JP2001269770A - 溶融金属取扱い設備の異常自動検出方法 - Google Patents

溶融金属取扱い設備の異常自動検出方法

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JP2001269770A
JP2001269770A JP2000083994A JP2000083994A JP2001269770A JP 2001269770 A JP2001269770 A JP 2001269770A JP 2000083994 A JP2000083994 A JP 2000083994A JP 2000083994 A JP2000083994 A JP 2000083994A JP 2001269770 A JP2001269770 A JP 2001269770A
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Jun Sakai
純 酒井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 操業状態を撮像した画像中に存在する所定の
映像を構成する画素数が閾値を超えた場合に異常と判定
するために設定する該閾値を、自動的に更新し適切な値
に調整できるようにする。 【解決手段】 溶融金属取扱い設備における操業状態を
カメラ10で撮像し、画像処理装置12により、得られ
た画像中の特定条件を、満足する映像について該映像を
構成する画素数が所定の閾値を超えたことをもって溶融
金属取扱い設備に異常が発生したと判定する際、異常発
生時に撮像された画像における前記特定条件を満足する
映像を構成する画素数の情報を自動的に蓄積し、その情
報に基づいて前記閾値を更新する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、特に、溶融金属を
取り扱う精錬あるいは鋳造工場等の溶融金属取扱い設備
において、当該設備の操業状態をCCDカメラ等の撮像
手段を用いて撮像し、撮像の結果得られる画像を画像処
理する等によって正常状態か異常状態かを判定すること
により、溶融金属の異常漏出及び異常滴下等の異常事態
の検出を人間の目視監視に頼らずに自動的に行う際に適
用して好適な、溶融金属取扱い設備における異常事態の
自動検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】溶融金属を取り扱う精錬あるいは鋳造工
場等の溶融金属取扱い設備において発生する溶融金属の
異常漏出及び異常滴下等の異常事態の検出は、従来はオ
ペレータが目視監視によって行うか、あるいは熱電対等
のセンサを多数配置しておき、例えば熱電対へ溶融金属
が飛散して付着することによる断線を基に検知するよう
な方法で行われてきた。
【0003】ところが、近年の生産設備の自動化への要
求の高まりに応じて、要員の削減が随所で行われてお
り、極めて稀に発生する前記溶融金属の異常事態の監視
を主に行う専属の作業員を配置できることは殆ど無いの
が実状である。そのため、通常は設備の運転を行いなが
ら、平行して異常監視を行うことになることから、一連
の連続操業の中で、例えばスタート時点等のように作業
が集中するピーク時には、異常監視への注意力が欠けて
しまい、結果として異常事態の発見が遅れて設備の損傷
が多大になってしまう場合がある。
【0004】又、熱電対等のセンサを多数配置するよう
な前記方法では、溶融金属が飛散し易い場所の近傍に多
数のセンサを配置しなければならないが、連続操業を続
ける設備ではこのように多数のセンサの維持管理を行う
ことが困難である上に、コスト的にも安価な設備とする
ことが困難であった。
【0005】そこで、他の方法として、例えば特開平1
0−71453に、鋳型出口の近傍にCCDカメラを配
置し、その撮像画面を複数の画区に分割して画像処理す
ることで鋳片表面の局部的な温度変化を監視し、これに
よってブレイクアウトを検知する方法が提案されてい
る。この方法では、具体的には、画像をある大きさに分
けた各画区の平均輝度を算出し、それを特定の閾値と比
較して、異常の有無を判定している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
開平10−71453に開示されている方法では、前記
画区を小さく設定すると感度が良くなるものの、外乱や
単なるスプラッシュの通過等の影響を受け易くなり、逆
に画区を大きく設定すると、外乱等の影響を小さくする
ことができるが、反対に感度が低下することになるた
め、この方法を実用化することは困難であるという問題
がある。
【0007】そこで、本出願人は、前記従来の問題点を
解決するべく、溶融金属取扱い設備における異常事態の
自動検出方法として、特願平11−197352号にお
いて、溶融金属取扱い設備における操業状態を撮像し、
得られた画像を構成する画素の色をそれぞれ判別し、そ
の判別結果を基に画像上の所定領域に含まれる特定色を
表わす画素の個数を算出し、その個数が予め定めてある
基準個数を超えた場合に異常事態と判定することによ
り、溶融金属取扱い設備の操業状況を撮像して得られる
画像から、溶融金属の異常事態の発生を確実に自動検出
することができるようにした発明を提案している。以
下、これを提案済発明という。
【0008】即ち、この提案済発明においては、溶融金
属取扱い設備の操業状態をCCDカメラ等の撮像手段に
より撮像し、その撮像結果として得られた画像を画像処
理する等により、溶融金属の異常事態に関係する特定色
を表示する画素を抽出し、その個数を以って正常状態か
異常状態かを判定するようにしたので、溶融金属の異常
漏出や異常滴下等の異常事態の発生を、人間の目視監視
に頼ることなく、自動的に確実に検出することが可能と
なり、しかも検出設備及びその運用のコスト削減を図る
こともできる。
【0009】以下、この提案済発明の具体例について詳
細に説明する。図1は、この具体例に適用される溶融金
属の異常事態の自動検出システムの概要を示すブロック
図である。
【0010】この自動検出システム(装置)は、溶融金
属取扱い設備における操業状態を撮像するCCDカメラ
(撮像手段)10と、得られた画像を構成する画素の色
をそれぞれ判別し、その判別結果を基に画像上の所定領
域内に含まれる特定色を表わす画素の個数を算出し、そ
の個数が予め定めてある基準個数を超えた場合に異常事
態と判定する等の処理を行う画像処理装置12とを備え
ている。
【0011】上記システムでは、CCDカメラ10が監
視用としても用いられているため、分配器14を介して
監視用CRT16にも画像信号が入力されるようになっ
ており、又、本システムの開発に使用したビデオ18と
開発用CRT20とが接続され、ビデオ18からは上記
画像処理装置12にビデオ信号が出力されるようになっ
ている。又、前記システムでは、前記画像処理装置12
による画像処理の結果、異常事態発生と判定されると、
パトライト22によりオペレータに警報が発せられるよ
うになっている。
【0012】前記システムは、具体的には、図2に示す
ような連続鋳造設備の操業状態の監視に適用される。こ
の連続鋳造設備では、レードル24に貯留されている溶
鋼(溶融金属)Mが、ロングノズル26からタンディッ
シュ28に注入され、更に該タンディッシュ28からI
/Mノズル29を通してモールド30に注入される。こ
のモールド30に注入された溶鋼Mは、その周囲から冷
却されて凝固シェルが形成されると、内部が溶融した状
態でガイドロール32により案内され、最終的に完全に
凝固した鋳片として順次抜き取られ、その下流側で所定
長さに切断されて搬出されるようになっている。
【0013】この連続鋳造設備では、上記モールド30
の下側のセグメント部分を撮像できる位置に、前述した
ように監視用として兼用されている前記CCDカメラ1
0が配設されており、このカメラ10により上記モール
ド30の下側に発生するブレークアウトトラブルを検出
するようになっている。
【0014】図3は、前記システムが検出対象としてい
る上記連続鋳造設備における溶鋼Mの異常漏出の例とし
て、ブレークアウトトラブルによる溶鋼漏出のイメージ
を示したものである。ブレークアウトトラブルは、モー
ルド30の内部における拘束性のものについては種々の
検知方法が確立され、それぞれ実用化されているが、該
モールド30より下の部分で凝固シェルが破れる、図中
Bで例示した3箇所に生じているブレークアウトの場合
については、溶鋼の飛散をオペレータが目視により監視
し、発見する以外の方法は、従来実用化されていなかっ
た。
【0015】図4には、ブレークアウトトラブルが発生
した際に、前記CCDカメラ10により得られた撮像画
像のイメージを示した。この場合の撮像範囲は、設備の
溶鋼漏出のおそれのある範囲に応じて任意に設定してよ
く、その際複数の範囲に分割してもよい。
【0016】又、撮像対象が、前述したように連続鋳造
設備の2次冷却帯のセグメント部分であり、この部分を
外部の安全な場所から前記カメラ10により撮像してい
る。この撮像部分には、通常、敢えて照明を設置しない
ようにして薄暗くすることにより、ブレークアウトの発
生画像は、この図4に示したような暗闇に花火の火花が
落下するような画像として得ることができる。但し、撮
像の仕方は実際の設備の状況に応じて、カメラの絞りを
調整して暗く撮像したり、あるいは敢えて周囲の設備の
色を特定色に統一したりすること等により、自動検出し
易いようにしてもよいことはいうまでもない。このよう
な条件の下で撮像しているときに、ブレークアウトが発
生すると、上記図4に示したような暗闇の中で突如花火
の火花が発生するような画像が得られる。
【0017】ここでは、前記CCDカメラ10により撮
像して得られた画像について、前記画像処理装置12に
より、前記図4に示したような撮像範囲における所定領
域内に、特定色の画素が予め設定してある基準個数(判
定基準:閾値)以上発生したことを以って、ブレークア
ウトトラブルにより溶鋼が漏出したことを判定し、自動
検出するができるようになっている。
【0018】上記所定領域は予め設定しておき、又、特
定色は、実際にブレクーアウトを撮像して得られた画像
に基づいて予め決定し、設定しておく。特定色であるか
否かの判定には、現在の画像と比較する際に、R、G、
Bの3原色をそれぞれ個別に用いても、原色以外の中間
色等を用いてもよい。
【0019】具体的には、ブレークアウト時に撮像して
得られた画像における溶融金属の色を、上記3原色や中
間色等の色にそれぞれ分解し、各色毎の輝度値を求め、
その輝度値をもって特定色と定義する。前記撮像範囲内
の所定領域内に存在するこのような特定色の画素の個数
を、ブレークアウトを判定するための基礎データとして
保存する。実際の操業を監視するにあたり、撮像された
画像を構成する画素の色が、上記の特定色と同一の色と
判定するための前記各色毎の輝度値は、上記特定色の輝
度値に対して±何%かの許容範囲を設定してもよい。
【0020】上記基礎データを基に、実際にブレークア
ウトを判定し、検出する場合には、設備に応じて基礎デ
ータとして得られている前記所定領域内に存在する特定
色の画素の個数に対して、例えば90%や80%等の任
意の安全率を勘案した個数を基準個数に設定し、それを
実際の自動判定に用いる。
【0021】この自動検出システムを、以上のような構
成とすることにより、モールド30より下のセグメント
部分で凝固シェルが破れて発生するブレークアウトトラ
ブルの検出技術を確立することができた。
【0022】以上詳述した自動検出システムによれば、
連続鋳造設備の操業状態をCCDカメラ10を用いて撮
像し、得られた撮像結果の画像を画像処理する等により
正常状態と異常状態を判定するようにしたので、溶鋼の
異常漏出や異常滴下等の異常事態の検出を、人間の目視
監視に頼ることなく、自動的に行うことが可能となっ
た。その結果、ブレークアウト発生チャージの全てにお
いて、初期の漏鋼段階でブレークアウト発生が自動的に
検知できたため、直ちに鋳造速度を低下するアクション
を採ることができ、操業トラブルを軽減することができ
た。
【0023】以上、具体的に説明した提案済み発明は、
異常事態の発生を自動的に検出することができるという
点で優れているが、その自動検出の精度を維持し、且つ
向上していくためには、前述した画像処理により異常検
出を行う際に設定する判定用の閾値を適切な値に更新
し、調整することも、又極めて重要である。
【0024】これまで、溶融金属の異常漏出や異常滴下
等を自動検出する際に設定する判定用の閾値(判定基
準)を調整する場合は、実際に異常が起こったときに撮
像してビデオ録画した画像データを、画像処理装置に取
り込んで前述したような処理を行うと共に、オペレータ
が必要なパラメータを設定する等により、その調整が行
われてきた。あるいは、操業状態を撮像した画像データ
を記録しておくビデオを外付けで準備し、該ビデオから
該当箇所の画像を探して画像処理装置に取り込み、その
画像を元にオペレータが判定用の閾値を設定する等の作
業を繰り返すことにより、その調整が行われていた。
【0025】しかしながら、このように判定用閾値を調
整する作業は、それ自体が繁雑で時間がかかるという新
たな問題があることが明らかになった。取り分け、画像
処理装置が溶融金属を取り扱う現場にあって、録画用の
ビデオが操作室に設置されている等の場合には、パソコ
ン上で複数個のビデオ画像をキャプチャリングした後
に、画像処理装置に取り込ませて調整することになる等
の繁雑な作業が必要となっていた。
【0026】本発明は、上述した新たな問題点を解決す
るべくなされたもので、溶融金属取扱い設備で操業状態
を撮像し、得られた画像中に存在する所定の条件を満足
する映像を構成する画素数が閾値を超えた場合に異常と
判定するために設定する該閾値を、自動的に更新し、適
切な値に調整できるようにすることにより、異常の発生
を常に正確に自動検出することができる溶融金属取扱い
設備の異常自動検出方法を提供することを課題とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】本発明は、溶融金属取扱
い設備における操業状態を撮像し、得られた画像中の特
定条件を満足する映像について該映像を構成する画素数
が所定の閾値を超えたことをもって溶融金属取扱い設備
に異常が発生したと判定する際、異常発生時に撮像され
た画像における前記特定条件を満足する映像を構成する
画素数の情報を自動的に蓄積し、その情報に基づいて前
記閾値を更新することにより、前記課題を解決したもの
である。
【0028】即ち、本発明においては、溶融金属取扱い
設備の異常発生の判定に使用する閾値を、異常発生時に
撮像された画像に含まれる情報を自動的に蓄積し、その
情報に基づいて順次更新するようにしたので、その判定
用閾値を常時適切な値に自動調整することができ、従っ
て、異常発生の自動検出を常に正確に行うことができ
る。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態について詳細に説明する。
【0030】図5は、本発明に係る一実施形態の溶融金
属取扱い設備の異常自動検出方法に適用される異常検出
装置の要部構成を示すブロック図である。
【0031】この異常検出装置は、操業状態を撮像する
CCDカメラ10と、その画像信号を分配する分配器1
4、該分配器から入力される信号を元に後述する画像処
理を行う画像処理装置12、同分配器14からの信号を
元に操業状態を監視するための監視用CRT16、異常
発生時に警報を発するパトライト22を備えている。こ
れらは、前記図1に示した提案済み発明の場合と実質的
に同一であるので、詳細な説明は省略する。
【0032】本実施形態では、上記異常自動検出装置
が、前記提案済み発明の場合と同様に、前記図2や図3
に示した連続鋳造設備に適用され、前記CCDカメラ1
0により前記図4に示したような画像が撮像されるよう
になっている。そして、前記カメラ10により撮像され
た画像を、画像処理装置12により処理した結果、異常
と判定された場合には、パトライト22で異常をオペレ
ータに通知すると共に、自動的に鋳込み速度Vrを緊急
減速し、自動的に前記タンディッシュ28のI/Mノズ
ルに当たるスライディングノズル(図中S/Nで示す)
を全閉にするための指令信号が、前記設備制御装置13
に出力されるようになっており、又、該設備制御装置1
3において手動で鋳込み速度Vrを緊急減速し、スライ
ディングノズルを全閉にする操作を行った場合には、そ
の情報が鋳込み速度Vrの実績と共に前記画像処理装置
12に入力されるようになっている。
【0033】本実施形態では、画像処理装置12におい
て、異常判定に使用する閾値(判定基準)の調整を十分
に行うようにすれば、ブレークアウトの自動検出を行う
ことにより、ブレークアウトトラブル発生の防止を十分
に図ることができる。しかしながら、前述したように画
像処理による自動判定に使用する閾値の調整には、多大
な手間がかかることから、オペレータの作業負荷を軽減
し、且つ調整完了までの期間を短くするための対策が必
要である。
【0034】そこで、本実施形態では、前記図5に示し
たように、前記設備制御装置13から、設備の操業に関
する信号を受信し、その信号の変化に基づいて、前記図
4にブレークアウト時のITV(industrial televisi
on)画像イメージとして示したような画像を自動的にブ
レークアウト発生時のサンプル画像として採取できるよ
うにしている。
【0035】図6は、このような自動採取したサンプル
画像を元に求められる、前述した火花映像を構成する画
素数の度数分布を表わしたものである。この図に示され
るように、ブレークアウトによって発生する画素数は多
いが度数の小さい火花映像と、ブレークアウト以外に正
常時でも発生する画素数が少ないが度数が大きい火花映
像とが、それぞれの分布を形成する。
【0036】本実施形態では、前記画像処理装置12に
より、この図6に併記したように、撮影画像中の火花映
像を構成する画素数が、ブレークアウトによらない火花
映像を構成する画素数の度数分布の平均値μFに、分散
σFに定数を乗じた値を加算した値(図中NF(=f(σ
F))より大きく、且つ、ブレークアウトによって発生
した場合の火花映像を構成する画素数の度数分布の平均
値μTから、分散σTに定数を乗じた値を引いた値(図中
NT(=f(σT))より大きい値であることをもって、
その画像処理結果からブレークアウトが発生したと自動
判定することを第1の基本原理としている。なお、この
場合、横軸にR、G、Bの3原色又は中間色の輝度値を
用いてもよい。
【0037】但し、これに限らず、異常発生時の画像
を、例えば1秒毎に撮像しそれぞれ異常画像サイクリッ
クバッファに順次蓄えると共に、異常発生初期に該当す
るタイミングの画像をBO(ブレークアウト)初期サン
プルの異常画像として別のバッファに蓄える。そして、
例えば、図7の右半分に示すように、5個のサンプル画
像を前者のバッファに蓄えて、その中で最も火花映像を
構成する画素数が少ない画像を後者のバッファにBO初
期マスター画像として登録しておく。そして、撮影され
た検査対象の画像上に、登録されている上記BO初期マ
スター画像以上の火花画素数が検出された場合をブレー
クアウト発生と判定する第2の基本原理を採用するよう
にしてもよい。
【0038】本実施形態では、原則として上記第1の基
本原理に基づくブレークアウト発生の自動検出を常に正
確に実行できるように、異常発生の判定用の閾値であ
る、前記図6に示したブレークアウト判定用基準値NT
を、実操業を通して順次採取される画像データを基に更
新し、適切な値に自動調整できるようにしている。
【0039】従って、前記画像処理装置12の調整後、
即ち十分に使用に耐える判定用の閾値が該画像処理装置
12に設定された後は、順次より適切な閾値に自動更新
されるため、常時ブレークアウト発生を正確に検出でき
るようになる。
【0040】しかしながら、前記画像処理装置12の調
整前には、いきなり上記のような閾値の自動更新ができ
ないため、別な方法を採る必要がある。
【0041】ブレークアウトトラブルは、従来も勿論異
常事態であり、通常の生産ラインを流れる規格製品の表
面状態等を評価する場合のように、特定のタイミングで
発生する訳ではないため、以前はビデオ装置により操業
状態を撮影した画像を記録しておき、トラブルが発生し
た後にビデオ画像を画像処理装置に取り込んで画像を評
価していた。
【0042】そこで、このような過去の保存データを基
に、画像処理の調整前の予備処理を行う。これを図7を
用いて以下に説明する。
【0043】正常な火花として、例えばアーク溶接の火
花を用意し、これを正常画像として撮像する。その際、
一定時間をおいて逐次撮像する等により、複数(図では
5枚)の画像を撮像し、各画像について所定条件を満た
す、例えば、前記提案済み発明で説明した所定領域に含
まれる特定色を表わす火花映像を構成する画素数Pnsを
カウントし、そのうちの最大のものを正常な火花画像の
マスターデータ(火花Maxマスター:画素数Pnm)とし
て登録する。
【0044】又、その一方で、過去に撮像された溶融金
属取扱い設備や同様の設備で発生したブレークアウト初
期のビデオ画像を元に、複数の画像を取り出し、各画像
について、同様の所定条件を満たす火花映像を構成する
画素数Pbsをカウントし、そのうちの最大のものをブレ
ークアウト画像のマスターデータ(BO初期マスター:
画素数Pbm)として登録する。
【0045】画像処理の調整前には、閾値として前記N
Tが適切な値に設定されていないため、便宜上このよう
にして登録されたBO初期マスターの画素数Pbmをブレ
ークアウト時の平均画素数μTOとして仮決定する。次
に、初期閾値NTOは、μTOに対して本来は、前記図6を
用いて説明したように、その分布形状の分散σを考慮し
て、2σあるいは3σ等を引いた値に決定するのである
が、この時点では未定であるためμTOの値の、例えば2
0%等の値を該μTOから差し引いた値をNTOとして仮決
定する。
【0046】この仮決定を元に、画像処理装置の試験運
用を開始する。開始後の試験運用に際しては、ブレーク
アウトトラブルの発生が認められた時には、図8に示す
ようにその異常画像を複数タイミングのそれぞれの連続
する時間間隔毎の画像として保存する。画像採取は、例
えば1秒間隔でJ回のサンプリングを実施し、各画像を
サイクリックバッファを用いて現在画像サイクリックバ
ッファに保存する。
【0047】このバッファに、上記のように1秒毎の画
像を保存しておき、ブレークアウトトラブルが実際に発
生した場合には、鋳込み速度Vrが緊急減速し、その前
後でスライディングノズル(S/N)の緊急全閉が一定
時間以上継続したときの特定時間前の画像を、異常画像
と判定する。この異常画像の画像中の火花映像を構成す
る画素数をカウントし、前記図6に示したブレークアウ
トの火花画素数の度数分布を更新して、新たな平均値μ
Tと、分散σTと判定基準(閾値)NTを計算して、判定
基準を自動更新する。なお、この異常画像をBO初期マ
スターとして自動登録して、前記第2の基本原理に基づ
く検出に用いるようにしてもよい。
【0048】以上詳述した本実施形態によれば、モール
ド30より下部でブレークアウトが発生した場合の早期
発見を画像処理で実現することが可能となると共に、そ
の際に使用する判定基準である閾値を自動調整すること
もできるようになるので、常にブレークアウトを正確に
自動検出することが可能となる。
【0049】以上、本発明について具体的に説明した
が、本発明は、前記実施形態に示したものに限られるも
のでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能で
ある。
【0050】例えば、異常画像として自動採取した前記
BO初期サンプルの画像を、オペレータが後日閲覧し、
確認した結果不適切であると判断された場合には、その
画像をBO初期サンプルから削除するような機能を備え
るようにしてもよい。
【0051】又、異常画像サイクリックバッファを確認
した結果、バッファの中の別な画像中にブレークアウト
発生初期の画像が発見された場合は、オペレータがその
画像をBO初期サンプルに追加格納できる機能を備える
ようにしてもよい。
【0052】又、以上のような各種作業を経て、画像処
理装置の調整が十分に行えるまでは手動操作を併用し、
十分に行えた後には、鋳込みの速度自動緊急減速やスラ
イディングノズルの自動緊急全閉の各操作を完全自動化
が行えるようにしてもよい。
【0053】又、閾値更新に使用する画像データの自動
蓄積は、鋳込み速度の緊急減速とスライデングノズルの
緊急全閉のいずれか一方の操作が実行されたことを条件
に行うようにしてもよい。
【0054】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明によれば、
溶融金属取扱い設備で操業状態を撮像し、得られた画像
中に存在する所定の条件を満足する映像を構成する画素
数が閾値を超えた場合に異常と判定するために設定する
該閾値を、自動的に更新し、適切な値に調整することに
より、異常発生を常に正確に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】提案済み発明に適用される自動検出システムの
概要を示すブロック図
【図2】連続鋳造設備の概要を示す説明図
【図3】連続鋳造設備で発生する溶鋼のブレークアウト
のイメージを示す説明図
【図4】ブレークアウトの発生部分を撮像した画像のイ
メージを示す説明図
【図5】本発明に係る一実施形態に適用される自動検出
装置の概要を示すブロック図
【図6】サンプル画像中の火花画素数の分布を示す線図
【図7】サンプル画像の格納方法を示す説明図
【図8】撮影画像をサイクリックバッファに格納する方
法を示す説明図
【符号の説明】
10…CCDカメラ 12…画像処理装置 28…タンディッシュ 30…モールド M…溶鋼 B…ブレークアウト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04N 7/18 H04N 7/18 D K

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶融金属取扱い設備における操業状態を撮
    像し、得られた画像中の特定条件を満足する映像につい
    て該映像を構成する画素数が所定の閾値を超えたことを
    もって溶融金属取扱い設備に異常が発生したと判定する
    際、 異常発生時に撮像された画像における前記特定条件を満
    足する映像を構成する画素数の情報を自動的に蓄積し、
    その情報に基づいて前記閾値を更新することを特徴とす
    る溶融金属取扱い設備の異常自動検出方法。
  2. 【請求項2】前記特定条件を満足する映像が、画像上の
    所定領域に含まれる特定色を表わす画素で構成され、 該特定色が、実際の異常を撮像した画像から得られた溶
    融金属の色を構成するR、G、Bの3原色又は複数の中
    間色の輝度値を基に決定されることを特徴とする請求項
    1に記載の溶融金属取扱い設備の異常自動検出方法。
  3. 【請求項3】前記特定条件を満足する映像が、画像上の
    所定領域に含まれる火花映像であることを特徴とする請
    求項1又は2に記載の溶融金属取扱い設備の異常自動検
    出方法。
  4. 【請求項4】前記閾値の更新を、前記特定条件を満足す
    る映像を構成する画素数の平均と分散とに基づいて自動
    的に実行することを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    に記載の溶融金属取扱い設備の異常自動検出方法。
  5. 【請求項5】前記溶融金属取扱い設備が連続鋳造設備で
    あり、前記異常が溶融金属のブレークアウトであること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の溶融金属
    取扱い設備の異常自動検出方法。
  6. 【請求項6】鋳込み速度の緊急減速及びタンディッシュ
    ・スライディングゲートの緊急閉止の少なくとも一方の
    操作が行なわれた場合に、画像データを自動的に蓄積
    し、閾値更新に使用することを特徴とする請求項5に記
    載の溶融金属取扱い設備の異常自動検出方法。
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