JP6414102B2 - 精錬炉排出流の判定装置、精錬炉排出流の判定方法及び溶融金属の精錬方法 - Google Patents

精錬炉排出流の判定装置、精錬炉排出流の判定方法及び溶融金属の精錬方法 Download PDF

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本発明は、精錬炉から排出される排出流の判定を行う精錬炉排出流の判定装置、精錬炉排出流の判定方法及び溶融金属の精錬方法に関し、特に精錬炉の排出流が主としてスラグである場合に溶融金属の混入を判定するか、または、精錬炉の排出流が主として溶融金属である場合にスラグの混入を判定するのに好適なものである。
溶融金属の精錬では、金属の酸化物、弗化物、塩化物などからなる媒溶材を副原料として添加してスラグを形成させ、溶融金属中の不純物をスラグ中に化学的に除去してから、比重の異なる溶融金属とスラグとを物理的に分離し、その後の工程で異なる精錬を実施する精錬操作が幅広く行われている。例えば鉄鋼精錬では、高炉から出銑された溶銑に対し、脱炭及び不純物の除去及び調整を行って溶鋼を得る精錬工程は、製鋼の重要なプロセスである。このうち、転炉を用いた精錬工程では、生石灰やドロマイトなどの媒溶材を副原料として添加してスラグを形成させ、燐などの溶銑中の不純物を取り除く。
このような鋼の精錬方法としては、溶銑の段階で溶銑中の珪素や燐を除去する予備処理を施した溶銑を転炉で脱炭する精錬方法が広く行われており、例えば、溶銑の予備処理方法としては特許文献1に開示された方法がある。特許文献1に記載された方法では、転炉型の精錬炉から脱燐処理後の溶銑を出銑した後、脱燐処理後のスラグが残留された精錬炉内に脱珪及び脱燐処理が施されていない溶銑を装入して脱珪処理を行う。次いで、精錬炉内に溶銑を保持したまま、炉口から脱珪処理後のスラグの一部を精錬炉外に排出する中間排滓を行う。さらに、精錬炉内に石灰系媒溶材を添加すると共に酸素を吹精して脱燐処理を行い、以上の方法による溶銑の予備処理を繰り返して行う。特許文献1に記載された方法では、スラグの塩基度や中間排滓時のスラグの排出量又は残留量などを規定することで、脱珪処理及び脱燐処理を効率よく行うことができる。
また、転炉精錬においては、精錬剤としてスラグの生成が必要不可欠であるため、転炉から溶鋼を取鍋などの容器に排出(出鋼)する際には、容器内にスラグが混入する場合がある。出鋼時に容器内に混入するスラグの量が多いと、その後の二次精錬の還元処理において、溶鋼から除去されスラグに含まれる不純物成分が溶鋼中に戻ってしまい、鋼材の品質低下を招くこととなる。このため、出鋼時には、スラグの流出を抑制する必要がある。
転炉の出鋼時には、溶鋼とスラグとの比重の違いを利用して溶鋼のみを排出するようにしているが、出鋼末期には、スラグを巻き込んだ溶鋼が流出するため、このスラグ流出を検出して出鋼を終了することで、スラグの容器内への混入を抑制している。このスラグ流出の検出方法として多数の提案がなされている。例えば、特許文献2では、赤外線カメラを用いて転炉の排出流を監視し、溶鋼とスラグとの赤外領域の放射エネルギーの違いから撮像画像の画素における赤外領域の輝度の閾値を設けて溶鋼またはスラグの画素を判別し、判別された画素の構成面積を用いてスラグ流出を判定する方法が開示されている。また、特許文献3では、CCDカメラで溶融金属の排出流を撮像した画像における各画素の輝度を測定し、輝度のヒストグラムを作成して排出流の最高輝度値を求め、その最高輝度値の変化によってスラグ流出を検出する方法が開示されている。
特許第5408369号公報 特許第4419861号公報 特許第3575781号公報
しかしながら、前述のようなスラグ排出検出方法では、煙などの外乱で全体的な輝度が低下してしまうと誤検出が生じることや、溶鋼とスラグとが混ざり合った部分では検出精度が低下するといった問題がある。また、特許文献1の中間排滓では、スラグの排出量が少ないと、次工程の脱燐処理において媒溶材を削減する効果が小さくなるが、スラグの排出量を増大させようとして炉体の傾動角度を大きくし過ぎると、溶銑が流出して鉄歩留りの低下を招く問題がある。このため、できるだけ溶銑を排出しないことが望ましいことから、排出流からスラグを検出するだけでなく、溶銑の排出も検出可能な排出流判定方法が求められる。特に、中間排滓では、脱炭精錬後に行われる転炉の出湯口からの溶鋼排出(出湯)とは異なり、精錬炉上部の開口部(炉口)からスラグ排出を行うため、煙などの外乱の影響を受けやすく、また排出流の流量や形状の変動が大きい。このため、中間排滓では、溶銑の排出が判定しにくいことが問題であった。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたものであり、煙や流量変動などの外乱が生じる場合でも検出精度が低下することなく、精錬炉からの排出流におけるスラグと溶融金属との構成割合を判定することが可能な、例えば、排出流が主としてスラグである場合に溶融金属の混入を判定するか、または、排出流が主として溶融金属である場合にスラグの混入を判定することが可能な、精錬炉排出流の判定装置、精錬炉排出流の判定方法、及び溶融金属の精錬方法を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために、本発明の一態様によれば、溶融金属の精錬炉から排出される排出流を赤外領域で撮像する赤外撮像部と、上記赤外撮像部で撮像される撮像範囲の少なくとも一部である同一撮像範囲を含む撮像範囲で、上記排出流を可視領域で撮像する可視撮像部と、上記赤外撮像部で撮像される赤外画像及び上記可視撮像部で撮像される可視画像の上記同一撮像範囲について、上記同一撮像範囲の複数の区画毎に、上記赤外画像から得られる温度または前記赤外領域の輝度と上記可視画像から得られる前記可視領域の輝度との関係に基づいて、上記区画で撮像された上記排出流におけるスラグと溶融金属との構成割合を判定する判定部と、を備えることを特徴とする精錬炉排出流の判定装置が提供される。
上記課題を解決するために、本発明の一態様によれば、溶融金属の精錬炉から排出される排出流を赤外領域で撮像する赤外撮像ステップと、上記赤外撮像ステップで撮像される撮像範囲−の少なくとも一部である同一撮像範囲を含む撮像範囲で、上記排出流を可視領域で撮像する可視撮像ステップと、上記赤外撮像ステップで撮像される赤外画像及び上記可視撮像ステップで撮像される可視画像の上記同一撮像範囲について、上記同一撮像範囲の複数の区画毎に、上記赤外画像から得られる温度または前記赤外領域の輝度と上記可視画像から得られる前記可視領域の輝度との関係に基づいて、上記区画で撮像された上記排出流におけるスラグと溶融金属との構成割合を判定する判定ステップと、を備えることを特徴とする精錬炉排出流の判定方法が提供される。
上記課題を解決するために、本発明の一態様によれば、溶融金属の精錬炉内に前記溶融金属を保持した状態で、上記精錬炉を傾動させて、上記精錬炉の炉口または排出口からスラグを排出する際に、上記の精錬炉排出流の判定方法を用いて、上記精錬炉から排出される排出流について、上記区画で撮像された上記排出流における溶融金属の構成割合を判定した結果に基づいて、上記精錬炉の傾動角度を調整する調整ステップを備えることを特徴とする溶融金属の精錬方法が提供される。
本発明によれば、煙や流量変動などの外乱が生じる場合でも検出精度が低下することなく、精錬炉からの排出流におけるスラグと溶融金属との構成割合を判定することができる。
本発明の一実施形態に係る精錬炉排出流の判定装置が適用された転炉型精錬炉設備を示す概略構成図である。 精錬炉排出流の判定装置を示すシステム構成図である。 転炉型精錬炉による精錬処理を示す説明図である。 精錬炉排出流の判定方法を示すフローチャートである。 精錬炉排出流の可視画像及び赤外画像を示す説明図である。 図5の同一撮像範囲を複数の区画に分割した可視画像及び赤外画像を示す説明図である。 判定基準値の算出式を求める方法を説明するためのグラフである。 判定式を用いた判定方法を説明するためのグラフである。 輝度の平均値が判定基準値より大きな区画がある場合に、表示部で表示される可視画像を示す説明図である。 判定基準値の算出式を求める方法の変形例を説明するためのグラフである。
<装置構成>
以下、本発明の実施形態に係る精錬炉排出流の判定装置1について、転炉型精錬炉を用いた溶銑の予備処理の中間排滓における溶銑流出の判定に適用した場合を例として、図面を参照しながら説明する。本実施形態では、図1に示すように、従来既存の転炉型精錬炉2が用いられる。この転炉型精錬炉2では、昇降可能な上吹きランス3の先端から酸素を転炉型精錬炉2内の溶銑に向けて吹き付けて上吹きを行う。上吹きには、純酸素が用いられる。また、転炉型精錬炉2の底部に設けられた底吹き羽口21を使って底吹きを行う。底吹きには、酸素、あるいはArガスや窒素ガスなどの不活性ガスが用いられる。転炉型精錬炉2には、主として溶銑や媒溶材、スクラップを装入する開口部である炉口22、及び精錬処理が施された溶銑又は溶鋼を出湯する出湯口23も設けられている。
精錬炉排出流の判定装置1は、図1及び図2に示すように、赤外撮像部11と、可視撮像部12と、解析用コンピュータ13とを備える。赤外撮像部11は、マイクロボロメータなどの各種原理の撮像素子を用いた所謂赤外線熱画像撮影装置(赤外線サーモグラフィ)である。可視撮像部12は、CCDやCMOSセンサなどの撮像素子を用いた所謂デジタルカメラである。赤外撮像部11及び可視撮像部12は、集積されている素子の個々が画素として特定の波長領域における輝度を検出して、電気信号化されたものを記録装置に記録する。このうち、赤外撮像部11は、赤外線領域の特定波長領域(例えば、7μm〜14μm、あるいは2μm〜5μm)の輝度(放射エネルギー密度)を検出して得た赤外画像から温度を算出した結果を赤外線熱画像として記録し、可視撮像部12は可視光線領域(例えば200nm〜1100nm)の輝度を検出して可視画像として記録する。赤外撮像部11及び可視撮像部12は、中間排滓で排出される排出流を同一方向から撮像し、同一な領域が撮像される同一撮像範囲を撮像範囲内にそれぞれ有する。赤外撮像部11で撮像された赤外線熱画像及び可視撮像部12で撮像された可視画像は、解析用コンピュータ13に出力される。
なお、上記の赤外画像、赤外線熱画像及び可視画像の各画像は、それぞれの画素の2次元座標に対応するデジタルデータとして、記録あるいは出力される。また、赤外撮像部11では赤外画像を出力し、解析用コンピュータ13で温度に換算して赤外線熱画像を得るようにしてもよい。ここで、赤外線熱画像の温度データは、赤外画像の赤外の特定波長領域の輝度のデータから、定数である放射率を含む1対1対応の関数を用いて換算して求められる。以下の説明では、解析用コンピュータ13で、赤外線熱画像の温度データを用いて演算、判定等のデータ処理を行う場合について説明するが、赤外線熱画像の温度データに代えて、赤外画像の赤外の特定波長領域の輝度のデータを用いてデータ処理を行っても、同様の処理で同様の機能や効果を得ることができるので、後者についての重複する説明は省略する。
また、本実施形態では、赤外撮像部11で撮像された赤外線熱画像、及び可視撮像部12で撮像された可視画像の両者の画素数は同一とは限らず、一般的には可視画像の方が、画素数が多く解像度に優れる。また、両者の画素数が等しいとしても、両者の画像の撮影対象を画素の単位で厳密に対応付けることは困難である。そこで、両者の画像の同一撮像範囲を、それぞれ複数の画素を含む複数の区画に分割して、この区画単位で両者の画像の撮影対象を対応付けることによって、各区画の同一の撮影対象部分に対応する赤外線熱画像及び可視画像のデータを精度よく求めることが可能となる。
ここで、赤外線熱画像における座標と可視画像における座標とは、例えば、直線上にない3点以上の点光源を撮影した両者の画像を比較することによって、正確に対応付けることができる。従って、中間排滓で排出される排出流を同一方向から撮像した両方の画像において、排出流の判定を行うための同一撮像範囲を、予め、あるいは入力に応じて設定することができる。また、この同一撮像範囲を分割した複数の区画は、この同一撮像範囲を、例えば10×10〜100×100といった分割数で分割することによって、予め、あるいは入力に応じて設定することができる。
解析用コンピュータ13は、分割部131と、演算部132と、判定部133と、表示部134とで構成される機能を有する。分割部131は、赤外撮像部11及び可視撮像部12から赤外線熱画像及び可視画像をそれぞれ取得し、赤外線熱画像及び可視画像の上記のようにして設定した同一撮像範囲を、上記のようにして設定した区画に対応させて分割する。つまり、赤外線熱画像の温度データと可視画像の可視領域の輝度のデータとを、各画素の座標情報に基づいて、予め設定した各区画の座標範囲に対応させて分割する。
演算部132は、分割された上記の区画毎に、温度及び可視領域の輝度の代表値を、分割部131で分割された、各区画に対応する温度データ及び可視領域の輝度のデータから算出する。代表値としては、例えば、平均値を用いる。また、演算部132では、各区画の温度及び可視領域の輝度の代表値を、それぞれの代表値の測定実績に基づいて予め得られた最大値でそれぞれ除して規格化し、各区画の規格化された温度の代表値及び規格化された可視領域の輝度の代表値を、次の判定部133に提供して判定に用いるようにしてもよい。
判定部133は、演算部132で算出された各区画の温度の代表値と可視領域の輝度の代表値とに基づいて、各区画で撮像された排出流におけるスラグと溶融金属との構成割合を判定する。
ここで、撮影対象と実際の温度が一定でも、対象物の表面の向き、形状、区画に占める大きさや発煙などの外乱の状況などで、撮像された各区画の温度及び可視領域の輝度の代表値(例えば平均値)は様々に変化する。従って、従来行われていたように、温度だけ、あるいは可視領域の輝度だけの情報から、適当な閾値を設けることによって、物質による分光放射率の違いを利用して撮像された物質の種類を判別する場合には、かなりの誤差を生じることが避けられない。
しかし、対象物の種類が同じで実際の温度に大きな違いが無ければ、各区画の温度の代表値と可視領域の輝度の代表値との間には特定の相関関係があり、その相関関係の傾きは対象物の種類によって異なることがわかった。これは、対象物の種類によって、可視領域における放射率と赤外領域における放射率との関係が異なることに起因する。つまり、スラグと溶融金属との放射率を比較すると、可視領域の波長では溶融金属の放射率の方が大きく、赤外領域ではスラグの放射率の方が高い。従って、同じ温度のスラグと溶融金属とを撮影した場合、可視画像では溶融金属の方が高輝度になり、赤外線熱画像ではスラグの方が高温になる。このため、スラグと溶融金属とでは、上記の相関関係の傾きが異なる。判定部133では、この特性を利用して、各区画の温度及び可視領域の輝度の代表値から、各区画で撮像された排出流におけるスラグと溶融金属との構成割合を判定する。これによって排出流の形状や発煙などの外乱の変動があっても、影響を受けることなく正確な判定を行うことが可能となる。この際、スラグと溶融金属との構成割合は、以下のようにして判定する。
一般に、溶融金属の精錬炉からの排出は、スラグと溶融金属とを分離することを目的の一つとしているので、排出流はスラグと溶融金属のどちらか一方が主体であり、他方が流出する程度を評価することが重要である。このためには、少なくとも排出の主体となる方の物質について、上記の温度と可視領域の輝度との相関関係とそのばらつきの程度を予め把握しておき、測定データがこの相関関係から乖離する程度によって、異相の混入の程度を判定する。
例えば、中間排滓における溶融金属の流出を監視する場合には、予めスラグのみが排出される状況において取得した、各区画の温度の代表値及び可視領域の輝度の代表値のデータから、撮像対象がスラグの場合の温度と可視領域の輝度との相関関係と、そのばらつきの程度とを把握し、これから導出したスラグと判定する場合の判定条件を判定部133のための記憶領域に予め記憶させる。各区画の測定データがこのスラグの場合の相関関係のばらつきの範囲内である場合には、判定部133は、上記の記憶されたスラグと判定する場合の判定条件によって、その区画がスラグであると判定する。一方、各区画の測定データが上記のスラグの場合の相関関係のばらつきの範囲から外れる場合には、判定部133は、この測定データが上記のスラグの場合の相関関係から乖離する程度に応じて、その区画におけるスラグと溶融金属の構成割合を判定する。この際、予め撮像対象が溶融金属の場合の温度と可視領域の輝度との相関関係も把握しておけば、スラグと溶融金属との構成割合を定量的に評価することができるので望ましい。また求められる構成割合は、溶融金属の構成割合を示す実数や指標でよいが、最も単純化したケースでは、溶融金属を有意に含まないスラグの場合と溶融金属を含む場合の2通りで二値化する方法となる。また、温度及び可視領域の輝度が低過ぎる場合には、温度と可視領域の輝度との相関関係に基づいてスラグと溶融金属の構成割合を判定しても、正確な判定が困難となるので、このような区画はスラグも溶融金属も含まないものとして評価することが好ましい。
表示部134は、判定部133で判定されたスラグと溶融金属の構成割合の判定結果及び可視撮像部12で撮像された可視画像を、作業者に対して表示する。例えば、上記のように二値化された判定結果やさらに多数の段階に指標化された判定結果を輝度や色調で表現した画像と、可視画像とを重畳して表示する。各区画の温度及び可視領域の輝度のデータから得られた、各区画におけるスラグと溶融金属との構成割合の2次元情報に基づけば、様々な排出流の形状や外乱の状況においても、スラグ排出流における溶融金属の流出状況、あるいは溶融金属排出流におけるスラグの流出状況を適切に判断することが可能となる。
解析用コンピュータ13は、入力装置、モニタなどの出力装置、中央処理装置(CPU)、主記憶装置(内部記憶装置)、補助記憶装置(外部記憶装置)などから構成される演算処理装置であり、中央処理装置は、分割部131、演算部132及び判定部133として機能し、出力装置は表示部134として機能とする。
<排出流判定方法>
次に、本実施形態に係る精錬炉排出流の判定方法について説明する。本実施形態では、例えば、特許文献1と同様の精錬方法を用いた処理が転炉型精錬炉2で行われる。
即ち、本実施形態における溶融金属の精錬方法の一例では、図3(a)に示すように、前回の溶銑の予備処理において生成した脱燐処理終了後のスラグ4を炉内に残留させた状態、又はスラグ4が残留した状態の転炉型精錬炉2に鉄スクラップなどの冷鉄源5を装入した後に、転炉型精錬炉2を傾けて、装入鍋6から新たな溶銑7を装入する。
次いで、図3(b)に示すように、転炉型精錬炉2を直立させ、上吹きランス3を介して溶銑7に酸素を供給し、脱珪処理を行う。この脱珪処理により、溶銑7中の珪素は、酸素と反応して除去され、その後の脱燐処理における反応効率を高めるのに役立つ。
脱珪処理が終了したら、図3(c)に示すように、転炉型精錬炉2を傾けて上部の炉口22から中間排滓処理を行う。この中間排滓は、比重差で溶銑7上に浮いているスラグ4を排出するものであり、脱珪処理で発生した大量の二酸化珪素を含む低塩基度の脱珪処理後のスラグ4を排出する。この中間排滓は、次工程の脱燐処理において、適切なスラグ塩基度に調整するための石灰系媒溶材の使用量を低減するために有効である。中間排滓では、後述する排出流判定方法を用いて、転炉型精錬炉2からの排出流を判定して、溶銑が流出しない範囲でスラグの排出速度を大きくするように転炉型精錬炉2の傾動角度を調整し(調整ステップ)、スラグの排出速度が小さくなって排出を継続するのが困難であると判断された時点をもって中間排滓を終了する。
中間排滓終了後、図3(d)に示すように、再び転炉型精錬炉2を直立させ、転炉型精錬炉2内に残留させた溶銑7に石灰系媒溶材を添加すると共に、上吹きランス3を介して溶銑7に酸素を供給し、脱燐処理を行う。溶銑7中の燐は、供給される酸素によって酸化されて燐酸化物となる。そして、この燐酸化物が、石灰系媒溶材の滓化によって生成するスラグ4中に安定的に取り込まれることで溶銑7の脱燐が進行する。
脱燐処理を経て溶銑中の燐濃度が予め設定された既定値まで低下したら、図3(e)に示すように、転炉型精錬炉2を出湯口23の設置側に傾転させて、転炉型精錬炉2内の溶銑を不図示の取鍋に出湯する。
次に、図4を参照して、中間排滓時における排出流判定方法について詳細に説明する。本実施形態では、以下に説明する排出流の判定処理は、中間排滓時に作業者の入力によって開始される。また、本実施形態では、図4に示す一連の判定処理が予め設定されたサンプリング周期で繰り返し行われる。
本実施形態では、まず、赤外撮像部11及び可視撮像部12は、転炉型精錬炉2の炉口22から排出される排出流を含む撮像範囲を同時に撮像する(S200)。ステップS200での撮像結果は、赤外撮像部11及び可視撮像部12の素子に応じた画素の赤外線熱画像及び可視画像として分割部131に出力される。赤外線熱画像及び可視画像には、方形の同一撮像範囲がそれぞれ含まれる。また、同一撮像範囲には排出流が含まれる。図5(a)には赤外撮像部11で撮像された赤外線熱画像、図5(b)にはこの赤外線熱画像と同時に可視撮像部12で撮像された可視画像を示す。図5(a)及び図5(b)に示す例では、方形白枠で囲まれた領域が、同一撮像範囲であり、同一撮像範囲内にはスラグ4と溶銑7との両方を含む排出流が撮像されている。なお、同一撮像範囲は、赤外線熱画像と可視画像とにおいて同一の撮像範囲で且つ排出流が撮像される領域であれば、赤外線熱画像と可視画像とにおける同一の撮像範囲全てである必要はない。また、図5(a)では、検出された温度を輝度で示しており、温度が高い箇所については輝度が高くなるように示した。
次いで、分割部131は、取得した赤外線熱画像及び可視画像から、同一撮像範囲を切り出し、切り出した同一撮像範囲を複数の区画にそれぞれ分割する(S202)。本実施形態の例では、赤外線熱画像及び可視画像の方形の同一撮像範囲を、15×13=195個の方形の区画にそれぞれ分割する。つまり、各区画は、それぞれの画像において区分けに応じた複数の画素で構成される。なお、赤外線熱画像及び可視画像における複数の区画は、それぞれ同一の撮像範囲に対応する。また、赤外線熱画像と可視画像とで同一撮像範囲の画素数が異なる場合には、各区画における画素数も赤外線熱画像と可視画像とで異なる。例えば、図5(a)及び図5(b)に示す赤外線熱画像及び可視画像の場合、図6(a)及び図6(b)に示す白枠線で囲まれた複数の方形の区画にそれぞれ分割される。
さらに、演算部132は、赤外線熱画像及び可視画像の各区画毎に、それぞれの画像のデータから温度及び可視領域の輝度の代表値、例えば平均値を算出する(S204)。赤外線熱画像の各画素には、各画素に応じた撮像範囲における、赤外撮像部11で検出された温度が記録されている。また、可視画像の各画素には、各画素に応じた撮像範囲における、可視撮像部12で検出された可視領域の輝度が記録されている。ステップS204では、赤外線熱画像及び可視画像に基づいて、同一撮像範囲の区画毎に、区画に含まれる複数の画素の温度の平均及び可視領域の輝度の平均値を算出する。
その後、判定部133は、区画毎にステップS204で算出された温度の平均値及び可視領域の輝度の平均から、スラグと溶銑との構成割合を判定する。以下では、区画毎に溶銑を有意には含まないスラグの場合と溶銑を含む場合の2通りで構成割合を二値化する判定の一例について説明する。この例では、赤外線熱画像の区画毎に、ステップS204で算出された温度の平均値から、可視領域の輝度の判定基準値を算出する(S206)。判定基準値は、温度と可視領域の輝度との関係から予め決定される算出式を用いて算出される。
ステップS206で用いられる算出式の決定方法について説明する。算出式の決定方法では、まず、ステップS200と同様な方法で、実際の排出流を予め撮像した赤外線熱画像及び可視画像について、データを蓄積する。この際、赤外線熱画像及び可視画像は、炉口22からの排出流が中間排滓初期のスラグ4のみと考えられる場合、及び排出流が溶銑7を含むと考えられる場合のそれぞれの場合のものが用いられる。次いで、蓄積された赤外線熱画像及び可視画像のデータについて、ステップS202,S204と同様に、区画分けが行われ、分けられた区画毎に温度及び可視領域の輝度の平均値が算出される。さらに、算出された温度及び可視領域の輝度の平均値について、蓄積されたデータにおける最大の温度及び可視領域の最大の輝度でそれぞれ除した値を、無次元温度及び無次元輝度として算出する。つまり、温度の平均値をx(℃)、可視領域の輝度の平均値をy、最大の温度をxmax(℃)、最大の輝度をymaxとした場合、無次元温度x及び無次元輝度yは(1)式及び(2)式で算出される。
=x/xmax ・・・(1)
=y/ymax ・・・(2)
図7に、蓄積されたデータにおける無次元温度x及び無次元輝度yの一例を示す。図7に図示した例では、横軸を無次元温度及び縦軸を無次元輝度として、排出流がスラグのみである場合、及び排出流がスラグ4と溶銑7とである場合に分けて、算出された値をプロットしている。
無次元温度x及び無次元輝度yが算出された後、算出された値のうち、排出流がスラグのみである場合のものを用いて、(3)式における係数α,βを最小自乗法によって算出する。図7に示した例においては、算出された(3)式の関数は、グラフにおいて原点付近を通る傾きαの直線Lとして示される。
=αx+β ・・・(3)
その後、排出流が主としてスラグ4である場合、及び排出流が主として溶銑7である場合の両方について、算出された無次元温度x及び無次元輝度yから、(4)式で算出される値Aの分布を調べ、値Aの大きな群と小さな群との境界となる閾値を設定する。そして、閾値よりも小さなデータをノイズとして除去する。例えば、図7に図示した例では、破線で囲まれた原点側の領域が、値Aが閾値よりも小さくなる領域であり、この領域内にあるデータを除去する。
A=(x +y 1/2 ・・・(4)
値Aの小さなデータを除去した後、残りのデータの無次元温度x及び無次元輝度yを用いて、対象とする区画の撮像対象が溶銑を有意には含まないスラグであるか、それとも溶銑を含むかを判定するための判定式を求める。具体的には、値Aの小さなデータが除去された残りのデータのうち、排出流がスラグ4のみであると考えられる全てのデータについて、(5)式を満たすΔαを決定する。なお、Δαは、後述するように、判別において閾値を算出する際に用いられるが、Δαが大き過ぎると溶銑を検出する感度が低くなるため、(5)式を満たしながらも、値が小さくなるように設定することが好ましい。
<(α+Δα)x+β ・・・(5)
ここで、排出流に含まれるスラグ4及び溶銑7は、赤外撮像部11で撮像される赤外線熱画像では、赤外領域の波長での放射率の違いにより、見かけ上、スラグ4の方が溶銑7よりも高温に映る。また、排出流に含まれるスラグ4及び溶銑7は、可視撮像部12で撮像される可視画像では、可視領域の波長での放射率の違いにより、溶銑7の方が高輝度に映る。例えば、図5(a)の赤外線熱画像においてはスラグ4が高温(紙面上では高輝度)に映り、図5(b)の可視画像においては溶銑7が高輝度に映る。つまり、図7に示すように、中間排滓初期のスラグのみと考えられる排出流が撮像された場合と、溶銑を含むと考えられる排出流が撮像された場合とでは、温度と可視領域の輝度とで表される2次元座標上の分布範囲に差異があるため、スラグのみと考えられる排出流において撮像された温度の平均値と可視領域の輝度の平均値との相関関係からの乖離を評価することで、排出流が溶銑7を有意には含まないスラグ4なのか溶銑7を含むのかを判定することができる。
例えば、図7に図示した一例において、値Aの小さなデータを除去したデータのプロットとともに、(5)式の不等号を等号に置き換えた関数のグラフを直線Lとして図8に示す。図8に示すように、スラグのみと考えられる排出流の場合のプロットは全て直線Lの下側に位置するのに対して、溶銑7を含むと考えられる排出流の場合のプロットは直線Lの上側にも分布し、直線Lの上側のプロットは、直線Lからの乖離の程度に応じて、対応する区画に撮像された排出流に溶銑7が含まれているものと考えられる。つまり、蓄積されたデータに基づくと、各撮像画像から得られる区画毎の温度の規格化された平均値と可視領域の輝度の規格化された平均値との関係から、直線Lよりも縦軸正方向側(上側)にあるデータについては排出流が溶銑7を含むと判定され、直線Lよりも縦軸負方向側(下側)にあるデータについては排出流が溶銑7を有意には含まないスラグ4であると判定される。
(5)式の不等式の境界値は、(5)式の不等号を等号に置き換えることにより与えられるが、これを区画毎の可視領域の輝度の平均値yに関する式に変形して、さらにyを、yの値によって区画毎の撮像対象におけるスラグと溶銑との構成割合について判定する際の閾値(判定基準値B)に置き換えると、下記の(6)式が得られる。即ち、区画毎の可視領域の輝度の平均値yの判定基準値Bは、各区画の温度の平均値xから(6)式を用いて算出され、yがBよりも大きい場合に、その区画における撮像対象が溶銑を含むと判定する。
B=[(α+Δα)x/xmax+β]×ymax ・・・(6)
ステップS206では、予め定められた(6)式を用いて判定基準値Bを算出する。この場合、ステップS204で算出される温度の平均値xを用いて、(6)式によって、判定基準値Bが算出される。
ステップS206の後、判定部133は、区画毎に、ステップS204で算出された温度の平均値xと可視領域の輝度の平均値yとから(4)式によって算出される値Aが上記の所定の閾値以上である場合に、可視領域の輝度の平均値yが、ステップS206で算出された判定基準値Bよりも大きいか否かを判断する(S208)。ステップS208では、各区画について、輝度の平均値が判定基準値Bよりも大きいか否かを判断することで、撮像された排出流が溶銑7を含むか否かを判断する。この際、判定部133は、可視領域の輝度の平均値が判定基準値Bよりも大きくなる場合には、該当の区画で撮像された排出流が溶銑7を含むと判定し、可視領域の輝度の平均値が判定基準値B以下となる場合には、該当の区画で撮像された排出流が溶銑7を有意には含まないスラグ4であると判定する。上述のように、判定基準値Bは、区画毎の温度の平均値xに対応する可視領域の輝度の平均値yの判定基準値を示し、排出流が溶銑7を有意には含まないスラグ4である場合と溶銑7を含む場合との境界となる閾値となる。即ち、ステップS208において、区画毎の可視領域の輝度の平均値yが判定基準値Bよりも大きい場合とは、図8において無次元温度x及び無次元輝度yのプロットが直線Lよりも上側にある場合であり、該当の区画では溶銑7を含む排出流が撮像されたこととなる。一方、区画毎の可視領域の輝度の平均値yが判定基準値B以下となる場合とは、図8において無次元温度x及び無次元輝度yのプロットが直線Lよりも下側または直線L上にある場合であり、該当の区画では溶銑7を有意には含まないスラグ4が撮像されたことを示す。
ステップS208で、全ての区画について可視領域の輝度の平均値yが判定基準値B以下であると判断された場合、表示部135は、可視撮像部12で撮像される可視画像を表示する(S210)。
一方、ステップS208で、可視領域の輝度の平均値yが判定基準値Bより大きい区画が少なくとも1つあると判断された場合、表示部135は、可視撮像部12で撮像される可視画像に、ステップS208の判断結果を重畳させて表示する(S212)。具体的には、図9に示すように、可視領域の輝度の平均値yが判定基準値Bより大きい区画について、可視画像では通常撮像されない色や識別可能な色を可視画像に重畳させて表示させる。なお、ステップS212において表示部135で表示される画像は、解析用コンピュータ13に設けられた不図示の画像処理部にて処理される。
本実施形態では、排出流が溶銑を有意に含む区画が分かるように、表示部135に可視画像に重畳させて判断結果を表示させることで、排出流が溶銑7を含むか否かについて作業者が容易に識別することができる。この際、例えば、作業者は、排出流が溶銑を含む区画がいくつあるかを判断することで、炉口22から溶銑7が排出される排出量の程度についても定性的に判断することができるようになる。このため、中間排滓において溶銑7が流れ出る限界まで炉体の傾動角度を大きくして、スラグ4の排出量及び排出速度を増大させることができ、溶銑予備処理精錬における鉄歩留り向上、脱燐処理における媒溶剤低減及び中間排滓時間の短縮による生産性向上を何れも可能とすることができる。また、排出流の判定は、設定されたサンプリング周期で連続して行われるため、作業者は炉口22から溶銑7が排出されたことをリアルタイムで判断することができる。
<変形例>
以上で、特定の実施形態を参照して本発明を説明したが、これら説明によって発明を限定することを意図するものではない。本発明の説明を参照することにより、当業者には、開示された実施形態の種々の変形例とともに本発明の別の実施形態も明らかである。従って、特許請求の範囲は、本発明の範囲及び要旨に含まれるこれらの変形例または実施形態も網羅すると解すべきである
例えば、上記実施形態では、転炉型精錬炉2の炉口22から排出される排出流が溶銑7を含むか否かを判定するとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、転炉型精錬炉2での精錬処理に応じて、溶銑に代えて溶鋼あるいは他の溶融金属を検出する構成であってもよい。また、スラグを主体とする排出流において溶融金属を検出するのではなく、溶融金属を主体とする排出流においてスラグ4を含むか否かを判定してもよい。さらに、排出流は、炉口22から排出される場合に限らず、出湯口23から排出される排出流についても同様に適用することができる。上記のように、本発明を適用する際の、精錬対象とする溶融金属の種類やスラグの基本組成、温度条件、判定対象の形態などを変更する場合には、適用する条件に即して、上記と同様の手順によって(6)式を求めることが望ましい。
また、上記実施形態では、ステップS208の後、可視画像に重畳させて各区画における判断結果を表示部135に表示させるとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、上記の各区画における判断結果は、上記の可視画像に代えて、前述の赤外画像(温度データに変換されて赤外線熱画像に加工されたものを含む)に重畳させて表示部135に表示させてもよい。また、判定部133は、ステップS208の後に、同一撮像範囲に撮像された排出流が溶銑7を所定量以上含むか否かを判定してもよい。この際、ステップS208の判断において可視領域の輝度の平均値が判定基準値Bより大きな区画が在る場合、判定部133は、可視領域の輝度の平均値が判定基準値Bより大きな区画の数が、第2の閾値以上となるか否かを判断する。判断の結果、上記の区画の数が第2の閾値以上となる場合には、判定部133は、同一撮像範囲に撮像された排出流が溶銑7を所定量以上含むと判断し、表示部135あるいは不図示の警報装置を用いて、溶銑7が所定量以上検出されたことを作業者に対して通知する。一方、判断の結果、上記の区画の数が第2の閾値未満となる場合、及びステップS208の判断において可視領域の輝度の平均値が第1の閾値より大きな区画がない場合には、判定部133は、同一撮像範囲に撮像された排出流が溶銑7を有意には含まないスラグ4であると判断する。第2の閾値としては、同一撮像範囲の区画の数や検出精度に応じ、値を適宜設定することができる。なお、警報装置を用いて溶銑7の検出を通知する場合には、表示部135への可視画像の表示が行われなくてもよい。
さらに、上記実施形態では、ステップS212において、可視撮像部12で撮像される可視画像を、可視領域の輝度の平均値が判定基準値Bより大きな区画に色をつけて表示部135に表示するとしたが、本発明はかかる例に限定されない。表示部135に表示する画像は、可視領域の輝度の平均値が判定基準値Bより大きな区画が、それ以外の他の区画と視覚的に識別可能であれば、他の画像処理が施された可視画像であってもよい。また、可視画像の代わりに赤外撮像部11で撮像される赤外線熱画像が表示されてもよい。
さらに、上記実施形態では、ステップS202において、方形の同一撮像範囲を方形の複数の区画に分割するとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、同一撮像範囲及び区画の形状は、方形以外の形状であってもよい。
さらに、上記実施形態では、ステップS204において、区画毎に温度及び輝度の平均値を算出するとしたが、本発明はかかる例に限定されない。演算部132は、温度及び輝度の平均値の代わりに、温度及び輝度の中央値や最大値などを算出して代表値としてもよい。この場合、ステップS204の後の処理では、平均値の代わりに中央値や最大値などが代表値として用いられる。
さらに、上記実施形態では、ステップS206において、温度の平均値を用いて判定基準値Bを算出するとしたが、本発明はかかる例に限定されない。排出流の判定は、可視領域の輝度と温度との相関関係を用いて行われるため、例えば可視領域の輝度の平均値を用いて同様に判定基準値を算出してもよい。この場合、ステップS208では、温度の平均値と判定基準値とを比較することで、排出流を判定することができる。
さらに、上記実施形態では、ステップS206において、(6)式を用いて判定基準値Bを算出したが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、判定基準値Bは、下記の(7)式を用いて算出されてもよい。この場合、(7)式におけるΔβは、上記実施形態と同様に、値Aの小さなデータが除去された残りの蓄積データのうち、排出流がスラグ4のみであると考えられる全てのデータについて、(8)式を満たすように設定される。なお、Δβが大き過ぎると溶銑を検出する感度が低くなるため、Δβは、(8)式を満たしながらも、値が小さくなるように設定されることが好ましい。
B=[αx/xmax+(β+Δβ)]×ymax ・・・(7)
<αx+(β+Δβ) ・・・(8)
(7)式で算出される判定基準値Bを用いる場合、判定基準値Bは、図10に示す無次元温度と無次元輝度とで示されるグラフにおいては、直線Lに対応する。この場合、上記実施形態と同様に、直線Lの上側の領域にあるプロットでは排出流が溶銑7を含む、直線Lの下側の領域または直線L上にあるプロットでは排出流が溶銑7を有意には含まないスラグ4であると判定することができる。
さらに、上記実施形態では、ステップS208の判定において、区画毎に温度の平均値xと可視領域の輝度の平均値yから(4)式によって算出される値Aが上記の所定の閾値以上である場合に、可視領域の輝度の平均値yが判定基準値Bよりも大きいか否かを判定することで、各区画で撮像された排出流が溶銑7を含むか否かを判定するとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、ステップS208では、各区画について、可視領域の輝度の平均値yが判定基準値Bよりも大きく、且つ温度及び可視領域の輝度の少なくとも一方の平均値が閾値よりも大きい場合に、その区画で溶銑を含む排出流が撮像されたと判定されてもよい。この場合、閾値は、排出流と背景とが識別可能な値に設定される。これにより、温度及び可視領域の輝度の少なくとも一方の平均値が閾値よりも小さい区画については、排出流が撮像されていないと判断することができる。また、輝度の平均値が判定基準値B以下となる区画においても、温度及び輝度の少なくとも一方の平均値が閾値よりも大きいか否かを判定することにより、その区画において背景が撮像されたのか、溶銑7を有意には含まないスラグ4の排出流が撮像されたのかを判定することができる。
さらに、上記実施形態では、判定部133は、区画毎にステップS204で算出された温度の平均値x及び可視領域の輝度の平均値yから、閾値を用いた判定で、溶銑を有意には含まないスラグの場合と溶銑を含む場合の2通りで、スラグと溶銑との構成割合を二値化して判定を行うとしたが、本発明はかかる例に限定されない。閾値を用いた2段階の判定に代えて、例えばスラグのみと考えられる排出流において撮像された温度の平均値と可視領域の輝度の平均値との相関関係からの乖離の程度を、温度の平均値x及び可視領域の輝度の平均値yを用いた関数によって、2より多い多段階に評価してもよい。この場合、各区画におけるスラグと溶銑との構成割合をさらに多段階で評価し、表示部134に表示することにより、溶銑の流出の程度をより精密に判断することができる。
<実施形態の効果>
(1)本発明の一態様に係る精錬炉排出流の判定装置1は、溶融金属の精錬炉(例えば、転炉型精錬炉2)から排出される排出流を赤外領域で撮像する赤外撮像部11と、赤外撮像部11で撮像される撮像範囲の少なくとも一部である同一撮像範囲を含む撮像範囲で、排出流を可視領域で撮像する可視撮像部12と、赤外撮像部11で撮像される赤外画像及び可視撮像部12で撮像される可視画像の同一撮像範囲について、同一撮像範囲の複数の区画毎に、赤外画像から得られる温度(赤外線熱画像)または赤外領域の輝度と可視画像から得られる可視領域の輝度との関係に基づいて、区画で撮像された排出流におけるスラグ4と溶融金属(例えば、溶銑7)との構成割合を判定する判定部と、を備える。
上記(1)の構成によれば、赤外画像から得られる温度または赤外領域の輝度と可視画像から得られる可視領域の輝度との関係から、排出流におけるスラグ4と溶融金属との構成割合を区画毎に判定するため、排出流の流量が変動した際にも、主としてスラグを排出する際に混入する部分的に溶融金属、あるいは主として溶融金属を排出する際に部分的に混入するスラグを感度よく検知して、精度よく排出流を判定することができる。また、例えば、赤外撮像部11及び可視撮像部12と排出流との間に煙が発生するような場合においても、赤外画像及び可視画像における温度と輝度とは同様に減少するため、温度と輝度との関係を用いることで精度よく排出流を判定することができる。つまり、上記(1)の構成によれば、煙や流量変動などの外乱が生じる場合でも検出精度が低下することなく、精錬炉からの排出流におけるスラグ4と溶融金属との構成割合を判定することができるようになる。
(2)上記(1)の構成において、赤外撮像部11及び可視撮像部12は、赤外画像及び可視画像を同一のタイミングでそれぞれ連続的に撮像し、判定部133は、撮像された赤外画像と可視画像とに基づいて、同一撮像範囲の複数の区画毎に、構成割合を連続的に判定する。
上記(2)の構成によれば、排出流をリアルタイムに判定することができる。
(3)上記(1)または(2)の構成において、区画毎に、温度または赤外領域の輝度の平均値、及び可視領域の輝度の平均値を算出する演算部132をさらに備え、判定部133は、温度または赤外領域の輝度の平均値と、可視領域の輝度の平均値との関係に基づいて、同一撮像範囲の複数の区画毎に、構成割合を判定する。
上記(3)の構成によれば、簡便な演算処理で排出流の判定を行うためのデータ処理を実施することができる。
(4)上記(1)〜(3)の構成において、判定部133は、複数の区画毎に、区画で撮像された排出流が、溶融金属を含むか否かを判定するか、または、スラグを含むか否かを判定する。
上記(4)の構成によれば、例えば、排出流に溶融金属が含まれるか否かを二値で判定するため、精錬炉からの溶融金属の流出を作業者が容易に認識することができる。
(5)上記(1)〜(4)の構成において、判定部133による判定結果を、可視画像及び赤外画像の少なくともいずれかに重畳させて表示する表示部134をさらに備える。
上記(5)の構成によれば、同一撮像範囲において、例えば排出流に溶銑が含まれる程度を、上記の区画毎の情報よりも細かいメッシュの情報を加味して、作業者が容易に認識することができる。
(6)本発明の一態様に係る精錬炉排出流の判定方法は、溶融金属の精錬炉から排出される排出流を赤外領域で撮像する赤外撮像ステップ(ステップS200)と、赤外撮像ステップで撮像される撮像範囲−の少なくとも一部である同一撮像範囲を含む撮像範囲で、排出流を可視領域で撮像する可視撮像ステップ(ステップS200)と、赤外撮像ステップで撮像される赤外画像及び可視撮像ステップで撮像される可視画像の同一撮像範囲について、同一撮像範囲の複数の区画毎に、赤外画像から得られる温度(赤外線熱画像)または赤外領域の輝度と可視画像から得られる可視領域の輝度との関係に基づいて、区画で撮像された排出流におけるスラグと溶融金属との構成割合を判定する判定ステップ(ステップS206,S208)と、を備える。
上記(6)の構成によれば、(1)の構成と同様な効果を得ることができる。
(7)上記(6)の構成において、溶融金属の精錬炉から排出されるスラグ排出流を赤外領域で撮像し、赤外領域で撮像される撮像範囲の少なくとも一部である同一撮像範囲を含む撮像範囲で、スラグ排出流を可視領域で撮像し、赤外領域で撮像されるスラグ排出流の赤外画像及び可視領域で撮像されるスラグ排出流の可視画像の同一撮像範囲について、スラグ排出流の赤外画像から得られる温度または赤外領域の輝度とスラグ排出流の可視画像から得られる可視領域の輝度とを求めた結果に基づいて、スラグ排出流における温度または赤外領域の輝度と可視領域の輝度との相関関係を予め求め、判定ステップにおいて、相関関係に対する、排出流の温度または赤外領域の輝度と可視領域の輝度との関係の乖離に基づいて、区画で撮像された排出流における溶融金属の構成割合を判定する。
(8)上記(6)または(7)の構成において、排出流が排出される精錬炉が、転炉型精錬炉であり、排出流が、転炉型精錬炉内に溶融金属を保持した状態で炉口からスラグを排出する際に排出されるものであり、判定ステップにおいて、区画で撮像された排出流が、溶融金属を含むか否かを判定する。
上記(7),(8)の構成によれば、例えば、溶銑の予備処理を行う精錬炉での中間排滓時において、精錬炉からの溶融金属の流出を精度よく判定することができる。このため、スラグ排出に伴う溶融金属の歩留り低下を抑えることができる。
(9)上記(6)の構成において、溶融金属の精錬炉から排出される溶融金属排出流を赤外領域で撮像し、赤外領域で撮像される撮像範囲の少なくとも一部である同一撮像範囲を含む撮像範囲で、溶融金属排出流を可視領域で撮像し、赤外領域で撮像される溶融金属排出流の赤外画像及び可視領域で撮像される溶融金属排出流の可視画像の同一撮像範囲について、溶融金属排出流の赤外画像から得られる温度または赤外領域の輝度と溶融金属排出流の可視画像から得られる可視領域の輝度とを求めた結果に基づいて、溶融金属排出流における温度または赤外領域の輝度と可視領域の輝度との相関関係を予め求め、判定ステップにおいて、相関関係に対する、排出流の温度または赤外領域の輝度と可視領域の輝度との関係の乖離に基づいて、区画で撮像された排出流におけるスラグの構成割合を判定する。
上記(9)の構成によれば、例えば、精錬炉から精錬処理後の溶融金属を排出する際において、精錬炉からのスラグの流出を精度よく判定することができる。このため、精錬炉以降の次工程へのスラグの流出を抑えることができる。
(10)本発明の一態様に係る溶融金属の精錬方法は、溶融金属の精錬炉内に溶融金属を保持した状態で、精錬炉を傾動させて、精錬炉の炉口または排出口からスラグを排出する際に、上記(6)〜(8)のいずれかの構成の精錬炉排出流の判定方法を用いて、精錬炉から排出される排出流について、区画で撮像された排出流における溶融金属の構成割合を判定した結果に基づいて、精錬炉の傾動角度を調整する調整ステップを備える。
上記(10)の構成によれば、精錬炉からの排出流におけるスラグ4と溶融金属との構成割合を精度よく判定でき、その判定結果から精錬炉の傾動角度を調整する。このため、例えば、精錬炉からスラグ4を排出する際には、精錬炉からの溶融金属の流出を抑えながらも、従来に比べスラグ4の排出量を増大させることができる。また、精錬炉が溶融金属として溶鉄を精錬する転炉型精錬炉2である場合、転炉型精錬炉2の炉口22は、本来、溶銑7や媒溶材を装入するために形成されたものであるため、スラグ4を安定して排出するのには不向きである。このため、炉口22からの排出流は、出湯口23からの排出流に比べ、排出流の流量が変動し易くなる。しかし、上記(10)の構成によれば、このような精錬処理においても、精度良く排出流を判定してスラグの排出を制御することができる。
1 判定装置
11 赤外撮像部
12 可視撮像部
13 解析用コンピュータ
131 分割部
132 演算部
133 判定部
134 表示部
2 転炉型精錬炉
21 羽口
22 炉口
23 出湯口
3 ランス
4 スラグ
5 冷鉄源
6 装入鍋
7 溶銑

Claims (10)

  1. 溶融金属の精錬炉から排出される排出流を赤外領域で撮像する赤外撮像部と、
    前記赤外撮像部で撮像される撮像範囲の少なくとも一部である同一撮像範囲を含む撮像範囲で、前記排出流を可視領域で撮像する可視撮像部と、
    前記赤外撮像部で撮像される赤外画像及び前記可視撮像部で撮像される可視画像の前記同一撮像範囲について、前記同一撮像範囲の複数の区画毎に、前記赤外画像から得られる温度または前記赤外領域の輝度と前記可視画像から得られる前記可視領域の輝度との関係に基づいて、前記区画で撮像された前記排出流におけるスラグと溶融金属との構成割合を判定する判定部と、
    を備えることを特徴とする精錬炉排出流の判定装置。
  2. 前記赤外撮像部及び前記可視撮像部は、前記赤外画像及び前記可視画像を同一のタイミングでそれぞれ連続的に撮像し、
    前記判定部は、撮像された前記赤外画像と前記可視画像とに基づいて、前記同一撮像範囲の複数の区画毎に、前記構成割合を連続的に判定することを特徴とする請求項1に記載の精錬炉排出流の判定装置。
  3. 前記区画毎に、前記温度または前記赤外領域の輝度の平均値、及び前記可視領域の輝度の平均値を算出する演算部
    をさらに備え、
    前記判定部は、前記温度または前記赤外領域の輝度の平均値と、前記可視領域の輝度の平均値との関係に基づいて、前記同一撮像範囲の複数の区画毎に、前記構成割合を判定することを特徴とする請求項1または2に記載の精錬炉排出流の判定装置。
  4. 前記判定部は、複数の前記区画毎に、前記区画で撮像された前記排出流が、溶融金属を含むか否かを判定するか、または、スラグを含むか否かを判定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の精錬炉排出流の判定装置。
  5. 前記判定部による判定結果を、前記可視画像及び前記赤外画像の少なくともいずれかに重畳させて表示する表示部をさらに備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の精錬炉排出流の判定装置。
  6. 溶融金属の精錬炉から排出される排出流を赤外領域で撮像する赤外撮像ステップと、
    前記赤外撮像ステップで撮像される撮像範囲−の少なくとも一部である同一撮像範囲を含む撮像範囲で、前記排出流を可視領域で撮像する可視撮像ステップと、
    前記赤外撮像ステップで撮像される赤外画像及び前記可視撮像ステップで撮像される可視画像の前記同一撮像範囲について、前記同一撮像範囲の複数の区画毎に、前記赤外画像から得られる温度または前記赤外領域の輝度と前記可視画像から得られる前記可視領域の輝度との関係に基づいて、前記区画で撮像された前記排出流におけるスラグと溶融金属との構成割合を判定する判定ステップと、
    を備えることを特徴とする精錬炉排出流の判定方法。
  7. 前記溶融金属の精錬炉から排出されるスラグ排出流を前記赤外領域で撮像し、前記赤外領域で撮像される撮像範囲の少なくとも一部である同一撮像範囲を含む撮像範囲で、前記スラグ排出流を前記可視領域で撮像し、前記赤外領域で撮像される前記スラグ排出流の赤外画像及び前記可視領域で撮像される前記スラグ排出流の可視画像の前記同一撮像範囲について、前記スラグ排出流の前記赤外画像から得られる温度または前記赤外領域の輝度と前記スラグ排出流の前記可視画像から得られる前記可視領域の輝度とを求めた結果に基づいて、前記スラグ排出流における前記温度または前記赤外領域の輝度と前記可視領域の輝度との相関関係を予め求め、
    前記判定ステップにおいて、前記相関関係に対する、前記排出流の前記温度または前記赤外領域の輝度と前記可視領域の輝度との前記関係の乖離に基づいて、前記区画で撮像された前記排出流における溶融金属の構成割合を判定することを特徴とする請求項6に記載の精錬炉排出流の判定方法。
  8. 前記排出流が排出される前記精錬炉が、転炉型精錬炉であり、
    前記排出流が、前記転炉型精錬炉内に溶融金属を保持した状態で炉口からスラグを排出する際に排出されるものであり、
    前記判定ステップにおいて、前記区画で撮像された前記排出流が、溶融金属を含むか否かを判定することを特徴とする請求項6または請求項7に記載の精錬炉排出流の判定方法。
  9. 前記溶融金属の精錬炉から排出される溶融金属排出流を前記赤外領域で撮像し、前記赤外領域で撮像される撮像範囲の少なくとも一部である同一撮像範囲を含む撮像範囲で、前記溶融金属排出流を前記可視領域で撮像し、前記赤外領域で撮像される前記溶融金属排出流の赤外画像及び前記可視領域で撮像される前記溶融金属排出流の可視画像の前記同一撮像範囲について、前記溶融金属排出流の前記赤外画像から得られる温度または前記赤外領域の輝度と前記溶融金属排出流の前記可視画像から得られる前記可視領域の輝度とを求めた結果に基づいて、前記溶融金属排出流における前記温度または前記赤外領域の輝度と前記可視領域の輝度との相関関係を予め求め、
    前記判定ステップにおいて、前記相関関係に対する、前記排出流の前記温度または前記赤外領域の輝度と前記可視領域の輝度との前記関係の乖離に基づいて、前記区画で撮像された前記排出流におけるスラグの構成割合を判定することを特徴とする請求項6に記載の精錬炉排出流の判定方法。
  10. 溶融金属の精錬炉内に前記溶融金属を保持した状態で、前記精錬炉を傾動させて、前記精錬炉の炉口または排出口からスラグを排出する際に、
    請求項6〜8のいずれか1項に記載の精錬炉排出流の判定方法を用いて、
    前記精錬炉から排出される排出流について、前記区画で撮像された前記排出流における溶融金属の構成割合を判定した結果に基づいて、前記精錬炉の傾動角度を調整する調整ステップを備えることを特徴とする溶融金属の精錬方法。
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