JP2704704B2 - 紙の表面の繊維配向性測定方法 - Google Patents
紙の表面の繊維配向性測定方法Info
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Description
PC用紙,コンピュータなどのラインプリンターに用い
られる連続伝票用紙,ポスターなどに用いられる塗工紙
の原紙など様々な紙の表面の繊維配向性を測定する方法
に関するものである。
目安として、繊維配向性が広く採用されている。この紙
の繊維配向性は、一般に繊維配向角と繊維配向強度とで
表現され、前者は平均的な繊維の並び方向(即ち、繊維
が最も多く並んでいる方向)を意味し、通常マシン方向
をゼロ度として抄紙機の下流に向かって時計方向をプラ
ス(正)の角度で、反時計方向をマイナス(負)の角度
で表わしている。また後者は、このようにして表わされ
る繊維配向角に直角な方向(この方向を通常、繊維が最
も少なく並んでいる方向としている)に並んでいる繊維
の本数に対する繊維配向角に並んでいる繊維の本数の比
(配向比とも言われている)を意味している。
紙ぐせ(カール,反り,ねじれ等)と密接に関連してお
り、例えばPPC適性(普通紙複写機における小判裁断
紙の複写前のトレイ収容性や複写後の積層性やソーター
性),高速印刷機や加工機において蛇行や曲がりが発生
することによる走行性,NIP適性(ノンインパクトプ
リンターで使用される連続伝票用紙の印刷後の積層性)
等に密接に関連している。
て、例えばマシン方向に対して種々な角度で試験片を採
取しそれぞれの試験片に対して引張試験を行ってマシン
方向に対する各角度における引張強度から前記繊維配向
角などの繊維配向性を測定する方法が採用されていた
が、この方法は多数の試験片を採取する作業とその試験
片の数だけの引張試験とを必要とするために測定結果を
得るまでに非常に長時間を要し、その結果測定した紙の
繊維配向性に基づいて製造中や加工中の紙の製造条件や
加工条件を修正して目的とする紙の特性に合致させるよ
うに短時間でフィードバックさせることができないとい
う欠点があった。
短時間で紙の繊維配向性を測定する装置として、特開昭
60−227156号公報で開示されているような被測
定物に対して垂直に直線偏向マイクロ波を照射してその
被測定物を貫通して得られた出力の減衰量からシートの
繊維配向性を測定する方法を実施する分子配向計と称せ
られている装置(MOA−2001,神崎製紙株式会社
製品名)や、超音波の伝播速度の角度分布からシートの
繊維配向性を測定する装置(SST−3000,野村商
事株式会社製品名)が実用化されている。
の繊維配向性を測定することができるいずれの装置も、
紙を貫通する媒体を使用しているので繊維配向性を測定
しようとする対象物である紙全層の平均値と言える繊維
配向性を測定するための装置であり、紙の表面のみの繊
維配向性を測定することはできなかった。
販されている紙について検討した結果、紙の製造に最も
広く使用されている抄紙機である長網抄紙機を使用して
製造された紙においては、ワイヤ側に位置していた側の
面における紙の繊維配向性は比較的安定した値を示すの
に対し、ワイヤ側と反対側に位置していた側の面におけ
る紙の繊維配向性は各紙によってかなりのバラツキが生
じており、このような紙の表裏における紙の繊維配向性
の差は紙の水分や温度が変わった際に紙の表裏の伸びが
相違することを意味するので、結果的に紙のカール,反
り,ねじれ等の大きな因子になることを究明した。
配向性を測定しようとする対象物である紙全層の平均値
と言える繊維配向性を測定するのではなく、紙の表面の
みの繊維配向性を簡単且つ容易に短時間で測定すること
ができる方法を提供することを課題とする。
解決すべく種々検討の結果、紙の繊維配向とは紙を構成
する細い棒状体であるセルロース繊維が紙のマシン方向
に対して如何に揃っているか否かということを意味し、
例えばセルロース繊維が紙のマシン方向に対して所定の
角度で完全に揃っているということは多数の棒状体がそ
の軸方向を同一にして積み重ねられた状態にあると考え
られるから、このような繊維配向性を測定すべき紙の表
面に向けて所定の入射角度で投光装置より入射光を照射
しその紙面より前記入射角度と同じ角度の正反射角度で
反射して来る反射光の強度を受光装置で受光させれば、
入射光が照射された紙面の一定面積内に入射光が照射さ
れた方向と同方向に並んでいる繊維の本数が多ければ繊
維の表面で正反射されて受光装置で受光される光の強度
が大きくなり、また入射光が照射された紙面の一定面積
内に入射光が照射された方向と同方向に並んでいる繊維
の本数が少なければ繊維の表面で正反射されて受光装置
で受光される光の強度が小さくなり、しかも被測定物で
ある紙を貫通することが無い媒体を使用するという前提
条件も満足するので、光の入射と反射とを利用すれば紙
の表面の繊維配向性を測定することが可能であると考え
た。
射角度で投光装置より入射光を照射してその反射光を受
光装置で受光させても、受光装置で受光する光は照射さ
れた入射光が紙の表面で反射して来る反射光と、照射さ
れた入射光が紙層内に侵入し拡散した後に紙の表面側に
戻ってくる層内拡散光との和であり、この反射光の中に
は例えば繊維の形状が四角柱状であってその平面が紙面
と平行であればその繊維の配向方向が投光装置より紙面
に向けて入射光を照射した光軸方向と一致していなくて
もその繊維の表面からの反射光が含まれてしまって誤差
となると共に、受光装置で受光した光の中に層内拡散光
も含まれてしまって誤差となるので、その測定結果の信
頼性が非常に低く、特に紙の繊維配向性として繊維配向
強度で表現する場合には大きな誤差原因となることを究
明した。
を解消すべく種々研究を行った結果、反射光の中にその
繊維の配向方向が投光装置より紙面に向けて入射光を照
射した光軸方向と一致していない繊維の表面からの反射
光が含まれてしまって誤差となる原因は、入射光と反射
光とが通過する入反射面と被測定物である紙面とが通常
の光学系の如く互いに直交する平面を成すようにするの
ではなくて、入射光と反射光とが通過する入反射面に対
して被測定物である紙面が直角にはならない平面を成す
ように、すなわち入射光と反射光とが通過する入反射面
と被測定物である紙面との交線を中心軸として紙面を煽
り角だけ傾斜させた状態とすれば、前述したように例え
ばその繊維の平面が紙面と平行であってその繊維の配向
方向が投光装置より紙面に向けて入射光を照射した光軸
方向と一致していないと、その繊維の表面からの反射光
は前記入射光と反射光とが通過する入反射面内には無い
ことになり、入射光と反射光とが通過する入反射面及び
紙面との交線に平行な状態にある繊維の側面から反射さ
れた光線のみが反射光として受光装置で受光されるので
解消できることを究明した。
の中に層内拡散光が含まれてしまって誤差となる原因
は、紙を構成しているセルロース繊維は透明状又は半透
明状であって言わばガラスの繊維と同様に考えられるこ
とから、紙の表面に向けて所定の入射角度で投光装置よ
り照射する入射光を偏光フィルター等の偏光子によりガ
ラス板等での表面反射率が最も高くなる直線偏光光線と
して知られている入射光と反射光とが通過する入反射面
に対して垂直方向に振動面を持つ直線偏光である光線
(以下、主直線偏光光線と言う)か、又は偏光子を使用
していないので少なくとも主直線偏光光線を含んでいる
光線を照射し、受光装置で受光する光線としては少なく
とも主直線偏光光線のみを受光するようにすれば解消で
きることを究明して、本発明を完成したのである。
向けて所定の入射角度で投光装置より入射光を照射し紙
面より入射角度と同じ角度の正反射角度で反射して来る
反射光の強度を受光装置で受光して紙の表面の繊維配向
性を求める方法であって、入射光として少なくとも主直
線偏光光線を含む光線を照射し反射光として少なくとも
主直線偏光光線のみを受光させ、入射光と反射光とが通
過する入反射面と紙面との交線を中心軸として煽り角度
だけ紙面を傾斜させた状態とし且つ入射光の紙面への照
射中心点を通り紙面に垂直な線を回転中心軸線として前
記入反射面に対して紙を相対的に回転させることによっ
て、紙の回転角度に対応する受光装置で受光した反射光
の受光強度から紙の表面の繊維配向性を求めることがで
きることを究明して本発明を完成したのである。
繊維配向性測定方法について詳細に説明する。図1は本
発明方法における入射光の入射角度と反射光の正反射角
度と入射光及び反射光が通過する入反射面と紙面の煽り
角度との関係を説明するための説明用斜視図、図2は本
発明方法を実施するための装置の1例を示す説明図、図
3は本発明方法を実施するための装置の他の1例を示す
説明図である。
ず表面の繊維配向性を求める紙1を支持せしめるフラッ
トな支持面2aを有する試料台2を準備する。この試料台
2には、支持面2a上のほぼ中央である後述する照射中心
点3を通り支持面2aに垂直な線を回転中心線として回転
できるように駆動装置4が設けられていると共に、駆動
装置4による試料台2の回転角度θを検出するロータリ
ーエンコーダー5が設けられている。
る紙1の紙面1aに向けて所定の入射角度θiで入射光Li
を照射する投光装置6と、この投光装置6よりの入射光
Liが紙1の紙面1aより入射角度θiと同じ角度の正反射
角度θoで反射して来る反射光Loの強度を受光する受光
装置7とが、所定の状態に設置されている。この所定の
状態とは、図1に示す如く入射光Liが試料台2の支持
面2aに支持される紙1の紙面1a上の前記回転中心線が位
置する照射中心点3に向けて照射されるように設定され
ており、且つ入射光Liと反射光Loとが通過する入反射
面Mが後述する煽り角度αを試料台2に付する前の入射
光Liと反射光Loとが通過する入反射面Mと同じ平面を
成している状態である。
iと反射光Loとが通過する前記入反射面Mと試料台2の
支持面2a上に支持された紙1の紙面1aとの交線Oを中心
軸として煽り角度αだけ紙面1aを傾斜させた状態とする
ことができるようになっていて、この煽り角度αは20°
〜70°、好ましくは40°〜70°の範囲内にあれば後述す
る実施例から明らかなように正確な測定結果が得られる
ことが確認できているが、このような角度範囲で自由に
変更可能な角度調節機構を設けておけばより好ましい。
2に示す如く白熱灯やハロゲンランプ等の電球の場合に
紙1の紙面1aに平行光を照射できるように光源6aからの
光を収束するレンズと通過光を絞るピンホールとピンホ
ールを通過した光を平行光とするレンズとを備えたレン
ズ系6bと、光源6aが図3に示す如くHe−Neレーザや
半導体レーザの場合に光径を拡大するビームエキスパン
ダー6cと、更に必要に応じて光源6aから照射される光線
を主直線偏光光線のみとするための偏光子6dや光源6aよ
り紙1の紙面1aに所定の径の光を照射するための所定の
径の絞り6eが設けられている。この絞り6eとしては、紙
1の紙面1a上の照射された光の直径が10mmより小さいと
紙1の地合いむらなどによる局部的な配向が測定される
ため、平均的な値を測定すべく紙1の紙面1a上に照射さ
れる光の直径を少なくとも20mm以上とし得るものを使用
することが好ましい。また絞り6eは、紙1の紙面1a上で
の入射光Liの形状を円形にするために、入射光Liと反
射光Loとが通過する前記入反射面Mと試料台2の支持
面2a上に支持された紙1の紙面1aとの交線Oを中心軸と
して煽り角度αだけ傾斜させたときの紙面1aと平行に設
置されていることが好ましい。
及び図3に示す如く少なくとも受光する光線を主直線偏
光光線のみ又は前記反射面Mに対して平行方向に振動面
を持つ直線偏光である光線(以下、副直線偏光光線と言
う)のみとするための90度回転機構を有する偏光子支持
台に収められた偏光子7a及び光電変換素子7bと、更に必
要に応じて受光レンズ7c及び迷光除去用ピンホール7dを
備えている。迷光除去用ピンホール7dは紙1の紙面1aで
反射した反射光Loを集光する受光レンズ7cの焦点位置
に層内拡散光等の迷光を除去するために設けられるもの
であり、光電変換素子7bには紙1の紙面1aより正反射角
度θoで反射して来る反射光Liとして少なくとも主直線
偏光光線のみを受光してその強度を検出する光電子増倍
管やフォトダイオード等が使用できる。
した如く入反射面M内において入反射面Mと試料台2の
支持面2aとの交線Oに垂直な線に対する入射光Liの成
す入射角度θiと反射光Loの成す反射角度θoとを等し
く設定された状態に設置されているのであるが、入射光
Liの入射角度θiと反射光Loの反射角度θoとしてはこ
れらの角度があまりに小さいと層内拡散光が増加して好
ましくなく、またあまりに大きいと投光装置6と受光装
置7とを小さくするか又は投光装置6と受光装置7とを
試料台2から遠去けることが必要になって装置が大型化
するばかりでなく受光装置7の光電変換素子7bの能力の
点からも好ましくないので、30°〜80°の範囲内の角度
が繊維配向性の測定に適しているが、測定データに再現
性を有する正確なデータを得る角度としては50°〜70°
であることが好ましい。
光された反射光Loの強度を増幅せしめる増幅器8aを介
して増幅された反射光Loの強度とそのときの試料台2
の回転角度θとを共に入力されるコンピュータ8が設け
られている。このコンピュータ8に入力される信号は、
アナログ信号でもデジタル信号でも差し支えない。この
コンピュータ8により受光装置7で受光された反射光L
oの強度とそのときの試料台2の回転角度θとの関係が
360度を周期とする周期関数として求められて、例え
ば受光装置7で受光された反射光Loの強度が最も大き
いときの試料台2の回転角度θ(繊維配向角)とこの繊
維配向角における受光装置7で受光された反射光Loの
強度に対する繊維配向角に直角な方向における受光装置
7で受光された反射光Loの強度の比(繊維配向強度)
などが計算される。
ば繊維配向角と繊維配向強度とを求めるには、先ず粘着
テープ等により測定すべき紙1をそのマシン方向が入射
光Li及び反射光Loの通る入反射面Mと紙面1aとの交線
Oと平行になるように試料台2の支持面2a上に支持せし
める。そして、投光装置6より照射される入射光Liと
紙1の紙面1aで正反射された反射光Loとが通過する入
反射面Mと紙面1aとの交線Oを中心軸として煽り角度α
だけ紙面1aが傾斜させた状態となっていることを確認し
た後、入射光Liの紙面1aへの照射中心点3を通り紙面1
aに垂直な線を回転中心軸線として前記入反射面Mに対
して紙1を相対的に回転させる(図示した実施例の場合
には駆動装置4を駆動して試料台2を回転させる)こと
によって、紙1の回転角度(図示した実施例の場合には
ロータリーエンコーダー5の検出角度)とその角度に対
応する受光装置7で受光した反射光Loの強度とを順次
コンピュータ8に入力して紙1の表面の繊維配向性を求
めるのである。
方法において、試料台2の支持面2a上に支持せしめられ
ている紙1の紙面1aに向けて投光装置6より照射する入
射光Liとしては少なくとも主直線偏光光線を含む光線
であり、反射光Loとしては少なくとも主直線偏光光線
のみを受光させることを必須不可欠な要件としている
が、投光装置6より照射する入射光Liと受光装置7で
受光する反射光Loとの組合せとしては、本発明方法に
おいては以下の3通りが存在する。
使用し、反射光Loとして主直線偏光光線のみを受光す
る組合せである。この組合せの場合には入射光Liとし
て自然光線を使用しているので入射光Liにセルロース
繊維内に侵入し易い副直線偏光光線が含まれているた
め、このセルロース繊維内に侵入した副直線偏光光線が
層内拡散によって主直線偏光光線も生じさせることにな
るから、得られる測定結果に誤差を含む割合が本発明方
法の中では最も大きいと考えられる。
偏光光線のみを使用し、反射光Loとしても主直線偏光
光線のみを受光する組合せである。この組合せの場合に
は入射光Liとしてセルロース繊維内に侵入し易い副直
線偏光光線が含まれていないため、セルロース繊維内に
侵入する光線が少ないから層内拡散光線も少ないので前
記により得られる測定結果に比べて誤差を含む割合が
少ないが、入射光Liとしての主直線偏光光線の一部が
セルロース繊維内に侵入して特定の振動方向を持たない
層内拡散光線が生じるためこの層内拡散光線に含まれて
いる主直線偏光光線も反射光Loとして受光することに
なり、得られる測定結果には未だ誤差を含んでいると考
えられる。
線偏光光線のみを使用し、反射光Loとしては主直線偏
光光線のみに加えて副直線偏光光線のみも受光する組合
せであって、反射光Loの強度としては受光された主直
線偏光光線の強度から副直線偏光光線の強度を差し引い
た値を使用する方法である。この組合せの場合には入射
光Liとしてセルロース繊維内に侵入し易い副直線偏光
光線が含まれておらず、入射光Liとしての主直線偏光
光線の一部が紙層内に侵入して生じる特定の振動方向を
持たない層内拡散光線の強度は主直線偏光光線と副直線
偏光光線とに分けた場合にそれぞれ同一と考えて上記
の組合せから差し引いているため、得られる測定結果は
含んでいる誤差が一番小さいと考えられる。このような
方法を実施するには、同じ紙1の回転角度(図示した実
施例の場合にはロータリーエンコーダー5の検出角度)
に対してその角度に対応する受光装置7で受光した反射
光Loの強度が主直線偏光光線のみと副直線偏光光線の
みとの2種類が必要となるが、このような2種類の受光
は例えば主直線偏光光線のみを受光した後に偏光子7aを
90度回転して副直線偏光光線のみを受光するように測定
を2回に分ける方法でも、また受光装置7における光軸
にハーフミラーを設置して一方の光軸に主直線偏光光線
用偏光子をまた他方の光軸に副直線偏光光線用偏光子を
設置して同時に測定する方法のいずれの方法を採用して
も良い。
品名:ORIENTED SHEET FORMER)においてノズルに抄紙
原料を供給するポンプ圧を変更して、坪量が80g/m2
で表面の繊維配向性が弱繊維配向性の紙と、大きく相違
する強繊維配向性の紙とを製造した。抄紙原料としては
L−BKP(ろ水度500ml)を用い、予め染料により
染色したセルロース繊維を5%の割合で混入したものを
使用した。この2種類の紙について一定面積中の紙の表
面に存在する繊維の各角度における本数分布を勘定して
求める方法(直接法)と、入射光Liと反射光Loとに共
に偏光を行わない自然光線を用いた方法(比較例)と、
前記の方法(実施例1)と、前記の方法(実施例
2)と、前記の方法(実施例3)とについて実験を行
って、繊維配向角と繊維配向強度とを煽り角を0°から
70°まで10°刻みに求めた。その結果、表面の繊維
配向性が弱繊維配向性の紙の繊維配向角は表1に、繊維
配向強度は表2に、強繊維配向性の紙の繊維配向角は表
3に、繊維配向強度は表4にそれぞれ示すような結果が
得られた。
係る紙の表面の繊維配向性測定方法は、上記した直接法
による測定方法の如く紙の表面に存在する各角度におけ
るセルロース繊維の本数を拡大鏡等を用いてその配向方
向毎に作業者がいちいち数え上げることなく簡単に求め
ることができ、しかも従来の繊維配向性測定方法の如く
紙層全層の繊維配向性を測定するのではなくて紙の表面
のみの繊維配向性を測定することができるので、紙の表
裏の繊維配向性の差に起因して生じるカールや反りやね
じれ等の紙の重要な特性を判断する指標を効果的に且つ
短時間で求めることができるのである。
線偏光光線のみを受光させているので紙層内に侵入した
光の層内拡散光が大幅に除去されていると共に、入射光
と反射光とが通過する入反射面と紙面との交線を中心軸
として煽り角度だけ紙面を傾斜させた状態としているの
で入反射面と紙面との交線と平行に並んでいる繊維から
反射された光が重点的に受光されるためにその測定精度
は非常に高く、信頼性のある紙の表面の繊維配向性の測
定結果を得ることができるのである。
る紙と投光装置及び受光装置の組とは非接触状態である
から、投光装置と受光装置との組を紙の紙面に対して煽
り角度を付した状態で回転させれば、製造中や加工中の
紙の表面の繊維配向性を求めることもできるため、直ち
に紙の製造条件や加工条件を修正するようにフィードバ
ックさせることも可能となる利点がある。更に、紙の紙
面のみならず、種々の不織布の表面の繊維配向性を求め
ることもできるため、その応用範囲は非常に広い。
の工業的価値は非常に大きなものである。
の正反射角度と入射光及び反射光が通過する入反射面と
紙面の煽り角度との関係を説明するための説明用斜視図
である。
説明図である。
示す説明図である。
線 α 煽り角度 θ 試料台の回転角度
Claims (6)
- 【請求項1】 測定すべき紙(1)の紙面(1a)に向けて所
定の入射角度(θi)で投光装置(6)より入射光(Li)を照
射し紙面(1a)より入射角度(θi)と同じ角度の正反射角
度(θo)で反射して来る反射光(Lo)の強度を受光装置
(7)で受光して紙(1)の表面の繊維配向性を求める方法
であって、入射光(Li)として少なくとも入射光(Li)と
反射光(Lo)とが通過する入反射面(M)に対して垂直方
向に振動面を持つ直線偏光である光線(以下、主直線偏
光光線と言う)を含む光線を照射し反射光(Lo)として
少なくとも主直線偏光光線のみを受光させ、入射光(L
i)と反射光(Lo)とが通過する入反射面(M)と紙面(1a)
との交線(O)を中心軸として煽り角度(α)だけ紙面(1a)
を傾斜させた状態とし且つ入射光(Li)の紙面(1a)への
照射中心点(3)を通り紙面(1a)に垂直な線を回転中心軸
線として前記入反射面(M)に対して紙(1)を相対的に回
転させることによって、紙(1)の回転角度に対応する受
光装置(7)で受光した反射光(Lo)の強度から紙(1)の
表面の繊維配向性を求めることを特徴とする紙の表面の
繊維配向性測定方法。 - 【請求項2】 入射光(Li)として自然光線を使用し、
反射光(Lo)として主直線偏光光線のみを受光する請求
項1に記載の紙の表面の繊維配向性測定方法。 - 【請求項3】 入射光(Li)として主直線偏光光線のみ
を使用し、反射光(Lo)として主直線偏光光線のみを受
光する請求項1に記載の紙の表面の繊維配向性測定方
法。 - 【請求項4】 入射光(Li)として主直線偏光光線のみ
を使用し、反射光(Lo)として主直線偏光光線のみに加
えて入射光(Li)と反射光(Lo)とが通過する入反射面
(M)に対して平行方向に振動面を持つ直線偏光である光
線(以下、副直線偏光光線と言う)のみも受光し、反射
光(Lo)の強度として受光された主直線偏光光線の強度
から副直線偏光光線の強度を差し引いた値を使用する請
求項1に記載の紙の表面の繊維配向性測定方法。 - 【請求項5】 煽り角度(α)を20°〜70°とする請求項
1から4までのいずれか1項に記載の紙の表面の繊維配
向性測定方法。 - 【請求項6】 入射光(Li)の入射角度(θi)を30°〜80
°とする請求項1から5までのいずれか1項に記載の紙
の表面の繊維配向性測定方法。
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