JP2008541088A - 繊維配向の測定のための方法および装置 - Google Patents

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Abstract

移動する不織布材料のウェブの繊維配向を測定する画像ベースの技術であって、(a)異なる偏光特性を有する少なくとも4つの平面偏光された実質的に垂直の入射光ビームを用いて、ウェブの一方の側上の少なくとも4つの光スポットを本質的に同時に照射するステップと、(b)対応する平面偏光された入射光ビームの偏光平面に対して既知の角度である少なくとも1つの直線区間に沿ったウェブの反対側上の出射光スポットの分散を測定するステップであって、少なくとも1つのこの直線区間が、透過出射光スポットの中心を実質的に横切って位置し、透過出射光スポットの幅を実質的に横切って延在する、ステップと、(c)少なくとも4つの平面偏光された光ビームに対して、透過出射光スポットの分散のばらつきを計算するステップと、(d)そのばらつきから繊維配向を推定するステップとを含む技術。
【選択図】図1

Description

本発明は、不織布材料から形成されるウェブの繊維配向を測定する技術に関し、詳細には、直線のあるいは平面偏光された光の分散を使用して紙の平均繊維配向の画像ベースの測定に関する。
連続抄紙機での紙の製造では、紙のウェブは走行する網状の製紙繊維上またはワイヤ上にある繊維懸濁水(紙料)から形成されて、水分が重力と吸引力によって繊維を通して排出される。ウェブは次に押圧部へ転送されて、そこで圧力および真空によってさらに水分が除去される。次いでウェブは乾燥セクションへ入り、そこで蒸気加熱乾燥器および熱風が乾燥プロセスを完了させる。抄紙機は、本質的には、水除去システムである。当技術分野でよく知られている抄紙装置は、例えば、G.A.Smook著、「Handbook for Pulp & Paper Technologists」第2版、Angus Wilde Publications,Inc.、1992年、および、R.MacDonald著、「Pulp and Paper Manufacture VolIII (Papermaking and Paperboard Making)」、McGraw Hill、1970年、に記載されている。シート製造システムはさらに、例えば、Heに付与された米国特許第5,539,634号明細書、Huに付与された第5,022,906号明細書、Balakrishnanに付与された第4,982,334号明細書、Boissevainらに付与された第4,786,817号明細書、および、Andersonらに付与された第4,767,935号明細書にさらに記載されている。
現代の高速製紙技術において、最終製品の品質を監視するために、紙材のいくつかの特性を継続的に測定することがよく知られている。これらのオンラインでの測定は、しばしば、繊維配向(FO)、坪量、水分含有量、およびシートキャリパすなわち厚さを含む。測定は、生産品品質維持の目標値を用いてプロセス変数を制御するために、ならびに製造プロセスにおける障害のために廃棄されなければならない製品の量を最小にするために使用されることができる。オンラインでのシート特性測定は、しばしば、端から端までシート材料を定期的に横断する走査センサによって行われる。
製紙における繊維配向は、ウェブ上の個々の繊維の優先配向を指す。ヘッドボックス内の流れパターンおよびワイヤ上へのジェットの衝撃のために、繊維はウェブ内の他の方向と比較して機械方向(MD)に並ぶ傾向がある。ウェブのすべての繊維が正確に分布されたならば、紙シートはすべての方向に同じ特性をもつ。これは等方性シートと呼ばれ、その繊維配置は、極グラフ上で円の形態でプロットされることができる。
一方向に他の方向よりも多くの繊維があると、繊維は非均一に分布されて、シートは異方性になる。図22に示すように、異方性の繊維分布は、極グラフ上で幾何学図形2のような対称の楕円としてプロットされることができる。異方性シートは繊維率が1より高く、高い繊維率があると、その極分布は、8の字の形状になる傾向がある。繊維率(異方性)は、90°離れた最小分布に対する最大分布の比として定義される。等方性シートは、繊維率が1である。繊維角度αは、機械方向4に対する楕円2の長軸6の角度として定義される。短軸8は、長軸6に対して垂直である。また、図23に、FO比(短径5に対する長径3の比)の定義、および紙シートの繊維分布のFO角度を示す。繊維率はまた、別の直交し合う方向に対して定義されることができ、製紙においては、機械方向を横断する方向9の繊維分布に対する機械方向4の繊維配置の比を使用するのが一般的である。
形成されたウェブの繊維配向は、最終製品の多くの特性に影響を及ぼすことができる。具体的には、繊維配向の分布が不正確である場合、歪曲、うねり、および非対称の形態で寸法不安定が起こり、強さの軸が形成軸に対応しなくなる。これは、プリンタ/コピー機内で詰まる用紙、別個のアイテムコンテナの中で引っかかる包装紙、および、積み重ねられたとき傾くにあるいはつぶれる箱などの欠陥製品の原因となる。製造プロセスにおいて、繊維配向をオンラインで正確に測定することにより、人による介入であるいは繊維配向制御システムでのどちらかで適時に問題を修正することが可能になる。
繊維配向を測定するための多くの技術が提案されており、そのいくつかは、偏光または無偏光の光源からのレーザまたはメーザスポットの送信に基づく技術である。ウェブを通る送信においてのスポットの歪み、または照射スポットの正反射性または非正反射(aspecular)の反射の方向的な強度のばらつきが測定される。スポット照射領域は比較的小さいので、これらの技術が必ずしも代表的なシートの測定値をもたらすとは限らない。繊維配向のプロキシ(proxies)を測定するこれらの間接的な技術の多くは、繊維がそれらの配列方向に沿った光よりそれらの配列方向を横切る光をより多く拡散させるという物理的原理に基づいている。
例えば、Karasikovらに付与されたカナダ特許明細書第2,012,351号明細書が、静止しているあるいは移動している繊維のウェブの繊維配向を測定するシステムを開示しており、そのシステムでは、小さい円形光スポットが、ウェブの第1の表面上に集束されて、それによりウェブの反対のまたは第2の表面上に楕円形スポットが形成を形成する。楕円光スポットは、平行に配置されてウェブの第2の表面上の所定の距離にある感光性エレメントのアレイ上に集束される。繊維配向は、画像内の楕円形スポットのサイズ、配向およびアスペクト比を評価することによって決定される。
Blechaらに付与された米国特許第4,955,720号明細書が、コヒーレント光の円スポットを使用して移動しているシートの一方の側を照射して、反対側上で透過スポットの静止画像を得るオンラインでの方法を開示している。繊維配向の度合いは、楕円になると推測される透過スポットの形状から推定される。
同様に、Kazuhikoらに付与された米国特許出願2003/0156293が、偏光されていない集束光ビームを使用してシートの一方の側上で円スポットを照射し、反対側上で透過スポットを映す方法を開示している。繊維配向の度合いおよび異方性は、楕円形状の透過スポットを近似することによって推定される。
上述のすべての方法は、入射光の円スポットでシートを照射するものであり、これらの測定原理は、出射透過光のスポットが楕円の形状である必要がある。実際、シートの繊維配向分布が、単峰形でありその最大値を中心として対称であるなどの特定の特性を示す場合にのみ、透過光の出射スポットが楕円の形状になる。単峰形分布は、1つの最大値および1つの最小値を有する。ある場合には、繊維配向分布内で複数の極大値および複数の極小値が存在するように、繊維配向分布が双峰形または多峰形であってよい。さらに、繊維配向分布が単峰形である場合でも、角度の分布はその最大値を中心として常に対称であるとは限らず、その場合、出射光スポットは楕円の形状ではない。シートの繊維配向分布が単峰性でないあるいは対称でない場合、上述の方法は、繊維配向の度合いおよび繊維配向の異方性の信頼性に欠ける推定値を提示する。
例えば、異なる繊維配向分布を有する2つ以上の別々に形成されたシートを一体に接合することにより作られた多数重なった板紙で、多峰性または非対称の分布が生じる。それらは、特にヘッドボックスのスライスチャネル(slice channel)が層内への流れを分離する羽根を備えている場合は、ヘッドボックスからのジェット内での局所的な渦流のために、あるいはジェットを通る流れ場の別の構造的違いのために、単層シートでも生じることがある。
非対称の分布は単峰形または多峰形になることがあり、多峰形の分布は対称または非対称になることがある。繊維配向分布の非対称性または多峰性の検出および定量化は、プロセスの監視および製造された製品の欠陥の原因究明おいて重要である。
Hartigに付与された独国特許第3,413,558号明細書が、偏光されたレーザ光を利用してシートの一方の側上でレーザスポットを照射する技術を開示している。4つのフォトダイオードが、反対側でx軸およびy軸に沿って所定の出射スポット位置の名目上の縁に配置される。繊維配向および異方性は、それぞれの軸での透過強度の合計の比から決定される。上記のシステムのように、Hartigの装置も、シートの全体のまたは平均の繊維配向を測定する。
Fukuokaらに付与された米国特許第5,475,233号明細書、Hellstromらに付与された米国特許第5,640,244号明細書、および、Komppaらに付与された米国特許第6,643,022号明細書が、レーザ光がシート上に斜めに当てられて、非正反射性に反射されたレーザ光の強度が様々な方向および傾斜角度で測定される、種々の方法を開示している。表面繊維配向の測定は、複数の方向から測定された際の照射の反射率の違いに基づく。開示されているこれらの方法は、利用される照射の幾何学的配置がある程度異なっている。
これらの方法で照射に使用される入射角が小さいと、それらの反射光の測定値は、シートの表面での薄い層の繊維配向分布についての情報をもたらす。測定の大部分は、シート表面に面してシート表面の典型的には20ミクロンの範囲内にある繊維表面で大抵は起こる反射を用いて、繊維の第1の層を示す。したがって、これらの測定は、製紙において非常に重要なものとなり得る、シート内のより深い繊維配向に関する情報を全くといってよいくらいもたらさない。さらに、繊維がシートから部分的に突出するようにシート表面が固められていない場合、あるいはシート表面の粗さがミリメートルスケールで大きい幅をもつ場合、これらの測定は偏った結果を出すことがある。これらの測定はまた、測定される紙の平面での、測定装置に対する位置における小さな変化、および、紙平面と光の照射および検出に使用される様々な方向との幾何学的関係における小さな変化に対して影響を受けやすい。
画像分析は、紙の繊維配向測定のための標準的な検査技術であり、それにより、フラットベッドスキャナまたは類似の装置から得られた静止シートの透過画像が分析される。紙は光を強力に散乱させるので、サンプルは通常、透過または反射の画像化が可能になる層の中まで剥離されなければならない。層は、典型的には、非常に薄く、平方メートル当たり数グラム(gsm)の重さしかない。この検査プロセスは手間がかかり、移動するウェブのオンラインでの測定に適用可能ではない。
したがって、これらの繊維配向測定システムに関連して利点が主張されているにもかかわらず、これらの機器はどれも、不織布材料から作られた移動するウェブまたはシートのオンラインでの繊維配向測定のための、簡単であり、丈夫であり、ならびに正確である装置を提供できていない。
本発明は、不透明でない繊維質のウェブの深さすなわち厚さ全体に沿った繊維配向が、ウェブを通って透過される直線のあるいは平面偏光された平行光ビームの分散を分析することによって測定されることができるという認識にある程度基づいている。繊維配向のすべての計算は、平面偏光ビームの分散の度合いが、その偏光平面とその経路内の繊維の平均配向との差に関係があるという原理にある程度基づいている。さらに、異なる偏光平面を有するビームの分散の差も、繊維質ウェブの異方性の度合いの特性である。
一態様において、本発明は、移動するウェブの繊維配向を測定する方法を対象とし、その方法は:
(a)ウェブの第1の側上の少なくとも4つの光スポットに、異なる偏光特性を有する少なくとも4つの平面偏光された入射光ビームを基本的に同時に照射するステップであって、少なくとも4つの平面偏光された光ビームのそれぞれが、実質的に垂直にウェブ表面に入射し、ウェブを通って透過され、第1の側に反対のウェブの第2の側上に少なくとも4つの対応する透過出射光スポットを発生させる、ステップと;
(b)少なくとも4つの平面偏光された光ビームのそれぞれおいて、対応する平面偏光された入射光ビームの偏光平面に対して既知の角度である少なくとも1つの直線区間に沿って出射光スポットの分散を測定するステップであって、この少なくとも1つの直線区間が、透過出射光スポットの中心を実質的に横切って配置され、透過出射光スポットの幅を実質的に横切って延在する、ステップと;
(c)少なくとも4つの平面偏光された光ビームに対して、透過出射光スポットの分散のばらつきを、もし存在すれば、計算するステップと;
(d)それらのばらつきからウェブの繊維配向を推定するステップとを含む。
別の態様において、本発明は、ウェブの繊維配向を測定するシステムを対象とし、その方法は、:
ウェブの第1の側上の少なくとも4つの光スポットに、異なる偏光特性を有する少なくとも4つの平面偏光された入射光ビームを基本的に同時に照射する手段であって、少なくとも4つの平面偏光された光ビームのそれぞれが、実質的に垂直にウェブ表面に入射し、ウェブを通って透過されて、第1の側に反対のウェブの第2の側上に少なくとも4つの対応する透過出射光スポットを発生させる、手段と;
ウェブの第2の側上の照射領域の少なくとも1つの画像を得るための画像取得手段であって、照射領域が、少なくとも4つの入射光ビームからの透過出射光スポットを含む、手段と;
少なくとも4つの平面偏光された光ビームのそれぞれに関連して、対応する平面偏光された入射光ビームの偏光平面に対して既知の角度である少なくとも1つの直線区間に沿って出射光スポットの分散を測定するための制御手段であって、この少なくとも1つの直線区間が、透過出射光スポットの中心を実質的に横切って配置され、透過出射光スポットの幅を実質的に横切って延在する、手段と;
少なくとも4つの平面偏光された光ビームに対して、透過出射光スポットの分散のばらつきを、もし存在すれば、計算する手段と;
それらのばらつきからウェブの繊維配向を推定する手段とを含む。
画像ベースの測定技術は、移動するウェブの繊維配向が監視される場合、製紙用などの連続ウェブ製造プロセスへ組み込まれるのに特に適している。移動するウェブの画像は、移動するウェブに対して機械方向または横断方向のどちらかにおいて1つまたは複数の固定位置で確認されることができる。画像はまた、画像検出器が移動するウェブを横切って典型的には横断方向に往復して走査するときに、確認されることができる。例えば、画像検出器は、横断するセンサプラットホームに配置されることができ、ウェブの全幅が連続して測定される。本発明はまた、それぞれがウェブの一部分を測定する1つに並んだ装置として使用されることができ、実質的にウェブの幅全体の繊維配向が同時に測定される。
繊維配向を測定するための本発明は、複数の平面偏光された光ビームでウェブの表面を同時に照射する。当然の結果として、本発明の技術は従来技術に比べて重要な利点を示しており、それは、例えば、(i)本発明が、回転偏光子または回転検出器などの移動部を必要とせず、それにより、その構成はより簡単にならびにより丈夫になること;(ii)本発明が、ウェブの異方性の速い変化に対して脆弱でなく、それにより、測定結果はより信頼性のあるものになる;(iii)本発明が、時間領域での高分解能測定を実現すること;(iv)本発明が、測定装置に対する測定されるシートの平面の位置的あるいは幾何学的変化の影響を受けないこと;および(v)走査測定の場合、本発明が位置領域で高分解能測定を実現できることを含む。
本発明はまた、本発明が、シートまたはウェブを通る透過においての既知のスポット形状の幾何学的歪みを測定することに基づいていないという理由から、透過された光の画像化に依存する多くの従来の繊維配向の測定方法と異なる。実際、本発明は、照射がはっきりと定義されたスポットであること、あるいは照射領域が任意特定の形状、円あるいはその他、であることを必要としない。しかし、本発明を用いたある場合において、各スポットがほぼ正方形断面あるいは矩形断面であり、光の偏光平面がスポットの面と平行であることが有利である。
さらに、本発明は、出射照射の形状を測定することによってあるいは出射照射の形状と相互に関連する強度コンターまたは別のプロキシ(proxies)を割り出すことによってウェブの繊維配向を推定することを試みない。代わりに、本発明では、繊維配向は、平面偏光された透過光の分散の測定に基づく。
本発明は、特に材料が移動するウェブ、フィルムまたはシートの形態である場合の、不織布材料の繊維配向を計算するための方法および装置に関する。ウェブの厚さ全体の繊維配向が測定されることができる。繊維配向測定値は、1つまたは複数の異なるパラメータとして表現されることができ、製紙プロセスを制御するおよび/または製品の特性を特定するのに使用される。パラメータは、例えば、平均繊維配向角度および繊維配向の異方性指数を含む。さらに、ウェブの両面からの繊維配向測定は、ウェブ、例えば紙、のうねりおよび歪曲変形に関する情報を提示する。
本発明は紙の繊維配向の測定において示されるが、本発明が、例えば、板紙、ティッシュなどを含む繊維質の不織布材料から形成される様々な製品の繊維配向の分析に使用されることができることが理解されよう。さらに、本発明は、セルロースからなる製品以外に適用可能性を有する。例えば、この測定技術は、繊維配向分布の制御がやはり不可欠であるグラスファイバーシートの製造に適用されることができる。
図1に示すように、紙10の移動するウェブまたはシートの繊維配向を測定するためのオンライン装置は光源アレイ20と撮像装置30との間に配置され、例えばレンズといった、ウェブを通って透過された光を集束するための適切な光学部品を備えことができる。紫外線(UV)、可視線および近赤外線(NIR)放射は、分析に特に適しており、好適な光源は、波長が0.1から5.0ミクロンの間の、例えばレーザといったモノクローム光(monochrome light)、または例えばLEDといったほぼモノクロームである。しかし、鮮やかな照明も使用されることができ、その場合は、撮像のために狭帯域フィルタを使用するのが有利である。典型的な波長範囲は100nmから5000nmまでであり、好ましくは、その範囲は300nmから2000nmまでである。ウェブが蛍光剤を含有している場合、蛍光体の励起帯で照明はパワーを有さないまたは有意でないパワーのみを有することが好ましく、あるいは、撮像フィルタが照明からの蛍光体の発光帯を遮断するのに使用されることができる。
光源アレイ20は、ウェブ10の一方の側、例えば下面、の上に直接当てられる光の少なくとも4つの直線のあるいは平面偏光された平行光ビーム13、15、17および19を発生させ、これらのビームは、それぞれが固有のスポットを照射するように実質的に垂直に入射する。「スポット」または「入射スポット」という用語は、平行光ビームが入射および透過されるウェブの表面上の領域を指す。「出射スポット」という用語は、平行光ビームが出射されるウェブの反対表面上の対応するスポットを指す。4つの光ビームだけが使用される場合、光ビーム13、15、17および19は異なる偏光平面で偏光される。5つ以上の光ビームが使用される場合、4つの異なる偏光平面で平面偏光される最小4つのビームが使用される。偏光フィルタ12、14、16および18は、4つの平面偏光されたビーム13、15、17および19をそれぞれ発生させるのに使用されることができ、ビームの強度は同じであることが好ましい。この実施例では、図1に示すように、4つの偏光の方向が、約45度離れている。4つの光ビームの強度は十分高くあるべきであり、入射ビームが、ウェブ10の厚さを通って透過あるいは貫通してウェブ10の上側表面を照射して、画像領域32の画像が撮像装置30、例えばカメラ、内に集束するようにする。
各平行光ビーム13、15、17および19の幅は、ビームが繊維質ウェブ10内で散乱することにより部分的に分散されるような幅であるべきである。本明細書で使用される「分散」という用語は、平行ビームが散乱性媒質を通過するときに散乱することを指す。本明細書でさらに記載する、測定される繊維配向角度は、透過された光の特定の区間を横切る分散のばらつきが最も大きい偏光平面の角度として定義される。配向の度合いは、最大および最小分散の格差から測定される。
紙ウェブ内で可視および近可視(near−visible)波長である場合、好ましい入射スポットのサイズは、幅が50ミクロンから1000ミクロンまでである。ウェブの厚さを大幅に超える幅を有する一様なビームの場合、出射スポットの中心部分も一様になり、幅がシート厚さの数倍になる中心の周りの環を介して分散効果が測定可能になる。光ビームのサイズは、分散効果がウェブの反対側上の出射スポットの全体にわたって認識されるように、十分に小さいことが好ましい。厚さがかなり異なるウェブにおいて繊維配向が測定される場合、好適なサイズのアパーチャを含むマスクを用意し、スポットのサイズが、複数の作動範囲に対して最適化されるようにすることができるので有利である可能性がある。本明細書でさらに記載する較正ステップは、各マスクを使用して別々に実施されなければならない。
図1に示すように、4つの光ビーム13、15、17および19は、ウェブ10の上側表面上に4つの照射出射スポット22、24、26および28をそれぞれ生成する。各光ビームに関連して画定される形状は、好ましくは、少なくとも1つの対称軸または対称中心に関して対称であり、最も好ましくは、画定される形状は円形または矩形であり、あるいは線分を形成する。各ビームに対して画定される形状は、ウェブ厚さの好ましくは10倍未満である少なくとも1つの幅を有する。画定される形状の領域内の照射強度は、好ましくは対称であり、最も好ましくは実質的に一様である。
画像領域32の画像スケールは、分散が確実に測定されるための十分な分解能で出射スポットを横切る区間が検出されることができるように十分に大きくなければならない。したがって、不均一であるが検出可能な輝度を有する出射スポットのその部分は、幅が少なくとも数ピクセルであるべきである。例えば、分散がビーム全体に影響を及ぼすように小さい照射ビームを使用した場合、出射スポットは、好ましくは、測定される区間を横切る幅が20ピクセルを超える。実際、スポットのそれぞれの名目上の縁で100ミクロンを超える強度のばらつきが典型的には生じるので、ピクセル当たり10ミクロンのフィールド画像スケールで十分である。
偏光平面がそれぞれ異なる複数の輪状スポットを使用することができるが、この構成では、照射と撮像装置30との間で適切な位置合わせが必要となる。したがって、矩形または区分上矩形のスポット、特に細長い矩形または線から形成されるスポットが好ましい。この場合、測定区間が1つの軸だけに限定されるので、位置合わせの重要性は低くなる。したがって、複数の区間が選択されることができ、平均または他の特性を統合した測定が構成される。矩形または直線の照射スポットは、適切なマスクおよびレンズを使用して形成されることができ、これにより、本明細書でさらに記載する十字形またはL字形などの区分上矩形に入る組合せも可能になる。
画像の情報量を最適化するために、すべての光ビームが同様の強度を持つのを確実にすることが有利である場合がある。強度の適度な違いまたは強度分布の非均一は、較正画像内でスポットの分散を測定することにより補正されることができる。しかし、飽和したピクセルまたは検出器の焦点ぼけの影響は、補正することができないので避けるべきである。これは、照明器の電力または画像露光時間を変えることによりピクセルが飽和しないようにすることによってなし得る。個々のビーム強度を制御することにより、各スポットに十分なダイナミックレンジが存在することになる。
ウェブ10の上側表面に出現する出射光は、ウェブの厚さに応じて部分的にあるいはその大部分が偏光を解消される。紙などの繊維質のウェブの場合、繊維は無造作に配列されるが等方性でない、すなわち配列の角度のすべてが統計的に等しいわけでなはない。当然の結果として、偏光された光に対するウェブの分散作用は、光の偏光平面に依存しており、偏光平面が主要な繊維配列方向に一致する場合は、偏光平面が主要な繊維配列に対して垂直である場合より散乱は減少する。
ウェブ10が十分に支持されている場合は、移動するウェブ10が安定しており、撮像装置30からの距離が比較的一定であり、したがって、従来のレンズが例えばカメラといった撮像装置30と共に使用されることができる。光学画像スケールは、大きいまたは高倍率の光学部品を使用して得ることができる。例えば、空気力学的な影響が移動するウェブ10を振動させたり、またさもなければ撮像装置30に対するその垂直位を移動させる場合、大きな被写界深度をもたらすテレセントリック光学系を使用して、カメラに対するウェブ10の揺らぎのために画像サイズが変化しないようにすることができる。また、テレセントリック設計により、1:1などの大きなスケールが容易になる。
本明細書でさらに記載する不織布材料のウェブの繊維配向測定では、少なくとも4つの平面偏光された光ビームに対応する透過出射光スポットの分散のばらつきを、もし存在すれば、計算することが必要となる。この点に関して、繊維配向を測定するシステムは、等方性および異方性の基準材料を使用して較正されることが好ましい。図2に示すように、オンラインの画像ベース繊維配向装置の第1の較正段階の間、透過率が既知である一様な等方性基準材料34が、図1に示す測定の間にウェブまたはシートによって占められていた平面と実質的に同じ平面に配置される。較正の間、基準材料34は、測定の間にシートが照射されていた方法と本質的に同じ方法で照射される。基準材料34の照射領域32は、他方の表面上に画像化されて、光の分散が測定される。較正の間に測定される光の強度および分散は、照射領域での照射強度または分散の差を特定するのに使用され、したがって、分散の測定に基づいて計算が正規化される。この正規化ステップを使用して、照射されるスポットを横切る強度が一様でないビームを用いての測定でさえ信頼性のあるものにすることができる。可視光の場合、等方性基準材料34は、例えば、光源アレイ20によって照射される領域は少なくとも透過率が既知であるオパールガラスのシートでよい。基準材料34を通る任意の点での透過率は、すべての偏光平面で同じであることが最も好ましい。
同様に、やはり図2に示す第2の較正段階の間、異方性が既知である1つまたは複数の一様な異方性基準材料34が、測定の間にシートによって占められていた平面と実質的に同じ平面に順次配置される。較正の間、各基準材料34は、測定の間にシートが照射されていた方法と本質的に同じ方法で照射される。各基準材料の照射領域32は、他方の表面上に画像化されて、光の分散が測定される。任意選択で、1つまたは複数の異方性基準材料が、複数の既知の配向角度に回転されてよく、各配向で光の分散が測定される。選択された代理変数は、異方性基準材料34に対して測定された透過された光の分散を使用して評価されて、評価された代理変数と基準材料の既知の異方性との相関関係が作られる。異方性基準材料は、例えば、測定されたシートの繊維の公称寸法と同様の寸法の繊維のマットで形成されてよい。基準材料はまた、異方性が既知である一様な紙のシートでよい。例えば、基準材料内での繊維角度の分布などの各基準材料の異方性は、既知であるべきである。
以下の実施例は、異なる形状の光ビームを使用した繊維配向の測定の原理を示す。第1の実施例では、図3Aに示すように、円または楕円などの対称の輪状スポット40のような形状の光ビームが使用される。スポット40は、ウェブの照射側上での一様な強度をもつ偏光された光を表し、直行する偏光平面を有する2つの入射偏光スポットが示されている。ウェブの反対側に出現する出射または透過スポット42は、分散強度コンターを有する。近傍のピクセルから補間することによりあるいは近傍のピクセルを加重平均することにより適切な位置でピクセルを使用して、強度区間が、スポットのほぼ中心を横切る複数の方向で、透過スポットを横切って選択される。一方の方向は偏光平面に一致し、他方の方向はそれに直交するべきである。別の方向の区間も評価されることができる。
図3Bに、出射光の強度のコンターを示す分散スポットの画像を示す。画像内の各正方形は、透過スポットを通るピクセル/強度区間を表す。x+y線(または直線区間)は、偏光平面に直交する面に沿って測定された分散強度コンターであり、x−y線(または直線区間)は、偏光平面に沿って測定された分散強度コンターである。最後に、図3Cに、スポット中心からの半径rで測定された、出射光を通る2つの選択された区間に沿った強度曲線のグラフを示す。この場合では、強度曲線が、透過された光対して、図3Bのx+y線に対応する偏光角φ(曲線52)、およびx−y線に対応するφ±π/2(曲線46)で測定された。σmaxは、スポット中心から点48までで測定された最大分散距離であり、σminは、スポット中心から点50までで測定された最小分散距離である。
図4Aに示す次の実施例では、断面が本質的に矩形または正方形の形状である光ビームが使用される。偏光スポット60は、ウェブの照射側上での一様な強度を有する偏光された光を表し、直行する偏光平面を有する2つの入射偏光スポットが示されている。ウェブの反対側上に出現する出射または透過スポット62は、分散強度コンターを有する。断面が本質的に矩形または正方形のスポットを使用することにより、区間がスポットの中心の極めて近くを横切る必要がなくなる。これにより、検出器およびビームが低い正確性で位置合わせされることが可能になる。複数の区間が、公称中心の周りに選択される。平均することにより、2つ以上の区間から1つの代表区間を選択または形成することができる。これらの照射強度は入射スポットの中心に近傍の区間を横切って本質的に同一であり、さらにその側で平行であることが有利である。
図4Bに、出射光の強度コンターを示す分散スポットの画像を示す。x+y線(または直線区間)は、偏光平面に沿って測定された分散強度コンターであり、x−y線(または直線区間)は、偏光平面に直交する面に沿って測定された分散強度コンターである。最後に、スポット中心からの半径rで測定された出射光を通る2つの選択された区間に沿った強度曲線の代表的なグラフを図3に示す。
最後に、直線領域を有する光ビームが、偏光された光と共にウェブを照射するのに使用されることができる。この場合、1つまたは複数の区間が各線を横切って計測されることができる。これはさらに、検出器を正確に位置合わせする必要性を緩和する。区間が、線の複数の位置で、好ましくは線に対して実質的に垂直である方向で選択される。平均または他の技法により、2つ以上の区間から1つの代表区間を選択または形成することができる。これらの照射強度は、区間が選択された線のその部分に沿って本質的に同一であることが有利である。
図5Aに示すように、偏光スポット80が、ウェブの照射側上で一様の強度を有する偏光された光を表し、直行する偏光平面を有する2つの入射偏光スポットが示されている。ウェブの反対側上に出現する出射または透過スポット82が、分散強度コンターを有する。図5Bに、出射光の強度のコンターを示す分散された線の画像84を示す。最後に、図5Cに、スポット中心からの半径rで測定された出射光を通る2つの選択された区間に沿った強度曲線のグラフを示す。この場合では、強度曲線が、透過された光に対して、偏光角φ(曲線92)、およびφ±π/2(曲線86)で測定される。σmaxは、スポット中心から点88までで測定された最大分散距離であり、σminは、スポット中心から点90までで測定された最小分散である。
これらの強度コンターまたは区間は、polarization−sensitivedetectorを使用することなく測定されることができる。出射光は、紙の厚さに応じて部分的にあるいはその大部分が偏光を解消されることに留意されたい。しかし、紙は、その繊維が無造作に配列されているが等方性でない(配列の角度のすべてが統計的に等しいわけでなはない)繊維質のウェブである。したがって、偏光された光に対するウェブの分散作用は、光の偏光平面に依存しており、偏光の平面が主要な繊維配列方向と一致する場合は、偏光平面が主要な繊維配列に対して垂直である場合より散乱は減少する。
比較的短い波長の光が偏光スポットの照射に使用される厚いシートでは、光は、シートを通る経路の一部だけを貫通した後に本質的には完全に偏光が解消される。この場合、異なる偏光平面を有する出射光スポットの分散のばらつきは、主に、シートの照射側に近接する層の繊維の配向によって決まる。出射光スポットの分散はまた、シートの出射側に近接する層の繊維配向の影響を受けるが、この影響は、入射スポットの偏光平面に依存せず、したがってすべてのスポットに対して同一である。
したがって、本発明の別の態様では、測定を実施において2つ以上の波長の光を使用することにより、厚いシートの異なる層の繊維配向を識別することが可能になる。例えば、波長が比較的短い光を使用したときの異なる偏光平面を有する光スポットの分散のばらつきは、主に、照射側上の表面層の繊維配向によって決まり、一方、波長が比較的長い光を使用したときの異なる偏光平面を有する光スポットの分散のばらつきは、表面層および表面下の層の繊維配向によって決まる。したがって、表面層および表面下の層の繊維配向は、2つの波長での測定から推測されることができる。明らかなように、より多くの異なる波長を使用することにより、シートの3つ以上の層の繊維配向を推測することができるようになる。異なる波長の偏光モノクロームライトが、順番にあるいは同時にのどちからで別々にスポットを照射するのに使用されることができる。別法として、多様なスペクトルを有するあるいは複数の波長帯を含む偏光された光でスポットを照射することにより、対象となる異なる波長帯が、撮像装置により識別されることができる。例えば、異なる波長帯に反応する複数の撮像装置が使用されることができ、あるいは、単一の撮像装置が、対象となる波長帯を選択するフィルタと共に使用されることができる。多様なスペクトルの光源は、タングステンハロゲン電球などの白熱フィラメントおよびフィルタ付キセノンランプなどのアーク放電を含む。複数の周波数帯の光源は、水銀蒸気放電で3つの帯域の蛍光体を使用する蛍光ランプを含む。
同様に、本発明の別の態様では、異なる偏光平面を有する光スポットを用いてシートの両側を順番にあるいは同時にのどちからで照射することにより、ならびに対応する出射光スポットの分散の測定を実施することにより、シートの2つの側の繊維配向の違いを推測することができる。
本発明は、強度コンターの測定に依拠しないが、ただし選択された直線区間に沿って測定された強度の差に依拠する。好ましくは、所与の偏光平面を有する光では、1つの区間が偏光平面と一致して、別の区間が垂直になる。本発明でさらに記載するように、異なる偏光平面を有する別個の光ビームを使用することにより、対応する分散が、異なる偏光平面に対しての偏光平面内のおよび偏光平面を横切ってのシートの散乱能を明らかにする。不織布ウェブがカラー紙である場合、散乱には、すべての偏光平面に対しての透過された光を減衰する吸収が伴われることがある。しかし、散乱された光がより強力になれば、透過のための光路がより長くなることから、吸収は偏光平面間の差を拡大する。
偏光スポットと直線形状の光ビームとの上述の構成に加えて、光ビームの別の例示的な配置を採用してウェブを照射することもできる。図6Aに、4つの偏光平面を用いて偏光された2対の光の線を示す。それぞれの対の一方の線はそれらの偏光平面に平行であり、他方の線はそれらの偏光平面に対して垂直である。偏光された光は、ウェブの照射側上で一様の強度を有し、一方、ウェブの反対側上に出現する出射または透過スポットは分散強度コンターを有する。図6Bに、4つの偏光平面を用いて偏光された単一の光の線を示しており、各線の軸はその偏光平面に平行である。図6Cに、4つの偏光平面を用いて偏光された単一の光の線を示しており、各線の軸はその偏光平面に対して垂直である。
図6Dに示すように、同一の偏光平面を共有する線の対またはより多くの線が、レンズ、成形されたマスクなどの好適な光学素子により共通の偏光された光源から重なり合った形状として生成されてよい。この場合、測定される区間は、線が交差する点に近すぎる区間が選択されることはない。図6Eに、4つの偏光平面を用いて偏光された光の重なり合った線の対を形成する形状を示す。各対の一方の線はそれらの偏光平面に平行であり、他方の線はそれらの偏光平面に対して垂直である。
繊維配向角度(α)を計算する好適な方法は、スポット照射を使用して、少なくとも4つの平面偏光された光ビームのそれぞれに対して最大分散(σmax)および最小分散(σmin)をまず決定することであり、この方法では、各スポットの偏光平面に平行な区間および偏光平面に対して垂直な区間に沿った透過強度が測定される。この分散は、較正の間に測定される等方性基準材料の分散を使用して正規化されることが好ましい。
別法として、スポット照射の代わりに、偏光平面に平行な線および偏光平面に対して垂直な線を用いたライン照射が使用され、このライン照射では、各線の軸に直交する区間に沿った透過強度が測定される。スポットの1区間の半径(r)または偏光角度φおよびφ±π/2の線に沿って測定された透過強度の代表的なグラフを図3Cに示す。
最大分散と最小分散との最大比またはそれらの最大差に対応する偏光平面は、補間またはフィッティングによって、あるいは測定値の中から選択することによってなどで推定されることができる。この偏光平面の角度は、測定された繊維配向の度合いである。例えば、図7は、異なる偏光平面(φ)を用いて照射された複数のスポットから、偏光平面内でおよびその平面に直交する平面内でそれぞれ測定された最大分散および最小分散のプロットである。図中では、なめらかな曲線が、異なる偏光平面に対する最大分散および最小分散を通って描かれている。このグラフから、種々の偏光平面における最大分散の最小分散に対する比が、補間またはフィッティングにより容易に確認されることができる。図7に示すように、最も高い比を有する偏光平面の角度(φ)は、測定された繊維配向の度合い(α)である。
別法として、異なる偏光平面を有する複数のスポットから測定された最大分散のみまたは最小分散のみを使用して、繊維配向角度が推定されることができる。例えば、各スポットに対してそのスポットの偏光平面内のみで分散が測定される場合、図7の最大分散σmaxのみが測定される。この場合、繊維配向角度が、これらの最大分散の最大値に対応する偏光平面として推定されることができ、これは、補間またはフィッティングにより容易に確認されることができる。同様にして、最小分散σminのみが測定される場合、繊維配向角度は、これらの最小分散の最小値に対応する偏光平面として推定されることができる。
図8、9および10は、それぞれ、最大分散および最小分散対偏光平面のプロットであり、これらは、ウェブ内の異方性の、低レベルから、中程度レベル、さらに高レベルの異方性までの様々なレベルの異方性の特性を示す。明らかなように、異方性が高いときに、最大分散の最小分散に対する比は最も際立つ。
繊維が主要な繊維配向方向に配列される度合いが、繊維配向インデックスまたは繊維配向異方性として見なされる。超音波伝播、画像分析などに基づく測定を含む、繊維配向インデックスまたは繊維配向異方性を測定するための多くの方法が存在する。一般に、高い異方性値は配向性が強いシートを表し、一方、低い異方性値は、繊維の方向がより均一に分布されているシートを表す。
本発明の別の態様では、透過出射光スポットの測定された分散からの代理変数(P)を評価して、さらに、既知の相関関係を用いて代理変数からウェブの繊維配向を推定することによっても、移動するウェブまたはシートの繊維配向インデックスを導き出すことができる。異方性または繊維配向インデックスに相関関係のある複数の代理変数の任意のものが使用されることができ、これらの代理変数は、例えば:(i)偏光平面内の最大分散の、偏光平面内の最小分散に対する比、(ii)偏光平面に対して垂直の最大分散の、偏光平面に対して垂直の最小分散に対する比、(iii)任意のスポットにおいての偏光平面内の最大分散の、任意のスポットにおいての偏光平面に対して垂直の最小分散に対する比、(iv)同じスポットにおいての、偏光平面内の分散の、偏光平面に対して垂直の分散に対する最大比、(v)同じスポットにおいての、偏光平面内の分散の、偏光平面に対して垂直の分散に対する最小比を含む。明らかなように、代理変数の比は、相関関係を形成する際においてそれらの有用性を変えることなく変換されることができる。例えば、比の逆数を使用して形成された相関関係は、比自体を使用して形成された相関関係と等価である。
代理変数と異方性または繊維配向インデックスとの相関関係を展開する方法は、上述の手順と同様の較正手順を介する。この場合、既知の異方性を有する3つ以上の実質的に平面の異方性半透明基準材料が使用される。各基準材料に対して、少なくとも4つの光スポットが、固有の偏光特性を有する少なくとも4つの平面偏光された入射光ビームを用いて基準材料の一方の側上で本質的に同時に照射される。光ビームは、好ましくは、基準材料表面に対して実質的に垂直であり、基準材料を通って透過されて基準材料の反対側上に少なくとも4つの対応する透過出射光スポットを生成する。
その後、少なくとも4つの平面偏光された光ビームのそれぞれ対して、少なくとも1つの直線区間に沿った出射光スポットの分散は、対応する平面偏光された入射光ビームの偏光平面に対して既知の角度である。少なくとも1つのこの直線区間は、透過出射光スポットの中心を実質的に横切って、透過出射光スポットの幅を実質的に横切って延在する。少なくとも4つの平面偏光された光ビームに対する透過出射光スポットの分散のばらつきが測定されて、各基準材料に対する代理変数が、その基準材料に対する異なる偏光平面で測定された分散のばらつきを使用して評価される。最後に、代理変数と基準材料の既知の異方性との相関関係、ならびにそれを既知の相関関係として記憶することとが構成される。
図11は、異方性(e)または繊維配向インデックス対代理変数(P)の代表的な相関曲線である。この実施例では、曲線は、異方性が代理変数の値と共に単調増加することを示す。
少なくとも4つの偏光平面のそれぞれで偏光された光の分散を測定することにより、繊維配向分布が対称で単峰形であるかどうか、あるいは繊維配向分布が比対称または多峰形であるかどうかを判断することもできる。分布が有意に非対称になることが予想される場合、あるいは分布が多峰形になることが予想される場合、測定において5つ以上の偏光平面を使用することが有利である。
図23Aおよび23Bに、6つの偏光平面(φ)の偏光平面内で測定された分散(σmax)を示す。データはデカルト形式および極形式の両方でプロットされ、データ点を通るなめらかな曲線が描かれた。測定されたデータは極プロットの右半分の平面にあり、方向(φ)とその反対側(φ+180°)との同値を使用して、0°から360°の範囲で極プロットの曲線を完成させた。分散データおよびプロットされた曲線は非対称であり、これは、繊維配向分布も非対称であることを意味する。これら図は、測定から推定されることができる2つの有意な方向と、最大繊維配列αの方向と、平均配列γの方向とを示す。これらの方向は対称分布の場合に一致し、これらの間での差が非対称性の度合いを示す。繊維配向分布の非対称度を表す、その方向に対する歪み度などの他の指標も測定から計算されることができる。歪み度は、非対称分布の異方性ファクタを補完する。
同様に、図24Aおよび24Bに、8つの偏光平面φでの偏光平面内で測定された分散σmaxをデカルト形式および極形式の両方で示しており、データ点を通るなめらかな曲線が描かれている。この場合、分散データおよびプロットされた曲線は共に、非対称で多峰形であり、これは、繊維配向の方向も非対称で多峰形であることを意味する。これらの図は、測定から推定されることができる2つの有意な方向と、繊維配向が極大値αおよびαを有する2つの方向と、平均配列γの方向とを示す。示されるこの実施例では、多峰形分布が2つの極大値をもつので多峰形分布が双峰形であるが、多峰形分布は3つ以上の極大値をもつこともできる。多峰形の指標は、例えば、角度および振幅の複数の極大値間での角度および振幅の差から構成されることができる。
図23Aおよび23Bならびに図24Aおよび24Bの実施例では、各スポットの偏光平面内での分散のみが測定されているが、偏光平面に対して垂直のあるいは別の角度の分散の追加または代替の測定を使用することができる。分布の非対称およびモードは、各スポットにおいて、偏光平面内の分散および偏光平面に垂直な分散の両方の測定を使用して、より正確におよびよりはっきりと定量化されることができる。
図6A〜6E、図15〜17、ならびに図23A、23B、24Aおよび23Bに、少なくとも4つのスポットの偏光平面が、スポットの偏光平面間で実質的に一定の角度間隔である偏光角度の広範囲にわたっている、装置および測定法を示す。多くの場合では、偏光平面が実質的に一定の間隔で機械方向に対して−75°から75°までなどの広範囲にわたっているような配置が好適である。しかし、偏光平面間の角度間隔は一定である必要はなく、少なくとも4つの偏光平面の合計の角度範囲が常に広くある必要はない。具体的には、非対称または多峰形の繊維配向分布が生じることが予想される場合は、有利なことに、偏光平面は、狭い角度間隔で、最大および平均配向角度を含むと予想される角度の範囲の中および近傍にあってよい。
図12、13および14に、分析されるウェブの表面上に当てられることができる直線のあるいは平面偏光された少なくとも4つの光ビームを発生させる代替の構成を示す。図12に、光源122と、複数の偏光素子121、123、125および127を含む回折光学部品120とを含む偏光される光の光源の小型アレイを示す。光源122からの光は、入射ビームを分離する単一の回折光学部品120によって回折され、その後、それぞれの分離されたビームが偏光素子121、123、125および127によって異なる偏光平面で偏光されて4つの成形出射ビームを形成する。別法として、回折光学部品を使用する代わりに、偏光されていない単一の平行光ビームが、1つまたは複数のビーム分割器によって分離されて少なくとも4つの光ビームを形成してよく、これらの光ビームは、その後、異なる偏光フィルタによってなどの従来の手段によりそれぞれ偏光される。別の手順では、例えば、それぞれの3つの光を少なくとも1つの半波位相の移相子(half−wave phase retarder)を通過させることにより、あるいはそれぞれの3つの光を既知の光学的厚さのカイラル材料を通過させることにより、ビーム分割器からの4つの光ビームのうちの3つだけの偏光平面を変化させる。
図13に、光源124からの光が、1組の光導波路126、例えば光ファイバ、を通して偏光素子のアレイまで導かれる、類似の配置を示す。図14に、1対の光源123、130を使用した配置を示しており、これらの光源は共に、複数の光導波路126を通して偏光素子まで光を導く。いずれの配置を用いても、光を平行にする装置も用意されてよい。また、光を減衰させる装置が用意されてよく、制御可能な液晶アレイを使用することによってなどで、各照射領域に対して照射強度が本質的に同じになるようにする。
明らかなように、複数の光源および偏光子が使用されることができ、各光源からの光が、少なくとも1つの偏光子を通過して、ウェブの少なくとも1つの領域を照射するのに使用されるようにし、さらに、ウェブの各領域が、少なくとも1つの光源からの偏光された光によって照射されるようにする。各照射領域の照射の強度は、例えば光源の電力を調節することにより制御されることができる。
それぞれの光源122、124、128および130は、好ましくは、測定において必要な波長内にある一定のエネルギーの流れからなる高強度の照射を供給してよい。光源は、チョッパ、シャッタ、音叉などの従来の機械装置によって振幅変調されて、信号対雑音比を向上させることができる。別の例示的な変調技術は、光源の光ビーム経路に配置される、カーセルおよびポッケルスセルなどの電気光学シャッタと、音響光学音可変フィルタなどの響光学装置とを使用する。別法として、パルス照明を生成するために、光源につながれている駆動電流の直接的な変調が使用されることができる。
好適な光源装置は、発光ダイオード(LED)、レーザダイオード、あるいは、LEDまたはレーザダイオードのアレイを含む。光源を変調させてストロボフラッシュの効果を生じさせる場合は、例えば、高い変調速度が好ましい。得られる短い露光時間により、対応して蓄積時間が短くなった撮像装置が、ウェブの移動方向のモーションぼかしによる悪影響を低減させるあるいは排除することで、画像領域の良好な画像を得ることが可能になる。電荷結合素子(CCD)の場合、短い蓄積時間においてはピクセルは少ない光を集め、長い蓄積時間においてはピクセルは多い光を集める。別法として、あるいは光源を変調することに加えて、高い照射線量率すなわち短い蓄積時間で作動する撮像装置、例えばCCDカメラ、が選択されることができる。この場合、照射は継続的であることができ、異なる測定で一貫した照射を維持することが容易になる。
本発明を用いて、それぞれ偏光平面が異なる少なくとも4つの、好ましくは少なくとも8つの平面偏光された光の成形ビームが、分析されるウェブ上に当てられる。照射スポットは、ウェブ上の異なる位置での繊維配向を測定するために、異なるパターンで配置されることができる。例えば、図15に、それぞれが異なる偏光平面で照射された4つの円形状照射スポットを示しており、これらは、ウェブの移動方向に位置合わせされた直線アレイとして配置される。特に、各スポットに対して測定された分散が適時にフィルタリングあるいは平均化される場合、この照射スポットの構成を使用している本発明の画像ベースの測定装置は、基本的にウェブの同じ部分を測定する。このことは、ウェブの移動速度が、通常、装置の移動速度よりかなり速いという理由から、装置が静止している場合でも、あるいは装置がウェブを横切る方向に沿って横断して走査される場合でも当てはまる。
図16に、ウェブの表面を照射する複数の正方形状スポットを示す。このパターンは3列のスポットを含んでおり、それぞれの列が、それぞれ異なる偏光平面で照射されたスポットを有する。各列のスポットは、ウェブの移動方向に位置合わせされた直線アレイとして配置される。上段の列の4つのスポットは、この形状配置を有し、中段の列の4つのスポットの偏光平面と同じ偏光平面を有する。この構成では、スポットの3つの直線アレイがウェブ上の画像化される領域内に配置されてよく、1つの画像から複数の位置で本質的に同時に繊維配向が測定されるようにする。これにより、測定される位置より少ない数のカメラを使用して、ウェブの幅全体にわたって繊維配向を測定することが可能になる。また、走査測定装置を用いて高い空間分解能で繊維配向を測定することが可能になる。
図17に、横断方向に互いに接近して配置された複数の円形状スポットを示す。この場合では、6つの列が互い違いのパターンで配置されており、それぞれの列が、異なる偏光平面でそれぞれ照射された4つのスポットを有する。個々の照射スポットは、互いに干渉することなく横断方向に狭い間隔があけられている。この配置は、ウェブの一部分にわたって評価される繊維配向の正確な平均値をもたらし、その平均値近くの変動値が所定の幅の部分集合として好都合に表現されることを可能にする。例えば、1mmピッチの50個のアレイからは、50mmの幅にわたっての平均値と、その平均値近くの1mmのサンプルの標準偏差とを評価することができる。
本発明は、製紙プロセス全体を通して戦略的な位置で繊維配向を測定するのに使用されることができる。紙材の連続シートを生成するための典型的なシート製造システムは、移動する紙材の機械方向に対して横向きの横断方向に沿った、長網抄紙機を支持するワイヤ上への、ヘッドボックスからの湿紙料の放出を制御するように構成された複数のアクチュエータを有する。紙材は繊維質スラリのシートであり、これは、ワイヤの頂部で形成されて、前端部および後端部の長網抄紙機ワイヤの位置に配置されたローラの間を機械方向に移動するように引かれて、カレンダスタックを通過する。
図18に、ウェブ141の繊維配向を測定するための装置の実施形態を示しており、ウェブ141は、抄紙機の中の乾燥部にあるときに、例えば張力または空気力学により、大きく振動することなく比較的一直線で移動するように位置的に制約される。この場合には、偏光される光の光源アレイ142が、ウェブ141の下面を照射して、例えばレンズ/カメラといった撮像装置140がウェブの上側からの画像を検出する。本発明の繊維配向測定装置は、撮像装置140とヘッドボックス143のアクチュエータとに接続されたコンピュータ145をさらに含むことができる。コンピュータ145は、撮像装置からのデジタル画像を分析して、紙141の繊維配向を推定する。さらに、コンピュータ145は、本明細書でさらに記載する、撮像装置140からの横断方向の測定値に応答して作動する制御システムを含むプロファイルアナライザ(profile analyzer)を含む。作動中、撮像装置140および偏光される光の光源アレイ142は横断方向に走査されることができ、横断方向に沿った紙のデジタル画像をコンピュータ145に供給する。これらの画像から、様々な横断方向の測定点での繊維配向を示す信号が生成される。プロファイルアナライザは、例えば上述のヘッドボックス143のアクチュエータを含むシート製造システムの種々の構成部品の作動を制御するためのソフトウェアをさらに含む。所望の設定値からの繊維配向のずれの度合いに応じて、ウェットエンドおよび/またはドライエンドパラメータがしかるべく調節されて、繊維配向を変化させることができる。
例えば、紙の繊維配向プロファイルは、ヘッドボックススライスリップの形状を変形させることにより、あるいはマニホルドからヘッドボックスへの流入量プロファイルを変更することにより、変更されることができる。両方の場合において、ワイヤへのスラリのジェットの速度場が変更されて、繊維配向プロファイルおよび紙の他の性質が変えられる。したがって、複数のパラメータ、例えば、ウェブの繊維配向を制御するためにスライスリップの形状およびマニホルドの流入量プロファイルが操作されることができる。
明らかなように、本発明は、移動するウェブの繊維配向のデジタル画像を分析することによりその繊維配向をオンラインで測定する方法を提供する。この技術から得られる経験的データは、不織布材料を含む製品を製造するためのシート製造システムのプロセスモデリング、シミュレーションおよび制御に対して使用されることができる。数学モデルを展開する方法は、シート製造プロセスを促進またはかく乱させて結果として生じる反応を、すわなち、もし存在すれば、繊維配向の変化を測定することである。例えば、スライスリップおよび/またはマニホルドは、種々のレベルで操作されることができ、その反応が測定される。数学モデルは、シートの繊維配向を制御するためにシステムを調節するのに使用されることができる。抄紙機のためのプロセス制御技術は、例えば、MacHattieらに付与された米国特許第6,805,899号明細書、Heavenらに付与された米国特許第6,466,839号明細書、Huらに付与された米国特許第6,149,770号明細書、Hagart−Alexandarらに付与された米国特許だ6,092,003号明細書、Heavenらに付与された米国特許第6,080,278号明細書、Huらに付与された米国特許第6,059,931号明細書、Huらに付与された米国特許第6,853,543号明細書、およびHeらに付与された米国特許第5,892,679号明細書でさらに記載されており、これらはすべて参照によって本明細書に組み込まれる。
移動するウェブの繊維配向は、横断方向および機械方向の両方で監視されることができる。後者のシナリオでは、複数の装置が、抄紙機の好適な位置に沿って機械方向に縦列で配置されて、抄紙機を最適化することができる。ウェブの紙ストックの連続繊維配向プロファイルは、特定のグレードの紙を製造するための「理想」プロファイルと比較されて作り出されることができる。ウェブの繊維配向は、主に、ワイヤ上での形成プロセスで決められるが、それは乾燥プロセスの間に修正される。具体的には、シートの水分含有量が40%未満に下がった場合、シートはさらに乾くと収縮し始める。この収縮は、横断方向軸で不均一であり、シートの自由縁の近傍で最も顕著であり、これは、位置的に制限されない。しかし、この収縮は、シートを移動させる張力のために機械方向軸での塑性的および弾性的な伸びによって相殺される。したがって、配向角度分布は、ウェブの幾何学的歪みによって変化させられ、この歪みはシート全域で均一ではない。収縮、配向、張力および伸長はすべて、水分プロファイルの変化に結び付く。理想からの歪みの度合いに応じて、ウェットエンドおよび/またはドライエンドパラメータはしかるべく調節されることができる。例えば、本明細書に組み込まれる、Hagart−Alexanderに付与された米国特許第6,092,003号明細書を参照されたい。
同様に、横断方向の測定の場合、一連の装置が、抄紙機の任意適当な位置で横断方向に沿って配置されることができる。別法として、ウェブの幅を横切って走査される単一の装置を含む走査システムが使用されることができる。スキャナシステムは、一般に、監視される紙製品の幅にわたって水平に延在する対のガイドトラックを含む。センサは、測定が行われるときに紙製品の上方を往復して移動する往復台に固定される。製紙のためのオンラインの走査センサシステムが、Dahlquistに付与された米国特許第4,879,471号明細書、Dahlquistらに付与された米国特許第5,094,535号明細書、およびDahlquistに付与された米国特許第5,166,748号明細書に記載されており、これらすべて参照によって本明細書に組み込まれる。
光源アレイおよびカメラは、連携されて一体にシートを横断してよく、実質的にシートの幅全体が連続して測定されるようにする。別法として、複数の静止した光源アレイおよびカメラがシートを横切って配置されてよく、これらの各装置が特定の位置を測定するようにする。別法として、複数の移動式光源アレイおよびカメラがそれぞれシートの一部分を横切って、本質的にシート全体が測定されるようにしてよい。
図19に、ウェブの上側および底側の両方から繊維配向を測定するのに特に適した、ウェブ147の繊維配向を測定するための装置の実施形態を示す。この場合、偏光される光の光源アレイ146および148が、ウェブ147の上側表面および下側表面をそれぞれ照射して、撮像装置150および144がウェブの下側および上側からそれぞれ画像を検出する。繊維配向プロファイルは同時に作られることができる。これらの測定値は、強度、および/または、ウェブ張力、および/または、収縮と伸長、および/または、シートのうねりと歪曲のような他のシート特性に直接あるいは間接的に関連付けられる。既知のシート特性を有する紙を使用して繊維配向の測定値の較正を行うことにより、ライブラリが確立されて、繊維配向測定値と、実際の強さ、ウェブ張力、収縮、うねりまたは歪曲、および他の特性とを相互に関連させることができる。
図20に、ローラおよび乾燥したシリンダなどでよく、さらに少なくとも部分的に透明な材料で作られている回転支持体156の上を紙151が移動するときに紙151の繊維配向を測定するために配置される本発明の装置を示す。この実施形態では、装置は、(i)偏光された放射線を回転支持体156を通してウェブ151上に当てる、偏光される静止した光源154、および(ii)撮像装置152、例えばレンズ/カメラ、を含む。
図21は、回転支持体158の上を紙161が移動するときに紙161の繊維配向を測定するために配置される同様の装置を示しており、回転支持体158の内側面に、偏光される光の複数の光源162が定義されたパターンまたはアレイで配列されている。ウェブ161の他方の側に配置される撮像装置160の作動は、偏光される光の複数の光源162の回転に同期している。
上述したのは、本発明の原理、好ましい実施形態、および作動の態様である。しかし、本発明は、考察した特定の実施形態に限定されると解釈されるべきでない。代わりに、上述の実施形態は限定的ではなく例示的であると考えられるべきであり、特許請求の範囲で定義される本発明の範囲を逸脱することなく、当業者によってこれらの実施形態に変形形態が作られることができることを理解されたい。
偏光の分散を使用した平均繊維配向のオンラインでの画像ベースの測定のための装置を示す図である。 オンラインの画像ベースの測定装置の較正を示す図である。 図3Aは、ウェブの照射側上の一様な強度を有する偏光入射スポットおよび反対側上の分散した強度の出射または透過スポットを示す図である。図3Bは、出射光の強度のコンターを示す分散透過スポットの画像の図である。図3Cは、出射光を通る選択された区間に沿った強度曲線のグラフである。 図4Aは、ウェブの照射側上の一様な強度を有する偏光入射スポットおよび反対側上の分散した強度の出射または透過スポットを示す図である。図4Bは、出射光の強度のコンターを示す分散透過スポットの画像の図である。 図5Aは、ウェブの照射側上の一様な強度を有する偏光入射スポットおよび反対側上の分散した強度の出射または透過スポットを示す図である。図5Bは、出射光の強度のコンターを示す分散透過スポットの画像の図である。図5Cは、出射光を通る選択された区間に沿った強度曲線のグラフである。 図6Aは、4つの偏光平面を有する、偏光の対の線を使用した配置を含むウェブ上の照射を示す図である。図6Bは、4つの偏光平面を有する、偏光の単一の線を使用した配置を含むウェブ上の照射を示す図である。図6Cは、4つの偏光平面を有する、偏光の単一の線を使用した配置を含むウェブ上の照射を示す図である。図6Dは、共通の偏光の光源から重なり合った形状として生成されることができる、同一の偏光平面を共有する線の対またはより多くの複数の線を示す図である。図6Eは、4つの偏光平面を有する、偏光の重なり合った線の対を形成する形状を使用した配置を含むウェブ上の照射を示す図である。 データがなめらかな曲線でつながった、各偏光平面での最大分散および最小分散のプロットである。 低い異方性を示す最大分散および最小分散対偏光平面のプロットである。 中程度の異方性を示す最大分散および最小分散対偏光平面のプロットである。 高い異方性を示す最大分散および最小分散対偏光平面のプロットである。 異方性または繊維配向指数(fiber orientation index)対代理変数を示す相関曲線の図である。 光源および偏光子の配置を示す図である。 光源および偏光子の配置を示す図である。 光源および偏光子の配置を示す図である。 ウェブ上の照射スポットのアレイを示す図である。 ウェブ上の照射スポットのアレイを示す図である。 ウェブ上の照射スポットのアレイを示す図である。 光源および撮像装置の構成を示す図である。 光源および撮像装置の構成を示す図である。 光源および撮像装置の構成を示す図である。 光源および撮像装置の構成を示す図である。 繊維配向測定の定義を示す図である。 図23Aは、非対称の繊維配向分布を示す、最大分散対偏光平面のデカルトプロットである。図23Bは、非対称の繊維配向分布を示す、最大分散対偏光平面の極プロットである。 図24Aは、多峰性の繊維配向分布を示す、最大分散対偏光平面のデカルトプロットである。図24Bは、多峰性の繊維配向分布を示す、最大分散対偏光平面の極プロットである。

Claims (10)

  1. 移動するウェブ(10)の繊維配向を測定する方法であって、
    (a)異なる偏光特性を有する少なくとも4つの平面偏光された入射光ビーム(13、15、17、19)を用いて、ウェブ(10)の第1の側上の少なくとも4つの光スポットを本質的に同時に照射するステップであって、前記少なくとも4つの平面偏光された光ビーム(13、15、17、19)のそれぞれが、ウェブ表面に対して実質的に垂直に入射し、前記ウェブ(10)を通って透過されて、少なくとも4つの対応する透過出射光スポット(22、24、26、28)を前記第1の側に反対の前記ウェブ(10)の第2の側上に生成するステップと、
    (b)前記少なくとも4つの平面偏光された光ビーム(13、15、17、19)のそれぞれに対して、対応する前記平面偏光された入射光ビームの偏光平面に対して既知の角度である少なくとも1つの直線区間に沿った前記出射光スポット(22、24、26、28)の分散を測定するステップであって、少なくとも1つのこの直線区間が、前記透過出射光スポットの中心を実質的に横切って位置しさらに前記透過出射光スポットの幅を実質的に横切って延在するステップと、
    (c)前記少なくとも4つの平面偏光された光ビームに対して、前記透過出射光スポットの分散のばらつきを、もし存在すれば、計算するステップと、
    (d)前記ばらつきから前記ウェブの前記繊維配向を推定するステップと、
    を含む方法。
  2. ステップ(b)が、前記ウェブ(10)の前記第2の側上で照射領域(32)の画像を得るステップであって、前記照射領域(32)が、前記少なくとも4つの入射光ビーム(13、15、17、19)からの前記透過出射光スポット(22、24、26、28)を含む、ステップを含む、請求項1に記載の方法。
  3. ステップ(b)において、前記少なくとも4つの平面偏光された光ビーム(13、15、17、19)のそれぞれに対して、(i)前記入射光ビームの前記偏光平面に実質的に一致する角度にある1つの直線区間に沿って、または(ii)前記入射光ビームの前記偏光平面に対して実質的に垂直の角度にある1つの直線区間に沿って、または(iii)前記入射光ビームの前記偏光平面に実質的に一致する角度にある1つの第1の直線区間に沿ってならびに前記入射光ビームの前記偏光平面に実質的に垂直の角度にある1つの第2の直線区間に沿って、前記出射光スポットの分散が測定される、請求項1に記載の方法。
  4. ステップ(d)において、透過出射光スポット(22、24、26、28)の分散のばらつきから前記繊維配向が推定され、前記入射光ビームの前記偏光平面に実質的に一致する第1の直線区間に沿ってならびに前記入射光ビームの前記偏光平面に対して実質的に垂直の第2の直線区間に沿って各スポットに対して分散が測定される、請求項1に記載の方法。
  5. 前記少なくとも4つの平面偏光された入射光ビーム(13、15、17、19)のそれぞれが、実質的に矩形または区分上矩形断面を有し、各平面偏光された入射光ビームの両側が実質的に平行になるようにする、請求項1に記載の方法。
  6. 対応する透過出射光スポットの中心を実質的に横切って位置しさらに前記透過出射光スポットの幅を実質的に横切って延在する1つの対応する直線区間に沿って測定される既知の基準分散値を用いて、それぞれの測定された分散値を正規化することにより分散を正規化するステップと、前記正規化された分散のばらつきがもし存在すればそれらから前記ウェブの前記繊維配向を推定する工程とをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  7. (i)実質的に平面の等方性半透明基準材料(34)を用意するステップと、
    (ii)異なる偏光特性を有する少なくとも4つの平面偏光された入射光ビーム(13、15、17、19)を用いて、前記基準材料(34)の第1の側上の少なくとも4つの光スポットに本質的に同時に照射するステップであって、前記少なくとも4つの平面偏光された光ビーム(13、15、17、19)のそれぞれが、実質的に垂直に前記基準材料(34)の表面に入射し、前記基準材料(34)を通って透過されて、少なくとも4つの対応する透過出射光スポット(22、24、26、28)を前記第1の側に反対の前記基準材料(34)の第2の側上に生成するステップと
    (iii)ステップ(a)およびステップ(b)で前記ウェブの前記繊維配向の測定に使用される、このステップ(iii)の前記少なくとも4つの平面偏光された光ビーム(13、15、17、19)のそれぞれに対して少なくとも1つの直線区間の少なくともすべてに沿って前記透過出射光スポットの分散が測定されることを条件として、前記少なくとも4つの平面偏光された光ビーム(13、15、17、19)のそれぞれに対して、対応する前記平面偏光された入射光ビームの前記偏光平面に対して既知の角度にある少なくとも1つの直線区間に沿って、前記出射光スポットの分散を測定するステップであって、少なくとも1つのこの直線区間が、前記透過出射光スポットの中心を実質的に横切って位置しさらに前記透過出射光スポットの幅を実質的に横切って延在するステップと、
    (iv)前記少なくとも4つの平面偏光された光ビーム(13、15、17、19)に対する前記透過出射光スポットの分散のばらつきを、もし存在すれば、計算するステップと、
    (v)前記少なくとも4つの平面偏光された光ビーム(13、15、17、19)のそれぞれを通るそれぞれの区間に対して測定された分散を既知の基準分散として記憶するステップと
    を含む較正ステップをさらに含む、請求項6に記載の方法。
  8. 異なる偏光特性を有する少なくとも4つの平面偏光された入射光ビーム(13、15、17、19)を用いて、ウェブ(10)の第1の側上の少なくとも4つの光スポット(20、12、14、16、18)を本質的に同時に照射する手段であって、前記少なくとも4つの平面偏光された光ビーム(13、15、17、19)のそれぞれが、ウェブ表面に実質的に垂直に入射し、前記ウェブ(10)を通って透過されて、少なくとも4つの対応する透過出射光スポット(22、24、26、28)を前記第1の側に反対の前記ウェブ(10)の第2の側上に生成する手段と、
    前記ウェブ(10)の前記第2の側上で照射領域(32)の少なくとも1つの画像を得る画像取得手段(30)であって、前記照射領域(32)が、前記少なくとも4つの入射光ビーム(13、15、17、19)からの前記透過出射光スポット(22、24、26、28)を含む手段と、
    対応する前記平面偏光された入射光ビームの前記偏光平面に対して既知の角度にある少なくとも1つの直線区間に沿って、前記出射光スポットの分散を測定するための、前記少なくとも4つの平面偏光された光ビーム(13、15、17、19)のそれぞれ関連する制御手段(145)であって、少なくとも1つのこの直線区間が、前記透過出射光スポットの中心を実質的に横切って位置しさらに前記透過出射光スポットの幅を実質的に横切って延在する手段と、
    前記少なくとも4つの平面偏光された光ビーム(13、15、17、19)に対する前記透過出射光スポットの分散のばらつきを、もし存在すれば、計算する手段と、
    前記ばらつきから前記ウェブ(10)の繊維配向を推定する手段と
    を含む、前記ウェブ(10)の前記繊維配向を測定するシステム。
  9. 前記少なくとも4つの平面偏光された光ビーム(13、15、17、19)のそれぞれに対して、(i)前記入射光ビームの前記偏光平面に実質的に一致する角度にある1つの直線区間に沿って、または(ii)前記入射光ビームの前記偏光平面に対して実質的に垂直の角度にある1つの直線区間に沿って、または(iii)前記入射光ビームの前記偏光平面に実質的に一致する角度にある1つの第1の直線区間に沿ってならびに前記入射光ビームの前記偏光平面に実質的に垂直の角度にある1つの第2の直線区間に沿って、前記出射光スポットの分散が測定される、請求項8に記載のシステム。
  10. 前記少なくとも4つの平面偏光された入射光ビーム(13、15、17、19)のそれぞれが、実質的に矩形または区分上矩形断面を有し、各平面偏光された入射光ビームの両側が実質的に平行になるようにする、請求項8に記載のシステム。
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