JP5786803B2 - 高炉出銑口径測定方法、高炉出銑口径測定システム、及びコンピュータプログラム - Google Patents
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Description
したがって、出銑作業中は出銑口径の状況を常に監視しておくことが高炉の安定操業を維持する上で重要である。
具体的に特許文献2に記載の技術では、異なる時間に撮像された出銑流の2枚の熱画像の差分絶対値画像を生成し、生成した差分絶対値画像を2値化して2値化画像を生成する。このような2値化画像を異なる時間の組み合わせで複数枚生成し、得られた複数枚の2値化画像を加算する。すなわち、複数枚の2値化画像の相互に対応する画素の画素値(「1」又は「0」)の論理和をとる(複数枚の2値化画像の相互に対応する画素の画素値の少なくとも1つが「1」であるならば当該画素の画素値を「1」とし、そうでないならば当該画素の画素値を「0」とする)。そして、周囲の画素値が「1」となる画素値が「0」の画素値を「1」にする穴埋め処理を行う。このようにして得られた画像内の所定の位置を通り、且つ、出銑流の移動方向として予め想定される方向に対して直交する方向に沿う直線上の、画素値が「1」の画素の数を計数し、計数した画素の数を実空間における長さに変換し、その長さを出銑流の直径として求める。特許文献2に記載の技術では、出銑流の直径を出銑口径とみなし、求めた出銑流の直径を出銑口径として採用する。
しかしながら、出銑流は、出銑口から乱流として噴出されるので、その表面が常に波打っている(以下の説明では、この「出銑流の表面の波打っている部分」を必要に応じて「表面波」と称する)。この表面波の大きさや形状等の状態は、出銑を開始してからの時間の経過と共に変化する(出銑時間は2[hour]〜3[hour]である)。したがって、特許文献2に記載の技術では、表面波が存在している状態の出銑流の画像を撮像した場合、得られる出銑流の直径は、出銑口径に表面波による膨らみを加えた量となり、一定ではない表面波の影響を受けたものとなる。よって、出銑口径を正確に測定することができない虞がある。
<高炉出銑口径測定システム>
図1は、高炉出銑口径測定システムの構成の一例を示す図である。尚、図1では、高炉1全体のうち、出銑口1a付近の一部分のみを示している。
図1において、本実施形態の高炉出銑口径測定システムは、出銑口1aから流出した出銑流2の熱画像(熱放射輝度の2次元分布)を撮像するCCDカメラ6と、CCDカメラ6で撮像された熱画像を処理する画像処理装置7とを有する。
また、出銑流2を鮮明に捉えるために、撮像された画像の分解能を2[mm]以下にするのが好ましい。
ところで、CCDカメラでは、0.4[μm]〜0.8[μm]程度の波長帯域の光についてのみ受光感度があり、しかもこの波長帯域内での受光感度は一定ではなく、特有の分光感度特性を有している。そこで、一定の狭い波長を有する光のみを透過する波長選択フィルタをCCDカメラ6に取り付けるようにするのが好ましい。具体的に本実施形態では、中心透過波長が0.65[μm]の光学バンドパスフィルタを波長選択フィルタとして、CCDカメラ6に取り付けた。
図2に示す熱画像200において、出銑流の表面に表面波210(波打っている部分)が写し出されており、また、出銑流2の下方には、滞留スラグ220が写し出されている。また、熱画像200における出銑流の直径Dは、熱画像200に写し出された出銑流の、当該出銑流の噴出方向に対して垂直な方向の長さとなる。
本実施形態では、CCDカメラ6は、出銑口1aから流出した出銑流2の熱画像を1[sec]の撮像間隔で4枚又は5枚撮像することを、30[sec]の周期で周期的に行うものとする。
そこで、本実施形態では、以上のようにして構成されたCCDカメラ6により撮像された出銑流2の熱画像を、以下のようにして処理することにより、出銑流2の熱画像から、表面波の影響が除去された出銑流の直径Dを導出し、出銑口径に近い出銑流の直径Dを導出できるようにした。以下に、かかる処理を行う画像処理装置7について説明する。
図4は、画像処理装置7の機能的な構成の一例を示す図である。画像処理装置7のハードウェアは、例えば、CPU、ROM、RAM、HDD、及び各種のインターフェースを備えたコンピュータを用いることにより実現することができる。図5、図6は、画像処理装置7で行われる処理の概念の一例を説明する図である。
熱画像入力部401は、前述したようにしてCCDカメラ6で撮像された出銑流2の熱画像のデータを入力して記憶する。本実施形態では、CCDカメラ6で撮像された出銑流2の熱画像には、出銑口1aが写し出されていないものとする。
本実施形態では、CCDカメラ6により、出銑流2の熱画像が得られる度に、CCDカメラ6から画像処理装置7(熱画像入力部401)に当該出銑流2の熱画像のデータが送信されるものとする。ただし、熱画像入力部401は、必ずしもこのようにして出銑流2の熱画像のデータを入力する必要はない。例えば、熱画像入力部401は、CCDカメラ6に、出銑流2の熱画像のデータの取得を要求し、この要求に応じて、CCDカメラ6が、出銑流2の熱画像のデータを、画像処理装置7(熱画像入力部401)に送信してもよい。
熱画像入力部401は、例えば、CPUが、CCDカメラ6から通信インターフェースを介して熱画像のデータを入力してHDD等に格納することにより実現される。
2値化画像生成部402は、熱画像入力部401により、出銑流2の直径Dを1つ求めるために必要な複数枚の熱画像のデータが入力されると、それら複数枚の熱画像のデータの夫々に対して、2値化処理を行う。ここでは、2値化処理により、熱画像において、撮像対象となる出銑流2の背景となっている暗い領域と、温度が高温であることにより発光している出銑流2の領域とを分離する。したがって、これらの領域が分離されるように(すなわち、出銑流2の領域の画素値が「1」、背景となっている領域の画素値が「0」となるように)、2値化処理における閾値を定める必要がある。
図7において、出銑流2の背景となっている領域に対応する濃度分布(背景濃度分布701)と、出銑流2の領域に対応する濃度分布(溶銑の領域に対応する濃度分布(溶銑濃度分布702)及び溶融スラグの領域に対応する濃度分布(スラグ濃度分布703))と、を分離するためには、背景濃度分布701と、溶銑濃度分布702との間に生じている谷間(画素数が0(ゼロ)に近い値を示す領域)の画素濃度の範囲内で閾値を設定すればよい。図7に示す例では、出銑流2の熱画像の最高濃度の0.21倍以上、0.40倍以下(出銑流2の熱画像の最高濃度×0.21〜出銑流2の熱画像の最高濃度×0.40)の範囲(図7に示す2値化閾値範囲)であれば、熱画像において、出銑流2の背景となっている領域と、出銑流2の領域とを分離することができる。本発明者らは、このような出銑流2の熱画像の濃度ヒストグラムを、出銑流2の状態が様々な状態であるときの複数枚の出銑流2の熱画像について作成し、作成した濃度ヒストグラムから、適切な2値化閾値範囲がどの範囲になるのかを調査した。その結果、出銑流2の熱画像の最高濃度の0.27倍以上、0.38倍以下(出銑流2の熱画像の最高濃度×0.27〜出銑流2の熱画像の最高濃度×0.38)の範囲で2値化処理の閾値を設定すれば、熱画像において、出銑流2の背景となっている領域と、出銑流2の領域とを常に安定して分離する2値化処理を行えることを見出した。
2値化画像生成部402は、画素値が閾値以上の画素の画素値を「1」とし、画素値が閾値未満の画素の画素値を「0」とすることを、熱画像入力部401により入力された複数枚の熱画像のデータのそれぞれについて行うことにより2値化画像を生成する。例えば、図5に示す熱画像Org.1〜Org.4からは2値化画像Bin.1〜Bin.4が生成され、図6に示す熱画像Org.1〜Org.5からは2値化画像Bin.1〜Bin.5が生成される。
2値化画像生成部402は、例えば、CPUが、HDD等から、熱画像のデータを読み出して2値化画像を作成し、そのデータをRAM等に記憶することにより実現される。
差分2値化画像生成部403は、2値化画像生成部402により生成された2値化画像であって、時間的に連続する2枚の2値化画像の相互に対応する画素の画素値の絶対値差分をとることを、それら2値化画像の全ての画素について行って、差分2値化画像を生成する。すなわち、差分2値化画像生成部403は、時間的に連続する2枚の2値化画像の相互に対応する画素の画素値が異なれば、当該画素の画素値が「1」となり、時間的に連続する2枚の2値化画像の相互に対応する画素の画素値が同じであれば、当該画素値の画素値が「0」となる画像である差分2値化画像を生成する。
差分2値化画像生成部403は、例えば、CPUが、RAM等から、2値化画像のデータを読み出して差分2値化画像を作成し、そのデータをRAM等に記憶することにより実現される。
合成差分2値化画像生成部404は、差分2値化画像生成部403により生成された複数枚の差分2値化画像の相互に対応する画素の画素値の論理和をとることを、それら複数枚の差分2値化画像の全ての画素について行って、合成差分2値化画像を生成する。すなわち、合成差分2値化画像生成部404は、差分2値化画像生成部403により生成された複数枚の差分2値化画像の相互に対応する画素の画素値の少なくとも1つが「1」であるならば当該画素の画素値を「1」とし、そうでなければ当該画素の画素値を「0」として差分2値化画像を生成する。
例えば、図5に示す差分2値化画像Dif.1〜Dif.3から合成差分2値化画像Addが生成され、図6に示す差分2値化画像Dif.1〜Dif.4から合成差分2値化画像Addが生成される。
合成差分2値化画像生成部404は、例えば、CPUが、RAM等から、差分2値化画像のデータを読み出して合成差分2値化画像を作成し、そのデータをRAM等に記憶することにより実現される。
出銑口径導出部405は、合成差分2値化画像生成部404により生成された合成差分2値化画像から、実際の出銑流2の直径Dを、出銑口径(出銑口1aの口径)として導出する。
図8は、出銑流2の直径Dを導出する方法の概念の一例を説明する図である。図8を参照しながら、出銑口径導出部405の処理の一例の詳細を説明する。
また、本実施形態では、始点801の位置は、図8に示すように、合成差分2値化画像Addの左下の位置を原点としたときのx軸の座標とy軸の座標で表されるものとする。ここで、x軸の座標は、合成差分2値化画像Addの横方向の座標であり、y軸の座標は、合成差分2値化画像Addの縦方向の座標である。
L=Lup+Ldown ・・・(1)
D=L×cosθ ・・・(2)
図8に示すように、出銑流2の空中での移動方向(図8の噴出方向)は、x軸に平行(水平方向)ではない。したがって、(2)式の計算を行うことにより、始点801を通り、且つ、出銑流2の空中での移動方向(図8の噴出方向)に対して直交する直線に沿う方向における、表面波を示す領域の間の距離(画素数)を、合成差分2値化画像Addにおける出銑流2の直径Dとして得ることができる。
次に、出銑口径導出部405は、合成差分2値化画像Addにおける出銑流2の直径Dを実空間における長さに換算することで、実際の出銑流2の直径Dを導出する。CCDカメラ6の被写体距離と画角とに基づいて、合成差分2値化画像Addの1画素の実空間における長さを予め求めておき、その長さを、例えば、オペレータによる画像処理装置7の操作に基づいて、画像処理装置7に予め設定しておくことで、前述した換算を行うことができる。
出銑口径導出部405は、例えば、CPUが、HDD等から、合成差分2値化画像を読み出して実際の出銑流2の直径Dを導出し、そのデータをHDD等に記憶することにより実現される。
出銑口径出力部406は、出銑口径導出部405により導出された実際の出銑流2の直径Dを出銑口径(出銑口1aの口径)として出力する。出銑口径の出力の形態としては、例えば、表示装置に対する表示、可搬型の記憶媒体への記憶、及び外部装置への送信の少なくとも何れか1つが挙げられる。
出銑口径出力部406は、例えば、CPUが、HDD等から、実際の出銑流2の直径Dのデータを読み出して、表示データを作成する等の出力処理を行うことにより実現される。
次に、図9のフローチャートを参照しながら、画像処理装置7の処理動作の一例を説明する。
まず、ステップS901において、熱画像入力部401は、CCDカメラ6で撮像された出銑流2の熱画像のデータを入力する(図5に示す熱画像Org.1〜Org.4、図6に示す熱画像Org.1〜Org.5を参照)。
次に、ステップS902において、2値化画像生成部402は、熱画像入力部401により、出銑流2の直径Dを1つ求めるために必要な複数枚の熱画像のデータが入力されたか否かを判定する。この判定の結果、出銑流2の直径Dを1つ求めるために必要な複数枚の熱画像のデータが入力されていない場合には、ステップS901に戻り、出銑流2の直径Dを1つ求めるために必要な複数枚の熱画像のデータが入力されるまで、ステップS901、S902の処理を繰り返し行う。
次に、ステップS904において、差分2値化画像生成部403は、ステップS903で生成された複数枚の2値化画像であって、時間的に連続する2枚の2値化画像から、差分2値化画像を生成する(図5に示す差分2値化画像Dif.1〜Dif.3、図6に示す差分2値化画像Dif.1〜Dif.4を参照)。
次に、ステップS905において、出銑口径導出部405は、ステップS905で生成された合成差分2値化画像から、実際の出銑流2の直径Dを導出する。前述したように、本実施形態では、実際の出銑流2の直径Dの導出に際して、始点801の設定と、始点表面波間上方向距離Lup、始点表面波間下方向距離Ldown、及び表面波間縦方向距離Lの導出と、合成差分2値化画像Addにおける出銑流2の直径Dの導出と、実際の出銑流2の直径Dへの換算とが行われる。
次に、ステップS908において、画像処理装置7は、出銑口径の測定を終了するか否かを判定する。この判定は、例えば、オペレータによる画像処理装置7の操作の内容に基づいて行われる。
この判定の結果、出銑口径の測定を終了しない場合には、ステップS901に戻る。前述したように本実施形態では、CCDカメラ6は、出銑流2の熱画像を1[sec]の撮像間隔で4枚又は5枚撮像することを、30[sec]の周期で周期的に行う。よって、ステップS901に戻った場合、熱画像入力部401は、出銑流2の熱画像のデータの前回の入力時刻から、30[sec]が経過すると、次の出銑流2の熱画像のデータを入力することになる。
一方、出銑口径の測定を終了する場合には、図9のフローチャートによる処理を終了する。
次に、本発明の実施例を説明する。
ここでは、出銑口1aから噴出する出銑流2(約1550[℃]の溶銑と溶融スラグの混合液体)を、中心透過波長が650[nm]の光学バンドパスフィルタを波長選択フィルタとして備えたモノクロCCDカメラで撮像した。また、モノクロCCDカメラの露光時間を1/10000[sec]とした。このようなモノクロCCDカメラにより、出銑流2の熱画像を1[sec]の撮像間隔で5枚撮像することを、30[sec]を1周期として周期的に繰り返し、約2[hour]に亘って出銑口1aから噴出する出銑流2を撮像した。
一方、図10(b)に示すように、特許文献2に記載の手法を用いると、経過時間の原点における出銑口径は、開孔機のドリル径よりも明らかに大きく、且つ、出銑口径の値のバラツキが全体的に大きい。特許文献2に記載の技術では、表面波の影響で不規則に膨張した出銑流2の直径をそのまま測定しているからである。
図11は、特許文献2に記載の技術で出銑流2の直径を導出する方法の概念の一例を説明する図である。
図11(a)、図11(b)は、CCDカメラ6により撮像された出銑流2の熱画像を示す図であり、それぞれ図6に示した熱画像Org.4、Org.5である。前述したように、特許文献2に記載の技術では、熱画像Org.4、Org.5の絶対値差分をとる。すなわち、熱画像Org.4、Org.5の相互に対応する画素の画素値の差分の絶対値が当該画素の画素値となる画像である差分絶対値画像を生成する。図11(c)は、このようにして生成された差分絶対値画像を示す図である。図11(c)に示すように、差分絶対値画像では、表面波の部分の変化だけでなく、溶銑と溶融スラグの輝度差に起因して生じる出銑流2のまだら模様の変化も抽出される。
図12において、領域1201、1203は、表面波の部分の変化に対応する領域であり、領域1202は、溶銑と溶融スラグの輝度差に起因して生じる出銑流2のまだら模様の変化に対応する領域である。
図12に示すように、表面波の部分の変化に対応する濃度と、出銑流2のまだら模様の変化に対応する濃度とが同程度であることから、差分絶対値画像を2値化することにより、表面波の部分だけを抽出することができない。このように特許文献2に記載の技術では、差分絶対値画像を求め、差分絶対値画像を2値化しているので、表面波の部分だけを抽出することができない。これに対し、本実施形態では、差分2値化画像により、高速で形状が変化する表面波の部分だけを抽出することができる(図5に示す差分2値化画像Dif.1〜Dif.3と図6に示す差分2値化画像Dif.1〜Dif.4の白い領域を参照)。
以上のように本実施形態では、一定の撮像間隔で撮像された複数枚の出銑流2の熱画像Orgのそれぞれを2値化して2値化画像Binを生成し、生成した2値化画像Binのうち、時間的に連続する2枚の2値化画像Binの絶対値差分をとって差分2値化画像Difを生成し、生成した差分2値化画像Difを用いて、出銑流2の直径Dを出銑口径として導出した。したがって、表面波(出銑流2の表面の波打っている部分)の部分を抽出することができ、この部分を除いた状態で出銑流2の直径Dを出銑口径として導出することができる。よって、の表面が波打っている状態の出銑流2の熱画像から、出銑口径を正確に測定することができる。そして、このような出銑口径の測定をリアルタイムで連続的に測定することにより、出銑口径の変化(拡大)を迅速に且つ正確に把握することが可能になる。これにより、出銑口径が拡大する様子(出銑口径の大きさ、拡大率(単位時間あたりに拡大する出銑口径の増分))から、出銑が終了するタイミングの判断を的確に行うことができるようになり、高炉の操業をより安定して行うことが可能になる。
本実施形態では、時間的に連続する2枚の2値化画像Binの絶対値差分をとって差分2値化画像Difを生成する場合を例に挙げて説明した。しかしながら、必ずしも時間的に連続する2枚の2値化画像Binで差分2値化画像Difを生成する必要はない。連続的に撮像された、すなわち、表面波の様子が大きく変化しない時間内で撮像された複数枚の熱画像Orgを用いて生成された複数枚の2値化画像Binを用いる組み合わせであれば、差分2値化画像Difを生成するための2枚の2値化画像Binの組み合わせは限定されない。このとき、連続的に撮像された複数枚の熱画像Orgを用いて生成された複数枚の2値化画像Binの全てを少なくとも一度は用いる組み合わせとしてもよいし、当該複数枚の2値化画像Binの一部を用いる組み合わせとしてもよい。例えば、図5において、2値化画像Bin.1とBin.3、Bin.2とBin.3、Bin.2とBin.4といった、異なる時間に撮像された2枚の2値化画像Binの異なる組み合わせで差分2値化画像Difを求めても良い。
このような場合には、例えば、出銑流2の直径Dの測定を行わずに、表面波間縦方向距離Lを求めることができる差分2値化画像Difが得られたときに出銑流2の直径Dの測定を行うようにすることができる。出銑口径の測定は、オペレータが監視できる間隔で行えればよく、それほど短い時間隔で行う必要はないので、出銑口径の測定周期を短くすれば(すなわち、出銑口径の測定周期を、オペレータが出銑口径の情報を必要とする時間隔よりも短くすれば)このようにしても実用上、大きな問題は生じない。
また、以上説明した本発明の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
1a 出銑口
2 出銑流
3 出銑樋
4 滞留スラグ
5 樋カバー
6 CCDカメラ
7 画像処理装置
401 熱画像入力部
402 2値化画像生成部
403 差分2値化画像生成部
404 合成差分2値化画像生成部
405 出銑口径導出部
406 出銑口径出力部
Claims (9)
- 高炉に形成された出銑口から流出した溶融物の噴流である出銑流の直径を、当該出銑口の口径として測定する高炉出銑口径測定方法であって、
前記出銑流を含む領域の熱放射輝度の2次元分布を、当該熱放射輝度に対応する画素毎の画素値を持つ各画素から構成される熱画像として撮像する撮像工程と、
前記撮像工程により連続的に撮像された複数枚の前記熱画像のそれぞれの画素値を2値化して複数枚の2値化画像を生成する2値化画像生成工程と、
前記2値化画像生成工程により生成された複数枚の2値化画像のうち、異なる時間に撮像された2枚の前記熱画像に基づいて生成された2枚の2値化画像に基づいて、当該2枚の2値化画像の相互に対応する画素の画素値の差分の絶対値を画素値として有する差分2値化画像を生成する差分2値化画像生成工程と、
前記差分2値化画像生成工程により生成された差分2値化画像を用いて、当該差分2値化画像における前記出銑流の直径を導出し、当該差分2値化画像における前記出銑流の直径から、前記出銑口の口径を導出する出銑口径導出工程と、を有することを特徴とする高炉出銑口径測定方法。 - 前記差分2値化画像生成工程により導出された複数枚の差分2値化画像のそれぞれの相互に対応する画素の画素値の論理和を画素値として有する合成差分2値化画像を生成する合成差分2値化画像生成工程を有し、
前記撮像工程は、前記熱画像を連続的に3枚以上撮像し、
前記2値化画像生成工程は、前記3枚以上の熱画像に基づいて3枚以上の前記2値化画像を生成し、
前記差分2値化画像生成工程は、前記3枚以上の2値化画像に基づいて2枚以上の前記差分2値化画像を生成し、
前記出銑口径導出工程は、前記合成差分2値化画像生成工程により導出された合成差分2値化画像に基づいて、当該合成差分2値化画像における前記出銑流の直径を導出することを特徴とする請求項1に記載の高炉出銑口径測定方法。 - 前記2値化画像生成工程は、前記熱画像の最高濃度の0.27倍以上、0.38倍以下の範囲の中から設定された閾値に基づいて、前記撮像工程により連続的に撮像された複数枚の熱画像のそれぞれの画素値を2値化することを特徴とする請求項1又は2に記載の高炉出銑口径測定方法。
- 前記撮像工程は、1[msec]以下の露光時間で前記熱画像を撮像することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の高炉出銑口径測定方法。
- 高炉に形成された出銑口から流出した溶融物の噴流である出銑流の直径を、当該出銑口の口径として測定する高炉出銑口径測定システムであって、
前記出銑流を含む領域の熱放射輝度の2次元分布を、当該熱放射輝度に対応する画素毎の画素値を持つ各画素から構成される熱画像として撮像する撮像手段と、
前記撮像手段により連続的に撮像された複数枚の前記熱画像のそれぞれの画素値を2値化して複数枚の2値化画像を生成する2値化画像生成手段と、
前記2値化画像生成手段により生成された複数枚の2値化画像のうち、異なる時間に撮像された2枚の前記熱画像に基づいて生成された2枚の2値化画像に基づいて、当該2枚の2値化画像の相互に対応する画素の画素値の差分の絶対値を画素値として有する差分2値化画像を生成する差分2値化画像生成手段と、
前記差分2値化画像生成手段により生成された差分2値化画像を用いて、当該差分2値化画像における前記出銑流の直径を導出し、当該差分2値化画像における前記出銑流の直径から、前記出銑口の口径を導出する出銑口径導出手段と、を有することを特徴とする高炉出銑口径測定システム。 - 前記差分2値化画像生成手段により導出された複数枚の差分2値化画像のそれぞれの相互に対応する画素の画素値の論理和を画素値として有する合成差分2値化画像を生成する合成差分2値化画像生成手段を有し、
前記撮像手段は、前記熱画像を連続的に3枚以上撮像し、
前記2値化画像生成手段は、前記3枚以上の熱画像に基づいて3枚以上の前記2値化画像を生成し、
前記差分2値化画像生成手段は、前記3枚以上の2値化画像に基づいて2枚以上の前記差分2値化画像を生成し、
前記出銑口径導出手段は、前記合成差分2値化画像生成手段により導出された合成差分2値化画像に基づいて、当該合成差分2値化画像における前記出銑流の直径を導出することを特徴とする請求項5に記載の高炉出銑口径測定システム。 - 前記2値化画像生成手段は、前記熱画像の最高濃度の0.27倍以上、0.38倍以下の範囲の中から設定された閾値に基づいて、前記撮像手段により連続的に撮像された複数枚の熱画像のそれぞれの画素値を2値化することを特徴とする請求項5又は6に記載の高炉出銑口径測定システム。
- 前記撮像手段は、1[msec]以下の露光時間で前記熱画像を撮像することを特徴とする請求項5〜7の何れか1項に記載の高炉出銑口径測定システム。
- 高炉に形成された出銑口から流出した溶融物の噴流である出銑流の直径を、当該出銑口の口径として測定することをコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、
前記出銑流を含む領域の熱放射輝度の2次元分布を、当該熱放射輝度に対応する画素毎の画素値を持つ各画素から構成される熱画像として撮像する撮像手段により連続的に撮像された複数枚の前記熱画像のそれぞれの画素値を2値化して複数の2値化画像を生成する2値化画像生成手段と、
前記2値化画像生成手段により生成された複数枚の2値化画像のうち、異なる時間に撮像された2枚の前記熱画像に基づいて生成された2枚の2値化画像に基づいて、当該2枚の2値化画像の相互に対応する画素の画素値の差分の絶対値を画素値として有する差分2値化画像を生成する差分2値化画像生成手段と、
前記差分2値化画像生成手段により生成された差分2値化画像を用いて、当該差分2値化画像における前記出銑流の直径を導出し、当該差分2値化画像における前記出銑流の直径から、前記出銑口の口径を導出する出銑口径導出手段と、してコンピュータを機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
Priority Applications (1)
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