JP7017972B2 - 生下り判定装置及び方法 - Google Patents

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本発明は、高炉の羽口における生下りを判定する生下り判定装置及び方法に関するものである。
高炉の羽口の内側に設けられたレースウェイで発生する異常現象として、未溶融鉱石である生鉱が羽口の内部を落下する現象である生下りがある。この生下りは、「未溶融鉱石落下」又は「生鉱落下」とも称される。
生下りが発生すると、レースウェイに向けて熱風を吹き込む吹き込み口に、粘性を有する生鉱が滞留するため、送風時の通気性が悪化することから、羽口に接続された送風管が赤熱し、最終的に損傷する可能性がある。生下りの発生を早期に検知できれば、熱風の吹き込みを停止する対策を講じるなど、設備の保護に繋がる利点が期待できる。
また、温度が低い未溶融鉱石の落下は、炉熱の低下を引き起こし、炉冷えに繋がり、銑鉄の生産効率が低下する可能性がある。生下り発生の継続時間及び頻度などを知ることができれば、炉熱との相関調査に繋がるなどの利点が期待できる。
以前は、目視観察による断続的かつ定性的な羽口内異常状態の可否判断がなされてきた。しかし、画像センサによる連続撮像で得られる画像および画像処理により得られる指標値を用いることで、連続的かつ定量的な判断が可能となり、生下りを含む異常発見の高精度化が期待できる。
このような画像センサを用いて羽口内の状態を監視する技術として、従来、特許文献1~3が提案されている。特許文献1~3に記載の技術は、いずれも、羽口に設けられた観察窓に画像センサを配置して画像を取得し、生下り現象の検知を行っている。例えば特許文献1に記載の技術では、輝度及び輝度低下率が、それぞれ閾値と比較されている。例えば特許文献2に記載の技術では、輝度代表値の一定時間当たりの移動平均データの移動標準偏差値が、閾値と比較されている。例えば特許文献3に記載の技術では、現在と過去の輝度差の平均二乗誤差と閾値とが比較され、かつ、現在の平均輝度と閾値とが比較されている。
特許第5867619号公報 特許第5935828号公報 特許第6187387号公報
生下りは、連続して発生し易い。これは、レースウェイの形状が崩れて複数の生鉱が一気にレースウェイ内部に侵入することがあるためである。或いは、1回目に出現した生鉱が送風圧に押されて一時的に除去されるものの、レースウェイ内を旋回した後に再び羽口前に現れることもある。
このため、生鉱ごとの大きさの違い、旋回挙動による生鉱の変形、あるいは大きさの異なる生鉱が旋回挙動により更に変形すること等によって、出現する生鉱の規模は様々となる。数回程度まであればさほど影響のない小規模な生下りでも、頻発すればこれを無視できなくなる。しかし、小規模な生下りの発生までを常時判定しようとして、特許文献1~3に記載の技術において、閾値を小規模な生下りが判定可能なレベルに設定すると、生下りが発生していないのに、生下りが発生したと誤判定することが多くなってしまう。
したがって、生下り発生時には、生鉱が一時的に除去されたとしても、所定時間は小規模な生下りに対しても注意力を高めておく方が好ましいと考えられる。しかし、上記従来の特許文献1~3に記載の技術では、このような点は考慮されておらず、小規模な生下りを見逃しやすいという問題がある。
本発明は、上記問題を解決するもので、生下り発生中に一時的な生鉱除去が起きても、小規模なものを含め高い精度で生下りの発生を判定することが可能な生下り判定装置及び方法を提供することを目的とする。
本発明の第1態様は、
高炉の羽口に設けられた監視窓を通して前記高炉の内部が撮像された複数の画像を所定時間毎に取得する画像取得部と、
前記複数の画像から前記所定時間毎の各輝度代表値を算出し、現時点における輝度代表値を含む過去の第1時間幅の第1範囲における前記各輝度代表値からなる第1時系列データを生成し、前記第1時系列データの平均値及び標準偏差を用いて前記第1範囲での前記所定時間毎の各標準化輝度代表値を算出し、現時点における標準化輝度代表値を含む過去の第2時間幅の第2範囲における前記各標準化輝度代表値からなる第2時系列データを生成するデータ生成部と、
前記第時系列データフーリエ変換により周波数領域に変換し、前記周波数領域のうち所定の低周波数領域における振幅スペクトルの総和を、生下りを判定するための異常判定値として算出する異常判定値計算部と、
前記所定時間毎に前記異常判定値が所定の第1閾値以上か否かを判定し、前記異常判定値が前記第1閾値以上になった場合に、前記生下りが発生していると判定する生下り判定部と、
を備えるものである。
本発明の第2態様は、
高炉の羽口に設けられた監視窓を通して前記高炉の内部が撮像された複数の画像を所定時間毎に取得する画像取得ステップと、
前記複数の画像から前記所定時間毎の各輝度代表値を算出し、現時点における輝度代表値を含む過去の第1時間幅の第1範囲における前記各輝度代表値からなる第1時系列データを生成し、前記第1時系列データの平均値及び標準偏差を用いて前記第1範囲での前記所定時間毎の各標準化輝度代表値を算出し、現時点における標準化輝度代表値を含む過去の第2時間幅の第2範囲における前記各標準化輝度代表値からなる第2時系列データを生成するデータ生成ステップと、
前記第時系列データフーリエ変換により周波数領域に変換し、前記周波数領域のうち所定の低周波数領域における振幅スペクトルの総和を、生下りを判定するための異常判定値として算出する異常判定値計算ステップと、
前記所定時間毎に前記異常判定値が所定の第1閾値以上か否かを判定し、前記異常判定値が前記第1閾値以上になった場合に、前記生下りが発生していると判定する生下り判定ステップと、
を備えるものである。
この第1態様及び第2態様では、第時系列データ、フーリエ変換により周波数領域に変換されると、周波数領域に対する振幅スペクトルが得られる。所定の低周波数領域における振幅スペクトルの総和が、生下りを判定するための異常判定値として算出される。異常判定値に基づき、生下りが発生したか否かが判定される。フーリエ変換により得られた、所定の低周波数領域における振幅スペクトルの総和は、生下りに起因する輝度低下によって変化する。このため、この総和に基づき、生下りが発生したか否かを判定することが可能となる。
生下りの時間オーダーに比して長い時間幅の温度変化、結露、送風管内における堆積物の生成などの現象によって、ベースとなる輝度値が変化することもあり得る。異常判定値と閾値とを比較して生下りが発生したか否かを判定する場合には、ベースとなる輝度値が変化すると、閾値を逐一設定し直す必要がある。しかし、この態様によれば、所定時間毎に生成された第1時系列データの各々の平均値及び標準偏差を用いて、動的な標準化輝度代表値がそれぞれ算出されている。したがって、第1時間幅における相対的な輝度値を得ることができる。このため、ベースとなる輝度値の変化が抑制されることから、一定の閾値を用いて生下りが発生したか否かを判定することが可能となる。
また、上記第1態様において、例えば、前記生下り判定部は、さらに、前記所定時間毎に前記標準化輝度代表値が所定の第2閾値以下か否かを判定し、前記異常判定値が前記第1閾値以上になった場合であって前記標準化輝度代表値が前記第2閾値以下になった場合に、前記生下りが発生していると判定してもよい。
この態様によれば、前記異常判定値が前記第1閾値以上になった場合であって前記標準化輝度代表値が前記第2閾値以下になった場合に、前記生下りが発生していると判定するので、輝度値の低下を招く生下りを高精度で判定することができる
また、上記第1態様において、例えば、前記異常判定値が所定の第1閾値以上である状態が継続する時間である第1継続時間をカウントする第1計時部と、前記標準化輝度代表値が前記第2閾値以下である状態が継続する時間である第2継続時間をカウントする第2計時部とを更に備えもよく
前記生下り判定部は、さらに、前記所定時間毎に前記第1継続時間が所定の第3閾値以上か否かを判定し、前記所定時間毎に前記第2継続時間が所定の第4閾値以上か否かを判定し、前記異常判定値が前記第1閾値以上になった場合であって前記標準化輝度代表値が前記第2閾値以下になった場合、かつ、前記第1継続時間が前記第3閾値以上になった場合であって前記第2継続時間が前記第4閾値以上になった場合に、所定時間継続して前記生下りが発生していると判定してもよい。
この態様によれば、前記異常判定値が前記第1閾値以上になった場合であって前記標準化輝度代表値が前記第2閾値以下になった場合、かつ、前記第1継続時間が前記第3閾値以上になった場合であって前記第2継続時間が前記第4閾値以上になった場合に、所定時間継続して前記生下りが発生していると判定するので、第3閾値、第4閾値を適切な値に設定することによって、異常判定部は、例えば所定時間継続して発生している重大な生下り判定することができ、実用上扱いやすくなる。
また、上記第1態様において、例えば、前記データ生成部は、さらに、前記所定時間毎に、現時点における標準化輝度代表値を含む過去の第3時間幅の第3範囲における前記各標準化輝度代表値からなる第3時系列データ移動平均した各標準化輝度移動平均値を算出してもよく、
前記生下り判定部は、さらに、前記所定時間毎に前記標準化輝度移動平均値が所定の第2閾値以下か否かを判定し、前記異常判定値が前記第1閾値以上になった場合であって前記標準化輝度移動平均値が前記第2閾値以下になった場合に、前記生下りが発生していると判定してもよい。
この態様によれば、過去の第3時間幅の各標準化輝度代表値からなる第3時系列データで移動平均された標準化輝度移動平均値が用いられているので、時間的な輝度のばらつきによるノイズを抑えることができる。このため、輝度変動の傾向を捉えやすくなる。その結果、生下り発生の判定精度を向上することが可能となる。
また、上記第1態様において、例えば、前記異常判定値が前記第1閾値以上である状態が継続する時間である第1継続時間をカウントする第1計時部と、前記標準化輝度移動平均値が前記第2閾値以下である状態が継続する時間である第3継続時間をカウントする第3計時部とを更に備えてもよく、
前記生下り判定部は、さらに、前記所定時間毎に前記第1継続時間が所定の第3閾値以上か否かを判定し、前記所定時間毎に前記第3継続時間が所定の第4閾値以上か否かを判定し、前記異常判定値が前記第1閾値以上になった場合であって前記標準化輝度移動平均値が前記第2閾値以下になった場合、かつ、前記第1継続時間が前記第3閾値以上になった場合であって前記第3継続時間が前記第4閾値以上になった場合に、所定時間継続して前記生下りが発生していると判定してもよい。
この態様によれば、前記異常判定値が前記第1閾値以上になった場合であって前記標準化輝度移動平均値が前記第2閾値以下になった場合、かつ、前記第1継続時間が前記第3閾値以上になった場合であって前記第3継続時間が前記第4閾値以上になった場合に、所定時間継続して前記生下りが発生していると判定するので、第3閾値、第4閾値を適切な値に設定することによって、異常判定部は、例えば所定時間継続して発生している重大な生下りを定することができ、実用上扱いやすくなる。
また、上記第1態様において、例えば、前記データ生成部は、前記輝度代表値として、前記複数の画像のそれぞれにおける輝度の最大値を用いてもよい。
この態様によれば、輝度代表値として、複数の画像のそれぞれにおける輝度の最大値が用いられるため、羽口に堆積物が溜まって内部が隠された場合でも、堆積物の空いた箇所から、堆積物が無い場合と同レベルの輝度の最大値を得ることができる。
また、上記第1態様において、例えば、前記データ生成部は、前記輝度代表値として、前記複数の画像のそれぞれにおける輝度の平均値を用いてもよい。
この態様によれば、輝度代表値として、複数の画像のそれぞれにおける輝度の平均値が用いられるため、画像における輝度の高低は平均化されてしまうが、生下り発生による輝度の変化を確実に得ることができる。
また、上記第1態様において、例えば、前記生下りが発生したと判定されると、警告を出力する警告制御部を更に備えてもよい。
この態様によれば、生下りが発生したと判定されると、警告が出力されるため、高炉の操作員は、生下り発生に対して適切に対処することができる。
本発明によれば、所定の低周波数領域における振幅スペクトルの総和が、生下りを判定するための異常判定値として算出され、異常判定値に基づき、生下りが発生したか否かが判定されるため、振幅スペクトルの総和に基づき、生下りが発生したか否かを判定することが可能となる。
本実施形態の生下り判定装置の構成例を概略的に示すブロック図である。 高炉の羽口周辺の構成を概略的に示す図である。 羽口の内部の燃焼状態を概略的に示す図である。 正常状態における標準化輝度代表値の時系列データを示すタイミングチャートである。 図4の時系列データの離散フーリエ変換を示す図である。 生下りを含む標準化輝度代表値の時系列データを示すタイミングチャートである。 図6の時系列データの離散フーリエ変換を示す図である。 現時刻で生下りが発生している最中の標準化輝度代表値の時系列データを示すタイミングチャートである。 図8の時系列データの離散フーリエ変換を示す図である。 生下り判定装置の動作を概略的に示すフローチャートである。 実際の高炉の羽口においてカメラにより撮像した際の標準化輝度代表値、標準化輝度代表値の移動平均値、及び異常判定値のそれぞれの推移を概略的に示すタイミングチャートである。 実際の高炉の羽口においてカメラにより撮像した際の標準化輝度代表値、標準化輝度代表値の移動平均値、及び異常判定値のそれぞれの推移を概略的に示すタイミングチャートである。 実際の高炉の羽口においてカメラにより撮像した際の標準化輝度代表値、標準化輝度代表値の移動平均値、及び異常判定値のそれぞれの推移を概略的に示すタイミングチャートである。
(実施の形態)
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、各図面において、同じ構成要素には同じ符号が用いられ、詳細な説明は、適宜、省略される。
(構成)
図1は、本実施形態における生下り判定装置100の構成例を概略的に示すブロック図である。図2は、高炉の羽口周辺の構成を概略的に示す図である。図3は、羽口の内部の燃焼状態を概略的に示す図である。
図2において、高炉11の頂部から鉄鉱石、石灰石、コークス等が高炉11に投入される。高炉11の下部に設けられた羽口13には、送風管14が接続され、送風管14を貫通して、ランス15が設けられている。熱風炉10からの高温空気が送風管14を通して、微粉炭16等がランス15を通して、それぞれ高圧で高炉11内に吹き込まれる。これらの吹き込み先に、レースウェイ17と呼ばれる空洞が形成されており、主に、このレースウェイ17において、コークスが燃焼し、鉄鉱石が還元される。その結果、高炉11の底部に、高温液体状の銑鉄である溶銑12が得られる。
送風管14から分岐した分岐管20の先端には、羽口13の内部を監視するための監視窓21が設けられている。監視窓21の近傍には、カメラ18及びハーフミラー19が配置されている。ハーフミラー19は、監視窓21の正面に配置される。ハーフミラー19は、視野を調整するために光軸が調整可能に構成されてもよい。
カメラ18は、ハーフミラー19、監視窓21、羽口13を介して、羽口13の内部のレースウェイ17を撮像する。カメラ18は、例えば30フレーム/秒の撮像速度で動作する。カメラ18は、例えば画素数が360画素(横)×240画素(縦)の画像を撮像する。カメラ18によって、図3に示されるような羽口13の内側のレースウェイ17が、例えば1秒間に30回連続的に撮像される。
図1に示されるように、生下り判定装置100は、ディスプレイ110、入力部120、警告部130、カメラ18、制御部140を備える。制御部140は、メモリ150と、中央演算処理装置(CPU)160とを含む。本実施形態における生下り判定装置100は、例えば図3に示される羽口13の内側のレースウェイ17の画像を用いて、羽口13の近傍において生下りが発生したか否かを判定する。生下り判定装置100は、例えばパーソナルコンピュータを含む。
ディスプレイ110は、例えば液晶ディスプレイパネルを含む。ディスプレイ110の表示内容は、制御部140によって制御される。なお、ディスプレイ110は、液晶ディスプレイパネルに限られない。ディスプレイ110は、有機EL(electroluminescence)パネルなどの他のパネルを含んでもよい。
入力部120は、例えばマウス又はキーボードを含む。入力部120は、ユーザにより操作されると、その操作内容を示す操作信号を制御部140に出力する。なお、ディスプレイ110がタッチパネル式ディスプレイの場合には、マウス又はキーボードに代えて、タッチパネル式ディスプレイが入力部120を兼用してもよい。
警告部130は、高炉11の操作員に、警告を発するためのものである。警告部130は、赤色LED131と、黄色LED132と、を含む。赤色LED131は、生下りが所定時間継続して発生したときに、操作員に報知するためのものである。黄色LED132は、操作員に警告を発する前に、生下りが発生し始めたときに、操作員の注意を喚起するためのものである。
代替的に、警告部130は、赤色LED131のみを含み、黄色LED132を含まなくてもよい。さらに代替的に、警告部130は、赤色LED131及び黄色LED132に代えて、又は加えて、スピーカ又は電子ブザーを含み、音で操作員に警告するようにしてもよい。
メモリ150は、例えば半導体メモリ等により構成される。メモリ150は、例えばリードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、電気的に消去書き換え可能なROM(EEPROM)などを含む。メモリ150の例えばROMは、CPU160を動作させる本実施形態の制御プログラムを記憶する。
CPU160は、メモリ150に記憶された本実施形態の制御プログラムにしたがって動作することによって、画像取得部161、輝度計算部162(データ生成部の一例に相当)、指標値計算部163(異常判定値計算部の一例に相当)、計時部164、異常判定部165(生下り判定部の一例に相当)、警告制御部166として機能する。
画像取得部161は、カメラ18により撮像された画像を取得する。画像取得部161は、カメラ18により撮像された画像のうち、例えば1枚/秒の画像を取得する。すなわち、画像取得部161は、例えば30フレーム/秒の撮像速度で動作するカメラ18により撮像された画像のうち、30枚ごとに1枚の画像を取得する。
輝度計算部162は、画像取得部161により取得された画像を処理して、現時刻tにおける輝度代表値X(t)を算出する。輝度計算部162は、算出した輝度代表値X(t)をメモリ150に保存する。輝度代表値X(t)は、本実施形態では、360画素(横)×240画素(縦)の各画素の輝度の平均値である。
輝度計算部162は、現時刻tにおける輝度代表値X(t)を含む過去の所定時間W1(第1時間幅の一例に相当)の範囲における輝度代表値X(t)をメモリ150から読み出す。輝度計算部162は、読み出された輝度代表値X(t)を用いて、式(1)で表される輝度代表値の時系列データDn(第1時系列データの一例に相当)を生成する。本実施形態では、例えばW1=60分である。
Dn
={X(t-W1+1),X(t-W1+2),・・・,X(t)} (1)
輝度計算部162は、時系列データDnを用いて、式(2)で表される標準化輝度代表値Xn(t)を算出する。輝度計算部162は、算出した標準化輝度代表値Xn(t)をメモリ150に保存する。
Xn(t)
={X(t)-μ(t)}/σ(t) (2)
但し、μ(t)は、式(3)で表される、時系列データDnの平均値であり、σ(t)は、式(4)で表される、時系列データDnの標準偏差である。
Figure 0007017972000001
Figure 0007017972000002
平均値μ(t)と標準偏差σ(t)とは、それぞれ、時刻tに応じて動的に定まるため、標準化輝度代表値Xn(t)も、時刻tに応じて動的に定まることになる。カメラ18により撮像された羽口13の画像では、生下りの時間オーダーに比して長い時間幅の現象(例えば羽口13又はレースウェイ17における温度変化、結露、送風管14内の堆積物など)によって、ベースとなる輝度値に変化が生じることがあり得る。しかし、時刻tに応じて動的に定まる標準化輝度代表値Xn(t)は、ベースとなる輝度値の変化を追従した上での相対的な値となる性質を有する。このため、生下りの判定に用いる閾値を逐一設定し直す必要がなくなるという利点が生まれる。
したがって、参照する過去データに対する、生下り現象による輝度低下時間分の影響を少なくするために、所定時間W1は、生下り現象に比して十分に長い時間幅に設定されるのが好ましい。例えば、所定時間W1を仮に10分間とした場合、その10分間に生下りが発生して3分間続くとする。この場合、10分間のうち3分間の輝度が低下しているので、その10分間の平均値を算出し、標準偏差を計算すると、ベースとなる輝度値が低下して、元々暗いはずとなってしまう。そこで、本実施形態では、所定時間W1が例えば60分間に設定されて、生下りによる輝度低下の影響を受けにくい時間とされている。すなわち、60分間のうち生下りが3分間続いたとしても、その影響は軽微と考えられる。代替的に、所定時間W1は、60分を超える時間に設定されてもよい。
指標値計算部163は、式(5)で表される、現時刻tの標準化輝度代表値Xn(t)を含む過去の所定時間W2(第2時間幅の一例に相当)の範囲における標準化輝度代表値の時系列データDfftを生成する。ここで、式(5)において、数式の便宜上、t→W2-1と書き換えると、式(6)で表される時系列データDfft2(第2時系列データの一例に相当)が得られる。
Dfft
={Xn(t-W2+1),Xn(t-W2+2),・・・,Xn(t)} (5)
Dfft2
={Xn(0),Xn(1),・・・,Xn(W2-1)} (6)
指標値計算部163は、式(7)で表される、時系列データDfft2の離散フーリエ変換X(ω)を算出する。
Figure 0007017972000003
なお、W2=2(ただしmは1以上の整数)とすると、高速フーリエ変換が可能となり、計算量をO(W2×logW2)のオーダーに抑えることができる。このため、リアルタイムで生下り発生を判定するのには好ましい。例えば、W2=256[秒]に設定してもよい。或いは、W2=64又は128又は512[秒]に設定してもよい。
指標値計算部163は、式(8)で表される、離散フーリエ変換X(ω)における所定の低周波数領域Ωaの振幅スペクトルの総和を異常判定値Va(t)として算出する。
Figure 0007017972000004
図4は、正常状態における標準化輝度代表値の時系列データを示すタイミングチャートである。図5は、図4の時系列データの離散フーリエ変換を示す図である。図6は、生下りを含む標準化輝度代表値の時系列データを示すタイミングチャートである。図7は、図6の時系列データの離散フーリエ変換を示す図である。図8は、現時刻で生下りが発生している最中の標準化輝度代表値の時系列データを示すタイミングチャートである。図9は、図8の時系列データの離散フーリエ変換を示す図である。図4~図9を用いて、離散フーリエ変換を用いた生下り判定の可能性が説明される。
図5に示されるように、正常状態では、全周波数領域にほぼ均一な振幅スペクトルを持っていることが分かる。生下りが発生している期間の標準化輝度代表値は、図6の領域A6のような傾向を示す。図7を見ると、生下りを含む場合は、低周波領域A7において強い振幅スペクトルを持っていることが分かる。よって、異常判定値Va(t)は、正常状態よりも大きくなることが予想できる。
図8の領域A8は、現時刻に生下りが発生している最中であることを示している。図9を見ると、生下り発生中であっても、正常状態に比して低周波領域A9にある程度強い振幅スペクトルを持っていることが分かる。この場合もやはり、異常判定値Va(t)は、正常状態よりも大きくなることが予想でき、リアルタイムでの生下り発生の判定が期待できることが分かる。
図1に戻って、指標値計算部163は、現時刻tにおける異常判定値Va(t)と予め定められた閾値TH1(第1閾値の一例に相当)とを比較して、
Va(t)≧TH1 (条件1)
が成立するか否かを判定する。また、指標値計算部163は、現時刻tにおける標準化輝度代表値Xn(t)と予め定められた閾値TH2(第2閾値の一例に相当)とを比較して、
Xn(t)≦TH2 (条件2)
が成立するか否かを判定する。指標値計算部163は、判定結果を異常判定部165に通知する。
計時部164(第1計時部の一例に相当)は、上記(条件1)が成立している現時刻tにおける継続時間T1(t)(第1継続時間の一例に相当)をカウントし、継続時間T1(t)と予め定められた閾値TH3(第1時間閾値の一例に相当)とを比較して、
T1(t)≧TH3 (条件3)
が成立するか否かを判定する。また、計時部164(第2計時部の一例に相当)は、上記(条件2)が成立している現時刻tにおける継続時間T2(t)(第2継続時間の一例に相当)をカウントし、継続時間T2(t)と予め定められた閾値TH4(第2時間閾値の一例に相当)とを比較して、
T2(t)≧TH4 (条件4)
が成立するか否かを判定する。計時部164は、判定結果を異常判定部165に通知する。
異常判定部165は、(条件1)及び(条件2)の両方が成立すると指標値計算部163により判定されたときに、生下りが発生し始めたと判定する。異常判定部165は、(条件1)及び(条件2)が成立すると指標値計算部163により判定され、かつ、(条件3)及び(条件4)が成立すると計時部164により判定されたときに、所定時間継続して生下りが発生していると判定する。異常判定部165は、(条件1)及び(条件2)の少なくとも一方が成立しないと指標値計算部163により判定されたときは、生下りが発生していないと判定する。異常判定部165は、判定結果を警告制御部166に通知する。
警告制御部166は、所定時間継続して生下りが発生していると異常判定部165によって判定されると、つまり(条件1)~(条件4)の全てが成立すると、赤色LED131を点灯する。
警告制御部166は、警告部130がスピーカ又は電子ブザーを含んでいる場合には、赤色LED131の点灯に代えて、又は加えて、スピーカ又は電子ブザーを作動させてもよい。警告制御部166は、ディスプレイ110に警告メッセージを表示させて、ディスプレイ110を警告部130として機能させてもよい。
警告部130を用いて、警告制御部166によって警告が発せられると、高炉11の操作員は、熱風炉10から高炉11への送風条件を変更するなどの方策により生下りの発生に対処することができる。
例えば、カメラ18により撮像された30[フレーム/秒]の連続画像を間引いて、画像取得部161が、1[枚/秒]の画像を取得する場合には、例えば、W2=256[秒]、所定の低周波数領域Ωaを全周波数領域の0~5%区間、TH1=500、TH2=-1.5、TH3=5[秒]、TH4=5[秒]に設定してもよい。このように閾値TH1~TH4が設定されると、実際の生下りの発生時点から、(条件1)及び(条件2)の両方が成立するまでに、約5[秒]を要する場合、(条件3)及び(条件4)を合わせると、おおよそ10[秒]以上継続して発生している生下りのみを判定することができる。
なお、本実施形態では、輝度計算部162は、現時刻tにおける輝度代表値X(t)として、各画素の輝度の平均値を用いているが、これに限られない。代替的に、輝度代表値X(t)は、360画素(横)×240画素(縦)の各画素の輝度のうちの最大値でもよい。さらに代替的に、輝度代表値X(t)は、所定時間Nにおける上記平均値又は最大値の移動平均値でもよい。所定時間Nは、例えば10[秒]である。本実施形態では、1[枚/秒]であるので、所定時間Nは、10[枚]の画像ということもできる。本実施形態は、移動平均値を用いていないので、N=1[秒]とも言える。
輝度代表値X(t)として最大値を用いると、生下りが発生したときに、監視窓21から部分的に生下り以外の高輝度領域が見えていると、その高輝度領域の輝度値を取得してしまう。このため、生下りが発生しても輝度値が大きく変化せず、異常判定値Va(t)による生下り判定が鈍くなってしまう可能性がある。一方、輝度代表値X(t)として平均値を用いると、生下りが発生したときに輝度値が変化するので、その問題は解消することができる。しかし、堆積物で監視窓21の下半分が遮蔽されると、生下りが発生していないのに、輝度値が低下してしまうという問題がある。これに対して、輝度代表値X(t)として最大値を用いると、堆積物で監視窓21の下半分が遮蔽されても、高輝度領域の輝度値を取得することができるので、堆積物による影響は少ない。
また、所定時間Nについては、長過ぎると、輝度値の変化が鈍ってしまって、変化量が小さくなり過ぎる可能性がある。一方、短過ぎると、輝度値の変化が急峻になってしまう可能性がある。
また、異常判定部165による生下り発生の判定条件は、上記に限られない。例えば異常判定部165は、(条件1)のみが成立すると生下りが発生したと判定してもよい。但し、(条件1)のみの場合には、鉄鉱石と十分に反応せずに高温に赤熱したコークスが羽口13の近傍に到達したときも、生下り発生と判定してしまう。しかし、(条件2)を付加することによって、異常判定部165は、輝度値の低下を招く生下りのみを精度良く判定することが可能となる。さらに、(条件3)及び(条件4)を付加し、閾値TH3,TH4を適切な値に設定することによって、異常判定部165は、例えば所定時間継続して発生している重大な生下りのみを判定することができ、実用上扱いやすくなる。
また、指標値計算部163は、上記(条件2)では、閾値TH2との比較対象を標準化輝度代表値Xn(t)としているが、これに限られない。例えば、指標値計算部163は、閾値TH2との比較対象として、式(9)で表される標準化輝度代表値の時系列データDnm(第3時系列データの一例に相当)で移動平均した、式(10)で表される、標準化輝度代表値の移動平均値である標準化輝度移動平均値Xnm(t)を用いてもよい。
Dnm
={Xn(t-W3+1),Xn(t-W3+2),・・・,Xn(t)} (9)
標準化輝度代表値の時系列データDnmは、現時刻tの標準化輝度代表値Xn(t)を含む過去の所定時間W3(第3時間幅の一例に相当)の範囲における標準化輝度代表値の時系列データである。
Figure 0007017972000005
この場合には、指標値計算部163は、現時刻tにおける標準化輝度移動平均値Xnm(t)と閾値TH2と(第2閾値の一例に相当)を比較して、
Xnm(t)≦TH2 (条件2)
が成立するか否かを判定する。また、計時部164(第3計時部の一例に相当)は、上記(条件2)が成立している現時刻tにおける継続時間T3(t)(第3継続時間の一例に相当)をカウントし、継続時間T3(t)と閾値TH4(第2時間閾値の一例に相当)とを比較して、
T3(t)≧TH4 (条件4)
が成立するか否かを判定する。
標準化輝度移動平均値Xnm(t)を用いると、時間的な輝度のばらつきによるノイズを抑えることができる。このため、輝度変動の傾向を捉えやすくなる。その結果、生下り発生の判定精度を向上することが可能となる。一方、(条件1)については、生下りの発生を早期に判定するために、複数の画像の移動平均値ではなくて単一の画像の輝度代表値を用いることが好ましい。
なお、所定時間W3は、生下りの発生による輝度変動の影響が出やすい時間オーダーの時間幅に設定された所定時間W2と同じ時間であるW3=10[秒]に設定してもよい。或いは、W3≦W2、例えばW3=5[秒]に設定してもよい。
(動作)
図10は、生下り判定装置の動作を概略的に示すフローチャートである。図10の動作は、所定時間(例えば1秒)ごとに繰り返し実行される。
ステップS1000において、画像取得部161は、カメラ18により撮像された画像を取得する。ステップS1005において、輝度計算部162は、ステップS1000で取得された画像から輝度代表値X(t)を算出する。輝度計算部162は、算出した輝度代表値X(t)をメモリ150に保存してもよい。ステップS1010において、輝度計算部162は、過去の所定時間W1の輝度代表値X(t)をメモリ150から読み出して、上記式(1)で表される時系列データDnを生成する。輝度計算部162は、更に、時系列データDnを用いて、上記式(2)で表される標準化輝度代表値Xn(t)を算出する。輝度計算部162は、算出した標準化輝度代表値Xn(t)をメモリ150に保存してもよい。
なお、図10の動作が最初に開始されてから所定時間W1(例えばW1=60分)が経過するまでは、ステップS1000,S1005のみが実行されるようにしてもよい。すなわち、ステップS1010以降は、所定時間W1の輝度代表値X(t)がメモリ150に保存された後に、実行されるようにしてもよい。
ステップS1015において、指標値計算部163は、上記式(5)で表される過去の所定時間W2の標準化輝度代表値の時系列データDfftを生成する。指標値計算部163は、上記式(6)で表される時系列データDfft2を生成する。指標値計算部163は、上記式(7)で表される、標準化輝度代表値の時系列データDfft2の離散フーリエ変換X(ω)を算出する。指標値計算部163は、本実施形態では、高速フーリエ変換を用いる。指標値計算部163は、離散フーリエ変換X(ω)から、上記式(8)で表される異常判定値Va(t)を算出する。
ステップS1020において、指標値計算部163は、(条件1)及び(条件2)の両方が成立するか否かを判定し、判定結果を異常判定部165に通知する。(条件1)及び(条件2)の両方が成立していれば(ステップS1020でYES)、処理はステップS1025に進む。一方、(条件1)及び(条件2)の少なくとも一方が成立していなければ(ステップS1020でNO)、生下りが発生していないと異常判定部165により判定され、図10の動作は終了する。
ステップS1025において、計時部164は、(条件3)及び(条件4)の両方が成立したか否かを判定し、判定結果を異常判定部165に通知する。(条件3)及び(条件4)の両方が成立していれば(ステップS1025でYES)、処理はステップS1030に進む。一方、(条件3)及び(条件4)の少なくとも一方が成立していなければ(ステップS1025でNO)、生下りが発生していないと異常判定部165により判定され、図10の動作は終了する。ステップS1030において、警告制御部166は、通知を受けて、赤色LED131を点灯する。その後、図10の動作は終了する。
(輝度代表値、異常判定値の推移例)
図11~図13は、実際の高炉11の羽口13においてカメラ18により撮像した際の標準化輝度代表値、標準化輝度代表値の移動平均値、及び異常判定値のそれぞれの推移を概略的に示すタイミングチャートである。図11は、比較のために、正常状態が続く場合の標準化輝度代表値P11、異常判定値Q11、及び標準化輝度代表値の移動平均値R11の推移を示す。図12は、10秒以上の生下り現象を含む場合の標準化輝度代表値P12、異常判定値Q12、及び標準化輝度代表値の移動平均値R12の推移を示す。図13は、連続する複数回の10秒以上の生下りを含む場合の標準化輝度代表値P13、異常判定値Q13、及び標準化輝度代表値の移動平均値R13の推移を示す。
なお、図11~図13では、上記(条件2)における閾値TH2の比較対象として、標準化輝度代表値の移動平均値が用いられている。また、図12、図13において、四角点は、(条件1)~(条件4)の全てが成立した最初の時刻を表す。
図11に示されるように、正常状態が続く場合には、異常判定値Q11は増大せず、閾値TH1に達していないことが分かる。
一方、図12では、生下りが発生した際に、異常判定値Q12が増大して閾値TH1以上になって(条件1)が成立し、かつ、標準化輝度代表値の移動平均値R12が閾値TH2以下になって(条件2)が成立した後、所定時間後の時刻t12に、(条件3)及び(条件4)が成立して、赤色LED131が点灯している。
なお、図12の領域A12においても、異常判定値Q12が増大して閾値TH1以上になって(条件1)が成立している。しかし、ここは、生下りではなく輝度上昇に起因しており、標準化輝度代表値の移動平均値R12が閾値TH2を超えていて(条件2)が成立していないため、赤色LED131は点灯していない。
また、図13では、時刻t13,t14,t15,t16において(条件1)~(条件4)が成立して、赤色LED131が点灯している。また、図13の領域A13では小規模な生下りが発生している。この領域A13についても、直前の規模の大きな生下りによって異常判定値Q13のレベルが保持されているため、小規模な生下りの発生を判定できていることが分かる。
(効果)
以上説明されたように、本実施形態では、フーリエ変換用時系列データの離散フーリエ変換の所定の低周波数領域における振幅スペクトルの総和が、生下りを判定するための異常判定値として算出される。離散フーリエ変換の所定の周波数領域における振幅スペクトルの総和は、生下りに起因する輝度低下によって変化する。このため、この総和に基づき、生下りが発生したか否かを判定することが可能となる。
離散フーリエ変換により、過去の所定時間内における生下りの有無を知ることができるため、生下りが解消した後も、所定時間は、異常判定値のレベルが保持される。したがって、小規模な生下りの発生も判定し易くなる。
また、本実施形態では、高速フーリエ変換を用いているため、計算量を少なくすることができ、生下り発生をリアルタイムで判定し易くなる。
また、本実施形態では、羽口13の内部における生下り発生の有無を連続的かつ定量的に判定することができる。このため、人間により断続的かつ定性的な判定よりも、人的コストを抑えつつ、高精度で、生下りの発生を判定することが可能となる。
また、本実施形態では、高炉11の羽口13が見える監視窓21の外側にカメラ18及びハーフミラー19を設置し、羽口13に非接触で、羽口13の内部の画像を撮像している。したがって、一酸化炭素などのガスが洩れる危険性はなく、安全性、耐久性及びメンテナンス性に優れた生下り判定装置100を実現することができる。
11 高炉
13 羽口
161 画像取得部
162 輝度計算部
163 指標値計算部
164 計時部
165 異常判定部
166 警告制御部

Claims (9)

  1. 高炉の羽口に設けられた監視窓を通して前記高炉の内部が撮像された複数の画像を所定時間毎に取得する画像取得部と、
    前記複数の画像から前記所定時間毎の各輝度代表値を算出し、現時点における輝度代表値を含む過去の第1時間幅の第1範囲における前記各輝度代表値からなる第1時系列データを生成し、前記第1時系列データの平均値及び標準偏差を用いて前記第1範囲での前記所定時間毎の各標準化輝度代表値を算出し、現時点における標準化輝度代表値を含む過去の第2時間幅の第2範囲における前記各標準化輝度代表値からなる第2時系列データを生成するデータ生成部と、
    前記第時系列データフーリエ変換により周波数領域に変換し、前記周波数領域のうち所定の低周波数領域における振幅スペクトルの総和を、生下りを判定するための異常判定値として算出する異常判定値計算部と、
    前記所定時間毎に前記異常判定値が所定の第1閾値以上か否かを判定し、前記異常判定値が前記第1閾値以上になった場合に、前記生下りが発生していると判定する生下り判定部と、
    を備える生下り判定装置。
  2. 前記生下り判定部は、さらに、前記所定時間毎に前記標準化輝度代表値が所定の第2閾値以下か否かを判定し、前記異常判定値が前記第1閾値以上になった場合であって前記標準化輝度代表値が前記第2閾値以下になった場合に、前記生下りが発生していると判定する
    請求項1に記載の生下り判定装置。
  3. 前記異常判定値が所定の第1閾値以上である状態が継続する時間である第1継続時間をカウントする第1計時部
    前記標準化輝度代表値が前記第2閾値以下である状態が継続する時間である第2継続時間をカウントする第2計時部とを更に備え、
    前記生下り判定部は、さらに、前記所定時間毎に前記第1継続時間が所定の第3閾値以上か否かを判定し、前記所定時間毎に前記第2継続時間が所定の第4閾値以上か否かを判定し、前記異常判定値が前記第1閾値以上になった場合であって前記標準化輝度代表値が前記第2閾値以下になった場合、かつ、前記第1継続時間が前記第3閾値以上になった場合であって前記第2継続時間が前記第4閾値以上になった場合に、所定時間継続して前記生下りが発生していると判定する、
    請求項に記載の生下り判定装置。
  4. 前記データ生成部は、さらに、前記所定時間毎に、現時点における標準化輝度代表値を含む過去の第3時間幅の第3範囲における前記各標準化輝度代表値からなる第3時系列データ移動平均した各標準化輝度移動平均値を算出し、
    前記生下り判定部は、さらに、前記所定時間毎に前記標準化輝度移動平均値が所定の第2閾値以下か否かを判定し、前記異常判定値が前記第1閾値以上になった場合であって前記標準化輝度移動平均値が前記第2閾値以下になった場合に、前記生下りが発生していると判定する、
    請求項1記載の生下り判定装置。
  5. 前記異常判定値が前記第1閾値以上である状態が継続する時間である第1継続時間をカウントする第1計時部と
    前記標準化輝度移動平均値が前記第2閾値以下である状態が継続する時間である第3継続時間をカウントする第3計時部とを更に備え、
    前記生下り判定部は、さらに、前記所定時間毎に前記第1継続時間が所定の第3閾値以上か否かを判定し、前記所定時間毎に前記第3継続時間が所定の第4閾値以上か否かを判定し、前記異常判定値が前記第1閾値以上になった場合であって前記標準化輝度移動平均値が前記第2閾値以下になった場合、かつ、前記第1継続時間が前記第3閾値以上になった場合であって前記第3継続時間が前記第4閾値以上になった場合に、所定時間継続して前記生下りが発生していると判定する、
    請求項4に記載の生下り判定装置。
  6. 前記データ生成部は、前記輝度代表値として、前記複数の画像のそれぞれにおける輝度の最大値を用いる、
    請求項1~のいずれか1項に記載の生下り判定装置。
  7. 前記データ生成部は、前記輝度代表値として、前記複数の画像のそれぞれにおける輝度の平均値を用いる、
    請求項1~のいずれか1項に記載の生下り判定装置。
  8. 前記生下りが発生したと判定されると、警告を出力する警告制御部を更に備える、
    請求項1~のいずれか1項に記載の生下り判定装置。
  9. 高炉の羽口に設けられた監視窓を通して前記高炉の内部が撮像された複数の画像を所定時間毎に取得する画像取得ステップと、
    前記複数の画像から前記所定時間毎の各輝度代表値を算出し、現時点における輝度代表値を含む過去の第1時間幅の第1範囲における前記各輝度代表値からなる第1時系列データを生成し、前記第1時系列データの平均値及び標準偏差を用いて前記第1範囲での前記所定時間毎の各標準化輝度代表値を算出し、現時点における標準化輝度代表値を含む過去の第2時間幅の第2範囲における前記各標準化輝度代表値からなる第2時系列データを生成するデータ生成ステップと、
    前記第時系列データフーリエ変換により周波数領域に変換し、前記周波数領域のうち所定の低周波数領域における振幅スペクトルの総和を、生下りを判定するための異常判定値として算出する異常判定値計算ステップと、
    前記所定時間毎に前記異常判定値が所定の第1閾値以上か否かを判定し、前記異常判定値が前記第1閾値以上になった場合に、前記生下りが発生していると判定する生下り判定ステップと、
    を備える生下り判定方法。
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