JP2008293957A - 有機発光装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた駆動耐久特性と、耐放置劣化特性とを満足する有機発光装置の製造方法を提供する。
【解決手段】基板1と、基板1の上に形成される有機発光素子と、前記有機発光素子の周囲に形成される素子分離膜6とを有し、前記有機発光素子は、基板1側から順に下部電極9と、有機化合物層8と、上部電極5とを有する有機発光装置11の製造方法において、少なくとも下部電極9及び素子分離膜6が形成される基板1を、10Pa以上10000Pa以下の範囲内の圧力下で、少なくとも酸素を含む気体を雰囲気中に導入及び排気しながらUV光を照射する洗浄工程と、前記洗浄工程により洗浄された下部電極9の上に有機化合物層8を形成する工程と、有機化合物層8の上に上部電極5を形成する工程と、を有することを特徴とする有機発光装置11の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、画像表示装置や照明装置等に用いることが可能である有機発光装置の製造方法に関するものである。
1987年にTangらにより、キャリア輸送性の異なる有機化合物を積層し、正孔と電子とがそれぞれ陽極、陰極よりバランス良く注入される構成の有機発光素子(有機EL素子)が提案された。具体的には有機化合物層(有機EL層)の厚みを200nm以下とし、作製した素子は10Vの電圧で、1000cd/m2の従来に無い効率、輝度を達成した。
その後現在まで、より低電圧で高輝度発光を得るための努力がなされている。例えば、特許文献1には、有機EL層の形成前処理工程としてITO陽極にUV処理、若しくはプラズマ処理を行うことにより、発光しきい値が低下して電流特性が向上し、また発光特性の経時劣化が抑制されることが開示されている。
特許文献2には、陽極基板を形成する工程から有機EL層形成前処理、有機EL層形成、陰極形成までを一貫して減圧下で行うことが開示されている。即ち陽極のパターニングをドライエッチングで行い、UVオゾン処理や酸素プラズマ処理を減圧下で一貫して連続的に行うことで、陽極表面が清浄になり、陽極が適度に酸化されて正孔注入性が向上し、発光が均一化、低電圧化、長寿命化されると述べている。
特許文献3には、陽極基板を減圧下にてオゾナイザーによるオゾンで洗浄し、UV光やプラズマを使用せずに有機EL層形成前処理を行う技術が開示されている。
特許文献4には、0.0001から0.1Paの減圧下で指向性を有する紫外線を照射し、より雰囲気圧力の高い有機EL層形成室に基板を搬送して有機EL層形成を行うことで、有機EL層形成前処理室の汚染を基板に付着させない技術が開示されている。
特許文献5には、基板側の第1電極を形成した後に、酸素及び窒素の存在下で、紫外線ランプから紫外線を照射することにより第1電極付き基板を洗浄する技術が開示されている。また特許文献5において、洗浄する際の洗浄室内の圧力は、4.00Pa〜大気圧となるように調整することが好ましいことが記載されている。さらに特許文献5には、ネガ型フォトレジストを使用して隔壁を形成した後、酸素及び窒素を導入しながら、大気圧下において電極付基板を洗浄することも記載されている。
一方、発光装置に使用される有機EL素子において、基板側電極の発光面積や形状を規定するため、また画素の独立発光を可能とするために、主に樹脂材料や無機材料からなる素子分離膜を形成することが一般的に行われている。このような素子分離膜は、通常陽極、若しくは陰極となる基板側電極(下部電極)を形成した後に、その表面に樹脂材料や無機材料、若しくはその前駆体を均一塗布するか、CVD等の成膜方法を用いて成膜する。その後フォトレジスト法等を用いて画素電極となる基板側電極を露出させるように加工される。
特開平7−142168号公報 特許第3704883号公報 特開平11−45779号公報 特許第3394130号公報 特開2000−353593号公報
素子分離膜を備える有機EL素子において、十分な駆動耐久特性が得られなかったり、高温高湿下に放置した後に発光状態が不均一になったりする場合がみられることがある。これは、上記したような素子分離膜形成工程において、露出させた画素電極に素子分離膜材料、若しくはフォトレジスト工程で使用するレジスト材料の残渣が残っていたり、素子分離膜が水分を蓄えていたりすることが原因のひとつであると考えられる。
また、前述したUV処理、若しくはプラズマ処理により、素子分離膜が分解され、この分解物が画素電極表面に付着して残ることも原因となっていると考えられる。即ちこれまで、電極と素子分離膜とが形成された基板を効果的に洗浄し、十分な駆動耐久特性と放置耐久特性とを満足させる有機EL層形成前処理技術はなかった。
上記特許文献2では、陽極のパターニングをドライエッチングで行い、UVオゾン処理や酸素プラズマ処理を減圧下で一貫して連続的に行うことで、陽極表面が清浄になり、陽極が適度に酸化されて正孔注入性が向上するとしている。さらに、UVオゾン洗浄の方法として、0.01torr(約1.33Pa)以上となる圧力となるように高真空状態から酸素ガスを導入し、UV光を照射するとしている。
しかし、このような方法を用いれば素子分離膜の形成が不可能となるかあるいは、使用する材料等を極めて制限せざるを得なくなり、高品位な発光装置となる有機EL素子を達成することができない。
上記特許文献3では、UV光を用いずにオゾナイザーによるオゾンで画素電極表面を清浄化する方法を用いている。しかしこの方法では、UV光エネルギーによる分子内結合の切断効果が得られないため汚染及び残渣物の分解が十分に進行しない。よってその結果、優れた駆動耐久特性を満足させることができない。
上記特許文献4では、0.0001から0.1Paの減圧下で指向性を有するUV光を照射する方法を用いているが、この圧力範囲では必要量のオゾン・活性酸素を生成させることができず、やはり優れた駆動耐久特性を満足することはできない。
上記特許文献5では、洗浄室内の圧力が4.00Pa〜大気圧であることが好ましいとしているが、大気圧下では、電極表面に残る汚染や残渣物がより多くなり、洗浄前よりも却って電極の状態が悪化することもある。また洗浄室内の圧力を4.00Paとすると、圧力が低すぎるために、必要量のオゾン及び活性酸素を生成させることができないので、やはり優れた駆動耐久特性を満足することはできなかった。
そこで、本発明は、優れた駆動耐久特性と、耐放置劣化特性とを満足する有機発光装置の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、
基板と、前記基板の上に形成される有機発光素子と、前記有機発光素子の周囲に形成される素子分離膜とを有し、
前記有機発光素子は、基板側から順に下部電極と、有機化合物層と、上部電極とを有する有機発光装置の製造方法において、
少なくとも前記下部電極及び前記素子分離膜が形成される基板を、10Pa以上10000Pa以下の範囲内の圧力下で、少なくとも酸素を含む気体を雰囲気中に導入及び排気しながらUV光を照射する洗浄工程と、
前記洗浄工程により洗浄された基板の前記下部電極の上に有機化合物層を形成する工程と、
前記有機化合物層の上に上部電極を形成する工程と、
を有することを特徴とする。
本発明によれば、少なくとも下部電極及び素子分離膜が形成された基板を、10Pa以上10000Pa以下の範囲内の圧力下で、少なくとも酸素を含む気体を雰囲気中に導入及び排気しながらUV光を照射する。これにより、本発明の目的である優れた駆動耐久特性と、耐放置劣化特性とが得られる。
具体的には、10Pa以上10000Pa以下という減圧下でUVを照射することにより、下部電極に残っていた素子分離膜材料及びレジスト材料の残渣や他の汚染物が、UV光のエネルギーにより分解される。さらに、UV光と酸素により発生するオゾン、活性酸素の作用、さらには雰囲気圧力が減圧であることによる除去作用により効果的に除去される。これにより、下部電極から有機EL層への正孔、若しくは電子注入が耐久維持され、結果的に駆動耐久特性が飛躍的に向上することとなる。
また、素子分離膜が水分を蓄えている場合においても、UV光により素子分離膜表面が微量分解され、これとともに雰囲気圧力が減圧であることにより水分が雰囲気中に効果的に拡散される。これにより、特に高温高湿下に放置した後に起こりやすい発光状態の不均一化が効果的に解消される。また、前述した分解された素子分離膜材料が下部電極表面に付着する問題も、雰囲気圧力が10Pa以上10000Pa以下の範囲であることで起こり難くなる。
本発明に係る有機発光装置の製造方法は、基板と、前記基板の上に形成されている有機発光素子と、前記有機発光素子の周囲に形成されている素子分離膜とを有する有機発光装置の製造方法として好適に実施される。本発明における有機発光素子は、通例の有機発光素子と同様に、基板側から順に下部電極と、有機化合物層(有機EL層)と、上部電極とを有する構成である。
この製造方法は、少なくとも前記下部電極及び前記素子分離膜が形成された基板を、10Pa以上10000Pa以下の範囲内の圧力下で、少なくとも酸素を含む気体を雰囲気中に導入及び排気しながらUV光を照射する洗浄工程(前処理工程)を有する。さらに前記洗浄された基板の下部電極の上に有機化合物層を形成する工程と、前記有機化合物層の上に上部電極を形成する工程とを有することを特徴とする。
従来、素子分離膜を形成した後、有機EL層を形成する前に素子分離膜中の水分を抜く(脱水)ために、真空下でベーキング処理を行うことが一般的であった。そして、脱水後は、再び水分が素子分離膜中に戻らないように、真空を維持したまま、有機EL層の形成を行うことが一般的であった。
しかしながら本発明は、真空ベーク処理を行った後に真空よりも高圧力である10Pa以上10000Pa以下の減圧環境下で酸素を含む気体を雰囲気中に導入及び排気しながら、UV光を照射することにより下部電極表面の洗浄を行う。そして、洗浄後再び真空下で有機EL層を形成することによって、良好な発光特性を得ることができる。尚、本発明でいう真空とは圧力が10-6Pa以上10-2Pa以下の範囲を指すものとする。
以下、図1に基づいて有機発光装置の構成及び作製プロセスについて述べる。図1は、本発明の方法で製造される有機発光装置を示す断面模式図である。
ガラス、シリコン、プラスチックフィルム等の基板1に、各画素に対応させて、薄膜トランジスタ(TFT)2を配列形成する。有機発光素子が上面発光型であれば、基板1は光透過性である必要はない。
基板1上には、TFT2を覆うように層間絶縁膜3を設け、この層間絶縁膜3には、TFT2への配線(図示省略)に達する接続孔4を設ける。層間絶縁膜3には酸化シリコン(SiO2)、窒化シリコン(Si34)のような無機材料膜を使用してもよいが、TFT、配線部の凹凸を埋めて膜面を平坦化したいので、通常はアクリル系樹脂膜等を数〜十数μmの厚さで設ける。
この接続孔4を介して配線に接続された下部電極5を、層間絶縁膜3上に各画素(有機発光素子)に対応させてパターン形成する。この下部電極5は例えば有機発光素子の陽極として使用されるもので、上面発光型であれば、Cr、Ag、Al、若しくはそれらと他金属からなる合金等の反射率の高い材料が使用される。電荷の注入効率を高めるために、ITO、IZO等の導電性酸化物膜を積層することも可能である。下面発光型であれば、ITO、IZO等を使用する。
本発明の特徴である有機EL層形成前処理は、仕事関数を向上させるため基板側電極(下部電極5)が陽極である有機発光素子に最適に用いることができるが、基板側電極が陰極である場合にも効果が得られる。
層間絶縁膜3上には、下部電極5の周辺を覆う状態で素子分離膜6を設ける。この素子分離膜6は、下部電極5の表面のみを露出させるようにパターンニングされた開口部7を備えている。この開口部7がこの有機発光素子における実質的な発光部分となる。
この素子分離膜6は、感光性ポリイミドやアクリル樹脂等の樹脂材料膜、酸化シリコン(SiO2)、窒化シリコン(SiN)のような無機材料膜が好適に使用される。
このように、少なくとも下部電極5及び素子分離膜6が形成された基板(素子基板)を作製した後で、各種溶剤、界面活性剤、純水等によるウエット洗浄を行った後に、真空下で100℃から200℃程度での加熱脱水処理を行うことが望ましい。
加熱脱水処理の後、有機EL層(有機化合物層)8を形成する直前に本発明の特徴である前処理工程を行う。具体的には、有機EL層8を形成する真空蒸着装置に接続された基板前処理装置において、上記素子基板を処理する。
図2に本発明における基板前処理装置の簡単な図を示す。31は真空槽、32はUVランプ、33は基板(素子基板)、34はマスフローコントローラ、35は真空計、36は圧力コントローラ、37は可変バルブである。
基板前処理装置は、開度を調整できる可変バルブ37に接続され耐オゾン対策されたドライポンプと、高真空排気できるターボ分子ポンプとを備えている。圧力コントローラ36は真空計35を基に可変バルブ37の開度を調整する。これらの機構とマスフローコントローラ34にて乾燥空気や酸素等の気体を導入しつつ雰囲気圧力を調節し基板33をUVランプ32にてUVオゾン処理する。
導入する乾燥空気や酸素等の気体は、できるだけ水分を含まないものが望ましく、露点−70℃以下のものを好適に用いることができる。
UV照射源(ランプ)32としては、低圧水銀ランプやエキシマランプを使用することができる。少なくとも酸素を含む気体を0.1slmから500slmの範囲で導入しつつ、雰囲気圧力を10Pa以上10000Pa以下の範囲内で制御し、基板33にUV光を0.5分から60分照射する。基板33とUVランプ32との距離は1mmから50mmの範囲内が好ましく、照射強度を均一にするために基板33、若しくはUVランプ32を揺動させることが望ましい。所定時間UVを照射した後、若しくは照射を続けながら気体の導入を止め、基板前処理装置内を排気し、10-3Pa以下の高真空に達してから、高真空雰囲気を維持しつつ、速やかに基板33を真空蒸着装置に搬送する。
雰囲気圧力が10Pa未満である場合、酸素を雰囲気中に導入及び排気した場合であっても、下部電極5の表面の汚染及び残渣物の分解物を取り除くために必要なオゾン及び活性酸素の量が足りない。そのため、本発明の目的である優れた駆動耐久特性を満足することができないばかりでなく、下部電極5から有機EL層8へのキャリア注入が著しく阻害されることがあった。
また、雰囲気圧力が10000Paより大きい場合、下部電極5の表面に残る汚染及び残渣物がより多くなり、駆動耐久特性が劣り、さらに素子分離膜6中に蓄えられた水分が雰囲気中に拡散され難くなり、特に高温高湿下での耐放置劣化特性が劣る場合があった。 有機EL層形成前処理後、搬送された素子基板に、主に真空加熱蒸着法を用いて有機EL層8を形成した。有機EL層8の形成法としては、真空加熱蒸着法の他に、EB蒸着法、LB法、スピンコート法、インクジェット法、熱転写法等を用いることもできる。この有機EL層8は、例えば正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層等を順次積層することによって得られる。
真空加熱蒸着法のように真空下で有機EL層を形成する場合、通常は基板を加熱脱水処理した後は、以下に記載する封止工程までは一貫して真空下で行う。このようにすることによって水と酸素が極めて少ない雰囲気により有機EL層が受ける影響をなるべく少なくすることができる。しかし、本発明では、基板前処理の工程で真空よりも圧力が大きい10Pa以上10000Pa以下の減圧下で洗浄を行うことによって、飛躍的に有機発光素子の駆動耐久特性と、耐久放置劣化特性を向上させることができる。
次に、有機EL層8を覆う状態で上部電極(陰極)9を設けた。この上部電極9は、各画素に共通の電極として、基板1上に一枚の層として設けられていることとする。上面発光型の場合、この上部電極9は光透過性である。通常はITO、IZO等の導電性酸化物膜が用いられる。下面発光型の場合、上部電極9は反射電極であり、AlやAg、若しくはそれらと他金属の合金等が好ましく使用される。
さらに有機EL層8への水分浸透を防ぐために、有機発光素子を封止する。有機発光素子を封止するときは、酸化シリコン、窒化シリコンのような無機材料膜、若しくは高分子膜からなる透明な保護膜10を設けて封止してもよい。この場合には有機EL層を形成した後から封止工程までの工程は、真空下で行うことが好ましい。またガラス板等のキャップ材により封止を行ってもよい。キャップ材により封止を行う場合は、キャップ材と有機発光素子との間に形成される空隙に窒素等の不活性ガスを封入することが好ましい。こうすることで封止工程の前で真空から開放させることができる。
尚、上記実施形態は、基板上に有機発光素子が1つ設けられる実施形態についての説明であるが、本発明は有機発光素子が基板上に複数配列されており、各有機発光素子が画素を形成している表示装置においても適用することができる。複数の有機発光素子を駆動するときその形式は、各画素がそれぞれ発光素子の発光を制御するスイッチング素子を有しているアクティブマトリクス型の駆動方式であってもよい。またストライプ状の電極の交点に発光素子を形成させるパッシブマトリクス型の駆動方式であってもよい。
本発明に係る製造方法によって製造された有機発光装置11は、様々な電子機器の表示部や、照明装置の発光部等に使用することができる。電子機器として、例えば、テレビ、パーソナルコンピュータ、デジタルカメラ、携帯電話、携帯音楽再生装置、携帯情報端末(PDA)、カーナビゲーションシステム等が挙げられる。
以下、本発明に係る有機発光装置の製造方法の実施例とその結果について説明する。また、実施例及び比較例の設定条件と結果を表1にまとめて示す。さらに、本実施例における有機発光装置の製造フローと、各工程における圧力の変化を図3に示す。
<実施例1>
Ag合金膜(膜厚100nm)上にITO膜(膜厚60nm)を積層した膜を陽極(下部電極)として形成した基板の全面に、ポジ型感光性ポリイミド樹脂を用いて、厚さ2μmの素子分離膜を形成した。次に紫外線ランプを用いてパターン露光、現像して開口部を形成した。
得られた素子基板を界面活性剤水溶液で洗浄の後、イオン交換水と超音波によりリンス洗浄した。
洗浄後の素子基板を真空乾燥機に入れ、200℃にて24時間脱水処理した。
脱水処理後の素子基板を上記した基板前処理装置に導入し、前記素子基板を低圧水銀ランプ(出力110W)に対向させ、20mm/secの速度で50mm間隔の範囲を揺動させた。ランプと基板との最短距離は5mmとした。基板前処理装置内を排気して5×10-5Paの高真空状態にした後、10slmの流量で露点−80℃の乾燥空気を基板前処理装置内に導入した。基板前処理装置内の圧力が1000Paとなったところで圧力コントローラにより、乾燥空気の導入を続けながら排気圧のバランスをとり、基板前処理装置内の圧力を1000Paに維持した。
このままUV光を照射させ、10分間UVオゾン処理した。
10分経過したところでUV光の照射を止め、乾燥空気の導入を停止し、基板前処理装置内を排気した。
基板前処理装置内の圧力が1×10-3Paに達したところで、素子基板を1×10-5から5×10-4Paに維持された真空蒸着装置の有機EL層蒸着室に搬送して、次の工程により有機EL層、上部電極、保護膜を順次積層した。
開口部から露出した陽極上に、N,N―α―ジナフチルベンジジン(α―NPD)を40nmの膜厚となるように真空蒸着し、正孔輸送層を形成した。続いてクマリン6(1.0vol%)とトリス[8−ヒドロキシキノリナート]アルミニウム(Alq3)との共蒸着膜を30nmの膜厚で成膜し、発光層を形成した。次に電子輸送層としてトリス[8−ヒドロキシキノリナート]アルミニウム(Alq3)を10nmの膜厚で成膜した。さらに炭酸セシウム(0.7vol%)とトリス[8−ヒドロキシキノリナート]アルミニウム(Alq3)との共蒸着膜を40nmの厚さに成膜し、電子注入層を形成した。これらの各層が有機EL層に相当する。
続いて、基板を真空蒸着装置のスパッタ成膜室に搬送して、インジウムスズ酸化物(ITO)をスパッタ法により、Arガス(100sccm)を導入、0.6Paの圧力下で220nmの膜厚に成膜し、陰極9を形成した。さらに酸素ガス(0.2sccm)、窒素ガス(10sccm)を導入、0.6Paの圧力下でシリコン(Si)ターゲットを反応スパッタすることで、透明な酸化窒化シリコン膜(Si−O−N膜)を500nmの厚さに成膜し、表面保護膜10を形成した。その後、成膜工程の終わった基板をグローブボックスに移し、窒素雰囲気中で乾燥剤を入れたガラスキャップにより封止した。
上記作製手順により得られた有機発光装置の有機発光素子(緑色発光)を100mA/cm2の電流値にて100時間定電流連続点灯し、初期の輝度と100時間後の輝度を輝度計(トプコン社製BM−7)にて測定して発光特性の変化を評価した。輝度変化L(100h)/L(ini)は95.0%(初期輝度L(ini)=1300cd/m2)であり、優れた駆動寿命特性が得られた。
つづいて、この有機発光装置を温度80℃湿度80%の恒温恒湿槽に入れ、1000時間の放置評価を行った。放置後の発光状態を観察すると、放置前と同様の均一な緑色発光であった。
<実施例2>
陽極として膜厚100nmのCr膜を使用すること以外は実施例1と全く同様にして素子基板を作製し、洗浄と脱水処理を行った。また、有機EL層形成前処理として、雰囲気圧力を100Paとすること以外は実施例1と全く同様にしてUVオゾン処理を行った。
得られた有機発光装置を実施例1と同様に評価したところ、L(100h)/L(ini)は94.5%(初期輝度L(ini)=1050cd/m2)であり、実施例1と同様の優れた駆動寿命特性であった。また温度80℃、湿度80%の恒温恒湿層で1000時間放置した後も放置前と同様の発光状態であった。
<実施例3>
実施例1で使用した素子基板をそのまま使用して、有機EL層形成前処理時の圧力を10000Paにすること以外は実施例1と全く同様に有機発光装置を作製した。
得られた有機発光装置を実施例1と同様に評価したところ、L(100h)/L(ini)は92.8%(初期輝度L(ini)=1290cd/m2)であり、実施例1には若干劣るものの優れた駆動寿命特性であった。また温度80℃、湿度80%の恒温恒湿層で1000時間放置した後も放置前と同様の発光状態であった。
<実施例4>
実施例1で使用した素子基板をそのまま使用して、有機EL層形成前処理時の圧力を10Pa、導入気体を純度99.9%の酸素、導入流量を0.5slm、UV光照射時間を20分にすること以外は実施例1と全く同様に有機発光装置を作製した。
得られた有機発光装置を実施例1と同様に評価したところ、L(100h)/L(ini)は91.6%(初期輝度L(ini)=1210cd/m2)であり、他の実施例には劣るものの実用上問題ない駆動寿命特性であった。また温度80℃、湿度80%の恒温恒湿層で1000時間放置した後も放置前と同様の発光状態であった。
<比較例1>
実施例1で使用した素子基板をそのまま使用して、有機EL層形成前処理時の圧力を101300Pa(大気圧)にすること以外は、実施例1と全く同様に有機発光装置を作製した。 得られた有機発光装置を実施例1と同様に評価したところ、L(100h)/L(ini)は90.5%(初期輝度L(ini)=1300cd/m2)であり、上記実施例に劣る駆動寿命特性であった。また温度80℃、湿度80%の恒温恒湿層で1000時間放置した後、放置前にはみられなかった画素内周辺部の暗化が観察された。
<比較例2>
実施例1で使用した素子基板をそのまま使用して、有機EL層形成前処理時の圧力を5Paとし、導入気体を純度99.9%の酸素とし、導入圧力を0.05slmとし、UV光照射時間を20分とした。これらを除いては、実施例1と全く同様に有機発光装置を作製した。
得られた有機発光装置について実施例1と同様に評価したところ、L(100h)/L(ini)は10.5%(初期輝度L(ini)=1200cd/m2)であり、劣悪な駆動寿命特性となった。また温度80℃、湿度80%の恒温恒湿層で1000時間放置した後には発光部全体が暗化する現象がみられた。
<比較例3>
実施例2で使用した素子基板をそのまま使用して、有機EL層形成前処理時の圧力を101300Pa(大気圧)にしたことを除いては、実施例1と全く同様に有機発光装置を作製した。
得られた有機発光装置を実施例1と同様に評価したところ、L(100h)/L(ini)は89.0%(初期輝度L(ini)=1300cd/m2)であり、上記実施例に劣る駆動寿命特性であった。また温度80℃、湿度80%の恒温恒湿層で1000時間放置した後、放置前にはみられなかった画素内周辺部の暗化が観察された。
Figure 2008293957
本発明の方法で製造される有機発光装置を示す断面模式図である。 基板前処理装置の概略図である。 本発明の実施例に係る有機発光装置の製造フローと、各工程における圧力の変化を示す図である。
符号の説明
1 基板
2 TFT
3 層間絶縁膜
4 接続孔
5 上部電極(陽極)
6 素子分離膜
7 開口部
8 有機化合物層(有機EL層)
9 下部電極(陰極)
10 表面保護膜
11 有機発光装置
31 真空槽
32 UVランプ
33 基板
34 マスフローコントローラ
35 真空計
36 圧力コントローラ
37 可変バルブ

Claims (3)

  1. 基板と、前記基板の上に形成される有機発光素子と、前記有機発光素子の周囲に形成される素子分離膜とを有し、
    前記有機発光素子は、基板側から順に下部電極と、有機化合物層と、上部電極とを有する有機発光装置の製造方法において、
    少なくとも前記下部電極及び前記素子分離膜が形成される基板を、10Pa以上10000Pa以下の範囲内の圧力下で、少なくとも酸素を含む気体を雰囲気中に導入及び排気しながらUV光を照射する洗浄工程と、
    前記洗浄工程により洗浄された前記下部電極の上に有機化合物層を形成する工程と、
    前記有機化合物層の上に上部電極を形成する工程と、
    を有することを特徴とする有機発光装置の製造方法。
  2. さらに、少なくとも前記下部電極及び前記素子分離膜が形成された基板を真空下で加熱脱水処理する工程を有し、
    前記洗浄工程は、前記加熱脱水処理がなされた基板を洗浄する工程であり、
    前記有機化合物層を形成する工程は、前記洗浄された基板の下部電極の上に真空下で有機化合物層を形成する工程であることを特徴とする請求項1に記載の有機発光装置の製造方法。
  3. 前記下部電極は陽極であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の有機発光装置の製造方法。
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