JP2007227214A - 吸湿膜形成方法、吸湿膜形成装置および有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

吸湿膜形成方法、吸湿膜形成装置および有機エレクトロルミネッセンス素子 Download PDF

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Abstract

【課題】有機EL素子基板の温度上昇によって有機EL素子の性能劣化が生じることなく、高い成膜速度で素子基板上に金属酸化物吸湿膜を形成できる吸湿膜形成方法を提供する。
【解決手段】一対の電極2、6間に少なくとも発光層4を含む有機化合物層を有する有機EL素子を備えた素子基板10上に、O2ガス導入下でのリアクティブスパッタ法により、アルカリ土類金属ターゲット13を用いてアルカリ土類金属酸化物の吸湿膜18を形成する方法であって、ターゲット13をスパッタ装置に設置後リアクテリブスパッタ法による成膜前に、高周波スパッタ法でターゲット表面の絶縁性被膜の除去処理を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、リアクティブスパッタ法を用いた金属酸化物吸湿膜の形成方法、吸湿膜形成装置、および金属酸化物吸湿膜を備えた有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子に関する。
有機EL素子の断面構造の一例を図6に示す。図6において、1は基板、2は金属電極、3は正孔輸送層、4は発光層、5は電子輸送層、6は透明電極であり、基板上面側より発光表示を行う。この構造の有機EL素子は一般にトップエミッション型素子と呼ばれ、基板下面より発光表示を行うボトムエミッション型素子に比べ、開口率を高めることができ、高精細化が実現できる。
一方で、有機EL素子は、極微量の水分や酸素の影響で有機発光材料の変質、あるいは発光層と電極間の剥離が生じ、発光効率の低下や非発光領域(ダークスポット)の増大等の表示性能の劣化が発生する。このため、従来、素子全体を凹形状の封止キャップ7で覆い、基板1と封止キャップ7との間にシール樹脂を介設するとともに、封止空間に乾燥剤8を封入することにより、水分をトラップして素子劣化を防止する構成が一般に採用されている。しかしながら、このような構成では乾燥剤8を封入するスペースを確保する必要があり、素子の小型、薄型化に不利である。
そこで近年、有機EL素子の発光領域上に透明な吸湿薄膜を形成し、乾燥剤の封入スペースをなくす取り組みがなされている。例えば、特許文献1には、有機EL素子基板を封止する封止キャップに有機金属化合物膜を形成する方法が開示されている。
また、真空成膜方法により有機EL素子上に吸湿膜を直接形成する取り組みがなされている。例えば、特許文献2には、Ca、Mg、Ba金属をターゲットに用いたDCリアクティブスパッタ法により金属酸化物吸湿膜を形成する方法が開示されている。
特開2002−33187号公報 米国特許6762554号明細書
ところで、特許文献1では、有機溶剤に有機金属化合物を溶解した液体材料を塗布、乾燥して膜形成を行うため、有機溶剤に弱い有機EL素子上には膜形成できないという問題がある。
また、特許文献2では、ターゲットに利用するアルカリ土類金属と酸素との反応性が非常に高いため、ターゲット交換時や真空チャンバーのメンテナンス時における短時間の大気暴露でも、ターゲット表面に絶縁性の被膜が急速に形成される。その結果、スパッタ成膜速度の著しい低下を招き、酷い場合にはアークの発生やプラズマ放電が発生しない等の現象が生じるという問題がある。さらに、O2ガス導入下でのリアクテリブスパッタ法による成膜時においてもターゲット表面に絶縁性の酸化被膜が形成され、スパッタ成膜速度の著しい低下や、アークが発生するという問題がある。これらの問題を解決するには、電源の投入パワーを上げる必要があるが、投入パワーを上げすぎると成膜時に有機EL素子基板の温度が上昇し、有機EL素子の性能を劣化させるという問題がある。
本発明は、有機EL素子基板の温度上昇によって有機EL素子の性能劣化が生じることなく、高い成膜速度で素子基板上に金属酸化物吸湿膜を形成することができる吸湿膜形成方法、吸湿膜形成装置、および有機EL素子を提供することを目的とする。
上記の目的を達成すべく、本発明に係る吸湿膜形成方法は、少なくとも発光層を含む有機化合物層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子を備えた素子基板上に、O2ガス導入下でのリアクティブスパッタ法により、アルカリ土類金属ターゲットを用いてアルカリ土類金属酸化物の吸湿膜を形成する方法において、
前記ターゲットをスパッタ装置に設置後リアクテリブスパッタ法による成膜前に、高周波スパッタ法でターゲット表面の絶縁性被膜の除去処理を行うことを特徴とする。
本発明によれば、アルカリ土類金属ターゲットをスパッタ装置に設置した後に、ターゲット表面に生じた絶縁性被膜を高周波スパッタ法で除去することにより、ターゲット表面に金属面を露出させる。これにより、リアクティブスパッタ時に低い電源パワーによる高速成膜が可能となる。したがって、有機EL素子基板の温度上昇によって有機EL素子の性能劣化が生じることなく、高い成膜速度で素子基板上に金属酸化物吸湿膜を形成することができる。
以下、本発明の実施の形態を説明するが、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
図1は、本発明に係る吸湿膜形成方法に用いる吸湿膜形成装置を示す模式図である。この吸湿膜形成装置は、素子基板10上に、O2ガス導入下でのリアクティブスパッタ法により金属酸化物の吸湿膜を形成するスパッタ装置である。スパッタ処理を行うチャンバ12には、ガス導入手段16および排気手段17が備えられている。素子基板10は、一対の電極間に少なくとも発光層を含む有機化合物層を有する有機EL素子を備えた基板である。ターゲット13には、後述するアルカリ土類金属を用い、素子基板10上にアルカリ土類金属酸化物の吸湿膜を形成する。また、素子基板10とターゲット13との間には、これらの間を開閉可能なシャッタ11が介設されている。さらに、アルカリ土類金属ターゲット13には、DC電源14と高周波電源15との2種類の電源が接続されており、これらの電源14、15は必要に応じて切り替え可能に形成されている。
本発明に係る吸湿膜形成方法は、上記スパッタ装置にアルカリ土類金属ターゲットを設置した後、まず、高周波スパッタ法によりターゲット表面の絶縁性被膜を除去する。そして、金属面が露出したアルカリ土類金属ターゲットを用い、O2ガス導入下でのリアクティブスパッタ法により吸湿膜の形成を行うことにより、低い電源パワーで、高い成膜速度での吸湿膜形成を可能とするものであり、以下詳細に説明する。
本発明では、リアクティブスパッタ法による吸湿膜の成膜前に高周波スパッタ法を行う。高周波スパッタ法は高周波電源を用いるスパッタ法であり、且つリアクティブスパッタ法とは異なり、反応ガスを導入せずに行うスパッタ法のことである。
この高周波スパッタ法に用いる高周波電源は、プラズマ放電の安定性や、ターゲットの表面を被覆している絶縁性被膜除去の効率化の観点から、周波数領域が13.5MHz以上であることが好ましい。また、スパッタガスとしては、He、Ar、Kr、Xe等の不活性ガスを幅広く良好に使用できる。特に、ターゲット表面の絶縁性被膜を効率的に除去するためには、スパッタ率の高いガス、例えば、Ar、Kr、Xeが好適に使用できる。
このターゲット表面の絶縁性被膜の除去処理は、金属面が完全に露出するまで行うことが好ましい。ターゲット表面に絶縁性被膜が残っていると、リアクティブスパッタ法による成膜時に有機EL素子基板が温度上昇し、素子にダメージを与えるおそれがあるので好ましくない。なお、ターゲット表面に金属面が露出しているか否かは、プラズマ発光色の変化、あるいはターゲット電圧の変化から判断することができる。プラズマ色の変化は、使用するターゲット材質やスパッタガス種によって異なる。例えば、ターゲットとして金属Srを用い、スパッタガスとしてArを用いた場合、表面に絶縁性被膜が残っているときにはプラズマ色が赤紫であるのに対し、金属表面が完全に露出するとプラズマ色が青色に変化する。それに伴い、ターゲット電圧も1時間あたりの変化率が5%以内に安定する。これらの変化を確認することにより、ターゲット表面状態を把握し、表面洗浄の完了を判断することが可能である。
また本発明では、リアクティブスパッタ法による成膜時に導入するO2ガスとの反応でターゲット表面に生成する絶縁性被膜についても、適宜、高周波電源あるいはDC電源により、反応ガスを導入せずにスパッタ処理を行い、除去することが好ましい。こうすることによって、連続成膜時においても高い成膜速度を安定して維持すること可能となる。
本発明では、前記のターゲット表面洗浄処理を行うことにより、従来法では不可能であった基板温度120℃以下での金属酸化物吸湿膜の形成が可能となる。有機EL素子の耐熱性は使用する有機材料の種類によっても異なるが、一般に120℃を超えると素子を構成する有機材料の結晶構造の変化や層間剥離が生じ、輝点や表示ムラが発生するなど、素子の発光状態に異常を来す。したがって、本発明の吸湿膜形成方法によれば、熱耐性の低い有機EL素子の構成層中(電極間の層中)、あるいは構成層の上下(一対の電極の外側)に、アルカリ土類金属酸化物の吸湿膜が積層された構成の有機EL素子の形成が可能となる。
ターゲット材料としては、アルカリ土類金属としてMg、Ca、Srが有効に使用できる。特に、吸湿膜を介して発光取り出しを行うトップエミッション型の素子においては、吸湿膜に90%以上、より好ましくは95%以上の高い可視光透過性と、吸湿前後での可視光透過率の変化率が10%以内、より好ましくは5%以内であることが要求される。したがって、ターゲット材料としてはSrが最適である。
本発明の吸湿膜形成方法によって形成される吸湿膜は、一対の電極間の層中(有機EL素子の構成層中)、あるいは一対の電極の外側(有機EL素子の構成層の上下)のいずれの位置に対しても有効である。さらに、アルカリ土類金属酸化物からなる吸湿膜は可視光透過性が高いため、有機EL素子の発光の外部取り出し側に吸湿膜を形成しても、素子の発光効率を損なうことはなく、有効に利用できる。したがって、例えば、図2から図4に示すような構成の有機EL素子を形成することができる。なお、図2から図4において、同一の構成要素には同一の符号を付して説明する。
図2の有機EL素子では、TFT22が形成された基板1上に、例えば、光硬化性樹脂からなる平坦化膜19が形成され、同様に光硬化性樹脂を用いて、TFT22および電極配線を覆うように画素分離膜20が形成されている。続いて、金属電極2、正孔輸送層3、発光層4、電子輸送層5および透明電極6が形成され、有機EL素子が得られる。そして、ターゲット表面処理を行ったスパッタ装置を用い、図1のDC電源14を使用してリアクティブスパッタ成膜処理を行い、有機EL素子上に例えばSrO吸湿膜18が形成される。さらに、この吸湿膜18を含む素子が防湿保護膜21が形成されている。
図3の有機EL素子では、透明電極6上に保護膜21が形成され、この保護膜21上に例えばSrO吸湿膜18が形成された構成である。さらに、素子全体が封止キャップ7により覆われており、封止キャップ7と基板1との間にはシール樹脂9が介設されている。
図4の有機EL素子では、SrO膜18には電子注入能力があるため、電子輸送層5と透明電極6との間にSrO吸湿膜18を形成し、吸湿膜18を含む素子が防湿保護膜21で覆われている。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
図1は実施例1に用いる吸湿膜形成装置を示す模式図である。図1に示す吸湿膜形成装置はDC電源14と高周波電源15とを具備し、2種類の電源14、15の切り替えが可能なスパッタ装置である。このスパッタ装置に金属Srターゲット13を設置した。まず、高周波電源(20MHz)15を用い、Ar流量30sccm、圧力0.8Paの条件下において、600Wで4時間のスパッタ処理を行い、ターゲット交換時に大気中の酸素あるいは水分との反応によりターゲット表面に生じた絶縁性被膜を除去した。その際、プラズマ色が赤紫から青色に変化すること、およびターゲット電圧が1時間あたり5%以内のばらつきに安定して収まったことにより、ターゲット表面に金属が完全に露出したことを確認した。
次に、図2を用いて、上記の方法でターゲット表面処理を行ったスパッタ装置を用い、有機EL素子上に金属酸化物吸湿膜を形成する方法を説明する。
図2は有機EL素子の断面構造の一例を示す模式図である。TFT22が形成された基板1上に、スピンコート法で光硬化性樹脂(アクリル樹脂:ワールドロック815T、協立化学社製)をコーティング、露光、現像することにより平坦化膜19を形成した。次に、同様に光硬化性樹脂(アクリル樹脂:ワールドロック815T、協立化学社製)を用い、TFT22および電極配線を覆うように画素分離膜20を形成した。続いて、クロム膜を200nmの厚みで成膜してパターニングし、金属電極2とした。
その後、該基板をアセトン、イソプロピルアルコール(IPA)で順次超音波洗浄し、IPAで煮沸洗浄後乾燥した。さらにUV/オゾン洗浄した。
次いで、真空蒸着装置(真空機工社製)を用いて、真空蒸着法により、洗浄後の該基板上に正孔輸送性を有する下記化学式で表されるαNPDを50nmの膜厚で成膜して、正孔輸送層3を形成した。蒸着時の真空度は1.0×10-6Torr、成膜速度は0.2〜0.3nm/secの条件で成膜した。
Figure 2007227214
次に、同様の手法で、前記正孔輸送層3の上に下記化学式で表されるアルミキレート錯体(Alq3)と、下記化学式で表せるクマリン6を100:6の重量比率で共蒸着し、50nmの膜厚で発光層4を形成した。
Figure 2007227214
次に、電子輸送層5として、下記化学式で表されるフェナントロリン化合物を10nm成膜した。
Figure 2007227214
続いて、透明電極(ITO)6をスパッタ法にて150nm成膜して、有機EL素子を得た。
さらに、ターゲット表面処理を行ったスパッタ装置を用い、DC電源14を使用してリアクティブスパッタ成膜処理を5分間行い、有機EL素子上にSrO吸湿膜18を500nmの厚みで形成した。DC電源14によるリアクティブスパッタ成膜処理は、DCパワーが150w、成膜圧力が2.7Pa、Ar流量が180sccm、O2流量が2sccmの条件で行った。また、成膜時の有機EL素子基板の表面温度は105℃であった。
続いて、防湿保護膜であるSiOxNy膜21をスパッタ法により形成した。なお、保護膜21の成膜は、対向ターゲットスパッタ装置(大阪真空社製)、Siターゲットを使用し、DCパワーが1.45kw、成膜圧力が0.7Pa、Ar流量が30sccm、N2流量が8sccm、O2流量が2sccmの条件で成膜した。
このようにして得られた有機EL素子の表示特性評価を行ったところ、輝点、表示ムラ、非発光等の表示品位の劣化はなく、良好な表示特性を示した。さらに、有機EL素子に高温高湿試験(60℃、90%湿度、500時間放置)を行ったところ、試験前後での素子発光効率の低下はなく、且つ、輝点、表示ムラ、非発光等の表示不良も発生しなかった。
<実施例2>
ターゲット材料として金属Caターゲットを用いたこと以外は、すべて実施例1と同様の方法で有機EL素子を作成した。得られた有機EL素子の表示特性評価を行ったところ、輝点、表示ムラ、非発光等の表示品位の劣化は生じず、良好な表示特性を示した。さらに、有機EL素子に高温高湿試験(60℃、90%湿度、500時間放置)を行ったところ、吸湿によるCaO膜の白濁が僅かに発生し、素子発光効率が5%低下したが、輝点、表示ムラ、非発光等の表示不良は発生せず、良好な表示品位を維持した。
<実施例3>
実施例1と同様の方法で、有機EL素子上にリアクテリブスパッタ法によりSrO吸湿膜を成膜した。成膜後、高周波電源(20MHz)15を用い、Ar流量30sccm、圧力0.8Paの条件下において、600Wで10分間のプリスパッタ処理を行い、リアクテリブスパッタ時にターゲット表面に生じた絶縁性被膜を除去した。その後、再度有機EL素子上にリアクテリブスパッタ法によるSrO膜の成膜を行った。以下、同様の操作を20回繰り返したところ、リアクテリブスパッタ成膜時の有機EL素子基板の温度はいずれも105℃と変化はなく、得られた20枚の有機EL素子はいずれも輝点、表示ムラ、非発光等の表示品位の劣化は生ぜず、良好な表示特性を示した。
<実施例4>
実施例1と同様の方法で、有機EL素子上にリアクテリブスパッタ法によりSrO吸湿膜を成膜した。成膜後、DC電源14を使用し、DCパワーが150w、成膜圧力が2.7Pa、Ar流量が180sccmの条件で3分間プリスパッタ処理を行い、リアクテリブスパッタ時にターゲット表面に生じた絶縁性被膜を除去した。その後、再度有機EL素子上にリアクテリブスパッタ法によりSrO膜の成膜を行った。以下、同様の操作を20回繰り返したところ、リアクテリブスパッタ成膜時の有機EL素子基板の温度はいずれも105℃と変化は無く、得られた20枚の有機EL素子はいずれも輝点、表示ムラ、非発光等の表示品位の劣化は生じず、良好な表示特性を示した。
<比較例1>
比較例1を図5に基づいて説明する。図5に示す吸湿膜形成装置は、ターゲット13に接続する電源としてDC電源14のみを具備したスパッタ装置である。なお、10は素子基板、11はシャッタ、12はチャンバ、16はガス導入手段、17は排気手段である。このスパッタ装置に金属Srターゲット13を設置した後、リアクテリブスパッタ法によるSrO膜の成膜を試みた。ところが、ターゲット交換時に大気中の酸素、あるいは水分との反応でターゲット表面に絶縁性被膜が生じ、DC電源ではプラズマ放電を発生させることができず、成膜処理を行えなかった。
本発明に係る吸湿膜形成方法に用いる吸湿膜形成装置を示す模式図である。 本発明に係る有機EL素子の断面構造の一例を示す模式図である。 本発明に係る有機EL素子の断面構造の他の例を示す模式図である。 本発明に係る有機EL素子の断面構造の別の例を示す模式図である。 比較例に用いる吸湿膜成膜装置を示す模式図である。 一般的な有機EL素子の一例を示す断面図である。
符号の説明
1 基板
2 金属電極
3 正孔輸送層
4 発光層
5 電子輸送層
6 透明電極
7 封止キャップ
9 シール樹脂
10 有機EL素子基板
11 シャッタ
12 チャンバ
13 ターゲット
14 DC電源
15 高周波電源
16 ガス導入手段
17 排気手段
18 吸湿膜
19 平坦化膜
20 画素分離膜
21 保護膜
22 TFT

Claims (8)

  1. 少なくとも発光層を含む有機化合物層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子を備えた素子基板上に、O2ガス導入下でのリアクティブスパッタ法により、アルカリ土類金属ターゲットを用いてアルカリ土類金属酸化物の吸湿膜を形成する方法において、
    前記ターゲットをスパッタ装置に設置後リアクテリブスパッタ法による成膜前に、高周波スパッタ法でターゲット表面の絶縁性被膜の除去処理を行うことを特徴とする吸湿膜形成方法。
  2. 前記リアクティブスパッタ法による成膜後に、高周波スパッタ法でターゲット表面の絶縁性被膜の除去処理を行った後、さらにリアクティブスパッタ法によりアルカリ土類金属酸化物の吸湿膜を形成することを特徴とする請求項1に記載の吸湿膜形成方法。
  3. 前記リアクティブスパッタ法による成膜後に、DCスパッタ法でターゲットの絶縁性被膜の除去処理を行った後、さらにリアクティブスパッタ法によりアルカリ土類金属酸化物の吸湿膜を形成することを特徴とする請求項1に記載の吸湿膜形成方法。
  4. 前記リアクティブスパッタ法による成膜時の有機エレクトロルミネッセンス素子基板の表面温度が120℃以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の吸湿膜形成方法。
  5. 前記アルカリ土類金属がSrであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の吸湿膜形成方法。
  6. ガス導入手段および排気手段を備えたチャンバ内で、少なくとも発光層を含む有機化合物層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子を備えた素子基板上に、O2ガス導入下でのリアクティブスパッタ法により、アルカリ土類金属ターゲットを用いてアルカリ土類金属酸化物の吸湿膜を形成する装置であって、
    前記ターゲットには切り替え可能なDC電源と高周波電源とが接続されていることを特徴とする吸湿膜形成装置。
  7. 一対の電極間に少なくとも発光層を含む有機化合物層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    前記一対の電極間の層中、あるいは前記一対の電極の外側に、請求項1から5のいずれかに記載の方法により吸湿膜が形成されていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  8. 前記発光層から放出される発光が前記吸湿膜を介して外部に取り出される層構成であることを特徴とする請求項7に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
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