分な巻線数を確保し難い問題があり、第1の実施例に比べて低速回転時の出力特性が低下する問題が有る。
図27(b)では、各相の固定子爪を電気角で120度ずれた状態で配置し、分割回転子12U,12V,12Wの回転子爪を電気角でずれのない状態で配置するようにしたが、図27(c)のように各相の固定子爪を電気角でずれのない状態に配置し、分割回転子12U,12V,12Wの回転子爪を電気角で120度ずれた状態で配置しても良い。上述の如く図27(b)や図27(c)に記載の実施例は各相の出力を制御するには優れているが、一方回転子巻線が分割されているため十分な巻線数を確保し難い問題があり、第1の実施例に比べて低速回転時の出力特性が低下する問題が有る。
[第12実施例]
第1の実施例で、固定子爪のスキュー状態と出力特性の関係を、第12実施例として、図28に基づいて説明する。図28(a)は、第1の実施例における固定子爪の具体例を示す図である。図28(b)は、固定子爪の間のギャップ比率と誘起電圧との関係を示したグラフである。図28(c)は、固定子爪の間のギャップ比率と出力電流との関係を示したグラフである。尚、第1実施例と共通する構成については、同一称呼,同一の符号で表すとともに、共通する構成の説明は省略する。
図28(b)に示すように、固定子202における各相固定子の各爪の間の隙間Gsと、固定子爪の軸方向略中間位置の周方向幅Bsとの比を固定子爪間のギャップ比率(Gs/Bs)とし、この値をパラメータとして変更することによって、出力される誘起電圧の変化の関係を調べた。尚、図28(b)は、相固定子の各爪のスキュー角度を一定とし、回転子は変更していない。図28(b)によれば固定子爪間のギャップ比率(Gs/Bs)を0.05〜0.3の範囲に選んだ場合に誘起電圧が大きくなり、特に固定子爪磁極間ギャップ比率(Gs/Bs)が0.15付近でピークとなり、0.15付近から固定子爪間のギャップ比率(Gs/Bs)を大きくしても、小さくしても誘起電圧が下がる傾向を示す。このように、図28(b)によれば、固定子爪間のギャップ比率(Gs/Bs)を0.1〜0.2の範囲とすること誘起電圧を大きくすることができる。
次に固定子巻線の有するインダクタンスの影響について考慮する。固定子巻線の有するインダクタンスが出力電流に関係するため、インダクタンスと固定子爪間のギャップ比率(Gs/Bs)の関係を検討する。1相分の固定子巻線206のインダクタンスをL(H)、磁極間の対向する面積をS(mm2)とすると、インダクタンスと固定子爪間のギャップ比率(Gs/Bs)の関係は、式(3)となる。この式(3)から固定子爪間のギャップ比率(Gs/Bs)が狭くなるとインダクタンスが増加する。
Figure 2009005420
1相の出力電流をI(A)、1相分の無負荷誘起電圧をE0(V)、バッテリー電圧をVb(V)、1相分の電機子抵抗をr(Ω)、回転子の角速度をω(rad/s)、とすると、1相分の出力電流は式(4)で表される。この式(4)によれば、1相の出力電流は、インダクタンスと角速度の積に反比例することがわかる。このため、固定子爪238や258の間の隙間Gsと出力電流の関係は、回転子の回転数によって変動することから、高速で回転子が回転している状態と、低速で回転子が回転している状態を考慮する必要がある。
Figure 2009005420
図28(c)において、回転子302が6000r/min で回転している状態と、回転子302が1800r/min で回転している状態の固定子爪磁極間ギャップ比率(Gs/Bs)と出力電流の関係を示している。図28(c)によれば、1800r/min ではギャップ比率0.2〜0.3がよく、6000r/min では0.8以上で出力電流が大となる傾向である。回転数が大きくなるにつれてギャップ比率は大きい方がインダクタンスの低減につながり、出力電流が大きくなる傾向にある。両回転域で使用できる固定子爪間のギャップ比率(Gs/Bs)は、0.3〜0.7の範囲が比較的良い。この領域では低速回転域でも高速回転でも良好な出力が得られる範囲であり、適している。特に固定子爪間のギャップ比率(Gs/Bs)をほぼ0.4〜0.5とすると低速での出力電流が大きく、さらに高速でも良好な特性が得られる。
以上説明したごとく、図28(b)における良好な範囲と図28(c)における良好な範囲を考慮すると固定子爪間のギャップ比率(Gs/Bs)が0.1〜0.3とすると大きな誘起電圧が得られるが、出力電流では回転子の回転域によって最適域からやや外れる。モータ等の回転電機としては誘起電圧が高い範囲の方が良いが、実施例である車両用交流発電機は出力電流が重要であるため、より大きな出力電流が得られる範囲としては、0.3〜0.7となる。特に固定子爪間のギャップ比率(Gs/Bs)をほぼ0.4〜0.5とするとさらに良い電流出力特性が得られる。
[第13実施例]
次に図29に基づいて第1実施例の回転子爪間の間隔と出力との関係を第13実施例として説明する。図29(a)は、回転子爪の固定子側面の形状を示す図であり、各爪はそれぞれ同じ形状であり、一方の回転子爪326と他方の回転子爪328との関係は、他方の回転子爪328と一方の回転子爪326との関係と同じである。図29(b)は、回転子爪間のギャップ比率と誘起電圧との関係を示したグラフである。図29(c)は、回転子爪間のギャップ比率と出力電流との関係を示したグラフである。他の構成は第1の実施例と共通するので、これらの構成についての説明は省略する。
図29(b)により、回転子302における回転子爪の間の隙間Grと、回転子爪における軸方向の略中間位置の周方向の幅Brとの比である回転子爪間のギャップ比率(Gr/Br)をパラメータとして変更した場合の、出力される誘起電圧の変化の状態を説明する。尚、図29(b)は、固定子202の状態を一定としている。
図29(b)で、回転子爪間のギャップ比率(Gr/Br)を0.2〜0.75の範囲とする良好な出力が得られる。さらに上記ギャップ比率(Gr/Br)を0.3〜0.6の範囲とするとより良好な誘起電圧を出力することができる。特に誘起電圧は、回転子爪間のギャップ比率(Gr/Br)が0.4付近でピークとなり、0.4付近から回転子爪間のギャップ比率(Gr/Br)を大きくしても、小さくしても誘起電圧は下がる傾向を示す。図29(b)から明らかなように回転子爪間のギャップ比率(Gr/Br)を0.35〜0.45とすることで、非常に良好な電圧を誘起させることができる。
尚、第13実施例では、固定子202側を変更せずに回転子爪間のギャップ比率(Gr/Br)をパラメータとして変更した場合の誘起電圧を測定したが、第12実施例のように固定子爪間のギャップ比率(Gs/Bs)の変更があったとしても回転子爪間のギャップ比率(Gr/Br)と誘起電圧の傾向はほとんど変わらない。絶対値が変わるのみで傾向が変わらないため、回転子のギャップ比率(Gs/Bs)の影響を検討することが可能である。すなわち、固定子202のギャップ比率が変更されたとしても回転子爪間のギャップ比率(Gr/Br)を前記数値範囲とすることで誘起電圧を向上させることができる。このことは第12実施例についても同様であり、回転子爪間のギャップ比率(Gr/Br)が変更されても固定子爪間のギャップ比率(Gs/Bs)と誘起電圧の傾向はほとんど変わらない。以上のことから第12実施例と第13実施例の両方の条件を満たした方がより誘起電圧などを向上につなげることができる。
次に回転子爪間のギャップ比率(Gr/Br)においても第12実施例における固定子爪間のギャップ比率の検討と同様に、インダクタンス及び回転子の回転速度による出力電流の変動の関係を検討した方がより望ましい。
図29(c)に回転子302が6000r/min で回転している状態と、回転子302が1800r/min で回転している状態での、回転子爪間のギャップ比率(Gr/Br)をパラメータとして場合の出力電流の関係を示している。この図29(c)によれば、両回転速度域で良好となる条件は、回転子爪間のギャップ比率(Gr/Br)は、0.1〜0.8であり、0.2〜0.7が更に良く、0.3〜0.6の範囲がもっと良い。
図29(b)における良好な範囲と図29(c)における最適範囲を考慮すると、回転子爪間のギャップ比率(Gr/Br)が0.2〜0.7の範囲が良好な範囲となる。大きな誘起電圧が得られ、かつ、回転子12の回転域によってバランスのとれた出力電流が得られる。
[第14実施例]
第14実施例は第1実施例における固定子のスキューの状況と発電特性との関係を示している。図30(a)は、第14実施例における固定子爪を示す図である。図30(b)は、固定子爪のスキュー角度と誘起電圧との関係を示したグラフである。図30(c)は、固定子爪のスキュー角度とリップル電圧との関係を示したグラフである。第1実施例と共通する構成については、同一称呼,同一の符号で表すとともに、共通する構成の説明は省略する。
図30(b)に示すように、固定子202における固定子爪238や258のスキュー角度をθ1とし、このスキュー角度θ1をパラメータとして変更した場合の出力される誘起電圧の変化を説明する。尚、図30(b)は、固定子爪の回転軸方向の中央付近の周方向の幅Bs及び固定子爪間の隙間Gsを一定とすると共に回転子302は変更しないものとする。図30(b)として示すように固定子爪のスキュー角度θ1を0度〜38度の範囲に選定することで、良好な誘起電圧を出力することができる。特に誘起電圧は、スキュー角度θ1が25度付近でピークとなり、25度付近からスキュー角度θ1を大きくしても、小さくしても誘起電圧は下がる傾向を示す。図30(b)から明らかなように、スキュー角度θ1を6度〜35度とすることで、より大きな電圧を誘起させることができ、さらにスキュー角度θ1を10度〜30とすることで非常に良好な特性が得られる。
また図30(c)によれば、固定子爪のスキュー角度θ1が10度以上となるとリップル電圧が小さくなる傾向を示す。本実施例では、固定子爪のスキュー角度θ1を10度〜38度の範囲とすればリプルを押さえると共に大変良好な出力を得ることができる。特に上記スキュー角度θ1を10度〜30度の反意図することでたいへん良好な出力を得ることができる。
[第15実施例]
次に第15実施例を図31に基づいて説明する。図31(a)は、第1実施例の回転子爪のスキューの状態と出力特性とを示すための、第15実施例における、回転子爪を示す図である。図31(b)は、回転子爪磁極のスキュー角度と出力電流との関係を示したグラフである。図31(c)は、回転子爪のスキュー角度と誘起電圧との関係を示したグラフである。尚、第1実施例と共通する構成については、同一称呼,同一の符号で表すとともに、共通する構成の説明は省略する。図31(b)に示すように、回転子302における回転子爪のスキュー角度θ1をパラメータとして変更した場合の、出力電流の変化について説明する。尚、図31(b)は、回転子爪の軸方向の略中間部分の周方向の幅Bs及び回転子爪間の隙間Gsを一定とし、固定子202は変更していない。
図31(b)によれば回転子爪のスキュー角度θ1を5度〜13度とすることで良好な電流を出力することができる。特に出力電流は、スキュー角度θ1が11度付近でピークとなり、11度付近からスキュー角度θ1を大きくしても、小さくしても出力電流は下がる傾向を示す。図31(b)から明らかなようにスキュー角度θ1を5度〜11度とすることでさらに良好な電流を出力することができる。尚、図31(b)は、回転子302の回転数が6000rpm の状態と1800rpm の状態を両方示しているが、回転数が変更されても同様の傾向を示す。
図31(c)に、各相の固定子巻線206に誘起される電圧と、各相の固定子巻線206に誘起される電圧の平均電圧を示している。図31(c)によれば、回転子爪のスキュー角度θ1が大きくなるほどV相の固定子巻線206に誘起される電圧は大きくなるが、U相とW相の固定子巻線206に誘起される電圧は低下する傾向となっている。これは、U相,V相,W相の固定子202が軸方向に並んでいるため、回転子爪と対向する面積が変化することが影響していると考えられる。このため、各相の誘起電圧のバランスを考慮すると、スキュー角度θ1は、5度〜13度の範囲が良好で、5度〜13度の範囲がより良好である。
以上のことから、本実施例では、回転子爪のスキュー角度θ1を5度〜13度とすることで良好な電圧を出力でき、特にスキュー角度θ1を5〜11度とすることで非常に良好となる。
[第16実施例]
次に第1実施例に置ける爪数と出力特性との関係を第16実施例として、図32に基づいて説明する。図32(a)は、固定子爪及び回転子爪の数すなわち極数と誘起電圧との関係を示したグラフである。図32(b)は、固定子爪及び回転子爪の極数と出力電流との関係を示したグラフである。尚、第1実施例と共通する構成については、同一称呼,同一の符号で表すとともに、共通する構成の説明は省略する。図32(b)によれば固定子爪及び回転子爪の極数を多くすれば多いほど誘起電圧が上昇することがわかる。これは誘起電圧と極数が比例関係にあるためである。しかしながら、図32(c)に示されているように、回転子302の磁極数を多くなり過ぎると磁極間が近づくこととなり、漏洩磁束が大きくなる問題が生じる。さらにインダクタンスの増加や鉄損の増加ともなり、出力電流及び効率が下がってしまう。図32(c)によれば、固定子爪及び回転子爪の極数が20極以上となったところで出力電圧が下がり始める。従って24極以下とすることが望ましい。本実施例では、固定子爪及び回転子爪の極数を12〜24極の間に設定することが望ましい。特に16〜20極が適している、なお各相固定子と回転子との爪数すなわち極数を一致させることが望ましい。
[第17実施例]
次に第1実施例における固定子の爪形状を変えた実施例を第17実施例として、図33に基づいて説明する。図33(a)は、第17実施例の固定子爪の形状を示す図である。図33(b)は、第17実施例の固定子爪の形状を示す他の実施形態を示す図である。尚、第1実施例と共通する構成については、同一称呼,同一の符号で表すとともに、共通する構成の説明は省略する。V相固定子202Vの固定子爪の形状をU相固定子202UとW相固定子202Wの固定子爪の形状と異ならせている。具体的には、図33(a)に示すようにV相固定子202Vの固定子爪の表面積Svが、U相固定子202U及びW相固定子202Wの固定子爪の表面積Sよりも大きくなるように構成している。このように構成することによりV相固定子202Vの誘起電圧を向上させてU相固定子202U及びW相固定子202Wの誘起電圧との差を少なくすることができる。
また、図33(b)に示すようにV相固定子202Vの固定子爪のスキュー角度θvが、U相固定子202U及びW相固定子202Wの固定子爪のスキュー角度θよりも大きくなるように構成している。第14実施例で示したように固定子爪のスキュー角度は、大きくなるに従って誘起電圧が大きくなる傾向にあるため、V相固定子202Vの誘起電圧を向上させてU相固定子202U及びW相固定子202Wの出力電圧との差を少なくできる。
以上のように軸方向両端に配置される各相固定子とそれ以外の即ち中央部に配置されている相固定子における固定子爪の形状を異ならせたことによって、各相固定子の出力の差を少なくすることが可能であり、これにより直流出力の脈動を低減できる。また特に低速回転時の出力自体を大きくできる。
[第18実施例]
次に第18実施例を図34に基づいて説明する。第1の実施例と同じ符号は同じ構成および同じ作用を為し、説明を省略する。図34(a)は、第18実施例における車両用交流発電機の側面断面図である。図34(b)は、第18実施例における固定子爪磁極を示す図である。上述のとおり、第1実施例と共通する構成については、同一称呼,同一の符号で表すとともに、共通する構成の説明は省略する。第18実施例は、第1実施例に対して、フロントブラケット104及びリアブラケット106と固定子202が異なるが、その他の部位は第1実施例とほぼ同様であるので説明を省略する。
図34(a)に示すように第18実施例のフロントブラケット104は、径方向外周側部分の肉厚と底面側の肉厚がほぼ同じ肉厚となっており、外周側の風穴3が形成されていない点が異なる。また、このフロントブラケット104及びリアブラケット106は、夫々が嵌合しておらず、相手側のブラケットの方まで延びていない。このため、フロントブラケット104は、U相固定子202Uのところが開口端縁となっており、リアブラケット106はW相固定子202Wのところが開口端縁となっている。
第18実施例の固定子202は、固定子爪間に形成される隙間に樹脂を充填しておらずフロントブラケット104及びリアブラケット106によって軸方向に挟持されることで各相の固定子202を連結固定している。また、図34(b)に示すように固定子爪にスキューが設けられているため、固定子爪間の隙間は、U相固定子202U,V相固定子202V,W相固定子202Wに渡って軸方向に連続することになる。このように構成することにより、図34(a)の破線矢印で示すようにフロントファン122の回転によって、フロントブラケット104の内周側の風穴3から導入された空気は、遠心力によって外周側に流れるが、フロントブラケット104における外周側の風穴3は封止されているので外周側に流れることはできない。このため、空気は、固定子爪間に形成された軸方向に連続する隙間を流れ、リアファン122の回転によって外周側に流れる空気を合流してリアブラケット106における外周側の風穴3から排出される。このように、固定子爪間に形成された隙間を流れる空気量が増大するため、固定子202及び回転子302の冷却効果を増大することができる。尚、第18実施例のフロントファン122は、第1実施例と同様にリアファン122より羽根が小さく、流れる空気量も少ないので、より固定子爪間の隙間を流れる空気量を増やすことができる。
[第19実施例]
次に第19実施例を図35に基づいて説明する。図35は、第19実施例における車両用交流発電機の側面断面図である。第19実施例は、第18実施例に対して、フロントファン122が設けられおらず、リアファン122の外径が固定子202内周よりも外周側となるように大径となっている点が異なるが、その他の構成は第18実施例とほぼ同様であるので説明を省略する。図35に示すように第19実施例には、フロントファン122が設けられていないため、リアファン122のみによって空気の流れが生じる。このリアファン122は、羽根の外周端が固定子202内周よりも外周側となっているため、破線矢印で示すように遠心力によって内周側から外周側に空気を流動させる際、羽根と対向する固定子202と回転子302の間の隙間を通して、フロントブラケット104側からも空気を吸い込むことになる。このため、リアファン122のみであっても固定子202を十分冷却することができ、フロントファン122を省略した分だけ安価な装置とすることも可能になる。また小型にもなる。
以上、第18実施例及び第19実施例は、夫々の該固定子爪磁極間には空気が流通する隙間が設けられ、該隙間は、固定子鉄心の軸方向一端側から他端側に連続しているので、軸方向両端にコイルエンドが存在しなくとも固定子を十分に冷却することができる。また、この隙間に対して、軸方向に空気を流通させる通風手段を備えることによって、より効果的に固定子を冷却することが可能となる。
[第20実施例]
次に第20実施例を図36に基づいて説明する。図36は、回転子302及び固定子202の側面断面図である。尚、この実施例は第1実施例の一部改良であり、第1実施例と共通する構成については、同一称呼,同一の符号で表すとともに、共通する構成の説明は省略する。第17実施例及び第18実施例における各相の固定子202は、フロントブラケット104及びリアブラケット106によって軸方向から挟持することで固定しているが、第20実施例では、図36に示すように各相の相固定子202の外周にアルミニウム合金等からなる非磁性体の補強リング21を設けることで各相の相固定子202を一体化している。この補強リング21は、軸方向一端側が内周側に延びる断面略L字形状のリングを固定子202の外周に嵌合させ、他端側を加締ることで他端側も内周側に折曲する。このため、補強リング21は、固定子202に固定された状態では、断面が略コの字形状となる。尚、補強リング21は非磁性体に限らず磁性体を採用することも可能であるが、非磁性体の方が磁束の漏洩のそれが無く、良好である。このように補強リング21を設けることにより、各相の固定子202をフロントブラケット104とリアブラケット106の間に挟持する前にユニット化することができ、組み付けが容易になる。
[第21実施例]
次に第21実施例を図37〜図40に基づいて説明する。図37(a)は、固定子鉄心における磁束の流れを示した図である。一方のあるいは他方の固定子鉄心232あるいは252における渦電流の流れを説明する。これらの作用効果は同じであり、以下代表して図37(b)に示す他方の固定子鉄心252により説明する。図38(a)は、第21実施例の固定子鉄心の構成部材における1つの固定子爪の部分を切り取って斜視図で表したものであり、ここでは代表して他方の固定子爪258で説明している。図38(b)は、第21実施例の固定子鉄心の構成部材を説明するための側面断面図である。図39は、第21実施例の他の実施形態を示す図である。図39(a)は、第21実施例の他の実施形態における固定子鉄心の構成部材を説明するための側面断面図である。図39(b)〜図39(d)は、一枚の鋼板における固定子爪の先端側から見た正面図であり、様々な溝形状を示している。図40(a)〜図40(e)は、固定子爪を内周側からみた図であり、固定子爪の回転子側面220に設けられたスリットもしくは溝の構造や様々な配置を示す図である。尚、この実施例は第1実施例の一部改良であり、第1実施例と共通する構成については、同一称呼,同一の符号で表すとともに、共通する構成の説明は省略する。
前記第1実施例〜第20実施例の一方及び他方の固定子鉄心232や252は、積層された鋼板を軸方向断面で略コの字形状となるように折り曲げて構成している。このように固定子鉄心を構成することで、図37(a)における矢印で示すように夫々の鋼板の形状に沿って磁束が流れるため、磁気抵抗を少なくすることができる。しかしながら、図37(b)に示すように、固定子爪における回転子302との対向面220には、渦巻き状に渦電流が発生してしまうため、渦電流損が発生する。図37(b)に示すような構成では、固定子爪における回転子302との対向面220が積層面となっていないため、電気抵抗が大きくならず渦電流の低減効果が少ない。
本実施例では、図38(a)に示すように固定子爪に軸方向に延びる複数のスリット23を形成している。これらのスリット23は、図38(b)に示すように夫々鋼板の両面を貫通するように設けられており、磁束が通過する面積をできるだけ減少させないようにスリット幅は小さければ小さいほどよい。尚、このスリット23は、固定子爪における軸方向側面部の略中間部分まで形成されている。このため、プレスによる打ち抜きでスリット23を成形しても良いが、エッチング加工を用いてスリット23を成形した方がスリット幅を小さくでき更に好ましい形状となる。このように固定子爪にスリット23を設けることにより、渦電流が流れづらくなるため、渦電流を低減することができる。これらのスリット23は、全ての鋼板に形成する必要はなく、少なくとも回転子302と対向する側の所定枚数にスリット23が設けられていればよい。また、スリット23を設けた鋼板とスリット23を設けない鋼板を交互に積層しても構わない。
図38(a)及び図38(b)では、夫々の鋼板の両面を貫通するようにスリット23を形成したが、図39(a)に示すように夫々鋼板の両面を貫通させず回転子302側に開口した溝24を形成しても構わない。このように構成することでスリット23を設けるよりも固定子爪の強度を確保することができ、磁束が通過する面積も大きくすることができる。尚、溝24を形成する方法としては、プレス成形や機械加工,エッチング加工が望ましい。また、スリット23と同様に全ての鋼板に溝24を形成する必要はなく、少なくとも回転子302と対向する面220の所定枚数に溝24が設けられていればよい。更に、溝24を設けた鋼板と溝24を設けない鋼板を交互に積層しても構わない。この実施形態においても溝24は、固定子爪における軸方向側面部の略中間部分まで形成されている。
このような溝24は、鋼板の板厚をtとすると、この板厚tに対して0.4〜0.8tとなる深さに形成されているとよいことが実験からわかった。尚、スリットと同様に溝幅は小さければ小さいほどよい。
図39(b)〜図39(d)には、様々な溝24の断面形状を示している。図39(b)の溝24は断面形状が略半円形状としたものを示しており、図39(c)の溝24は断面形状が略四角形状としている。また、図39(d)の溝24は断面形状が略三角形状としたものを示している。このように溝24の断面形状を略三角形状とすることによって溝24を成形しやすいといった利点がある。
図40(a)〜図40(e)には、様々なスリット23もしくは溝24の配置パターンを示している。図40(a)は、略軸方向、つまり、固定子爪の延びる方向に配置された配置パターンを示しており、スリット23でも溝24でも設けることが可能である。このように溝24を配置するとスリット23もしくは溝24を成形し易いといった作用効果が得られる。図40(b)は、周方向、つまり、固定子爪の幅方向に配置された配置パターンを示しており、このように配置すると図40(a)と同様に成形し易いといった利点があるが固定子爪が脱落してしまわぬよう溝24でしか形成できない。図40(c)は、固定子爪の略中心位置から放射状に配置した配置パターンを示しており、溝24のみ設けることが可能となる。渦電流は、図37(b)に示すよう、固定子爪の外表面に渦を描くように流れるため、放射状とすると渦電流を好適に低減させることができる。図40(d)は、図40(c)の配置パターンにおいて、放射状の中心部分に何も形成しない配置パターンを示している。この配置パターンを採用すれば、固定子爪が別れてしまうことがないので溝24以外にスリット23を適用することも可能である。図40(e)は、固定子爪における折曲部側のみに略軸方向、つまり、固定子爪の延びる方向に配置した配置パターンを示しており、スリット23でも溝24でも設けることが可能である。このように溝24を配置すると固定子爪の先端における各鋼板同士が離間しずらくなるので、磁気音を低減させることができるといった作用効果が得られる。図40(f)は、網目状にした配置パターンを示しており、溝24のみ設けることが可能となる。このように溝24を配置することで、より細か溝が配置されるので渦電流の抵抗を更に向上させることができるといった作用効果が得られる。
[第22実施例]
次に第22実施例を図41に基づいて説明する。図41(a)は、第22実施例の固定子鉄心における1つの固定子爪の部分を切り取って斜視図で表したものである。図41(b)は、第22実施例の固定子鉄心構成部材における側面断面図である。図41(c)は、第22実施例の固定子鉄心構成部材における側面断面図であって、その製造方法について説明した図である。尚、他の実施例と共通する部位については、同一称呼,同一の符号で表す。
第22実施例における固定子爪は、鋼板を折り曲げるようなことはしておらず、図41(a)及び図41(b)に示すように、略平面の鋼板を軸方向に積層することで構成している。このように構成することによって固定子爪における回転子302との対向面は積層面となる。このため、第21実施例のスリット23と同様に電気抵抗が大きくなるので渦電流を低減する作用効果が得られる。また、固定子爪における角部分が略直角となるため、回転子302に近づいた部分の対向面積を増大させることができる。
図41(c)には、第22実施例における固定子鉄心の製造方法を示している。第22実施例における固定子鉄心を製造するには、まず、外周部と、側面部と、固定子爪とを別々の形状の鋼板を積層することで別々に構成する。このとき、各鋼板同士は、溶接や接着剤,ビョウによる連結及び加締め、または、ダボ形状による加締め成形,非磁性体である樹脂等によるモールドで一体化する。このように構成された外周部と側面部とを溶接等で接合すると共に、各固定子爪を側面部に溶接等で接合することによって第22実施例における固定子鉄心が製造される。
[第23実施例]
次に第23実施例を図42に基づいて説明する。図42(a)は、第23実施例の固定子鉄心における1つの固定子爪の部分を切り取って斜視図で表したものである。図42(b)は、第23実施例の固定子鉄心構成部材における側面断面図である。図42(c)は、第23実施例の固定子鉄心構成部材における側面断面図であって、その製造方法について説明した図である。尚、他の実施例と共通する部位については、同一称呼,同一の符号で表す。第23実施例は、図42(a)及び図42(b)に示すように、第1実施例と第22実施例を組み合わせたものであって、固定子爪の部分は、第1実施例と同様に折り曲げて成形しているが、外周部は、第22実施例と同様に略平面の鋼板を積層することで構成している。
第22実施例では、回転子302と対向する固定子爪の回転子側面220において発生する渦電流を低減させる作用効果を有しているが、固定子爪及び外周部にて鋼板の積層方向に磁束が流れるため、磁気抵抗が大きくなってしまうと共に、その部分で渦電流が発生するといった問題も残されている。これに対して、この第23実施例では、固定子爪の部分で渦電流が発生しやすくなるが、磁束の流れる方向に固定子爪が折り曲げられているので磁気抵抗を低減することができる。このように渦電流の影響が少ない仕様によっては第23実施例を採用することで効率を向上させることが可能となる。また、複数の固定子爪を準備する必要がないため、第22実施例に比べて製造し易く、固定子爪の機械的強度も向上する効果がある。
図42(c)には、第23実施例における固定子鉄心の製造方法を示している。第23実施例における固定子鉄心を製造するには、まず、外周部を略平面の鋼板を積層することで構成すると共に、側面部から折り曲げて軸方向断面が略L字形状となるような折曲部を形成した固定子爪を別々に準備する。これらを第22実施例と同じように溶接等で接合することによって第23実施例における固定子鉄心が製造される。
[第24実施例]
次に第24実施例を図43に基づいて説明する。図43(a)は、第24実施例の固定子鉄心における側面断面図であって、幾つかの製造方法のうちの一例としての実施形態を示した図である。図43(b)は、第24実施例の固定子鉄心における側面断面図であって、他の実施形態を示した図である。図43(c)は、第24実施例の固定子鉄心構成部材における側面断面図であって、その製造方法について説明した図である。尚、他の実施例と共通する構造については、同一称呼,同一の符号で表し、共通する部分の説明を省略する。第24実施例は、渦電流の低減及び磁気抵抗の低減を両立させた実施例であって、そのうちの1つの実施形態を図43(a)に示す。図43(a)における実線矢印にて磁束の流れを示しているが、磁束は、鋼板の形状に沿って流れるため、第22実施例及び第23実施例に比べて磁気抵抗を低減させることができる。また、固定子爪の先端が回転子302側に折り曲げられているので、固定子爪の先端には積層面が形成される。このため、積層面での電気抵抗が増大し、回転子302からの磁束によって生じる渦電流を低減する作用効果が得られる。
図43(b)には、本実施例における他の実施形態について説明する。この実施形態は、図43(a)の実施形態における最も外側の鋼板に、更に軸方向断面略コの字形状に成形された鋼板を積層させている。この実施形態では、回転子302と最も短い距離で対向する部分の面積を増大させることができる。このため、図43(a)の実施形態よりも回転子からの磁束量を多く得ることができる。
図43(c)には、第24実施例における固定子鉄心の製造方法を示している。第24実施例における固定子鉄心を製造するには、第1実施例と同様に夫々の鋼板を積層した状態で折り曲げるか、夫々の鋼板を折り曲げた後に積層することで、3箇所を折り曲げる。このようにして、図43(a)に示した固定子鉄心が構成される。更に、図43(b)に示した固定子鉄心を製造するには、軸方向断面略コの字形状に鋼板を成形し、この軸方向断面略コの字形状の鋼板を外側にかぶせるように外側からあてて積層することで製造される。
[第25実施例]
次に第25実施例を図44に基づいて説明する。図44は、第25実施例の固定子鉄心における側面断面図である。尚、他の実施例と共通する部位については、同一称呼,同一の符号で表し、同様の作用効果であり、また重複する説明を省略する。第25実施例は、外側に積層される鋼板と内側に積層される鋼板の材料を変更している。例えば、外側に積層される鋼板を剛性の高い材料とし、内側に積層される鋼板を外側の鋼板よりも剛性の低い材料とすることで固定子爪の機械的強度の維持と、成形作業を容易にすることが可能となる。
また、他の実施形態としては、外側に積層される鋼板の材料を電磁鋼板等の高抵抗材とし、内側に積層される鋼板を冷間圧延鋼板(SPCC)等の低抵抗材料とすることもできる。つまり、高価な電磁鋼板を渦電流が生じやすい外側だけに用い、渦電流の影響が少ない内側には安価な冷間圧延鋼板(SPCC)を用いることができる。このため、性能を維持したまま、コストを低減させることが可能となる。尚、変更する材料は2種類である必要はなく、また、夫々の材料からなる鋼板の枚数は仕様によって適宜設定することができる。
[第26実施例]
次に第26実施例を図45に基づいて説明する。図45(a)は、第26実施例の固定子鉄心における側面断面図であって、1つの実施形態を示した図である。図45(b)は、第26実施例の固定子鉄心構成部材における側面断面図であって、他の実施形態を示した図である。尚、他の実施例と共通する部位については、同一称呼,同一の符号で表し、説明の重複を避けるため説明を省略する。第26実施例は、外側に積層される鋼板と内側に積層される鋼板の板厚を変更している。例えば、図45(a)に示すように外側に積層される鋼板の板厚を内側に積層される鋼板の板厚より大きくすることができる。このように構成すれば、固定子爪の剛性を高めることができる。
また、図45(b)に示すように内側に積層される鋼板の板厚よりも外側に積層される鋼板の板厚より小さくすることもできる。鋼板の板厚を小さくすることで電気抵抗が上がり渦電流を低減することができるが、渦電流は回転子と対向する固定子爪の表面側で生じやすい。この実施形態では、外側に積層される鋼板の板厚を小さくすることで渦電流を低減させることができ、内側はもともと磁束量が少ないため、渦電流の影響が少なく、内側に積層される鋼板の板厚を大きくすることで積層枚数を少なくすることができる。このため、全体的な鋼板の枚数を低減させることで安価とすることが可能となる。
[第27実施例]
次に第27実施例を図46に基づいて説明する。図46(a)は、第27実施例の固定子の側面断面図であって、1つの実施形態を示した図である。図46(b)は、第27実施例の固定子の側面断面図であって、他の実施形態を示した図である。尚、他の実施例と共通する部位については、同一称呼,同一の符号で表し、重複する説明を省略する。図46(a)には、折り曲げ部26の折り曲げ半径R1を固定子巻線206の断面における半径R2以下としたものを示している。本実施形態では、外周側の折り曲げ部26と固定子爪の部分における折り曲げ部26があるが、両方共、折り曲げ半径R1を固定子巻線206の断面における半径R2以下としている。このようにすることによって一方と他方の固定子鉄心232と252と固定子巻線206の間の隙間を出来るだけ少なくすることができ、占積率を向上させることができる。
図46(b)には、固定子巻線206を断面が略矩角形状の平角線を用いたものを示している。もともと、平角線は、一方と他方の固定子鉄心232と252内での占積率を向上させるために採用するものであるが、本実施形態のように折り曲げ部26の折り曲げ半径R1を平角線の角における半径R2以下とすれば、更に占積率を向上させることができる。尚、この実施形態においても、図46(a)の実施形態と同様に外周側の折り曲げ部26と固定子爪の部分における折り曲げ部26があるが、両方共、折り曲げにおける半径R1を平角線の角における半径R2以下としている。
[第28実施例]
次に第28実施例を図47〜図49に基づいて説明する。図47(a)は、第28実施例の固定子鉄心における1つの実施形態の斜視図である。図47(b)は、第28実施例の固定子202及び回転子302を、一方あるいは他方の固定子爪238または258、及び回転子爪の先端側から見た正面図である。図47(c)は、1つの実施形態における1相分の相固定子の斜視図である。図48(a)は、相固定子鉄心の1つの製造方法を説明するための図であって、相固定子鉄心の成形前の状態を斜視図で示したものである。図48(b)は、相固定子鉄心の他の製造方法を説明するための図であって、相固定子鉄心の各構成部品を斜視図で示したものである。図49(a)は、他方の相固定子鉄心における他の実施形態の斜視図である。図49(b)は、他の実施形態における1相分の固定子の斜視図である。尚、他の実施例と共通する部位については、同一称呼,同一の符号で表し、重複説明を省略する。
上述の実施形態では、一方と他方の固定子鉄心232と252の内周面及び外周面を略円筒形状としたが、第28実施例は、一方と他方の固定子鉄心232と252の内周面及び外周面を多角形状としている。図47(a)には、内周面及び外周面を固定子爪の数に合わせた多面体とし、ここでは8角形とした。まず、一方と他方の固定子鉄心232と252における内周側を一方および他方の固定子爪238や258の数に合わせ、8角形とすることによって、一方および他方の固定子爪238や258は、略平面に近い形状となる。回転子爪の外周面、つまり、固定子爪と対向する面は、回転子302の外周が略円筒となるような曲面が形成されている。固定子爪の回転子側面の極率が回転子爪の固定子側曲面より大きいので、図47(b)に示すように、固定子爪と回転子爪の隙間は外周に向かってθ度で徐々に広がるようになる。このような構成によって、磁束の変動が緩やかになり磁気加振力を低減することが可能となる。結果的には、磁気音を低減することができる。極数が多くなると固定子爪の回転子面がだんだん平面に近づくので、極数が多い場合は上記固定子爪の回転子側面を平面としても良い。
更に固定子鉄心の外周を爪数に合わせた多角形、ここでは8角形とすると、一方と他方の固定子鉄心232と252とを組み合わせたときに図47(c)に示す構造となる。この構造では、一方と他方の固定子鉄心の外周形状が合致しない。固定子爪磁極間に設けられた一方の窪み240の最外周部分が他方の固定子鉄心252の外周よりも外側に位置するようになる。磁気的な関係では問題ない。この構造では、冷却風が通過する通路が固定子巻線206の外周側にできるので、固定子202の冷却性を向上させることが可能となる。
次に第28実施例における一方及び他方の固定子鉄心232や252の製造方法について説明する。製造方法の1つとしては、図48(a)に示すように長手方向に直線状に延びる固定子鉄心の積層体32を先ず製造する。次に円環状に折り曲げ、環状形状とすることによって一方および他方の固定子鉄心232や252を製造することができる。以下に説明する図49(a)に示す形状である一方あるいは他方の固定子鉄心232または252を作ることができる。尚、直線状に延びる積層体は、固定子爪単位として各固定子窪み部240または260で曲げ易く切り下記を入れておくことが望ましい。また固定子鉄心の各爪および固定子鉄心の外周部を予め形成するために、固定子鉄心を予め断面略コの字形状に折り曲げておくことが望ましい。
〔0183〕に示す
更に、他の製造方法としては、図48(b)に示すように各固定子爪単位で各窪み部分、つまり多角形である8角形の1辺毎に固定子鉄心を分割し、次に夫々を溶接等で分割された積層鉄心34を接合して環状とする方法である。この製造方法において、分割された積層鉄心34を予め形成しておくことが望ましく、まず図49(a)に示す固定子鉄心の積層体32を製造し、この製造された積層体32を各一方あるいは他方の固定子窪みで分割し、次に環状に固定する。この方法固定子鉄心の製造においてプレス加工などで材料の無駄を少なくできる。例えば円筒形状の鉄心をプレス加工すると円筒の内側や外側の材料における無駄部分が多くなる。上記2つの方法は材料の無駄を少なくできる。
次に第28実施例における他の実施形態を図49に基づいて説明する。図49(a)の実施形態は、図47(a)の実施形態と比べると外周の角数が異なるが、それ以外はほぼ同様である。この実施形態は、相固定子の一方と他方の固定子鉄心232と252における固定子爪数を16とし、固定子鉄心を16角形の多角形とした例である。図47(a)の実施形態の2倍の角数となっている。このように適当な画数を選択すると、一方と他方の固定子鉄心232や252を組み合わせた場合、図49(b)に示すように、一方と他方の固定子鉄心は互いに外周部の形状が一致する。このため、各固定子鉄心の組み立てる際の位置決めが容易となり、作業性が向上する。また各固定子爪の回転子側の面が平面に近くなり、回転子爪の対向面とのギャップが小さくなる。また爪面が平坦に近くなると折り曲げなどの作業が容易となる。
以上、第28実施例について説明したが、一方と他方の固定子鉄心232と252の内周と外周を両方共、多角形にする必要はなく、内周側のみを多角形とし、外周側を円筒形のままとしても磁気加振力を低減効果は得られ、逆に内周側を円筒形のままとして、外周側のみを多角形としても冷却性、もしくは、組み付け性の効果を得ることができる。
[第29実施例]
次に第29実施例を図50に基づいて説明する。図50は、第29実施例の固定子202及び回転子302を固定子爪及び回転子爪の先端側から見た正面図である。尚、他の実施例と共通する部位については、同一称呼,同一の符号で表し、重複するので説明を省略する。第29実施例は、図50に示すように積層した夫々の鋼板を周方向にθ度ずつずらしている。このように周方向に夫々の鋼板をずらすことで一方あるいは他方の固定子爪238や258と回転子爪との間の隙間が周方向に少しずつ広がるようになるため、第28実施例と同様に磁束の変動が緩やかになり磁気加振力を低減することが可能となる。このため、磁気音を低減することができる。尚、回転子爪との間の隙間が周方向に少しずつ広がるのは、周方向一方側だけであり、他方側の隙間は広がることがないが、回転子302の回転方向が一方向であるため、回転子302の回転方向に対して反対側で隙間が広がるようにしておけばよい。更に、鋼板をずらす角度θは、0.5 〜3度の範囲が望ましく、所定枚数毎にずらすことも可能である。
[第30実施例]
第30実施例を図51に基づいて説明する。図51(a)は、第30実施例における固定子爪の部分の斜視図である。図51(b)は、第30実施例の固定子鉄心における側面断面図である。尚、他の実施例と共通する部位については、同一称呼,同一の符号で表し、重複する説明を省略する。第30実施例は、図51(a)に示すように固定子爪の折り曲げ部26において、夫々の鋼板同士の間に隙間25を設けている。この隙間25には、図51(b)に示すように冷却風を流通させることが可能であり、冷却風が通過することで固定子爪を冷却することができる。
[第31実施例]
第31実施例を図52に基づいて説明する。図52(a)は、第31実施例における一方あるいは他方の固定子鉄心232又は252の正面図である。図52(b)は、第31実施例の一方あるいは他方の固定子鉄心232又は252の側面断面図である。尚、他の実施例と共通する部位については、同一称呼,同一の符号で表し、重複する説明を省略する。第30実施例では、一方あるいは他方の固定子鉄心232又は252における積層面を溶接して、積層された各鋼板同士を固定している。図49(a)からわかるように本実施例では、一方あるいは他方の固定子爪238又は258の先端を夫々2箇所ずつ、積層方向に溶接しており、更に、外周側の積層面において、各一方あるいは他方の固定子爪238又は258の周方向中心部分及び各一方あるいは他方の固定子爪238又は258間の周方向中心部分を同様に積層方向に溶接している。溶接方法としては、レーザー溶接を用いており、レーザー溶接を用いることで溶け込みが少なく、ビードの高さを低く抑えることができる。このため、磁気特性の劣化を極力抑えることができる。
このように本実施例は、一方あるいは他方の固定子爪238又は258における積層面を溶接することによって鋼板同士を固定しているので、回転子302から一方あるいは他方の固定子爪238又は258に磁束が流れる際にはたらく吸引力によって回転子302側の鋼板が吸引されてしまうのを抑えることができ、磁束が変化することによって鋼板同士がばたつくような磁気音を低減することもできる。尚、溶接する箇所は、磁束ができるだけ通過しない箇所を選ぶ必要がある。一方あるいは他方の固定子爪238又は258の溶接箇所としては、一方あるいは他方の固定子爪238又は258の周方向側面を溶接することも可能である。
[第32実施例]
次に第32実施例を図53に基づいて説明する。図53(a)は、第32実施例における1相分の固定子の斜視図である。図53(b)は、図53(a)の一部を断面とした図である。図53(c)は、固定子巻線206及びそのボビン28を断面とした斜視図である。図53(d)は、ボビン28の周方向一部の正面図である。尚、他の実施例と共通する部位については、同一称呼,同一の符号で表し、重複する説明を省略する。第1実施例においては、固定子巻線206と一方と他方の固定子鉄心232と252の間に絶縁紙を介在させるものであったが、第32実施例は、絶縁紙の代わりに非磁性体からなるボビン28を用いている。このボビン28は、樹脂製であり、図53(c)に示すように固定子巻線206を囲むように構成されている。また、ボビン28の外周には、重なり合う部分が設けられており、この重なり合う部分から固定子巻線206を挿入することができる。
図53(a)に示すように回転軸方向両端面には、夫々2つずつの位置決め用の突起の内の一つの突起2182がボビン28と一体に設けられている。また、ボビン28の軸方向一側面に設けられる2つの位置決め用突起2182は、一方と他方の固定子鉄心232と252における周方向の所定の位置、つまり、一方と他方の固定子鉄心232と252における機械角で180度離れた位置に夫々設けられている。図53(d)に示すようにボビン28の軸方向一側面に設けられた位置決め用突起2182と軸方向他側面に設けられた位置決め用突起2184は、電気角で180度ずれた位置に設けられている。この位置決め用突起2182は、図53(b)に示すように夫々の固定子爪の間に設けられた一方又は他方の固定子窪み240又は260に嵌合するようになっており、一対の一方又は他方の固定子鉄心232又は252の夫々に位置決め用突起2182又は2184を嵌合させることで、一方又は他方の固定子鉄心232又は252はそれぞれ周方向の位置決めができるようになっている。尚、位置決め用突起2182又は2184は、少なくともボビン28の軸方向両側面に1つずつ設けられていればよく、2つ以上設けられていても構わない。
[第33実施例]
次に第33実施例を図54及び図55に基づいて説明する。図54(a)は、回転子302の斜視図であり、渦電流について説明する図である。図54(b)は、第33実施例における回転子302の斜視図である。図54(c)〜図54(f)は、回転子爪の軸方向断面図であり、溝24の様々な形態について説明した図である。図55(a)は、一方又は他方の回転子爪326又は328の軸方向断面図である。図55(b)は、溝ピッチと溝幅の比と渦電流損失及び誘起電圧の関係を示すグラフである。図55(c)は、溝深さと溝幅の比と渦電流損失及び誘起電圧の関係を示すグラフである。尚、他の実施例と共通する部位については、同一称呼,同一の符号で表す。一方と他方の固定子鉄心232と252に発生する渦電流については、上述したとおりであるが、回転子302においても渦電流は発生する。図54(a)における矢印は回転子爪に発生した渦電流の流れを示している。この図に示すように、渦電流は回転子爪の外表面を周回するように流れる。
本実施例では、図54(b)に示すように回転子爪の外表面に周方向に延びる複数の溝24を回転軸方向に略等間隔に形成している。このように回転子爪の外表面に複数の溝24を形成することで電気抵抗が大きくなり、渦電流が流れづらくなる。
図54(c)〜図54(f)には、様々な溝断面の形状を示している。図54(c)に示す溝24は、断面が略四角形状となっており、図54(d)に示す溝24は、断面が略三角形状となっている。また、図54(e)に示す溝24は、断面が略半円形状となっており、図54(f)に示す溝24は、断面が略台形状となっている。このように溝24の断面は様々な形状とすることが可能である。
次に図55に基づいて、溝深さ,溝幅,溝ピッチと渦電流損失及び誘起電圧の関係について説明する。図55(a)に示すように溝深さをh、溝幅をB、溝ピッチをLとしたとき、B/Lと渦電流損失及び誘起電圧の関係を図55(b)に示す。図55(b)によれば、B/Lが0.2以上となる付近で渦電流損失の傾斜が緩やかになり、渦電流損失の低下が少なくなっていることがわかる。また、誘起電圧については、B/Lが0.3以上となると低下量が多くなり始めるのがわかる。ここで、実際に使用する際には、渦電流損失と誘起電圧が使用条件を満たす範囲として、B/Lが0.1〜0.6であるとよく、更には、上述したとおり、B/Lが0.2〜0.3であることが望ましい。
図55(c)には、h/Bと渦電流損失及び誘起電圧の関係を示している。図55(c)によればh/Bが2以上となる付近で渦電流損失の傾斜が緩やかになり、渦電流損失の低下が少なくなっていることがわかる。また、誘起電圧については、h/Bが大きくなるにつれて電圧が低下する。ここで、実際に使用する際には、渦電流損失と誘起電圧が使用条件を満たす範囲として、h/Bが2〜5であるとよく、更には、上述したとおり、h/Bが2〜3であることが望ましい。
[第34実施例]
次に第34実施例を図56に基づいて説明する。図56(a)は、回転子302と固定子202の側面断面図であって、本実施例における第1の実施形態を示す。図56(b)は、回転子302と固定子202の側面断面図であって、本実施例における第2の実施形態を示す。図56(c)は、回転子302と固定子202の側面断面図であって、本実施例における第3の実施形態を示す。尚、他の実施例と共通する部位については、同一称呼,同一の符号で表す。図56(a)に示す第34実施例の第1の実施形態は、第33実施例にて説明した回転子爪の溝24を場所によって変えたものを示している。第2実施例において説明したとおり、固定子202の各相固定子をU相,V相,W相の順に回転軸方向に並べると回転軸方向の中央に配置されるV相の相固定子202Vは、回転軸に沿った方向の両側の相固定子によってV相の相固定子202Vの磁束が漏れるため、U相及びW相に比べて対策を施さなければ誘起電圧が低くなってしまう。これに対して、図56(a)に示す実施形態は、V相の固定子202と対向する部分の溝深さh1をU相及びW相の相固定子202Uや202Wと対向する部分の溝深さより浅くすることで、回転子との間の等価エアギャップが短くなり、V相の誘起電圧を増加することができる。このため、各相の固定子巻線206に誘起される電圧を等しい大きさに近づけることが可能となる。
図56(b)には、第34実施例の第2の実施形態を示す。この実施形態では、V相の固定子202と対向する部分に溝24を設けていない。このようにV相の固定子202と対向する部分に溝24を設けなくても、図56(a)の実施形態と同様に各相の固定子巻線206に誘起される電圧を等しくなる方向に改善することが可能となる。
図56(c)には、第34実施例の第3の実施形態を示す。この実施形態では、V相の固定子202と対向する部分の溝数NVをU相及びW相の相固定子と対向する部分の溝数NU,NWより少なくしている。尚、U相の相固定子202Uと対向する部分の溝数NUとW相の相固定子202Wと対向する部分の溝数NWは、同数となっている。このように構成することで、回転子爪の表面の有効面積が変わり、各相の固定子巻線206に誘起される電圧が等しくなる方向に改善できる。
以上、各実施形態について説明したが第34実施例では、一方又は他方の回転子爪326又は328の外表面に設けた溝24の深さ、または、溝数を場所によって変更することで各相の固定子巻線206に誘起される電圧が等しくなる方向に改善できる。
[第35実施例]
次に第35実施例を図57に基づいて説明する。図57は、一方又は他方の回転子爪326又は328の側面断面図である。尚、他の実施例と共通する部位については、同一称呼,同一の符号で表す。第33実施例及び第34実施例では、回転子爪の外表面に複数溝を設けることで渦電流を低減していたが第35実施例では、回転子爪の外表面に抵抗率の高い材料を蒸着したり、もしくは、一方又は他方の回転子爪326又は328の外表面を浸炭処理することで高抵抗層36を形成している。このような方法であっても渦電流を低減する作用効果が得られる。
[第36実施例]
次に第36実施例を図58に基づいて説明する。図58(a)は、第36実施例の固定子爪磁極を内周側から見た図である。図58(b)は、スター結線の実施形態を示した回路図である。図58(c)は、デルタ結線の実施形態を示した回路図である。尚、他の実施例と共通する部位については、同一称呼,同一の符号で表す。前述実施例の固定子202は、図12に示すように回転軸方向にU相,V相,W相の順で相固定子が配置され、夫々の相固定子の一方あるいは他方の固定子爪238又は258を、電気角で120度ずつずらしていた。このように配置すると、隣り合う相間において一方あるいは他方の固定子爪238又は258の先端同士が周方向にずれるが、このずれ幅を大きく取れない。このため、各相の固定子巻線206の端末線を通過させる作業が難しくなってしまうといった問題があった。また各相固定子間の漏れ磁束が大きくなる恐れがあった。
本実施例は、図58(b)に示すようにW相の固定子巻線206における端末線の結線を前記実施例とは逆に結線すると共に、U相とW相の一方あるいは他方の固定子爪238又は258を電気角で60度ずらし、W相とV相の一方あるいは他方の固定子爪238又は258を電気角で60度ずらすことで、前記実施例のようにU相,V相,W相の一方あるいは他方の固定子爪238又は258を電気角で120度ずつずらしたものと同様の結線状態となる。このとき、固定子202を軸方向に配置する順序は、図58(a)に示すようにU相,W相,V相の順となる。この方式では、各相固定子の一方あるいは他方の固定子爪238又は258が周方向にずれる幅は小さくなる、つまり、隣り合う相固定子間において一方あるいは他方の固定子爪238又は258の先端同士が周方向にずれる幅を大きくすることができる。このように構成すれば、各相の固定子巻線206の端末線を通過させる部分の幅が大きくなるため、各相の固定子巻線206の端末線を固定子202の外側に引出す作業を容易にすることができる。更に、一方あるいは他方の固定子爪238又は258間に樹脂等の部材を充填しなければ、冷却風が軸方向に通過しやすくなるため、冷却性を向上させることもできる。また隣り合う相固定子間において一方あるいは他方の固定子爪238又は258の先端同士が周方向にずれる幅を大きくすることができるので、隣り合う相固定子間での漏れ磁束が減少する。この漏れ磁束の減少により、効率が向上し、低回転時の発電電力が増大する。尚、図58(b)では、スター結線について説明したが、図59(c)に示すようにデルタ結線を採用することも可能である。
[第37実施例]
次に第37実施例を図59に基づいて説明する。図59(a)は、第37実施例の固定子爪磁極を内周側から見た図である。図59(b)は、図59(a)の固定子に位置決め部材を取り付けた図である。尚、他の実施例と共通する部位については、同一称呼,同一の符号で表す。第37実施例は、第36実施例と同様に、固定子巻線206の端末線を結線すると共に、固定子202を軸方向にU相,W相,V相の順に配置しているが、各相の一方あるいは他方の固定子爪238又は258間の隙間が略直線となるように一方あるいは他方の固定子爪238又は258のスキュー角度θを変更している。一方あるいは他方の固定子爪238又は258のスキュー角度θは、一方と他方の固定子鉄心232と252の内径(mm)をDi 、一方と他方の固定子鉄心232と252の極数をP、固定子202の1相分の軸方向長さ(mm)をL1 、連結板の厚さ(各相の固定子202間の軸方向長さ(mm))をL2 とした場合、式(5)のように求めることができる。尚、製造上のばらつき等を考慮すると、一方あるいは他方の固定子爪238又は258のスキュー角度θは、θ±10度とするとよい。
Figure 2009005420
本実施例では、各相固定子の一方あるいは他方の固定子爪238又は258間の隙間が略直線となっているので、第36実施例よりも更に各相の固定子巻線206の端末線を固定子202の外側に引出す作業を容易にすることができる。また、冷却風についても第36実施例より通過しやすくなるため、冷却性を向上させることもできる。
更に、図59(b)のように各相の一方あるいは他方の固定子爪238又は258間の隙間に非磁性体である樹脂材料等で構成された位置決め部材38を被せてもよい。この位置決め部材38は、各相の一方あるいは他方の固定子爪238又は258間の隙間に沿うように傾斜した略平行四辺形状に構成されており、軸方向両端には、軸方向に抜けるのを防止するために鍔部40が設けられている。このように各相の一方あるいは他方の固定子爪238又は258間の隙間に位置決め部材38を被せることで、各相の固定子巻線206の端末線を保護および絶縁すると共に、各相の固定子202の周方向位置決めを行うこともできる。尚、位置決め部材38は平面の板状や、断面略コの字形状等にすることができるが、断面略コの字形状にする場合には、固定子巻線206の端末線が内部を通るようにすることが望ましい。
[第38実施例]
次に第38実施例を図60に基づいて説明する。図60(a)は、第38実施例の固定子の斜視図である。図60(b)は、第38実施例の固定子202及び回転子302の回転軸方向の断面図である。尚、他の実施例と共通する部位については、同一称呼,同一の符号で表す。前記実施例では、各相の固定子巻線206の端末線を一方あるいは他方の固定子爪238又は258の間を縫って軸方向一端側に出すようにしていたが、第38実施例は、一方又は他方の固定子鉄心232又は252同士の対向面に凹部42を設け、この凹部42から固定子巻線206の両端末線を一方と他方の固定子鉄心232と252の外周側に引出すようにしている。
具体的には、図60(a)に示すように各相固定子の一方又は他方の固定子鉄心232又は252同士が当接する面の周方向に複数の凹凸を設けている。一方の固定子鉄心構成部材に設けられた全ての凹部42のうち、1つの凹部を除く凹部42には、他方の固定子鉄心構成部材に設けられた凸部44が嵌合するように構成されており、他方の一方又は他方の固定子鉄心232又は252に設けられた全ての凹部42のうち、1つの凹部を除く凹部42には、一方又は他方の固定子鉄心232又は252に設けられた凸部44が嵌合するように構成されている。このため、夫々の一方又は他方の固定子鉄心232又は252には、凸部44が嵌合しない凹部42が設けられており、それらの凹部42に図60(b)に示すように固定子巻線206の両端末線が通るようになっている。このように固定子巻線206の両端末線を一方と他方の固定子鉄心232と252の外周側に引出すことで作業性が向上できるばかりか、回転子302と固定子202との間の隙間に固定子巻線206の端末線が突出してしまうのを考慮しなくてもよい。このため、回転子302と固定子202間の隙間を更に小さくすることが可能となる。
また、本実施例では、一方又は他方の固定子鉄心232又は252の軸方向外側面にも周方向に複数の第2の凹部46を設けており、更に各相の一方と他方の固定子鉄心232と252間に配置される連結板216の回転軸方向の両側面に第2の凸部48を設けている。この第2の凹部46と第2の凸部48を嵌合させることで各相の固定子202を周方向に位置決めすることができる。
[第39実施例]
次に第39実施例を図61に基づいて説明する。図61(a)は、第39実施例の固定子の斜視図である。図61(b)は、第39実施例の固定子及び回転子の回転軸方向の断面図である。尚、他の実施例と共通する部位については、同一称呼,同一の符号で表す。第38実施例は、一方又は他方の固定子鉄心232又は252間から固定子巻線206の両端末線を引出していたが、第39実施例では、図61(a)及び図61(b)に示すように各相固定子の一方と他方の固定子鉄心232と252間から固定子巻線206の両端末線を引出している。上述したとおり、各相固定子間には、連結板216が介在しているが、この連結板216の周方向2箇所に外周側に延びる切り欠き50を設け、この切り欠き50に固定子巻線206の両端末線を通すと共に、この切り欠き50に対応した夫々の一方又は他方の固定子鉄心232又は252の軸方向外側面には、第3の凹部52が設けられている。このように本実施例では、磁気絶縁するための距離が必要な場所を利用して、固定子巻線206の両端末線を通しているのでスペースを有効に活用することができる。つまり、一方と他方の固定子鉄心232と252に余分な切り欠きを設ける必要がないので磁気特性が悪化するのを極力防止することができる。尚、図61(b)におけるW相は、V相との間に固定子巻線206を通すのではなく、W相固定子202Wの軸方向外側からW相の固定子巻線206の端末線を引出している。
[第40実施例]
次に第40実施例を図62に基づいて説明する。図62(a)は、第40実施例の固定子の斜視図である。図62(b)は、第40実施例の固定子及び回転子の軸方向断面図である。尚、他の実施例と共通する部位については、同一称呼,同一の符号で表す。
第40実施例は、各相固定子の一方と他方の固定子鉄心232と252の軸方向側面に第4の凹部54を設け、この第4の凹部54から固定子巻線206の両端末線を引出している。この第4の凹部54は、相固定子鉄心において磁束密度が低い箇所に設けているので誘起電圧を低下させることがほとんどない。尚、一方と他方の固定子鉄心232と252における磁束密度が低い箇所とは、一方あるいは他方の固定子爪238又は258の先端部と対抗する固定子の外周部の箇所で、この部分が最も磁束密度が低い箇所となる。本実施例では、このような位置に第4の凹部54を設けているので誘起電圧を低下させるのを極力少なくすることができる。
[第41実施例]
次に第41実施例を図63〜図65に基づいて説明する。図63(a)は、第41実施例の回転子における一実施形態の側面図である。図63(b)は、第41実施例の回転子における他の実施形態の側面図である。図64(a)は、第41実施例の回転子における一実施形態の斜視図である。図64(b)は、図64(a)の一方又は他方の回転子爪326又は328の側面図である。図64(c)は、図64(a)の一方又は他方の回転子爪326又は328の正面断面図である。図65は、一方又は他方の回転子爪326又は328の正面断面図であり、各部の寸法について説明した図である。尚、他の実施例と共通する部位については、同一称呼,同一の符号で表す。前記実施例の回転子爪は、周方向に対象となるように先端に向かって先細り形状となるように構成されていた。この回転子爪の根元部344は、磁気飽和が生じやすく、出来るだけ大きな断面積とすることが望ましい。しかしながら、第2実施例〜第4実施例のように永久磁石292を回転子爪間に装着するような仕様においては、隣り合う回転子爪間の隙間に対して両側の根元部344を広げると永久磁石292が挿入出来なくなってしまう。
本実施例では、回転子爪の根元部344において磁束が多く通る、回転子302の回転方向に対して反対方向側だけを周方向に広げることで磁束が通る面積を確保している。このように周方向一方向側だけを周方向に幅広とすれば、図63(a)に示すように幅広の根元部344が形成されていない軸方向側から永久磁石292を装着することができる。尚、回転子302の回転方向に対して反対方向側だけを周方向に広げるといった技術思想は、図63(b)に示すように回転子爪が軸方向に略同一幅となるように構成された回転子302においても適用することができ、このように構成することで磁束が通る断面積を確保しつつ永久磁石292を装着することが可能となる。
更に、これらの回転子爪の周方向の両縁には、ベベル348と呼ばれる面取りを設けるとよい。図64(a)及び図64(b)にベベル348を設けた回転子爪を示している。これらの図を見てわかるように回転子302の回転方向に対して反対方向側、つまり、根元部344が幅広となっている側の面取り幅Biを、回転子302の回転方向側の面取り幅Bdより広くしており、図64(c)に示すように回転子302の回転方向に対して反対方向側の面取り角度θ1を回転子302の回転方向側の面取り角度θ2より小さくしている。尚、回転子爪の周方向幅をBoとした場合、Bd/Boは0.03〜0.3の範囲に設定するとよく、Bi/Boは、0.2〜0.55の範囲に設定するとよい。また、面取り角度θ1は、6度〜25度の範囲に設定するとよく、面取り角度θ2は、6度〜45度の範囲に設定するとよい。
このようなベベル348を設けることによって、固定子爪の間の磁気変動を滑らかにでき、磁気騒音を低減することができる。尚、本実施例では、回転子302の回転方向に対して反対方向側の面取り幅を大きくしているので、回転子爪の表面の磁束密度分布を平均化して磁束損失による出力低下を生じることなく、磁気騒音を低減させることができる。また、永久磁石292は、回転子爪の周方向両縁側に延びた爪鍔部56によって、径方向の移動を阻止しているが、図65に示すように爪の爪鍔部56は、回転子爪間の漏れ磁束と強度の関係から周方向幅を0.8mm〜4mmとするのがよく、機械的強度の面から径方向の厚みを0.8mm〜3mmとするのがよい。
[第42実施例]
次に第42実施例を図66に基づいて説明する。図66(a)は、第42実施例における相固定子の斜視図である。図66(b)は、第42実施例における相固定子を内周から見た側面図である。図66(c)は、第42実施例における1つの固定子爪磁極の正面断面図である。尚、他の実施例と共通する部位については、同一称呼,同一の符号で表す。第42実施例は、一方あるいは他方の固定子爪238又は258にベベル348を設けている。このベベル348は、回転子爪と同様に回転子302の回転方向に対して反対方向側の面取り幅Biを、回転子302の回転方向側の面取り幅Bdより広くしており、図66(c)に示すように回転子302の回転方向に対して反対方向側の面取り角度θ1を回転子302の回転方向側の面取り角度θ2より小さくしている。尚、一方あるいは他方の固定子爪238又は258の周方向幅をBoとした場合、Bd/Boは0.03〜0.3の範囲に設定するとよく、Bi/Boは、0.2〜0.55の範囲に設定するとよい。また、面取り角度θ1は、6度〜25度の範囲に設定するとよく、面取り角度θ2は、6度〜45度の範囲に設定するとよい。
このようなベベル348を設けることによって、回転子爪との間の磁気変動を滑らかにでき、磁気騒音を低減することができる。尚、本実施例では、回転子302の回転方向に対して反対方向側の面取り幅を大きくしているので、一方あるいは他方の固定子爪238又は258の表面の磁束密度分布を平均化して磁束損失による出力低下を生じることなく、磁気騒音を低減させることができる。
尚、上述の複数の実施例のなかには、回転子の爪の先端が、回転軸方向において一番遠い相固定子の途中で終わっている例を示した。この理由は、オルタネータの回転子の磁束密度の分布(図67)を見た場合、爪先端部は、磁束密度が非常に低い傾向があり、オルタネータとしての性能として寄与しない部分であり、先端の磁束密度の低い部分を排除しても出力の低下等の影響が少ないと考えられる。回転子で発生する磁束が爪先端部までに届くまでにステータ側に磁束が吸い上げられているからであると考えられる。一方、この低速から高速回転域まで幅広く回転速度が変化し、高速回転において回転子の爪の先端に強い遠心力が作用する。そのため、爪先端部が固定子側に近づく心配がある。そこで、固定子と回転子との空隙を狭くできない問題が生じる。そこで、上記のように爪の先端を相固定子の途中で終わらせることによって、これらの課題が解決できる。
車両用交流発電機の側面断面図である。 車両用交流発電機を部分的に断面とした斜視図である。 回転子と固定子を部分的に断面とした斜視図である。 回転子の斜視図である。 1相分の固定子を説明した図である。 1相分の固定子を説明した図である。 1相分の固定子を説明した図である。 3相分の固定子を説明した図である。 固定子の各相毎の斜視図である。 連結板の位置決め構造について説明した図である。 連結板の位置決め構造について説明した図である。 固定子巻線206の端末の這い回し状態を示した図である。 固定子鉄心の製造方法を示す図である。 固定子鉄心の製造方法を示す図である。 出力電流と曲げRと比率の関係を示した図である。 固定子鉄心構成部材の側面断面図であり、鋼板の積層枚数について説明した図である。 各相に誘起される電圧の出力波形である。 第2実施例の回転子及び固定子の側面を断面とした斜視図である。 第3実施例の回転子及び固定子の側面を断面とした斜視図である。 第4実施例の回転子及び固定子の側面を断面とした斜視図である。 第5実施例の回転子及び固定子の側面断面図である。 第6実施例の回転子及び固定子の側面断面図である。 第7実施例の回転子及び固定子を説明した図である。 第8実施例の回転子及び固定子を説明した図である。 第9実施例の回転子及び固定子を説明した図である。 第10実施例の回転子及び固定子を説明した図である。 第11実施例の回転子及び固定子を説明した図である。 第12実施例の固定子爪磁極について説明した図である。 第13実施例の回転子爪磁極について説明した図である。 第14実施例の固定子爪磁極について説明した図である。 第15実施例の回転子爪磁極について説明した図である。 第16実施例の固定子爪磁極及び回転子爪磁極について説明した図である。 第17実施例の固定子爪磁極について説明した図である。 第18実施例における車両用交流発電機について説明した図である。 第19実施例における車両用交流発電機の側面断面図である。 第20実施例における回転子及び固定子の側面断面図である。 固定子鉄心に流れる渦電流を説明した図である。 第21実施例の固定子鉄心構成部材について説明した図である。 第21実施例の他の実施形態を示す図である。 第21実施例の固定子爪磁極を内周側からみた図である。 第22実施例の固定子鉄心構成部材について説明した図である。 第23実施例の固定子鉄心構成部材について説明した図である。 第24実施例の固定子鉄心構成部材について説明した図である。 第25実施例の固定子鉄心構成部材における側面断面図である。 第26実施例の固定子鉄心構成部材について説明した図である。 第27実施例の固定子について説明した図である。 第28実施例の固定子について説明した図である。 第28実施例における固定子鉄心構成部材の1つの製造方法を説明した図である。 第28実施例の固定子鉄心構成部材における他の実施形態の斜視図である。 第29実施例の固定子及び回転子を固定子爪磁極及び回転子爪磁極の先端側から見た正面図である。 第30実施例における固定子鉄心構成部材について説明した図である。 第31実施例における固定子鉄心構成部材について説明した図である。 第32実施例の固定子について説明した図である。 第33実施例の回転子について説明した図である。 第33実施例の回転子爪磁極に設けた溝のピッチと幅の関係を示した図である。 第33実施例の回転子爪磁極に設けた溝の深さと幅の関係を示した図である。 第34実施例の回転子爪磁極の側面断面図である。 第36実施例の固定子について説明した図である。 第37実施例の固定子について説明した図である。 第38実施例の固定子について説明した図である。 第39実施例の固定子について説明した図である。 第40実施例の固定子について説明した図である。 第41実施例の回転子爪磁極について説明した図である。 第41実施例の回転子について説明した図である。 第41実施例の回転子爪磁極の正面断面図である。 第42実施例の固定子について説明した図である。 車載用交流発電機の磁束密度分布を示した図。
符号の説明
202 固定子
206 固定子巻線
208 固定子鉄心
210 固定子爪磁極
216 結合板
302 回転子(ロータ)
326,328 回転子爪

Claims (9)

  1. U相とV相とW相の電圧を出力する固定子と、前記固定子の内側に回転自在に設けられ界磁巻線と回転子鉄心とを有する回転子と、前記界磁巻線を流れる界磁電流を制御するための界磁電流制御回路とを有しており、
    前記固定子はU相とV相とW相の電圧をそれぞれ出力し、それぞれが回転子の回転軸方向に配置されている3種類の相固定子を有し、
    各相固定子は、周方向に巻かれた相固定子巻線と、前記相固定子巻線の回転軸方向両外側と前記相固定子巻線の外周側に磁気回路を形成すると共に前記回転軸方向両外側の一方側から他方側へあるいは前記回転軸方向両外側の他方側から一方側へ交互に伸びる固定子爪を周方向に偶数個有する相固定子鉄心とを有し、
    前記回転子鉄心は、前記回転子巻線の径方向の内側と前記回転子巻線の回転軸方向の両外側に磁気回路を形成すると共に前記回転軸方向の両外側の一方側から他方側へあるいは前記回転軸方向の両外側の他方側から一方側へ交互に伸びる回転子爪を周方向に偶数個設けており、
    前記各回転子爪は、回転軸方向に配置されている3種類の相固定子がそれぞれ有している固定子爪と対向する対向面を有しており、
    前記各相固定子の相固定子鉄心は磁性材からなる板を複数枚積層して形成されており、
    さらに前記相固定子の相固定子鉄心と隣り合う他の相固定子の相固定子鉄心との間に空隙あるいは非磁性材が設けられていることを特徴とする車載用交流発電機。
  2. 三相交流を出力する固定子と、前記固定子の内側に回転自在に支持され界磁巻線と回転子鉄心とを有する回転子と、前記界磁巻線を流れる界磁電流を制御するための界磁電流制御回路とを有しており、
    前記固定子は三相交流をそれぞれ出力し、それぞれが回転子の回転軸方向に沿って配置されている3種類の相固定子を有し、
    各相固定子は、周方向に巻かれた相固定子巻線と、前記相固定子巻線の回転軸方向両外側に設けられた一方と他方の相固定子鉄心側部と前記相固定子巻線の外周側に設けられた相固定子鉄心外周部とを有すると共に前記一方の相固定子鉄心側部から前記他方の相固定子鉄心側部の方にあるいは前記他方の相固定子鉄心側部から前記一方の相固定子鉄心側部の方に交互に伸びる固定子爪を周方向に偶数個有する相固定子鉄心とを有し、
    前記回転子鉄心は、前記回転子巻線の回転軸方向の一方の外側に設けられた一方の回転子鉄心と前記回転子巻線の回転軸方向の他方の外側に設けられた他方の回転子鉄心とを有し、
    前記一方の回転子鉄心は前記他方の回転子鉄心の方に延びる一方の回転子爪を有し、また前記他方の回転子鉄心は前記一方の回転子鉄心の方に延びる他方の回転子爪を有し、
    前記一方の回転子爪と前記他方の回転子爪は周方向に交互に配置されると共に、前記一方の回転子爪と前記他方の回転子爪からなる回転子爪は、前記各相固定子鉄心が有する固定子爪の個数と同じ個数であり、
    前記各回転子爪は、回転軸方向に配置されている3種類の相固定子がそれぞれ有している固定子爪と対向する対向面を有しており、
    前記各相固定子の相固定子鉄心は板状の磁性材を複数枚積層して形成されており、
    さらに前記相固定子の相固定子鉄心と隣接する他の相固定子の相固定子鉄心との間に空隙あるいは非磁性材が設けられていることを特徴とする車載用交流発電機。
  3. 三相交流を出力する固定子と、前記固定子の内側に回転自在に支持され界磁巻線と回転子鉄心とを有する回転子と、前記界磁巻線を流れる界磁電流を制御するための界磁電流制御回路とを有しており、
    前記固定子は三相交流をそれぞれ出力し、それぞれが回転子の回転軸方向に沿って配置されている3種類の相固定子を有し、
    各相固定子は、周方向に巻かれた相固定子巻線と、前記相固定子巻線の回転軸方向両外側に設けられた一方と他方の相固定子鉄心側部と前記相固定子巻線の外周側に設けられた相固定子鉄心外周部とを有すると共に前記一方の相固定子鉄心側部から前記他方の相固定子鉄心側部の方にあるいは前記他方の相固定子鉄心側部から前記一方の相固定子鉄心側部の方に交互に伸びる固定子爪を周方向に偶数個有する相固定子鉄心とを有し、
    前記一方および他方の相固定子鉄心側部は隣接する固定子爪間に固定子窪みをそれぞれ有し、周方向における一方の相固定子鉄心側部の窪みの位置に前記他方の相固定子鉄心側部から伸びる固定子爪が配置され、周方向における他方の相固定子鉄心側部の窪みの位置に前記一方の相固定子鉄心側部から伸びる固定子爪が配置されており、
    前記回転子鉄心は、前記回転子巻線の回転軸方向の一方の外側に設けられた一方の回転子鉄心と前記回転子巻線の回転軸方向の他方の外側に設けられた他方の回転子鉄心とを有し、
    前記一方の回転子鉄心は前記他方の回転子鉄心の方に延びる一方の回転子爪を有し、また前記他方の回転子鉄心は前記一方の回転子鉄心の方に延びる他方の回転子爪を有し、
    前記一方の回転子爪と前記他方の回転子爪は周方向に交互に配置されると共に、前記一方の回転子爪と前記他方の回転子爪からなる回転子爪は、前記各相固定子鉄心が有する固定子爪の個数と同じ個数であり、
    前記一方の回転子鉄心は隣接する一方の回転子爪間に一方の窪みを形成し、前記他方の回転子鉄心は隣接する他方の回転子爪間に他方の窪みを形成し、周方向における一方の窪みの位置に前記他方の回転子爪が配置され、周方向における他方の窪みの位置に前記一方の回転子爪が配置され、
    前記各回転子爪は、回転軸方向に配置されている3種類の相固定子がそれぞれ有している固定子爪と対向する対向面を有しており、
    前記各相固定子の相固定子鉄心は板状の磁性材を複数枚積層して形成されていることを特徴とする車載用交流発電機。
  4. 請求項1乃至請求項3に記載の車載用交流発電機において、
    前記3種類の相固定子は回転軸に沿って一方側から他方側に配置されており、
    一方側から他方側に向かって伸びる前記回転子爪の先端は、回転軸に沿って配置された前記3種類の相固定子のうちの前記他方側に配置された相固定子の固定子爪の途中で終わっており、
    他方側から一方側に向かって伸びる前記回転子爪の先端は、回転軸に沿って配置された前記3種類の相固定子の一方側に配置された相固定子の固定子爪の途中で終わっていることを特徴とする車載用交流発電機。
  5. 請求項1乃至請求項4に記載の車載用交流発電機において、
    前記固定子爪は板状の磁性材を積層して形成しており、前記磁性材の板が径方向に積層されて前記固定子爪を形作っていることを特徴とする車載用交流発電機。
  6. 請求項1乃至請求項5に記載の車載用交流発電機において、
    前記固定子爪を構成している積層構造配置された板は、互いに固定されていることを特徴とする車載用交流発電機。
  7. 請求項1乃至請求項5に記載の車載用交流発電機において、
    前記固定子爪を構成している積層構造配置された板は、溶接にて互いに固定されていることを特徴とする車載用交流発電機。
  8. 固定子と前記固定子の内側に回転自在に設けられた回転子とを有し、
    前記固定子は、前記回転子の回転軸に沿ってそれぞれ配置されたU相V相W相の交流をそれぞれ出力するU相V相W相の相固定子を有し、
    前記各相固定子は、周方向に巻かれた相固定子巻線と積層した磁性板で形成された相固定子鉄心とを有しており、
    積層磁性板で形成された前記相固定子鉄心は、前記相固定子巻線の回転軸方向両外側に設けられた一方と他方の相固定子鉄心側部と前記相固定子巻線の外周側に設けられた相固定子鉄心外周部とを有すると共に、前記一方の相固定子鉄心側部から前記他方の相固定子鉄心側部の方にあるいは前記他方の相固定子鉄心側部から前記一方の相固定子鉄心側部の方に交互に伸びる固定子爪を周方向に偶数個有し、
    各相固定子は、周方向に巻かれた相固定子巻線と、前記相固定子巻線の回転軸方向両外側に設けられた一方と他方の相固定子鉄心側部と前記相固定子巻線の外周側に設けられた相固定子鉄心外周部とを有すると共に前記一方の相固定子鉄心側部から前記他方の相固定子鉄心側部の方にあるいは前記他方の相固定子鉄心側部から前記一方の相固定子鉄心側部の方に交互に伸びる固定子爪を周方向に偶数個有する相固定子鉄心とを有し、
    前記一方および他方の相固定子鉄心側部は隣接する固定子爪間に固定子窪みをそれぞれ有し、周方向における一方の相固定子鉄心側部の窪みの位置に前記他方の相固定子鉄心側部から伸びる固定子爪が配置され、周方向における他方の相固定子鉄心側部の窪みの位置に前記一方の相固定子鉄心側部から伸びる固定子爪が配置されており、
    前記回転子は、U相V相W相の相固定子が有する各相固定子巻線と鎖交する磁束を発生するための界磁巻線と前記回転子巻線の回転軸方向の一方の外側に設けられた一方の回転子鉄心と前記回転子巻線の回転軸方向の他方の外側に設けられた他方の回転子鉄心とを有し、
    前記一方の回転子鉄心は前記他方の回転子鉄心の方に延びる一方の回転子爪を有し、また前記他方の回転子鉄心は前記一方の回転子鉄心の方に延びる他方の回転子爪を有し、
    前記一方の回転子爪と前記他方の回転子爪は周方向に交互に配置されると共に、前記一方の回転子爪と前記他方の回転子爪からなる回転子爪は、前記各相固定子鉄心が有する固定子爪の個数と同じ個数であり、
    前記各回転子爪は、回転軸方向に配置されているU相V相W相の相固定子がそれぞれ有している固定子爪と対向する対向面を有しており、
    さらに前記相固定子の相固定子鉄心と隣接する他の相固定子の相固定子鉄心との間に非磁性材が設けられていることを特徴とする回転電機。
  9. 請求項1あるいは請求項8に記載の車載用交流発電機において、
    前記各固定子の爪の数を12個から24個の間の偶数個としたことを特徴とする車載用交流発電機。
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