JP2008538444A - ビスマス金属酸化物が含まれているリチウム電池 - Google Patents

ビスマス金属酸化物が含まれているリチウム電池 Download PDF

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Abstract

電池は、1つ以上の金属及び5価ビスマスを含んでいる酸化物を備えたカソード、リチウムを含んでいるアノード、前記カソードと前記アノードとの間のセパレータ、並びに、電解質を含んでなる。前記金属(単数又は複数)は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、及び/又は、主族金属にすることができる。

Description

本発明はリチウム電池に関するものである。
リチウム電池のような電池は、一般に、電気エネルギー源として使用される。概して、電池には負極(アノード)及び正極(カソード)が備わっている。負極には、酸化可能な電気活性物質(リチウム金属など)が含まれており、正極には、還元可能な電気活性物質(二酸化マンガンなど)が含まれている。前記負極の活性物質は、前記正極の活性物質を還元させることができる。負極の活性物質と正極の活性物質の直接反応を防ぐために、両電極はイオン透過性セパレータによって互いに機械的且つ電気的に分離されている。
電池を携帯電話などの機器用の電気エネルギー源として使用する場合、両電極を電気的に接続させて、電子を機器中に流し、各電極で酸化及び還元反応が生じて電力を提供させる。電極に接触する電解質溶液には、放電中の電池全体の電荷の均衡を維持するために、電極間のセパレータを通って拡散するイオンが含まれている。
本発明は、ビスマスが含まれている電池に関するものである。前記電池は1次電池又は2次電池にすることができる。
ある1つの態様では、本発明は、1つ以上の金属及び5価ビスマスが含まれている酸化物が含まれているカソード、リチウムが含まれているアノード、前記カソードと前記アノードの間のセパレータ、並びに、電解質を含んでなる電池を特徴としている。
別の態様では、本発明は、金属及び5価ビスマスが含まれている酸化物が含まれているカソード、アノード、前記カソードと前記アノードの間のセパレータ、並びに、非水性電解質を含んでなる電池を特徴としている。前記アノードには、例えばリチウムを含有させることができる。
別の態様では、本発明は、金属及び5価ビスマスが含まれている酸化物が含まれているカソード、リチウムが含まれているアノード、前記カソードと前記アノードの間のセパレータ、並びに、電解質を含んでなる電池を特徴としている。
別の態様では、本発明は、1つ以上の金属及び5価ビスマスが含まれている酸化物が含まれているカソード、リチウムが含まれているアノード、前記カソードと前記アノードとの間のセパレータ、並びに、電解質を含んでなる電池を放電させる工程と、電池を再充電せずに電池を廃棄する工程が含まれている方法を特徴としている。前記電解質は非水性電解質にすることができる。
別の態様では、本発明は、1つ以上の金属及び5価ビスマスが含まれている酸化物が含まれているカソード、アノード、前記カソードと前記アノードの間のセパレータ、並びに、非水性電解質を含む電池を放電させる工程と、電池を再充電せずに電池を廃棄する工程が含まれている方法を特徴としている。
別の態様では、本発明は、1つ以上の金属及び5価ビスマスが含まれている酸化物が含まれているカソード、リチウムが含まれているアノード、前記カソードと前記アノードとの間のセパレータ、並びに、非水性電解質を含んでなる電池を放電させる工程と、電池を再充電する工程が含まれている方法を特徴としている。
別の実施形態では、本発明は、1つ以上の金属及び5価ビスマスが含まれている酸化物が含まれているカソード、アノード、前記カソードと前記アノードの間のセパレータ、並びに、非水性電解質を含んでなる電池を放電させる工程と、電池を再充電する工程が含まれている方法を特徴としている。
本発明の態様には、次の特徴が1つ以上備わっていてもよい。前記金属が、リチウム、ナトリウム、及び/又は、カリウムのようなアルカリ金属である。前記酸化物が、LiBiO、LiBiO、LiBiO、LiBiO、LiBi、LiBi10、又は、KBiOである。前記金属が、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、及び/又は、バリウムのようなアルカリ土類金属である。前記酸化物が、MgBi、SrBi、SrBi、LiSrBiO、NaSrBiO、LiBaBi11、又は、BaBiである。前記金属が、スカンジウム、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、銀、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、パラジウム、カドミウム、ハフニウム、タンタル、及び/又は、タングステンのような遷移金属であり、前記酸化物に更にアルカリ金属又はアルカリ土類金属を含めることができる。前記酸化物が、ZnBi、CuBi、CdBi、AgBiO、又は、SrScBiOである。前記金属が、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、及び/又は、イッテリビウムようなランタノイドであり、前記酸化物に更にアルカリ金属又はアルカリ土類金属を含めることができる。前記金属が、インジウム、スズ、アンチモン、及び/又は、鉛のような主族金属であり、前記酸化物に更にアルカリ金属又はアルカリ土類金属を含めることができる。前記酸化物に、炭素又は金属酸化物が含まれている導電性表面被覆のような導電性部分が含まれている。前記導電性表面被覆としては、グラファイト、カーボンブラック、アセチレンブラック、酸化コバルト、オキソ水酸化コバルト、酸化銀、銀ニッケル酸化物、及び、酸化インジウムから成る群から選択した物質が挙げられる。前記アノードに、リチウムが含有されている合金が含まれている。前記電解質が非水性である。前記電解質に溶媒、及び、前記溶媒に溶解可能な塩が含まれている。前記電池が1次電池又は2次電池である。
実施形態には、以下の利点の1つ以上を含み得る。1つ以上の金属及び5価ビスマスが含まれている前記酸化物によって、全体的な電池性能を、とりわけ高い放電率において向上させることができる。5価ビスマスが含まれている金属酸化物が含まれているカソードを備えた電気化学セルによって、商業的に有用な平均作動電圧(すなわち閉回路電圧、CCV)で、高エネルギー(例えば、高い理論容積エネルギー密度)、及び、全放電容量を実現させることができる。例えば、さまざまな原子比率で3価ビスマスと5価ビスマスの双方が含まれている金属酸化物が含まれているカソードを備えたセルは、3価ビスマスしか含まれていない金属酸化物が含まれているカソードを備えた特定のリチウムセルよりも高い平均作動電圧をもたらすことができる。更には、大部分が5価ビスマスに占められている金属酸化物が含まれているカソードを備えたセルは、大部分が3価ビスマスに占められている金属酸化物が含まれているカソードを備えた特定のリチウムセルよりも実質的に高い平均作動電圧をもたらすことができる。大部分が5価ビスマスに占められている金属酸化物が含まれているカソードを備えたセルによって、熱処理電解二酸化マンガン(すなわちHEMD)のセルと同程度又は前記セルを上回る形で、約3V〜2Vの規定の全放電容量を実現させることができる。前記セルには、比較的フラットな1つ以上の平坦部を含む特徴的な放電電圧プロファイルを有することができ、このことは、特定の高ドレインデジタル電子装置、例えば、デジタルカメラや携帯ビデオゲーム、及び、電動式消費者製品、例えば、電動歯ブラシや電動かみそりに電力を供給するのに有利となり得る。5価ビスマスが含まれている金属酸化物はまた、熱的に安定しており、(例えば、高放電率又は低放電率時の)カソードの有効利用を実現させることができる。5価ビスマスが含まれている金属酸化物が含まれているカソードを、さまざまなサイズ(例えば、AA、2/3A、CR2、18650)の円筒型リチウムセル、並びに、コイン型セル、薄型プリズム型又は平面型電池、及び、フレキシブルパウチ、エンベロープ又はバッグセルのようなその他のフォームファクターを備えたリチウムセルに、費用効果の高い形で組み込むことができる。前記リチウムセルを更に、らせん状の巻線形電池の形状に作製することができる。ビスマスが含まれている化合物の多くは毒性が低く、環境への影響が少ないことで知られているため、5価ビスマスが含まれている金属酸化物が含まれているカソードを備えたセルを製造及び廃棄する際の健康及び環境への配慮が比較的少なくて済む。
本発明の他の態様、特徴、及び、利点は、図、説明、及び、請求項によって明らかになるであろう。
図1に示すごとく、電気化学セル50は、上部セルハウジング62、下部セルハウジング56、下部ハウジング内のカソード58、上部ハウジング内のアノード60、前記カソードと前記アノードとの間に位置しているセパレータ66を含んでいる。セル50には更に、前記カソードの下にある導電性ステージ52、カソード電流コレクタ54、及び、シール64も含んでいる。上部セルハウジング62はセル50の負端子として機能し、下部セルハウジング56はセル50の正端子として機能する。電解質溶液はセル50全体に分散される。
カソード58には、5価ビスマスが含まれている金属酸化物が1つ以上含まれている混合物、カソードのバルク導電性を向上させる導電性添加剤、及び、任意に応じて、カソードの物理的一体性を高める結合剤が盛り込まれている。
具体的には、5価ビスマスが含まれている金属酸化物、通称「ビスマス酸塩」は一般に、5価ビスマス、すなわちBi(V)、任意に応じて構成成分(例えば、約50原子%未満のような微量な成分)としての3価ビスマス、すなわちBi(III)、及び、1つ以上のその他の金属が含まれている複雑酸化物である。例えば、複雑金属酸化物の化学式単位におけるビスマスの中では、少なくとも約50原子%(例えば、50原子%超、少なくとも約60原子%、少なくとも約70原子%、少なくとも約80原子%、少なくとも約90原子%、又は、100原子%)のものが、形式上、5価ビスマスである。5価ビスマスが含まれている金属酸化物によって、セル50に高い容積エネルギー密度及び商業的に有用な平均作動電圧範囲(例えば、約3.25〜2V)をもたらすことができる。また、5価ビスマスが含まれている金属酸化物は、大気下で約200℃を越す(例えば、約300℃を越す)温度まで熱的に安定であることができる。5価ビスマスが含まれている金属酸化物の優れた熱安定性は、前記酸化物の結晶格子構造の固有の構造安定性、また、電池に含まれる電解液やその他の物質の存在下における化学的安定性を示唆すると考えられている。5価ビスマスが含まれている金属酸化物には、リチウムイオンを容易に挿入可能にできる層状又はオープンフレームワーク構造を備えた化合物を含めることができる。例えば、5価ビスマスが含まれている金属酸化物には、ルチル、トリルチル、蛍石、パイロクロア、イルメナイト、蛍石型、パイロクロア型、ペロブスカイト型、又はその他の型の結晶格子構造を有することができる。5価ビスマスが含まれている金属酸化物は、実質的に化学量論的なもの又は非化学量論的なもの(すなわちカチオン欠損又は酸素欠損のもの)にすることができ、また、更にさまざまなその他の格子欠陥を含むことができる。以下で論じるように、5価ビスマスが含まれている金属酸化物の金属は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、ランタノイド、主族金属、又は、これらの金属の混合物にすることができる。
5価ビスマスが含まれている金属酸化物にアルカリ金属を含める実施形態では、前記金属はリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、又は、セシウムにすることができる。アルカリ金属が含まれている5価ビスマスが含まれている金属酸化物の例としては例えば、MBiO、MBiO、MBiO、MBi、MBi10(前記Mは、Li、Na、K、Rb、及び、Csにすることができる)、LiBiO、及び、LiKBiOが挙げられる。アルカリ金属及び5価ビスマスが含まれている金属酸化物の合成法については、例えば、J.トレフ(Trehouxら)の「材料研究会誌(Mater. Res. Bull.)」17号、1235〜43(1982年)、E.ノムラ(Nomura)らの「固体化学会誌(J. Solid State Chem.)」52号、91〜3(1984年)、C.グリーブズ(Greaves)らの「材料研究会誌(Mater. Res. Bull.)」24号、973〜980(1989年)、S.コディアラム(Kodialam)らの「材料研究会誌(Mater. Res. Bull.)」27号、1379〜1384(1992年)、T.N.ニュイエン(Nguyen)らの「材料化学(Chem. Mater.)」5(9)号、1273〜6(1993年)、B.K.カセノフ(Kasenov)らの「ロシア物理化学会誌(Zhur. Fiz. Khim.)」71(6)号、1146〜8(1997年)、及びN.クマダ(Kumada)らの「固体化学会誌(J. Solid State Chem.)」126号、121〜6(1996年)、「材料研究会誌(Mater. Res. Bull.)」32(8)号、1003〜1009(1997年)に記載されている。5価ビスマスが含まれている金属酸化物のいずれにも、1種類超のアルカリ金属を、例えば部分若しくは完全置換によって、又、はイオン交換によって任意に組み合わせた形で含めることができる。この一部の例として、Li1−xNaBiO、Na1−xBiO(ただし0<x<1)、KLiBiO、及び、RbLiBiOを挙げることができる。アルカリ金属及び5価ビスマスが含まれている金属酸化物は、化学量論的又は非化学量論的なものにすることができ、また、前記金属酸化物には、例えば約50原子%、約50原子%未満、約30原子%未満、又は、約10原子%未満のような微量な成分として3価ビスマスを含めることができる。5価ビスマス及び混合アルカリ金属が含まれている金属酸化物の合成法は、例えば、R.ヒューベンタール(Huebenthal)&R.ホップ(Hoppe)の「スカンジナビア化学学会誌(Acta Chem. Scand.)」45(8)号、805〜811(1991年)、及び、V.A.カールソン(Carlson)&A.M.ステーシー(Stacy)の「固体化学会誌(J. Solid State Chem.)」96号、332〜343(1992年)に記載されている。
5価ビスマスが含まれている金属酸化物にアルカリ土類金属を含める実施形態では、前記金属はマグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、及び、バリウムにすることができる。アルカリ金属ビスマス酸化物の一部の例としては、MgBi、SrBi、SrBi、LiSrBiO、NaSrBiO、BaBi、又は、LiBaBi11が挙げられる。5価ビスマス及びアルカリ土類金属が含まれている金属酸化物の合成法は、例えば、K.クマダ(Kumada)らの「材料研究会誌(Mater. Res. Bull.)」32号、1003〜8(1997年)、K.クマダ(Kumada)らの「固体イオニクス学会誌(Solid State Ionics)」122号、183〜9(1999年)、D.E.コックス(Cox)&A.W.スライト(Sleight)の「ソリッドステートコミュニケーションズ(Solid State Commun.)」19号、969〜973(1976年)、及び、O.ノップ(Knop)らの「カナダ化学学会誌(Can. J. Chem.)」58号、2221〜4(1980年)に記載されている。一部のケースでは、例えば、ペロブスカイト型BaBiのようなアルカリ土類ビスマス酸化物に、混合原子価ビスマス、すなわち、Bi(V)とBi(III)の双方が存在しているビスマスを含めることができる。5価ビスマス及びアルカリ金属が含まれている金属酸化物の場合と同様に、5価ビスマス及びアルカリ土類金属が含まれている金属酸化物のいずれにも、1種類超のアルカリ土類金属、又は、1つ以上のアルカリ金属と1つ以上のアルカリ土類金属の混合物を、いずれかの組み合わせで含めることができる。この一部の例としては、Ba1−xBiO及びSr1−xBiO(ただし、混合原子価ビスマス、例えば、x=0.6の場合、Ba0.60.4BiOも含めることができる)、LiSrBiO、並びに、LiBaBi11が挙げられる。アルカリ土類ビスマス酸化物は、化学量論的又は非化学量論的なものにすることができ、また、前記酸化物には、上で述べたように、微量成分として3価ビスマスを含めることができる。アルカリ金属及びアルカリ土類金属混合の5価ビスマスが含まれている酸化物の合成法は、例えば、A.W.スライト
(Sleight)らの「ソリッドステートコミュニケーションズ(Solid State Commun.)」17号、27〜8(1975年)、「固体化学会誌(J. Solid State Chem.)」78号、319(1989年)、M.L.ノートン(Norton)の「材料研究会誌(Mater. Res. Bull.)」24号、1391〜7(1989年)、S.F.リウ(Liu)&W.T.フー(Fu)の「材料研究会誌(Mater. Res. Bull.)」36号、1505〜12(2001年)、及びV.A.カールソン(Carlson)&A.M.ステーシー(Stacy)の「固体化学会誌(J. Solid State Chem.)」96号、332〜343(1992年)に記載されている。
5価ビスマスが含まれている金属酸化物には、1つ以上の遷移金属、及び/又は、1つ以上の主族金属を含めることができる。遷移金属は、第1遷移金属(例えば、Sc、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、若しくは、Zn)、第2遷移金属(例えば、Y、Zr、Nb、Mo、Ru、Pd、Ag、若しくは、Cd)、又は、第3遷移金属(例えばHf、Ta、W)にすることができる。5価ビスマス及び遷移金属が含まれている酸化物の例としては、ZnBi、AgBiO、AgBiO、Ag25Bi18、CuBi、BaYBiO、SrScBiO、Sr18Ru1.9Bi4.133、及び、LiPdBi10が挙げられる。5価ビスマス及び遷移金属が含まれている酸化物の合成法は、例えば、N.クマダ(Kumada)らの「材料研究会誌(Mater. Res. Bull.)」32号、1003〜8(1997年)、N.クマダ(Kumada)らの「高度イオン交換産業研究誌(Adv. Ion-Exchange for Industry Research)」239号、212〜217(1999年)、N.クマダ(Kumada)らの「材料研究会誌(Mater. Res. Bull.)」35(2)号、2397〜2402(2000年)、H.ミゾグチ(Mizoguchi)らの「ケミカルコミュニケーションズ(Chem. Commun.)」(9)号、1084〜5(2003年)、M.ボルツ(Bortz)&M.ジャンセン(Jansen)の「無機及び一般化学会誌(Z. Anorg. Allgem. Chem)」612号、113〜7(1992年)、M.S.マーティン−ゴンザレス(Martin-Gonzalez)らの「固体化学会誌(J. Solid State Chem.)」173号、203〜8(1993年)、及び、Y.ラリガント(Laligant)&A.ルベイル(LeBail)の「欧州固体及び無機化学会誌(Euro. J. Solid State Inorg. Chem)」30号、689〜698(1993年)に記載されている。遷移金属は、ランタニド(例えば、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、又は、Yb)にすることができる。5価ビスマス及びランタニドが含まれている金属酸化物の一部の例としては、BaLaBiO、及び、SrNdBiOが挙げられる。5価ビスマス及びランタニドが含まれている金属酸化物の合成法は、例えば、H.ミゾグチ(Mizoguchi)らの「ケミカルコミュニケーションズ(Chem. Commun.)」(9)号、1084〜5(2003年)、及び、A.レンツ(Lenz)&H.ミューラー−ブッシュバウム(Mueller-Buschbaum)の「希少金属学会誌(J. Less Common Metals)」161(1)号、141〜6(1990年)に記載されている。主族金属は、例えば、Ga、In、Sn、Tl、Pb、As、又は、Sbにすることができる。5価ビスマス及び主族金属が含まれている酸化物の例としては、BaInBiO、及び、BaBi1−xPbが挙げられる。5価ビスマス及び主族金属が含まれている金属酸化物の合成法は、例えば、W.T.フー(Fu)らの「材料研究会誌(Mater. Res. Bull.)」35号、1205(2000年)、及び、A.W.スライト(Sleight)らの「ソリッドステートコミュニケーションズ(Solid State Commun.)」17号、27(1975年)に記載されている。上述した5価ビスマスが含まれている金属酸化物の場合と同様に、5価ビスマス及び遷移金属、ランタニド、又は、主族金属が含まれている金属酸化物には、1種類超の金属をいずれかの組み合わせで含めることができる。5価ビスマス及び遷移金属、ランタニド、又は、主族金属が含まれている金属酸化物は、化学量論的又は非化学量論的なものにすることができ、また、前記酸化物には、上で述べたように、混合原子価ビスマス、例えば、Bi(V)とBi(III)の双方が存在しているビスマスを含めることができる。
1つ以上の5価ビスマスが含まれている金属酸化物によって、カソード58の活性物質の全体、又は、カソード58の活性物質の一部を構成させることができる。例えば、カソード58の活性物質として、5価ビスマスが含まれている金属酸化物をオキソ水酸化ニッケルと混合させることができる。オキソ水酸化ニッケルは、β−オキソ水酸化ニッケル、γ−オキソ水酸化ニッケル、又は、オキソ水酸化コバルト被覆オキソ水酸化ニッケルにすることができる。オキソ水酸化ニッケルは、例えば、J.マルタ(Maruta)らの「電気化学(Electrochemistry)」71号、1009(2003年)に記載されているように、オゾンによる酸化を通じて水酸化ニッケルから調製することができる。5価ビスマスが含まれている金属酸化物をオキソ水酸化ニッケルが含まれているリチウムセルのカソードに含有させることによって、平均作動電圧、及び/又は、容積エネルギー密度を高めることができる。更に、5価ビスマスが含まれている金属酸化物は、オキソ水酸化ニッケルよりも実質的に高い真密度を有することができるため、5価ビスマスが含まれている金属酸化物が含まれているカソードを備えたリチウムセルの容積エネルギー密度は、オキソ水酸化ニッケルが含まれているカソードを備えたセルの容積エネルギー密度よりも高くなることができる。一部のケースでは、例えば、添加剤として5価ビスマスが含まれている金属酸化物が含まれているカソードを備えたセルの容積エネルギー密度は、唯一の活性カソード物質としてオキソ水酸化ニッケルが含まれているセルに比べて、実質的に高くなることができる。更に、約2V未満で電池を放電させる間、Biが還元されて金属Biが形成されるため、添加剤として5価ビスマスが含まれている金属酸化物が含まれているカソードを備えたセルの比容量が増加されることができる。活性物質の混合物が含まれているカソードでは、5価ビスマスが含まれている金属酸化物によって、活性物質の約1重量%超〜約100重量%未満を構成させることができる。例えば、カソード58には、5価ビスマスが含まれている金属酸化物を約0重量%、約10重量%、約20重量%、約30重量%、約40重量%、約50重量%、約60重量%、約70重量%、約80重量%、若しくは、約90重量%以上、及び/又は、5価ビスマスが含まれている金属酸化物を約100重量%、約90重量%、約80重量%、約70重量%、約60重量%、約50重量%、約40重量%、約30重量%、約20重量%、若しくは、約10重量%以下で含めることができる。5価ビスマスが含まれている金属酸化物と併せて、カソード58にその他の活性物質、例えば、AgO、AgO、AgNiO、及び、BaFeOなどを含めることができる。
5価ビスマスが含まれている金属酸化物は、例えば、MgBi、ZnBi、及び、BaInBiOのような半導体にすることができる。ある実施形態では、5価ビスマスが含まれている金属酸化物は、H.ミゾグチ(Mizoguchi)らの「ケミカルコミュニケーションズ(Chem. Commun)」(9)号、1084〜5(2003年)に記載されているMgBi及びZnBiなどの劣化性n型半導体にすることができる。
一部の実施形態では、バルク導電性を高めるために、5価ビスマスが含まれている金属酸化物の粒子は、導電性部分、例えば、粒子間の導電性を向上させる表面被覆を含むことができる。導電性表面被覆は、(例えば、低放電率で)電池50の放電容量及び/又は作動電圧を向上させるとともに、(例えば、高放電率及び低放電率で)カソードの有効利用度を高める役割を果たすことができる。導電性表面被覆は更に、例えば、高温での保管時に保護層として機能することによって、電解質内の、5価ビスマスが含まれている金属酸化物粒子の化学的安定性を高めることもできる。導電性表面被覆には、グラファイト(天然又は合成)、カーボンブラック、及び/又は、黒鉛化ブラックのような炭素質材を含めることができる。これに加え、又は、これに代えて、導電性表面被覆には、金若しくは銀のような金属、及び/又は、酸化コバルト(例えば、Co)、オキソ水酸化コバルト、酸化銀、銀ビスマス酸化物、酸化インジウム、若しくは、インジウムスズ酸化物のような導電性若しくは半導体金属酸化物を含めることができる。導電性表面被覆には、ナノ粒子の導電性金属酸化物を含めることができる。導電性表面被覆には更に、1つ以上の任意のドーパント、例えば、ナトリウムを含めることができる。導電性表面被覆は、例えば、沈殿及び沈殿後の化学酸化、電解メッキ、無電解メッキなどの溶液技術を用いて、又は、気相成膜法(例えば、スパッタリング、物理気相成膜法、若しくは、化学気相成膜法)によって塗布又は成膜することができる。導電性被覆の好適な厚みは、5価ビスマスが含まれている金属酸化物の総重量に対して約2〜15重量%(例えば、約2、約4、約6、約8、約10、約12、若しくは、約14重量%以上、及び/又は、約15、約13、約11、約9、約7、約5、約3重量%以下)のレベルで導電性材を塗布することによって形成させることができる。導電性層によって、5価ビスマスが含まれている金属酸化物の粒子の表面の少なくとも約60%、少なくとも約75%、少なくとも約90%を覆うことができる。
一部の実施形態では、カソード58には、カソード活性物質が約50〜約95重量%、例えば、約60〜約90重量%、又は、約70〜約85重量%含まれている。カソード58には、カソード活性物質を約50、約60、約70、約80、若しくは、約90重量%以上、及び/又は、約95、約90、約80、約70、若しくは、約60重量%以下で含めることができる。カソード58には、5価ビスマスが含まれている金属酸化物を1つ以上(例えば、2つ、3つ、又は、それ以上)、いずれかの組み合わせで含めることができる。例えば、カソード58には、AgBiO、MgBi、及び/又は、ZnBiの混合物を含めることができる。
更に、上に示したとおり、カソード58には、カソード58のバルク導電性を高めることのできる導電性添加物を1つ以上含めることができる。導電性添加物の例としては、天然又は非合成グラファイト、耐酸化性の天然又は合成グラファイト(例えば、ティムカルアメリカ社(Timcal America, Inc.)から入手可能なティムレックス(Timrex)(登録商標)SFG−6)、合成グラファイト(例えば、ティムカルアメリカ社(Timcal America, Inc.)から入手可能なティムレックス(Timrex)(登録商標)KS−6)、高黒鉛化カーボンブラック(例えば、ティムカルベルギー社(Timcal Belgium N.V.)から入手可能なMM131、MM179)などの耐酸化性カーボンブラック、金粉末、酸化銀、フッ素添加酸化スズ、アンチモン添加酸化スズ、アンチモン化亜鉛、インジウムスズ酸化物、酸化コバルト(例えば、オキシ水酸化コバルト)、及び/又は、カーボンナノチューブが挙げられる。特定の実施形態では、グラファイト粒子は非合成の非膨張グラファイト粒子(例えば、ブラジル、ミナスジェライス州イタペセリカのナシオナルデグラファイト(Nacional de Grafite)から入手可能なMP−0702X)である。他の実施形態では、グラファイト粒子は、合成の非膨張グラファイト粒子(例えば、スイス、ボディオのティムカル社(Timcal, Ltd.)から入手可能なティムレックス(登録商標)KS6、KS10、KS15、KS25)である。他の実施形態では、導電性添加物には、5価ビスマスが含まれている金属酸化物による酸化に対する耐性が備わっているのが望ましい。5価ビスマスが含まれている金属酸化物は、セルの保管時、とりわけ高温下での保管時に導電性添加物の酸化を引き起こすのに十分な高い酸化電位を有することができるからである。導電性添加物の酸化によって、カソードのバルク導電性、更には、セルの全放電容量が低下すると思われる。導電性添加物の粒子は、耐酸化性合成若しくは天然グラファイト、又は、高黒鉛化カーボンブラックの粒子にすることができるのが望ましい。
導電性添加物は、グラファイト粒子(例えば、耐酸化性グラファイトが約10〜約100重量%含まれているもの)とカーボンナノチューブの混合物など、混合物として使用してもよい。耐酸化性合成又は天然グラファイトは、例えば、スイス、ボディオのティムカル社(Timcal, Ltd.)(例えば、ティムレックス(Timrex)(登録商標)SFG6、SFG10、SFG15、SFG44、SLP30)、又は、イリノイ州シカゴのスペリアーグラファイト社(例えば、2939 APH−M)から入手することができる。カーボンナノチューブについては、例えば、2001年4月10日に申請された同一出願人による米国特許出願第09/829,709号、及び、米国特許第6,858,349号に記載されている。カソード58には、導電性添加物を約10〜約35重量%含めることができる。例えば、カソード58には、導電性添加物を約10、約15、約20、約25、若しくは、約30重量%以上、及び/又は、導電性添加物を約35、約30、約25、約20、若しくは、約15重量%以下で含めることができる。
結合剤(例えば、ポリマー又はコポリマー)を添加して、カソード58の構造的完全性を高めることができる。結合剤の例としては、ポリエチレン、ポリアクリルアミド、スチレン系ブロックコポリマー(例えば、クラトン(Kraton)(登録商標)G)、ビトン(Viton)(登録商標)、並びに、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニリデンコ−6フッ化プロピレン(PVDF−HFP)、及び、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)といった種々のフッ素樹脂が挙げられる。ポリフッ化ビニリデン結合剤の1例は、カイナー(Kynar)(登録商標)741樹脂(アトフィナケミカルズ社(Atofina Chemicals, Inc.)から入手可能)という商品名で販売されている。ポリフッ化ビニリデンコ−6フッ化プロピレン結合剤の1例は、カイナーフレックス(Kynar Flex)(登録商標)2801樹脂(アトフィナケミカルズ社(Atofina Chemicals, Inc.)から入手可能)という商品名で販売されている。ポリテトラフルオロエチレン結合剤の1例は、T−60(デュポン(Dupont)から入手可能)という商品名で販売されている。カソード58には、結合剤を、例えば、約0.5〜約5重量%(例えば、約3重量%)含めることができる。
電解質溶液には、1つ以上の溶媒、及び、電解質溶媒に溶解可能な少なくとも1つの電解質塩を含めることができる。電解質塩は、LiClO、LiPF、LiBF、LiAsF、LiCFSO、LiAlCl、LiN(CFSO、Li(CSONCN)、LiB(C、及び、LiB(Cから選択したリチウム塩にすることができる。電解質溶液内の電解質塩の濃度は、約0.01M〜約3M、例えば、約0.5M〜1.5Mの範囲にすることができる。電解質溶媒は、非プロトン性有機溶媒にすることができる。非プロトン性有機溶媒の例としては、環状カーボネート、直鎖カーボネート、エーテル、環状エーテル、アルコキシアルカン、ニトリル、有機フォスフェート、及び、テトラヒドロチオフェン1,1−2酸化物(すなわちスルホラン)が挙げられる。環状カーボネートの例としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、及び、ブチレンカーボネートが挙げられる。直鎖カーボネートの例としては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネートなどが挙げられる。エーテルの例としては、ジエチルエーテル及びジメチルエーテルが挙げられる。アルコキシアルカンの例としては、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、及び、メトキシエトキシエタンが挙げられる。環状エーテルの例としては、テトラヒドロフラン及びジオキソランが挙げられる。エステルの例としては、メチルアセテート、メチルプロピオネート、エチルプロピオネート、メチルブチラート、及び、γ−ブチロラクトンが挙げられる。ニトリルの例としては、アセトニトリルが挙げられる。有機フォスフェートの例としては、トリエチルフォスフェート及びトリメチルフォスフェートが挙げられる。電解質は、高分子電解質にすることができる。高分子電解質には、更に溶媒を含めることができる。電解質の1例は、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートの混合物に1:1の容量比で溶解している1M LiPFが含まれている溶液である。電解質には任意に応じて、ビニエチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、及び、これらの誘導体のような添加物を含めることができる。その他の電解質溶液は、同一出願人による米国特許出願第10/898,469号、同10/990,379号、同10/085,303号、及び、同10/800,905号に記載されており、これらはすべて参照することにより本発明に組み込まれる。
アノード60には、アノード活性物質を、通常はアルカリ金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム)又はアルカリ土類金属(例えば、カルシウム、マグネシウム)の形で含めることができる。アノード60には、元素金属(例えば、リチウム)又は合金、例えば、アルカリ金属(例えば、リチウム)とアルカリ土類金属(例えば、マグネシウム)の合金、若しくは、アルカリ金属(例えば、リチウム)とアルミニウムの合金(例えば、リチウムアルミニウム合金)を含めることができる。例えば、アルミニウムは、リチウムアルミニウム合金内に低濃度で、典型的には1重量%未満存在させることができる。アノード60は、例えば、フォイル又は連続シートの形状にすることができ、また、基材とともに、又は、基材なしで用いることができる。例えば、アノード60は、厚みが約0.15〜0.20mmのリチウム押出シートから形成させることができる。アノードにはまた、アノード活性物質及び結合剤を含めることもできる。この場合、アノード活性物質としては、スズ系物質、炭素系物質、例えば、炭素、グラファイト、アセチレンメソフェーズ炭素、コークス、金属酸化物及び/又はリチオ化(lithiated)金属酸化物を挙げることができる。結合剤は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)にすることができる。アノード活性物質と結合剤を混合して、アノード60の基材に塗布可能なペーストを形成させることができる。
セパレータ66は、典型的に1次又は2次リチウムセルで使われているセパレータ材のいずれかから形成させることができる。セパレータ66には、異なるセパレータ材から成る1つ以上の層をいずれかの組み合わせで含むことができる。例えば、セパレータ66は、薄い多孔質メンブレン又はフィルムにすることができる。セパレータ66の厚みは、約10ミクロン〜200ミクロン、約20ミクロン〜50ミクロンにすることができる。多孔質メンブレンの孔の大きさは、例えば、0.03〜0.2ミクロンの範囲にすることができる。多孔質メンブレンには、微小孔性ポリプロピレン(例えば、セルガード(Celgard)(登録商標)3559、セルガード(Celgard)(登録商標)5550、セルガード(Celgard)(登録商標)5559、又は、セルガード(Celgard)(登録商標)2500)、ポリエチレン、ポリアミド(すなわちナイロン)、ポリスルフォン、又は、ポリ塩化ビニルのような比較的無反応の高分子を含めることができる。セパレータ66には、薄い不繊布シートを含めることができる。セパレータ66には、セラミック又は無機メンブレンを含めることができる。
電池50は、円筒型セル(例えば、AA、AAA、2/3A、CR2、18650)にすることができる。その他の実施形態では、電池50は、例えば、コイン型セル、角柱型セル、薄い平面型セル、バッグ型セル、又は、長円型セル、といった非円筒型にすることができる。電池50は、らせん状の巻線形セルにすることができる。電池50は、従来の組立法を用いて組み立てることができる。例えば、電池50は、図1に概略的に描かれているような薄いコイン型セルにすることができる。カソード58は、底部セルハウジング56内に配置されている。セパレータ66は、カソード58の上に配置することができる。カソード58及びセパレータ66の双方を飽和させ、底部セルハウジング56内の空き容量のすべてを完全に満たすのに十分な電解質溶液を添加することができる。円形絶縁ガスケット64を備えた上部セルハウジング62は、底部セルハウジング56内に配置されており、電池50は、機械的クリンピングによって気密密閉させる。上部セルハウジング62及び下部セルハウジング56は、金属、例えばステンレス鋼、冷間圧延鋼、ニッケルめっき鋼、又は、アルミニウムから作製することができる。
電池50は、1次セル、又は、再充電可能な2次セルのいずれかにすることができる。1次電気化学セルとは、一度だけ完全に、例えば、使い果たすまで放電させて、その後廃棄するよう意図されている。1次セルについては、再充電されることが意図されていない。1次セルは、例えば、デヴィッド・リンデン(David Linden)、「電池ハンドブック(Handbook of Batteries)」(マグローヒル(McGraw-Hill)、第2版、1995年)に記載されている。2次電気化学セルは、何度も、例えば、50回超、100回超、又は、500回超、再充電することができる。一部のケースでは、2次セルには、比較的頑丈なセパレータ、例えば、複数の層が備わっており、及び/又は、比較的厚みのあるセパレータを搭載することができる。2次セルは更に、サイクル中に発生し得る電極の膨張のような変化に適応する設計にすることができる。2次セルについては、例えば、D.リンデン(Linden)及びT.B.レディ(Reddy)編「電池ハンドブック(Handbook of Batteries)」(マグローヒル(McGraw-Hill)、第3版、2001年)、J.P.ガバノ(Gabano)編「リチウム電池(Lithium Batteries)」(アカデミックプレス(Academic Press)1983年)、G.A.ナズリ(Nazri)及びG.ピストイア(Pistoia)編「リチウム電池(Lithium Batteries)」(クルワーアカデミック(Kluwer Academic)、2004年)に記載されている。
多くの実施形態を記載してきたが、本発明はそれらに限定されるものではない。
例えば、一部の実施形態では、ビスマス(V)が含まれている金属酸化物が含まれているカソードを備えたリチウムセルの全放電容量及び作動電圧は、ビスマス(V)が含まれている金属酸化物のナノサイズ粒子を用いることによって高めることができる。例えば、前記酸化物の平均粒子サイズをナノメートルサイズまで小さくすることによって、比較的低い電気伝導率でも、より有効なカソード利用が可能になり、その結果、セルの全放電容量が向上するであろう。実施形態では、ビスマス(V)が含まれている金属酸化物の平均粒子サイズは、約1,000nm以下(例えば、約20〜約500nm)にすることができる。ビスマス(V)が含まれている金属酸化物のナノサイズ粒子は、例えば、より大きいサイズの粒子を高出力機械によって粉砕することによって調製することができる。
電解質溶液にLiPFが含まれている実施形態では、カソード58及び/又は電池50に、不純物として少量の水が含まれている。理論に束縛されるものではないが、水の存在下では、LiPFは加水分解して、フッ化水素酸を形成させる可能性があると考えられる。前記フッ化水素酸は、電池50の構成要素を腐食させる傾向があり、アノードと反応する可能性もある。カソード58内の水の量を減少させることによって、例えば、フッ化水素酸の形成を減少させることができ、これによって、電池50の性能が向上する。一部の実施形態では、カソード58には、約2,000ppm未満の水、及び、100ppm超の水が含まれている。例えば、カソード58には、約1,500ppm、1,000ppm、又は、500ppm未満の水が含まれる可能性がある。カソード58内の水量は、例えば、乾燥ボックスのような乾燥環境にカソードをさらすだけで、及び/又は、カソード材を(例えば、真空下で約100℃にて)加熱することによって制御することができる。一部の実施形態では、電池50の水分含有量は、例えば、電解質に不純物として少量(例えば、最大で約50ppm)の水が含まれている場合、カソード58の水分含有量よりも若干高くすることができる。本明細書で使用する時、カソード58の水分含有量は、標準的なカールフィッシャー(Karl Fisher)滴定法によって実験的に割り出すことができる。例えば、水分含有量は、試料熱分解装置(VA−05又はVA−21モデル)が装備されている三菱(Mitsubishi)の湿度計(例えば、CA−05又はCA−06モデル)によって110〜115℃の加熱温度を用いて割り出すことができる。
ビスマス(V)が含まれている金属酸化物内の5価ビスマスの一部又は全部は、1つ以上のその他の5価金属によって置換することができる。その他の5価金属としては、Sb+5、Nb+5、Ta+5、及び/又は、V+5を挙げることができる。5価金属酸化物及び5価ビスマスが含まれている金属酸化物は、ルチル、トリルチル、蛍石、パイロクロア、又は、ペロブスカイト型構造、又は、その他の関連構造を有する固溶体を形成させることができる。置換金属酸化物又は金属酸化物の固溶体は、p型又はn型の半導体のいずれかにすることができる。このような材料の例としては、ZnBi2−xNb、及び、ZnBi2−xSb、並びに、MgBi2−xTa(x=0<x<2)が挙げられる。このような材料内には、微量成分として3価ビスマスも存在させてもよい。
以下の実施例は例示であって、限定することを意図したものではない。
(実施例1)
6方晶銀ビスマスAgBiOの調製:ビスマス酸ナトリウム水和物(NaBiO・1.37HO、アルドリッチ(Aldrich)、ACS試薬等級)5gと、0.5M硝酸銀(AgNO、アルファ−エイサー(Alfa-Aesar)、ACS試薬等級)溶液100mlを混合し、125mlのPTFE裏張圧力容器内に密封した。前記圧力容器を約80℃まで加熱し、22時間、前記温度に保った。前記圧力容器を室温まで冷却してから開封した。
真空濾過によって溶液から固体を分離させ、適量の脱イオン水で数回洗浄した。前記固体を脱イオン水1500mlに分散させて30分間撹拌し、真空濾過で固体を収集することで更に洗浄した。洗浄プロセスは2回繰り返した。洗浄した固体を大気下室温で乾燥させ、約95〜105℃で4時間減圧下で加熱した後、約80℃で16時間加熱して黒色の粉末を得た。前記粉末を光にさらすことによる分解から保護するために、前記粉末を琥珀色のボトル内に保管した。
粉末X線回折法、化学分析、及び、熱分析を使用して前記粉末を同定した。粉末X線回折パターンは、イルメナイト型構造を有する6方晶ビスマス酸銀のものと報告されているパターンと一致した。格子パラメータは、菱面体空間群
Figure 2008538444
で精緻化した。格子パラメータ(a=5.6353(6)Å及びc=16.094(2)Å)は、既知の値(a=5.641(1)Å及びc=16.118(2)Å)に十分一致した。算出された結晶密度d=8.21g/cmは、既知の結晶密度d=8.18g/cmと十分一致した。ICP発光分析法によって1.02:1.00というAg:Biの原子比を割り出したが、この原子比はイルメナイト型構造と一致している。加熱速度10℃/分、終点550℃、空気流下でDTA/TGAによって6方晶AgBiOを熱分析した結果、約200℃未満で重量喪失が始まることが確認された。これは、酸素の消失を伴う、6方晶AgBiOのAg金属及びBiへの分解に相当する。実験により得られた6.68重量%という総重量喪失値は、6.58重量%という重量喪失の予測値と一致した。
6方晶AgBiOの電解放電性能をステンレス鋼製コイン型セルのタイプCR2430で評価した。コイン型セルについては以下に詳しく説明するとともに、図1に概略的に示す。タイプCR2430セル(すなわち5011LC−タイプ)のNEDA/ANSIの定めた最大全体寸法は、直径24.50mm、高さ3.00mmである。セルの公称総内部容量は、約1.41cmである。セルは、アルゴンの充填されているグローブボックス内で組み立てた。正極は、複数の工程から成るプロセスで組み立てた。図1を参照しながら説明すると、第1の工程で、75重量%のグラファイト(例えば、ティムカル(Timcal)KS−6)、25重量%のPTFE結合剤(例えば、デュポン(Dupont)T−60)から成る導電性混合物約0.6gを、重量が約0.024g/cmのステンレス鋼L製ワイヤ316から作られている膨張性グリッド54(例えば、エックスメット(Ex-met))に圧入することによって、導電性ベース又はステージ層52を形成させた。前記グリッド54は、底部セルハウジング56の内面にスポット溶接した。実験用電動混合機を用いて、70重量%の6方晶AgBiO、27重量%のグラファイト(例えば、ティムカル(Timcal)KS−6)、及び、3重量%のPTFE結合剤(例えば、デュポン(Dupont)T−60)から成る均質カソード混合物を調製した。前記カソード混合物約140〜145mgを押圧して、導電性ベース層52の上に薄層のカソード58を形成させた。正極組立体を70℃で一晩、減圧下で乾燥させた。厚さ1mmのリチウムフォイル(例えば、サイプレス−フットインダストリーズ(Cypress-Foote Industries)の「バッテリーグレード」)から押し抜きしたリチウム金属の円板を、上部セルハウジング62の内底面にスポット溶接させる膨張性ステンレス鋼316L製グリッド(例えば、エックスメット(Ex-met))に圧入して、アノード60を作製した。若干過剰気味のリチウムフォイルを使って、セルの空隙容量を補った。高分子シール64(例えば、ガスケット又はグロメット)を上部セルハウジング62に取り付けた。6フッ化リン酸リチウムの1.0M溶液、乾燥エチレンカーボネートとジエチルカーボネートを容量比1:1で混合した混合物に溶解させたLiPF(例えば、フェロ社(Ferro Corp.)のもの)から成る電解質溶液を、真空下で正極組立体に添加した。厚みが約0.25mm、質量が13.5〜16.5g/cmである円形片の微小孔性ポリプロピレンメンブレンセパレータ66(例えば、セルガード(Celgard)2300)、カソード混合物58の上の中心に配置した。電解質で飽和させた円形片の不織布ポリエチレンシート(図示なし)を、リチウムアノード60の上であって、前記リチウムアノードとセパレータ66の間に配置した。追加の電解質を添加して、底部セルハウジング56を満たした。上部セルハウジング62及びシール64を底部セルハウジング56に挿入し、電池50を機械的クリンピングによって気密密閉した。
セルを典型的には24時間、室温で保管し、電極及びセパレータが完全に濡れてから、活性物質の10mA/gの一定率(すなわちC/30)で1Vのカットオフ電圧まで放電させるようにした。6方晶AgBiOが含まれているセルの放電前の開路電圧(OCV)は約3.5Vだった。図2を参照しながら説明すると、放電曲線には2つの異なる電圧平坦部が存在していた。上部平坦部の公称平均作動電圧は約3.2V、下部平坦部の公称平均作動電圧は約2.4Vだった。2Vのカットオフ電圧までの総比容量は約195mAh/gであったが、これは、220mAh/gという理論的3電子容量の約86%に相当する。
5価ビスマスが含まれている金属酸化物が含まれているカソードと金属アノードを備えたセルの放電反応は、リチウムイオンを挿入する工程、及び、その後の分解工程が含まれている多段階型プロセスを通じて起こると考えられる。例えば、6方晶AgBiOが含まれているカソードを備えたリチウムセルで、低消耗率(例えば、10mA/g)で放電させたリチウムセルの電圧プロファイルには、図2に示したように、約3.5V〜1.0Vの間に3つの異なる電圧平坦部が含まれている。理論に束縛されるものではないが、3.2Vの平坦部上での第1の放電プロセスには、式1に示したような組成式LiAgBiOを有する中間相を形成させるために、リチウムイオンを挿入すると同時に、Bi(V)をBi(III)に部分的に還元することが含まれていると考えられる。組成式AgBiOを有する類似の混合原子価Bi(V)−Bi(III)銀ビスマス立方相については、M.ジャンセン(Jansen)らの「無機及び一般化学会誌(Z. Anorg. Allg. Chem.)」628号、1951(2002年)、及び、「固体化学会誌(J. Solid State Chem.)」147号、117(1999年)に報告されている。LiAgBiO内の残りのBi(V)のBi(III)への還元は、2.45Vの平坦部で行われ、その結果、3酸化2ビスマス、Bi、及び、LiOが形成されるとともに、式2に概説されているように、前記還元に付随して、Ag(I)のAg金属への還元が起こると考えられる。推定されるこの放電反応の裏づけとして、LiBiOが含まれているカソードを備えた非水性1次リチウムセルにおけるBi(V)のBi(III)への還元は、約2.9V超の平均放電電圧で発生することが明らかになった。更に、AgCrOカソードを備えた非水性1次リチウムセルにおけるAg(I)のAg金属への還元は、2.95V未満の平均電圧で発生することが米国特許第3,853,627号及び同4,113,929号で開示されている。AgCrOのCrは6価である。同様に、Ag11カソードを備えた非水性1次リチウムセルにおけるAg(I)のAg金属への還元は、約2.8Vの平均放電電圧で起こることが、「電気化学会誌(J. Electrochem. Soc.)」135号、2691(1988年)において、E.S.タキウチ(Takeuchi)及びW.C.シーボルト(Thiebolt)によって報告されている。更に、AgVカソードを備えた非水性1次リチウムセルにおけるAg(I)のAg金属への還元は、約2.65Vの平均電圧で発生することが米国特許出願公開第2004/0048156号に開示されている。Ag11、及び、AgVのVは、いずれも5価である。ただし、非水性1次リチウムセルの熱的安定性AgOカソード内のAg(II)のAg金属への還元は、低〜中程度の消耗率で、約2.4〜2.5Vという若干低い平均電圧で発生することが米国特許第5,658,688号に開示されている。最後に、式3に示したように、BiのBi(III)をビスマス金属に完全に還元することができる。このプロセスは、約1.4〜1.6Vの第3の平坦部上で行われると考えられる。
AgBi+Li→LiAgBi0.5 IIIBi0.5 (式1)
2LiAgBiO+4Li→Bi+2Ag+3LiO (式2)
Bi+6Li→2Bi+3LiO (式3)
3つの電圧平坦部の相対的比容量の観測比は、3.2V、2.45V、1.5Vの順で約1:3:7である。6方晶AgBiOの理論的比容量は、表1に示したように、Bi(V)のBi(III)への2電子還元、及び、Ag(I)のAg金属への1電子還元という想定で、220mAh/gとして計算した。6方晶AgBiOが含まれているカソードを備えたリチウムセルで、低い消耗率(例えば、10mA/g)で2Vのカットオフ電圧まで放電されるリチウムセルの典型的な観測平均比容量は、図2に示したように、200mAh/g前後であった。Biの理論的比容量は、各Bi(III)のビスマス金属への3電子還元という想定で、345mAh/gとして計算した。したがって、6方晶AgBiOのAg及びBi金属への放電時の理論的な総比容量は、約565mAh/gである。6方晶AgBiOが含まれているカソードを備えたリチウムセルで、2V〜1Vの間の低い消耗率(例えば、10mA/g)で放電されるリチウムセルの観測平均比容量は、図2に示したように、約310mAh/gだった。したがって、6方晶AgBiOが含まれているカソードを備えたリチウムセルの観測全低率放電容量は、約510mAh/gだった。
Figure 2008538444
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ND=データなし
(実施例2)
立方銀ビスマス、AgBiOの調製:立方格子構造を備えている銀ビスマスは、水和ビスマス酸カリウム、KBiO.xHOを、硝酸銀、AgNOの水溶液で室温で処理することによって調製することができる。NaBiO.xHOを酸化KOH溶解物に添加し、大気下で加熱することによってビスマス酸カリウムを調製した。KOH(フィッシャー(Fisher)、ACS試薬)125gと超酸化カリウム、KO(アルファエイサー(Alfa Aesar)、96.5%)5.0gの混合物を125mlテフロン(Teflon)ビーカー内に配置し、大気下で250℃まで加熱して溶解物を形成させた。単一の部分で、NaBiO.1.4HO(マリンクロット(Mallinckrodt)、85%)30gを前記溶解物に添加し、その混合物を1時間250℃に保った。前記溶解物を室温の脱イオン水約2リットルに注いで、前記溶解物を急冷した。赤レンガ色の固体が沈殿し、前記固体を吸引濾過によって収集した。濡れた状態のフィルターケーキを約2リットルの脱イオン水内で再懸濁し、1時間攪拌し、吸引濾過によって収集し、十分に洗浄した。得られた赤レンガ色の固体を大気下で60℃にて24時間乾燥させた。
粉末X線回折法及び熱分析によって、乾燥済みの固体を同定した。粉末X線回折パターンは、例えば、J.トレフ(Trehoux)らの「材料研究会誌(Mat. Res. Bull.)」17号、1235〜1243(1982年)で、立方KSbO型構造を有する水和ビスマス酸カリウム、KBiO.xHO(例えば、JCPDS番号46−0806)のものとして報告されているパターンと一致した。10℃/分の加熱速度、終点600℃を用いて空気流下でDTA/TGAによって乾燥済みの固体を熱分析した結果、250℃未満で重量喪失が始まることが確認された。これは、水和物水の消失(例えば、x=0.1に相当する0.6重量%)、及び、酸素の消失を伴う、KBiOのKO及びBiへの分解に起因していると思われる。実験により得られた5.4重量%という総重量喪失値は、無水KBiOに対して5.8重量%という重量喪失の予測値と一致した。
KBiO4gを0.25MのAgNO水溶液(アルドリッチ(Aldrich)、1.0N標準液)100mlに添加し、室温で24時間攪拌した。黒い固体が沈殿し、前記固体を吸引濾過によって収集し、脱イオン水で十分洗浄し、60℃で24時間、大気下で乾燥させた。乾燥済みの黒い固体を光照射による分解から保護するために、前記固体を琥珀色のバイアル瓶内に保管した。
粉末X線回折法及び熱分析によって、乾燥済みの黒い固体を同定した。粉末X線回折パターンは、R.シャルマ(Sharma)らの「インド化学学会誌(Indian J. Chem.)」43A号、11(2004年)で立方KSbO型構造を有する銀ビスマスのものとして報告されているパターンと一致した。立方AgBiO相は、KBiOと同形である。KBiOの特徴的なX線回折線は、より高い回折角2Θへ移動するとともに、Kイオン(13.38Å)の、より小さいAgイオン(1.15Å)による交換によって生じると思われる単位セル容積の収縮と一致している。10℃/分の加熱速度、終点600℃、空気流下で立方AgBiOを熱分析(例えば、TGA/DTA)した結果、立方から6方晶相への遷移に起因すると思われる発熱ピークが約200℃で現れた。300℃未満での重量喪失は、立方AgBiO相の中間3元Ag/Bi(III)/O相への分解、並びに、最終的には、X線回折分析によって明らかになったような、酸素の消失を伴うAg金属及びBiへの分解に起因するものと思われる。実験により得られた6.24重量%という総重量喪失値は、6.58重量%という重量喪失の予測値と一致している。
立方AgBiOの電解放電性能は、実施例1の6方晶AgBiOに関する部分で説明したものと同様の方法で作製したステンレス鋼製コイン型セルのタイプCR2430で評価した。セルは典型的に24時間、室温で保管してから、10mA/gの一定率(C/30)において、1Vのカットオフ電圧まで放電させた。放電前のOCVは、約3.5Vだった。2Vのカットオフ電圧までの総比容量は、約195mAh/gだったが、これは、約220mAh/gという理論的3電子容量の約86%に相当する。1.5Vのカットオフ電圧までの総比容量は、約250mAh/gだった。
図3に示したように、低消耗率(例えば、10mA/g)で放電させる場合、立方AgBiOが含まれているカソードを備えたリチウムセルの電圧プロファイルにも、3.5V〜1Vの間に3つの異なる電圧平坦部がある。ただし、上部電圧平坦部は、6方晶AgBiOの値(すなわち約3.08V)よりも約100mV低いが、容量は同じである。第2の電圧平坦部は、6方晶AgBiOの第2の電圧平坦部とほぼ同じ容量、ほぼ同じ電圧(すなわち約2.5V)で現れる。最下電圧平坦部の平均電圧(すなわち約1.4V)及び容量は、双方とも、6方晶AgBiOの最下電圧平坦部の値と同じである。したがって、理論に束縛されるものではないが、3.1Vの平坦部上の第1の放電プロセスにも、式1で概説したように、立方AgBiOと同じLiAgBiO中間相を形成させるために、リチウムイオンを挿入すると同時に、Bi(V)をBi(III)に部分的に還元することが含まれていると考えられる。その後に最下電圧平坦部上で生じる放電反応は、6方晶AgBiOのものと同一の反応と考えられる。
(実施例3)
ビスマス酸リチウム、LiBiOの調製:ビスマス酸ナトリウム水和物(NaBiO・1.4HO、マリンクロット(Mallinckrodt)、≧80%純度)約4g(4.07g)を、脱イオン水70mlに水酸化リチウム(LiOH・HO、アルファエイサー(Alfa Aesar)、工業グレード)2.4gを溶解させた溶液に添加し、得られた混合物を125mlのPTFE裏張圧力容器内に密封した。前記圧力容器を120℃まで加熱し、6日間、前記温度に保った。前記圧力容器を室温まで冷却させてから開封した。
真空濾過によって固体を反応混合物から分離させた。前記固体を適量の脱イオン水で洗浄し、真空濾過によって収集し、大気下で約60℃にて24時間乾燥させ、暗紫褐色の粉末を得た。
粉末X線回折法、化学分析、及び熱分析を用いて前記固体を同定した。前記固体の粉末X線回折パターンは、イルメナイト型構造を有するビスマス酸リチウム、LiBiOのものとして報告されているパターンと一致した。前記粉末のSEM/EDS分析によっては、ナトリウム残留物は検知されなかった。この結果から、リチウムによってナトリウムのイオン交換がほぼ完全に行われたことがうかがえる。DTA/TGAを用いて加熱速度10℃/分、終点600℃、空気流下で前記固体を熱分析した結果、約300℃で3段階型の重量喪失が開始されることが確認された。これは、酸素の連続的消失に相当する。実験により観察された550℃で6.1重量%という総重量喪失値は、LiBiOのLiBiO2、あるいはLiO及びBiの混合物への還元に相当する6.1重量%という重量喪失の予測値と十分一致した。
LiBiOの電解放電性能を、実施例1の6方晶AgBiOに関する部分で説明したものと同様の方法で作製したステンレス鋼製コイン型セルのタイプCR2430で評価した。セルは典型的に24時間、室温で保管してから、10mA/gの一定消耗率(すなわちC/30)で1Vの最終カットオフ電圧まで放電させた。放電前の平均OCVは約3.4Vだった。2Vのカットオフ電圧までの総比容量は、約50mAh/gだったが、これは、約203mAh/gという理論的2電子容量の約25%に相当する。1.5Vのカットオフ電圧までの総比容量は、約97mAh/gであったが、これは、理論的2電子容量の約48%に相当する。
図4に示したように、低消耗率(例えば、10mA/g)で放電させる場合、立方LiBiOが含まれているカソードを備えたリチウムセルの電圧プロファイルにも3.5V〜1Vの間に3つの異なる電圧平坦部がある。上部電圧平坦部は、いずれかのAgBiO相の上部電圧平坦部よりも若干低い電圧(すなわち約2.9V)で現れるが、容量は同等である。第2の電圧平坦部は更に低い電圧(すなわち約1.6V)で現れ、また、前記第2の平坦部の容量は、AgBiOの第2の電圧平坦部の約37%に過ぎない。最下平坦部の電圧(すなわち約1.5V)及び容量は、AgBiOのものと同等である。したがって、2.9Vの平坦部上で行われるLiBiOの第1の放電プロセスには、式4に示したような組成式LiBiIII 0.5Bi 0.5を有する混合原子価相を形成させるために、同時にリチウムイオンを挿入することに加え、Bi(V)をBi(III)に部分的に還元することを含めることができると仮定できる。残りのBi(V)のBi(III)への還元は、1.6Vの平坦部上で行われ、式5で示したように、Bi、及び、LiOが形成されると考えられる。最後に、式6で示したように、1.5Vの平坦部上で、Bi内のBi(III)のビスマス金属への還元が行われると思われる。
LiBiO+Li→LiBiIII 0.5Bi 0.5 (式4)
2LiBiO+2Li→Bi+3LiO (式5)
Bi+6Li→2Bi+3LiO (式6)
(実施例4)
ビスマス酸亜鉛、ZnBiの調製:ビスマス酸ナトリウム水和物(NaBiO・1.15HO、フルカ(Fluka)、ドイツ、≧85%純度)5g、及び、0.398M硝酸亜鉛(Zn(NO・6HO、アルファエイサー(Alfa Aesar)、99%)の水溶液50mlを追加の脱イオン水20mlと混合し、125mlのPTFE裏張圧力容器内に密封した。前記圧力容器を95℃まで加熱し、4.5日間、前記温度に保った。前記圧力容器を室温まで冷却してから開封した。
真空濾過によって固体を液体から分離させた。前記固体を脱イオン水400mlに分散させて撹拌し、遠心分離によって固体を収集することで洗浄した。洗浄プロセスは3回繰り返した。洗浄した固体を90℃で3時間減圧下で乾燥し、赤褐色の粉末を得た。
前記粉末を、粉末X線回折法、化学分析、及び、熱分析を使用して同定した。粉末の粉末X線回折パターンは、トリルチル型ZnBiの既知のパターンと一致した。格子パラメータは、正方晶空間群P42/mnmで精緻化した。算出された値(a=4.8437(4)Å及びc=9.7420(1)Å)は、既知の値(a=4.8386(1)Å及びc=9.7422(3)Å)と十分一致した。算出された結晶密度d=8.44g/cmは、既知の実験比重8.36g/cmと十分一致した。誘導結合プラズマ(ICP)発光分析法によって測定した1.05:2.00というZn:Biの原子比は、トリルチル型構造と一致した。示差熱分析及び熱重量分析(例えば、DTA/TGA)によって、加熱速度10℃/分、終点550℃、空気流下でZnBiを熱分析した結果、約300℃未満で重量喪失が始まることが確認された。これは、酸素の消失を伴うZnBiのZnO及びBiの分解に相当すると思われる。実験により得られた5.6重量%という重量喪失値は、5.52重量%という重量喪失の予測値と近似した。
ZnBi粉末を用いて形成させたカソードの導電性を高めるために、オキソ水酸化コバルト、CoOOHの薄皮膜をZnBi粒子の表面上に溶着した。硫酸コバルト水和物(CoSO・6.9HO、アルファ−エイサー(Alfa-Aesar))0.272gを脱イオン水20mlに溶解させた溶液を、ペルオキシジ硫酸アンモニウム(NH(アルファ−エイサー(Alfa-Aesar)、≧98%)9.12gを脱イオン水100mlに溶解させた溶液の入った500mlのフラスコに攪拌しながら加え、77℃まで加熱した。ZnBi粉末9.765gを少量の脱イオン水で混合したスラリーを、加熱したCoSO・6.9HO及び(NHが含まれている溶液に激しく撹拌しながら加えた。77℃で10分間攪拌した後、前記混合物のpHを高めるために(例えば、≧14)、0.766M NHOH溶液30mlを加えた。撹拌した混合物を更に1時間77℃に保った後、室温まで冷却した。真空濾過によって分離させた暗褐色の固体を洗浄し、60℃で約2時間減圧下で乾燥した。
CoOOH被覆ZnBiの電解放電性能は、実施例1の6方晶AgBiOに関する部分で説明したものと同様の方法で作製したステンレス鋼製コイン型セルのタイプCR2430で評価した。セルは24時間、室温で保管してから、10mA/gの一定消耗率(すなわちC/30)で1Vの最終カットオフ電圧まで放電させた。放電前のOCVは約3.4Vだった。2Vのカットオフ電圧までの総比容量は約50mAh/gだったが、これは、約185mAh/gという理論的2電子容量の約27%に相当する。1.5Vのカットオフ電圧までの総比容量は、約200mAh/gだった。
図5に示したように、CoOOH被覆ZnBiが含まれているカソードを備えたセルで、低消耗率(例えば、10mA/g)で放電されるセルの電圧プロファイルには、3.5V〜1.0Vの間に2つの異なる電圧平坦部がある。電圧プロファイルの約2.8Vの比較的短い上部平坦部は、式7に示したように、組成式LiZn0.5BiIII 0.5Bi 0.5を有する混合原子価Bi(V)−Bi(III)相を形成させるために、リチウムを挿入すると同時に、ZnBiにおいてBi(V)がBi(III)に部分的に還元される工程に相当すると仮定される。Bi、ZnO、及び、LiOを形成させる、トリルチル相の分解を伴う残りのBi(V)のBi(III)への還元は、式8に示したように、約1.5〜1.7Vの第2の平坦部上で行われると考えられる。約1.5Vの下に伸びている傾斜電圧平坦部は、式9に示したようなBi内のBi(III)のBi金属への還元に起因していると思われる。
ZnBi+2Li→2LiZn0.5BiIII 0.5Bi 0.5
(式7)
2LiZn0.5BiO+2Li→Bi+ZnO+2LiO (式8)
Bi+6Li→Bi+3LiO (式9)
非被覆ZnBiが含まれているカソードを備えたセルは、上部電圧平坦部上で若干低い容量を示し、前記上部平坦部の容量は、CoOOH被覆ZnBiが含まれているセルの1.5Vのカットオフ電圧までの容量の90%だった。更に、CoOOH被覆ZnBiが含まれているセルの性能の向上は、CoOOH被覆のより優れた導電性に起因している可能性があると仮定される。これは、例えば、ルチル型構造を有する金属酸化物によって相当量のリチウムを適度な比率で組み込む力は、結晶格子の導電性及び単位格子容積と相関関係がある可能性があるという、D.W.マーフィー(Murphy)らの「材料研究会誌(Mater. Res. Bull.」13(12)号、1395(1978)における観測結果と一致した。金属酸化物の高い伝導性によって、格子内に挿入したリチウムイオン間のクローン斥力の十分なスクリーニングを実現でき、これによって、リチウムイオンの挿入、及び、リチウムイオンの結晶格子内での迅速な拡散に必要な最低単位格子容積要件が低減されると仮定された。
(実施例5)
ビスマス酸マグネシウム、MgBiの調製:ビスマス酸ナトリウム水和物(NaBiO・1.37HO、アルドリッチ(Aldrich)、ACS試薬)5g、及び、塩化マグネシウム6水和物(MgCl・6HO、アルファ−エイサー(Alfa-Aesar)、99〜102%)13.35gを脱イオン水約60mlと混合し、125mlのPTFE裏張圧力容器内に密封した。前記圧力容器とその内容物を135℃まで加熱し、2.5日間、前記温度に保った。前記圧力容器を室温まで冷却してから開封した。
真空濾過によって固体を液体から分離させ、適量の脱イオン水で数回洗浄した。前記固体を脱イオン水約1000mlに分散させ、30分間攪拌し、真空濾過で固体を収集することによって、前記固体を更に洗浄した。洗浄プロセスを繰り返した。洗浄済み固体を大気下で24時間、室温、約60℃で乾燥させ、暗褐色の粉末を得た。
粉末X線回折法、化学分析、及び熱分析を使用して前記粉末を同定した。粉末X線回折パターンは、トリルチル型MgBiのものと報告されているパターンと一致した。格子パラメータは正方晶空間群P42/mnmで精緻化した。得られた値(a=4.82168(3)Å及びc=9.71194(8)Å)は、既知の値(a=4.8187(1)Å及びc=9.7067(2)Å)と近似した。結晶密度の予測値、d=7.92g/cmは、7.51g/cmという実験で得られた真密度と一致した。前記真密度は、ゼロ比重びん法(例えば、UOP法(UOP Method)851〜84)を用いてヘリウムガスの置換によって割り出したものである。1.02:2.00というMg:Biの原子比は、ICP発光分析法によって測定したが、これは、トリルチル型構造のものとして予測される値と一致している。DTA/TGAによって、加熱速度10℃/分、終点550℃でMgBiを熱分析した結果、重量喪失が空気流下で約400℃未満で始まることが確認されたが、これは、酸素の消失を伴う、MgBiのMgO及びBiへの分解に相当すると思われる。実験により得られた5.91重量%という重量喪失値は、5.94重量%という重量喪失の予測値と一致している。
洗浄及び乾燥済み固体生成物の粉末X線回折パターンによって、MgBiに加え、少量の酸化ビスマス、Bi、及び、オキシ塩化ビスマス、BiOClの存在も確認された。一部のBiOClは、MgBiの水熱合成中に形成させることができる。Biは、ビスマス酸ナトリウムの出発原料の不純物相として存在させることができ、また、MgBiの水熱合成中に形成させることもできる。前記固体生成物を、約2重量%の水酸化バリウムで飽和させた攪拌済み9N KOH電解質溶液で、約4〜5日間、周囲室温で処理し、不純物BiOClを加水分解させた。精製した固体を真空濾過で収集し、適量の脱イオン水で数回洗浄した後、大気下で約60℃で約24時間乾燥させ、暗紫褐色の粉末を得た。洗浄及び乾燥済みの精製固体の粉末X線回折パターンによって、BiOClの回析ピークは存在しないが、微量のBiに対応する非常に弱いピークが存在していることが確認された。
MgBi粉末を用いて形成させたカソードの導電性を高めるために、オキソ水酸化コバルト、CoOOHの薄被膜をMgBi粒子の表面上に溶着させた。MgBi粉末9.43gを少量の脱イオン水で混合したスラリーを、水溶性の0.8M ペルオキシジ硫酸アンモニウム(NH(アルファ−エイサー(Alfa-Aesar)、≧98%)溶液50mlに撹拌しながら加え、500mlのフラスコ内で74〜76℃で加熱した。水溶性の0.175M硫酸コバルト水和物(CoSO・6.9HO、アルファ−エイサー(Alfa-Aesar))溶液のアリコート20mlを、MgBiとペルオキシジ硫酸アンモニウムの混合物に攪拌しながら加えた。約15分間、75℃で攪拌した後、前記混合物のpHを高めるために(例えば、≧14)、5.0M KOH溶液40mlを加え、攪拌を更に45分間続けた。混合物を室温まで冷却させた。暗褐色の固体を真空濾過によって分離させ、洗浄し、90〜115℃で約2時間減圧下で乾燥させた。
CoOOH被覆MgBiの電解放電性能を、実施例1の6方晶AgBiOに関する部分で説明したものと同様の方法で作製したステンレス鋼製コイン型セルのタイプCR2430で評価した。セルは24時間、室温で保管してから、10mA/gの一定消耗率(すなわちC/30)で1Vの最終カットオフ電圧まで放電させた。放電前の平均OCVは約3.4Vだった。2Vのカットオフ電圧までの総比容量は、約25mAh/gだったが、これは、約199mAh/gという理論的2電子容量の約13%に相当する。1.5Vのカットオフ電圧までの総比容量は、約100mAh/gであったが、これは、理論的2電子容量の約50%に相当する。CoOOH被覆MgBiが含まれているカソードを備えたセルで、低消耗率(例えば、10mA/g)で放電されるセルの電圧プロファイルには、実施例4のCoOOH被覆ZnBiが含まれているセルと同様に、3.5〜1Vの間に2つの異なる電圧平坦部がある。電圧プロファイルの約2.6Vの比較的短い上部平坦部は、ZnBiのケースと同様に、混合原子価Bi(V)−Bi(III)相を形成させるために、リチウムを挿入すると同時に、MgBiにおいてBi(V)がBi(III)に部分的に還元される工程に相当すると仮定される。同様に、Bi、MgO、及び、LiOを形成させる、トリルチル相の分解を伴う残りのBi(V)のBi(III)への還元は、約1.4〜1.7Vの下部平坦部上で行われると考えられる。約1.4Vの下に伸びている傾斜電圧平坦部は、Bi内のBi(III)のBi金属への還元に起因していると思われる。
(実施例6)
リチウムセル内のビスマス酸ナトリウム、NaBiOの放電:メタビスマス酸ナトリウム水和物、NaBiO・1.15HO(>85%、アルドリッチ(Aldrich))の電解放電性能を、実施例1の6方晶AgBiOに関する部分で説明したものと同様の形のステンレス鋼製コイン型セルのタイプCR2430で評価した。ビスマス酸ナトリウム水和物を70℃で24時間乾燥させ、カソード混合物を調製する前に吸着水を除去した。セルは24時間、室温で保管してから、10mA/gの一定消耗率(すなわちC/30)で1Vの最終カットオフ電圧まで放電させた。放電前のOCVは、約3.4Vだった。2Vのカットオフ電圧までの総比容量は、約45mAh/gだったが、これは、約176mAh/gという理論的2電子容量の約26%に相当する。AgBiOが含まれている実施例1及び2のセルとは異なり、図6に示したように、1.5Vより上の低率放電曲線には1つの電圧平坦部しか存在していなかった。単一の平坦部上の公称作動電圧は、約2.7Vだった。約1.4Vよりも下の傾斜電圧平坦部は、Bi内のBi(III)のBi金属への還元に起因していると思われる。
(実施例7)
リチウムセル内の3酸化2ビスマス、Biの放電:3酸化2ビスマス、Bi(プラトロニック(Puratronic)、99.999%、アルファエイサー(Alfa Aesar))の電解放電性能を、実施例1の6方晶AgBiOに関する部分で説明したものと同様の方法で作製したステンレス鋼製コイン型セルのタイプCR2430で評価した。Biを0℃で24時間乾燥させ、カソード混合物を調製する前に吸着水を除去した。セルは24時間、室温で保管してから、10mA/gの一定消耗率(すなわちC/30)で1Vのカットオフ電圧まで放電させた。放電前のOCVは、約2Vだった。実施例1〜5のセルとは異なり、これらのセルでは、2Vを上回る容量は測定できなかった。2V〜1Vでは、2つの電圧平坦部が存在していた。上部平坦部の公称作動電圧は約1.65V、下部平坦部の公称作動電圧は約1.45Vだった。1.5Vのカットオフ電圧までの総比容量は約220mAh/gだったが、これは、約345mAh/gという理論的6電子容量の約64%に相当する。
(実施例8)
リチウムセル内のバナジウム酸ビスマス、BiVOの放電:バナジウム酸ビスマス、BiVO(99.9%、アルファエイサー(Alfa Aesar))の電解放電性能を、実施例1の6方晶AgBiOに関する部分で説明したものと同様の方法で作製したステンレス鋼製コイン型セルのタイプCR2430で評価した。BiVOを180℃で12時間乾燥させ、カソード混合物を調製する前にすべての吸着水を除去した。セルを24時間、室温で保管してから、10mA/g(すなわちC/30)、及び、100mA/g(すなわちC/3)の一定消耗率で1Vの最終カットオフ電圧まで放電させた。典型的には、放電前のOCVは、約3Vだった。実施例1〜5のセルとは異なり、これらのセルでは、2Vのカットオフ電圧を上回る容量は測定できなかった。しかし、2V〜1.5Vでは、低率放電曲線に1つの電圧平坦部が存在していた。この平坦部の公称作動電圧は、約1.85Vだった。1.5Vのカットオフ電圧までの低率での総比容量は、約270mAh/gであったが、これは、250mAh/gという理論的3電子容量に相当する。高率放電曲線におけるこの平坦部の公称作動電圧は、約1.6Vだった。1.5Vのカットオフ電圧までの高率での総比容量は、約160mAh/gだったが、これは、理論的3電子容量の約64%に相当する。
特許出願、特許公報、及び特許など、本明細書で言及した全ての参考文献は、その全体が参考文献として組み込まれている。
コイン型リチウムセルの実施形態の分解斜視図。 AgBiO(6方晶相)が含まれているカソードを備えたコイン型セルで、公称10mA/gの一定率で1Vのカットオフ電圧まで放電させたコイン型セルの放電曲線。 AgBiO(立方相)が含まれているカソードを備えたコイン型セルで、公称10mA/gの一定率で1Vのカットオフ電圧まで放電させたコイン型セルの放電曲線。 LiBiOが含まれているカソードを備えたコイン型セルで、公称10mA/gの一定率で1Vのカットオフ電圧まで放電させたコイン型セルの放電曲線。 ZnBi(四角の記号)又はCoOOH被覆ZnBi(楕円形の記号)が含まれているカソードを備えたコイン型セルで、いずれも公称10mA/gの一定率で1Vのカットオフ電圧まで放電させたコイン型セルの放電曲線が描かれている。 NaBiOが含まれているカソードを備えたコイン型セルで、公称10mA/gの一定率で1Vのカットオフ電圧まで放電させたコイン型セルの放電曲線。

Claims (29)

  1. 金属及び5価ビスマスを含んでなる酸化物を含んでなるカソード、
    リチウムを含んでなるアノード、
    前記カソードと前記アノードとの間のセパレータ、並びに、
    電解質、を含んでなる電池。
  2. 前記金属が、アルカリ金属である、請求項1に記載の電池。
  3. 前記アルカリ金属が、リチウム、ナトリウム、及び、カリウムから成る群から選択される、請求項2に記載の電池。
  4. 前記酸化物が、LiBiO、LiBiO、LiBiO、LiBiO、LiBi、LiBi10、又は、KBiOである、請求項2に記載の電池。
  5. 前記金属が、アルカリ土類金属である、請求項1に記載の電池。
  6. 前記アルカリ土類金属が、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、及び、バリウムから成る群から選択される、請求項5に記載の電池。
  7. 前記酸化物が、MgBi、SrBi、SrBi、LiSrBiO、NaSrBiO、LiBaBi11、及び、BaBiから成る群から選択される、請求項5に記載の電池。
  8. 前記金属が、遷移金属である、請求項1に記載の電池。
  9. 前記遷移金属が、スカンジウム、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、銀、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、パラジウム、カドミウム、ハフニウム、タンタル、及び、タングステンから成る群から選択される、請求項8に記載の電池。
  10. 前記酸化物が、ZnBi、CuBi、CdBi、AgBiO、又は、SrScBiOである、請求項8に記載の電池。
  11. 前記酸化物がアルカリ金属又はアルカリ土類金属を更に含んでなる、請求項8に記載の電池。
  12. 前記金属が、ランタニドである、請求項1に記載の電池。
  13. 前記ランタニドが、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、及び、イッテリビウムから成る群から選択される、請求項12に記載の電池。
  14. 前記酸化物がアルカリ金属又はアルカリ土類金属を更に含んでなる、請求項1に記載の電池。
  15. 前記金属が、主族金属である、請求項1に記載の電池。
  16. 前記主族金属が、ガリウム、インジウム、スズ、ヒ素、アンチモン、タリウム、及び、鉛から成る群から選択される、請求項15に記載の電池。
  17. 前記酸化物がアルカリ金属又はアルカリ土類金属をさらに含んでなる、請求項15に記載の電池。
  18. 前記酸化物が導電性部分を含んでなる、請求項1に記載の電池。
  19. 前記導電性部分が、炭素又は金属酸化物を含んでなる導電性表面被覆である、請求項18に記載の電池。
  20. 前記導電性表面被覆が、グラファイト、カーボンブラック、アセチレンブラック、酸化コバルト、オキソ水酸化コバルト、酸化銀、酸化銀ニッケル、及び、酸化インジウムから成る群から選択された材料を含んでなる、請求項19に記載の電池。
  21. 前記カーボンブラックが、高黒鉛化カーボンブラックである、請求項20に記載の電池。
  22. 前記カソードが、金属を含み、且つ、5価ビスマスを含まない第2の酸化物をさらに含んでなる、請求項1に記載の電池。
  23. 前記第2の酸化物が、NiOOH、AgO、AgO、AgNiO、及び、BaFeOから選択される、請求項22に記載の電池。
  24. 前記カソードが、5価ビスマスを含む前記金属酸化物と前記第2の酸化物との総重量に対して約1〜約50%の重量分率に相当する量の、前記第2の酸化物を含んでなる、請求項22に記載の電池。
  25. 前記アノードが、リチウムを含んでなる合金を含んでなる、請求項1に記載の電池。
  26. 前記電解質が、非水性である、請求項1に記載の電池。
  27. 前記電解質が、有機溶媒、及び、前記溶媒に溶解可能な塩を含んでなる、請求項26に記載の電池。
  28. 前記電池が、1次電池である、請求項1に記載の電池。
  29. 前記電池が、2次電池である、請求項1に記載の電池。
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