JPH1034305A - 連続鋳造用モールド内のボイル検出方法 - Google Patents

連続鋳造用モールド内のボイル検出方法

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JPH1034305A
JPH1034305A JP21314896A JP21314896A JPH1034305A JP H1034305 A JPH1034305 A JP H1034305A JP 21314896 A JP21314896 A JP 21314896A JP 21314896 A JP21314896 A JP 21314896A JP H1034305 A JPH1034305 A JP H1034305A
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Japan
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boil
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molten steel
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continuous casting
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JP21314896A
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Toshiharu Kino
敏治 木野
Takanori Yamamoto
孝則 山本
Tomomitsu Inada
知光 稲田
Noriaki Hiasa
典明 日浅
Shoichi Sakaguchi
庄一 坂口
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 連続鋳造用モールド内に発生するパウダー不
足及び火炎等の現象とボイル現象とを識別して、的確な
ボイル判定ができると共に、発生するボイル(ガスの
泡)の大きさを個々に検出することができる連続鋳造用
モールド内のボイル検出方法を提供する。 【解決手段】 ボイル現象を選択的に取得する撮像条件
で溶鋼面17を撮影して、溶鋼面17の原画像データ2
5を得る撮像工程と、原画像データ25を2値化データ
26に変換する2値化工程と、撮像工程と2値化工程と
をデータ蓄積時間の間、所定時間間隔で繰り返して、論
理和を用いた計算により2値化データ26を更新して、
判定画像データを得る判定画像蓄積工程と、判定画像デ
ータにおけるボイル発生値の孤立点を除去した後、判定
画像データを基にボイル現象を判定するボイル検出工程
とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は溶鋼の連続鋳造時に
おける不活性ガスの溶鋼中への過剰吹き込みによって、
連続鋳造用モールド内の溶鋼面が不規則に撹乱されるボ
イル現象を検知するための連続鋳造用モールド内のボイ
ル検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】溶鋼の連続鋳造は、冷却された連続鋳造
用モールド内に溶鋼を連続的に注入、流下させ、モール
ド壁側から徐々に溶鋼の凝固シェルを形成させながら下
部から溶鋼の凝固した鋳片を引き抜くことにより行われ
ている。そして、このような連続鋳造時には、不活性ガ
スを浸漬ノズルを介して溶鋼中に吹き込んで、不活性ガ
スの溶鋼面への上昇運動を利用して溶鋼中の非金属介在
物を浮上させることが行われている。一方、溶鋼面に
は、溶鋼面の溶鋼の酸化を防止し、連続鋳造用モールド
と溶鋼の凝固殻間の潤滑を促進するためのパウダーと呼
ばれる粉末が供給されるようになっており、パウダーに
より覆われた溶鋼面は前記不活性ガスの上昇あるいは連
続鋳造用モールドの振動に伴って、常時揺動している
が、通常状態ではパウダー層の厚みが充分にあるために
溶鋼面が保護されている。しかし、不活性ガスの均一分
散が一時的に妨げられたり、不活性ガスが過剰供給され
たりした場合には、互いに凝集した不活性ガスの泡の上
昇運動により突発的なガスの沸き出し現象(ボイル)が
発生して、このボイルが消滅する際、溶鋼内の不純物と
なるパウダーを巻き込み、鋳片の品質を著しく損なう要
因となる。このため、連続鋳造用モールド内にボイルが
発生した場合には、不活性ガスの供給量、連続鋳造用モ
ールド内への溶鋼の供給量、引き抜き速度等を迅速に調
整することが必要となる。
【0003】このようなボイル現象を監視するための方
法として、例えば特開平5−77015号公報には、連
続鋳造のモールド内画像を収集するために、モールド上
方に浸漬ノズルを中心にして長辺方向に少なくとも1台
のテレビカメラを下向きに据え付けて撮像し、画像を細
分区画したディジタル信号として入力し、細分区画され
た各画素についてその近傍領域内最大値を近傍領域の中
心に位置する当該画素値として置換して、その操作を全
ての画素に対して行い、先に記憶された画像と同じ位置
に存在する画素同士を比較し、大きい方の値を新たにそ
の画素の値として置換し再び記憶し、蓄積処理する操作
を一定時間繰り返した後、記憶されている画像は固定
し、新たに入力される画像との画素毎の差をとり、その
差がある値以上であればその画素に特定指標値を割当
て、一定時間後に特定指標値の値を有する隣接画素を計
数し、その値によりボイル発生有無を検知して判定処理
することにより、連続的にモールド内ボイルを検知する
方法が記載されている。
【0004】前記ボイル検知方法は要約すると以下のよ
うになる。連続鋳造モールド内をテレビカメラで撮影し
て、その撮影画像の各画素を輝度に応じたディジタル信
号に変換する。次に、そのディジタル信号化された前記
撮影画像の各画素毎について近傍領域内での最大値と置
換する処理を行って、輝度変化予測画像を作成する。そ
して、前記輝度変化予測画像と判定の対象となる最新画
像との差分をとり、差分値がある値以上となる領域の面
積を計数して、その面積が溶鋼飛散時の面積等に相当す
る場合はボイルが発生したと判定する方法である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
開平5−77015号公報に示されるボイル検出方法に
は、以下の〜に示すような問題点があった。 従来のテレビカメラを用いて連続鋳造用モールド内を
撮影するので、連続鋳造用モールド内に発生するパウダ
ー不足及び火炎等の現象とボイル現象とを明確に識別し
た撮影画像が得られない。従って、このような撮影画像
のデータを基に以降の演算処理を繰り返しても、両者を
区別したボイル現象の判定は困難であり、パウダー不足
及び火炎の発生をボイルと誤認することもある。 予め相当の期間(約1分間)をかけて輝度変化予測画
像のデータを収集しておくことが必要であり、またこの
ような予測画像データの収集には大量のデータ処理を必
要とするので、迅速な対応を必要とするリアルタイムで
の監視作業に支障を生じる場合がある。また、データ収
集中に発生したボイルの検出は不可能である。さらに、
輝度変化予測画像の高輝度領域に発生したボイルの検出
は不可能である。 発生するボイル(ガスの泡)の大きさを個々に検出す
ることができないために、ボイルの大きさを基に不活性
ガスの吐出量、パウダー投入量及び投入方法等をきめ細
かに制御することが困難である。
【0006】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、連続鋳造用モールド内に発生するパウダー不足
及び火炎等の現象とボイル現象とを識別して、的確なボ
イル判定ができると共に、短期間での蓄積データを基に
した監視作業を可能として、発生するボイル(ガスの
泡)の大きさを個々に検出することができる連続鋳造用
モールド内のボイル検出方法を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う請求項1
記載の連続鋳造用モールド内のボイル検出方法は、溶鋼
を保持するタンディッシュの下部に設けられた浸漬ノズ
ルを介して前記溶鋼を連続鋳造用モールドに注入する際
に、前記連続鋳造用モールドの溶鋼面が不規則に撹乱さ
れて発生するボイル現象を検知するための連続鋳造用モ
ールド内のボイル検出方法であって、前記連続鋳造用モ
ールドの上方に配置された撮像装置を用いて、前記ボイ
ル現象を選択的に取得する撮像条件で前記溶鋼面を撮影
して、該溶鋼面の原画像データを得る撮像工程と、前記
原画像データの各画素に対応する輝度値を、予め設定し
た2値化閾値以上であるボイル発生値と、該2値化閾値
未満である非ボイル発生値とのいずれかの値に分別して
前記原画像データを2値化データに変換する2値化工程
と、前記撮像工程と前記2値化工程とをデータ蓄積時間
の間、所定時間間隔で繰り返して、それぞれ得られる前
記2値化データの対応する座標点の値について、ボイル
発生値+非ボイル発生値=ボイル発生値、ボイル発生値
+ボイル発生値=ボイル発生値、非ボイル発生値+非ボ
イル発生値=非ボイル発生値とする論理和を用いた計算
により前記2値化データを更新して、判定画像データを
得る判定画像蓄積工程と、前記判定画像データにおける
ボイル発生値の孤立点を除去した後、該判定画像データ
上にある前記ボイル発生値に対応する面積比率を計算、
又は該判定画像データのパターンを予め定めてある判定
パターンと比較して、前記ボイル現象を判定するボイル
検出工程とを有する。
【0008】請求項2記載の連続鋳造用モールド内のボ
イル検出方法は、請求項1記載の連続鋳造用モールド内
のボイル検出方法において、前記撮像装置が電子シャッ
ターとCCD受光素子を備えたカメラであり、前記撮像
条件が1/10000〜1/5000秒の範囲の露光時
間で撮影される条件である。請求項3記載の連続鋳造用
モールド内のボイル検出方法は、請求項1又は2記載の
連続鋳造用モールド内のボイル検出方法において、前記
撮像条件が、前記連続鋳造用モールド内の溶鋼面上に発
生する火炎等の光の低波長成分を除去する光学フィルタ
ーを用いて撮影される条件である。
【0009】露光時間が1/10000秒より少ない
と、時間が短すぎるためにCCD受光素子に充分な起電
力を発生させることができない、逆に露光時間が1/5
000秒を越えると、ボイル現象を選択的に取得するC
CD受光素子を用いた撮像条件を満足せず、ボイル現象
とその他の要因とを分別することが困難になる。
【0010】
【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつ
つ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発
明の理解に供する。ここに図1は本発明の一実施の形態
に係る連続鋳造用モールド内のボイル検出方法を適用す
る連続鋳造設備10の概略図である。連続鋳造設備10
は図1に示すように、溶鋼11を保持する取鍋12と、
取鍋12からロングノズル13を介して排出される溶鋼
11を一時的に保持して、溶鋼11成分及び溶鋼11温
度を均一化させるためのタンディッシュ14と、タンデ
ィッシュ14の下部に配置され不活性ガスを溶鋼11中
に吹き込むための図示しないガス吐出部を内孔面及び/
又は溶鋼吐出孔の周囲に有する浸漬ノズル15と、浸漬
ノズル15から吐出する溶鋼11が注入される連続鋳造
用モールド16とを備えている。このように、浸漬ノズ
ル15を介して連続鋳造用モールド16に注入される溶
鋼11が冷却されると共に、連続鋳造用モールド16の
下方から既に凝固した鋳片を引き抜きながら連続的に鋳
造が行えるようになっている。連続鋳造の操業中におい
ては、前記連続鋳造用モールド16内の溶鋼面17に
は、溶鋼面17の大気による酸化を防止し、かつ溶鋼1
1の凝固殻とモールド壁との潤滑性を良好に保つための
パウダー18が投入されている。
【0011】また、溶鋼面17の状態を監視するため撮
像装置の一例であるテレビカメラ19が該溶鋼面17を
望む上方に2台配置されており、両者を用いることによ
り浸漬ノズル15による死角を生じることなく溶鋼面1
7の画像を取得できる。なお、前記テレビカメラ19に
はその露光時間を1/10000〜1/60秒の範囲で
制御することのできる図示しない電子シャッター、及び
光学フィルタ系等が備えられており、後述する画像処理
ホストコンピュータ20等からの指示に基づいて必要な
撮影条件に応じた撮影ができるようになっている。2台
のテレビカメラ19でそれぞれ撮影される溶鋼面17の
画像がカメラ切替装置21を経由して画像処理装置22
に取り込まれて、ここでディジタルの画像データに変換
される。続く画像処理ホストコンピュータ20において
は、画像処理装置22から入力される画像データに基づ
いて後述する計算を行うことにより、個々のボイルの大
きさ、位置及び発生規模等を検出するようになってい
る。
【0012】続いて、本発明の一実施の形態に係る連続
鋳造用モールド内のボイル検出方法を、前記連続鋳造設
備10に適用する場合について、図2に示すフロー図を
参照しながら説明する。まず最初のステップ1におい
て、画像切替装置(スイッチャー)及び画像処理装置2
2を予め初期化し、又は初期設定をしておく。ステップ
2においては、CCD素子を受光部とするテレビカメラ
19を用いて溶鋼面17を露光時間(シャッター速度)
1/10000〜1/5000秒、絞り16〜22Fの
撮影条件で撮影し、該溶鋼面17の画像を画像信号に変
換する。そして、この画像信号を画像切替装置を経由し
て画像処理装置22に入力し、2値化処理を施す。
【0013】以下このような画像信号の2値化処理につ
いて図3を用いて詳述する。ここで、図3(a)はパウ
ダー18が表層部に配置されている溶鋼面17の表面状
態を示す模式図である。図に示すように、浸漬ノズル1
5から吐出される細かい粒径のアルゴンガスが溶鋼面1
7への浮上の過程で合体し大粒径の泡となって溶鋼面1
7に連続的に浮上して、溶鋼面17のボイル(沸騰)現
象が発生する。このボイルが盛んに発生する部分では、
泡の浮上に伴ってパウダー18が除去され、その部分の
溶鋼11が露出するため、溶鋼11が酸化される。ま
た、ボイルが消滅する際、パウダーが溶鋼中に巻き込ま
れる。このため、鋼中に非金属介在物が生成され、最終
的には鋳片の品質特性を劣化させる要因となる。一方、
溶鋼面17に供給されるパウダー18には金属粉、炭素
分等の可燃性成分が混在しているために、これが溶鋼面
17に投入された時に、部分的に燃焼して火炎あるいは
火花等を発生させる。また、溶鋼面17に供給されるパ
ウダー18の投入量にばらつきがある場合には、パウダ
ー18の層の厚みが部分的に薄くなって、この薄くなっ
たパウダー18の部分が赤熱状態となる場合がある。こ
のように、溶鋼面17上においては、前記ボイル現象の
発生領域23とボイル以外の要因による非ボイル現象の
発生領域24とが観察される。
【0014】火花等を含むボイル現象と非ボイル現象
(火炎、ガス抜け、パウダー赤熱)の共通の特徴とし
て、高輝度で、かつ形状が不定であることがあげられ、
単純な輝度の差、あるいは形状の差異による方法で両者
を明確に判別することは困難である。そこで、本発明者
等は、ボイル現象と非ボイル現象の色の違い、及びボイ
ル現象と非ボイル現象における発生から消滅までの持続
時間が、それぞれ0.1〜0.3秒、数秒〜数十秒と異
なることに着目して、収集画像の高輝度領域スパンの拡
大、及びボイル現象の判定を行うための画像データの蓄
積時間及び取得時間を特定の範囲に設定することによ
り、両者を判別する方法を提唱するものである。
【0015】本発明の一実施の形態に係る連続鋳造用モ
ールド内のボイル検出方法は、まず、電子シャッターを
備えたテレビカメラ19で溶鋼面17の画像をCCDを
受光素子とする記録媒体上に撮影記録することにより、
前記ボイル現象と非ボイル現象との区別を容易にした原
画像データ25を取得して、この原画像データ25を基
にして以降の画像処理を行う。ここで、図3(a)、
(b)はそれぞれ本発明の一実施の形態に係る連続鋳造
用モールド内のボイル検出方法を適用した場合の、溶鋼
面17の状態模式図と、該溶鋼面17の画像上における
一方向(図3の破線)の輝度の分布図とを示している。
また、図5(a)、(b)はそれぞれ従来例におけるテ
レビカメラ19を用いて露光時間が1/60秒である通
常の撮影条件で撮影した場合の、溶鋼面17の状態模式
図と、該溶鋼面17の画像上における一方向の輝度の分
布図とを示している。同一の溶鋼面17を撮影した輝度
の分布図である本発明の図3(b)及び従来例の図5
(b)を比較すれば明らかなように、本発明においては
非ボイル現象の発生領域24及びノイズとなる領域の輝
度を抑制して、ボイル現象の発生領域23を強調するこ
とのできる原画像データ25が得られることが分かる。
【0016】なお、このような溶鋼面17における火
炎、パウダー赤熱等の現象に伴って発生する光は橙色系
の光であり、一方、ボイル現象に伴って発生する光は白
色系の光である。即ち、それぞれの現象について固有の
光の波長領域が存在する。従って、火炎、パウダー赤熱
部に固有の光を選択的に吸収する光学フィルター等を用
いて、溶鋼面17の画像を撮影することによっても、ボ
イル現象の発生領域23が強調された原画像データ25
を取得することが可能である。
【0017】次に、図3(b)に示すような原画像デー
タ25を用いて、該原画像データ25上のそれぞれの輝
度の値を予め設定してある2値化閾値と比較して、2値
化閾値以上である場合に、例えば1(ボイル発生値)と
して、2値化閾値未満である場合に0(非ボイル発生
値)を割り当てる処理を行う。これにより、画像データ
上における輝度の値が0又は1のいずれかの値に割り当
てられて、図3(c)に示すような2値化データ26が
得られる。ここで、前記2値化閾値は、過去の連続鋳造
操業の実績データあるいはオペレータの経験等により設
定されるような判定値であり、特定の2値化閾値を設定
した場合に得られるボイル判定結果を、熟練したオペレ
ータによるボイル判定結果と比較調整することにより適
宜更新される値である。
【0018】そして、前記2値化処理を実行して2値化
データ26を得た後(図2のステップ2)、これを論理
和により計算する画像蓄積処理を行う(ステップ3)。
図4は論理和による計算処理の説明図であり、ここで
は、ボイル発生値(1)、非ボイル発生値(0)のそれ
ぞれの組み合わせの和として、0+1=1、0+0=
0、1+1=1となる論理和の演算規則を適用して計算
する。例えば図4(a)、(b)に示す2値化データ
(A)、(B)の論理和は、各画像上の対応する座標点
の2値化値(0と1)を前記演算規則を用いてそれぞれ
計算して、図4(c)に示すような2値化データ(C)
とすることができる。
【0019】このようにして、時系列データとして取得
する各原画像データ25のデータ蓄積時間(2秒)、時
間間隔(1/30秒)を設定して、この場合は60個か
らなる原画像データ25についてそのトータルの論理和
を計算する。そして、このような論理和を集計して得ら
れる2値化データをもって判定画像データとすることが
できる(ステップ4)。続くステップ5においては、判
定画像データに対応する画像をノイズ除去のために適当
な比率に縮小する図形収縮処理を行った後、ステップ6
で判定画像データ上の孤立点を除去する操作を行う。前
記孤立点の除去は、例えば図4(c)に示すような2値
化データにおける、ボイル判定値(1)が所定間隔内で
連続している点の集合(ボイル集合)を定義して、それ
ぞれのボイル集合について、各ボイル集合間の距離の最
小値あるいは各距離の合計値が所定の基準値以上となる
ものをノイズである孤立点と判定して、これを除くこと
により行うことができる。
【0020】次のステップ7においては、前記ボイル集
合の大きさ(面積比率)及び発生位置等の情報を基にし
て各ボイル集合に例えばA、B、C・・・等のラベルを
付ける。これにより各ボイル集合を特定して、ボイル発
生個数を算出する。そして、最後にラベル付けされた各
ボイル集合の面積をそれぞれ算出する(ステップ8)。
これらの面積値の比率あるいは、判定画像データのパタ
ーンを予め設定してあるボイル判定面積値の比率、基準
判定画像パターンと比較することにより、ボイル現象の
有無、及びボイルの大きさの判定が可能である。以上説
明したように本実施の形態においては、データ蓄積時間
の間に取得した所定枚数の原画像データ25から直接的
に判定画像データを算出して、これを用いてボイル現象
の有無及びボイルの大きさ等を簡単な操作により高精度
で判定することができる。
【0021】以上、本発明の実施の形態を説明したが、
本発明はこのような実施の形態に限定されるものではな
く、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用
範囲である。例えば、本実施の形態においては、2台の
テレビカメラ19を用いて溶鋼面17の画像を撮影する
ようにしたが、1台又は3台以上のテレビカメラ19を
配置して、これらの画像をカメラ切替装置21を用いて
適宜選択した画像を基に、ボイル現象の判定を行っても
差し支えない。また、本実施の形態における溶鋼面17
の撮影条件は、溶鋼面の照度、シャッター速度、絞り等
のこれら特定の数値に限定されることなく、非ボイル現
象に起因する光が抑制されるような撮影条件であれば本
発明の権利範囲に属する。
【0022】
【発明の効果】請求項1〜3記載の連続鋳造用モールド
内のボイル検出方法においては、まず、ボイル現象を選
択的に取得する撮像条件で溶鋼面を撮影して溶鋼面の原
画像データを得るので、外乱が予め除去された原画像デ
ータが得られ、以降の原画像データの処理を精度良くか
つ効率的に行うことができる。次に、前記原画像データ
を2値化データに変換すると共に、データ蓄積時間の
間、所定時間間隔でこの操作を繰り返してそれぞれの2
値化データを取得して、これらの2値化データを論理和
を用いた計算により集計して判定画像データを得るの
で、大量の記憶容量を必要とすることなく高速な演算処
理が行える。そして、該判定画像データにおけるボイル
発生値の孤立点を除去した後、該判定画像データ上にあ
る前記ボイル発生値に対応する面積比率を計算、又は該
判定画像データのパターンを予め定めてある判定パター
ンと比較して、前記ボイル現象を判定するので、比較的
短期間での画像情報を蓄積するだけで溶鋼面の効率的な
監視作業を行うことができると共に、発生するボイル
(ガスの泡)の大きさを個々に検出することもできる。
【0023】特に、請求項2記載の連続鋳造用モールド
内のボイル検出方法においては、撮像装置が電子シャッ
ターとCCD受光素子を備えたカメラであり、撮像条件
が1/10000〜1/5000秒の範囲の露光時間で
撮影される条件であるので、非ボイル現象に起因する光
を抑制して、ノイズの少ない原画像データが得られる。
また、請求項3記載の連続鋳造用モールド内のボイル検
出方法においては、撮像条件が、連続鋳造用モールド内
の溶鋼面上に発生する火炎等の光の低波長成分を除去す
る光学フィルターを用いて撮影される条件であるので、
非ボイル現象に起因する光を更に効率的に除去して、よ
り高精度でボイル現象を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る連続鋳造用モール
ド内のボイル検出方法を適用する連続鋳造設備の概略図
である。
【図2】同方法のフロー図である。
【図3】(a)、(b)、(c)はそれぞれ溶鋼面の画
像の説明図、原画像データの輝度の分布図、及び2値化
データの説明図である。
【図4】(a)、(b)、(c)はそれぞれ2値化デー
タにおける(A)と(B)との論理和(C)を示す説明
図である。
【図5】(a)、(b)はそれぞれ従来例における溶鋼
面の画像の説明図、及び原画像データの輝度の分布図で
ある。
【符号の説明】
10 連続鋳造設備 11 溶鋼 12 取鍋 13 ロングノ
ズル 14 タンディッシュ 15 浸漬ノズ
ル 16 連続鋳造用モールド 17 溶鋼面 18 パウダーー 19 テレビ
カメラ(撮像装置) 20 画像処理ホストコンピュータ 21 カメラ切
替装置 22 画像処理装置 23 ボイル現
象の発生領域 24 非ボイル現象の発生領域 25 原画像デ
ータ 26 2値化データ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 日浅 典明 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1番1号 新 日本製鐵株式会社八幡製鐵所内 (72)発明者 坂口 庄一 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1番1号 新 日本製鐵株式会社八幡製鐵所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶鋼を保持するタンディッシュの下部に
    設けられた浸漬ノズルを介して前記溶鋼を連続鋳造用モ
    ールドに注入する際に、前記連続鋳造用モールドの溶鋼
    面が不規則に撹乱されて発生するボイル現象を検知する
    ための連続鋳造用モールド内のボイル検出方法であっ
    て、 前記連続鋳造用モールドの上方に配置された撮像装置を
    用いて、前記ボイル現象を選択的に取得する撮像条件で
    前記溶鋼面を撮影して、該溶鋼面の原画像データを得る
    撮像工程と、 前記原画像データの各画素に対応する輝度値を、予め設
    定した2値化閾値以上であるボイル発生値と、該2値化
    閾値未満である非ボイル発生値とのいずれかの値に分別
    して前記原画像データを2値化データに変換する2値化
    工程と、 前記撮像工程と前記2値化工程とをデータ蓄積時間の
    間、所定時間間隔で繰り返して、それぞれ得られる前記
    2値化データの対応する座標点の値について、ボイル発
    生値+非ボイル発生値=ボイル発生値、ボイル発生値+
    ボイル発生値=ボイル発生値、非ボイル発生値+非ボイ
    ル発生値=非ボイル発生値とする論理和を用いた計算に
    より前記2値化データを更新して、判定画像データを得
    る判定画像蓄積工程と、 前記判定画像データにおけるボイル発生値の孤立点を除
    去した後、該判定画像データ上にある前記ボイル発生値
    に対応する面積比率を計算、又は該判定画像データのパ
    ターンを予め定めてある判定パターンと比較して、前記
    ボイル現象を判定するボイル検出工程とを有することを
    特徴とする連続鋳造用モールド内のボイル検出方法。
  2. 【請求項2】 前記撮像装置が電子シャッターとCCD
    受光素子を備えたカメラであり、前記撮像条件が1/1
    0000〜1/5000秒の範囲の露光時間で撮影され
    る条件であることを特徴とする請求項1記載の連続鋳造
    用モールド内のボイル検出方法。
  3. 【請求項3】 前記撮像条件が、前記連続鋳造用モール
    ド内の溶鋼面上に発生する火炎等の光の低波長成分を除
    去する光学フィルターを用いて撮影される条件であるこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載の連続鋳造用モール
    ド内のボイル検出方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102360185A (zh) * 2011-05-25 2012-02-22 中国海洋大学 基于人眼视觉原理的煮粥煮奶火力自动控制方法及装置
CN102406456A (zh) * 2011-08-10 2012-04-11 中国海洋大学 基于人眼视觉原理的煎鸡蛋火力自动控制方法及装置
CN102699300A (zh) * 2012-05-22 2012-10-03 中冶连铸技术工程股份有限公司 一种连铸工艺计算机控制方法和系统

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