JP2009002765A - 耐火物のプロファイル測定方法及び耐火物の厚み測定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐火物を内張りした溶融金属収容体における耐火物の残存厚みを測定可能とする耐火物のプロファイル測定方法および耐火物の厚み測定方法を得る。
【解決手段】耐火物を内張りした溶融金属収容体における前記耐火物のプロファイル測定方法であって、前記溶融金属収容体に溶融金属を収容した後、前記溶融金属を前記溶金属収容体より排出し、前記耐火物が赤熱している状態で前記耐火物およびその周囲に配置された基準点を含んで撮像し、該撮像は同一対象に対して撮影角度を異にした複数の画像を撮像するものであり、その画像データを取得して前記耐火物のプロファイルを算出する。
【選択図】 図1
【解決手段】耐火物を内張りした溶融金属収容体における前記耐火物のプロファイル測定方法であって、前記溶融金属収容体に溶融金属を収容した後、前記溶融金属を前記溶金属収容体より排出し、前記耐火物が赤熱している状態で前記耐火物およびその周囲に配置された基準点を含んで撮像し、該撮像は同一対象に対して撮影角度を異にした複数の画像を撮像するものであり、その画像データを取得して前記耐火物のプロファイルを算出する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、溶融金属を保持する容器や、溶融金属を流す高炉樋などのように耐火物を内張りした溶融金属収容体における耐火物のプロファイル測定方法および耐火物の厚み測定方法に関するものである。
近年の鉄鋼生産増に伴い、高炉における高出銑比操業では高炉主樋などの溶融金属が接触する耐火物を安定化することが強く求められ、そのため耐火物の残厚の管理が重要になる。
特に、通銑中において主樋耐火物が確認できる残銑抜き時に、その耐火物の残厚を測定、管理する必要がある。
現在の一般的な管理方法は、残銑抜き時に人力で、しかもピンポイントの1乃至2ヶ所での主樋の間隔を測定して、それから耐火物の残厚を算出する方法が取られている。この方法では面でなく、点での管理となり、管理精度としてはかなり低いと言わざるを得ない。
特に、通銑中において主樋耐火物が確認できる残銑抜き時に、その耐火物の残厚を測定、管理する必要がある。
現在の一般的な管理方法は、残銑抜き時に人力で、しかもピンポイントの1乃至2ヶ所での主樋の間隔を測定して、それから耐火物の残厚を算出する方法が取られている。この方法では面でなく、点での管理となり、管理精度としてはかなり低いと言わざるを得ない。
耐火物の面での残厚の管理については、例えば特許文献1には、撮影角度の異なる二枚の耐火物画像を撮影し、これらの画像化を立体視することで、耐火物の損傷状況を立体的に把握する耐火物の管理方法が開示されている。
さらに、例えば特許文献2には、文献1の観察において、耐火物表面へ2点からの光を照射しながら撮影することで、耐火物の損傷状況を位相差として検出する観察(管理)方法が開示されている。
特開昭62−238993号公報
特開昭63−55444号公報
さらに、例えば特許文献2には、文献1の観察において、耐火物表面へ2点からの光を照射しながら撮影することで、耐火物の損傷状況を位相差として検出する観察(管理)方法が開示されている。
しかしながら、特許文献1、2のいずれのものも、修復前における炉内耐火物の損傷状態を相対的に把握できるだけであり、耐火物の残存厚みを定量的に把握することはできない。耐火物の残存厚みを具体的に把握できないとすれば、当然にその後の炉内耐火物の厚みを適切に管理することはできない。
本発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、耐火物を内張りした溶融金属収容体における耐火物の残存厚みを測定可能とする耐火物のプロファイル測定方法および耐火物の厚み測定方法を得ることを目的としている。
発明者は、上記の課題を解決するために、以下の点につき検討を行なった。
耐火物の残厚を測定するためには、耐火物が損耗した修復前の状態と、耐火物の修復を行なった後の状態のそれぞれの状態における耐火物のプロファイルを取得する必要がある。
しかし、修復後の状態と修復前の状態では時間の経過があり、常時カメラを同位置に設置しておくことは現実的ではない。特に、転炉のように撮影対象物が動くものにおいては、修復後と修復前とで全く同一場所を撮像することができない。
このことから、修復前と修復後で撮像対象の同一場所を把握するには、修復前と修復後で位置の変化のない基準点を設ける必要がある。そして、撮像対象である耐火物が赤熱状態にある場合には、撮影に際して基準点となるものとの輝度の差が大きいことを考慮する必要がある。
発明者は、このような種々の解決課題に対して、鋭意検討を行ってその解決策を見出して本発明を完成したものであり、具体的には以下の構成を備えたものである。
耐火物の残厚を測定するためには、耐火物が損耗した修復前の状態と、耐火物の修復を行なった後の状態のそれぞれの状態における耐火物のプロファイルを取得する必要がある。
しかし、修復後の状態と修復前の状態では時間の経過があり、常時カメラを同位置に設置しておくことは現実的ではない。特に、転炉のように撮影対象物が動くものにおいては、修復後と修復前とで全く同一場所を撮像することができない。
このことから、修復前と修復後で撮像対象の同一場所を把握するには、修復前と修復後で位置の変化のない基準点を設ける必要がある。そして、撮像対象である耐火物が赤熱状態にある場合には、撮影に際して基準点となるものとの輝度の差が大きいことを考慮する必要がある。
発明者は、このような種々の解決課題に対して、鋭意検討を行ってその解決策を見出して本発明を完成したものであり、具体的には以下の構成を備えたものである。
(1)本発明に係る耐火物のプロファイル測定方法は、耐火物を内張りした溶融金属収容体における前記耐火物のプロファイル測定方法であって、前記溶融金属収容体に溶融金属を収容した後、前記溶融金属を前記溶金属収容体より排出し、前記耐火物が赤熱している状態で前記耐火物およびその周囲に配置された基準点を含んで撮像し、該撮像は同一対象に対して撮影角度を異にした複数の画像を撮像するものであり、その画像データを取得して前記耐火物のプロファイルを算出することを特徴とするものである。
基準点を含んだ画像データから耐火物のプロファイルを算出するようにしたので、この基準点に基づいて耐火物が損耗していない状態のプロファイルとの比較が可能となり、それによって耐火物の残厚を知ることができる。
なお、耐火物が損耗していない状態のプロファイルは、例えば当該溶融金属収容体の設計図、耐火物を修復した状態を撮像した撮像データなど種々のものから取得できる。
なお、耐火物が損耗していない状態のプロファイルは、例えば当該溶融金属収容体の設計図、耐火物を修復した状態を撮像した撮像データなど種々のものから取得できる。
なお、耐火物が赤熱している状態とは、高温の溶融金属を排出したあと耐火物が高温のために目視で赤色にみえるような状態をいい、表面温度でいうならば700℃以上の状態をいう。
また、溶融金属収容体とは、例えば、高炉主樋、高炉枝樋(溶銑、溶滓)、傾斜樋、トピードカー、溶銑鍋、取鍋、タンディッシュ、保持炉など主として溶融鉄の搬送、保持を担うものをいう。また、転炉、電気炉などの溶解、精錬を行なう容器、また、RH(Ruhrstahl-Hausen)の下部槽、浸漬管、精錬用の浸漬ランスやインペラーなどもふくみ、さらには、銅等の非鉄精錬の容器、溶融式ごみ焼却炉の炉体なども含む。
(2)また、上記(1)に記載のものにおける撮像は、赤熱した前記耐火物の輝度に合わせて撮像した第1データと、基準点の輝度に合わせて撮像した第2データを合成して耐火物と基準点の両方を含む画像データを取得する合成工程を含むことを特徴とするものである。
(3)また、上記(1)または(2)に記載の溶融金属収容体は、高炉主樋であり、基準点は主樋の周囲に配置された構造物であることを特徴とするものである。
(4)本発明に係る耐火物の厚み測定方法は、耐火物を内張りした溶融金属収容体における前記耐火物の厚み測定方法であって、前記耐火物の修復を行なった状態で前記耐火物のプロファイルを算出する工程と、前記溶融金属収容体に溶融金属を収容した後、前記溶融金属を前記溶金属収容体より排出し、前記耐火物が赤熱している状態で前記耐火物およびその周囲に配置された基準点を含んで撮像し、該撮像は同一対象に対して撮影角度を異にした複数の画像を撮像するものであり、その画像データを取得して前記耐火物のプロファイルを算出する工程と、それらのプロファイルの差から前記耐火物の残厚を演算する工程と、を備えたことを特徴とするものである。
(5)また、上記(4)に記載のものにおいて、耐火物の修復を行なった状態で前記耐火物のプロファイルを取得する工程は、前記耐火物およびその周囲に配置された基準点を含んで撮像し、該撮像は同一対象に対して撮影角度が異なる複数の画像を撮影するものであり、その画像データを取得して前記耐火物のプロファイルを算出する工程であることを特徴とするものである。
(6)また、上記(4)または(5)に記載のものにおいて、耐火物が赤熱している状態での撮像は、赤熱した前記耐火物の輝度に合わせて撮像した第1データと、基準点の輝度に合わせて撮像した第2データを合成して耐火物と基準点の両方を含む画像データを取得する合成工程を含むことを特徴とするものである。
(7)また、上記(4)〜(6)のいずれかに記載のものにおいて、溶融金属収容体は高炉主樋であり、基準点は主樋の周囲に配置された構造物であることを特徴とするものである。
本発明によれば、溶融金属を排出した状態での耐火物の残存厚みを求めることができるので、耐火物の管理を確実かつ適切に行なうことできる。これによって、耐火物の損耗による事故を確実に防ぐことができ、生産効率の向上に資することができる。
図1は本発明の一実施の形態に係る耐火物の厚み測定方法の説明図であり、耐火物を内張りした溶融金属収容体の一例である高炉主樋1(以下、単に「主樋1」という。)の撮影現場の斜視図である。なお、図1では主樋1の耐火物3が修復された状態を示している。図2は主樋1の耐火物3が修復された状態の断面図、図3はその平面図を示している。
本実施の形態に係る耐火物の厚み測定方法を概説すると、主樋1における耐火物3の修復を行なった状態で耐火物3を、基準点を含んで撮影して画像データを取得する修復状態データ取得工程と、取得された修復状態データに基づいて修復状態の耐火物3のプロファイルを算出する修復状態プロファイル算出工程と、主樋1に通銑後、耐火物3が赤熱している状態で該耐火物3を、基準点を含んで撮影して画像データを取得する修復前データ取得工程と、取得された修復前データに基づいて修復前状態の耐火物3のプロファイルを算出する修復前プロファイル算出工程と、修復状態プロファイルと修復前プロファイルの両プロファイルの差から耐火物3の残厚を演算する耐火物残厚演算工程と、を有している。
以下、各工程を図面を参照して説明する。
以下、各工程を図面を参照して説明する。
<修復状態データ取得工程>
修復状態データ取得工程は、図1に示すように、修復状態にある主樋1の耐火物3を撮影して画像データを取得する工程である。
撮像の対象となる修復状態にある主樋1の脇、例えば2階デッキ5にデジタル式の3Dカメラ7を、三脚9を用いて設置する。3Dカメラ7としては、撮像対象を立体画像処理のできるデジタルカメラであればよく、例えばコマツエンジニアリング製DigiCats StreoProfiler SP-50などを用いる。
この3Dカメラ7は同一対象に対して撮像角度を異にした複数の画像を撮像できるものである。
修復状態データ取得工程は、図1に示すように、修復状態にある主樋1の耐火物3を撮影して画像データを取得する工程である。
撮像の対象となる修復状態にある主樋1の脇、例えば2階デッキ5にデジタル式の3Dカメラ7を、三脚9を用いて設置する。3Dカメラ7としては、撮像対象を立体画像処理のできるデジタルカメラであればよく、例えばコマツエンジニアリング製DigiCats StreoProfiler SP-50などを用いる。
この3Dカメラ7は同一対象に対して撮像角度を異にした複数の画像を撮像できるものである。
なお、3Dカメラ7の設置に際しては、図2に示すように、天場11に支柱13を立ててその上に3Dカメラ7を設置するようにしてもよい。もっとも、この場合、撮影に使用する3Dカメラ7は精密機器であるため、撮影時は遮熱板や冷却装置など、3Dカメラ7を熱から保護する用具、装置を設けるようにするのが望ましい。特に、主樋1の通銑直後に撮影する場合には耐火物3が赤熱状態にあり、輻射熱による装置の高温化が予想されるので、図2に示すように3Dカメラの前方に遮熱板15を設置するのが望ましい。
撮像の対象となる主樋1は、図2に示すように、両側に設けた鉄皮17の内側に耐火物3を施工して溝が形成されている。主樋1はその修復状態においては、図2に示すように、溝の断面が逆台形になっている。
主樋1の溝の近傍には、基準点となる3つのレンガ19a、19b、19cが設置されている。もっとも、この基準点は撮像目的で設置してものでなくても、既存の構造物などを基準点として代用してもよい。
基準点とは、修復状態を撮像したデータによるプロファイルと、修復前状態を撮像したデータによるプロファイルの両プロファイルのそれぞれのプロファイルを構成する各位置を対応させるための基準となる点である。
修復状態において、3つのレンガ19a、19b、19cを含むようにして3Dカメラ7によって主樋1の耐火物3を撮影する。
撮影によって得られた画像データは、パーソナルコンピュータ(以下、「PC」という。)のメモリに入力されて記憶される。
基準点とは、修復状態を撮像したデータによるプロファイルと、修復前状態を撮像したデータによるプロファイルの両プロファイルのそれぞれのプロファイルを構成する各位置を対応させるための基準となる点である。
修復状態において、3つのレンガ19a、19b、19cを含むようにして3Dカメラ7によって主樋1の耐火物3を撮影する。
撮影によって得られた画像データは、パーソナルコンピュータ(以下、「PC」という。)のメモリに入力されて記憶される。
<修復状態プロファイル算出工程>
修復状態プロファイル算出工程は、撮像した修復状態の画像データに基づいて耐火物3のプロファイルを作成する工程である。この工程は、PCにおいて、CPUが所定のプログラムを実行することによって行なわれる(以下に説明する「修復前プロファイル算出工程」及び「耐火物残厚演算工程」においても同様である。)。具体的には以下の処理が行なわれる。
修復状態プロファイル算出工程は、撮像した修復状態の画像データに基づいて耐火物3のプロファイルを作成する工程である。この工程は、PCにおいて、CPUが所定のプログラムを実行することによって行なわれる(以下に説明する「修復前プロファイル算出工程」及び「耐火物残厚演算工程」においても同様である。)。具体的には以下の処理が行なわれる。
まず、3つのレンガ19a、19b、19cの撮像データを基準点として空間的な座標を作成する(図4参照)。座標の作成方法は、まず原点となるレンガ19aを決め、原点の図中右方向にあるレンガに向かってx軸を設定する。3つのレンガ19a、19b、19cから構成される平面上において、原点を通りx軸に垂直な方向をy軸とする。また、原点を通り、x軸からy軸に向かって回転したときに時計回りに進行する方向をz軸とする。
空間座標ができると、撮像した主樋1の耐火物3のデジタルデータを解析して、主樋耐火物3の表面を空間座標に表示することによって、主樋耐火物3のプロファイルを作成する。
空間座標ができると、撮像した主樋1の耐火物3のデジタルデータを解析して、主樋耐火物3の表面を空間座標に表示することによって、主樋耐火物3のプロファイルを作成する。
<修復前データ取得工程>
修復前データ取得工程は、主樋1に通銑後、耐火物3が侵食された状態を、耐火物3が赤熱している状態で撮像して、修復前の画像データを取得する工程である(図5参照)。この場合も前述の修復状態の撮像と同様にして、3つのレンガ19a、19b、19cを含んで耐火物3を撮像する。しかし、この場合には、耐火物3が赤熱している状態にあり、耐火物3の輝度と3つのレンガ19a、19b、19cの輝度が違いすぎるため、耐火物3と3つのレンガ19a、19b、19cを同時に撮影しても、両方を撮像することができない。つまり、3Dカメラ7の露出を耐火物3に合わせると、3つのレンガ19a、19b、19cが暗くて撮像できず、逆に3Dカメラ7の露出を3つのレンガ19a、19b、19cに合わせると耐火物3の部分がハレーションを起こして撮像できない。
そこで、以下のようにする。
修復前データ取得工程は、主樋1に通銑後、耐火物3が侵食された状態を、耐火物3が赤熱している状態で撮像して、修復前の画像データを取得する工程である(図5参照)。この場合も前述の修復状態の撮像と同様にして、3つのレンガ19a、19b、19cを含んで耐火物3を撮像する。しかし、この場合には、耐火物3が赤熱している状態にあり、耐火物3の輝度と3つのレンガ19a、19b、19cの輝度が違いすぎるため、耐火物3と3つのレンガ19a、19b、19cを同時に撮影しても、両方を撮像することができない。つまり、3Dカメラ7の露出を耐火物3に合わせると、3つのレンガ19a、19b、19cが暗くて撮像できず、逆に3Dカメラ7の露出を3つのレンガ19a、19b、19cに合わせると耐火物3の部分がハレーションを起こして撮像できない。
そこで、以下のようにする。
まず、3つのレンガ19a、19b、19cを撮像するのに適した状態に3Dカメラ7を調整して、この3つのレンガ19a、19b、19cを含んで耐火物3を撮像する。この撮像状態を示したのが、図6である。この状態では、3つのレンガ19a、19b、19cは撮像できるが、耐火物3は明るすぎて撮像できない。図6では撮像できるものを実線で示し、撮像できないものを破線で示している。
次に、上述の3Dカメラ7を動かさずに、赤熱した耐火物3を撮像するのに適した状態、たとえばフィルタを設置した状態にして、前記と同様に3つのレンガ19a、19b、19cを含んで耐火物3を撮像する。この撮像状態を示したのが、図7である。この状態では、耐火物3は撮像できるが、3つのレンガ19a、19b、19cは暗すぎて撮像できない。
次に、上記の2つの画像データを合成することによって、3つのレンガ19a、19b、19cを含んだ耐火物3の画像データを合成する。この合成データを示したのが図8である。
この画像の合成処理は、PCのCPUが所定のプログラムを実行することによって行なわれる。
次に、上述の3Dカメラ7を動かさずに、赤熱した耐火物3を撮像するのに適した状態、たとえばフィルタを設置した状態にして、前記と同様に3つのレンガ19a、19b、19cを含んで耐火物3を撮像する。この撮像状態を示したのが、図7である。この状態では、耐火物3は撮像できるが、3つのレンガ19a、19b、19cは暗すぎて撮像できない。
次に、上記の2つの画像データを合成することによって、3つのレンガ19a、19b、19cを含んだ耐火物3の画像データを合成する。この合成データを示したのが図8である。
この画像の合成処理は、PCのCPUが所定のプログラムを実行することによって行なわれる。
<修復前プロファイル算出工程>
修復前プロファイル算出工程は、合成データを基にして、通銑後の状態における耐火物3のプロファイルを、修復状態プロファイルと同様に3つの基準点からなる空間座標に作成する工程である。
修復前プロファイル算出工程は、合成データを基にして、通銑後の状態における耐火物3のプロファイルを、修復状態プロファイルと同様に3つの基準点からなる空間座標に作成する工程である。
<耐火物残厚演算工程>
耐火物残厚演算工程は、修復状態プロファイルと修復前プロファイルの両プロファイルの差から耐火物3の残厚を演算する工程である。
修復状態のプロファイルと通銑後のプロファイルは、同一の基準点からなる空間座標に表示されているので、これを重ね合わせることができる。そして、プロファイルの各位置における両者の差を求めることによって、耐火物3の損耗量を求めることができる。図9は断面図において二つのプロファイルを重ね合わせた状態を示しており、図9に示されるように、二つのプロファイルの差、例えば矢印で示した部分が損耗量である。損耗量が分かれば、修復状態での耐火物3の厚みが既知であることから耐火物3の残厚を算出することができる。
耐火物残厚演算工程は、修復状態プロファイルと修復前プロファイルの両プロファイルの差から耐火物3の残厚を演算する工程である。
修復状態のプロファイルと通銑後のプロファイルは、同一の基準点からなる空間座標に表示されているので、これを重ね合わせることができる。そして、プロファイルの各位置における両者の差を求めることによって、耐火物3の損耗量を求めることができる。図9は断面図において二つのプロファイルを重ね合わせた状態を示しており、図9に示されるように、二つのプロファイルの差、例えば矢印で示した部分が損耗量である。損耗量が分かれば、修復状態での耐火物3の厚みが既知であることから耐火物3の残厚を算出することができる。
以上のように、本実施の形態によれば、修復前の耐火物3の残存量を定量的に知ることができるので、耐火物3の管理を確実かつ適切に行なうことできる。これによって、耐火物3の損耗による事故を確実に防ぐことができ、生産効率の向上に資することができる。
しかも、通銑直後の耐火物3が赤熱している状態において撮像ができ、かつ撮影自体はごく短時間で出来るので、操業に影響を与えることなく、実施ができる。
また、耐火物3の残存量を求めることができることから、通銑量に対する耐火物の損耗速度を算出することも可能になり、耐火物の終点判定も実施することができる。
しかも、通銑直後の耐火物3が赤熱している状態において撮像ができ、かつ撮影自体はごく短時間で出来るので、操業に影響を与えることなく、実施ができる。
また、耐火物3の残存量を求めることができることから、通銑量に対する耐火物の損耗速度を算出することも可能になり、耐火物の終点判定も実施することができる。
また、上記の実施の形態においては、基準点として3点を含むように撮像しているので、修復を行なった状態を撮像して得られた画像データと溶融金属を排出した状態を撮像して得られた画像データの2つの画像データに3次元的な差異がある場合にも、両方の画像データの比較が可能となる。
もっとも、これら2つの状態における画像データに1次元的または2次元的な差異しかないような場合には、基準点は1点または2点であってもよい。
もっとも、これら2つの状態における画像データに1次元的または2次元的な差異しかないような場合には、基準点は1点または2点であってもよい。
なお、上記の実施の形態では修復した状態の耐火物のプロファイルを得るために撮影行為を行なっているが、修復した状態と同じ状態、すなわち耐火物に損耗がない状態の耐火物のプロファイルは、例えば当該溶融金属収容体の設計図などによって取得することが可能なので、そのような場合には設計図などから得られる耐火物のプロファイルと、溶融金属を排出した状態を撮像して得られた画像データから算出されるプロファイルとを比較することで、耐火物の残厚を知ることができる。もっとも、この場合にも2つのプロファイルを比較するには基準点が必要となるので、溶融金属を排出した状態の撮影時にはこの比較が可能となるような基準点を含むようにする必要がある。
なお、上記の実施の形態では、主樋1の片側から撮影している状態を図示しているが、実際には主樋1の壁は両側の壁が損耗するため、両壁の残存量を測定する必要がある。ただ、上記の説明ではそれを省略しているだけである。
上記の実施の形態では、溶融金属収容体の例として高炉主樋1を例に挙げたが、本発明は高炉主樋1における耐火物残存量の測定のみならず、溶融金属が接触することによって耐火物3が損耗するような溶融金属収容体に用いられる様々な耐火物3の残存量を測定できる。
このような、溶融金属収容体の例としては、例えば、高炉枝樋(溶銑、溶滓)、傾注樋、トピードカー、溶銑鍋、取鍋、タンディッシュ、保持炉など主として溶融鉄の搬送、保持を担うものがある。また、転炉、電気炉などの溶解、精錬を行なう容器、また、RH真空脱ガス装置の下部槽、浸漬管、精錬用の浸漬ランスやインペラーなどもある。さらには、銅等の非鉄精錬の容器、溶融式ごみ焼却炉の炉体などもある。
このような、溶融金属収容体の例としては、例えば、高炉枝樋(溶銑、溶滓)、傾注樋、トピードカー、溶銑鍋、取鍋、タンディッシュ、保持炉など主として溶融鉄の搬送、保持を担うものがある。また、転炉、電気炉などの溶解、精錬を行なう容器、また、RH真空脱ガス装置の下部槽、浸漬管、精錬用の浸漬ランスやインペラーなどもある。さらには、銅等の非鉄精錬の容器、溶融式ごみ焼却炉の炉体などもある。
1 高炉主樋
3 耐火物
5 2階デッキ
7 3Dカメラ
9 三脚
11 天場
13 支柱
15 遮熱板
17 鉄皮
19a、19b、19c レンガ
3 耐火物
5 2階デッキ
7 3Dカメラ
9 三脚
11 天場
13 支柱
15 遮熱板
17 鉄皮
19a、19b、19c レンガ
Claims (7)
- 耐火物を内張りした溶融金属収容体における前記耐火物のプロファイル測定方法であって、
前記溶融金属収容体に溶融金属を収容した後、前記溶融金属を前記溶金属収容体より排出し、前記耐火物が赤熱している状態で前記耐火物およびその周囲に配置された基準点を含んで撮像し、該撮像は同一対象に対して撮影角度を異にした複数の画像を撮像するものであり、その画像データを取得して前記耐火物のプロファイルを算出することを特徴とする耐火物のプロファイル測定方法。 - 前記撮像は、赤熱した前記耐火物の輝度に合わせて撮像した第1データと、基準点の輝度に合わせて撮像した第2データを合成して耐火物と基準点の両方を含む画像データを取得する合成工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の耐火物のプロファイル測定方法。
- 溶融金属収容体は高炉主樋であり、基準点は主樋の周囲に配置された構造物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の耐火物のプロファイル測定方法。
- 耐火物を内張りした溶融金属収容体における前記耐火物の厚み測定方法であって、
前記耐火物の修復を行なった状態で前記耐火物のプロファイルを算出する工程と、
前記溶融金属収容体に溶融金属を収容した後、前記溶融金属を前記溶金属収容体より排出し、前記耐火物が赤熱している状態で前記耐火物およびその周囲に配置された基準点を含んで撮像し、該撮像は同一対象に対して撮影角度を異にした複数の画像を撮像するものであり、その画像データを取得して前記耐火物のプロファイルを算出する工程と、それらのプロファイルの差から前記耐火物の残厚を演算する工程と、を備えたことを特徴とする耐火物の厚み測定方法。 - 前記耐火物の修復を行なった状態で前記耐火物のプロファイルを取得する工程は、前記耐火物およびその周囲に配置された基準点を含んで撮像し、該撮像は同一対象に対して撮影角度が異なる複数の画像を撮影するものであり、その画像データを取得して前記耐火物のプロファイルを算出する工程であることを特徴とする請求項4に記載の耐火物の厚み測定方法。
- 耐火物が赤熱している状態での撮像は、赤熱した前記耐火物の輝度に合わせて撮像した第1データと、基準点の輝度に合わせて撮像した第2データを合成して耐火物と基準点の両方を含む画像データを取得する合成工程を含むことを特徴とする請求項4又は5に記載の耐火物の厚み測定方法。
- 溶融金属収容体は高炉主樋であり、基準点は主樋の周囲に配置された構造物であることを特徴とする請求項4〜6のいずれか一項に記載の耐火物の厚み測定方法。
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JP2020076585A (ja) * | 2018-11-05 | 2020-05-21 | 倉敷紡績株式会社 | 被覆材の三次元形状の計測方法、被覆材の三次元形状の計測システム、および、被覆材の施工方法 |
KR102113472B1 (ko) * | 2018-12-19 | 2020-05-21 | 주식회사 포스코 | 고로 경주통 침식 복원 설비 및 이를 사용한 고로 경주통 침식 복원 방법 |
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2007
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