JP3575781B2 - 流出スラグの検出方法 - Google Patents

流出スラグの検出方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶融金属の排出流、例えば鋼の製造時に取鍋から排出する溶鋼中に混入するスラグを迅速、的確に検出することのできる流出スラグの検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
鋼はスクラップなどの原料金属を高温で溶解して製造されるが、原料金属中の不純物や添加した処理剤などがスラグとなって、比重差から溶鋼上に浮遊してくる。このスラグが鋼に混入すると鋼の品質低下を招くので、溶鋼中に混入するスラグを迅速に検知して、スラグの混入を防止することは品質管理の上で極めて重要である。
【0003】
混入するスラグの検出は、従来から人間の目視観察による方法で行われているが、この方法では人間の熟練と勘に依存する要素が大きいため客観性のある管理が困難である。そのため、溶鋼とスラグの物理的特性の相違、例えば粘度や電気電導度の違いを利用してスラグを検知する方法が開発されているが精度の点で充分な結果が得られていない。
【0004】
また、溶鋼とスラグの輝度の相違を利用して光学的にスラグを検知する方法も開発されており、例えば特開平2−251362号公報には溶融金属の幅方向放射エネルギー分布を測定し、測定結果の内の連続する最大幅部分を溶融金属流の径として検出し、溶融金属流の径の幅及びその積分値を経時的に測定し、両者の値の増大が検出された場合にスラグが流出したと判定するスラグ流出検知方法が提案されている。しかしながら、測定対象とする監視領域が溶融金属流の幅方向という横方向の1ラインのみであるので、溶融金属の排出口が上下に変動した場合には監視領域から外れてその都度手動により位置設定しなければならないという欠点があり、更に、一定のしきい値により二値化処理するものであるから溶融金属種により輝度が変化するので対象とする溶融金属の種類毎にしきい値を設定する必要があり、検出精度や安定性に欠ける難点もある。
【0005】
また、特開平7−260696号公報には転炉から取鍋へ流れ込む出鋼流の表面をテレビカメラ或いはCCDカメラ等で撮影し、画像を一定周期で画像処理解析装置に出力する過程と、画像処理解析装置において、画像内の設定した監視エリア内で入力画像があるごとにエリア内の各画素ごとに輝度に応じた濃淡レベルを求め、ついで監視エリア内の平均濃淡レベルを演算する過程と、平均濃淡レベルが求められる都度、前回までの移動平均値との比較演算を行い、その差が設定値を越えたとき“スラグ流出”を判定する過程とよりなるスラグの流出検出方法が開示されている。しかしながら、この方法は一定周期で入力画像の各画素ごとに輝度に応じた濃淡レベルを求めて、監視エリア内の平均濃淡レベルを演算し、平均濃淡レベルが求められる都度前回までの移動平均値との差を算出するものであるから、平均濃淡レベル、すなわち平均輝度レベルの変化を比較することとなり、例えば少量のスラグが混入した場合には平均輝度レベルの変化が小さいために検出が困難となり、スラグ流出を検出するタイミングが遅れるなど、迅速に、精度よくスラグ流出を検出することができない欠点がある。
【0006】
この欠点を解消するために、本発明者らは、先に溶融金属の排出流をCCDカメラで観測して得られる映像信号をピーク放射温度計に入力し、ピーク放射温度計から出力する最高輝度信号を経時的に測定し、測定される最高輝度信号値を最高輝度信号の移動平均値と比較演算して、その差もしくはその比が急激に増大した時をスラグ流出開始時点と判定するスラグ流出検知方法を開発し、特願平7−352100号として提案した。この方法は、最高輝度の経時的変化を監視して最高輝度が急激に上昇した時をスラグの流出が開始した時点と判定するものである。
【0007】
しかしながら、溶融金属、例えば溶鋼の温度が低下してきた場合に溶鋼に直接酸素を吹きつけて溶鋼の温度上昇を図ったり、取鍋の溶鋼出口やタンディッシュの溶鋼流入口が閉塞気味になったときに酸素を吹きつけて付着した溶鋼を排除するなどの手段が採られるが、この酸素吹き込みによる燃焼炎の高輝度光は溶鋼に反射して輝度の増大をもたらすために、この輝度増大をスラグ流出と誤判定する問題点がある。更に、ストロボやスプラッシュなどの高輝度光が溶融金属に反射した場合にも同様の問題が生じる。
【0008】
これらの外乱による流出スラグの誤認あるいは検出精度の低下などの問題点を解消するために、本発明者らは、溶融金属の排出流の輝度をCCDカメラで測定して輝度信号のヒストグラムを作成し、該ヒストグラムを平滑化して輝度レベルの度数に置換したのち、判別分析法により背景と溶融金属の輝度レベルに分ける低温側しきい値▲1▼、および溶融金属の輝度から溶融金属の輝度分布を正規分布として2σ或いは3σに相当する高輝度側の輝度値を高温側しきい値▲2▼として設定し、しきい値▲1▼、▲2▼により分別した各範囲における輝度分布の総度数から溶融金属とスラグの総度数比を算出し、総度数比の変化から溶融金属の排出流に混入するスラグを検出することを特徴とするスラグ検知方式(特願平8−18175 号)を開発した。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記の特願平8−18175号のスラグ検知方式は、溶融金属の輝度信号のヒストグラムを用いてしきい値を自動設定し、このヒストグラムから背景、溶融金属、スラグなどの輝度分布の度数を算出して、この度数比の変化からスラグの流出を検出するものであるから、精度良くスラグの混入を検知することができる。しかしながら、吹きつける酸素量が少なく、輝度レベルの増大が小さい場合には、酸素吹きつけによる輝度の向上をスラグの輝度分布として誤判定することがある。
【0010】
すなわち、特願平8−18175号のスラグ検知方式では酸素吹きつけなどの外乱による輝度レベルを250〜255として高温側しきい値を設定しているため、吹き込む酸素量が多い場合には問題ないが、酸素量が少なく輝度レベルが250を越えないような場合には酸素吹き込みによる輝度の増大をスラグ流出と誤認する場合がある。また、鋼種により輝度レベルの増大も異なるので、酸素吹きつけなどの外乱による高輝度レベルを250〜255と一定範囲に設定すると、スラグ流出を高精度で検知することができない問題点がある。
【0011】
本発明者らは、上記の問題点を解消するために更に研究を進めた結果、溶融金属の輝度信号のヒストグラムを用いてしきい値を自動設定し、またヒストグラムの異常高輝度部分から酸素吹きつけなどの外乱の有無を判定し、外乱がない場合には最高輝度値と移動平均値との差あるいは比の変化により、外乱がある場合にはスラグと溶融金属の度数比の変化により、スラグの流出を的確に検知できることを見出した。
【0012】
本発明は上記の知見に基づいて開発されたもので、その目的は外乱の有無に係わらず、溶融金属の排出流に流入するスラグを高精度で迅速に検出することのできる流出スラグの検出方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための本発明による流出スラグの検出方法は、溶融金属の排出流の輝度をCCDカメラで測定して輝度信号のヒストグラムを作成し、該ヒストグラムを平滑化して輝度レベルの度数に置換したのち、判別分析法により背景と溶融金属の輝度レベルに分けるしきい値(1) 、溶融金属の輝度から溶融金属の輝度分布を正規分布として2σ或いは3σに相当する高輝度側の輝度値をしきい値(2) 、および〔しきい値(2) ×2−しきい値(1) 〕の輝度値をしきい値(3) として設定し、しきい値(1) 〜しきい値(2) の輝度分布の総度数を溶融金属の総度数、しきい値(2) 〜しきい値(3) の輝度分布の総度数をスラグの総度数、しきい値(3) 〜最高輝度レベルの輝度分布を外乱による異常高輝度部分の総度数として算出し、異常高輝度部分の総度数から外乱の有無を判定して、
(1)外乱がない場合は、前記ヒストグラムの最高輝度から任意の画素数の平均値を最高輝度として算出し、経時的に測定される最高輝度値と最高輝度値の移動平均値とを比較演算してその差〔最高輝度値−最高輝度の移動平均値〕の値が2連続測定して50以上になった時点をスラグ流出開始時点と判断し、
(2)外乱がある場合には、スラグと溶融金属の総度数比の値が設定値を越えた時点をスラグ流出開始時点と判断する、
ことを構成上の特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明は、溶融金属の排出流をCCDカメラで観測して、その輝度信号をヒストグラムカウンタを備えた演算処理装置に入力してヒストグラム、すなわち横軸に輝度、縦軸に度数をとって輝度レベル0〜255の輝度分布図を作成する。このヒストグラムを用いて、最高輝度より任意の画素数、例えば100画素の平均値を最高輝度値として算出する。次に、経時的に測定される各最高輝度値を移動平均値として計算し、最高輝度値と最高輝度値の移動平均値を比較演算する。最高輝度値の移動平均値は、例えば、毎秒10回のヒストグラムを演算し、1分間の各最高輝度値を平均して移動平均値として算出する。
【0015】
また、酸素吹き込みなどの高輝度外乱光をカットするために、輝度レベル0〜200の範囲でしきい値▲1▼およびしきい値▲2▼を設定し、このしきい値▲1▼としきい値▲2▼の差分にしきい値▲2▼を加えた輝度レベルをしきい値▲3▼と設定する。このようにして設定したしきい値▲1▼、しきい値▲2▼およびしきい値▲3▼により背景の輝度分布、溶融金属の輝度分布、スラグの輝度分布、外乱による異常高輝度部分の輝度分布に分けて、その各範囲内における総度数を求め、溶融金属とスラグの総度数の比を算出する。
【0016】
そして、ヒストグラムの異常高輝度部分の有無から、酸素吹きつけなどの外乱の有無を判定し、外乱がない場合には最高輝度値と最高輝度の移動平均値との差を演算して、その値からスラグの流出を検出し、また、外乱がある場合にはスラグと溶融金属の総度数比の変化から流出したスラグを検知するものである。
【0017】
【実施例】
以下、本発明を溶融金属として鋼の製造時に取鍋から排出される溶鋼を例に詳細に説明するが、本発明の流出スラグの検出方法は対象を溶鋼に限定するものではない。
【0018】
図5は本発明の流出スラグの検出方法に適用される装置を例示したブロック図であり、取鍋1から排出する溶鋼の排出流2をCCDカメラ3で常時観測して、観測領域4の輝度信号をヒストグラムカウンタを内蔵した演算処理装置5により輝度レベル0〜255の頻度を示すヒストグラムを作成し、更に平滑化処理してヒストグラムを平滑化する。平滑化処理は、例えば注目した輝度レベルXの−2〜+2の輝度範囲の平均度数を求め、この平均度数を輝度レベルXの度数に置換するものである。このようにして、図3および図4に例示した輝度分布図が作成される。図3は外乱がある状態での溶鋼排出流の輝度分布図であり、図4はスラグ流出時の輝度分布図である。この輝度分布図を基に、演算処理装置5のRAMおよびROMにプログラミングされた演算機能により下記手順にしたがって溶鋼中に流出したスラグの検出が行われる。
【0019】
図1および図2は、本発明の流出スラグの検出方法の処理手順を示したフローチャートである。
まず、最高輝度値と最高輝度値の移動平均値とを比較演算するために、輝度レベル0〜255の頻度を示すヒストグラムから高輝度より例えば100画素の平均を最高輝度値として算出し、最高輝度値の例えば過去から現在まで600個を平均して移動平均値を算出する。なお、後に述べる異常高輝度総度数C≠0の場合は、最高輝度値=最高輝度値の移動平均値であるので、移動平均値の計算は不要となる。次に、図3および図4に示した輝度分布図から背景の輝度分布と溶鋼の輝度分布に分けるしきい値▲1▼を判別分析法により求める。
輝度レベルiを0〜200の範囲とし、輝度レベルiの度数をn、全度数をNとすると、輝度レベルの確率変数Pは (1)式で示され、
=n/N … (1)
画像の全平均レベルμは数1で表される。
【0020】
【数1】
Figure 0003575781
【0021】
また、輝度レベルiまでの輝度分布における0次の平均値ω(i) 、および1次の平均値μ(i) は、それぞれ下記(2) 、(3) 式で表すことができ、
ω(i) =ω(i−1)+P … (2)
μ(i) =μ(i−1)+i*P… (3)
画像を輝度レベルによって2つのクラスに分けるとした場合、各クラス間の分散は (4)式で表される。
σ =〔μ* ω(i) −μ(i) 〕/〔ω(i)*[1−ω(i)]〕 …(4)
【0022】
したがって最適しきい値、すなわち、しきい値▲1▼は下記 (5)式から求めることができる。
=σ (i) =max σ (i) …(5)
なお、輝度レベルiを0〜200の範囲としたのは、輝度レベル201〜255の高輝度部分を加えて計算範囲とすると溶鋼の異常高温部、例えば酸素吹き込みによる異常高温部、すなわち異常高輝度部分による誤差が生じるためである。
【0023】
次に、溶鋼の輝度分布すなわち溶鋼の輝度分布とスラグの輝度分布に分けるしきい値▲2▼を下記の手順によって算出する。
1. 輝度レベルがしきい値▲1▼〜200の範囲で最も度数の多い輝度レベルを仮平均値として、輝度レベルがしきい値▲1▼〜しきい値▲1▼+(仮平均値−しきい値▲1▼)×2の範囲で溶鋼度数の平均値▲1▼を算出する。
2. 溶鋼の輝度分布を正規分布とみなして、輝度レベルがしきい値▲1▼〜しきい値▲1▼+(仮平均値−しきい値▲1▼)×2の範囲で溶鋼の輝度分布の標準偏差(σ)を算出する。
3. 溶鋼の輝度分布範囲を求めるため、平均値▲1▼+標準偏差×2(2σ)、または平均値▲1▼+標準偏差×3(3σ)を計算して、しきい値▲2▼とする。
【0024】
次いで、輝度レベルが〔しきい値▲2▼+(しきい値▲2▼−しきい値▲1▼)×1〕、または〔しきい値▲1▼+(しきい値▲2▼−しきい値▲1▼)×2〕の値を計算して、〔しきい値▲2▼×2−しきい値▲1▼〕の輝度値を、酸素などの吹き込みによる異常高輝度分布、すなわちスラグの輝度分布と外乱による異常高輝度分布に分けるしきい値▲3▼を設定する。なお、しきい値▲3▼の値が輝度レベル250より大きくなった場合には、しきい値▲3▼の値を250とする。
【0025】
そして、具体的にスラグを検出する際の処理手順は、図2に示したフローチャートに従い、しきい値▲1▼、▲2▼、▲3▼の平均値、例えば10回の平均値を求めてそれぞれ、しきい値▲1▼′、▲2▼′、▲3▼′とし、しきい値▲1▼′〜しきい値▲2▼′の輝度範囲を溶鋼の輝度分布、しきい値▲2▼′〜しきい値▲3▼′の輝度範囲をスラグの輝度分布、しきい値▲3▼′〜輝度レベル255の輝度範囲を異常高輝度部分の輝度分布として、スラグを検知する。
【0026】
このようにして算出、設定したしきい値▲1▼′、しきい値▲2▼′、およびしきい値▲3▼′を基に、下記の手順により先ず外乱の有無を判定する。
1. 溶鋼の輝度分布図から輝度レベルが、しきい値▲1▼′〜(しきい値▲2▼′−1)の輝度範囲の総度数A、しきい値▲2▼′〜(しきい値▲3▼′−1)の輝度範囲の総度数B、およびしきい値▲3▼′〜255の輝度範囲の総度数Cを算出する。
2. Cが0の時は、酸素吹き込みなどによる異常高温部、すなわち外乱による異常高輝度部分はないと判定する。Cが0でない時は、酸素吹き込みなどによる異常高温部、すなわち外乱による異常高輝度部分があると判定する。
【0027】
このように算出された最高輝度値と最高輝度値の移動平均値との差あるいはスラグと溶融金属の総度数比、により外乱光の有無に応じて下記の手順にしたがって流出スラグを検出する。
(1)外乱がない場合(すなわち、輝度レベルがしきい値(3) ′〜255の輝度範囲の総度数Cが0のとき):
最高輝度値と最高輝度値の移動平均値とを比較演算して、その差が急激に増大した時点をスラグ流出開始時点とする。例えば、最高輝度値と移動平均値との差が、2連続測定して50以上の場合にスラグが検出されたものと判断する。すなわち、〔最高輝度値−最高輝度の移動平均値〕の値が50以上になった時点をもって溶鋼中にスラグの流入が開始した時点と判断する。
(1)外乱がある場合(すなわち、輝度レベルがしきい値(3) ′〜255の輝度範囲の総度数Cが0でないとき):
スラグと溶鋼の総度数比B/Aの算出値が、例えば2連続測定による算出値が2以上の場合にスラグが検知されたものと判断する。すなわち、B/Aの値が2以上となった時点をもって溶鋼中にスラグの流出が開始した時点と判断する。
【0028】
なお、2連続測定による算出値を用いるのは誤判定を防ぐためである。また、しきい値算出の際、Cが1以上の場合およびB/Aが0.2以上の場合はしきい値の算出は行わず、更に、最高輝度の移動平均値を算出する際、Cが1以上の場合には移動平均値の算出は行わない。
【0029】
上記の演算処理は、演算処理装置5によりリアルタイムで処理されて、スラグ流出の有無を瞬時に判断し、スラグを検知したときには直ちに図5の警報装置6を作動させて溶鋼中へのスラグの混入を防止することが可能となる。
【0030】
このように本発明の流出スラグの検出方法によれば、溶鋼などの溶融金属の排出流をCCDカメラで観測し、その観測領域全ての輝度信号を用いて輝度レベルと度数のヒストグラムを作成し、このヒストグラムから所定の演算プログラムにしたがって最高輝度値と最高輝度の移動平均値を算出するとともに、自動的にしきい値(1) 、(2) および(3) を設定して、背景の輝度分布、溶融金属の輝度分布、スラグの輝度分布および異常高温部の輝度分布に分け、各輝度分布範囲内の総度数を計算して、異常高温部の総度数から外乱の有無を判定し、外乱がない場合には最高輝度値と最高輝度の移動平均値との差の変化から、また外乱がある場合には溶融金属とスラグの総度数比の変化から、溶鋼の排出流中に流出混入するスラグを検出するものであるから、酸素吹き込みなどの外乱があった場合にも誤判断することなく的確にスラグを検出することができる。また、しきい値は適切な値に自動設定されるので、鋼種が変わっても対応可能である。
【0031】
更に、観測領域を面として指定するものであるから、溶融金属の排出口が上下に変動した場合にも測定対象から外れることはなく、手動で位置設定の調節をする必要がない。また、溶融金属に異常高輝度部分が発生した場合、例えば溶鋼の温度が低下した場合には溶鋼に直接酸素を吹き付けて温度を上昇させる手段が採られるが、このように観測領域内の輝度が急激に上昇した場合にも誤判定をすることなくスラグの検出が可能である。
【0032】
このように輝度分布図の作成、しきい値の設定および輝度分布範囲の算出などが自動的に求められるのであるから、溶融金属の種類による輝度レベルの相違にも対応が可能である。なお、CCDカメラによる輝度信号をTVモニターに映像化し、演算をコンピュータ処理することにより的確、迅速な流出スラグの検出が可能となる。
【0033】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明の流出スラグの検出方法によれば、取鍋からの溶鋼の排出流などの溶融金属の排出流に混入するスラグの流出時点を的確に検知することが可能であり、スラグ混入による品質低下を効果的に防止することができる。また、外乱による異常高輝度部分が発生した場合にも誤判断することなく、的確に流出スラグの検出が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の流出スラグの検出方法の処理手順を示したフローチャートである。
【図2】具体的にスラグを検出する際の処理手順を示したフローチャートである。
【図3】スラグ流出のない溶鋼排出流の輝度分布図である。
【図4】スラグのみ流出時の輝度分布図である。
【図5】本発明の流出スラグの検出方法に適用する装置を例示したブロック図である。
【符号の説明】
1 取鍋
2 溶鋼の排出流
3 CCDカメラ
4 観測領域
5 演算処理装置
6 警報装置

Claims (1)

  1. 溶融金属の排出流の輝度をCCDカメラで測定して輝度信号のヒストグラムを作成し、該ヒストグラムを平滑化して輝度レベルの度数に置換したのち、判別分析法により背景と溶融金属の輝度レベルに分けるしきい値(1) 、溶融金属の輝度から溶融金属の輝度分布を正規分布として2σ或いは3σに相当する高輝度側の輝度値をしきい値(2) 、および〔しきい値(2) ×2−しきい値(1) 〕の輝度値をしきい値(3) として設定し、しきい値(1) 〜しきい値(2) の輝度分布の総度数を溶融金属の総度数、しきい値(2) 〜しきい値(3) の輝度分布の総度数をスラグの総度数、しきい値(3) 〜最高輝度レベルの輝度分布を外乱による異常高輝度部分の総度数として算出し、異常高輝度部分の総度数から外乱の有無を判定して、
    (1)外乱がない場合は、前記ヒストグラムの最高輝度から任意の画素数の平均値を最高輝度として算出し、経時的に測定される最高輝度値と最高輝度値の移動平均値とを比較演算してその差〔最高輝度値−最高輝度の移動平均値〕の値が2連続測定して50以上になった時点をスラグ流出開始時点と判断し、
    (2)外乱がある場合には、スラグと溶融金属の総度数比の値が設定値を越えた時点をスラグ流出開始時点と判断する、
    ことを特徴とする流出スラグの検出方法。
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