JP4238165B2 - 高炉出銑孔の銑滓流出径の測定方法 - Google Patents

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本発明は、高炉出銑孔の銑滓流出径の測定方法に係り、更に詳細には高炉出銑孔から噴出する銑滓流の流出径を求め、例えば、銑滓の出銑終了時刻を予測する高炉出銑孔の銑滓流出径の測定方法に関する。
高炉出銑孔は、高炉炉内で生成した銑滓を、炉内に大量に蓄積させることなく、炉外に排出するものである。ここで、銑滓を炉外に排出するとき、開孔機の先端に取付けた錐(きり)を用いて、出銑孔に充填された耐火物(以下、マッド材ともいう)の開孔作業を行っている。この方法で、出銑孔を開孔した後は、炉内で生成した銑滓を出銑孔から炉外へ排出する。
出銑開始後2〜4時間が経過すると、出銑孔から炉外へ排出される銑滓量が、炉内で生成する銑滓量に対して多くなり始める。そして、炉内の貯留銑滓量が減少し、銑滓の上面が出銑孔よりも下方になった後は、銑滓と同時に炉内ガスが出銑孔から炉外へ噴出され始める。
このように、炉内ガスが出銑孔から炉外へ噴出した場合、出銑孔に対して閉塞機からマッド材を充填し、出銑孔を閉塞する作業(閉塞作業)を行う。ここで、炉内ガスが大量に炉外へ噴出される場合には、閉塞作業を行うことが困難になり、この作業を行う作業者の危険を招く。一方、生成した銑滓が炉内に大量に貯留されるトラブルが生じた場合、炉内通気性が悪化し、炉内装入物の荷下がりや還元の異常が生じ、炉熱低下に至るため、生産量の大幅低下に繋がる。
従って、出銑滓作業は、炉内の残銑滓量を推定しながら、適切なタイミング且つ適切な条件で、出銑孔の開孔作業又は閉塞作業を行い、炉内に銑滓が貯留しないように、銑滓の排出を促進させる必要がある。
そこで、例えば、特許文献1には、出銑孔径を測定することで出銑孔の状態を把握し、銑滓の排出を促進させる方法が提案されている。これは、予め設置したライン上の輝度分布を画像処理により測定し、予め設定した輝度以上の連なった直線部分の長さを出銑孔径と判断して、この出銑孔径が予め設定した直径以下となったときに、出銑孔に詰まりが生じたことを検知する方法である。
また、特許文献2には、銑滓の排出を促進させるため、出銑終了時刻を予測する方法が提案されている。これは、出銑孔から排出される溶銑と溶滓の全流出体積速度の変化率と、操業条件とから求められる造滓量に基づき、出銑終了時刻の推定を行うものであり、これにより、適切なタイミングで出銑孔の開孔作業又は閉塞作業を行うことができ、高炉の操業安定化と作業負荷の軽減を図ることができる。
特開平9−209013号公報 特開2001−40405号公報
しかしながら、特許文献1の方法で出銑孔径を測定する場合、銑滓の出銑中に銑滓が出銑孔直下に垂れて高炉の壁面に付着するため、画像処理などによって、出銑孔が実際よりも拡大又は縮小して算出される場合があり、正確な出銑孔径を求めることが難しい。従って、正確な出銑孔径を測定することができず、出銑孔の状態を把握できないため、銑滓の排出に、炉前作業者の判断が必要であった。
また、特許文献2の方法では、溶銑と溶滓の全流出体積速度を、溶銑及び溶滓をそれぞれ秤量器で測定して求める。この溶滓の秤量測定は、溶滓を水砕として処理する場合がほとんどであり、水砕に含まれる水分の違いや、出銑孔から水砕設備までの移動時間の差から、その重量をリアルタイムで正確に測定することが困難である。従って、銑滓流出速度もリアルタイムで正確に測定することが困難であり、出銑終了時刻の予測精度を高めることが困難であった。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、高炉出銑孔から噴出する出銑滓流の流出径を従来よりも精度よく測定し、作業性よく経済的に出銑孔の開孔作業又は閉塞作業を行うことが可能な高炉出銑孔の銑滓流出径の測定方法を提供することを目的とする。
前記目的に沿う請求項1記載の高炉出銑孔の銑滓流出径の測定方法は、輝度を測定可能な撮像手段を使用し、高炉の出銑孔から噴出する銑滓流を、前記出銑孔の壁面から10〜30cmの範囲内で撮像し、この撮像した部分の輝度分布から最大輝度の60%以上となった部分の面積を算出して、銑滓の流出径を求め、銑滓の流出径が一旦縮径して、銑滓の流出径が再度拡径する時間を起点として、出銑終了時刻を予測する
請求項1記載の高炉出銑孔の銑滓流出径の測定方法において、高炉の出銑孔から噴出する銑滓流の撮像領域を、出銑孔の壁面から10〜30cmの範囲内とすることにより、例えば、出銑孔周りに付着した銑滓の影響を避けながら、銑滓の流出径を従来よりも精度よく測定することができる。
従って、銑滓の流出径を更に精度よく測定するには、銑滓流の撮像領域を、出銑孔の壁面から10〜25cmの範囲内とすることが好ましく、更には10〜20cmの範囲とすることが好ましい。
また、撮像した部分の輝度分布から最大輝度の60%以上となった部分の面積を算出して、銑滓の流出径を求めるので、例えば、樋や出銑孔淵に付着した銑滓の影響を取り除くことができる。
従って、銑滓の流出径を更に精度よく測定するには、算出する面積の輝度を、最大輝度の80%以上とすることが好ましく、更には90%以上とすることが好ましい。
請求項記載の高炉出銑孔の銑滓流出径の測定方法において、出銑孔から噴出する銑滓は、出銑孔からのガスが混入しなければ、出銑孔径と略等しい流出径で排出される。しかし、出銑末期までには銑滓の流出径が徐々に拡大していき、出銑終了直前に出銑滓量が炉内で生成される造銑滓量を上回るため、炉内での銑滓の上面レベルが下がり、銑滓流出径が小さくなる現象が現れる。その後、再び銑滓流出径は拡大し、銑滓流出径が小さくなった時間を起点として、10〜30分後に出銑孔へのガス混入が激しくなるため、最終的に銑滓流出径の算出が困難になると同時に、出銑孔の閉塞に至る。このように、出銑孔にガスが混入した場合は、炉内に対して出銑孔内の浅い部分からのガス混入も活発となり、次回開孔時の出銑孔の深度が短くなるため、次回開孔時の出銑時間が短くなり易い。
従って、銑滓流出径が小さくなった直後に、再度大きくなる点に基づいて出銑終了を予測し、出銑孔の閉塞作業又は開孔作業に取りかかることで、出銑孔内の損耗を防ぐことができる。
請求項記載の高炉出銑孔の銑滓流出径の測定方法は、請求項記載の高炉出銑孔の銑滓流出径の測定方法において、銑滓の流出径の単位時間当たりの変化率をΔφ/Δtとしたとき、前記縮が−0.05<Δφ/Δt<−0.03、前記拡がΔφ/Δt>0.03を満たしている
請求項記載の高炉出銑孔の銑滓流出径の測定方法において、出銑滓流の流出径(mm)の単位時間(分)当たりの変化率Δφ/Δtが−0.05以下(Δφ/Δt≦−0.05)の場合、縮は出銑孔の詰まりによる影響と混同される恐れがある。一方、Δφ/Δtが−0.03以上(Δφ/Δt≧−0.03)の場合、例えば、縮は一時的な出銑孔の閉塞による影響と混同される恐れがある。
従って、出銑終了の予測精度を高めるためには、縮を−0.045<Δφ/Δt<−0.03の範囲内とすることが好ましく、更には−0.045<Δφ/Δt<−0.035の範囲内とすることが好ましい。
また、拡のΔφ/Δtが0.03以下(Δφ/Δt≦0.03)の場合、出銑終了が一時的な出銑孔の拡径による影響と混同される恐れがある。
従って、出銑終了の予測精度を高めるためには、拡をΔφ/Δt>0.035とすることが好ましく、更にはΔφ/Δt>0.04とすることが好ましい。
請求項1、2記載の高炉出銑孔の銑滓流出径の測定方法は、高炉の出銑孔から噴出する銑滓流を、出銑孔の壁面から10〜30cmの範囲内で撮像するので、例えば、出銑孔周りに付着した銑滓の影響を避けながら、銑滓の流出径を従来よりも精度よく測定することができる。また、撮像した部分の輝度分布から最大輝度の60%以上となった部分の面積を算出して、銑滓の流出径を求めるので、例えば、樋や出銑孔淵などに付着した銑滓の影響を取り除くことができる。
このように、外的影響が抑制、更には除去された銑滓の流出径を求めることで、例えば、出銑終了時刻の予測精度を従来よりも高めることが可能となる。また、出銑終了時刻を精度よく予測することで、出銑滓の作業準備を出銑終了時刻に対応させて行うことが可能となる。
なお、銑滓流出径の経時変化を測定することにより、マッド材充填量の調節や、次回の出銑孔の開孔時における錐経の設定を、出銑孔径に応じて調整できるので、次回の出銑時間を延長することが可能になる。このように、出銑1回当たりでの出銑量を増やすことで、溶銑コスト削減と作業負荷軽減を図ることができる。
また、出銑孔の開孔径及び出銑の状況に応じて、マッド材充填量の調節や、次回の出銑孔の開孔時における錐経の設定を繰り返し調整することで、開孔時の出銑孔の深度も適正な状態に調整できる。
特に、請求項記載の高炉出銑孔の銑滓流出径の測定方法は、銑滓流出径が小さくなった直後に、再度大きくなる点に基づいて出銑終了時刻を予測するので、出銑孔内の損耗を防ぐことができ、炉内へのガス混入も抑制、更には防止できる。
請求項記載の高炉出銑孔の銑滓流出径の測定方法は、出銑終了時刻の判断基準を明確にできる。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここで、図1は本発明の一実施の形態に係る高炉出銑孔の銑滓流出径の測定方法の説明図、図2は同高炉出銑孔の銑滓流出径の測定方法を適用する銑滓流出径の測定装置の説明図、図3、図4は同高炉出銑孔の銑滓流出径の測定方法を適用して測定した時間経過に伴う銑滓流出径の変化を示す説明図である。
図1に示すように、本発明の一実施の形態に係る高炉出銑孔の銑滓流出径の測定方法は、高炉10の出銑孔11から噴出する銑滓流12の流出径を、出銑孔11の周囲に付着した銑滓等の付着物13の影響を避けながら測定することで、例えば、銑滓の出銑終了時刻の推定を、従来よりも正確に行うことを可能にする方法である。
まず、本発明の一実施の形態に係る高炉出銑孔の銑滓流出径の測定方法を適用する銑滓流出径の測定装置(以下、単に測定装置ともいう)14について説明した後、本発明の一実施の形態に係る高炉出銑孔の銑滓流出径の測定方法について説明する。
図1、図2に示すように、測定装置14は、輝度を例えば0から255の全256階調で測定可能なCCDカメラ(撮像手段の一例)15と、CCDカメラ15で撮像された画像を処理するコンピュータ(画像処理手段の一例)16とを有している。
CCDカメラ15は、出銑孔11から噴出する銑滓流12を、出銑孔11の壁面17からL1〜L2の範囲内、即ち10〜30cmの撮像領域内で撮像できるように、出銑孔11から例えば3m程度離し、撮像領域に対して例えば斜め上45度の位置に固定されている。なお、CCDカメラ15は、出銑孔11に対向する位置に配置しなければ、この噴出方向を中心として、斜め前方のいずれの位置にも配置できる。このため、CCDカメラ15は空冷ボックス18内に収納され、高輻射熱から保護されている。
CCDカメラ15には、銑滓流12を画像として撮像するため、露光時間を制御する露光制御機器19が取付けられている。CCDカメラ15によって撮像された銑滓流12の画像測定データは、光伝送器20を経由し、光ファイバー21で光受信器22まで伝送された後、画像処理を行うコンピュータ16へ送られる。なお、光受信器22及びコンピュータ16は、高炉計器室23に設置されている。
このコンピュータ16は、CCDカメラ15で撮像された画像の輝度に基づいて画像処理し、予め設定した輝度以上の面積を算出できるものである。なお、予め設定した輝度以上とは、撮像した部分の最大輝度の60%以上、例えば154階調以上を意味する。
上記した各機器により得られた銑滓の流出径は、コンピュータ16の画面上で連続的なグラフとして表示され、この画面の画素数から面積を算出して、銑滓の流出径をリアルタイムに求めることができる。
続いて、本発明の一実施の形態に係る高炉出銑孔の銑滓流出径の測定方法について、前記した測定装置14を参照しながら説明する。
まず、図1、図2に示すように、出銑孔11の前方の斜め上に配置されたCCDカメラ15により、高炉10の出銑孔11から噴出する銑滓流12を、出銑孔11の壁面17から10〜30cmの範囲内で撮像する。このとき、銑滓流12が撮像できるように、露光制御機器19によって適切な露光時間を調整する。
CCDカメラ15により撮像された銑滓流12の画像は、光ファイバー21を介してコンピュータ16へリアルタイムに送られる。
コンピュータ16へ送られた画像は画像処理され、その最大輝度の60%以上となった部分の面積が算出される。そして、銑滓流12の断面が略円形であることに基づいて、銑滓の流出径である直径を求める。
これにより、図3、図4に示すような、銑滓の流出径(mm)と出銑時間(min)との関係が得られる。なお、出銑末期までには、出銑孔11の直径が徐々に拡大していくため、銑滓の流出径も徐々に拡大していく。
このとき、出銑終了直前に、出銑滓量が高炉10の炉内で生成される造銑滓量を上回るため、炉内での銑滓の上面レベルが下がり、銑滓の流出径が小さくなる現象が現れ、その後、再び銑滓の流出径が拡大する。
従って、銑滓の流出径が一旦小さくなる縮径点X1、X2、及びこの縮径点X1、X2から銑滓の流出径が再度大きくなる拡径点Y1、Y2に基づき、銑滓の出銑終了時刻を予測する。なお、銑滓の流出径(mm)の単位時間当たり(min)の変化率をΔφ/Δtとしたとき、縮径点X1、X2は−0.05<Δφ/Δt<−0.03、拡径点Y1、Y2はΔφ/Δt>0.03を満たす点である。ここで、Δtは、例えば5〜10分程度としている。
上記したΔφ/Δtから拡径点Y1、Y2が得られた後、10〜30分後の時間を出銑終了時刻とする。
なお、Δφ/Δt<−0.05のときは出銑孔11に詰まりが発生したとして処理し、またΔφ/Δt>0.05のときは出銑孔11に異常損耗が発生したとして処理する。
このように、外的影響が抑制、更には防止された銑滓の流出径を求めることができるので、例えば、銑鉄の出銑終了時刻の予測精度を従来よりも高めることが可能となる。また、出銑終了時間を精度よく予測することで、出銑滓の作業準備を出銑終了時間に対応させて行うことができ、作業性が良好になる。
なお、出銑終了時刻の予測が可能となった場合には、事前の出銑準備を十分に行うことができ、出銑孔11の開孔時の錐径、マッド材の充填量、充填方法、成分を変更し、出銑時間の延長を図ることができる。
ここで、出銑時に出銑孔の孔径が急拡大した場合には、出銑孔の損耗拡大速度を抑えるため、出銑孔を閉塞するためのマッド材の充填量を増やし、異常損耗箇所の補強に努める。また、出銑孔の開孔時の錐径を小さくして、マッド材の損耗拡大を抑えるようにすることもできる。
これにより、出銑時間を延長することができ、その結果、出銑孔11の開孔作業又は閉塞作業の回数を従来よりも低減できるので、作業者の負担軽減及び資材の使用量削減に貢献でき、溶銑コストの低下に繋がる。
次に、本発明の作用効果を確認するために行った実施例について説明する。
ここで使用した高炉は、炉内容積4250m3 、羽口本数36本を有するものであり、本実施例は高炉の同一の出銑孔において行った結果である。なお、本実施例における高炉の操業条件は、当日出銑量10100トン、スラグ生成量300kg/トン、送風流量6600Nm3 /minであった。
まず、CCDカメラによって撮像した画像をコンピュータで処理して得られた銑滓の流出径の状態について、図3を参照しながら説明する。
銑滓の流出径は、錐によって出銑孔を開孔した後の出銑開始直後から徐々に拡大し始めている。なお、閉塞時のマッド材の充填量は200kg、開孔に使用した錐径は70.0mmであった。
このように、銑滓の流出径は拡大し続け、銑滓の流出径が略安定する出銑時間30分以上において、出銑時間が40分を経過した後、銑滓流出径が急激に小さくなった。そして、出銑時間が50分を経過した後、銑滓流出径が急激に大きくなり、60分を経過した後、再び銑滓流出径が徐々に大きくなり始めた。
また、出銑時間が120分を経過した後、銑滓流出径が急激に大きくなり始めた。
そして、出銑時間が150分を経過した後、銑滓の流出径が縮小し、160分を経過したところで、銑滓の流出径が再度拡径し続けた。このように、銑滓の流出径が縮小した後、20分程度で出銑孔へのガス混入が激しくなり、最終的に銑滓流出径の算出が困難になると同時に、出銑孔が閉塞した。
ここで、銑滓流出径の単位時間当たりの変化率をΔφ/Δtとして算出した場合の出銑孔の状態及び銑滓の出銑状況について説明する。
出銑時間が40分を経過したところでは、Δφ/Δt<−0.05となっている。これは、前記した実施の形態で説明したように、出銑孔に詰まりが生じたことを示す。これにより、すぐさま開孔作業にかかることで、炉内での銑滓貯留を事前に防ぐことができ、安定操業に貢献できる。
また、出銑時間が120分を経過したところでは、Δφ/Δt>0.05となっている。これは、前記した実施の形態で説明したように、出銑孔に異常損耗が生じたことを示す。
そして、出銑時間が150分を経過したところでは、銑滓の流出径が縮小して−0.05<Δφ/Δt<−0.03となり、その後、160分を経過したところで、銑滓の流出径が再度大きくなってΔφ/Δt>0.03となっていた。このため、150分の点が縮径点X1、160分の点が拡径点Y1となる。
従って、出銑終了時刻の予測は、拡径点Y1の時間を起点にし、拡径点Y1から10〜30分で出銑終了に至ることを利用して行った。
前記したように、出銑孔の異常損耗時には、高炉炉内へのガス混入が起こるため、以下の対策をとった。
出銑孔異常損耗時のガス混入は、炉内に対して出銑孔内の浅い部分からのガス混入も促進することから、次回開孔時の出銑孔の深度が短くなり、出銑時間が短くなり易い。従って、出銑孔の閉塞間際に銑滓の流出径が縮小したときに、出銑孔の閉塞準備を開始した。この際、出銑時間と銑滓流出径の関係に基づいて、例えば、閉塞時のマッド材充填量を前回よりも増加し、また出銑孔の開孔時における錐径の縮小を行うことで、出銑時間の改善を図った。
本実施例では、図3の出銑後に、図4に示すように、マッド材充填量を増加(200kgから350kgへ増加)し、錐径を縮小(70.0mmから67.5mmへ縮小)することで、出銑時間の延長を図ることができた。ここで、出銑孔の深度は同じ3.8mであり、出銑孔の深度による影響は無視した。
このように、出銑時間が短く、銑滓流出径の拡大速度が速い場合には、マッド材充填量の増加や開孔時の錐径の縮小化を図ることで、図4に示すように、出銑孔11に詰まりを発生させることなく、また出銑孔11に異常損耗を発生させることなく、安定した出銑作業を実施できた。
なお、出銑中期に、銑滓流出径が拡大した場合、マッド材の耐損耗性が悪化していることがわかる。このような場合には、出銑孔内の浅い部分でガスが混入し易く、比較的早い時間で、出銑が終了することが分かっている。このとき、次回出銑時も、同じ部分で出銑時間が短くなること、及び出銑孔の同じ位置からガスが混入することが知られており、マッド材の充填量を増やし、次回開孔時の錐径を小さくすることにより、出銑孔内の中間部からのガス混入を妨げ、出銑時間を伸ばすことができた。
以上の作業改善により、出銑時間を延長することができた。その結果、図5に示す出銑1回当たりの1ヶ月平均の出銑量の変化からも明らかなように、出銑1回当たりでの出銑量を約100トン程度増やすことができ、溶銑コストの削減を行うことができた。
加えて、出銑終了時刻の予測は、図3、図4に示すように、出銑終了時間の予測が妥当であるため、炉前作業者の作業負荷の軽減に貢献できることを確認できた。
以上、本発明を、一実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組合せて本発明の高炉出銑孔の銑滓流出径の測定方法を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
本発明の一実施の形態に係る高炉出銑孔の銑滓流出径の測定方法の説明図である。 同高炉出銑孔の銑滓流出径の測定方法を適用する銑滓流出径の測定装置の説明図である。 同高炉出銑孔の銑滓流出径の測定方法を適用して測定した時間経過に伴う銑滓流出径の変化を示す説明図である。 同高炉出銑孔の銑滓流出径の測定方法を適用して測定した時間経過に伴う銑滓流出径の変化を示す説明図である。 実施例に係る出銑1回当たりの1ヶ月平均の出銑量の変化の説明図である。
符号の説明
10:高炉、11:出銑孔、12:銑滓流、13:付着物、14:銑滓流出径の測定装置、15:CCDカメラ(撮像手段)、16:コンピュータ、17:壁面、18:空冷ボックス、19:露光制御機器、20:光伝送器、21:光ファイバー、22:光受信器、23:高炉計器室

Claims (2)

  1. 輝度を測定可能な撮像手段を使用し、高炉の出銑孔から噴出する銑滓流を、前記出銑孔の壁面から10〜30cmの範囲内で撮像し、この撮像した部分の輝度分布から最大輝度の60%以上となった部分の面積を算出して、銑滓の流出径を求め、銑滓の流出径が一旦縮径して、銑滓の流出径が再度拡径する時間を起点として、出銑終了時刻を予測することを特徴とする高炉出銑孔の銑滓流出径の測定方法。
  2. 請求項記載の高炉出銑孔の銑滓流出径の測定方法において、銑滓の流出径の単位時間当たりの変化率をΔφ/Δtとしたとき、前記縮が−0.05<Δφ/Δt<−0.03、前記拡がΔφ/Δt>0.03を満たしていることを特徴とする高炉出銑孔の銑滓流出径の測定方法。
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