JP6734583B2 - 橋梁などの構造物を検査するための画像処理システム、画像処理方法及びプログラム - Google Patents
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Description
また、国内に存在し定期的にひび割れの有無や損傷についての点検が必要な橋梁の大多数を占めるものは、長さが2m〜15m程度のものであり、桁下が数m〜10m程度のものが多く、正面から撮影した複数の画像を取得するには、足場を組んで撮影位置を移動しながら撮影する必要があり、そのような作業は困難である。
なお、橋梁のコンクリート壁面に幅0.2mmのひび割れが生じると、その深さは10cm程度あることが予測され、内部の鉄筋に腐食が発生するおそれがある。
従って、正面画像から幅0.1mm程度のひび割れの存在とその位置を検出するには、構造物の詳細画像を取得する必要がある。
従来、構造物を検査するために、移動体を用いて複数枚の画像データを取得し、それらを統合する方法が提案されているが(特許文献1〜4)、それらの方法には以下のような問題がある。
・小さな橋梁の下には通常通路が無く、移動体を適切に移動させることは困難である。
・統合する複数個の画像データは、構造物を正面から撮影したものでなければならない。・隣接する画像データに重複する部分が必要となっている。
そして、本発明の目的は、アクセスしにくい現場に存在する構造物についても撮影作業を行い易く、かつ、得られた画像データを正確かつ迅速に処理できる橋梁などの構造物を検査するための画像処理システム、画像処理方法及びプログラムを提供することにある。
本発明の他の目的は、隣接する画像データに重複する部分がなくても、複数の画像を統合できる画像処理システム、画像処理方法及びプログラムを提供することにある。
本発明の他の目的は、システムにおける誤差を修正できる高精度な画像処理システム、画像処理方法及びプログラムを提供することにある。
本発明の他の目的は、個々の画像に部分的に不鮮明な部分があっても、正確に正面画像を取得してそれらを統合できる画像処理システム、画像処理方法及びプログラムを提供することにある。
A)カメラと、4個のレーザーポインタと、それらを一体的に保持することができる固定手段と、からなる撮影装置であって、当該撮影装置を構成する固定手段は、前記4個のレーザーポインタによるレーザー光が、前記カメラによって撮影される画像の4隅付近に照射されるように、4個のレーザーポインタを前記カメラの光軸と平行かつ当該光軸を中心とする対角線上に配置して固定することができるものである撮影装置と、
B)当該撮影装置によって得られた画像データを処理するデータ処理装置と、を備え、
当該データ処理装置は、
B1)前記撮影装置によって定位置から構造物を撮影することによって得られた複数枚の画像データのそれぞれについて、前記レーザーポインタによる各照射点の画像データ中における座標位置を抽出する照射点抽出処理と、
B2)前記複数枚の画像データのそれぞれについて、前記照射点抽出処理によって得られた前記レーザーポインタによる各照射点の座標位置と、前記撮影装置を用いて予め対象との位置関係が特定された状態で撮影した画像データ中における前記レーザーポインタによる各照射点の座標位置との相対的な関係から、前記カメラから構造物までの距離データ及びカメラの3次元方向での傾きデータを算出する位置姿勢推定処理と、
B3)前記複数枚の画像データのそれぞれについて、前記位置姿勢推定処理によって得られた距離データ及び傾きデータに基づいて、スケールの尺度が統一された構造物の正面画像データに変換する正面画像取得処理と、
B4)前記正面画像取得処理によって得られた複数枚の正面画像データを、前記位置姿勢推定処理によって得られた距離データ及び傾きデータに基づいて、再配置して統合し構造物の広範囲の正面画像を構築する画像統合処理と、
を行うことができる橋梁などの構造物を検査するための画像処理システム。」を最も主要な特徴とするものである。
A)カメラと、4個のレーザーポインタと、それらを一体的に保持することができる固定手段と、からなる撮影装置であって、当該撮影装置を構成する固定手段は、前記4個のレーザーポインタによるレーザー光が、前記カメラによって撮影される画像の4隅付近に照射されるように、4個のレーザーポインタを前記カメラの光軸と平行かつ当該光軸を中心とする対角線上に配置して固定することができるものである撮影装置と、
B)当該撮影装置によって得られた画像データを処理するデータ処理装置と、を備え、
当該データ処理装置は、
B1)前記撮影装置によって定位置から構造物を撮影することによって得られた複数枚の画像データのそれぞれについて、前記レーザーポインタによる各照射点の画像データ中における座標位置を抽出する照射点抽出処理と、
B2)前記複数枚の画像データのそれぞれについて、前記照射点抽出処理によって得られた前記レーザーポインタによる各照射点の座標位置と、前記撮影装置におけるカメラとレーザーポインタの配置位置データとから、前記カメラから構造物までの距離データ及びカメラの3次元方向での傾きデータを算出する位置姿勢推定処理と、
B3)前記複数枚の画像データのそれぞれについて、前記位置姿勢推定処理によって得られた距離データ及び傾きデータに基づいて、スケールの尺度が統一された構造物の正面画像データに変換する正面画像取得処理と、
B4)前記正面画像取得処理によって得られた複数枚の正面画像データを、前記位置姿勢推定処理によって得られた距離データ及び傾きデータに基づいて、再配置して統合し構造物の広範囲の正面画像を構築する画像統合処理と、
を行うことができる橋梁などの構造物を検査するための画像処理システム。」であっても良い。
A)カメラと、4個のレーザーポインタと、それらを一体的に保持することができる固定手段と、からなる撮影装置であって、当該撮影装置を構成する固定手段は、前記4個のレーザーポインタによるレーザー光が、前記カメラによって撮影される画像の4隅付近に照射されるように、4個のレーザーポインタを前記カメラの光軸を中心とする対角線上にて拡開するように配置して固定することができるものである撮影装置と、
B)当該撮影装置によって得られた画像データを処理するデータ処理装置と、を備え、
当該データ処理装置は、
B1)前記撮影装置によって構造物を撮影することによって得られた複数枚の画像データのそれぞれについて、前記レーザーポインタによる各照射点の画像データ中における座標位置を抽出する照射点抽出処理と、
B2)前記複数枚の画像データのそれぞれについて、前記照射点抽出処理によって得られた前記レーザーポインタによる各照射点の座標位置と、前記撮影装置を用いて予め対象との位置関係が特定された状態で撮影した画像データ中における前記レーザーポインタによる各照射点の座標位置との相対的な関係から、前記カメラから構造物までの距離データ及びカメラの3次元方向での傾きデータを算出する位置姿勢推定処理と、
B3)前記複数枚の画像データのそれぞれについて、前記位置姿勢推定処理によって得られた距離データ及び傾きデータに基づいて、スケールの尺度が統一された構造物の正面画像データに変換する正面画像取得処理と、
B4)前記正面画像取得処理によって得られた複数枚の正面画像データを、前記位置姿勢推定処理によって得られた距離データ及び傾きデータに基づいて、再配置して統合し構造物の広範囲の正面画像を構築する画像統合処理と、
を行うことができる橋梁などの構造物を検査するための画像処理システム。」であっても良い。
(6)本発明の橋梁などの構造物を検査するための画像処理システムにおいて、前記カメラにより撮影される画像の画素分解能(1ピクセルあたりの実サイズ)の範囲及び撮影時の構造物までの距離に応じて、前記カメラの有効画素数、光学ズーム倍率といったカメラのスペックを選択可能であるものであっても良い。
(8)本発明の橋梁などの構造物を検査するための画像処理システムにおいて、前記データ処理装置は、前記画像統合処理によって得られた構造物の広範囲の正面画像から、構造物に生じているひび割れ又は剥離などの損傷の計測処理を行うことができるものであっても良い。
(9)本発明の橋梁などの構造物を検査するための画像処理システムにおいて、前記カメラは、無線又は有線にて接続されたモニターによって離れた場所から撮影箇所及び焦点合わせを確認でき、かつ、前記位置姿勢推定処理によって得られた構造物との相対的な位置関係からスケールの尺度が統一された画像が得られるようカメラのズーム機構とシャッターを遠隔制御できるものであっても良い。
a)カメラと4個のレーザーポインタを有する撮影装置によって、構造物から離れた定位置から構造物の複数枚の画像データを取得するステップと、
b)前記データ処理装置による照射点抽出処理によって、前記複数枚の画像データのそれぞれについて、前記レーザーポインタによる各照射点の画像データ中での座標位置を抽出するステップと、
c)前記データ処理装置による位置姿勢推定処理によって、前記複数枚の画像データのそれぞれについて、前記照射点抽出処理によって得られた前記レーザーポインタによる各照射点の座標位置と、前記撮影装置を用いて予め対象との位置関係が特定された状態で撮影した画像データ中における前記レーザーポインタによる各照射点の座標位置との相対的な関係又は前記撮影装置におけるカメラとレーザーポインタの配置位置データとから、前記カメラから構造物までの距離データ及びカメラの3次元方向での傾きデータを算出するステップと、
d)前記データ処理装置による正面画像取得処理によって、前記複数枚の画像データのそれぞれについて、前記位置姿勢推定処理によって得られた距離データ及び傾きデータに基づいて、スケールの尺度が統一された構造物の正面画像データに変換するステップと、
e)前記データ処理装置による画像統合処理によって、前記正面画像取得処理によって得られた複数枚の正面画像データを、前記位置姿勢推定処理によって得られた距離データ及び傾きデータに基づいて、再配置して統合し構造物の広範囲の正面画像を構築するステップと、
からなる構造物を検査するための画像処理方法。」である。
(12)本発明の構造物を検査するための画像処理方法において、撮影位置から撮影される構造物の範囲は、カメラの光軸の上下左右それぞれ最大60度の範囲内となるように、構造物から離れた定位置を選定するステップをさらに含むものであると良い。
(13)さらに、本発明は、「請求項10に記載されている構造物を検査するための画像処理方法をコンピュータ、タブレット、携帯電話などのデータ処理装置に実行させるためのプログラム。」である。
A)カメラと、3個のレーザーポインタと、それらを一体的に保持することができる固定手段と、からなる撮影装置であって、当該撮影装置を構成する固定手段は、前記3個のレーザーポインタによるレーザー光が、前記カメラによって撮影される画像の範囲内に照射されるように、3個のレーザーポインタを前記カメラの光軸と平行かつ当該光軸の周囲に配置した三角形の頂点上に配置して固定することができるものである撮影装置と、
B)当該撮影装置によって得られた画像データを処理するデータ処理装置と、を備え、
当該データ処理装置は、
B1)前記撮影装置によって定位置から構造物を撮影することによって得られた複数枚の画像データのそれぞれについて、前記レーザーポインタによる3個の照射点の画像データ中での座標位置を抽出する照射点抽出処理と、
B2)前記複数枚の画像データのそれぞれについて、前記照射点抽出処理によって得られた前記レーザーポインタによる3個の照射点の座標位置と、前記撮影装置を用いて予め対象との位置関係が特定された状態で撮影した画像データ中における前記レーザーポインタによる3個の照射点の座標位置との相対的な関係又は前記撮影装置におけるカメラとレーザーポインタの配置位置データから、前記カメラから構造物までの距離データ及びカメラの3次元方向での傾きデータを算出する位置姿勢推定処理と、
B3)前記複数枚の画像データのそれぞれについて、前記位置姿勢推定処理によって得られた距離データ及び傾きデータに基づいて、スケールの尺度が統一された構造物の正面画像データに変換する正面画像取得処理と、
B4)前記正面画像取得処理によって得られた複数枚の正面画像データを、前記位置姿勢推定処理によって得られた距離データ及び傾きデータに基づいて、再配置して統合し構造物の広範囲の正面画像を構築する画像統合処理と、
を行うことができる橋梁などの構造物を検査するための画像処理システム。」である。
さらに、前記位置姿勢推定処理において、予め対象との位置関係が特定された状態で撮影した画像データ中におけるレーザーポインタによる各照射点の座標位置を用いているため、撮影装置におけるカメラとレーザーポインタの実際の配置状況を正確に把握でき、カメラから構造物までの距離データ及びカメラの3次元方向での傾きデータを正確に算出することができる。
また、レーザーポインタによるレーザー光が、カメラによって撮影される画像の4隅付近に照射されることで、画像データ中の撮影範囲が適切なものであることを簡単に確認でき、個々の撮影作業を迅速に行うことができるばかりか、撮影以後の画像処理作業を迅速かつ適切に進めることができる。
さらに、複数枚の正面画像データを、前記位置姿勢推定処理によって得られた距離データ及び傾きデータに基づいて、再配置して統合しているため、隣接する画像データに重複する部分がなくても、複数の画像を統合することができる。
本発明は、定位置から撮影することによって得られた複数枚の画像データから構造物の広範囲の正面画像を構築することができるため、撮影装置を移動させながら撮影する作業が必須のものでは無く、アクセスしにくい現場に存在する構造物についての検査を簡単、迅速、正確かつ低コストにて行うことができる。
(3)本発明の画像処理システムにおける撮影装置において、4個のレーザーポインタをカメラの光軸を中心とする対角線上にて拡開するように配置して固定するようにした場合には、撮影装置を小型化することができ、機動性を高めることができる。
(4)本発明の画像処理システムの位置姿勢推定処理において、4個の照射点の座標位置の内から選択される異なる3点の2以上の組み合わせから、距離データ及び傾きデータを算出する場合には、それらのデータの精度を高め、画像処理の結果の信頼性を高めることができる。
(6)本発明の画像処理システムにおいて、カメラにより撮影される画像の画素分解能(1ピクセルあたりの実サイズ)の範囲及び撮影時の構造物までの距離に応じて、カメラの有効画素数、光学ズーム倍率といったカメラのスペックを選択可能である場合には、検査対象となるひび割れや剥離などの大きさに応じて適切な撮影装置を構成することができ、画像処理システムのコストを削減したり、作業効率を高めることができる。
(7)本発明の画像処理システムにおいて、レーザーポインタによる4個の照射点が、正対する平面上において、正確には長方形又は正方形の頂点上に配置されるべきものである場合には、撮影範囲を正確かつ容易に決定することができ、撮影をスムーズに行うことができる。そして、画像処理における効率と正確性を高めることができる。
さらに、データ処理装置が、位置姿勢推定処理において、撮影装置を用いて予め異なる距離から正対する平面を撮影した複数枚の画像データに基づいて、距離データ及び傾きデータを算出し、カメラとレーザーポインタの光軸のズレを検出することで、構造物の画像データ中における照射点の座標位置を補正することができるものである場合には、構造物のより一層正確な正面画像を得ることができる。
(9)本発明の画像処理システムにおいて、カメラが、無線又は有線にて接続されたモニターによって離れた場所から撮影箇所及び焦点合わせを確認でき、かつ、位置姿勢推定処理によって得られた構造物との相対的な位置関係からスケールの尺度が統一された画像が得られるようカメラのズーム機構とシャッターを遠隔制御できるものである場合には、アクセスしにくい場所にある構造物の撮影作業であっても簡単に行うことができ、検査作業を極めて効率的に行うことができる。
(11)本発明の構造物を検査するための画像処理方法において、データ処理装置による位置姿勢推定処理が、撮影装置を用いて予め異なる距離から正対する平面を撮影した複数枚の画像データに基づいて、距離データ及び傾きデータを算出し、カメラとレーザーポインタの光軸のズレを検出することで、構造物の画像データ中における照射点の座標位置を補正するステップをさらに含むものである場合には、構造物のより一層正確な正面画像を得ることができる。
(13)本発明のプログラムは、請求項10に記載されている構造物を検査するための画像処理方法をコンピュータ、タブレット、携帯電話などのデータ処理装置によって実行可能であり、検査コストの削減、作業の効率化、画像処理システムのコンパクト化などを図ることができる。
(14)本発明の画像処理システムにおいて、カメラと、3個のレーザーポインタと、それらを一体的に保持することができる固定手段と、からなる撮影装置を用いる場合には、撮影装置を必要最小限なものとすることで簡素化及び小型化することができ、画像処理システムのコストを低減したり、撮影作業を容易にすることができる。
即ち、本発明の画像処理システム、画像処理方法及びプログラムは、橋梁などの構造物を検査する際において、極めて扱い易く使い易いものとなっている。
A)カメラと、3個以上のレーザーポインタと、それらを一体的に保持することができる固定手段と、からなる撮影装置と、
B)当該撮影装置によって得られた画像データを処理するデータ処理装置と、を備え、
当該データ処理装置は、
B1)前記撮影装置によって定位置から構造物を撮影することによって得られた複数枚の画像データのそれぞれについて、前記レーザーポインタによる各照射点の画像データ中における座標位置を抽出する照射点抽出処理と、
B2)前記複数枚の画像データのそれぞれについて、前記カメラから構造物までの距離データ及びカメラの3次元方向での傾きデータを算出する位置姿勢推定処理と、
B3)前記複数枚の画像データのそれぞれについて、前記位置姿勢推定処理によって得られた距離データ及び傾きデータに基づいて、スケールの尺度が統一された構造物の正面画像データに変換する正面画像取得処理と、
B4)前記正面画像取得処理によって得られた複数枚の正面画像データを、前記位置姿勢推定処理によって得られた距離データ及び傾きデータに基づいて、再配置して統合し構造物の広範囲の正面画像を構築する画像統合処理と、
を行うことができる橋梁などの構造物を検査するための画像処理システム」である。
a)カメラと4個のレーザーポインタを有する撮影装置によって、構造物から離れた定位置から構造物の複数枚の画像データを取得するステップと、
b)前記データ処理装置による照射点抽出処理によって、前記複数枚の画像データのそれぞれについて、前記レーザーポインタによる各照射点の画像データ中での座標位置を抽出するステップと、
c)前記データ処理装置による位置姿勢推定処理によって、前記複数枚の画像データのそれぞれについて、前記照射点抽出処理によって得られた前記レーザーポインタによる各照射点の座標位置と、前記撮影装置を用いて予め対象との位置関係が特定された状態で撮影した画像データ中における前記レーザーポインタによる各照射点の座標位置との相対的な関係又は前記撮影装置におけるカメラとレーザーポインタの配置位置データとから、前記カメラから構造物までの距離データ及びカメラの3次元方向での傾きデータを算出するステップと、
d)前記データ処理装置による正面画像取得処理によって、前記複数枚の画像データのそれぞれについて、前記位置姿勢推定処理によって得られた距離データ及び傾きデータに基づいて、スケールの尺度が統一された構造物の正面画像データに変換するステップと、
e)前記データ処理装置による画像統合処理によって、前記正面画像取得処理によって得られた複数枚の正面画像データを、前記位置姿勢推定処理によって得られた距離データ及び傾きデータに基づいて、再配置して統合し構造物の広範囲の正面画像を構築するステップと、
からなる構造物を検査するための画像処理方法」である。
また、本発明は、「上記のような構造物を検査するための画像処理方法をコンピュータ、タブレット、携帯電話などのデータ処理装置に実行させるためのプログラム」である。
そして、本発明は、以下において説明する実施形態などによって好適に具体化することができるものである。
図1及び図2に示すように、本発明の一実施形態の橋梁などの構造物2を検査するための画像処理システム1は、撮影装置10とデータ処理装置20とから構成される。
そして、当該撮影装置10は、1個のカメラ11と、4個のレーザーポインタLp1〜Lp4と、それらを一体的に保持することができる固定手段12と、から構成されている。
前記カメラ11としては、当該カメラ11により撮影される画像の画素分解能(1ピクセルあたりの実サイズ)の範囲及び撮影時の構造物2までの距離に応じて、前記カメラ11の有効画素数、光学ズーム倍率といったカメラ11のスペックを選択可能である。
また、前記カメラ11は、無線又は有線にて接続されたモニターによって離れた場所から撮影箇所及び焦点合わせを確認でき、かつ、後述する位置姿勢推定処理によって得られた構造物2との相対的な位置関係からスケールの尺度が統一された画像が得られるようカメラ11のズーム機構とシャッターを遠隔制御できるものであっても良い。
さらに、カメラ11としては、動画を撮影できる機能を有するデジタルカメラ、携帯電話、又は、図4に示すようなビデオカメラ11aであっても良い。
なお、ビデオカメラ11aによって構造物2の動画データを得る場合には、動画データ中における適宜の画像データを抽出・選択して以後の画像処理を行えば良い。
この固定手段12は、合成樹脂、軽金属又は木材などの剛性材料から構成することができ、前記カメラ11の光軸と各レーザーポインタLp1〜Lp4の光軸との位置関係が常時狂うことがないようにそれらを保持できれば良く、その形状は、長方形、正方形の他、他の四角形、X字形、円形、多角形、三角形、V字形、A字形などの枠状のもの又は板状のものなど、適宜選択可能である。
また、撮影装置10によって定位置から複数枚の画像データを得るために、固定手段12に三脚13を装着してカメラ11による撮影を行っても良い。
また、各レーザーポインタLp1〜Lp4による照射点P1〜P4の輝点形状は、真円で中心から正規分布に従うような輝度分布が好ましい。
なお、輝点の直径は、一例として、4m離れたところで4mm程度のものを用いることができる。
前記データ処理装置20は、
B1)前記撮影装置10によって定位置から構造物2を撮影することによって得られた複数枚の画像データのそれぞれについて、前記レーザーポインタLp1〜Lp4による各照射点P1〜P4の画像データ中における座標位置を抽出する照射点抽出処理と、
B2)前記複数枚の画像データのそれぞれについて、前記照射点抽出処理によって得られた前記レーザーポインタLp1〜Lp4による各照射点P1〜P4の座標位置と、前記撮影装置を用いて予め対象との位置関係が特定された状態で撮影した画像データ中における前記レーザーポインタLp1〜Lp4による各照射点の座標位置との相対的な関係から、前記カメラ11から構造物2までの距離データ及びカメラ11の3次元方向での傾きデータを算出する位置姿勢推定処理と、
B3)前記複数枚の画像データのそれぞれについて、前記位置姿勢推定処理によって得られた距離データ及び傾きデータに基づいて、スケールの尺度が統一された構造物2の正面画像データに変換する正面画像取得処理と、
B4)前記正面画像取得処理によって得られた複数枚の正面画像データを、前記位置姿勢推定処理によって得られた距離データ及び傾きデータに基づいて、再配置して統合し構造物2の広範囲の正面画像(図5参照)を構築する画像統合処理と、
を行うことができるものである。
ここで、前記データ処理装置20による位置姿勢推定処理は、前記レーザーポインタLp1〜Lp4による各照射点P1〜P4の内の3個の照射点の座標位置が特定できれば、前記カメラ11から構造物2までの距離データ及びカメラの3次元方向での傾きデータを算出することができる。
従って、照射点P1〜P4の内の何れか1個が不鮮明で判別困難であっても、以後の画像処理を行うことができる。
かかる計測処理は、カメラ11と対象物との距離データ及びカメラ11の傾きデータ、並びに、画像データの解像度から、各画像データ中における損傷の座標位置(各照射点P1〜P4同士の距離)を特定できるため、可能となる。
本発明の橋梁などの構造物2を検査するための画像処理方法は、好適には、前記カメラ11により撮影された画像の画素分解能(1ピクセルあたりの実サイズ)が、0.1mm/ピクセル〜0.3mm/ピクセルの範囲内である画像処理システム1を用いて構造物2の広範囲の正面画像から構造物2に生じている微細なひび割れ5の存在とその位置を確認することができる構造物2を検査するための画像処理方法であって、図7に示すように、以下のステップS1〜S6から構成されている。
前記データ処理装置20による照射点抽出処理によって、前記複数枚の画像データのそれぞれについて、前記レーザーポインタLp1〜Lp4による各照射点P1〜P4の画像データ中での座標位置を抽出するステップS2(照射点抽出処理)。
前記データ処理装置20による位置姿勢推定処理によって、前記複数枚の画像データのそれぞれについて、前記照射点抽出処理によって得られた前記レーザーポインタLp1〜Lp4による各照射点P1〜P4の座標位置と、前記撮影装置10を用いて予め対象との位置関係が特定された状態で撮影した画像データ中における前記レーザーポインタLp1〜Lp4による各照射点P1〜P4の座標位置との相対的な関係又は前記撮影装置におけるカメラ11とレーザーポインタLp1〜Lp4の配置位置データとから、前記カメラ11から構造物2までの距離データ及びカメラの3次元方向での傾きデータを算出するステップS3(位置姿勢推定処理)。
前記データ処理装置20による画像統合処理によって、前記正面画像取得処理によって得られた複数枚の正面画像データを、前記位置姿勢推定処理によって得られた距離データ及び傾きデータに基づいて、再配置して統合し構造物2の広範囲の正面画像を構築するステップS5(画像統合処理)。
前記画像統合処理によって得られた構造物2の広範囲の正面画像から、構造物2に生じているひび割れ5又は剥離などの損傷の計測処理を行うステップS6(ひび割れ計測処理)。
さらに、本発明の構造物を検査するための画像処理方法は、撮影のステップS1の前に、撮影位置から撮影される構造物2の範囲が、カメラ11の光軸の上下左右それぞれ最大60度の範囲内となるように、構造物2から離れた定位置を選定するステップS1−0をさらに含むものであると良い(図8参照)。
なお、本発明の構造物を検査するための画像処理方法において、カメラ11による撮影位置は、1箇所に限られるものではなく、構造物2が水平方向又は上下方向に長い場合には、複数箇所から複数枚の撮影を行い、その際の移動距離を元に、又は、画像データ中の特徴点を照合することで、構造物2の広範囲の正面画像を構築することもできる。
図6に示すように、構造物2をカメラ11で撮影した画像データ(撮影画像)は、基準状態で撮影された画像からX軸(水平方向)及びY軸(上下方向)において回転しており、Z軸(前後方向)において移動していると考えられる。
そこで、
i)基準状態での輝点座標と回転・移動後の輝点座標の関係より、
ii)回転と移動による距離変化により、
が成り立つので、以下のパラメータが既知であれば、方程式を解くことができる。
の「輝点座標のペア(組み合わせ)が3点以上」
「各レーザーポインタの傾き」:
「基準状態での撮影装置と壁面との距離」:Z
「撮影時の焦点距離」:
<点検対象の構造物と損傷の程度>
橋梁のコンクリート壁面3における0.1mm以上の幅を有するひび割れを検出する検査のための画像処理を行う場合
<使用するカメラ>
SONY社製のデジタルカメラ:Cyber−shot DSC−RX10M4
解像度 :5472 x 3648
光学ズーム倍率:25倍まで
<画像スペック>
画像分解能 :0.2mm/pix
最大撮影可能範囲:1.1m x 0.7m
最大撮影可能距離:0.73m(25倍ズーム利用なら18.25m)
<レーザーポインタ>
水平方向60cm、上下方向45cmの長方形の頂点に配置
カメラはその長方形の中心位置に光軸が配置されるようにして固定
(この配置が、位置姿勢推定処理において利用される配置位置データとなる。)
<撮影枚数>
画像の統合を容易にするために、3割重ねながら撮影する場合
(壁面の幅/0.8)x(壁面の高さ/0.5)枚
ここで、照射点抽出処理、正面画像取得処理、ひび割れ計測処理の個々の処理については、従来公知の画像処理方法及びプログラムを用いて当業者において容易に理解でき、かつ、処理できるものであり、詳細な説明は省略する。
一例として、本発明の構造物を検査するための画像処理システム1は、カメラ11と、4個のレーザーポインタLp1〜Lp4と、それらを一体的に保持することができる固定手段と、からなる撮影装置であって、当該撮影装置を構成する固定手段は、前記4個のレーザーポインタLp1〜Lp4によるレーザー光が、前記カメラ11によって撮影される画像の4隅付近に照射されるように、4個のレーザーポインタLp1〜Lp4を前記カメラ11の光軸を中心とする対角線上にて「拡開する」ように配置して固定することができるものであっても良い。
ここで、「拡開する」とは、レーザーポインタLp1〜Lp4による各レーザー光が、カメラ11の光軸に対して一定の角度を以て広がっていくことである。
この実施形態においては、撮影装置を小型化することが可能となる。
この実施形態において、当該撮影装置10を構成する固定手段は、前記3個のレーザーポインタLp1〜Lp3によるレーザー光が、前記カメラ11aによって撮影される画像の範囲内に照射されるように、3個のレーザーポインタLp1〜Lp3を前記カメラ11aの光軸と平行かつ当該光軸の周囲に配置した三角形の頂点上に配置して固定することができるものである。
そして、3個のレーザーポインタLp1〜Lp3の配置は、好適実施形態として、水平方向に沿った底辺を有する正三角形の頂点上であると良い。
この実施形態の場合、本発明の構造物を検査するための画像処理方法の一実施形態は、図10に示すように、以下のステップS10〜S16から構成される。
これにより、構造物2の画像データ中における照射点P1〜P3の座標位置を補正することができる。
前記カメラ11aと3個のレーザーポインタLp1〜Lp3を有する撮影装置10によって、構造物2から離れた定位置から構造物2の複数枚の画像データを取得するステップS11(撮影)。
前記データ処理装置による照射点抽出処理によって、前記複数枚の画像データのそれぞれについて、前記レーザーポインタLp1〜Lp3による各照射点P1〜P3の画像データ中での座標位置を抽出するステップS12(照射点抽出処理)。
前記データ処理装置20による正面画像取得処理によって、前記複数枚の画像データのそれぞれについて、前記位置姿勢推定処理によって得られた距離データ及び傾きデータに基づいて、スケールの尺度が統一された構造物2の正面画像データに変換するステップS14(正面画像取得処理)。
前記データ処理装置20による画像統合処理によって、前記正面画像取得処理によって得られた複数枚の正面画像データを、前記位置姿勢推定処理によって得られた距離データ及び傾きデータに基づいて、再配置して統合し構造物2の広範囲の正面画像を構築するステップS15(画像統合処理)。
前記画像統合処理によって得られた構造物2の広範囲の正面画像から、構造物2に生じているひび割れ5又は剥離などの損傷の計測処理を行うステップS16(ひび割れ計測処理)。
また、カメラとしてビデオカメラ11aを用いている場合には、撮影作業を迅速かつスムーズに行うことができる。
なお、ビデオカメラ11aによって構造物2の動画データを得る場合には、動画データ中における適宜の画像データを抽出・選択して以後の画像処理を行えば良い。
さらに、部分的に解像度を上げるには、ズーム倍率を高め、照射点P1〜P4の位置を撮影範囲の4隅になるべく接近させれば良い。
逆に撮影効率を高め、解像度を低下させても良い場合には、ズーム倍率を低めて構造物2の広範囲を撮影するようにすれば良く、この場合、照射点P1〜P4は、撮影範囲の4隅付近において、中央部寄りの位置に配置されることになる(図11参照)。
その場合、本発明の橋梁などの構造物を検査するための画像処理システムを小型・軽量化でき、画像処理作業もスムーズに行うことができる。
また、本発明の画像処理システムに通信機能を持たせることができるため、遠隔地にある現場で得られたデータを無線通信にて速やかに事業所などの大きなモニタやPCの在る場所へ転送することもできる。
2 構造物
3 壁面
4 底面
5 ひび割れ
10 撮影装置
11 カメラ
11a ビデオカメラ(カメラ)
12 固定手段
13 三脚
20 データ処理装置
21 ノート型パソコン(データ処理装置)
22 携帯電話(データ処理装置)
Lp1〜Lp4 レーザーポインタ
P1〜P4 照射点
Claims (14)
- 橋梁などの構造物を検査するための画像処理システムであって、
A)カメラと、4個のレーザーポインタと、それらを一体的に保持することができる固定手段と、からなる撮影装置であって、当該撮影装置を構成する固定手段は、前記4個のレーザーポインタによるレーザー光が、前記カメラによって撮影される画像の4隅付近に照射されるように、4個のレーザーポインタを前記カメラの光軸と平行かつ当該光軸を中心とする対角線上に配置して固定することができるものである撮影装置と、
B)当該撮影装置によって得られた画像データを処理するデータ処理装置と、を備え、
当該データ処理装置は、
B1)前記撮影装置によって定位置から構造物を撮影することによって得られた複数枚の画像データのそれぞれについて、前記レーザーポインタによる各照射点の画像データ中における座標位置を抽出する照射点抽出処理と、
B2)前記複数枚の画像データのそれぞれについて、前記照射点抽出処理によって得られた前記レーザーポインタによる各照射点の座標位置と、前記撮影装置を用いて予め対象との位置関係が特定された状態で撮影した画像データ中における前記レーザーポインタによる各照射点の座標位置との相対的な関係から、前記カメラから構造物までの距離データ及びカメラの3次元方向での傾きデータを算出する位置姿勢推定処理と、
B3)前記複数枚の画像データのそれぞれについて、前記位置姿勢推定処理によって得られた距離データ及び傾きデータに基づいて、スケールの尺度が統一された構造物の正面画像データに変換する正面画像取得処理と、
B4)前記正面画像取得処理によって得られた複数枚の正面画像データを、前記位置姿勢推定処理によって得られた距離データ及び傾きデータに基づいて、再配置して統合し構造物の広範囲の正面画像を構築する画像統合処理と、
を行うことができることを特徴とする橋梁などの構造物を検査するための画像処理システム。 - 橋梁などの構造物を検査するための画像処理システムであって、
A)カメラと、4個のレーザーポインタと、それらを一体的に保持することができる固定手段と、からなる撮影装置であって、当該撮影装置を構成する固定手段は、前記4個のレーザーポインタによるレーザー光が、前記カメラによって撮影される画像の4隅付近に照射されるように、4個のレーザーポインタを前記カメラの光軸と平行かつ当該光軸を中心とする対角線上に配置して固定することができるものである撮影装置と、
B)当該撮影装置によって得られた画像データを処理するデータ処理装置と、を備え、
当該データ処理装置は、
B1)前記撮影装置によって定位置から構造物を撮影することによって得られた複数枚の画像データのそれぞれについて、前記レーザーポインタによる各照射点の画像データ中における座標位置を抽出する照射点抽出処理と、
B2)前記複数枚の画像データのそれぞれについて、前記照射点抽出処理によって得られた前記レーザーポインタによる各照射点の座標位置と、前記撮影装置におけるカメラとレーザーポインタの配置位置データとから、前記カメラから構造物までの距離データ及びカメラの3次元方向での傾きデータを算出する位置姿勢推定処理と、
B3)前記複数枚の画像データのそれぞれについて、前記位置姿勢推定処理によって得られた距離データ及び傾きデータに基づいて、スケールの尺度が統一された構造物の正面画像データに変換する正面画像取得処理と、
B4)前記正面画像取得処理によって得られた複数枚の正面画像データを、前記位置姿勢推定処理によって得られた距離データ及び傾きデータに基づいて、再配置して統合し構造物の広範囲の正面画像を構築する画像統合処理と、
を行うことができることを特徴とする橋梁などの構造物を検査するための画像処理システム。 - 橋梁などの構造物を検査するための画像処理システムであって、
A)カメラと、4個のレーザーポインタと、それらを一体的に保持することができる固定手段と、からなる撮影装置であって、当該撮影装置を構成する固定手段は、前記4個のレーザーポインタによるレーザー光が、前記カメラによって撮影される画像の4隅付近に照射されるように、4個のレーザーポインタを前記カメラの光軸を中心とする対角線上にて拡開するように配置して固定することができるものである撮影装置と、
B)当該撮影装置によって得られた画像データを処理するデータ処理装置と、を備え、
当該データ処理装置は、
B1)前記撮影装置によって構造物を撮影することによって得られた複数枚の画像データのそれぞれについて、前記レーザーポインタによる各照射点の画像データ中における座標位置を抽出する照射点抽出処理と、
B2)前記複数枚の画像データのそれぞれについて、前記照射点抽出処理によって得られた前記レーザーポインタによる各照射点の座標位置と、前記撮影装置を用いて予め対象との位置関係が特定された状態で撮影した画像データ中における前記レーザーポインタによる各照射点の座標位置との相対的な関係から、前記カメラから構造物までの距離データ及びカメラの3次元方向での傾きデータを算出する位置姿勢推定処理と、
B3)前記複数枚の画像データのそれぞれについて、前記位置姿勢推定処理によって得られた距離データ及び傾きデータに基づいて、スケールの尺度が統一された構造物の正面画像データに変換する正面画像取得処理と、
B4)前記正面画像取得処理によって得られた複数枚の正面画像データを、前記位置姿勢推定処理によって得られた距離データ及び傾きデータに基づいて、再配置して統合し構造物の広範囲の正面画像を構築する画像統合処理と、
を行うことができることを特徴とする橋梁などの構造物を検査するための画像処理システム。 - 前記データ処理装置は、前記位置姿勢推定処理において、前記照射点抽出処理によって得られた前記レーザーポインタによる4個の照射点の座標位置と、前記撮影装置を用いて予め対象との位置関係が特定された状態で撮影した画像データ中における前記レーザーポインタによる4個の照射点の座標位置との4点の対応の内から選択される異なる3点の対応の2以上の組み合わせから、前記距離データ及び傾きデータを算出することで、それらのデータの精度を高めることができるものであることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の構造物を検査するための画像処理システム。
- 前記カメラにより撮影された画像の画素分解能(1ピクセルあたりの実サイズ)は、0.1mm/ピクセル〜0.3mm/ピクセルの範囲内であることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の構造物を検査するための画像処理システム。
- 前記カメラにより撮影される画像の画素分解能(1ピクセルあたりの実サイズ)の範囲及び撮影時の構造物までの距離に応じて、前記カメラの有効画素数、光学ズーム倍率といったカメラのスペックを選択可能であることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の構造物を検査するための画像処理システム。
- 前記レーザーポインタによる4個の照射点は、正対する平面上において、正確には長方形又は正方形の頂点上に配置されるべきものであり、
前記データ処理装置は、前記位置姿勢推定処理において、前記撮影装置を用いて予め異なる距離から正対する平面を撮影した複数枚の画像データに基づいて、距離データ及び傾きデータを算出し、前記カメラと4個のレーザーポインタの光軸のズレを検出することで、構造物の画像データ中における照射点の座標位置を補正することができるものであることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の構造物を検査するための画像処理システム。 - 前記データ処理装置は、前記画像統合処理によって得られた構造物の広範囲の正面画像から、構造物に生じているひび割れ又は剥離などの損傷の計測処理を行うことができるものであることを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の構造物を検査するための画像処理システム。
- 前記カメラは、無線又は有線にて接続されたモニターによって離れた場所から撮影箇所及び焦点合わせを確認でき、かつ、前記位置姿勢推定処理によって得られた構造物との相対的な位置関係からスケールの尺度が統一された画像が得られるようカメラのズーム機構とシャッターを遠隔制御できるものであることを特徴とする請求項1〜8の何れか一項に記載の構造物の詳細画像を取得するための画像処理システム。
- 請求項5に記載の画像処理システムを用いて構造物の広範囲の正面画像から構造物に生じている微細なひび割れの存在とその位置を確認することができる構造物を検査するための画像処理方法であって、
a)カメラと4個のレーザーポインタを有する撮影装置によって、構造物から離れた定位置から構造物の複数枚の画像データを取得するステップと、
b)前記データ処理装置による照射点抽出処理によって、前記複数枚の画像データのそれぞれについて、前記レーザーポインタによる各照射点の画像データ中での座標位置を抽出するステップと、
c)前記データ処理装置による位置姿勢推定処理によって、前記複数枚の画像データのそれぞれについて、前記照射点抽出処理によって得られた前記レーザーポインタによる各照射点の座標位置と、前記撮影装置を用いて予め対象との位置関係が特定された状態で撮影した画像データ中における前記レーザーポインタによる各照射点の座標位置との相対的な関係又は前記撮影装置におけるカメラとレーザーポインタの配置位置データとから、前記カメラから構造物までの距離データ及びカメラの3次元方向での傾きデータを算出するステップと、
d)前記データ処理装置による正面画像取得処理によって、前記複数枚の画像データのそれぞれについて、前記位置姿勢推定処理によって得られた距離データ及び傾きデータに基づいて、スケールの尺度が統一された構造物の正面画像データに変換するステップと、
e)前記データ処理装置による画像統合処理によって、前記正面画像取得処理によって得られた複数枚の正面画像データを、前記位置姿勢推定処理によって得られた距離データ及び傾きデータに基づいて、再配置して統合し構造物の広範囲の正面画像を構築するステップと、
からなることを特徴とする構造物を検査するための画像処理方法。 - 前記データ処理装置による位置姿勢推定処理は、前記撮影装置を用いて予め異なる距離から正対する平面を撮影した複数枚の画像データに基づいて、距離データ及び傾きデータを算出し、前記カメラと4個のレーザーポインタの光軸のズレを検出することで、構造物の画像データ中における照射点の座標位置を補正するステップをさらに含むことを特徴とする請求項10に記載の構造物を検査するための画像処理方法。
- 撮影位置から撮影される構造物の範囲は、カメラの光軸の上下左右それぞれ最大60度の範囲内となるように、構造物から離れた定位置を選定するステップをさらに含むことを特徴とする請求項10又は11に記載の構造物を検査するための画像処理方法。
- 請求項10に記載されている構造物を検査するための画像処理方法をコンピュータ、タブレット、携帯電話などのデータ処理装置に実行させるためのプログラム。
- 橋梁などの構造物を検査するための画像処理システムであって、
A)カメラと、3個のレーザーポインタと、それらを一体的に保持することができる固定手段と、からなる撮影装置であって、当該撮影装置を構成する固定手段は、前記3個のレーザーポインタによるレーザー光が、前記カメラによって撮影される画像の範囲内に照射されるように、3個のレーザーポインタを前記カメラの光軸と平行かつ当該光軸の周囲に配置した三角形の頂点上に配置して固定することができるものである撮影装置と、
B)当該撮影装置によって得られた画像データを処理するデータ処理装置と、を備え、
当該データ処理装置は、
B1)前記撮影装置によって定位置から構造物を撮影することによって得られた複数枚の画像データのそれぞれについて、前記レーザーポインタによる3個の照射点の画像データ中での座標位置を抽出する照射点抽出処理と、
B2)前記複数枚の画像データのそれぞれについて、前記照射点抽出処理によって得られた前記レーザーポインタによる3個の照射点の座標位置と、前記撮影装置を用いて予め対象との位置関係が特定された状態で撮影した画像データ中における前記レーザーポインタによる3個の照射点の座標位置との相対的な関係又は前記撮影装置におけるカメラとレーザーポインタの配置位置データから、前記カメラから構造物までの距離データ及びカメラの3次元方向での傾きデータを算出する位置姿勢推定処理と、
B3)前記複数枚の画像データのそれぞれについて、前記位置姿勢推定処理によって得られた距離データ及び傾きデータに基づいて、スケールの尺度が統一された構造物の正面画像データに変換する正面画像取得処理と、
B4)前記正面画像取得処理によって得られた複数枚の正面画像データを、前記位置姿勢推定処理によって得られた距離データ及び傾きデータに基づいて、再配置して統合し構造物の広範囲の正面画像を構築する画像統合処理と、
を行うことができることを特徴とする橋梁などの構造物を検査するための画像処理システム。
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