JP2018149553A - 異常事態自動検出装置の健全性自動評価方法および装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】初期導入コストを抑えつつ、溶融金属取扱い設備の操業中に異常事態自動検出装置の健全性を評価することが可能な方法および装置を提供する。
【解決手段】
異常事態自動検出装置の健全性自動評価方法および装置は、撮像装置10で溶融金属取扱い設備の正常な操業状態を継続的に撮影することにより、所定の評価期間に亘って最大輝度を測定し、その評価期間中に測定された最大輝度の最大値、最小値または平均値が、予め定めた対応する基準値を下回った場合に、異常事態自動検出装置の健全性が不十分であると評価するものである。
【選択図】図1
【解決手段】
異常事態自動検出装置の健全性自動評価方法および装置は、撮像装置10で溶融金属取扱い設備の正常な操業状態を継続的に撮影することにより、所定の評価期間に亘って最大輝度を測定し、その評価期間中に測定された最大輝度の最大値、最小値または平均値が、予め定めた対応する基準値を下回った場合に、異常事態自動検出装置の健全性が不十分であると評価するものである。
【選択図】図1
Description
この発明は、特に、溶融金属を取り扱う精錬あるいは鋳造工場等の溶融金属取扱い設備において、当該設備の操業状態をCCDカメラ等の撮像装置を用いて撮像し、撮像の結果得られる画像を処理する等によってその設備が正常か否かを判定する異常事態自動検出装置が正常に働く状態にあるか否かの評価、すなわち健全性の評価を自動的に行う方法および装置に関する。
溶融金属を取り扱う精錬工場、鋳造工場等の溶融金属取扱い設備においては、溶融金属の異常漏出、異常滴下等の異常事態が発生する場合がある。例えば、溶鋼の連続鋳造設備においては、鋳片の凝固シェルの薄い部分が破れて内部の溶鋼が漏出するブレークアウトが発生する場合がある。ブレークアウトが発生すると、鋳造を停止する必要があるとともに、漏出した溶鋼の処理や、漏出した溶鋼との接触により損傷した機械、設備の復旧などのために多大な時間と労力を要するため、ブレークアウトの発生はできるだけ早期に且つ確実に発見する必要がある。
そのため、溶融金属の異常漏出、異常滴下等の異常事態は、人間の目視監視に頼らずに自動的に検出されるようになっている。例えば特許文献1には、鋳型出口の周辺を撮像するCCDカメラを配置し、その撮像画面を複数の画区に分割して画像処理することにより、鋳片表面の局部的な変化を監視し、これによってブレークアウトを検知する方法が提案されている。具体的には、各画区の平均輝度を算出し、これをブレークアウト発生有無の判定基準としての閾値と比較することにより、ブレークアウト発生の有無を判定している。
このようなCCDカメラを用いたブレークアウト検出方法の場合は、CCDカメラは連続鋳造機のモールド直下付近の劣悪な環境下に設置されることが多いため、経時劣化が生じて、誤動作や動作不良を起こしやすかった。そのため、従来においては、CCDカメラに光を当ててブレークアウトが発生したと認識するか否かの動作確認試験を定期的に行っていた。
上記動作確認試験では、十分な動作確認ができているとは言えなかった。すなわち、実際にブレークアウトが発生した場合には正常に動作し、ブレークアウトの発生を検出するものの、ブレークアウトが発生していない場合にブレークアウトが発生したと誤動作する場合があった。そのため、誤動作のたびに鋳造が停止されダウンタイムが発生するという問題があった。
そこで、本発明者は、上記特許文献1記載の技術における問題点を解決するため、特許文献2において、溶融金属取扱い設備における異常事態を自動的に検出する異常事態自動検出装置が正常に動作することをより確実に確認することが可能な動作確認方法を提供している。
すなわち、特許文献2で提案する異常事態自動検出装置の動作確認方法は、溶融金属取扱い設備における異常事態を自動的に検出する異常事態自動検出装置が正常に動作するか否かを確認する動作確認方法であって、異常事態自動検出装置は、溶融金属取扱い設備の操業状態を撮像装置で撮像し、得られた画像を構成する各画素の色をそれぞれ判別し、その判別結果に基づいて、画像の所定領域に含まれる特定色を表わす画素の個数を算出し、その個数が予め定めた基準個数を超えた場合に溶融金属取扱い設備の操業状態が異常事態であると判定し、基準個数以下である場合に溶融金属取扱い設備の操業状態が正常事態であると判定するようになっており、特定色を表わす画素の個数が基準個数を超えるように特定色の光を撮像装置に投光し撮像して、異常事態自動検出装置に判定を行わせる異常事態判定工程と、特定色を表わす画素の個数が基準個数以下となるように特定色の光を撮像装置に投光し撮像して、異常事態自動検出装置に判定を行わせる正常事態判定工程と、を備えるものである。
しかしながら、上記特許文献2に記載の方法は、特定色を表わす画素の個数が基準個数を超えるように特定色の光を撮像装置に投光し撮像して、異常事態自動検出装置に判定を行わせ、異常事態と判定すべき場合に異常事態と判定することを確認するとともに、特定色を表わす画素の個数が基準個数以下となるように特定色の光を撮像装置に投光し撮像して、異常事態自動検出装置に判定を行わせるものであるため、溶融金属取扱い設備の操業が停止している期間中しか異常事態自動検出装置の動作確認を行うことができないものである。そのため、操業停止に伴う時間的、人的ロスが大きいとともに、溶融金属取扱い設備の稼動中に、特に、汚れ等が蓄積して異常事態自動検出装置の機能が徐々に劣化していった場合や干渉物によって正常な範囲を撮像できない状態が発生した場合等、操業継続中に装置周辺の状況が変化した場合に異常事態自動検出装置の健全性を評価することができず、その改善が望まれていた。
また、特許文献2に記載の方法は、撮像装置に特定色の光を投光するための追加の設備を必要するとともに、周辺設備の改造が必要となる場合もあり、初期導入コストが嵩むという問題もあった。
それ故、この発明は、上記従来技術の問題を解消し、初期導入コストを抑えることができるとともに、溶融金属取扱い設備の操業中に異常事態自動検出装置の健全性を評価することが可能な方法および装置を提供することを目的とする。
この発明は、溶融金属取扱い設備の操業状態を撮像装置で撮像し、得られた画像を構成する各画素の色をそれぞれ判別し、その判別結果に基づいて、前記画像の所定領域に含まれる特定色を表わす画素の個数を算出し、その個数が予め定めた基準個数を超えた場合に前記溶融金属取扱い設備の操業状態が異常事態であると判定し、前記基準個数以下である場合に前記溶融金属取扱い設備の操業状態が正常事態であると判定するよう構成された異常事態自動検出装置の健全性を評価する健全性自動評価方法であって、上記課題を解決するため、前記撮像装置で溶融金属取扱い設備の正常な操業状態を継続的に撮影することにより、所定の評価期間に亘って最大輝度を測定し、その評価期間中に測定された最大輝度の最大値、最小値または平均値が、予め定めた対応する基準値を下回った場合に、前記異常事態自動検出装置の健全性が不十分であると評価するものである。
なお、この発明の異常事態自動検出装置の健全性自動評価方法にあっては、前記所定の評価期間に亘って測定する前記最大輝度は、前記異常事態自動検出装置の汚れまたは結露によって減衰する色の光よりも短波長側の光の最大輝度とすることが好ましい。
また、この発明の異常事態自動検出装置の健全性自動評価方法にあっては、前記溶融金属取扱い設備の稼動初期における正常な操業状態を継続的に撮影することにより測定される最大輝度の複数の最大値の平均値をAvmax、該稼動初期における最大値の分散をσ、一定定数をN、前記評価期間に測定される現状の前記最大輝度の前記最大値をXとしたとき、X<Avmax−N×σを満たす場合に前記異常事態自動検出装置の健全性が不十分であると評価することが好ましい。
この発明は、溶融金属取扱い設備の操業状態を撮像装置で撮像し、得られた画像を構成する各画素の色をそれぞれ判別し、その判別結果に基づいて、前記画像の所定領域に含まれる特定色を表わす画素の個数を算出し、その個数が予め定めた基準個数を超えた場合に前記溶融金属取扱い設備の操業状態が異常事態であると判定し、前記基準個数以下である場合に前記溶融金属取扱い設備の操業状態が正常事態であると判定するよう構成された異常事態自動検出装置の健全性を評価する健全性自動評価装置であって、上記課題を解決するため、前記撮像装置で溶融金属取扱い設備の正常な操業状態を継続撮影することにより、所定の評価期間に亘って最大輝度を測定し、その評価期間中に測定された最大輝度の最大値、最小値または平均値が、予め定めた対応する基準値を下回った場合に、前記異常事態自動検出装置の健全性が不十分であると評価するよう構成されている。
なお、この発明の異常事態自動検出装置の健全性自動評価装置にあっては、前記所定の評価期間に亘って測定する前記最大輝度は、前記異常事態自動検出装置の汚れまたは結露によって減衰する色よりも短波長側の色の最大輝度であることが好ましい。
また、この発明の異常事態自動検出装置の健全性自動評価装置にあっては、前記溶融金属取扱い設備の稼動初期における正常な操業状態を継続的に撮影することにより測定される最大輝度の複数の最大値の平均値をAvmax、該稼動初期における最大値の分散をσ、一定定数をN、前記評価期間に測定される現状の前記最大輝度の前記最大値をXとしたとき、X<Avmax−N×σを満たす場合に前記異常事態自動検出装置の健全性が不十分であると評価するよう構成されていることが好ましい。
この発明の異常事態自動検出装置の健全性自動評価方法および装置にあっては、溶融金属取扱い設備の正常な操業に伴い発生する光の輝度の変化に基づき異常事態自動検出装置の健全性を評価するものであるので、溶融金属取扱い設備の操業を停止することなしに異常事態自動検出装置の健全性の評価を行うことができ、しかも、撮像装置に特定色の光を投光するための追加の設備を必要としないことから低コストでの導入が可能である。
以下、この発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。ここで、図1は、溶融金属取扱い設備の異常事態を自動的に検出する異常事態自動検出装置と、この発明に従う一実施形態の異常事態自動検出装置の健全性自動評価装置とを概略的に示した図である。
まず、異常事態自動検出装置について説明する。異常事態自動検出装置は、溶融金属を取り扱う精錬工場や鋳造工場等の溶融金属取扱い設備に好適に設置されるものであり、当該設備の操業状態をCCD(charge-coupled device )カメラ等の撮像装置を用いて撮像し、撮像の結果得られる画像を画像処理して解析することによって、溶融金属取扱い設備において溶融金属の異常漏出、異常滴下等の異常事態が発生したことを、人間の目視監視に頼らずに自動的に検出する装置である。
異常事態自動検出装置は、図1に示すように、溶融金属取扱い設備の操業状態を撮像するCCDカメラ等の撮像装置10と、CPUやメモリ等を備える通常のコンピュータによって構成され、撮像装置10により撮像された画像を画像処理して解析する画像処理装置12と、を備えている。画像処理装置12は、得られた画像を構成する各画素の色をそれぞれ判別し、その判別結果に基づいて、画像の所定領域に含まれる特定色を表わす画素の個数を算出し、その個数が予め定めた基準個数を超えた場合には溶融金属取扱い設備の操業状態が異常事態であると判定し、基準個数以下である場合には溶融金属取扱い設備の操業状態が正常事態であると判定する等の処理を行うようになっている。
異常事態自動検出装置では、撮像装置10が操業状態の監視用としても用いられているため、撮像装置10の画像信号が分配器14を介して監視用ディスプレイ装置16にも入力されるようになっている。また、画像処理装置12による画像処理及び解析の結果、異常事態が発生していると判定されると、パトライト(登録商標)等の警告装置22が溶融金属取扱い設備のオペレータに対して音や光を用いて警報を発するようになっている。なお、図中符号18は、異常事態自動検出装置の健全性を自動で評価する健全性自動評価装置である。これについては後述する。
次に、異常事態自動検出装置を用いて、溶融金属取扱い設備の一例である連続鋳造設備の操業状態を監視する方法について説明する。図2に示すように、連続鋳造設備においては、レードル24に貯留されている溶鋼(溶融金属)が、ロングノズル26からタンディッシュ28に注入され、さらにタンディッシュ28から浸漬ノズル29を通してモールド30に注入される。
モールド30に注入された溶鋼は、その周囲から冷却されて表面に凝固シェルが形成されて鋳片となり、内部が溶融している状態でガイドロール32により案内されて下流側に搬送されつつ徐々に冷却されていく。そして、最終的に完全に凝固した鋳片としてガイドロール32から順次抜き取られ、その下流側で図示しないガス切断機等により所定長さに切断された後に搬出されるようになっている。
この連続鋳造設備には、溶融金属の異常漏出、異常滴下等の異常事態を自動的に検出するための異常事態自動検出装置が設置されている。異常事態自動検出装置の撮像装置10は、例えばモールド30の下方のセグメント部分を撮像可能な位置に設置されており、この撮像装置10によって、モールド30の下方で発生する例えばブレークアウトBを検出するようになっている。ブレークアウトBは、連続鋳造設備における溶鋼の異常漏出の一例であり、モールド30よりも下方の部分で凝固シェルが破れ、鋳片の内部から溶鋼が漏出する現象である。なお、図示例においては、撮像装置10を保護するため、撮像装置10と連続鋳造設備の間にガラス板(例えばモールド30の周囲を囲むチャンバーの壁面に設置されたガラス窓)34が設置されているが、ガラス板34はなくてもよい。
なお、撮像装置10の撮像範囲は特に限定されるものではなく、溶融金属の異常漏出、異常滴下等の異常事態が発生するおそれのある部分が撮像されるように設定すればよい。また、複数の撮像装置10を設置して複数の撮像範囲を撮像してもよいし、複数の撮像装置10で1つの撮像範囲を撮像してもよい。さらに、前述したように、この撮像装置10は連続鋳造設備の操業状態の監視用としても用いられる。
撮像装置10により撮像して得られた画像は、画像処理装置12に送られて画像処理され解析が施される。画像処理及び解析の内容は以下の通りである。画像を構成する各画素の色をそれぞれ判別し、その判別結果に基づいて、画像の所定領域に含まれる画素のうち特定色を表わす画素の個数を算出する。そして、算出された個数が、予め定めた基準個数を超えた場合には「ブレークアウトBが発生した(異常事態)」と判定し、前記基準個数以下である場合には「ブレークアウトBは発生していない(正常事態)」と判定するようになっている。
画像の所定領域をどのような領域に設定するかは特に限定されるものではなく、予め適宜設定しておく。また、特定色は、実際にブレークアウトを撮像して得られた画像に基づいて、溶鋼の色と略同一の色に予め決定し設定しておく。画素の色が特定色であるか否かを判別する際には、画素の色と特定色との比較に、R、G、Bの3原色をそれぞれ個別に用いてもよいし、原色以外の中間色等を用いてもよい。
そして、実際のブレークアウト時に撮像して得られた画像の所定領域内に存在する特定色の画素の個数を、ブレークアウトを判定するための基礎データとして保存する。上記基礎データを基に、ブレークアウトを判定し検出する場合には、各設備に応じて基礎データとして得られている上記所定領域内に存在する特定色の画素の個数に対して、例えば90%や80%等の任意の安全率を勘案した個数を基準個数に設定し、それを実際のブレークアウトの判定に用いる。
このようにして、異常事態自動検出装置によってブレークアウトを自動的に検出することができるので、初期の漏鋼段階でブレークアウトの発生を発見することができる。よって、鋳造速度を低下する等のブレークアウト時対応策を直ちに採ることができるので、連続鋳造設備の操業トラブルの程度を軽減することができ、早期に操業を再開することができる。
ところで、上記のように構成された異常事態自動検出装置において、連続鋳造設備と撮像装置10との間に配置されたガラス板34の連続鋳造設備側の面(ガラス板34が設けられていない場合には撮像装置のレンズ表面)に、連続鋳造設備から飛散したモールドパウダーや埃等の汚れが徐々に蓄積したり結露が発生したりすると、図3(a)〜(d)に、撮像装置10で撮影した鋳片の画像をガラス板34の汚れの進行程度別に模式的に示すように、汚れの進行とともに撮像画像の照度が徐々に低下していくことが分かる。例えば、図3(a),(b)に示すガラス板34が汚れていないあるいは僅かにしか汚れていない初期段階では、鋳片のオレンジ色の範囲を観察することができるが、図3(c),(d)に示すようにガラス板34の汚れが進行し鋳片からの光が透過できなくなると、鋳片をほとんど認識できなくなるとともに、ブレークアウトで生じる溶鋼のピンク色〜白色等の高温であることを示す色画像も認識不能となる。このような状態では、異常事態自動検出装置はブレークアウトを正常に検出することができず、異常事態自動検出装置の健全性は不十分である。
この問題を解決するため、この実施形態の健全性自動評価装置は、ガラス板や撮像装置のレンズ表面の汚れや結露に起因した異常事態自動検出装置の健全性の低下を自動で評価する。この実施形態では、画像処理装置12を構成するコンピュータによって、健全性自動評価装置18が構成されるが、画像処理装置12を構成するコンピュータとは別のコンピュータにより健全性自動評価装置を構成してもよい。
健全性自動評価装置18は、画像処理により、撮像装置10により撮像された画像中の所定領域における各画素から輝度を算出、比較し、最大輝度を測定するよう構成されている。図4は、撮像装置10で撮像したカラーの画像を白黒の濃淡画像に変換したイメージ図であり、健全性自動評価装置18はこの画像から最大輝度を測定することができる。有利な形態では、これに加えて、あるいはこれに代えて、健全性自動評価装置18は得られたカラー画像中の所定領域における特定色、特に、ガラス板34や撮像装置10のレンズの汚れや結露によって減衰する赤色系の光よりも短波長側の光、例えば緑色系、青色系の光の最大輝度を測定するよう構成されている。
また、健全性自動評価装置18は、所定の評価期間中、測定した最大輝度を記憶し、その評価期間中に得られた最大輝度の中から最大値および最小値を抽出するよう構成されている。これらに加えて、あるいはこれらに代えて、その評価期間中に得られた最大輝度の平均値を算出するよう構成してもよい。
さらに、健全性自動評価装置18は、抽出した最大値または最小値、あるいは平均値を予め定めた対応する基準値と比較する。そして、最大値、最小値または平均値が対応する基準値を下回った場合には「健全性が不十分」と判定し、基準値以上である場合には「健全性が十分」と判定するようになっている。判定結果は、監視用ディスプレイ装置16等に表示させることができ、オペレータはこの判定結果を見てガラス板34や撮像装置10のレンズの清掃あるいは交換が必要であるということを知ることができる。
ここで、最大値の判定を行う際に用いる基準最大値の設定方法の一例について説明する。
図5は、連続鋳造設備の稼動初期(つまりガラス板34や撮像装置10のレンズが汚れていない期間)の連続した操業中に、撮像装置10により撮像された画像中の最大輝度の変化(5日分)を表したグラフである。このグラフから、連続鋳造設備では、鋳込み開始で輝度が増加し、定常状態へ移行するに従い輝度が低下することが分かる。グラフ中、○印は測定した最大輝度の日毎の最大値を示し、△印は測定した最大輝度の日毎の最小値を示している。
図5中、一点鎖線で示す基準最大値は、稼動初期の連続した操業中に得られた複数の最大値(4つの○印の最大値)の平均値をAvmax、該稼動初期における最大値の分散をσとして、Avmax−N×σにより得られる値とする。Nは、例えば3〜6程度の数値を、得られる輝度のバラつきの程度に応じて選定することができる。
したがって、実際の評価期間(数日〜1週間程度)中に測定される最大輝度の最大値をXとすると、異常事態自動検出装置の健全性が十分であるか否かの判定は、X<Avmax−N×σにより判断することができ、この式を満たす場合には異常事態自動検出装置の健全性が不十分であると判定される。
なお、図5中二点鎖線で示す基準最小値の設定方法や図示しない基準平均値も基準最大値と同じ手法により決定することができる。
次に、この実施形態の健全性自動評価装置を用いて、溶融金属取扱い設備の一例である連続鋳造設備の健全性を自動的に評価する、この発明の一実施形態の異常事態自動検出装置の健全性自動判定方法について説明する。
異常事態自動検出装置の健全性自動判定方法は、連続鋳造設備の操業状態を撮像装置10で撮像し、得られた画像を構成する各画素の色をそれぞれ判別し、その判別結果に基づいて、画像の所定領域に含まれる特定色を表わす画素の個数を算出し、その個数が予め定めた基準個数を超えた場合に連続鋳造設備の操業状態が異常事態であると判定し、基準個数以下である場合に連続鋳造設備の操業状態が正常事態であると判定するよう構成された異常事態自動検出装置において、その健全性を評価するため、撮像装置10で連続鋳造設備の正常な操業状態を継続的に撮影することにより、所定の評価期間に亘って最大輝度を測定し、その評価期間中に測定された最大輝度の最大値、最小値または平均値が、予め定めた対応する基準値を下回った場合に、異常事態自動検出装置の健全性が不十分であると評価する工程を有するものである。なお、準備段階として、測定した最大輝度の最大値、最小値または平均値と比較されるための対応する基準値を健全性自動評価装置に予め入力、設定しておく。基準値は、図5を参照して説明した方法により決定してもよいし、他の方法により決定してもよい。
健全性自動評価方法のフローチャートを図6に示すように、まずステップS1にて、撮像装置10は連続鋳造設備のモールド30の出側において鋳片を含む範囲を所定の評価期間に亘って継続して撮影する。この所定の評価期間は、少なくとも1回の鋳込み開始が発生する期間とし、例えば数日〜1週間程度とすることができる。
ステップS2にて、健全性自動評価装置18は、撮像装置10により撮像された画像を処理して、画像中の所定領域における各画素から輝度を算出、比較し、最大輝度を求める。
ステップS3にて、健全性自動評価装置18は、所定の評価期間中に測定した最大輝度の中から最大値を抽出する。
ステップS4にて、健全性自動評価装置18は、ステップS3にて抽出した最大値が、予め定めた基準最大値より小さいかどうかを判定する。最大値が基準最大値以上であれば、ステップS5に移行し、異常事態自動検出装置の健全性が十分であり、ガラス板34や撮像装置10のレンズを清掃したり交換したりする対応は不要であると評価される。
一方、ステップS4にて、最大値が基準最大値未満である場合には、ステップS6に移行し、異常事態自動検出装置の健全性が不十分であり、ガラス板34や撮像装置10のレンズを清掃したり交換したりする対応が必要であると評価される。
このように、この実施形態の異常事態自動検出装置の健全性自動評価方法および装置18にあっては、溶融金属取扱い設備の正常な操業に伴い鋳片から発生する光の輝度の変化に基づいて異常事態自動検出装置の健全性を評価するものであるので、溶融金属取扱い設備の操業を停止することなしに異常事態自動検出装置の健全性の評価を行うことができ、しかも、撮像装置10に特定色の光を投光するための追加の設備を必要せず、低コストでの導入が可能である。
また、ガラス板34や撮像装置10のレンズが汚れたり結露が付着したりすると長波長である赤色系(R)の光よりも短波長側の光の減衰が進むが、R/G/Bの値の全てを利用して白黒表現した場合の最大輝度を測定すると、本来は異常事態自動検出装置の健全性が不十分であるにも拘わらず、健全性が十分である判定される場合もあり得る。そこで、この発明の有利な実施形態では、異常事態自動検出装置の汚れや結露によって赤色系(R)の光よりも減衰し易い短波長側の光(例えば緑色系(G)、青色系(B))の最大輝度を測定し評価に用いるようにしており、これによれば、異常事態自動検出装置の健全性をより確実に評価することが可能となる。
さらに、この発明の有利な実施形態では、溶融金属取扱い設備の稼動初期における正常な操業状態を継続的に撮影することにより測定される最大輝度の複数の最大値の平均値をAvmax、該稼動初期における最大値の分散をσ、一定定数をN、評価期間に測定される現状の最大輝度の最大値Xとしたとき、X<Avmax−N×σを満たす場合に異常事態自動検出装置の健全性が不十分であると評価するようにしており、これによれば、測定される輝度のばらつきを考慮した、より正確な健全性評価が可能となる。
なお、上記説明では、連続鋳造設備において鋳込み開始業時に輝度が増加すると説明したが、鋳込み終了時にも輝度が増大することもあるため、鋳込み終了時に測定される最大輝度が最大値として基準最大値との比較のために抽出される場合もある。例えば、1日のうちに鋳込み開始と鋳込み終了がある場合、最大輝度は2度大きな値をとることがあり、鋳込み終了時の最大輝度の方が鋳込み開始時の最大輝度よりも大きければ、鋳込み終了時の最大輝度が最大値として抽出される。
かくして、この発明によれば、初期導入コストを抑えることができるとともに、溶融金属取扱い設備の操業中に異常事態自動検出装置の健全性を評価することが可能な方法および装置を提供することができる。
10 撮像装置
12 画像処理装置
14 分配器
16 監視用ディスプレイ装置
18 健全性自動評価装置
B ブレークアウト
12 画像処理装置
14 分配器
16 監視用ディスプレイ装置
18 健全性自動評価装置
B ブレークアウト
Claims (6)
- 溶融金属取扱い設備の操業状態を撮像装置で撮像し、得られた画像を構成する各画素の色をそれぞれ判別し、その判別結果に基づいて、前記画像の所定領域に含まれる特定色を表わす画素の個数を算出し、その個数が予め定めた基準個数を超えた場合に前記溶融金属取扱い設備の操業状態が異常事態であると判定し、前記基準個数以下である場合に前記溶融金属取扱い設備の操業状態が正常事態であると判定するよう構成された異常事態自動検出装置の健全性を評価する健全性自動評価方法であって、
前記撮像装置で溶融金属取扱い設備の正常な操業状態を継続的に撮影することにより、所定の評価期間に亘って最大輝度を測定し、その評価期間中に測定された最大輝度の最大値、最小値または平均値が、予め定めた対応する基準値を下回った場合に、前記異常事態自動検出装置の健全性が不十分であると評価することを特徴とする異常事態自動検出装置の健全性自動評価方法。 - 前記所定の評価期間に亘って測定する前記最大輝度は、前記異常事態自動検出装置の汚れによって減衰する色の光よりも短波長側の光の最大輝度であることを特徴とする、請求項1に記載の異常事態自動検出装置の健全性自動評価方法。
- 前記溶融金属取扱い設備の稼動初期における正常な操業状態を継続的に撮影することにより測定される最大輝度の複数の最大値の平均値をAvmax、該稼動初期における最大値の分散をσ、一定定数をN、前記評価期間に測定される現状の前記最大輝度の前記最大値をXとしたとき、X<Avmax−N×σを満たす場合に前記異常事態自動検出装置の健全性が不十分であると評価することを特徴とする、請求項1または2に記載の異常事態自動検出装置の健全性自動評価方法。
- 溶融金属取扱い設備の操業状態を撮像装置で撮像し、得られた画像を構成する各画素の色をそれぞれ判別し、その判別結果に基づいて、前記画像の所定領域に含まれる特定色を表わす画素の個数を算出し、その個数が予め定めた基準個数を超えた場合に前記溶融金属取扱い設備の操業状態が異常事態であると判定し、前記基準個数以下である場合に前記溶融金属取扱い設備の操業状態が正常事態であると判定するよう構成された異常事態自動検出装置の健全性を評価する健全性自動評価装置であって、
前記撮像装置で溶融金属取扱い設備の正常な操業状態を継続撮影することにより、所定の評価期間に亘って最大輝度を測定し、その評価期間中に測定された最大輝度の最大値、最小値または平均値が、予め定めた対応する基準値を下回った場合に、前記異常事態自動検出装置の健全性が不十分であると評価するよう構成されていることを特徴とする異常事態自動検出装置の健全性自動評価装置。 - 前記所定の評価期間に亘って測定する前記最大輝度は、前記異常事態自動検出装置の汚れによって減衰する色よりも短波長側の色の最大輝度であることを特徴とする、請求項4に記載の異常事態自動検出装置の健全性自動評価装置。
- 前記溶融金属取扱い設備の稼動初期における正常な操業状態を継続的に撮影することにより測定される最大輝度の複数の最大値の平均値をAvmax、該稼動初期における最大値の分散をσ、一定定数をN、前記評価期間に測定される現状の前記最大輝度の前記最大値をXとしたとき、X<Avmax−N×σを満たす場合に前記異常事態自動検出装置の健全性が不十分であると評価するよう構成されていることを特徴とする、請求項4または5に記載の異常事態自動検出装置の健全性自動評価装置。
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JP2017046009A JP2018149553A (ja) | 2017-03-10 | 2017-03-10 | 異常事態自動検出装置の健全性自動評価方法および装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112561238A (zh) * | 2020-11-24 | 2021-03-26 | 国家电网有限公司 | 一种抽水蓄能电站辅机设备状态健康评价系统及方法 |
CN113319259A (zh) * | 2021-06-07 | 2021-08-31 | 东北电力大学 | 一种基于空间-时序特征的黏结漏钢逻辑判断方法 |
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2017
- 2017-03-10 JP JP2017046009A patent/JP2018149553A/ja active Pending
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