JP2009004103A - 有機発光素子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた電流特性と発光特性をもつ有機発光素子の製造方法を提供する。
【解決手段】第一電極である陰極上に有機化合物層と第二電極である陽極が順に積層されてなる有機発光素子の製造方法において、基板に形成された陰極の表面に対して、1×10-5Pa以上1×102Pa以下の範囲内の圧力下でUV光照射処理を行い、その後、有機化合物層の形成、陽極の形成を行うことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、画像表示装置や照明装置などに用いることが可能である有機発光素子の製造方法に関する。特に、少なくとも第一電極である陰極上に有機化合物層と第二電極である陽極が順に積層されてなる有機発光素子の製造方法に関する。
1987年にTangらにより、キャリア輸送性の異なる有機化合物を積層し、正孔と電子がそれぞれ陽極、陰極よりバランス良く注入される構成の有機発光素子が提案された。具体的には有機化合物層の厚みを200nm以下とし、製造した素子は10Vの電圧で、1000cd/m2の従来に無い効率、輝度を達成した。
その後現在まで、より低電圧で高輝度発光を得るための努力がなされている。例えば、特許文献1には、有機化合物層の形成前処理工程としてITO陽極にUV処理するか、プラズマ処理を行うことにより、発光しきい値が低下して電流特性が向上し、また発光特性の経時劣化が抑制されることが開示されている。
また、特許文献2には、1×10-4から1×10-1Paの減圧下で指向性を有するUVオゾン処理を行い、より雰囲気圧力の高い有機化合物層形成装置に基板を搬送して有機化合物層の形成を行う技術が開示されている。これにより、有機化合物層形成前処理装置の汚染を基板に付着させないようにする効果があるとしている。なお、前記特許文献2の技術は、第一電極が陽極である有機発光素子を対象にしており、本発明とは対象と目的が異なる。
これらの有機化合物層形成前処理は、例えばUVオゾン処理の場合、基板電極である第一電極に付着している有機物汚染をUV光のエネルギーにより分解する。さらに、UV光と酸素により発生するオゾンと活性酸素の効果により分解物を電極上から除去するという原理により第一電極の表面を清浄化する目的で行われる。また、オゾンと活性酸素の働きにより第一電極の表面を酸化させ仕事関数を向上させることで、第一電極が陽極である場合は有機化合物層への正孔注入を促進する目的もある。
酸素プラズマ処理の場合は原理は異なるが、目的はUVオゾン処理と同様であり、第一電極の清浄化と、仕事関数の向上である。
しかし、第一電極が陰極である場合には、仕事関数の向上が電子の注入に対して不利に働き、かえって有機発光素子の電流特性と発光特性を阻害するという問題がある。
例えば特許文献3には、第一電極が陰極となる有機発光素子の製造方法が開示されている。しかし、有機化合物層形成前処理に従来のUVオゾン処理を用いているため、陰極の仕事関数が向上し、優れた電流特性と発光特性は得られない。
特開平7−142168号公報 特許第3394130号公報 特開2000−156293号公報
本発明の目的は、第一電極が陰極である有機発光素子の製造方法において、優れた電流特性と発光特性をもつ有機発光素子の製造方法を提供することである。
上記課題を解決するための手段として、本発明は、
第一電極である陰極上に有機化合物層と第二電極である陽極が順に積層されてなる有機発光素子の製造方法において、
基板に形成された陰極の表面に対して、1×10-5Pa以上1×102Pa以下の範囲内の圧力下でUV光照射処理を行い、その後、有機化合物層の形成、陽極の形成を行うことを特徴とする。
本発明に係る第1の発明によれば、第一電極が陰極である有機発光素子の製造方法において、有機化合物層形成前処理における雰囲気圧力が1×10-5Pa以上1×102Pa以下の範囲で陰極表面にUV光を照射する。これにより、陰極の仕事関数が低下し、有機化合物層への電子注入性が著しく向上する。
これは、酸素濃度が少ない、或いは殆どない雰囲気下でUV光を照射することで陰極表面が還元される効果があるためと考えられる。また、雰囲気が高真空であることにより、陰極表面の還元を促進させていることも考えられる。
本発明者らの検討によれば、この効果は陰極の種類によらず、ITOやIZOなどの透明導電酸化物膜であっても、Cr、Ag、Al等或いはそれらと他金属からなる合金などの金属膜であっても同様の効果が得られた。
本発明に係る第2の発明によれば、酸素濃度が高い雰囲気下でUV光を陰極表面に照射することで、陰極表面が清浄化され、その後に第1の発明で示した有機化合物層形成前処理を行うことにより陰極の仕事関数を下げることができる。そのため、より有機化合物層への電子注入性が向上する。
本発明に係る第3の発明によれば、第2の発明と同様に酸素プラズマ処理により陰極表面が清浄化され、その後に第1の発明で示した有機化合物層形成前処理を行うことにより陰極の仕事関数を下げることができる。そのため、より有機化合物層への電子注入性が向上する。
以下に、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明に係る有機発光素子の製造方法は、第一電極である陰極上に有機化合物層と第二電極である陽極が順に積層されてなる有機発光素子の製造方法として好適に実施される。
この製造方法は、基板に形成された陰極の表面に対して、1×10-5Pa以上102Pa以下の範囲内の圧力下でUV光照射処理を行い、その後、有機化合物層の形成、陽極の形成を行うことを特徴とする。陰極の仕事関数が低下し、有機化合物層への電子注入性が著しく向上する。
これは、酸素濃度が少ない、或いは殆どない雰囲気下でUV光を照射することで陰極表面が還元される効果があるためと考えられる。また、雰囲気が高真空であることにより、陰極表面の還元を促進させていることも考えられる。
本発明者らの検討によれば、この効果は陰極の種類によらず、ITOやIZOなどの透明導電酸化物膜であっても、Cr、Ag、Al等或いはそれらと他金属からなる合金などの金属膜であっても同様の効果が得られた。
さらに、陰極の表面に対して、1×10-5Pa以上1×102Pa以下の範囲内の圧力下でUV光照射処理を行う前に、以下のUV光照射処理を行うことが好ましい。つまり、陰極の表面に対して、予め10Pa以上1.1×105Pa以下の範囲内の圧力下で、少なくとも酸素を含む気体の存在下においてUV光照射処理を行うことが好ましい。酸素濃度が高い雰囲気下でUV光を陰極表面に照射することで、陰極表面が清浄化され、その後に第1の発明で示した有機化合物層形成前処理を行うことにより、陰極の仕事関数を下げることができ、より有機化合物層への電子注入性が向上する。
または、陰極の表面に対して、1×10-5Pa以上1×102Pa以下の範囲内の圧力下でUV光照射処理を行う前に、以下の酸素プラズマ処理を行うことが好ましい。つまり、陰極の表面に対して、予め1×10-5Pa以上1×102Pa以下の範囲内の圧力下で、少なくとも酸素を含む気体の存在下において酸素プラズマ処理を行いことが好ましい。酸素プラズマ処理により陰極表面が清浄化され、その後に第1の発明で示した有機化合物層形成前処理を行うことにより、陰極の仕事関数を下げることができ、より有機化合物層への電子注入性が向上する。
以下、実施形態として示す図1に従い有機発光素子の構成及び製造方法について述べる。
ガラス、シリコン、プラスチックフィルムなどの基板1に、薄膜トランジスタ(TFT)2を形成した。有機発光素子が上面発光型であれば、基板1は光透過性である必要はない。
基板1上には、TFT2を覆うように層間絶縁膜3を設け、この層間絶縁膜3には、TFT2への配線(図示省略)に達する接続孔4を設けた。層間絶縁膜3には酸化シリコン(SiO2)、窒化シリコン(Si34)のような無機材料膜を用いてもよいが、TFT、配線部の凹凸を埋めて膜面を平坦化したいので、通常はアクリル系樹脂膜などを数〜十数μmの厚さで設ける。
この接続孔4を介して配線に接続された第一電極5を、層間絶縁膜3上に形成した。この第一電極5は有機発光素子の陰極として用いられるもので、上面発光型であれば、Cr、Ag、Al、或いはそれらと他金属からなる合金などの反射率の高い材料が用いられる。電荷の注入効率を高めるために、ITO、IZOなどの導電性酸化物膜を積層することも可能である。下面発光型であれば、ITO、IZOなどを用いる。
層間絶縁膜3上には、第一電極5の周辺を覆う状態で素子分離膜6を設けた。この素子分離膜6は、下部電極5の表面のみを露出させるようにパターンニングされた開口部7を備えている。この開口部7がこの有機発光素子における実質的な発光部分となる。
この素子分離膜6は、感光性ポリイミドやアクリル樹脂などの樹脂材料膜、酸化シリコン(SiO2)、窒化シリコン(SiN)のような無機材料膜が好適に用いられる。
このように、少なくとも第一電極5及び素子分離膜6が形成された基板(素子基板)を作製した後で、各種溶剤、界面活性剤、純水などによるウエット洗浄を行った後に、真空下で100℃から200℃程度での加熱脱水処理を行うことが望ましい。
加熱脱水処理終了後、上述したように陰極表面を清浄化するために、UVオゾン処理又は酸素プラズマ処理を行うことが好ましい。
UVオゾン処理は雰囲気圧力10Pa以上1.1×105Pa以下の範囲内でUV光を照射することが好ましい。この際、装置内には少なくとも酸素を含む気体を導入し、オゾンを発生させることが好ましい。
酸素プラズマ処理は雰囲気圧力1×10-5Pa以上102Pa以下の範囲内で、少なくとも酸素を含む気体を装置内に導入しながらプラズマ処理することが好ましい。
加熱脱水処理の後、有機化合物層8を形成する直前に本発明の特徴である有機化合物層形成前処理工程を行った。具体的には、有機化合物層8を形成する真空蒸着装置に接続された有機化合物層形成前処理装置において、上記素子基板を処理した。
図2に本発明における有機化合物層形成前処理装置の簡単な図を示す。31は真空槽、32はUVランプ、33は基板(素子基板)、34はマスフローコントローラ、35は真空計、36は圧力コントローラ、37は可変バルブである。
有機化合物層形成前処理装置は、開度を調整できる可変バルブ37に接続され耐オゾン対策されたドライポンプと、高真空排気できるターボ分子ポンプとを備えている。圧力コントローラ36は真空計35を基に可変バルブ37の開度を調整する。これらの機構とマスフローコントローラ34にて乾燥空気や酸素などの気体を導入しつつ雰囲気圧力を調節し基板33をUVランプ32にてUVオゾン処理する。
導入する乾燥空気や酸素などの気体は、特に限定されるものではなく、いかなる気体であっても本発明の効果は得られる。また、雰囲気圧力が1×10-5Pa以上1×102Pa以下の範囲内であれば、気体を導入しなくても同様の効果が得られる。
UV照射源(ランプ)32としては、低圧水銀ランプやエキシマランプを用いることができる。上記した気体を導入しつつ、雰囲気圧力を1×10-5Pa以上1×102Pa以下の範囲内で制御し、陰極が形成された基板にUV光を0.5分から60分照射した。基板33とUVランプ32との距離は1mmから50mmの範囲内が好ましく、照射強度を均一にするために基板33、或いはUVランプ32を揺動させることが望ましい。有機化合物層形成前処理が終了したら、速やかに有機化合物層形成装置に搬送する。
雰囲気圧力が1×102Paより高いと、陰極の仕事関数が高くなってしまい、本発明の目的である陰極からの優れた電子注入特性が得られなくなってしまう。一方、1×10-5Pa未満の圧力は、限定された排気装置等が必要となり、排気時間も掛かってしまうので実用上問題がある。
照射時間が0.5分未満では効果が十分に得られない、或いは効果にムラがある。また、60分を超えても効果は向上しなかった。
基板33とUVランプ32の距離が50mm以上となると、効果が足りない場合が生じた。
有機化合物層形成前処理後、搬送された素子基板に、主に真空加熱蒸着法を用いて有機化合物層8を形成した。有機化合物層8の形成法としては、真空加熱蒸着法の他に、EB蒸着法、LB法、スピンコート法、インクジェット法、熱転写法などを用いることもできる。この有機化合物層8は、例えば正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層などを順次積層することによって得られる。
本発明に用いられる電子注入層として、アルカリ金属やアルカリ土類金属の薄膜単層、或いはそれらと金属元素との合金層、又は有機電子輸送材料と、アルカリ金属或いはアルカリ土類金属との混合層などが挙げられる。これらを用いることで、より本発明の効果である電子注入性を高めることができる。
有機化合物層8を覆う状態で第二電極(陽極)9を設けた。上面発光型の場合、この第二電極9は光透過性である。通常はITO、IZOなどの導電性酸化物膜が用いられる。下面発光型の場合、第二電極9は反射電極であり、AlやAg、或いはそれらと他金属の合金などが好ましく用いられる。
さらに有機化合物層8への水分浸透を防ぐために、酸化シリコン、窒化シリコンのような無機材料膜、或いは高分子膜からなる透明な保護膜10を設けても良い。さらに/あるいはガラス板等のキャップ材により封止を行っても良い。
以下、本発明に係る有機発光素子の製造方法の実施例について説明する。
<実施例1>
本実施例における有機発光素子の製造方法と、各工程における圧力の変化を図3に示す。
ガラス基板1上にCr膜(膜厚100nm)を陰極5として形成し、さらにポジ型感光性ポリイミド樹脂(膜厚2μm)を画素分離膜6として形成し素子基板とした。次に紫外線ランプを用いてパターン露光、現像して開口部7を形成した。
得られた素子基板を界面活性剤水溶液で洗浄の後、イオン交換水と超音波によりリンス洗浄した。
洗浄後の素子基板を真空乾燥機に入れ、200℃にて24時間脱水処理を行った。
これをUVオゾン洗浄機に導入し、大気圧下にて低圧水銀ランプ(出力110W)に対向させ、10分間UVオゾン処理を行った。
UVオゾン処理後の素子基板を上記した有機化合物形成前処理装置に導入し、素子基板を低圧水銀ランプ(出力110W)に対向させ、20mm/secの速度で50mm間隔の範囲を揺動させた。UVランプと素子基板の最短距離は5mmとした。装置内を排気して2×10-5Paの高真空状態にした後、UV光を照射させ、10分間の処理を行った。
10分経過したところでUV光の照射を止め、1×10-5から5×10-4Paに維持された有機化合物層形成装置に搬送して、次の工程により有機化合物層8、陽極9、保護膜10を順次積層した。
陰極5上にAl―Li合金を0.2nmの膜厚となるように真空蒸着して電子注入層とし、続いてバソフェナントロリンを40nmの膜厚となるように真空蒸着して電子輸送層とした。
次に発光層となるクマリン6(1.0vol%)とトリス[8−ヒドロキシキノリナート]アルミニウム(Alq3)との共蒸着膜を30nmの膜厚で成膜した。さらに、N,N―α―ジナフチルベンジジン(α―NPD)を40nmの膜厚となるように真空蒸着して正孔輸送層を形成した。その後、酸化バナジウム(V2O5)を正孔注入層として1nmの膜厚で形成した。
素子基板をスパッタ成膜室に搬送して、酸素ガス(0.5sccm)、Arガス(100sccm)を導入し、0.6Paの圧力下でITOを220nmの膜厚でスパッタ成膜して、陽極9を形成した。さらに酸素ガス(0.2sccm)、窒素ガス(10sccm)を導入、0.6Paの圧力下でシリコン(Si)ターゲットを反応スパッタさせることで、透明なSi−O−N膜を500nmの膜厚で成膜して、保護膜10を形成した。その後、成膜工程の終わった素子基板をグローブボックスに移し、窒素雰囲気中で乾燥剤を入れたガラスキャップにより封止した。
上記製造方法により得られた有機発光素子(緑色発光)に直流電圧をかけ、発光輝度を輝度計(トプコン社製BM−7)にて測定した。7Vの電圧で95mA/cm2の電流が流れ、優れた電圧電流特性が得られた。そのときの発光輝度は1200cd/m2であった。
<実施例2>
Ag合金(膜厚100nm)にITO(膜厚60nm)を積層した電極を陰極として用いること以外は実施例1と同様にして素子基板を作製し、実施例1と同様にウェット洗浄と加熱脱水処理を行った。
脱水処理を行った素子基板に酸素プラズマ処理を施した。酸素プラズマ処理は、素子基板付近に設けたリング状電極に50WのRF電力を投入し、酸素圧力は0.6Pa、処理時間は40秒で行った。
酸素プラズマ処理後の素子基板を有機化合物層形成前処理装置に導入し、処理圧力を5×10-4Paとした以外は実施例1と同様にして有機化合物層形成前処理を行った。処理後の素子基板に対して実施例1と同様に有機化合物層8、陽極9、保護膜10を形成し、有機発光素子を製造した。
得られた有機発光素子を実施例1と同様に評価したところ、7Vで94mA/cm2の電流が流れ、そのときの発光輝度は1500cd/m2と優れた発光特性が得られた。
<実施例3>
実施例1で用いた素子基板に実施例1と同様にウェット洗浄と加熱脱水処理を行った。
脱水処理した素子基板を、オゾン排気に対応したドライポンプと、高真空排気できるターボ分子ポンプ、圧力コントローラと乾燥空気を導入するマスフローコントローラを備えたUVオゾン洗浄装置に導入した。素子基板を低圧水銀ランプ(出力110W)に対向させ、20mm/secの速度で50mm間隔の範囲を揺動させた。UVランプと素子基板の最短距離は5mmとした。装置内を排気して5×10-5Paの高真空状態にした後、10slmの流量で乾燥空気を装置内に導入した。装置内圧力が103Paとなったところで圧力コントローラにより、乾燥空気の導入を続けながら排気圧のバランスをとり、装置内圧力を103Paに維持した。
このままUV光を照射させ、10分間のUVオゾン処理を行った。
10分経過したところでUV光の照射を止め、乾燥空気の導入流量を0.1slmに下げ、圧力コントローラの設定を1×10-1Paに変更し、10分間のUV照射を再び行った。処理後の素子基板に対して実施例1と同様に有機化合物層8、陽極9、保護膜10を形成し、有機発光素子を製造した。
得られた有機発光素子を実施例1と同様に評価したところ、7Vで44mA/cm2の電流が流れ、実施例1には劣るものの優れた電圧電流特性が得られた。また、そのときの発光輝度は600cd/m2と優れた発光特性が得られた。
<実施例4>
実施例2で用いた素子基板に対して、酸素プラズマ処理をしないこと以外は実施例2と同様にウェット洗浄、有機化合物層形成前処理をし、さらに有機化合物層8、陽極9、保護膜10を形成し、有機発光素子を製造した。
得られた有機発光素子を実施例1と同様に評価したところ、7Vで12mA/cm2の電流が流れ、他の実施例には劣るものの問題ない電圧電流特性が得られた。また、そのときの発光輝度は200cd/m2であった。
<比較例1>
実施例1で用いた素子基板に対して、実施例1で示した有機化合物層形成前処理を行わずに、UVオゾン処理の後すぐに有機化合物層8を形成し、それ以外は実施例1と同様に有機発光素子を製造した。
得られた有機発光素子を実施例1と同様に評価したところ、7Vで0.02mA/cm2の電流しか流れず、発光は観察されなかった。10Vの電圧を印加すると発光はしたが、ムラのある不均一な発光状態であった。
<比較例2>
実施例1で用いた素子基板に対して、有機化合物層形成前処理における装置内圧力を1.5×102Pa、導入する乾燥空気の流量を1slmに変更して、それ以外は実施例3と同様にして有機発光素子を製造した。
得られた有機発光素子を実施例1と同様に評価したところ、7Vで4mA/cm2の電流しか流れず、そのときの発光輝度は10cd/m2と不十分な特性であった。
本発明の有機発光素子の代表的な断面構造を示す模式図である。 有機化合物層形成前処理装置の概略図である。 本発明の有機発光素子の製造方法と、各工程における圧力の変化を示す図である。
符号の説明
1 基板
2 TFT
3 層間絶縁膜
4 接続孔
5 第一電極(陰極)
6 画素分離膜
7 開口部
8 有機化合物層
9 第二電極(陽極)
10 保護膜
31 真空槽
32 UVランプ
33 基板
34 マスフローコントローラ
35 真空計
36 圧力コントローラ
37 可変バルブ

Claims (3)

  1. 第一電極である陰極上に有機化合物層と第二電極である陽極が順に積層されてなる有機発光素子の製造方法において、
    基板に形成された陰極の表面に対して、1×10-5Pa以上1×102Pa以下の範囲内の圧力下でUV光照射処理を行い、その後、有機化合物層の形成、陽極の形成を行うことを特徴とする有機発光素子の製造方法。
  2. 陰極の表面に対して、1×10-5Pa以上1×102Pa以下の範囲内の圧力下でUV光照射処理を行う前に、10Pa以上1.1×105Pa以下の範囲内の圧力下で、少なくとも酸素を含む気体の存在下においてUV光照射処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の有機発光素子の製造方法。
  3. 陰極の表面に対して、1×10-5Pa以上1×102Pa以下の範囲内の圧力下でUV光照射処理を行う前に、1×10-5Pa以上1×102Pa以下の範囲内の圧力下で、少なくとも酸素を含む気体の存在下において酸素プラズマ処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の有機発光素子の製造方法。
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