JP2008540662A - 悪心のための経皮方法およびパッチ - Google Patents

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Abstract

個体における持続的期間の急性、遅発性または予測性嘔吐を処置する方法であって、その方法が、i、制吐作用的に有効な量の5−HT3受容体アンタゴニスト;ii、皮膚接触層の0.5%〜15重量%を含んでなる透過を促進する量の透過促進剤;およびiii、接着剤の組成物を、個体の無傷の皮膚の一部に適用させることを含んでなる方法であって、当該方法において、治療的に有効な範囲の5−HT3受容体アンタゴニストの血漿濃度が、開始時間から当該組成物が除去された12時間以上後までの間、供給される方法が、とりわけ提供されている。

Description

この出願は、2006年4月26日に出願された米国特許出願11/380,268、2005年5月18日に出願された米国特許出願60/682,251、2005年7月27日に出願された米国特許出願60/702,744、および2006年1月17日に出願された米国特許出願60/759,381の優先権を主張している。
本発明は、悪心および嘔吐の処置のための経皮デバイス(装置)および方法に関連し、そしてより詳しくは、持続的期間の悪心および嘔吐の処置のための5−HT3受容体アンタゴニストを含む経皮方法、組成物およびデバイス(device)に関連する。
化学療法または放射線による抗がん処置を受けている患者の大部分は、患者がよく訴える悪心および嘔吐のような処置の副作用に苦しんでいる。こうした抗がん処置の副作用を防止または最小限にするために、セロトニン受容体アンタゴニストまたは5−HT3受容体アンタゴニストと呼ばれている、オンダンセトロン、グラニセトロン、トロピセトロン、ドラセトロン、ヒドロドラセトロン(hydrodolasetron)、アザセトロン、ラモセトロン、レリセトロン、インジセトロン、イタセトロン、パロノセトロン、ラモセトロン、アロセトロン、およびその混合物のような5−ヒドロキシトリプタミンサブタイプ3(以下、‘セロトニン’と称する)のアンタゴニストが、何日も繰り返して非経口または経口的に広く投与されてきた。
悪心および嘔吐はまた、たとえば、手術後、乗り物酔いから、または患者が服用した他の薬剤の副作用としてのような別の理由によっても起こりうる。副作用として悪心および嘔吐を引き起こしうる薬剤の例としては、ある種の抗生物質および抗ウイルス剤、インシュリンおよびアミリンまたはその天然および合成アナログのようなグルコースレベルを制御する生物活性物質、α−グルコダーゼ阻害剤、スルホニル尿素、メグリチニド、チアゾリジンジオン類、ビグアナイド、デュアルPPARα/γアゴニスト、PPARγアゴニスト、およびインシュリン分泌促進物質がある。
患者が悪心および嘔吐で苦しんでいるどんな状況でも、制吐剤の経口投与は困難であり、患者により多くの苦痛を引き起こす。静脈(IV)または筋肉内(IM)投与は、通例、家庭での使用には現実的ではない。経口、IM、およびIV投与では、こうした投与ルートによって、制吐剤の血漿レベルが変動することがもたらされることになるが、制吐剤の恩恵を継続的に実現させるためには、時とともに多くの用量が患者に与えられなければならない。更に、悪心および嘔吐は、回復しにくいため、制吐剤は予防的に与えられれば最も有効である。
こうした問題に対処するために、制吐剤が経皮的に投与できるように、パッチ(patch)の形態での制吐剤の組成物を製剤化するための試みがなされてきた。
経皮的に投与される制吐剤を開発する試みでは、別の問題点が挙げられてきた。たとえば、経皮性組成物に使用される透過(浸透)促進剤(たとえば、テルペン類)の中には、皮膚刺激を誘発するものがある。経皮的適用のために制吐剤を溶解するのにしばしば必要であるアルコール類もまた、皮膚に刺激がある。また、アルコールが急速に枯渇するために、数時間より長い期間にわたる持続的な送達の実現は困難である。低粘度の溶液からなる経皮性組成物が使用される場合、薬物の血中レベルは、有効なレベル以下に容易に低下し、その結果、所望の薬理学的効果が減少することになる。
制吐剤を経皮的に投与しようとする他の取り組みには、薬物の経皮的透過を高めるための補助的エネルギーのような複雑な適用デバイスまたは技法が含まれている。経皮的制吐処置を述べている現時点での技術では、しばしば経口またはIV剤に類似したもので治療的血漿レベルを達成することに焦点が当てられている。こうした薬剤の典型的な送達では、薬物の塩形態を用いて活性剤の安定性を維持しようとしている。しかしながら、制吐剤の塩形態は、比較的低い経皮透過性を有し、持続的期間にわたって、治療的血漿レベルを達成することは困難である。遊離塩基形態を用いることは、投与形態で刺激性であり、または不安定であると考えられているので一般的には検討されていない。
従って、継続的かつ効果的に悪心および嘔吐を防止し、改善し、または処置するために、簡便に使用でき、皮膚に非刺激性であり、そして、24時間、2日、3日あるいはそれ以上、皮膚上の所定の位置に放置しうる制吐剤の経皮性組成物を提供することが望ましい。更に、少量ではあるが機能的に有意の活性な透過促進剤の濃度を用いると、それでもかなり十分な期間にわたって制吐剤を送達し、そしてこの組成物を取り除いた大分後でも血中レベルで測定される送達を十分維持するパッチ剤を製剤化する現在一般に知られている教示を用いることが可能である。
血中への送達延長は報告されてきたが、透過促進剤が使用されていない経皮送達デバイスを用いている。WO 2004/069141参照。本発明では、機能的に有意な濃度の透過促進剤の存在下で著しい持続的送達が達成されている。不安定さと刺激性を抑えるために透過促進剤を使用しないことは、’141出願で教示されている。こうした同様の利益が、現在一般的に知られている発明の教示を用い、少量であるが機能的に有意な濃度の透過促進剤を使用して達成されている。
発明の概要
個体における持続的期間の急性、遅発性または予測性嘔吐を処置する方法が、一つの実施の形態で提供されており、その方法は、
i、制吐作用的に有効な量の5−HT3受容体アンタゴニスト;
ii、皮膚接触層の0.5%〜15重量%を含んでなる透過を促進する量の透過促進剤;および
iii、接着剤
を含んでなる組成物を、個体の無傷(intact)の皮膚または粘膜部分に24時間以上適用させることを含んでなる方法であって、当該方法において、治療的に有効な範囲の5−HT3受容体アンタゴニストの血漿濃度が、開始時間から当該組成物が除去された後12時間以上までの間、供給される方法である。ある実施の形態では、この組成物を除去した12時間以上後に、2回目の前記組成物を適用させ、その場合、治療的に有効な範囲の5−HT3受容体アンタゴニストの血漿濃度が、開始時間から2回目の前記組成物が除去された後12時間以上までの間、供給される。
ある実施の形態では、この5−HT3受容体アンタゴニストを別の制吐剤と組み合わせて投与するか、またはこの同一の薬剤を異なった投与形態で投与する。
加えて、皮膚接触組成物を含んでなる制吐剤の経皮投与組成物が提供され、皮膚接触組成物は、
i、制吐作用的に有効量の5−HT3受容体アンタゴニスト;
ii、皮膚接触層の0.5%〜15重量%を含んでなる透過を促進する量の透過促進剤;および
iii、接着剤
を含んでなる組成物であって、個体の無傷の皮膚部分に24時間(またはそれ以上)適用させ、次いで除去させる場合、この組成物は、個体に治療的に有効な範囲の5−HT3受容体アンタゴニストの血漿濃度を、開始時間から当該組成物が除去された12時間以上まで後の間、供給される。
更に、個体の悪心および嘔吐の経皮的防止、改善または処置のためのデバイスが提供され、このデバイスは(a)支持層;および(b)皮膚接触層を含んでなるパッチを含んでなり、そしてこの皮膚接触層は、
i、制吐作用的に有効量の5−HT3受容体アンタゴニスト;
ii、皮膚接触層の0.5%〜15重量%を含んでなる透過を促進する量の透過促進剤;および
iii、接着剤
を含んでなり、個体の無傷の皮膚部分に24時間(またはそれ以上)適用させ、次いで除去させる場合、このデバイスは、個体に治療的に有効な範囲の5−HT3受容体アンタゴニストの血漿濃度を、開始時間から当該デバイスが除去された12時間以上まで後の間、供給する。
図面の簡単な説明
図1は、本発明のデバイスの実施の形態を用いた、ヒトの死体の皮膚を通してグラニセトロンのイン・ビトロにおける流量(flux)のグラフである。
図2は、本発明のデバイスの実施の形態を用いた、ヒトの死体の皮膚を通してグラニセトロンのイン・ビトロの累積的送達のグラフである。
図3は、本発明のデバイスを用いて得られる薬物動態学的プロフィールを示す。
発明の詳細な説明
本明細書中で使用されている“5−HT3受容体アンタゴニスト”という用語は、5−ヒドロキシトリプタミン受容体アンタゴニストとしての働きをし、個体の抗悪心および抗嘔吐効果を提供する任意の種類の薬剤を意味する。
本明細書中で使用されている“制吐作用の”という用語は、個体の悪心および嘔吐の防止、改善または処置を意味する。
本明細書中で使用されている“制吐剤”という用語は、個体の悪心および嘔吐を防止、改善または処置するのに使用される薬剤または物質を意味する。
本明細書中で使用されている“制吐作用的に有効量”という用語は、個体の悪心および嘔吐を解消(改善を含む)する制吐剤の服用量または血中レベル(文脈に左右される)を意味する。血中レベルの場合は、このレベルが適切に持続されれば、個体の悪心および嘔吐を解消(改善を含む)する。この量は、ある区分の標的の患者/対象集団で有効であることが予想できる量であり、合理的な数の送達デバイスまたは手段によって分割することができる量である。
本明細書中で使用されている“個体(individual)”という用語は、生きている哺乳類を意味し、そして、ヒトおよび他の霊長類、ウシ、ブタおよびウマのような家畜および競技動物(sports animals)、およびネコおよびイヌのようなペットを含むが特に制限はない。
本明細書中で使用されている“開始時間(オンセットタイム:onset time)”という用語は、経皮デバイス(transdermal device)または組成物を個体に適用した後に、制吐作用的に有効な量が個体の血液中に得られるに至るまでの時間を意味する。
本明細書中で使用されている“透過促進”という用語は、透過促進剤の存在下で治療剤に対する皮膚の透過性が、透過促進剤が存在しない場合の同一の治療剤に対する皮膚の透過性と比較して、増加することを意味する。
本明細書中で使用されている“透過促進剤(permeation enhancer)”という用語は、治療剤に対する皮膚の透過性を増加する働きをする薬剤または薬剤混合物を意味する。
本明細書中で使用されている“透過性を促進する量”という用語は、大部分の投与期間中に透過性促進を付与する透過性促進剤の量を意味する。
本明細書中で使用されている“無傷の皮膚部分”という表現は、定義されている面積の無傷の完全な皮膚または粘膜組織を意味する。この面積は、通例約5cm2〜約100cm2の範囲である。
本明細書中で使用されている“塩”という用語は、薬学的に許容される有機または無機塩を意味するが、これらには限定はされない。代表的な無機塩には、塩酸塩のようなハロゲン化水素、炭酸塩、リン酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、臭化水素塩、硝酸塩、および硫化物が含まれる。有機塩には、酢酸、リンゴ酸、マレイン酸、プロピオン酸、琥珀酸、フマル酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、酒石酸などのようなモノカルボン酸およびポリカルボン酸塩を含む酸付加塩が含まれるが、これらには限定されない。
本明細書中で使用されている“持続期間”という表現は、約24時間以上を意味し、通例、約48または72時間〜168時間の範囲の期間を意図しているであろう。
本明細書中で使用されている“経皮性”という用語は、経皮的(percutaneous)と経粘膜投与の両方を意味し、すなわち、無傷、完全な皮膚または無傷、完全な粘膜組織のような体表面または膜を通して、制吐剤のような薬剤を通過させて大循環させることを意味する。
本明細書中で使用されている“経皮デバイス装着時間”または“パッチ装着時間”という表現は、経皮デバイスが個体の皮膚または粘膜の部分上で所定の位置に維持されている期間を意味する。
本明細書中で使用されている“経皮的に吸収される(percutaneously absorbable)”という用語は、本発明の経皮デバイスで製剤化される場合、薬物が無傷の完全な皮膚または粘膜組織のような体表面または膜を通過して循環系に入る能力を意味する。
本明細書中で使用されている“急性悪心および嘔吐”という用語は、個体が化学療法、放射線、または薬物処置を受けた後24時間後まで継続する個体の悪心および嘔吐に関連する。これは、また手術後の悪心および嘔吐および乗り物酔いから生じる悪心および嘔吐にも関連しうる。
本明細書中で使用されている“遅発性悪心および嘔吐”という用語は、個体が化学療法、放射線を受けた後、手術後または薬物処置後5日まで起こる個体の悪心および嘔吐に関連する。
本明細書中で使用されている“予測性悪心および嘔吐”という用語は、個体が化学療法、放射線、または薬物処置を受けた後の個体の条件反応に関連し、個体が処置の結果から悪心および嘔吐をこうむることを予測する場合か、あるいは個体が以前の処置の結果から悪心および嘔吐を経験した場合がある。予測性悪心および嘔吐は、手術後または乗り物酔いの結果としてもたらされることもありうる。
本明細書中で使用されている“皮膚接触層”という用語は、皮膚または粘膜に適用するための経皮デバイスの層である。
本明細書中で使用されている“流量割合(flux rate)”は、ヒトの死体の皮膚にデバイスを適用することを基準として得られる割合を意味する。
本発明は、制吐剤を経皮投与することによって持続的な期間、悪心および嘔吐を防止し、改善しまたは処置する方法に関する。本発明に使用される制吐剤は、経皮デバイスにおいて、5−HT3受容体アンタゴニストの遊離塩基形態であり、その例には、オンダンセトロン、グラニセトロン、トロピセトロン、ドラセトロン、ヒドロドラセトロン、アザセトロン、ラモセトロン(ramosetron)、レリセトロン、インジセトロン、イタセトロン、パロノセトロン、ラモセトロン(lamosetron)、アロセトロンおよびその混合物が含まれる。投与後、このアンタゴニストは、他の手段での投与あるいは塩形態の投与をあたえられれば形成されると同様の塩または代謝産物を形成するであろうことが認められている。本発明は、また本発明の方法で使用するデバイスおよび組成物に関連する。
本発明方法は、化学療法、放射線療法、他の薬物療法、乗り物酔い、または手術後の反応による悪心および嘔吐の防止、改善または処置に有効である。この方法は何日にもわたって制吐剤を経皮投与することを包含するので、長期間にわたる悪心および嘔吐の防止、改善または処置するのに際し、効果的である。本発明の更なる利益には、ある実施の形態では、2、3、4、5、6、7日あるいはそれ以上の間、所定の位置に放置される経皮デバイスを貼ることを含むので、患者のコンプライアンスが改善されること;このデバイスが適用される時からそれが除去されるまで、あるいは、それが除去された後、6、9、12、18または24時間またはそれ以上、長期間にわたって悪心および嘔吐から患者が保護されること;このデバイスが悪心および嘔吐を防止し、減少させるであろうことを知っているので、患者が自信を深めて病院または医師のオフィスを去るということが含まれる。更に、このデバイスによって、それが除去されるまで治療的に有効な範囲で制吐剤の血中レベルを維持することが可能となる。ある実施の形態では、24時間あるいはそれ以上(または36時間あるいはそれ以上、または48時間あるいはそれ以上、または72時間あるいはそれ以上)このデバイスを装着した後、血中レベルは、除去後、長い期間、たとえば、6、9、12、18または24時間あるいはそれ以上、治療的に有効な範囲内に維持される。このデバイスは、制御された比率で制吐剤を送達するので、薬物をたとえば、IVによって投与する時のような血漿濃度の初期スパイク(initial spike)がない;それ故、この方法は、他の投与形態で時々こうむる頭痛および便秘のような副作用を減少させる。
ある実施の形態では、5−HT3受容体アンタゴニストの治療的に有効な血中レベルは、24時間以内の適用で、18時間以内の適用で、12時間以内の適用で、または9時間以内、または8時間以内、または7時間以内、または6時間以内の適用で、得られる。こうした開始期間(onset periods)は、5−HT3受容体アンタゴニストおよび個別の皮膚接触層の製剤によって異なるであろう。
ある実施の形態では、パッチ(貼付剤)は、開始時間後、24時間以上、48時間以上、または72時間以上、または96時間それ以上、または120時間以上、または144時間以上、または168時間以上の間、1μg/cm2/時間以上(たとえば、1と25μg/cm2/時間の間)の流量割合(flux rate)の5−HT3受容体アンタゴニストを提供する。ある実施の形態では、このパッチは、開始期間後、24時間以上、48時間以上、または72時間以上、または96時間それ以上、または120時間以上、または144時間以上、または168時間以上の間、2μg/cm2/時間以上(たとえば、2と10μg/cm2/時間の間)の流量割合の5−HT3受容体アンタゴニストを提供する。
ある実施の形態では、このパッチは、開始時間から24時間以上まで、48時間以上まで、または72時間以上まで、または96時間それ以上まで、または120時間以上まで、または144時間以上まで、または168時間以上までの間、10μg/日(マイクログラム/日)以上(たとえば、10〜10,000μg/日)の5−HT3受容体アンタゴニストを個体に送達する。ある実施の形態では、このパッチは、開始時間から24時間以上まで、48時間以上まで、または72時間以上まで、または96時間それ以上まで、または120時間以上まで、または144時間以上まで、または168時間以上までの間、20μg/日(マイクログラム/日)以上、または50μg/日以上、100μg/日以上、200μg/日以上、500μg/日以上、1,000μg/日以上、2,000μg/日以上、4,000μg/日以上、6,000μg/日以上のいずれかの5−HT3受容体アンタゴニストを個体に送達する。送達を求められている量は、5−HT3受容体アンタゴニストによって変化するであろうことが認められるであろう。たとえば、オンダンセトロンの場合、量はグラニセトロンの場合よりも高い量であることが必要である可能性がある。
本発明のデバイスにおいて使用される透過促進剤は、皮膚接触層中の5−HT3受容体アンタゴニストが皮膚に透過することを増加させるように働く。一般的に、透過促進剤の量が高ければ、それだけ皮膚の透過性の増加が大きくなる;しかしながら、高量の透過促進剤では、接着剤の低温流動も起こりうることであり、経皮パッチを早すぎる段階で取り除くことが必要になる。“低温流動(Cold flow)”とは、その背面層などの下から貯留物質が横方向に流れる現象である。また、透過促進剤を高量にすると、5−HT3受容体アンタゴニストがマトリクスから結晶化する可能性があり、従って、その透過性を制限することになる。それ故、接着剤の低温流動および薬物の結晶化をこれに加えて制限し、防止しながら、薬物の透過性を確実に高めるであろう透過促進剤の量を使用することが望ましい。本発明のデバイスの実施の形態では、透過促進剤は、皮膚接触層(または組成物)の重量の15%以下(または約14%以下、または約13%以下、または約12%以下、または約11%以下、または約10%以下、または約9%以下)の量であり、その結果、重大な接着剤の低温流動または薬物の結晶化を起こすことなく薬物の透過性を高める。透過促進剤は、透過を高める量で存在する。透過促進剤は、たとえば、皮膚接触層(または組成物)の重量の0.5%以上(または、約1%以上、または、約2%以上、または、約3%以上、または、約4%以上、または、約5%以上、または、約7%以上)の量で存在することができる。
5−HT3受容体アンタゴニストの量は、たとえば、下記に述べられている下限の一つの近く(限度は端点を含まないかあるいは含む)から、または上限(含まないかあるいは含む)の一つまでから種々変化しうる。下限は、皮膚接触層または組成物の重量を基準として、0.1%、0.2%、0.5%、1%、2%、3%、または4%である。上限は、皮膚接触層または組成物の重量を基準として、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%または6%である。再び、加うるに、こうした量は、個々の5−HT3受容体アンタゴニストによって変化しうる。
本発明のデバイスの一つの実施の形態は、個体の皮膚または粘膜に適用するための経皮的パッチである。このパッチは、支持層にラミネート加工あるいは他の方法で付着した、皮膚または粘膜接触層(簡略化のために“皮膚接触層”)を有する。一般的にこの皮膚接触層は、使用前は除去できる剥離ライナ(removable release liner)によって覆われており、その結果、それが皮膚または粘膜に適用されるまで、皮膚接触表面を保護し清潔に保たれている。
この支持層は、皮膚接触層のための支持体としての役目をし、周囲状況に対して、皮膚接触層中の薬物の喪失を防止するバリア層(barrier layer)が備えられる。こうした支持体のために選択される材料は、接着剤、薬物、および透過促進剤と適合すべきであり、そして、パッチの任意の構成成分に対して最小限の透過性がなければならない。支持体は、光を通さず、その結果、マトリクスパッチの成分を、紫外線に対する曝露による分解から防護する。更に、この支持体は、接着層(adhesive layer)に結合し、接着層を支持することができなければならないが、柔軟であるべきで、その結果パッチを用いるヒトの動きに適応しなければならない。担体に適切な材料には、金属箔、金属化ポリフォイル(metalized polyfoils)、複合フォイルまたはポリステルテレフタレート、ポリエステルまたはアルミニウム蒸着ポリエステルのようなポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルブロックアミド共重合体、ポリエチレンメチルメタクリレートブロック共重合体、ポリウレタン、ポリビニリデンクロリド、ナイロン、シリコーンエラストマー、ゴム系ポリイソブチレン、スチレン、スチレン−ブタジエンおよびスチレン−イソプレン共重合体、ポリエチレン、およびポリプロピレンを含むフィルムが含まれる。たとえば、厚さ約0.0005〜0.01インチが用いることができる。剥離ライナは、適切な剥離表面で覆われた、担体(carrier)または他の適切なフィルムと同じ材料で作製することができる。
透過促進剤が存在する場合は、この透過促進剤は、一般的には、脂肪族アシルの鎖の長さがC12−C18の脂肪酸エステルである。このエステルのアルコール成分は、一般的には、たとえば、イソプロパノールのようなC1−C6、またはC2−C4である。
このパッチは、接着剤、制吐剤、および透過促進剤に加えて更に様々な添加剤を含むことができる。こうした添加剤は、一般的には、薬物送達の技術分野、さらに詳しくは、経皮的な薬物送達の分野において公知である製薬的に許容される成分である。添加剤の制限されない実例としては、希釈剤、賦形剤、皮膚軟化剤、可塑剤、皮膚刺激低減剤(また、粘膜への刺激を低減する薬剤を含むこともできる)、担体、およびこれらの混合物が含まれる。たとえば、好適な希釈剤は、鉱物油、低分子量ポリマー、可塑剤などを含むことができる。経皮性薬物送達製剤は、皮膚または粘膜に長期間さらされた後、刺激を引き起こす傾向が多くあり、従って、刺激低減剤を添加することは皮膚または粘膜にとってより十分に耐性のある組成物を実現することに役立つ。
本発明の実施の形態による制吐剤の送達の場合、接着剤、5−HT3受容体アンタゴニスト、および透過促進剤を含んでいるパッチデバイスは、選択された部分の無傷の皮膚または粘膜で、皮膚または粘膜と接触することになり、接着剤によって適切な場所に維持される。
ある実施の形態では、経皮性組成物(患者に適用する前)は、実質的に水を含んでいない。ある実施の形態では、経皮性組成物は、実質的にテトラグリコール(グリコフロールまたはテトラヒドロフルフリルポリエチレングリコールとも呼ばれている)を含んでいない。ある実施の形態では、経皮性組成物は、実質的に親水性の有機溶媒を含まず、実質的に、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール、プロピレングリコール、グリセリン、分子量600以下を有するポリエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリアセチン、N−メチルピロリドン、2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、デシルメチルスルホキシド、ジオキサン、ラクトンまたはその混合物を含まない。先出の条件の目的のために、“親水性有機溶媒”は、脂肪族アシルの鎖の長さがC12−C18の脂肪酸エステルを含んでいない。経皮性組成物が実質的にそうしたものを含んでいない場合、こうした成分の表示量は、プロセスパラメータ(process parameters)に一致する量で存在してもよいが、機能、取り扱い性、貯蔵、または経皮デバイスの効果的な使用またはマーケティングに重要なファクターのいくつかに重要な影響を与える量では存在しないということが理解されるであろう。
別の実施の形態では、本発明によって、異なる投与ルートによって投与された、別の制吐剤(たとえば、コルチコステロイド)、または同じ5−HT3受容体アンタゴニストの投与(たとえば、経口、注入・注射(たとえば、IV、IP、IM,SC)、経皮、バッカル、直腸)と組み合わせた5−HT3受容体アンタゴニストの経皮投与によって、化学療法、放射線療法、他の薬物療法、乗り物酔い、または手術後反応に起因する悪心および嘔吐の防止、改善または処置方法が提供される。二番目の投与形態は、所与の投与形態に適切である、異なる投与計画によって投与することができる。
悪心および嘔吐の処置のための5−HT3受容体アンタゴニストとコルチコステロイドの併用投与は、公知である。たとえば、米国特許5,929,059(Sanger et al.)には、ヒトまたは動物対象に、グラニセトロンとデキサメタゾンまたはその製薬学的に許容される塩またはエステルを投与することを含んでなる悪心および嘔吐の処置および/または予防方法が開示されている。Sanger et al.には、更に、こうした二つの成分が経口的に、直腸的に、非経口的に、またはバッカルで投与することができ、経口投与が好ましいことが開示されている。
しかしながら、本明細書で最初の段階で述べられているように、制吐化合物の経口投与は、難易度が高く、患者の不快感をより大きくすることになる。加うるに、有効成分を経口、IV,IM、直腸、およびバッカル投与することは、活性成分の血漿レベルの変動を発生させる。それ故、5−HT3受容体アンタゴニストを経皮的に投与し、こうして悪心および嘔吐を防止し、改善し、または処置すること、その上、制吐作用的に有効な量の、5−HT3受容体アンタゴニストの制吐特性を高めることができる、制吐コルチコステロイドを投与することは有利なことであろう。制吐コルチコステロイドの投与は、5−HT3受容体アンタゴニストの経皮投与開始と同時に開始させることもできるし、あるいは5−HT3受容体アンタゴニストが経皮的に投与された1時間以上後、12時間以上後、または24時間以上後に開始させることもできる。投与は、12時間以上、または24時間以上、48時間以上、72時間以上後、96時間以上後、120時間以上後、144時間以上後、または168時間以上の間続けることができる。このコルチコステロイド投与は、一回の投与で行ってもよいし、あるいは選択された間隔で追加投与を行ってもよい。有用な投与ルートは、たとえば、経口または非経口ルートを含む。
この本発明の実施の形態における使用に適切な制吐コルチコステロイドには、たとえば、デキサメタゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、それらの生理学的に許容される塩またはエステル、またはその組み合わせを含むことができる。デキサメタゾンはデキサメタゾンアルコールとして投与してもよいし、あるいは製薬学的に許容される塩またはエステルの形で投与してもよい。好適な塩およびエステルには、アセタート、イソニコチナート、フェニルプロピオナート、ピバラート、t−ブチルアセタート、トリオキサウンデカノアート、ジソジウムメタスルファベンゾアートおよびジソジウムホスファナートが含まれる。
この本発明の実施の形態の方法に従って使用するデキサメタゾンのようなステロイドの投与量は、たとえば、投与単位あたり0.5〜20mgの範囲であることができる。この単位投与は、1日につき1〜4回、投与することができる。しかしながら、正確な投与量は、投与ルートおよび処置される症状に依存するであろうし、患者の年齢、および体重、並びに処置される症状の性質および重篤さに依存する投与量を定常的に変動させることが必要であってもよいことが理解されるであろう。
錠剤およびカプセルのようなデキサメタゾンの経口投与組成物は、結合剤(たとえば、アルファ化とうもろこし澱粉、ポリビニルピロリドンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース);増量剤(たとえば、乳糖、微結晶セルロースまたはリン酸水素カルシウム);滑沢剤(たとえば、ステアリン酸マグネシウム、タルクまたはシリカ);崩壊剤(たとえば、バレイショデンプンまたはデンプングリコール酸ナトリウム);または湿潤剤(wetting agent)(たとえば、ラウリル硫酸ナトリウム)のような製薬学的に許容される賦形剤を用いる従来一般に行われている手段によって製造することができる。錠剤は、当技術分野でよく知られている方法によって被覆することができる。経口投与用液体製剤は、たとえば、溶液、シロップまたは懸濁液の形をとるか、またはそれらは、使用前の、水または他の適切な媒体を含む組成のための乾燥物として提供される。こうした液体製剤は、懸濁化剤(たとえば、ソルビトールシロップ、セルロース誘導体または水素化食用脂);乳化剤(たとえば、レシチンまたはアラビアゴム);非水溶性媒体(たとえば、アーモンドオイル、油状エステル、エチルアルコールまたは分留植物油)および保存剤(たとえば、メチルまたはプロピル−p−ヒドロキシベンゾアートまたはソルビン酸)のような製薬学的に許容される添加剤を用いる従来一般に行われている手段によって製造することができる。この製剤は、また、必要に応じて緩衝液塩、香料、着色剤および甘味剤を含むことができる。
コルチコステロイドの経口投与製剤は、有効成分の放出を制御するために適切に製剤化することができる。
非経口投与の場合、組成物は、ボーラスインジェクションまたは連続点滴に適切な形で提供されうる。注入・注射用製剤は、防腐剤を加えて、たとえば、シリンジ、アンプルまたは多数回用容器(multi-dose containers)である単位投与形態で提供することができる。この組成物は、油状または水溶性媒体中の懸濁液、溶液または乳化液のような形をとることができ、そして、懸濁化剤、安定化剤および/または分散剤のような製剤化剤を含むことができる。あるいは、活性成分は、使用前に、たとえば、滅菌した、パイロジェンを含まない水である適切な媒体を用いる組成のための粉末形態であることができる。
この発明のある実施の形態では、
i、制吐作用的に有効量の5−HT3受容体アンタゴニストの遊離塩基;
ii、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピルまたは脂肪族アシルの鎖の長さがC12−C18である脂肪酸エステルから成る群より選択される、透過を促進する量の透過促進剤;および
iii、アクリルポリマー類(acrylics)(アクリル酸アルキルを含む)、酢酸ビニル、天然および合成ゴム、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリシロキサン、ポリアクリレート、ポリウレタン、可塑性ポリエーテルブロックアミド共重合体、可塑性スチレン−ブタジエンゴムブロック共重合体、およびその混合物から成る群より選択される接着剤;
を含んでなる皮膚接触層を有する経皮パッチが、制吐処置または予防を必要とする個体の皮膚または粘膜に適応される。その後、制吐作用的に有効な量の全身性コルチコステロイドを経口的に個体に投与し、5−HT3受容体アンタゴニストの制吐効果を増強する。
別の実施の形態では、経皮デバイスがデキサメタゾンのような全身性コルチコステロイドと一緒に、キットの形で提供される。
本発明は、もうひとつの実施の形態では、制吐剤の経口または注入・注射(injection)による投与と組み合わせた、5−HT3受容体アンタゴニストの経皮投与によって、化学療法、放射線療法、他の薬物療法、乗り物酔い、または手術後の反応に起因する悪心および嘔吐の予防、改善または(予防的投与の後に続いて起こる症状の改善を含む)または処置方法を提供する。この制吐剤は、5−HT3受容体アンタゴニスト、カンナビノイド(cannabinoids)、NK1受容体アンタゴニスト、ドーパミンアンタゴニスト、コルチコステロイド、または任意の他の公知の制吐剤から成る群より選択することができる。ある実施の形態では、制吐剤は、経皮デバイスが個体の皮膚に適用されると同時に個体に投与される。他の実施の形態では、他の制吐剤は経皮投与の誘導期(lag phase)の間、血漿に最初に送達が与えられるように選択されたタイミングで投与される。
ある実施の形態では、キットの形で、制吐剤が経皮デバイスに提供される。別の実施の態様では、キットは、経皮デバイスを個体の皮膚に適用するとほとんど同時に個体に制吐剤を投与することを述べているラベルで表示することを含んでなる。二番目の成分の例は、最初の経皮デバイス中と同じかまたは異なる制吐剤を含んでなる投与形態を含む。二番目の投与形態は、たとえば、経口、注入・注射(たとえば、IV、IP,IM、SC)、経皮的、バッカル、直腸などによる投与用であってもよい。
別の実施の形態では、経皮デバイスは、たとえば、個体が嘔吐の危険性がもたらされる状況を経験する24時間前までに、個体の皮膚に適用される。こうした状況には、たとえば、抗がん治療のための化学療法剤のような嘔吐の危険性がもたらされる医薬化合物の投与、および嘔吐の危険性がもたらされるような外科的または他の医学的処置が含まれる。更なる実施の形態では、経皮デバイスは、個体の皮膚に、個体が嘔吐の危険性がもたらされる状況を経験する0.5時間以上(1時間以上、または2時間以上、または4時間以上、または8時間以上、または10時間以上、または12時間以上)前に適用される。
グラニセトロンの長期間の送達が与えられるのに適した他の経皮デバイスでは、こうした長期間の送達は、透過促進剤を避けることによって達成される。この発明は、こうした促進剤を含むが、それにもかかわらず長期間の送達が与えられ、同時に促進剤に伴いうる刺激および不安定性を避けるデバイスを提供する。その上、ある実施の形態では、このデバイスによって、デバイスの面積標準化ベースで(device area-normalized basis)、透過促進剤が含まれていない以外はすべて一致するデバイスと比較して、ピーク血漿レベルまたはAUC(曲線下面積)によって測定される血漿へのより多くの経皮性送達がもたらされる。ある実施の形態では、このデバイスを適用した24、48、72、96または120時間後に測定される送達は、1.5倍以上、または1.7倍以上、または2倍以上である。
実施例1:接着剤混合物と経皮送達デバイスの調製
表1
Figure 2008540662
成分
製剤Aと製剤Bは、上記の表1に示されているそれぞれの成分の量を用いて製造された。
本明細書中の実施例で使用されているスチレン−ブタジエンゴム感圧型接着剤は、DURO−TAK(登録商標)87−6173接着剤であり、これは、ニュージャージー州BridgewaterにあるNational Starch and Chemicalから入手可能である。本明細書中の実施例で所用されているアクリラート−ビニルアセタート感圧型接着剤は、DURO−TAK(登録商標)87−2516接着剤であり、これは、ニュージャージー州BridgewaterにあるNational Starch and Chemicalから入手可能である。本明細書中の実施例で使用されているミリスチン酸イソプロピルは、NFグレードであった。本明細書中の実施例で使用されているポリエステル剥離ライナは、Loparex, Incから入手可能であり、本明細書中の実施例で使用されているポリエステル支持体(backing)は、2610Fとして3Mから入手可能である。
手順
グラニセトロンベースを、トルエンのような適切な溶媒に溶解し、選択された接着剤と混和する。次いでミリスチン酸イソプロピルを、この混合物に加え、次にこの内容物を均一な溶液になるまで混合する。
この均一な溶液を、ポリエステル剥離ライナのシリコーン処理をした表面上に所望の厚さまで被覆する。次いでこの被覆された剥離ライナを溶媒が蒸発するまで乾燥オーブンに入れる。この乾燥した接着剤を被覆した剥離ライナをオーブンから取り除き、次にポリエステル支持体層でラミネートする。この多層ラミネートを所望の目標とする一日投与量の送達のための望ましい大きさおよび形状の単位に型抜くか、あるいは貯蔵または別の場所への移送用にロール状に巻きつけることができる。次いでこのロール状のラミネートは、ほどいて、所望の大きさおよび形状の単位に型抜くことができる。次にこうした型抜かれたひとそろいは、個別の袋にいれ、パッチとして後に使用するために密封される。
刺激データ
製剤Aについて、ウサギ刺激試験、モルモット感受性試験、イヌ毒物動態学およびヒト刺激試験を行い、非刺激性かつ非毒性であることが判明した。
実施例2:経皮送達デバイスからのグラニセトロンの流量試験
手順
熱によって分離したヒト死体の皮膚を所望の大きさに切り、フランツ拡散セル(Franz diffusion cell)上に載せる。剥離ライナを上記の実施例1に述べられている製剤Bに従って作製されたパッチから剥ぎ取る。このパッチをこの皮膚の上に置き、パッチと皮膚をしっかり留める。レセプター溶液(receptor solution)を拡散セルに加え、次にこの組み立て層(assembly)を32℃に保つ。レセプター溶液の一部を周期的な時点(24時間、48時間、72時間、96時間、および120時間)で取る。レセプター溶液中のグラニセトロンの濃度を各時点で測定し、例AおよびBからの流量割合を計算する。この結果得られるデータは、図1に示されている。グラニセトロンの指示された時間にわたる累積的送達も、同様に各時点でのレセプター溶液中のグラニセトロンの濃度から計算され、図2に示されている。
実施例3:説明例中のグラニセトロンの安定性
表2
Figure 2008540662
上記の実施例1の述べられている手順に従い、表2に示されている製剤を用いて、パッチが作製された。次いでパッチを、下記に述べられる方法を用いてグラニセトロンが安定かどうかの試験がなされた。
パッチサンプルを50℃で2ヶ月までの期間、貯蔵した。この生成物の安定性が、高性能液体クロマトグイラフィーを用いてグラニセトロン含量および不純物の総量を周期的に試験することによって評価された。この結果は、下記の表3で示される。
表3
Figure 2008540662
表3のデータは、グラニセトロンが、50℃で少なくとも2ヶ月間、本発明の実施例の組成物中で、グラニセトロンポテンシーをほとんど失うことなく、開始時T0の製剤と比較して低い量の不純物であり、安定に残存するということを示す。
実施例4:イン・ビボ試験用サンプル
パッチが、表4に示されている成分およびそれぞれの量を用いて、上記に述べられている方法に従って作製された。
表4
Figure 2008540662
実施例4で用いられているアクリル系接着剤は、ニュージャージー州BridgewaterにあるNational Starch and Chemicalから入手可能であるDURO−TAK(登録商標)87−2516であった。
無作為クロスオーバー臨床試験が、グラニセトロンの経皮性パッチまたはIV溶液を与えられる11個体で行われた。25cm2のパッチがグラニセトロン2mg/日を送達するためにそれぞれ製剤化された。この実施例4の25cm2パッチは、個体の皮膚に適用され、96時間所定の位置に置かれ、それらは96時間で除去された。これに引き続いて、10日間、ウォッシュアウトし、その後、同一の個体が1日1回2mg/日の投与量でグラニセトロンIVを与えられた。最初の期間にIV処置を与えられた個体は、クロスオーバー処置中、経皮パッチを与えられた。グラニセトロンの血液血漿レベルが、この試験中の個体のすべてに対して、パッチが着けられている96時間の間とIV投与量が投与されている96時間の間、および更にパッチが除去された後とIV投与が中止された後の二日間、周期的に測定された。
この結果(図3A)によれば、IVグラニセトロンを与えられている個体は、一日の投与量がそれぞれ投与された後、グラニセトロンの血液血漿レベルにおいて急なスパイクがもたらされていることおよび血液血漿レベルがかなり速やかに減少していることが示されている。一方、パッチを着けている個体におけるグラニセトロンの血液血漿レベルは、着実に増加し、横ばい状態になり、その状態が96時間後にパッチが除去されるまで維持され、96時間の時には、血液血漿レベルがゆっくり、着実に減少していたが、パッチが除去されて24時間以上後でも治療的に有効な範囲に依然としてとどまっていた。グラニセトロンについては、標準的な血漿レベルが、全装着時間にわたり、更にパッチ除去後更に二日間の間、0.1−25ng/mlの範囲にあることが観察された。従って、この実施例のパッチによって、全パッチ装着時間およびそれが除去されてから後24時間以上のいずれの間でも、治療的に有効な範囲の血液血漿レベルがもたらされた。
特許および特許出願を含むがこれらには限定されない、この明細書で引用されている刊行物および参照資料は、それぞれの個々の刊行物または参照資料があたかも特定的および個々に本明細書中の引用によって十分に述べられているものとして組み込まれるものとして示されているように、引用されている全部分の全体引用によって本明細書に組み込まれる。この出願が優先権を主張している特許出願のいかなるものも、また刊行物および引用によって上記に述べられている方法で本明細書中の引用によって組み込まれるものである。
この発明は、ある実施の形態を強調して述べられているが、好ましいデバイスおよび方法の変形が用いられるということおよびこの発明は、本明細書中で特に述べられている以外の方法で実施できるということが意図されているということは、当技術分野における当業者にとって自明であろう。従って、この発明は、これに続く請求項によって定義されている本発明の趣旨および範囲内に含まれる修正のすべてを含む。
本発明のデバイスの実施の形態を用いて、ヒトの死体の皮膚を通してグラニセトロンのイン・ビトロにおける流量のグラフである。 本発明のデバイスの実施の形態を用いて、ヒトの死体の皮膚を通してグラニセトロンのイン・ビトロの累積的送達のグラフである。 本発明のデバイスの実施の形態を用いて得られる薬物動態学的プロフィールを示す。

Claims (34)

  1. 個体における持続的期間の急性、遅発性または予測性嘔吐を処置する方法であって、その方法が、
    i、制吐作用的に有効な量の5−HT3受容体アンタゴニスト;
    ii、皮膚接触層の0.5%〜15重量%を含んでなる透過を促進する量の透過促進剤;および
    iii、接着剤
    を含んでなる組成物を、個体の無傷の皮膚または粘膜部分に24時間以上適用させることを含んでなる方法であって、当該方法において、治療的に有効な範囲の5−HT3受容体アンタゴニストの血漿濃度が、開始時間から当該組成物が除去された後12時間以上までの間、供給される方法。
  2. 当該組成物が除去された12時間以上後に、2回目の前記組成物を個体の無傷の皮膚または粘膜部分に適用させ、治療的に有効な範囲の5−HT3受容体アンタゴニストの血漿濃度が、開始時間から2回目の前記組成物が除去された後12時間以上まで間、供給される、請求項1に記載の方法。
  3. 更に、制吐作用的に有効な量のコルチコステロイドを投与することを含んでなる請求項1に記載の方法。
  4. コルチコステロイドが経皮的に投与される請求項3に記載の方法。
  5. コルチコステロイドが経口的または注入によって投与される請求項3に記載の方法。
  6. 更に、制吐作用的に有効な量の制吐剤を2回目の投与形態で投与することを含んでなる請求項1に記載の方法。
  7. セロトニン5−HT3受容体アンタゴニストが、オンダンセトロン、グラニセトロン、トロピセトロン、ドラセトロン、ヒドロドラセトロン、アザセトロン、ラモセトロン、レリセトロン、インジセトロン、イタセトロン、パロノセトロン、ラモセトロン、アロセトロン、およびその混合物から成る群より選択される、請求項1に記載の方法。
  8. 5−HT3受容体アンタゴニストが、グラニセトロンである、請求項1に記載の方法。
  9. 更に、制吐作用的に有効な量のコルチコステロイドを投与することを含んでなる請求項8に記載の方法。
  10. 透過促進剤が、本質的に、15重量%以下の脂肪族アシルの鎖の長さがC12−C18の脂肪酸エステルまたはその混合物の皮膚接触層から成る請求項1に記載の方法。
  11. 透過促進剤が、本質的に、15重量%以下のミリスチン酸イソプロピルの皮膚接触層からなる請求項1に記載の方法。
  12. 更に、前記適用と共に、嘔吐の危険性をもたらす薬物または処置を個体に施す手順を含んでなる請求項1に記載の方法。
  13. 前記適用が、前記嘔吐の危険性をもたらす施与の前に行われる、請求項12に記載の方法。
  14. i、制吐作用的に有効量の5−HT3受容体アンタゴニスト;
    ii、皮膚接触層の0.5%〜15重量%を含んでなる透過を促進する量の透過促進剤;および
    iii、接着剤
    を含んでなる皮膚接触組成物であって、個体の無傷の皮膚部分に24時間適用させ、次いで除去させる場合、当該組成物が、個体に治療的に有効な範囲の5−HT3受容体アンタゴニストの血漿濃度を、開始時間から当該組成物が除去された後12時間以上までの間、供給する、
    皮膚接触組成物を含んでなる制吐剤の経皮投与組成物。
  15. 個体の悪心および嘔吐の経皮的な防止、改善または処置のためのデバイスであって、当該デバイスは、
    a.支持層;および
    b.皮膚接触層
    を含んでなるパッチから成り、
    当該皮膚接触層は、
    i、制吐作用的に有効量の5−HT3受容体アンタゴニスト;
    ii、皮膚接触層の0.5%〜15重量%を含んでなる透過を促進する量の透過促進剤;および
    iii、接着剤
    を含んでなり、
    当該デバイスを個体の無傷の皮膚部分に24時間適用させ、次いで除去させる場合、
    当該デバイスが、個体に治療的に有効な範囲の5−HT3受容体アンタゴニストの血漿濃度を、開始時間から当該デバイスが除去された後12時間以上までの間、供給する、
    デバイス。
  16. 個体の無傷の皮膚部分に48時間適用させ、次いで除去させる場合、当該デバイスが、個体に治療的に有効な範囲の5−HT3受容体アンタゴニストの血漿濃度を、開始時間から当該デバイスが除去された後12時間以上までの間、供給する、請求項15に記載のデバイス。
  17. 個体の無傷の皮膚部分に72時間適用させ、次いで除去させる場合、当該デバイスが、個体に治療的に有効な範囲の5−HT3受容体アンタゴニストの血漿濃度を、開始時間から当該デバイスが除去された後12時間以上までの間、供給する、請求項15に記載のデバイス。
  18. 個体の無傷の皮膚部分に96時間適用させ、次いで除去させる場合、当該デバイスが、個体に治療的に有効な範囲の5−HT3受容体アンタゴニストの血漿濃度を、開始時間から当該デバイスが除去された後12時間以上までの間、供給する、請求項15に記載のデバイス。
  19. 5−HT3受容体アンタゴニストが、遊離塩基形態である、請求項15のデバイス。
  20. 請求項15に記載のデバイス、および制吐作用的に有効な量のコルチコステロイドを含んでなる投与形態を含んでなるキット。
  21. 投与形態が、コルチコステロイドの経口投与または注入用である、請求項20に記載のキット。
  22. 投与形態が、コルチコステロイドの経皮投与用である、請求項20に記載のキット。
  23. 請求項15に記載のデバイス、および経口投与または注入に適した形態の制吐剤を含んでなる投与形態を含んでなるキット。
  24. 投与形態の薬物が、5−HT3受容体アンタゴニスト、カンナビノイド、NK1受容体アンタゴニスト、ドーパミンアンタゴニスト、コルチコステロイド、またはその混合物である、請求項23に記載のキット。
  25. 5−HT3受容体アンタゴニストが、オンダンセトロン、グラニセトロン、トロピセトロン、ドラセトロン、ヒドロドラセトロン、アザセトロン、ラモセトロン、レリセトロン、インジセトロン、イタセトロン、パロノセトロン、ラモセトロン、アロセトロン、およびその混合物からなる群より選択される、請求項15に記載のデバイス。
  26. 5−HT3受容体アンタゴニストがグラニセトロンである、請求項15に記載のデバイス。
  27. 制吐作用的に有効な量のグラニセトロンが0.1重量%〜15重量%である皮膚接触層を含んでなる、請求項26に記載のデバイス。
  28. 透過促進剤が、本質的に、15重量%以下の脂肪族アシルの鎖の長さがC12−C18の脂肪酸エステルまたはその混合物の皮膚接触層から成る、請求項15に記載のデバイス。
  29. 透過促進剤が、本質的に、15重量%以下のミリスチン酸イソプロピルの皮膚接触層から成る、請求項15に記載のデバイス。
  30. 更に、デバイスを、(a)嘔吐の危険性をもたらす薬物を個体に投与すること、または(b)嘔吐の危険性をもたらす手術または他の医学的処置を個体に施すことの一つまたは両方と併用して個体に適用することを述べているラベルをパッケージングすることを含んでなる、請求項15に記載のデバイス。
  31. ラベルが、投与または施すことの30分以上前に、デバイスを適用することを述べている、請求項30に記載のデバイス。
  32. デバイスが、ヒトの死体の皮膚の一部分に168時間以上適用される場合、1〜25μg/cm2/時間の流量割合が供給され、前記流量割合が1〜25μg/cm2/時間、168時間以上の間維持される、請求項15に記載のデバイス。
  33. デバイスが、個体の無傷の皮膚の一部分に168時間適用する場合、10〜10,000μg/日の5−HT3受容体アンタゴニストを開始時間の後毎日、個体に送達する、請求項15に記載のデバイス。
  34. デバイスが、個体の無傷の皮膚の一部分に24時間〜144時間の間適用し、次いで除去される場合、10〜10,000μg/日の5−HT3受容体アンタゴニストを、開始時間から除去した12時間後まで毎日、個体に送達する、請求項15に記載のデバイス。
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