JPH07169456A - リチウムイオン伝導体及びリチウム電池のカソード材料 - Google Patents

リチウムイオン伝導体及びリチウム電池のカソード材料

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JPH07169456A
JPH07169456A JP5274660A JP27466093A JPH07169456A JP H07169456 A JPH07169456 A JP H07169456A JP 5274660 A JP5274660 A JP 5274660A JP 27466093 A JP27466093 A JP 27466093A JP H07169456 A JPH07169456 A JP H07169456A
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JP
Japan
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lithium
site
tio
conductivity
lithium ion
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JP5274660A
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Noriyuki Inaguma
宣之 稲熊
Ritsusen Chin
立泉 陳
Mitsuru Ito
満 伊藤
Tetsuo Nakamura
哲郎 中村
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NGK Insulators Ltd
Original Assignee
NGK Insulators Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【目的】高いリチウムイオン伝導性を有する、空気中で
安定な固体のリチウムイオン伝導体を提供する。リチウ
ムイオンの挿入が可能であり、電解液等に対して化学的
に安定であるような、リチウム電池のカソード材料を提
供すること。 【構成】ペロブスカイト構造を有する複合酸化物であっ
て、前記ペロブスカイト構造のAサイトの半分以上がリ
チウム及び3価の金属原子によって占められている複合
酸化物を、リチウムイオン伝導性、リチウム電池のカソ
ード材料として使用できることを見いだした。3価の金
属原子としては、希土類元素、ビスマスなどが好まし
い。Bサイトを占める金属原子は4価のものが好まし
い。特に、(Li,La)TiO3等が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高いリチウムイオン伝
導性を有する固体のリチウムイオン伝導体、及びリチウ
ム電池のカソード材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、幾つかのリチウムイオン(Li+ )
伝導体が知られている。LiI 、LiBr、LiI-Al2O3 など
は、空気中で不安定であったり、吸湿性がある。Li 3N及
びその誘導体は、空気中で不安定である。一方、酸素酸
塩系のリチウムイオン伝導体は、空気中で安定であるた
め応用価値が高く、数多くの研究が行われてきた。LI
SICONもこの中に属する。こうしたタイプの化合物
の中で、Li3. 5V0.5Ge0.5O4が室温で最も高いリチウムイ
オン伝導率(σ=5×10-5S/cm)を有する。
【0003】ラティ等(Latie et al)は、「固体化学
誌:J.Solid State Chem.」51, 293,1984年において、L
iX Ln1/3Nb1-XTiX O3(Ln =La, Nd, X ≦0.1)につい
て、イオン伝導率を測定し、NMRによってイオン伝導
機構を究明している。このイオン伝導について簡単に触
れる。Ln1/3NbO3 においては、酸素の8面体の中央にニ
オブが存在し、Lnの占めるべき位置には、空位の副格子
が二つ交互に現わる。そこで、ラティ等は、Nb5+の一部
をTi4+で少し置換し、これに対応する分だけLi+ を空位
の副格子に導入している。Li+ は、空位の副格子を伝導
する。最良のイオン伝導体の組成は、Li0.05La1/3Nb
0.95Ti0.05O3 であったとしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、現状では、公
知のリチウムイオン伝導体のイオン伝導率は、未だ実用
的にみて充分高いとは言い難い。
【0005】また、リチウム電池、特にリチウム二次電
池の電圧及び容量は、正極活物質(カソード材料)の選
択によって決まる。具体的には、こうしたカソード材料
には、次の性質が要求される。リチウムイオンを挿入で
きる多くの挿入部位を有すること。電解液等に溶けない
こと。電解質に対して化学的に安定であること。しか
し、これらの性質を併せ持つ化合物は少ないのが実情で
ある。
【0006】本発明の課題は、高いリチウムイオン伝導
性を有する、空気中で安定なリチウムイオン伝導体に関
するものである。
【0007】また、本発明の課題は、リチウムイオンを
挿入できる多くの挿入部位を有しており、電解液等に対
して化学的に安定であるような、リチウム電池用の正極
活物質(カソード材料)を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、ペロブスカイ
ト構造を有する複合酸化物からなるリチウムイオン伝導
体であって、前記ペロブスカイト構造のAサイトの半分
以上がリチウム及び3価の金属原子によって占められて
いるリチウムイオン伝導体に関するものである。
【0009】また、本発明は、ペロブスカイト構造を有
する複合酸化物からなるリチウム電池のカソード材料で
あって、前記ペロブスカイト構造のAサイトの半分以上
がリチウム及び3価の金属原子によって占められている
リチウム電池のカソード材料に係るものである。
【0010】また、本発明は、ペロブスカイト構造を有
する複合酸化物からなるリチウム電池のカソード材料で
あって、前記複合酸化物のペロブスカイトパラメーター
が3.8710オングストローム以上であることを特徴
とする、リチウム電池のカソード材料に係るものであ
る。
【0011】また、本発明は、ABO3 型のペロブスカ
イト構造を有する複合酸化物からなるリチウム電池のカ
ソード材料であって、前記複合酸化物が、前記ペロブス
カイト構造のAサイトが欠損した組成を有していること
を特徴とする、リチウム電池のカソード材料に係るもの
である。
【0012】
【作用】本発明者は、ペロブスカイト構造を有する複合
酸化物の物性を研究する過程で、上記特定組成のペロベ
スカイト構造体が極めて高いリチウムイオン伝導性を持
つことを発見し、本発明を完成した。
【0013】リチウムイオン伝導体として使用できる、
この複合酸化物について説明する。複合酸化物のAサイ
トの半分以上が、リチウム及び3価の金属原子によって
占められている必要がある。即ち、Aサイトにおける空
位は半分以下である必要がある。更に、Aサイトにおけ
る平均価数は1.6 〜2.2 であることが好ましい。また、
Bサイトにおける平均価数は、3.5 〜4.0 であることが
好ましい。
【0014】また、Aサイトを占める3価の金属原子と
しては、ネオジム、プラセオジム、サマリウム、イット
リウム、ビスマス、ランタン、セリウム、プロメチウ
ム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプ
ロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテ
ルビウム、ルテチウムが好ましい。更には、ネオジム、
プラセオジム、サマリウム、ランタンが好ましい。
【0015】一方、Bサイトを占める金属原子として
は、チタン、ジルコニウム、ハフニウム等の四価のもの
とすることが好ましい。または、2種類以上の金属原子
を用いることもできるが、この場合も、2種類以上の金
属原子の平均価数は四価とすることが好ましい。更に
は、Ti4+, (Mg2+ 1/2W6+ 1/2)が好ましい。
【0016】更には、下記の一般式で表される組成のも
のが特に好ましい。
【化1】Lix Lay TiO3、Lix Lay (Mg0.5W0.5)O3
【0017】この一般式において酸素数を「O3」と表記
したが、これはペロブスカイト構造の複合酸化物を表示
する際の習慣に従ったものであり、実際には酸素原子が
一部欠損したり、雰囲気や温度変化に応じて出入りする
ことがある。
【0018】上記一般式において、0<x≦1/2であ
り、1/2≦y≦2/3であり、むろん、リチウムの置
換量xが増加すると、ランタンの置換量yが減少する。
仮に、Aサイトにおける平均価数が2である場合は、y
=(2/3−x/3)である。しかし、Aサイトにおけ
る平均価数は、1.6 〜2.2 の範囲で変動しうる。従っ
て、x,yの関係は以下のようになる。
【0019】
【化2】0<x≦1/2。 1/2≦y≦2/3。 1/2<x+y≦1。 1.6 ≦x+3y≦2.2 。
【0020】上記一般式において、リチウムの置換量x
が増加すると、複合酸化物のリチウムイオン伝導性も増
加する傾向がある。ただし0.7 ≦x+y≦0.9 とする
と、最もリチウムイオン伝導性が高くなる。更に、本発
明者は、xを0.26〜0.34の範囲内とすると、リ
チウムイオン伝導性が顕著に向上することを見いだし
た。更に、xを0.28〜0.32とすると最大のリチ
ウムイオン伝導性が得られることが判明した。
【0021】また、本発明者は、更に高いリチウムイオ
ン伝導性を有する複合酸化物を探索する過程で、Lix La
y TiO3のAサイトの一部分を、更に他のイオン半径の大
きな元素で置換することを試みた。この結果、多くの場
合には、Lix LayTiO3と同等以上のリチウムイオン伝導
性を有する複合酸化物は得られなかったが、下記の系の
複合酸化物については、特に大きなリチウムイオン伝導
性が得られることを発見した。
【0022】
【化3】Lix Lay-z Srz TiO3 、Lix La
y-z Baz TiO3
【0023】x及びyは、上記したものと同じである。
zは、ストロンチウム又はバリウムの置換量を表すもの
である。このうち、ストロンチウムでAサイトを置換し
たLix Lay-z Srz TiO3 の方が、より高いリチ
ウムイオン伝導性を示した。しかも、ストロンチウムの
置換量zは、少ない方が効果が大きかった。具体的に
は、zが0.01〜0.15の範囲でリチウムイオン伝
導性が大きくなり、0.02〜0.1の範囲では一層大
きくなり、0.03〜0.08の範囲で最も大きくなっ
た。
【0024】Lix Lay-z Baz TiO3 の場合に
は、BaによってAサイトを置換する際、単一相の固溶
体が得られるzの上限値は0.08程度である。そし
て、この置換量zが大きくなると、複合酸化物のリチウ
ムイオン伝導性が急速に劣化する傾向があった。このた
め、zは0.05以下とすることが好ましい。
【0025】また、本発明者は、ペロブスカイト構造を
有する複合酸化物であって、そのAサイトの半分以上が
リチウム及び3価の金属原子によって占められている複
合酸化物が、リチウムイオンの挿入部位を多数有するこ
と、リチウムイオンを可逆的に、複合酸化物の格子中へ
と挿入することができ、複合酸化物の格子から抽出する
ことができることを、初めて見いだした。また、複合酸
化物にリチウムを挿入した後、複合酸化物に混合導電性
が発現しうることを見いだした。
【0026】そして、この複合酸化物をカソード材料と
して有するリチウム電池が、比較的高い電流密度で放電
しうることも確認した。これらの知見より、リチウム電
池のカソード材料として、この複合酸化物を使用できる
ことを見いだし、本発明を完成した。
【0027】この複合酸化物のAサイトの半分以上が、
リチウム及び3価の金属原子によって占められている必
要がある。即ち、Aサイトにおける空位は半分以下であ
る必要がある。更に、Aサイトにおける平均価数は1.6
〜2.2 であることが好ましい。また、Bサイトにおける
平均価数は、3.5 〜4.0 であることが好ましい。
【0028】また、Aサイトを占める3価の金属原子と
しては、ネオジム、プラセオジム、サマリウム、イット
リウム、ビスマス、ランタン、セリウム、プロメチウ
ム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプ
ロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテ
ルビウム、ルテチウムが好ましい。更には、ネオジム、
プラセオジム、サマリウム、ランタンが好ましい。
【0029】一方、Bサイトを占める金属原子として
は、チタン、ジルコニウム、ハフニウム等の四価のもの
とすることが好ましい。または、2種類以上の金属原子
を用いることもできるが、この場合も、2種類以上の金
属原子の平均価数は四価とすることが好ましい。更に
は、Ti4+, (Mg2+ 1/2W6+ 1/2)が好ましい。
【0030】更には、下記の一般式で表される組成のも
のが特に好ましい。
【化4】Lix Lay TiO3, Lix Lay (Mg0.5W0.5)O3
【0031】上記一般式において、0<x≦1/2であ
り、1/2≦y≦2/3であり、むろん、リチウムの置
換量xが増加すると、ランタンの置換量yが減少する。
仮に、Aサイトにおける平均価数が2である場合は、y
=(2/3−x/3)である。しかし、Aサイトにおけ
る平均価数は、1.6 〜2.2 の範囲で変動しうる。従っ
て、x,yの関係は以下のようになる。
【0032】
【化5】0<x≦1/2。 1/2≦y≦2/3。 1/2<x+y≦1。 1.6 ≦x+3y≦2.2 。
【0033】上記一般式において、リチウムの置換量x
が増加すると、複合酸化物のカソード材料としての特性
も向上する傾向がある。ただし0.7 ≦x+y≦0.9 とす
ると、最もカソード材料としての特性が向上する。更
に、xを0.25〜0.35の範囲内とすると、カソー
ド材料としての特性が顕著に向上することを見いだし
た。
【0034】特に、本発明者は、リチウムイオンの複合
酸化物内への挿入の機構を深く研究した結果、幾つかの
条件を見いだした。特に、複合酸化物のペロブスカイト
パラメーターを3.8710以上とすることにより、リ
チウムイオンの挿入が容易に行われるようになること、
及び、リチウムイオンを挿入したときの電圧の値か大き
くなること(エネルギー密度が大きくなること)を見い
だした。
【0035】また、本発明者は、ABO3 型のペロブス
カイト構造を有する複合酸化物からなるリチウム電池の
カソード材料であって、複合酸化物が、ペロブスカイト
構造のAサイトが欠損した組成を有している場合に、リ
チウムの挿入が一層容易になることも確認した。
【0036】
【実施例】以下、更に具体的な実験結果について述べ
る。 〔リチウムイオン伝導体についての実施例〕最初の実施
例では、Li0.34La0.51Ti02.94 の組成を有するペロブス
カイト構造体を製造し、その特性を調べた。
【0037】(試料の製造)La2O3 、Li2CO3及びTiO2
出発原料として用いた。La2O3 中の金属の量は、EDT
Aを用いた定量分析によって測定した。これらの出発原
料を、エタノール中でかくはんした。La:Li:Tiのモル
比は1:1:2とした。この混合粉末を、空気中で80
0℃で4時間仮焼し、1150℃で12時間仮焼した。
【0038】この仮焼物を粉砕し、130MPaの圧力
下にプレス形成し、直径10mm、厚さ3mmのペレットを
得た。このペレットを空気中で6時間1350℃で焼成
し、室温まで冷却させた。
【0039】(化学組成)上記試料中に各金属のモル比
を、誘導結合プラズマ分光法(ICP)によって、外部
標準法によって測定した。この結果、各金属のモル比
は、Li:La:Ti=0.34:0.51:1であった。従って、上
記試料の組成式は、Li0.34La0.51Ti02.94 であった。た
だし、酸素の量は、電気的中性の原理から決定した。
【0040】本実験における目標組成は、Li0.5La0.5Ti
03であった。従って、高温処理の間に、リチウムの一部
が蒸発してしまったことになる。この結果、Aサイトの
うち85%しか充填されておらず、空位が生じている。
【0041】(試料の結晶構造)CuKα放射を用いた
粉末X線回折法によって、結晶相の同定と格子定数の測
定とを実施した。この結果、立方晶のペロブスカイト構
造を有していることが確認された。結晶構造の解析よ
り、La3+とTiO6八面体とが堅固な枠を構成し、La3+が占
めているAサイト以外のAサイトにリチウムイオンが統
計的に分散していると考えられる。また、このペロブス
カイト構造中に、リチウムイオンの収容に適合した等価
部位が極めて多数存在していることも確認した。
【0042】従って、上記ペロブスカイト構造中のAサ
イトには、La3+が占める部位の間に、リチウムイオンの
収容に適合した等価部位が極めて多数存在し、かつ空位
が適度に存在するため、多数のリチウムイオンが順次移
動していくものと考えられる。
【0043】(相対密度及び電子伝導性)上記試料の相
対密度は、90%より大きかった。また、この試料の電
子伝導性(室温時)を、二つの銀ペースト電極を用いて
直流分極法によって、測定したところ、室温で1×10
-8S/cmよりも小さかった。
【0044】(リチウムイオン伝導率の測定)アルゴン
雰囲気中で、室温における上記試料のリチウムイオン伝
導率を、直流法により測定した。
【0045】ただし、後述するように、この試料はリチ
ウム金属と容易に反応する。そこで、図1に示すよう
に、ペレット(試料)1の両面に、多孔質のポリプロピ
レン膜2を付着させた。このポリプロピレン膜2は、1
MのLiClO4を含むプロピレンカーボネート溶液を含浸さ
せたものである。次いで、ポリプロピレン膜2の表面
に、リチウム電極膜3を付着させた。ポリプロピレン膜
2により、試料1がリチウム金属と接触するのが、防止
される。
【0046】このポリプロピレン膜2における抵抗値は
小さく、無視できる。この組立体を用い、直流法によっ
てイオン伝導率を測定した。この結果、試料1の色は変
化せず、電子伝導度も変化しなかった。
【0047】室温において、異なった厚さの試料のリチ
ウムイオン伝導率に対応する平衡伝導率の値を直流法に
より測定したところ、2×10-5〜7×10-5S/cmで
あった。これらの値は、試料をリチウム金属と直接接触
させて直流法で測定した初期値と符合する。
【0048】また、上記試料のリチウムイオン伝導率
を、交流インピーダンス法によって、5Hz〜13MH
zの範囲の周波数に亘って、200K〜700Kの温度
範囲で、測定した。測定には金電極を使用した。交流イ
ンピーダンス法により測定された伝導率は、バルク結晶
からの寄与と粒界からの寄与とに分けられることが判明
した。図2は、バルク結晶及び粒界に対応する等価回路
のモデルである。ここで、Rb はバルク結晶の抵抗を示
し、Cb はバルク結晶のキャパシタンスを示し、Rgbは
粒界(grain boundary)の抵抗を示し、Cgbは粒界のキャ
パシタンスを示す。
【0049】300Kでのバルク結晶及び粒界領域のキ
ャパシタンスの大きさは、それぞれ100pF 、10n
Fのオーダーである。バルク結晶における伝導率はσgb
=1×10-3S/cmであり、粒界における伝導率はσgb
=7.5 ×10-5S/cmである。交流インピーダンス法に
より測定した300Kでの全伝導率は7×10-5S/cm
である。この値は、直流法による室温での測定値と符合
する。
【0050】直流法により測定した上記試料の電子伝導
率は1×10-8S/cm未満なので、イオンの輸率は電子
の輸率の1000倍を越える。
【0051】図3は、アレニウスプロットにおける、試
料のイオン伝導率の温度依存性を示すグラフである。室
温を越えると、バルク結晶部分の活性化エネルギーは、
温度が上昇するのと共に減少する。このデータを用いて
計算した活性化エネルギーは、400K以上では0.15e
Vであり、400K以下では0.40eVである。この現象
は、何らかの相転移に帰すことができる。粒界部分につ
いての活性化エネルギーは、0.42eVで一定である。
【0052】次に、バルク結晶部分に対応するイオン伝
導率σbulk、粒界部分に対応するイオン伝導率σgb及び
全伝導率σtotal と温度との関係を表1に示す。これ
は、図3の一部に対応するものである。200K、70
0Kの場合には、σgbとσbulkとの区別がつかないた
め、σtotal の値のみを示す。
【0053】
【表1】
【0054】更に、La2/3-m Li3mTi03の系と( La2/3-m
Li3m )(Mg0.5W0.5)O3の系とについて、リチウムイオ
ン伝導性を測定した。 (試料の製造) La2O3 (4N純度)、Li2CO3(3N又は4N純度)、Ti
O2(3N純度)、MgO(4N純度)及びWO3 (5N
純度)を出発原料として用いた。La2O3 及びMgO中の
金属の量は、EDTAを用いた定量分析によって測定し
た。これらの出発原料を、エタノール中でかくはんし
た。粉末の化学量論的混合物を、幾度か中間粉砕を加え
ながら、空気中で800℃で4時間仮焼し、1150℃
〜1200℃で6〜12時間仮焼した。
【0055】この仮焼物を粉砕し、130MPaの圧力
下にプレス形成し、直径10mm、厚さ3mmのペレットを
得た。このペレットを空気中で3〜10時間、1350
℃〜1400℃で焼成し、室温まで冷却させた。
【0056】(試料の結晶構造)CuKα放射を用いた
粉末X線回折法によって、結晶相の同定と格子定数の測
定とを実施した。この際、グラファイトモノクロメータ
ーを備えたリガク又はマックサイエンスのX線回折計を
使用した。シリコン粉末(5N)を、格子定数を測定す
る際に、試料の内部標準として使用した。
【0057】(化学組成)上記試料中の各金属のモル比
を、誘導結合プラズマ分光法(ICP)によって、外部
標準法によって測定した。分析用の試料の製造は、次の
ように行った。少量の試料(約10mg)及び1mlの
濃塩酸(35重量%)を、パイレックスガラス管中に封
入し、約130℃で1〜3時間保持して溶解させた。
【0058】(リチウムイオン伝導性の測定)金又は銀
ペーストの電極を有する試料用のリチウムイオン伝導率
を、交流インピーダンス法によって、YHP4192イ
ンピーダンスアナライザーを使用して、5Hzから13
Hzの周波数範囲にわたって、測定した。アルゴン雰囲
気中における室温でのイオン伝導率も、直流法によって
測定した。
【0059】試料はリチウム金属と容易に反応する。そ
こで、図1に示すように、ペレット(試料)1の両面
に、多孔質のポリプロピレン膜2を付着させた。このポ
リプロピレン膜2は、1MのLiClO4を含むプロピレンカ
ーボネート溶液を含浸させたものである。次いで、ポリ
プロピレン膜2の表面に、リチウム電極膜3を付着させ
た。ポリプロピレン膜2により、試料1がリチウム金属
と接触するのが、防止される。このポリプロピレン膜2
における抵抗値は小さく、無視できる。この組立体を用
い、直流法によってイオン伝導率を測定した。これと同
じセルを、交流インピーダンス法用に使用し、上記した
直流法及び交流法で得られた室温でのイオン導電率をチ
ェックした。
【0060】(La2/3-m Li3mTi03の系についての試験結
果)これらの化合物が有する構造単位は、そのC軸に沿
ったAサイト欠損の配列秩序によって生じた2つの副格
子(サブセル)を有する。この研究では、本発明者は、
イオン伝導性だけでなく、特にリチウムの含有量に関し
て、化学組成をも調べた。表2に、化学分析の結果、A
サイト欠損の量、300Kにおけるイオン伝導率及び活
性化エネルギーを示す。ただし、Aサイト欠損は、1─
(Laの分析値)─(Liの分析値)である。活性化エ
ネルギーの値は、250K〜400Kにおけるデータを
使用して算出した。
【0061】
【表2】
【0062】また、図4に、試料からのバルク部分のイ
オン伝導率の温度依存性、即ち、アレニウスプロットを
示す。この温度が上昇するのにつれて活性化エネルギー
が減少し、伝導率の値が、高温では組成に依存しない飽
和値に漸近するように見える。これは、高温での格子振
動による熱外乱によって生じうる。こうした高温領域で
は、リチウムイオンがジャンプし、狭い範囲で移動する
ことが容易になるが、一方、リチウムイオンが相互に衝
突する確率も増大し、この衝突によってリチウムイオン
の移動度が減少する。このデータから得られた活性化エ
ネルギーは、250K〜500Kの間でほぼ同じであ
り、表2に示すように、0.33〜0.38eVであ
る。
【0063】図5は、300Kにおけるバルク部分のイ
オン伝導率を、ICP分析から得られたLi含有量の関
数として示す。Li含有量が増大するか、又はLa含有
量が減少するのにつれて、このイオン伝導率は増大し
た。しかし、この伝導率は飽和値へと向かっている。こ
の傾向は、次のように推測できる。即ち、Liの量は3
mであり、Laの量は2/3─mであり、Aサイトにお
ける欠損部分の空隙の量は、電気的中性の原理により、
1/3─2mである。リチウムイオンは、Aサイトの空
隙内のみを移動すると考えられるので、リチウムイオン
の移動度は、リチウム量に空隙の量を乗じた値、即ち、
mの二乗に比例していると考えられる。
【0064】実際に、リチウムの置換量3mが0.31
のときに、最大のリチウムイオン伝導率σ=1.02×
10-3Scm-1が得られた。また、3m=0.26〜
0.34の範囲でリチウムイオン伝導率が顕著に高い。
【0065】( La2/3-m Li3m )(Mg0.5W0.5)O3 の系の
実験結果) 本発明者は、リチウムイオン伝導性を有し、リチウム金
属に対して化学的に安定なペロブスカイト化合物を探索
した。前記したLa2/3-m Li3mTi03の系の化合物は、リチ
ウム金属と容易に反応し、比較的に高い電子伝導性(室
温で10-2Scm-1)を有するに至ることを発見した。
【0066】ここで、本発明者は、( La2/3-m Li3m
(Mg0.5W0.5)O3 の系の化合物を試験した。この系の化合
物の母化合物である、ペロブスカイト構造のLa2/ 3 (Mg
0.5W0.5)O3 は、既知化合物であり、合成されている(T
orii , Chem. Lett. 1979年, 1215) 。この文献の著者
の分析によれば、Mg2 + 及びW6 + がこのBサイト内
に岩塩様に配列されており、一方、Aサイト内のLa
3 + 及び空孔、c軸に沿って層状状態で配置されてい
る。La2/3 (Mg0.5W0.5)O3 におけるこうした各成分イオ
ンの秩序に基づいて、次の考えに達するに至った。即
ち、この系の化合物が、リチウムに対して化学的に安定
であり、電子伝導性を発揮するのに至らないのではない
かと考えた。
【0067】前記した手順により、( La2/3-m Li3m
(Mg0.5W0.5)O3 において、3m=0.1、0.2、0.
35及び0.5の組成の合成を試みた。(La0.63L
i0.1 )(Mg0.5W0.5)O3 は、単一相として得られた。他
の組成の化合物も、ほぼ単一相として得られたが、少量
の不純物相も見られた。(La0.63Li0.1 )(Mg0.5W0.5)O
3 は、La2/3 (Mg0.5W0.5)O3 の構造と同じ構造を有して
いる。この斜方格子定数は、a=7.8075であり、
b=7.8349であり、c=2x7.9145であ
る。
【0068】この化合物は、La2/3-m Li3mTi03の系より
も、リチウム金属に対して安定である。リチウム金属と
反応すると、室温で10-5Scmの電子伝導性を有する
に至る。この試料のイオン伝導率を、直流法によって前
記したように測定すると、290Kで1×10-6Scm
であった。図6に、290Kにおけるインピーダンスプ
ロットを示す。また金ペースト電極を使用した複素イン
ピーダンス測定を行った。
【0069】金ペースト電極の場合には、大きなセミサ
ークル(C=50pF)を1つ見ることができる。一
方、リチウム電極の場合には、2つのセミサークルを見
ることができる。前記したようにリチウム電極及び金ペ
ースト電極を使用して交流法で測定した全伝導率(σ=
1×10-6Scm)は、直流法によって測定した全伝導
率と一致している。
【0070】図6において、リチウム電極を使用した場
合に、左側にある一方のセミサークル(C=60pF)
は、イオン伝導率のバルク部分に起因しているものと考
えられる。図6において、リチウム電極を使用した場合
に、右側にある他方のセミサークル(C=150pF)
は、イオン伝導率の粒界部分に起因しているものと考え
られる。バルク部分では、σ=3×10-6であり、粒界
では、σ=3×10-6Scm-1である。金電極の場合に
は、大きなセミサークルが、全伝導率に起因している。
【0071】図7は、試料の全伝導率の温度依存性を、
アレニウスプロットにおいて示す。図7から算出した活
性化エネルギーは、0.39eVである。
【0072】(La0.6Li0.2)(Mg0.5W0.5)O3 からなる試料
を製造した。金電極を用い、交流インピーダンス法でリ
チウムイオン伝導率σtotal を測定したところ、7×1
-6S/cm(290K)であった。また、上記実施例と
同様にして直流法でリチウムイオン伝導率を測定したと
ころ、6×10-6S/cm(290K)であった。
【0073】(Lix Lay-z Srz TiO3 、Lix
Lay-z Baz TiO3の系についての実験)本発明者
が指摘したように、複合酸化物中に、リチウムイオンの
収容に適合した等価部位が多数存在していること、リチ
ウムイオンが移動し易い空隙が存在することが、高いリ
チウムイオン伝導性を実現するために必要である。この
観点から、本発明者は、複合酸化物を更に探索した。
【0074】ただし、La3 + よりも大きな3価のイオ
ンを有していなかったので、Lix Lay TiO3の系よりも大
きな格子を有する複合酸化物を得ることは困難であっ
た。そこで、本発明者は、Lix Lay-z Srz TiO
3 の系とLix La y-z Baz TiO3 の系とに着目し
た。
【0075】ここで、いわゆるシャノンによるイオン半
径は、La3 + については1.36オングストローム、
Sr2 + については1.44オングストローム、Ba
2 + については1.61オングストロームである。従っ
て、リチウムイオンが移動するための空間を、より大き
くできるのではないかと考えた。
【0076】(試料の製造) La2 3 (4N純度)、Li2 CO3 (3N又は4N
純度)、TiO2 (3N純度)、SrCO3 (3N純
度)及びBaCO3 (3N純度)を出発原料として用い
た。La2 3 中の金属の量は、EDTAを用いた定量
分析によって測定した。これらの出発原料を、エタノー
ル中でかくはんした。粉末の化学量論的混合物を、幾度
か中間粉砕を加えながら、空気中で800℃で4時間仮
焼し、1150℃〜1200℃で6〜12時間仮焼し
た。
【0077】この仮焼物を粉砕し、130MPaの圧力
下にプレス形成し、直径10mm、厚さ3mmのペレットを
得た。このペレットを空気中で3〜10時間、1350
℃〜1400℃で焼成し、室温まで冷却させた。
【0078】(試料の結晶構造)CuKα放射を用いた
粉末X線回折法によって、結晶相の同定と格子定数の測
定とを実施した。この際、グラファイトモノクロメータ
ーを備えたリガク又はマックサイエンスのX線回折計を
使用した。シリコン粉末(5N)を、格子定数を測定す
る際に、試料の内部標準として使用した。
【0079】(化学組成)上記試料中の各金属のモル比
を、誘導結合プラズマ分光法(ICP)によって、外部
標準法によって測定した。分析用の試料の製造は、次の
ように行った。少量の試料(約10mg)及び1mlの
濃塩酸(35重量%)を、パイレックスガラス管中に封
入し、約130℃で1〜3時間保持して溶解させた。
【0080】(リチウムイオン伝導性の測定)金又は銀
ペーストの電極を有する試料用のリチウムイオン伝導率
を、交流インピーダンス法によって、YHP4192イ
ンピーダンスアナライザーを使用して、5Hzから13
Hzの周波数範囲にわたって、測定した。アルゴン雰囲
気中における室温でのイオン伝導率も、直流法によって
測定した。
【0081】試料はリチウム金属と容易に反応する。そ
こで、図1に示すように、ペレット(試料)1の両面
に、多孔質のポリプロピレン膜2を付着させた。このポ
リプロピレン膜2は、1MのLiClO4を含むプロピレンカ
ーボネート溶液を含浸させたものである。次いで、ポリ
プロピレン膜2の表面に、リチウム電極膜3を付着させ
た。ポリプロピレン膜2により、試料1がリチウム金属
と接触するのが、防止される。このポリプロピレン膜2
における抵抗値は小さく、無視できる。この組立体を用
い、直流法によってイオン伝導率を測定した。これと同
じセルを、交流インピーダンス法用に使用し、上記した
直流法及び交流法で得られた室温でのイオン導電率をチ
ェックした。
【0082】こうして、Lix Lay-z Srz TiO3
(z=0.05、0.10、0.15、0.25)の組
成及びLix Lay-z Baz TiO3 (z=0.05)
の組成を目標組成とし、単一相の固溶体を製造すること
に成功した。Li x Lay-z Baz TiO3 (z=0.
10)の目標組成の場合には、幾らかの不純物相が生じ
た。この結果は、P.V.Patil and S.ChincholKar : Curr
ent Science 39 (1970) ,348の記載と整合している。こ
の文献では、(La0.5 Li0.5 )TiO3 におけるB
aTiO3 の溶解度の上限は、8mol%であると、記
載されている。
【0083】Lix Lay-z Srz TiO3 の系におい
ては、zが大きくなるほど、ペロブスカイトパラメータ
ーが大きくなる。図8は、Lix Lay-z SrzTiO
3 及びLix Lay-z Baz TiO3 の系について、固
溶体のバルク部分のリチウムイオン伝導率を、300K
の温度で測定した結果を示すグラフである。図8の横軸
は、ストロンチウム又はバリウムの置換量zを示す。
【0084】また、上記において、Lix Lay-z Sr
z TiO3 (z=0.05、0.10、0.15、0.
25)の各目標組成について、表3、表4に実験結果を
示す。表3には、出発原料における組成(目標組成)、
実際に合成された複合酸化物の組成の分析データ、Aサ
イト欠損の量、リチウムの含有量xとAサイト欠損の量
との積を示す。表4には、約300Kにおけるバルク部
分のイオン伝導率及び活性化エネルギーを示す。
【0085】ただし、Aサイト欠損は、1─(Laの分
析値)─(Liの分析値)─(Srの分析値)である。
活性化エネルギーの値は、250K〜400Kにおける
データを使用して算出した。
【0086】
【表3】
【0087】
【表4】
【0088】Lix Lay-z Srz TiO3 の系におい
ては、zが0.05及び0.11の場合には、zが0の
場合よりもリチウムイオン伝導性が相当大きくなってい
る。zが0.01〜0.15の範囲でリチウムイオン伝
導性が大きくなり、0.02〜0.1の範囲では一層大
きくなり、0.03〜0.08の範囲で最も大きくなっ
た。zが0.05のときに、イオン伝導率σが1.5×
10-3Scm-1となり、最大になった。zが0.25に
なると、イオン伝導率がかなり下がってくる。
【0089】この現象は、次のように説明できる。Sr
2 + イオンの置換量を増大させると、Lix Lay-z
z TiO3 の格子は大きくなるので、リチウムイオン
は動きやすくなる。しかし、zが大きくなると、リチウ
ムの含有量xとAサイト欠損の量との積が、表4に示す
ように減少してくる。このため、かえって伝導率が低下
してくるものと思われる。
【0090】Lix Lay-z Baz TiO3 の系につい
ては、Ba2 + イオンがSr2 + イオンよりも大きいの
で、格子の変形が生じ、リチウムイオン伝導性が向上し
ないものと考えられる。
【0091】次に、リチウム電池のカソード材料につい
て述べる。 (試料のリチウムとの反応による混合伝導体の生成)前
記した、La2/3-m Li3mTi03の系の化合物について、リチ
ウムとの反応性を試験し、また、リチウムの挿入実験を
実施した。
【0092】室温で、Ar雰囲気中で、上記したLi0.34
La0.51Ti02.94 からなる試料をリチウム金属の間に挟む
と、最初は、全伝導率が2〜4×10-5S/cmであった
(直流法)。これは、3日後に1×10-2S/cmに達し
た。この間、上記のペロブスカイト構造体はリチウム金
属と容易に反応し、試料の色がアイボリーから青黒に変
化した。これは、ペロブスカイト構造体の上記の空位へ
とリチウムが入り、四価のチタンイオンを還元し、この
結果、電子のキャリアーが増加し、電子伝導性が上昇し
たものと考えられる。
【0093】ただし、反応後においても、リチウム含有
量の増加はICPによって検出されなかったので、リチ
ウムの増加量は極く小さい。また、空気中で、反応後の
試料の電子伝導性は、時と共に低くなり、色が徐々に薄
くなってきた。これは、酸素原子の空位に入った酸素に
より、チタンイオン(Ti3+) が再度酸化されたからであ
る。
【0094】このように、La2/3-m Li3mTi03の系の化合
物は、リチウムと化学的に反応し、電子伝導度も上昇
し、混合伝導体となる。従って、この混合伝導体は、リ
チウム電池用のカソード材料として使用できる。
【0095】(リチウムの電気化学的挿入の実験)La
2/3-m Li3mTi03の系の化合物について、リチウムの挿入
を行い、リチウムの挿入に伴う結晶構造の変化及び挿入
されたリチウムの配位数について調べた。Li0.37La0.5
Ti02.94 からなる試料を、前記したようにして合成し
た。二極式セル(Li/1M LiClO4 PC中/
Li0.37La0.5 Ti02.94 )を試作した。ここで、リチウム
金属が負極活物質であり、Li0.37La0.5 Ti02.94 がカソ
ード材料(正極活物質)であり、1M LiClO4
/PC(ポリカーボネート)が有機電解液である。
【0096】この電池を用いて、定電流法により、リチ
ウムイオンを電気化学的にLi0.37La0.5 Ti02.94 中へと
挿入した。リチウムを挿入する前後の試料について、粉
末X線回折法により、試料の同定及び格子定数の決定を
行った。リチウムの挿入量は、通電量から求め、ICP
分析によってチェックした。NMR分析により、挿入さ
れたリチウムの配位数を調べた。
【0097】定電流の下で、リチウムイオンをLi0.37La
0.5 Ti02.94 試料に挿入したときの、セル電位の経時的
変化を、図9の放電曲線に示す。図9から判るように、
定電流の下で、リチウムイオンをLi0.37La0.5 Ti02.94
中に挿入することが可能である。また、P点の前後で、
電位─時間関係の勾配(dE/dt)が変化しているこ
とが判る。通電量から計算すると、P点におけるリチウ
ムの挿入量は、Aサイトにおける欠損量に相当してい
た。これから、リチウムイオンは、Li 0.37La0.5 Ti0
2.94 のAサイトの欠損を充填し、次いで、他の部分に
充填されていくものと考えられる。
【0098】図10には、リチウム挿入量と印加電圧の
変化との関係を示す。試料として、Li0.37La0.5 Ti0
2.94 、La0.67Ti03、Li0.08La0.85MnO3 、CaMnO 3を使
用した。試料の製造、組成等の確認、電池の作成は、前
記したように行った。Li0.37La0.5 Ti02.94 では、Bサ
イトの金属1つあたり、少なくとも0.6個のリチウム
を挿入することが可能であった。2次元的な構造を持つ
Aサイト欠損型ペロブスカイトLa0.67Ti03では、チタン
1個あたり0.3個のリチウムを挿入することが可能で
あり、これはAサイトの空孔の量に相当する。
【0099】CaMnO 3 の場合には、Mn4 + イオンが小
さすぎるために、リチウムイオンの挿入が困難と思われ
る。Li0.08La0.85MnO3の場合には、菱面体歪みに伴う3
cサイトの対称性の低下により、リチウムイオンの挿入
が困難と思われる。
【0100】この結果により、Li0.37La0.5 Ti0
2.94 は、比較的に容量が大きなカソード材料として使
用可能なことが判る。また、La0.51Li0.34TiO2.94 、La
0. 57Li0.26TiO2.99 、La0.62Li0.16TiO3.01 について
も、図10と同様の結果を得た。
【0101】本発明者は、更に、Lix Lay-z Srz
TiO3 の系の化合物についても、リチウムの挿入が可
能なことを確認した。即ち、La0.51Li0.34TiO2.9 4 、La
0.50Li0.32Sr0.05TiO2.96 、La0.47Li0.28Sr0.11TiO
2.96 、La0.44Li0.27Sr0.16TiO2.96 、La0.39Li0.23Sr
0.27TiO2.97 の各複合酸化物について、リチウムの挿入
が可能なことを確認した。
【0102】本発明者は、こうした実験結果を踏まえ、
更に研究を進めた。その結果、ペロブスカイト構造の複
合酸化物において、リチウム挿入の容易さと、空間構造
との関係を初めて明らかにした。即ち、複合酸化物のペ
ロブスカイトパラメーターを3.8710オングストロ
ーム以上とすることにより、リチウムイオンの挿入が容
易に行われるようになることを見いだした。
【0103】X線回折法によって格子の体積Vを測定
し、この体積Vの3乗根を算出すると、ペロブスカイト
パラメーターが得られる。この際、菱面体歪みなど、格
子の歪みが非常に大きい場合には、適用が難しいので、
トレランスファクターが0.96以上である必要があ
る。
【0104】次の組成を有する複合酸化物が、上記の条
件を満足する。ただし、かっこ内はペロブスカイトパラ
メーターを示す。 (a)Lix Lay TiO3 の系の複合酸化物:例え
ば、Li0.34La0.51TiO2.94(3.871) (b)LIx Lay (Mg0.5 0.5 )O3 の系の複合
酸化物:例えば、Li0. 1 La0.630.5 Mg0.5 3
(3.926)
【0105】(c)Lix Lay-z Srz TiO3 の系
の複合酸化物:例えば、La0.50Li0.32Sr0.05TiO
2.96 (3.8758)、La0.47Li0.28Sr0.11TiO2.96
(3.8798)、La0.44Li0.27Sr0.16TiO2.96 (3.
8818)、La0.39Li0.23Sr0.27TiO2.97 (3.886
2) (d)Lix Lay-z Baz TiO3 の系の複合酸化
物:例えば、La0.50Li0.32Ba0.05TiO2.96(3.883
5):(c)及び(d)の各複合酸化物のペロブスカイ
トパラメーターと置換量zとの関係を、図11のグラフ
に示す。
【0106】(e)Lix Bay MoO3 の系の複合酸
化物、Lix Sry MoO3 の系の複合酸化物、Lix
Sry FeO3 の系の複合酸化物、Lix SryRuO
3 の系の複合酸化物、Lix Sry NbO3 の系の複合
酸化物。なお、これらの系の複合酸化物に、更にBa、
Sr等をドーピングした複合酸化物も、上記のペロブス
カイトパラメーターの条件を満足する。
【0107】(f)BaMoO3 、SrMoO3 、Sr
FeO3 、SrRuO3、SrNbO3 。なお、これら
の系の複合酸化物に、更にBa、Sr等をドーピングし
た複合酸化物も、上記のペロブスカイトパラメーターの
条件を満足する。
【0108】複合酸化物のペロブスカイトパラメーター
を3.8710オングストローム以上とすることによ
り、リチウムイオンの挿入が容易に行われるという結論
に至った理由及び過程を説明する。Lix Lay TiO
3 の系、Lix Pr y TiO3 、Lix Ndy TiO3
の系、Lix Smy TiO3 の系の複合酸化物につい
て、イオン伝導度の活性化エネルギーEa(eV)と、
ペロブスカイトパラメーターとの関係を調査した。この
系においては、ペロブスカイト基本構造のAサイトが3
価の原子によって構成されており、Bサイトが3価の原
子によって構成されている。また、リチウムイオンの挿
入による電圧の変化を調査した。
【0109】こうしたペロブスカイト構造体では、L
a:Pr:Nd:Smの各イオンが結晶格子の骨格を形
成している。この実験に用いた各ペロブスカイト構造体
の組成、ペロブスカイトパラメーター、及び、Bサイト
原子1個あたり0.5個のリチウムを挿入したときの電
圧を、表5に示す。また、イオン伝導度の活性化エネル
ギーEa(eV)と、ペロブスカイトパラメーターとの
関係を、図12に示す。
【0110】
【表5】
【0111】表5から判るように、ペロブスカイトパラ
メーターが3.8710オングストローム未満の場合に
は、リチウムイオンを挿入したとの電圧値が小さい。エ
ネルギー密度の小さなカソード材料である。また、図1
2から判るように、ペロブスカイトパラメーターが小さ
くなるに従って、イオン伝導度の活性化エネルギーが顕
著に増大している。
【0112】更に説明を加える。リチウムイオンを挿入
したときの電圧の値は、ペロブスカイト基本構造を形成
している原子の価数と、空間構造によって決定される。
上記の実験結果では、ペロブスカイト基本構造のAサイ
ト及びBサイトを構成する金属の価数が、3価であるケ
ースについて、実験した。この結果、ペロブスカイトパ
ラメーターを3.8710オングストローム以上とする
ことにより、リチウムを挿入したときの電圧が大きい、
エネルギー密度の大きいカソード材料が得られることが
判明した。そして、ペロブスカイト基本構造のAサイト
及びBサイトを形成する金属の価数が、上記の系と異な
る場合にも、ペロブスカイトパラメーターを3.871
0オングストローム以上とすることにより、リチウムを
挿入したときの電圧が大きい、エネルギー密度の大きい
カソード材料が得られた。
【0113】図13は、Li0.34La0.51TiO2.94
理想的なペロブスカイト構造体(空間群Pm3m)と仮
定した場合の、(100)面のイオン配列を示す。ここ
で、球体11はBサイト(1a)のTi4 + を示し、球
体12はO2 - (3d)を示し、球体13はAサイト
(1b)のLa3 + を示す。リチウムイオンの拡散は、
Aサイト(1b)の空格子点と3cサイト14とを拡散
経路としているものと推定される。
【0114】従って、各球体が剛体球であると仮定すれ
ば、酸素平面4配位の3cサイトの0.11nm程度の
隙間を通過するのが、この系におけるリチウム拡散の活
性化状態と考えられる。Aサイトイオン半径の減少に伴
い、ペロブスカイト構造の対称性が低下し、3cサイト
の隙間の大きさが減少し、活性化エネルギーが増大する
ものと考えられる。
【0115】こうした理由により、ペロブスカイトパラ
メーターを上記のように限定することにより、リチウム
イオンの挿入を容易に行えるペロブスカイト構造体が得
られるものである。むろん、この際、局所的な結晶歪み
が生ずると、理論的な予想よりもリチウム挿入性能が低
下する。
【0116】また、図13に示すような構造を有する立
方晶型ペロブスカイト構造体であれば、Ti4 + イオン
と同程度以上の大きさを有するイオンによってBサイト
が占められていれば、Aサイトに欠損がない場合でも、
3cサイトにリチウムイオンの挿入が可能であると考え
られる。事実、上記したように、Lix Lay TiO3
の系の複合酸化物(層状ペロブスカイト空間群Pmm
m)等において、Aサイトの欠損部分がすべて充填され
た後でも、更にリチウムイオンを挿入することができ
た。(Li0.37La0.5 Ti02.94 に対するリチウムイオンの
挿入実験)。
【0117】本発明のカソード材料を適用できるリチウ
ム電池を例示する。リチウム一次電池としては、二酸化
マンガン−リチウム電池、フッ化黒鉛−リチウム電池、
塩化チオニル−リチウム電池等が実用化されている。こ
の形状としては、単層式構造の偏平形、多層式構造の偏
平形、細形、インサイドアウト構造の円筒形、スパイラ
ル構造の円筒形、角形等が知られている。
【0118】リチウム二次電池においては、常温有機電
解液型リチウム電池、低温高分子電解質リチウム電池、
高温型リチウム電池等が知られている。常温有機電解液
型リチウム電池においては、有機電解液を用いる。この
溶質としては、LiPF6 、LiAsF6 、LiClO
4 、LiBF4 、LiCF3 SO3 、LiCH3 SO3
等が用いられる。この溶媒としては、ジメチルスルホキ
シド、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネー
ト、スルホラン、ガンマ−ブチロラクトン、ガンマ−バ
レロラクトン、1、2−ジエトキシエタン、1、2−ジ
メトキシエタン、2−メチルテトラヒドロフラン、1、
3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、1、2−ジブ
トキシエタン等が用いられる。有機電解液の添加剤とし
ては、クラウンエーテル、ジグライム、THF、DM
F、デカリン、パラフィン、ヘキサデカン等を例示でき
る。常温有機電解液型リチウム電池における負極活物質
としては、リチウム金属、Li/Al合金、Li/ウッ
ドメタル合金等がある。また、リチウム合金を可逆的に
挿入、抽出しうるポリアセチレンなどの導電性ポリマー
や、各種炭素材料を用いることもできる。電池の構造と
しては、コイン型、単3型、BCセル、ボックス型等が
ある。
【0119】低温高分子電解質リチウム電池において
は、電池構造としては、スパイラル構造、積層構造、ロ
ール型等があり、また通常、高分子化合物と電解質塩と
の複合体を用いる。高分子化合物としては、PEO、架
橋PEO、PMEEP、PMSEO、PPL、PMM
A、PMOEO、PVDF等がある。電解質塩として
は、LiClO4 、LiCF3 SO3 等がある。
【0120】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、高
いリチウムイオン伝導性を有する、空気中で安定なリチ
ウムイオン伝導体を提供できる。
【0121】また、本発明によれば、リチウムイオンの
挿入が可能であり、電解液等に対して化学的に安定であ
るような、リチウム電池用のカソード材料を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のリチウムイオン伝導体からなるペレッ
ト(試料)1について、イオン伝導率を交流インピーダ
ンス法によって測定するときの試料の保持状態を示す模
式図である。
【図2】本発明のリチウムイオン伝導体について、バル
ク結晶部分及び粒界部分の寄与を示すための等価回路図
である。
【図3】バルク結晶部分及び粒界部分の各イオン伝導率
の温度依存性を示すグラフである。
【図4】各試料からのバルク部分のイオン伝導率σの温
度依存性、即ち、アレニウスプロットを示すグラフであ
る。
【図5】300Kにおけるバルク部分のイオン導電率
を、ICP分析から得られたLi含有量の関数として示
すグラフである。
【図6】290Kにおけるインピーダンスプロットを示
すグラフである。
【図7】(La0.63Li0.1 )(Mg0.5W0.5)O3 からなる試料
の全伝導率の温度依存性を、アレニウスプロットにおい
て示すグラフである。
【図8】Lix Lay-z Srz TiO3 の系及びLix
Lay-z Baz TiO3の系の複合酸化物について、固
溶体のバルク部分のリチウムイオン伝導率と、ストロン
チウム又はバリウムの置換量zとの関係を示すグラフで
ある。
【図9】定電流の下で、リチウムイオンをLi0.37La0.5
Ti02.94 試料に挿入したときの、セル電位の経時的変化
を示す放電曲線である。
【図10】リチウム挿入量と印加電圧の変化との関係を
示すグラフである。
【図11】Lix Lay-z Srz TiO3 の系及びLi
x Lay-z Baz TiO 3 の系の複合酸化物について、
ペロブスカイトパラメーターと、ストロンチウム又はバ
リウムの置換量zとの関係を示すグラフである。
【図12】Lix Lay TiO3 の系、Lix Pry
iO3 、Lix Ndy TiO3 の系、Lix Smy Ti
3 の系の複合酸化物について、イオン伝導度の活性化
エネルギーEa(eV)と、ペロブスカイトパラメータ
ーとの関係を示すグラフである。
【図13】Li0.34La0.51TiO2.94を理想的なペロ
ブスカイト構造体(空間群Pm3m)と仮定した場合
の、(100)面のイオン配列を示す模式図である。
【符号の説明】
1 試料 2 多孔質のポリプロピレン膜 3 リチウム電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01B 1/06 A H01M 10/36 Z 10/40 B (72)発明者 中村 哲郎 神奈川県横浜市緑区藤が丘2−41−21 藤 が丘宿舎403

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ペロブスカイト構造を有する複合酸化物か
    らなるリチウムイオン伝導体であって、前記ペロブスカ
    イト構造のAサイトの半分以上がリチウム及び3価の金
    属原子によって占められているリチウムイオン伝導体。
  2. 【請求項2】ペロブスカイト構造を有する複合酸化物か
    らなるリチウム電池のカソード材料であって、前記ペロ
    ブスカイト構造のAサイトの半分以上がリチウム及び3
    価の金属原子によって占められているリチウム電池のカ
    ソード材料。
  3. 【請求項3】ペロブスカイト構造を有する複合酸化物か
    らなるリチウム電池のカソード材料であって、前記複合
    酸化物のペロブスカイトパラメーターが3.8710オ
    ングストローム以上であることを特徴とする、リチウム
    電池のカソード材料。
  4. 【請求項4】ABO3 型のペロブスカイト構造を有する
    複合酸化物からなるリチウム電池のカソード材料であっ
    て、前記複合酸化物が、前記ペロブスカイト構造のAサ
    イトが欠損した組成を有していることを特徴とする、リ
    チウム電池のカソード材料。
JP5274660A 1993-03-25 1993-11-02 リチウムイオン伝導体及びリチウム電池のカソード材料 Withdrawn JPH07169456A (ja)

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