JP2008531791A - ポリフェニレンサルファイドの製造における推定水分分析 - Google Patents

ポリフェニレンサルファイドの製造における推定水分分析 Download PDF

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Abstract

ポリフェニレンサルファイド(PPS)ポリマーの製造方法は、容器内の反応混合物中の反応物を重合させて、容器内でPPSポリマーを形成すること、容器及び/又はPPSプロセスの運転変数の値を測定すること、及び運転変数の値に基づいて容器に加えるクエンチ流体の量を決定することを含む。本技法は、クエンチ前に反応器内に存在する水の濃度を計算するために、混合物の気液平衡(VLE)に依存することができ、上流の脱水プロセスの有効性、及び重合中に生成される水の量を表している。本技法は、人間の操作経験に基づくクエンチ水の量の試行錯誤による推定に対する飛躍的な向上であり、反応器内に存在する水分濃度の直接測定をなくす。その結果、PPSの粒径及びその他の特性に改善された制御を行える。

Description

本技法は、一般にポリフェニレンサルファイド(PPS)の製造に関する。より詳細には、本技法は、反応器の変数に基づいてPPS反応器の水量を判定することに関する。
本節は、以下に記載及び/又は特許請求される本発明の様々な態様に関連すると思われる技法の様々な態様を読者に紹介することを意図するものである。本節における検討は、本発明の様々な態様のより深い理解に資する背景情報を読者に提供するのに役立つものと考えられる。したがって、そのような観点からこれらの記載事項は読まれるべきものであり、先行技術を自認するものとして読まれるべきではないことを理解されたい。
ポリフェニレンサルファイド(PPS)、別名ポリ(アリーレン)サルファイドは、様々な生産用途、商業用途、民生用途における所望の形状へと加熱成形することができる高性能エンジニアリング熱可塑性物質である。PPSは、繊維、フィルム、コーティング、射出成形材料、及び繊維強化複合材の製造において使用することができ、要求の厳しい家電産業、自動車産業、電気/電子産業における用途によく適っている。PPSは、単独でも、エラストマー材料、共重合体、樹脂、強化剤、添加剤、その他の熱可塑性物質などの他の材料とブレンドしても、製造部品として組み込むことができる。当初、PPSは、熱硬化性材料の代替物として奨励されていたが、特にガラス、炭素繊維、ミネラル、充填材などの添加によって、非常に適切な成形材料となってきた。事実、PPSは、高分子産業で最も古い高性能射出成形プラスチックのうちの1つであり、その非充填グレードのものは、通常、コーティングとして押出し成形される。
半結晶性PPSを含むPPSポリマーは、1つには、その特性の組合せが優れているので、魅力的なエンジニアリングプラスティックである。例えば、PPSは、攻撃的な化学環境に対する抵抗力をもたらすと共に、厳しい許容範囲への精密成形も可能にする。さらにPPSは、熱的に安定しており、難燃剤添加物がなくとも本質的に不燃性であって、優れた誘電/絶縁性を有している。その他の特性には、寸法安定性、高い弾性率、及び耐クリープ性が含まれる。PPSの有益な特性は、1つには、その分子構造の安定した化学結合に起因しており、安定した化学結合は、例えば熱劣化及び化学反応性の双方に対して比較的高度の分子安定性を与える。
PPSの一般的な分子構造は、下に示すように、交互の芳香(フェニレン)環と硫黄原子(パラ置換パターン)から成るポリマーである。
Figure 2008531791

この分子構造は、容易に熱的に安定な結晶格子にまとまる(pack into)ことができ、最高約285℃以上の高い結晶融点を有する半結晶性ポリマーであるPPSを与える。PPSは、その分子構造故に燃焼中に炭化する傾向があり、そのためこの材料は、前述のように本質的に難燃性となる。さらに、この材料は、通常、約200℃よりも低い温度では溶媒に溶解しない。
PPSは19世紀後期に初めて発見されたが、多くのエンジニアが長年にわたって工業的用途のためのPPSを製造する試みに失敗したため、工業材料としてのPPSの歴史は比較的浅い。しかし、1967年にオクラホマ州バートルズヴィルのフィリップスペトロリアム社(Phillips Petroleum Company)は、以下のように、パラジクロロベンゼンと硫化ナトリウムを合成してPPSを製造する方法を考案した。
Figure 2008531791
この縮合重合(又は段階重合)は、PPSの工業規模の商業化の始まりとなった。1972年に、フィリップスペトロリアム社はPPSの商業的な規模の製造を開始し、このPPSは、熱抵抗性及び化学抵抗性、不燃性、並びに電気的特性の効果的なバランスを有することですぐに有名になった。今日では、PPSは、テキサス州ウッドランズのシェブロンフィリップスケミカル社LP(Chevron Phillips Chemical Company LP)により、商品名Ryton(登録商標)として製造販売されている。
一般に、PPSは、極性有機化合物の存在下、重合条件下で、ジハロゲン化芳香族化合物を硫黄源と反応させることにより調製することができる。N−メチルピロリドン(NMP)などの極性有機化合物は、通常、重合中に反応物とPPSポリマーを溶液状態に保持する有機溶媒である。重合混合物には、アルカリ金属塩などの分子量調節剤を任意で加えてもよい。典型的には、この重合反応混合物は水相及び有機相を含み、PPSポリマーは、主に有機相に溶解している。通常、反応物の大部分が重合した後、反応混合物を冷却して重合を終了し、溶液からPPSポリマーの固体を沈殿させることができる。例えば、反応混合物の圧力を低下させ極性有機化合物(例えばNMP)をフラッシュすることによって、又はさらにNMPを混合物に加えてその混合物を冷却(クエンチ)することによって、このような重合の冷却を達成することができる。存在するNMPをフラッシュするか、さらなるNMPでクエンチするかの選択は、特定の製造プラントのデザインとPPSの特定のグレードとに依存することがある。さらに、この選択は、プロセスの経済性と共に、ポリマーバルクの特性、形態、粒径などに影響を及ぼすことがある。
終了ステップにおいて代替となる別の方法は、水を反応混合物に加えることによって、重合を冷却(又はクエンチ)するといったものである。NMPクエンチに対して水クエンチでは、通常はPPSの粒径がより大きくなり、このPPSのより大きな粒径は、重合において形成される望ましくない固体成分からのPPS生成物の分離を容易にすることができる。というのは、望ましくない成分、例えば残留塩及び粘着物は、通常は比較的小さい粒径を有するからである。しかし、水クエンチに関する問題点は、加えられる水が多すぎる場合、PPSの粒径(平均直径)が下流の分離/処理機器に対して大きくなりすぎて、機器の損傷又は停止、不良品のPPS、PPSの汚染等といった結果となることがあることである。反対に、加えられる水が少なすぎる場合、PPS粒径が小さくなりすぎて、分離された望ましくない成分の流れと共に流出してしまいPPSの損失を招くことがある。
問題を複雑にするのは、クエンチの直前に反応器内に存在する水の量が変化し、通常はわからないということである。さらに、PPS特性に影響を及ぼすのは、反応器内の総水量であり、加えられたクエンチ水だけの量ではない。反応器に入る原料の上流での脱水が非効率的であること、及び水が反応器内のPPS(縮合)重合の生成物となる場合があることにより、クエンチ前に水が、反応器内に存在することがある。
クエンチ中の反応器内の水の総量と製造されるPPS粒径の一般的相関が知られているが、ここでも、存在する水の量(及び濃度)は通常、わからないので、どれくらいのクエンチ水を加えるのかを決定することが問題となる。PPS製造工程では、反応器内に水がどの程度存在するかに関してや、クエンチ水をどの程度加えるかに関しては、人間のオペレータが通常、経験、試行錯誤、操作状態の「感覚」などに基づいて推測する。
厳しい反応器条件が原因となって、水量を調べるための反応器混合物の実験室でのサンプリング又はオンラインサンプリングは問題を含む可能性があることに留意されたい。さらに、部分的に分散した水相及び有機相を含むことがある反応混合物から代表的な試料を取得することが難しい場合がある。また、検査には費用と時間がかかることがある。さらに、サンプリング及び分析中に、重合が進行することがあり、時には条件が望ましくなく変化することがある。
最後に、クエンチ液体を加えた後でさえも、PPSポリマーが反応器溶液中に実質的に溶解されたままであり得ることを説明する。この場合、クエンチ液体を加えた後に、反応器の内容物を反応器冷却システムによって冷却して、PPSを沈殿させることができる。適切な量又はタイプのクエンチ液体を最初に加えないと、制御冷却中の溶液から沈殿するPPS粒子が所望のサイズにならないことがある。通常、クエンチ水の量又はPPSポリマーの粒径を調整する機会は二度とない。
結論として、クエンチ前に反応器内に存在する水の量の判定には問題がある。というのは、1つには、NMPなどの他の液体成分が存在するからである。したがって、例えば、反応器レベル表示を使用することなどによる従来の容積測定で得られるのは混合物の量であり、水の量だけではない。したがって、反応のクエンチ(又はクールダウン)前に反応器内に存在する水の量を判定する技法が必要である。この技法はさらに、PPSの所望の粒径及びその他の特性を提供するために、クエンチ中の反応器内の総水量を制御するのにどの程度のクエンチ水を反応混合物に加えるべきかを決定すべきである。
本発明の効果は、以下の詳細な説明を読み、図面を参照すると明らかになるであろう。
以下に、本発明の1つ又は複数の特定の実施形態を説明する。これらの実施形態を簡潔に説明するために、実際の実施に関する全ての特徴が本明細書に記載されているわけではない。任意のエンジニアリングプロジェクト又は設計プロジェクトにおけるようないずれの種類の実際の実施の開発においても、関連するシステム及び事業に関連する制約との適合性などの、ある実施と別の実施とでは異なることがある開発者固有の目的を達成するために、多数の実施時固有の決定が行われなければならないことを理解されたい。さらに、このような開発努力は、複雑で時間がかかるとはいうものの、この開示の利益を有する当業者にとっては設計、製作、及び製造の日常業務であるということも理解されたい。
本技法の提示を容易にするために、本開示はいくつかの節に分けられている。第I節では、PPSプロセスと、クエンチ水の量を決定する技法を紹介している。第II節では、例示的なPPS重合混合物の成分及び条件について述べている。第III節では、例示的なPPSの製造で使用される機器及び方法と、PPSポリマーの応用及び最終用途について述べている。最後に、第IV節では、所望のPPS粒径とするためにPPS重合反応器に加えるクエンチ水の量を決定する技法について述べている。
I.序文
水クエンチ中のPPS重合反応器内の総水量が、ポリマーの粒径、かさ密度、及び微粒子生成、並びにPPSポリマーのその他の特性の制御にとって重要であるということは、PPS水クエンチプロセスの開発の初期において確立された。クエンチ中の反応器内の総水量(すなわち、ポンド、ガロン、又は濃度)とPPS粒径(すなわち、ミクロン単位の平均直径)との関係は、PPSの様々なグレード及びタイプに関して一般に知られている。問題は、クエンチ直前の重合反応器内の水量(及び水分濃度)が、通常はオペレータにわからないということである。この問題を受けて、本技法は、クエンチ前の重合反応器内の近似的水量を計算することができ、所望のPPS粒径(平均粒子径又はメジアン粒子径、粒径分布などとして表される)を生成するために反応器に加えるのに適切な量のクエンチ水を提供できる。後述するように、本技法は、重合混合物の気液平衡(VLE)に関する情報を利用して、クエンチの前に反応器内に存在している水分濃度を計算する。この計算は、反応器システムの変数、例えば反応器の温度及び圧力に基づいてもよく、例えば、上流の脱水プロセスの有効性、及び重合中に生成される水の量などの変化を考慮する。
一実施形態では、反応器14内の液体混合物は、水とNMPの理想的な二成分混合物であるものと仮定し、気相は飽和している、すなわち液相と気相が平衡状態にあるものと仮定する。これらを仮定し、反応器圧力及び反応器温度を入力情報とすると、ラウールの法則を使用して反応器混合物中の水分濃度(X)を計算することができる。
ラウールの法則
P=P°+P°
式中、Pは反応器内の全圧(計測値)であり、P°及びP°はそれぞれ水及びNMPの純粋成分蒸気圧であり、x及びxはそれぞれ水及びNMPの液体モル分率である。後述するように、純粋成分蒸気圧は、反応器温度を入力情報として、アントワンの式などの適切な蒸気圧式を使用して計算することができる。最後に、この混合物は二成分のものとされるので、xに式(1−x)を代入することができ、これにより水のモル分率xが解る。水のモル分率が求められると、次いで反応器内の液体体積に基づいて、反応器内に存在する水の量を計算することができる。次いで、所望のPPS粒径をもたらす所望の総水量に基づいて、クエンチ水の量を決めることができる。
本技法は、人間の操作経験に基づくクエンチ水の量の試行錯誤による推定に対する飛躍的な向上であり、反応器内に存在する水分濃度の直接測定に関連する欠点を回避する。その結果、重合反応器内のPPSの平均直径すなわち粒径(又は粒径分布)に改善されたより効果的な制御を行える。本技法は、通常、望ましくなくPPSの小粒子の生成を防止し、最も重要なPPS生成物と、より小さい粒径を有する傾向がある塩及び粘着物などの不用な物質との選別を容易にする。さらに、この改善された粒径制御により、下流の選別装置に損害を与えることがあり、休止時間と維持費の増大という結果になることがある、望ましくないより大きな粒子の生成が低減される。要約すると、本技法は、PPS生成物の品質改善、PPS損失の減少、休止時間の短縮、運転維持費の削減などを可能にする。
II.ポリフェニレンサルファイド(PPS)の重合
A.PPS重合反応混合物の成分
PPSポリマーは、一般に、重合条件下で少なくとも1つのジハロ芳香族化合物、硫黄源、及び極性有機化合物を接触させることによって製造することができる。
1.PPS重合反応物
2種類の主要な反応物は、ジハロ芳香族化合物と硫黄源である。
a.PPS反応物としてのジハロ芳香族化合物
使用することができるいくつかのジハロ芳香族化合物は、式
Figure 2008531791

で表すことができる。式中、各Xは、塩素、臭素、及びヨウ素から選択することができ、各Rは水素及びヒドロカルビルから選択することができ、ここではヒドロカルビルは、アルキル基、シクロアルキル基、若しくはアリール基、又はアルカリール、アラルキルなどのそれらの組合せとすることができ、各分子の総炭素原子数は、6〜約24の範囲にある。ハロゲン原子は、ジハロ芳香族化合物の任意の位置とすることができるが、当技術においては、ジハロ芳香族化合物としてp−ジハロベンゼン類を使用するのが一般的である。使用できるp−ジハロベンゼン類の例には、p−ジクロロベンゼン(DCB)、p−ジブロモベンゼン、p−ジヨードベンゼン、1−クロロ−4−ブロモベンゼン、1−クロロ−4−ヨードベンゼン、1−ブロモ−4−ヨードベンゼン、2,5−ジクロロトルエン、2,5−ジクロロ−p−キシレン、1−エチル−4−イソプロピル−2,5−ジブロモベンゼン、1,2,4,5−テトラメチル−3,6−ジクロロベンゼン、1−ブチル−4−シクロヘキシル−2,5−ジブロモベンゼン、1−ヘキシル−3−ドデシル−2,5−ジクロロベンゼン、1−オクタデシル−2,5−ジヨードベンゼン、1−フェニル−2−クロロ−5−ブロモベンゼン、1−(p−トリル)−2,5−ジブロモベンゼン、1−ベンジル−2,5−ジクロロベンゼン、1−オクチル−4−(3−メチルシクロペンチル)−2,5−ジクロロベンゼン等、及びそれらの任意の2種類以上の混合物がある。PPSの重合で使用される典型的なジハロ芳香族化合物は、その入手容易性及び有効性によりp−ジクロロベンゼン(DCB)である。
b.PPS反応物としての硫黄源
PPS重合プロセスで使用することができる硫黄源には、例えば、チオ硫酸塩、チオ尿素、チオアミド、元素硫黄、チオカルバメート、金属二硫化物及び酸硫化物、チオカーボネート、有機メルカプタン、有機メルカプチド、有機硫化物、アルカリ金属硫化物及び二硫化物、硫化水素などがある。硫黄源としてアルカリ金属硫化物を使用することは当技術において一般的であり、アルカリ金属硫化物には、硫化リチウム、硫化ナトリウム、硫化カリウム、硫化ルビジウム、硫化セシウム、及びそれらの混合物が含まれ得る。一般に、アルカリ金属硫化物は、水和物として又は水性混合物として使用される。水性混合物の場合、後述するように、アルカリ金属硫化物は、アルカリ金属水酸化物とアルカリ金属二硫化物との水溶液中の反応によって調製できる。PPS重合の硫黄源として使用される一般的なアルカリ金属硫化物は、硫化ナトリウム(NaS)であり、硫化ナトリウムは、水硫化ナトリウム(NaSH)と水酸化ナトリウム(NaOH)を水溶液中で混合して脱水することによって調製できる。
2.極性有機化合物(有機溶媒を含む)
PPSポリマーの製造で有用な極性有機化合物は、典型的にはジハロ芳香族化合物及び硫黄源の溶媒である極性有機化合物であり、したがって重合中にジハロ芳香族化合物及び硫黄源を溶液状態に保持する極性有機化合物である。一般に、このような極性有機化合物の例には、ラクタムを含むアミド類、及びスルホン類がある。具体的には、極性有機化合物には、ヘキサメチルホスホルアミド、テトラメチル尿素、N,N’−エチレンジピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、ピロリドン、カプロラクタム、N−エチルカプロラクタム、スルホラン、N,N’−ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、低分子量ポリアミド類などが含まれ得る。典型的に使用される極性有機化合物は、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)である。
3.その他の成分(付加反応物を含む)
重合反応混合物において及び/又は重合中に、その他の成分を使用することができる。例えば、アルカリ金属カルボン酸塩、ハロゲン化リチウム、又は水などの、分子量調節剤又は増加剤を重合中に添加又は生成できる。使用することができるアルカリ金属カルボン酸塩には、式:R’COMを有するものがあり、式中、R’はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、アリールアルキル基から選択されるヒドロカルビル基であり、R’中の炭素原子数は1〜約20の範囲であり、Mはリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、及びセシウムから選択されるアルカリ金属である。アルカリ金属カルボン酸塩は、水和物として、又は水溶液若しくは水分散体として使用できる。PPSプロセスにおいて一般的に用いられるアルカリ金属カルボン酸塩は、その入手容易性及び有効性により酢酸ナトリウム(NaOAC)である。
さらに、コモノマー類などの反応物も含ませることができる。そのようなコモノマー類として、典型的には、トリクロロベンゼンなどの3個以上のハロゲン原子を有するポリハロ芳香族化合物がある。例えば、3個以上のハロゲン置換基を有するポリハロ置換芳香族化合物を、枝分かれした比較的高分子量のポリ(アリーレンスルフィド)ポリマー類を調製するために反応物として使用できる。使用する場合には、ポリハロ置換化合物として1,2,4−トリクロロベンゼン(TCB)を使用するのが当技術においては一般的である。
さらに、反応物として、例えば使用される硫黄源がアルカリ金属二硫化物である場合には、塩基が使用できる。塩基を使用する場合、典型的には水酸化ナトリウム(NaOH)などのアルカリ金属水酸化物類を使用する。また、重合の終了前に酸性溶液を反応混合物に加えて、反応混合物の塩基性を低下させることもできる。このような塩基性の低下により、PPSポリマー中の灰分の原因となるポリマー不純物の量を減少させることができる。
B.PPS重合反応混合物の条件
1.反応物の比
通常、重合プロセスで使用する反応物の比は広範囲で変化してもよい。しかし、硫黄源に対するジハロ芳香族化合物の典型的モル比は、通常、約0.8〜約2の範囲であり、より一般的には0.95〜1.3である。場合によっては反応物として使用されるポリハロ置換芳香族化合物の量は、所望のポリマーのメルトフローをもたらす所望の枝分かれの程度を達成する量であってもよい。通常、ジハロ芳香族化合物1モル当たり、約0.0004〜0.02モルのポリハロ置換芳香族化合物を使用することができる。分子量調節剤としてアルカリ金属カルボン酸塩を使用する場合、ジハロ芳香族化合物に対するアルカリ金属カルボン酸塩のモル比は、通常、約0.02〜約4の範囲であり、より一般的には約0.1〜2であり得る。
2.硫黄源に対する溶媒及び塩基の比
使用される極性有機化合物の量もまた、重合中に広範囲で変化してもよい。しかし、硫黄源に対する極性有機化合物のモル比は、典型的には約1〜10の範囲である。水酸化ナトリウムなどの塩基が、重合反応混合物と接触する場合、モル比は通常、硫黄源1モル当たり約0.5〜約4モルの範囲である。
3.反応条件
反応混合物の成分は、任意の順番で互いに接触させることができる。反応物と共に導入してもよいいくらかの水は、特に相当量の水(例えば、硫黄源1モル当たり0.3モル超)がある場合には、脱水プロセスなどにおいて重合前に除去することができる。また、重合を行う温度は、通常、約170℃(347°F)〜約450℃(617°F)の範囲、より一般的には約235℃〜約350℃である。さらに反応時間は、1つには反応温度に応じて、広範囲で変化してもよいが、通常、約10分〜3日の範囲であり、より一般的には約1時間から約8時間である。典型的には、反応器圧力は、重合反応混合物を実質的に液相に維持するのに十分でありさえすればよい。このような圧力は、通常、約0ポンド/平方インチ(ゲージ)(psig)〜約400psigの範囲であり、より一般的には約150psig〜約250psigである。
C.重合反応の終了とPPSの回収
実質的な重合が生じる温度(約235℃)未満の温度まで反応混合物を冷却(熱の除去)することにより、重合を終了して反応混合物からのPPSの回収を開始することができる。重合反応混合物は、例えば、極性有機化合物(例えば、NMP)をフラッシュすることによって冷却することができる。その代わりに、さらに極性有機化合物を添加する又は反応混合物に水を加えることなどによってクエンチして、反応混合物を冷却してもよい。この反応は、反応混合物を重合抑制化合物に接触させるなどの他の様々な方法で終了させてもよい。重合の終了が、重合成分が完全に反応したことを意味しないということは明確にされるべきである。また、重合の終了とは、反応物の重合がそれ以上は起こり得ないということを意味しない。通常、経済的な理由から、重合が実質的に完了するとき、すなわち、さらなる重合によって生じるポリマーの分子量の増加が顕著でないときに、終了(及びPPSポリマーの回収)を始めることができる。
ポリマーの回収のために、冷却し反応を終了させることによってPPSポリマーの固体を溶液から生成し、次いでこの固体を、従来の手順によって反応混合物から分離することができる。このような手順には、例えば、ポリマーを濾過して水で洗浄すること、又は反応混合物を水で希釈し、次いでポリマーを濾過して水洗することなどがある。一般に、「フラッシュ」法、分離剤の使用、機械的分離などによってポリマーを回収できる。
回収したPPSポリマーを、さらに処理することができる。例えばPPSは、遊離酸素含有ガスの存在下で約480℃より高い温度で加熱することで、架橋及び/又は鎖延長によって硬化させることができる。過酸化物、架橋促進剤、及び/又は架橋防止剤などの架橋に影響を及ぼす物質をPPSに混入させてもよい。このような硬化したPPSポリマーは、一般に高い熱的安定性及び良好な化学抵抗性を有し、例えば、コーティング、フィルム、成形品、及び繊維の製造で有用である。また、PPSポリマーは最終的に、ポリマー、繊維強化材、充填材、色素、成核剤、抗酸化剤、紫外線安定剤、熱安定剤、カーボンブラック、金属活性低下剤、潤滑剤、可塑剤、腐食抑制剤、離型剤、色素、二酸化チタン、粘土、雲母、加工助剤、接着剤、粘着付与剤などのような様々な添加物とブレンドしてもよい。最後に、広範囲の用途及び産業のために、様々なコンポーネント又は製品へとPPSポリマーを形成又は成形することができる。このようなコンポーネント及び製品は、エンドユーザが受け取る前に、さらなる処理、組み立て、発送などを行ってもよい。
フラッシュ法の場合もクエンチ法の場合も、PPSポリマーは、通常、反応器内で重合が終了する前には溶液状態にあることは明確にされるべきである。フラッシュ法では、反応器溶液をフラッシュ容器に充填することができ、このフラッシュ容器で、NMPがフラッシュ除去されて、PPSポリマーと塩及びその他の望ましくない成分とが残る。このように、PPSの沈殿を促進するのがフラッシュ法である。しかしクエンチ法では、クエンチNMP又はクエンチ水が反応器に加えられた後にも、PPSポリマーは溶液状態のままとなることがある。したがって、反応器溶液を、例えば、冷却システムによって制御されたレートでさらに冷却することで、PPSを溶液から生成させことができる。しかし、PPSの粒径分布に影響を及ぼすのは、加えられるクエンチ水の量である。一般に、反応混合物中の水量が多いと、制御冷却中に反応混合物から沈殿するPPS粒子はより大きくなる。
D.PPS重合の例
1.PPS重合の第1の例
PPSポリマーは、50重量%水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液32.40kg(71.42ポンド)を60重量%の水硫化ナトリウム(NaSH)及び0.4重量%の硫化ナトリウム(NaS)を含む溶液39.34kg(86.74ポンド)と混合することによって調製することができる。この溶液と、酢酸ナトリウム(NaOAc)粉11.34kg(25ポンド)と、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)104.1L(27.5ガロン)とを(400rpmで)撹拌される反応器に加えることができ、次いで、この反応器を窒素によってパージすることができる。次に、この混合物を約172℃(342°F)まで加熱し、温度を約211℃(411°F)まで上昇させながら水を除去するために脱水することができる。次に、22.7L(6ガロン)のNMP中のp−ジクロロベンゼン(DCB)63.27kg(139.49ポンド)を反応器に充填することができる。混合物を約282℃(540°F)まで加熱し、その温度を約1.5時間保持することができる。次に、反応混合物を約282℃(540°F)でフラッシュしてNMPを除去し、PPSポリマーを固化させることができる。乾燥した充填ポリマーを周囲温度で454.25L(120ガロン)の脱イオン水で2回洗浄し、次いで濾過し、さらに177℃(350°F)で30分間、302.83L(80ガロン)の脱イオン水によって洗浄することができる。この溶液を濾過することにより、約26.76kg(59ポンド)のPPSを回収することができる。
2.PPS重合の第2の例
この例も、PPSポリマーの一般的な製法を示している。50重量パーセント水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液72.6ポンドと60重量パーセント水硫化ナトリウム(NaSH)水溶液86.8ポンドとの混合物を調製し、次いでその混合物、25ポンドの酢酸ナトリウム(NaOAc)粉及び27.5ガロンのN−メチル−2−ピロリドン(NMP)と共に(400rpmで)撹拌される反応器に加えることができる。次に、反応器を窒素によってパージすることができ、この反応混合物を加熱して、約410°Fまで温度を上昇させながら水分を除去することができる。次に、135.9ポンドのp−ジクロロベンゼン(DCB)及び6ガロンのNMPを反応器に充填することができる。次に、混合物を約460°Fまで加熱し、約35分間その温度を保持することができ、次いで510°Fまで加熱して90分間保持し、さらに最後に540°Fまで加熱した。
次に、大気圧より約1ポンド/平方インチ(psi)上の圧力に維持した容器内に制御弁によって反応混合物を反応器から取り出すことができ、それによって大部分のNMPが蒸発し、PPSポリマーが固化する。次に、乾燥した充填ポリマーを周囲温度で120ガロンの脱イオン水によって2回洗浄し、次いで濾過し、さらに350°Fで30分間、75gの水酸化カルシウムを含む約80ガロンの脱イオン水によって洗浄することができる。その後、この溶液を濾過することにより、PPSを回収することができる。
3.PPS重合の第3の例
この例も、周知の方法によるPPSポリマーの一般的な製法を示している。この典型的なPPS製法では、1リットル撹拌用ステンレス鋼反応器に以下のものを加えることができる:純度98.6%の水酸化ナトリウム(NaOH)ペレット40.97グラム(1.01g/molのNaOH)、及び再蒸留水40.0g(2.22g/mol)、二硫化ナトリウム水溶液(NaSH)(58.707重量%のNaSH)(1.00g/mol)95.49g、及びn−メチル−2−ピロリドン(NMP)198.26g(2.00g/mol)。反応器は、50psigの窒素の5圧力解放サイクル及び200psigの窒素の5サイクルで脱気することができる。次に、反応器及びその内容物を、100℃までゆっくりと加熱することができ、その結果、脱水口が開放され、32mL/分の速度の窒素流れを開始することができる。脱水は、約204℃の最終温度まで加熱しながら続けることができる。次に、脱水口を閉じ、充填シリンダを使用して、1.00g/molのNMP中に溶解した148.49gのp−ジクロロベンゼン(DCB)(1.0g/mol)を反応器へ充填することができる。充填シリンダを1g/molの追加のNMPですすぎ、これを反応器に加えてもよい。(次に、上記と同様のやり方で、反応器を再び脱気してもよい)。さらに、次に反応器を重合条件(235℃)まで2時間加熱し、続いて温度を260℃まで2時間上昇させて、PPSを製造することができる。
重合が終結すると、反応器を室温に冷却することができ、イソプロパノールを使用してPPSポリマー及びNMPの混合物を抽出することができる。反応器生成物を90℃で6回水洗し、粗い濾紙の上で濾過してPPS生成物を回収することができ、この生成物を8〜10時間フードの下に置いて乾燥させることができる。次に、このPPS生成物を真空オーブン内に配置し100℃で24時間乾燥させて、101.23gの乾燥PPSポリマー生成物を生成することができる。このPPS生成物の予想される押出速度は、72.71g/10分である。
III.ポリフェニレンサルファイド(PPS)の製造
次に図面にうつり、まず図1を参照すると、参照番号10で全体が示される例示的なポリフェニレンサルファイド(PPS)製造システムのブロック図が示されている。
A.水及びNMPの使用
研究所及びパイロット規模の施設におけるような、ある特定の用途では、フラッシュ終了(例えば、フラッシュNMP)とクエンチ終了(例えば、NMP又は水)の両方に対応するようにPPS製造システム10を構成することができる。しかし、一般に、商業的な規模のPPS製造設備は、フラッシュ終了又はクエンチ終了のうちの一方のために典型的には設計される。フラッシュ終了設計は、機器と資本コストを少なくすると共に、作業をより簡単明瞭にすることができる。それとは対照的に、クエンチ設備はより多くの機器を必要とするが、稼動中及びより広範囲の特性のPPSポリマーの製造においてより大きな柔軟性を与えることができる。
クエンチ作業の場合、本技法は、重合PPSに所望の平均粒形及びその他の特性をもたらすために、重合反応器14内の反応をクエンチするための水12の量を決定する。水クエンチによって、反応を冷却し、それにより重合を終了させ、通常、有機相に典型的には溶解しているPPSポリマーを望ましくは沈殿させて、溶液から生成させる。PPSポリマーの沈殿を促進するために、再度(例えば、反応器冷却システムによって)追加の冷却を行うことができる。次に、PPSポリマー生成物16を反応器14内の他の成分から分離することができる。
水クエンチの代替例は、代わりとしてN−メチルピロリドン(NMP)18などの有機溶媒を反応器14に加えることによって重合をクエンチすることである。これは、例えば、クエンチの前に過剰な量の水が反応器14内に存在する場合、及び水クエンチでは沈殿するPPSの粒径が大きくなりすぎる場合に有益であることがある。このような大きな粒径により、例えば、下流で処理上の問題が生じることがある。このように、水12の代わりにNMP18を加えて、反応をクエンチし、PPSの粒径を小さくすることができる。本技法を使用して、クエンチ前に反応器14内に存在する水量を判定し、したがってNMPクエンチが適切かどうか(又は、水12とNMP18の両方を使用する、より一般的でない組合せクエンチを実施するかどうか)を判断することができるということに留意されたい。他の要因が、水クエンチにすべきかNMPクエンチにすべきかの決定に影響を与えることがあることにも留意されたい。
別の代替例は、クエンチによってではなく、反応器14内に存在してもよい有機溶媒(例えば、NMP)のフラッシュによって反応を冷却することである。このようなフラッシュは、例えば、反応器14の圧力を低減することによって、又は反応器14の内容物を圧力のより低い方へ放出することなどによって達成することができる。指摘したように、フラッシュ終了を使用するPPS製造システム10内の関連機器は、クエンチ終了を使用するシステムのものとはかなり異なることがある。それでも、例えば、本技法を使用して、反応器14内のNMPをフラッシュする前に、フラッシュの条件を調整するために反応器14内に存在する水の量を判定することが有益である場合がある。
最後に、重合を終了するために、反応混合物を水クエンチするか、NMPクエンチするか、それともNMPフラッシュするかに関係なく、PPSの洗浄が終了しPPSが反応器14を離れる前に、水12を加えてもよい。さらに、反応器14から放出されるPPS16を水で洗浄してもよい。しかし、これらの水洗浄は、通常はPPSの粒径に影響を及ぼさない。
B.重合
前述のように、重合反応器14内での硫化ナトリウム(NaS)20などの硫黄源と、パラジクロロベンゼン(DCB)22などのジハロ芳香族化合物とを縮合重合することによって、PPSを製造することができる。反応混合物には、酢酸ナトリウムなどのその他の重合調整剤/添加物24を加えてもよい。通常、重合には発熱が伴い、したがって、重合反応器14は、ジャケット及び/又は内部冷却コイルを備えていてもよく、それらには、油、エチレングリコール、プロピレングリコール、水、及びその他の熱伝導流体などの冷媒を供給してもよい。最後に、反応器撹拌器又はかきまぜ器の使用などによる反応混合物の撹は、反応物同士の接触を改善すること、熱伝導を向上させること、水相と有機相を分散させることなどによって、重合を促進することができる。
硫化ナトリウム20は、水硫化ナトリウム水溶液(NaSH)26及び水酸化ナトリウム水溶液(NaOH)28の形態で供給することもできる。重合が起こる前に、これらの水溶液原料又は予備反応物を供給脱水容器又は反応器30内でNMP18などの有機溶媒の存在下で脱水することができる。脱水を実施する温度は、通常、約100℃〜約240℃の範囲である。圧力は、通常、大気圧をわずかに超えるところから約30psigまでの範囲である。
C.終了及び回収
前述のように、終了は、顕著な重合が生じる温度未満、典型的には235℃未満に重合混合物の温度を下げることによって達成することができる。重合反応の終了後に、従来の技法、すなわち濾過、洗浄、フラッシュ回収等によってPPSポリマーを回収することができる。上記のように、反応器14内における典型的なバッチ重合に続いて、PPSポリマー生成物16の所望のポリマータイプ又はポリマー特性を得るために、反応器内のPPSをフラッシュ又はクエンチすることができる。この例では、フラッシュタイプのポリマーは、反応後の混合物を大気圧ブレンダーにフラッシュすることによって形成することができ、ブレンダーで大部分のNMPが除去される。クエンチタイプポリマーは、追加のNMP18を加え、ポリマーを小さな顆粒として結晶化させることにより、又は水12を加え、ポリマーを比較的大きな顆粒として結晶化させることにより反応混合物を冷却して形成することができる。粒子形成に続いて、大部分のNMP及び/又は水は、例えばシェーカースクリーンを使用することによって、クエンチタイプのポリマーから除去することができる。クエンチしたポリマーは、NMP18及び/又は水12でさらに洗浄してもよい。様々なプロセスで使用されるNMPは、蒸留によって精製された後に再利用できる。
D.PPSポリマー及び下流の処理
バルク溶媒の除去後、PPSポリマーは、通常、(存在する場合には)反応調節剤、副生成物の塩化ナトリウム(塩)、及び残留NMPを含む残留不純物を除去するために洗浄する。このポリマーは、特定の要求に応じて、有機酸又は無機(例えばカルシウム源)添加物と共に水洗してもよい。さらに、通常、精製されたポリマーは乾燥される。PPSポリマーの洗浄及び乾燥は、重合反応器14、反応器14に隣接する関連機器、下流の樹脂処理/硬化システム31などで行うことができる。
ここで使用されるPPSは、以下の構造式
Figure 2008531791

で示される反復単位を少なくとも70モル%、一般的には90モル%以上含み、以下の構造式
Figure 2008531791

の1つ又は複数で示される反復単位を30モル%まで含んでもよい。
パイロットスケールで製造されたものであっても商業的スケールで製造されたものであっても、ブロック31で参照されるように、乾燥したPPSポリマーを特別な洗浄、ブレンド、硬化などによってさらに処理してもよい。例えば、遊離酸素含有ガスの存在下で、約480℃より高い温度で加熱することによる架橋及び/又は鎖延長によって、ポリマーを硬化させることができる。さらに、過酸化物、架橋促進剤及び/又は架橋阻害剤などの、架橋に影響を及ぼす物質をPPSに混入させてもよい。このような硬化PPSポリマーは、一般に高い熱的安定性及び良好な化学抵抗性を有し、例えば、コーティング、フィルム、成形品、及び繊維の製造に有用である。さらに、ブロック31又は32のいずれかに参照されるように、オンサイト又は別々の施設のいずれかにおいて、PPSポリマーは、ポリマー、繊維強化材、ガラス繊維及び炭素繊維、ミネラル、充填材、色素、成核剤、抗酸化剤、紫外線安定剤、熱安定剤、カーボンブラック、金属活性低下剤、潤滑油、可塑剤、腐食抑制剤、離型剤、酸化チタン、粘土、雲母、加工助剤、接着剤、粘着付与剤などの、様々な添加物とブレンドしてもよい。
PPSは、ブロック32で参照されるように、様々な処理、機器、及び作業で所望の形状及び複合材料に加熱成形することができる。例えば、当業者には理解されるように、PPSポリマーには、加熱、合成、射出成形、ブロー成形、精密成形、フィルムブローイング、押出成形などを施すことができる。さらに、前述したもののような添加物は、PPSポリマーと混合又は配合できる。このような技法の産物には、例えば、PPSポリマー、及びPPSポリマーから形成された製造コンポーネント又は製造部品を含むポリマー中間体又は高分子複合材料などが含まれる。これらの製造されたコンポーネントは、直接ユーザに販売しても届けてもよい。一方、ブロック33に参照されるように、これらのコンポーネントをさらに処理し、例えば製造産業、消費財産業、自動車産業、及び電気/電子産業における最終製品に組付けてもよい。多種多様な応用及び用途は、PPSの有利な特性から恩恵を受けることができ、したがって、ブロック32及び33に示す様々な処理及び作業で、PPSポリマーを有するコンポーネント又は製品の各種取り合わせを、製造又は組み立てることができる。
E.PPSポリマーの応用及び最終用途
PPSポリマーを取り入れた幅広い家電製品又はコンポーネントをいくつか挙げると、例えば、電気毛布のサーモスタット、フライパンの取手、ヘアドライヤーのグリル、コーヒーウォーマーのリング、カールアイロンの絶縁体、スチームアイロンの弁、トースターのスイッチ、衣類乾燥機のスイッチ、洗濯機のポンプ、食器洗い機のポンプ、こびり付き防止調理器具コーティング、及び電子レンジのターンテーブルがある。PPSの例示的な業務用機器製品には、プリンタ用紙ガード、複写機のギア、ファックスのヘッド、及び健康/科学器具のコンポーネントが含まれる。PPSで構成される家庭用及び自動車用照明製品には、例えば、反射器、反射器ハウジング、電球ハウジング、ソケットベース、及びバラスト部品が含まれる。
自動車制動システムでのPPSの応用には、アンチロック制動装置(ABS)、モーター部品、電気ブレーキ、ABS制動ピストン、ブースターピストン、及びバルブ本体が含まれる。PPSポリマーの自動車冷却システムへの応用には、ヒーターのコアタンク、サーモスタットハウジング、水ポンプのインペラー、延長チューブ、弁部品、取水口/出水口接続部が含まれる。さらに、PPSを取り入れた自動車電気システムのコンポーネントには、例えば、交流発電機コンポーネント、スイッチ、コネクター、点火コンポーネント、モーターブラシカード、及びセンサが含まれる。燃料系統への応用には、いくつか例を挙げると、燃料流量センサ、燃料ポンプコンポーネント、スロットル本体/解除装置、燃料ライン用コネクター、燃料レール、及び燃料噴射器ボビンが含まれる。また、PPSから形成されるパワートレイン/トランスミッションコンポーネントには、ロックアップカラー(lock−up collar)、サーボピストン及びサーボカバー、エンジンガスケットキャリア、シールハウジング、シフトカム/フォーク、ステーター、並びにトランスミッションピストンが含まれることがある。
PPSの電気及び電子機器への応用は、住居用途、商業用途、及び工業用途の広範囲にわたり、例えば、コンピュータシステム、計装制御システム、配電システムなどでの応用がある。PPSが取り入れられるコンポーネントの他の具体例をいくつか挙げると、電気コネクター、ターミナルブロック、電気リレー/スイッチ(例えば、リレーコンタクトベース)、回路遮断器ハウジング、及び、電気部品用、電子部品パッケージ(例えば、コンデンサ封入ハウジング)用、コンピューターのメモリモジュールソケット用、チップキャリアソケット用、ハードディスク装置コンポーネント用の高温ハウジングがある。
PPSは、商業用途及び工業用途の様々なコンポーネント及び製品に取り入れることができる。例えば、PPSの暖房、換気、及び空調(HVAC)の応用には、圧縮器マフラー、送気管コレクター(flue collector)、二次熱交換器ヘッダ、燃料油ポンプ、熱水循環コンポーネント、電動排気コンポーネント、サーモスタットコンポーネントなどが含まれる。PPSの工業用途のその他の例には、遠心ポンプのインペラー、ケミカルポンプの羽根、錆止めコーティング、及び石炭専焼火力発電所の排ガス用のフィルターバッグが含まれる。
F.PPS重合反応器
図2は、図1の重合反応器14と反応器混合物40から望ましくない固体38を除去してPPSポリマー生成物16をもたらすためのシェーカースクリーン36とを含む例示的な重合反応器域34を表した図を示している。反応器14内の混合物40の液面は、参照番号42によって示されている。混合物40では、大きく描かれた粒子がPPSポリマー生成物16を表している。反対に、小さく描かれた粒子は、塩及び粘着物などの望ましくない固体38を表している。しかし重合中、混合物40が冷却されるまでは、一般にPPSポリマー16は(主に有機相にある)反応器混合物40中に溶解されており、通常は沈殿しない。
通常、重合は発熱を伴い、そのため熱を取り除く手段が必要なことがある。図示の実施形態では、反応器ジャケット44が反応器内容物(例えば、反応器混合物40)から熱を取り除く。また、反応器内に冷却コイルを採用して、反応器混合物40から熱を取り除くこともできる。油及びその他の熱伝導流体などの様々な冷媒を、反応器ジャケット44及び内部冷却コイルに供給することができる。この例では、冷媒は油であり、油供給源(OS)が参照番号46によって示され、油帰還先(OR)が参照番号48によって示されている。また、撹拌器50を使用して熱伝導を容易にすると共に、反応物同士の接触を促進し、(PPSを含む)反応器混合物40を溶液中に保持するのを助長することもできる。撹拌器50は、モーター52、ドライブ54、シャフト56、インペラー58などを含んでいてもよい。また撹拌器50には、単一又は二重のメカニカルシールなどのシールが使用されていてもよい。様々な撹拌器50(又はかき混ぜ器)の構成が実施可能である。
クエンチ、及び洗浄などのその他の目的で使用することができる水12は、反応器14の上部に導入されて示されている。NMP18、DCB22、及びNaS20などの様々な供給物は、反応器14の上部ヘッド上に導入されて示されている。しかし、供給物の入口は、反応器14の任意の適切な部分に設けることができる。さらに、制御弁及び内蔵デバイス(例えば、ノズル、噴霧器、スパージャー、浸漬管)などのようなフロー装置を使用することができる。例えば、有機化合物を反応器14に導入するためには、内部浸漬管を採用することが有益な場合がある。
プロセス変量を測定するために、当業者に周知の様々な計測器を設けてもよい。例えば、熱電対又は抵抗温度検出器(RTD)などの測温体60は、直接、反応器14内に挿入されても、反応器14に配置されているサーモウェル内に挿入されてもよい。温度表示は、例えば、測温体60に結合されたローカルゲージを用いて達成することができる。ゲージに加えて又はその代わりに、測温体60に結合された温度送信機は、分散制御システム(DCS)又はプログラマブル論理制御装置(PLC)などのプロセッサ又は制御システム62に温度信号を送信でき、プロセッサ又は制御システム62では、温度値がオペレータによって読み取られる、及び/又は様々な制御目的の入力情報として使用され得る。例えば、後述するように、反応器ジャケット44及び/又は冷却コイルを通る冷媒(例えば、熱伝導流体)の流速及び/又は温度を制御する際に、温度表示を使用して反応器温度を制御することができる。また温度表示は、反応器14の水量判定、及び反応器14に加えるクエンチ水の量の決定などに使用されてもよい。
さらに、圧力を測定するために、ダイアフラム又はブルドン管などの圧力素子64を反応器34上に設置してもよい。ローカルゲージは、測定圧力を表示するために素子64に結合されてもよい。ゲージに加えて又はその代わりに、圧力素子64に結合された圧力送信機は、圧力信号を制御システム62に送信できる。このように、温度表示の場合と同様に、反応器14の圧力表示は、オペレータによってその場で又は離れたところから読み取られ、反応器14内の水量を判定し、クエンチのために望まれる水12の量を決定するために使用され、制御システム62を介して様々な制御目的で使用され得る。
さらに、反応器レベル42は、図示の実施形態に示された差圧メーターなどのレベル素子66によって測定されてもよい。その他の例示的なレベル素子60には、反応器内に挿入される静電容量計又はインダクタンス計などの様々なセンサが含まれ得る。反応器14の圧力及び温度の場合と同様に、ローカルなレベル表示又は遠隔でのレベル表示が採用されてもよい。例えば、表示されるレベルは、反応器14内の水量の判定、反応器14に加えるクエンチ水の量の決定に使用すること、及び制御システム62を介した様々な制御目的の入力情報として使用することができる。
その他の様々な計装及び制御を、反応器14の周囲及び反応器14において採用してもよい。例えば、反応器ジャケット42及び/又はコイルを通る冷媒の流速は、入口導管及び/又は出口導管に配置されている流量オリフィス又は質量流量計で測定することができる。冷媒の流速は、全開でも、制御システム62及び/又は適切な弁構成によって(自動的に又は手動で)制御されてもよい。所望の流速は、実質的に一定の質量流量又は体積流量に設定されてもよく、又は、例えば冷媒帰還先48の温度及び/又は反応器14の温度を制御するために変更されてもよい。
さらに、反応器14への供給物(例えば、水12、NMP18、NaS20、及びDCB22供給物)の計量も、通常は測定制御される。このような流量測定は、例えば(機械制御を含む)流量積算器によって、又は(例えば、差圧を利用する)質量流量計若しくは流量オリフィスによって達成することができる。さらに、流量表示は、反応器レベル44などの変化に基づいていてもよい。反応器14への供給物は、例えば、その場又は遠隔で、自動又は手動で、手動弁又は自動制御弁を用いて制御され得る。
一般に、制御システム62及びその他のプロセッサをベースとするシステムは、図1及び図2の両方に示されるような作業などの、PPS製造システム10における様々な作業を制御できる。当業者には理解されるように、制御システム62は、適切なハードウェア及びソフトウェア(例えば、コード)を用いて構成することができる。さらに、具体的には、制御システム62はハードウェア/ソフトウェアを用いて構成されて、反応器14の圧力、温度、及びレベルの測定値を自動的に読み込み、自動的に反応器14内の水量を計算し、クエンチ水12の所望の量を自動的に算出することができる。また、制御システム62は、例えば、適切な制御方式によりクエンチ水12を反応器14へ追加する制御を自動的に容易にすることもできる。このような方式は、ソフトウェア論理及びコード、並びに制御弁、導管、計器などのような機器に依存することがある。
G.PPSの製造方法
図3を参照すると、例示的なPPS製造方法68のブロック図が示されている。まず、かなりの量の水を有する供給原料を、容器又は反応器で脱水することができる(ブロック70)。次いで、重合反応器内で、反応物、及び有機溶媒などのその他の成分を接触させることができる(ブロック72)。反応器14内で反応物を重合させてPPSを製造した後(図1参照)、重合を終了させることを要求することがある(ブロック74)。この時点で、重合を終了させるためのクエンチ水の量を決定することができる(ブロック76)。前述のように、PPSの特性は、反応器内の総水量(既存の水とクエンチ水)の影響を受けるため、加えるクエンチ水の量を決定するために、クエンチ前に反応器内に存在する水の量を求めることが望ましい。クエンチ中の反応器内の総水量とPPSの粒径との関係又は相互関係は公知である。クエンチ水の量が決定されると、次いで水を加え反応をクエンチすることができる(ブロック78)。クエンチ水を加えてPPSポリマーが溶液から生成されるのを容易にした後で、反応器ジャケット及び/又はコイル内の冷媒の温度を低下させることなどにより、反応器内容物に追加の冷却が実施できることに留意されたい。
また、クエンチ前に反応器内に存在する水の量が、比較的大きなPPS粒子をもたらすのに十分な量であってもよいことにも留意されたい。したがって、反応をクエンチするために、水の代わりにNMPを使用することもできる。すなわち、本技法を使用して計算された量のクエンチ前における反応器内の水は、クエンチ水の追加を必要としないが、その代わりに、水クエンチに代えてNMPクエンチが有益であることを示すことがある。最後に、図3に示す製造方法68の様々な行為の順序は変更可能であることを強調しておく。
IV.クエンチ水の量の決定
一般に、クエンチ水の量の決定には、重合混合物の気液平衡(VLE)を利用できる。使用することができる特定の関係式は、ダルトンの分圧の法則であり、この法則は、混合物の全圧は個々の成分の分圧の和に等しいということを示している。
ダルトンの分圧の法則
P=p +p +p +...
式中、Pは全圧であり、pは個々の成分の分圧である。例えば、本明細書においては、反応器温度にある反応器14の混合物中の個々の成分(例えば、水、NMP、その他)の分圧の和は、反応器の全圧に等しい。後述するように、この関係式は、クエンチ前の反応器14の混合物中の水分濃度を計算するのに使用することができる。
混合物の所望の精度及び/又は条件に応じて、この計算は、反応混合物が理想的であると仮定することができる、又は反対に、混合物の理想的でない挙動を考慮に入れることができる。当業者には理解されるように、理想的でない挙動のための例示的な補正には、ファンデルワールス定数、液相の活量係数、気相及び液相の純粋成分のフガシティー、ビリアルの状態式、ベネディクトウェッブルービン(Benedict−Webb−Rubin)式、圧縮因子(状態式)などの使用が含まれる。
A.重合反応器の水量の計算
1.水のモル分率を求めるためのラウールの法則の使用
一実施形態では、この計算は、反応混合物が水と極性有機化合物(例えば、NMP)の理想的な二成分混合物であると仮定している。さらに、この例では、この計算は、気相及び液相が平衡状態にあると仮定しており、したがって個々の成分の分圧は、個々の成分(すなわち純粋成分)の蒸気圧に等しい。したがって、ダルトンの分圧の法則は、ラウールの法則に換算することができる。
ラウールの法則
P=P°+P°
式中、Pは全圧(例えば、反応器圧力)であり、P°及びP°は(例えば、それぞれ水及びNMPの)純粋成分蒸気圧であり、x及びxは液相にある二成分(例えば、水及びNMPの)モル分率である。また、xを二成分系の1−xとして表すことができるので、水(x)のモル分率は次のように求められる。
求められた水のモル分率
=(P−P°)/(P°−P°
このように、水のモル分率は、全体(反応器)の圧力Pと、システム(反応器)温度におけるP°(水)及びP°(NMP)の純粋成分蒸気圧とに基づいて計算することができる。したがって、2つの基本的な入力情報は反応器圧力及び反応器温度であり、これらはいずれも測定値である。純粋成分蒸気圧は、反応器温度とアントワンの式などの適切な蒸気圧式とを使用して求めることができる。
アントワンの式
Log10P°=A−B/(T+C)
式中、P°は蒸気圧であり、A、B、及びCはアントワン係数であり、物質ごとに異なる。例えば、水について一覧にされたアントワン係数(定数)は、システム温度Tが60〜150℃の範囲、蒸気圧P°がmmHg又はトール単位の場合、A=7.96681、B=1668.21、及びC=228.0である。アントワン式は、(10トール超の蒸気圧で)ほとんどの揮発性物質に対して数パーセントの精度である。
さらに、アントワンの式により計算された純粋成分(すなわち、水及びNMPの)蒸気圧は、単に反応器温度Tの関数である。クエンチ水の計算の場合、蒸気圧は、通常、クエンチ直前の反応器温度に基づいて計算することができる。しかし、蒸気圧並びにPPS反応器内の水量及び水分濃度に関する本技法に含まれる算出方法論は、処理時間の任意の時点、すなわち重合前、重合中、クエンチ直前、クエンチ中、クエンチ直後、クエンチのずっと後、PPSポリマーの洗浄中などに使用することができる。このような計算は、沈殿した固体の存在、他の液状成分の存在、理想的でない条件の存在などの追加の変数を考慮することができる。
さらに、他の適切な式を、純粋成分蒸気圧を判定するために利用できる。例えば、当業者には理解されるように、クラウジウス−クラペイロン式lnP=−ΔHvap/RT+C(式中、Rは気体定数であり、Cは材料定数である)を用いて、NMPと水の両方の純粋成分蒸気圧を計算することができ、lnPは、反応器温度T及び気化熱ΔHvapの関数である。このように、この式が使用される場合、対象とする温度で気化熱を求めてもよく、又は、実験データが利用できる場合には、クラウジウス−クラペイロン式は(対数軸にプロットされた直線形の式によって明確となる)図式解法を提供できる。純粋成分蒸気圧データの他のソースには、AICHE Design Institute for Physical Properties(DIPPR)によって作成されたデータベースなどのデータベースが含まれる。この種のデータベースは、対象とする(すなわち、クエンチ直前の)反応器温度におけるNMP及び水の純粋成分蒸気圧値を提供できる。結論として、多くの方法が純粋成分蒸気圧を求めるために利用できることを強調しておく。
2.クエンチ水の量を得るための減算
水の割合が算出されると、次いでクエンチ水量を、存在する水の量をクエンチ中の所望の総水量から減算することによって求めることができる。所望の計算形式又は計算単位に対応するために、データを変換してもよく、データには(1)濃度(例えば、モル分率、質量分率等)、又は(2)質量(例えば、キログラム、ポンド等)、又は(3)体積(例えば、ガロン、リットル等)などを使用できる。つまり、本技法は、ポリフェニレンサルファイド(PPS)重合反応器に加えるクエンチ水の量を決定して、反応器内のPPSの粒径及びその他の特性をさらに一貫して制御する。
B.クエンチ水の量を計算する方法
図4は、図3のブロック76に対応し、図1に示した重合反応器14などの重合反応器を加えるクエンチ水(又は、その他の同様のクエンチ流体)の量を決定する方法76を示している。この例では、反応器14の混合物は、蒸気が飽和した水及びNMPの理想的な二成分混合物であるものと仮定する。まず、反応器14の温度を測定して(ブロック76A)、反応器内の水(P°)とNMP(P°)の純粋成分蒸気圧の計算に使用する(ブロック76B)。純粋成分蒸気圧の計算は、例えば、アントワンの式を用いて実施することができる。さらに、反応器14の圧力を測定することができる(ブロック76C)。この反応器14の測定した圧力及び算出した純粋成分蒸気圧に基づいて、反応器流体中の水分割合を、例えば、前述のラウールの法則を使用して計算することができる(ブロック76D)。
特定の用途では、分数又は百分率(図5及び図6参照)によって濃度として反応器内の水を評価することが有益であることがある。例えば、反応器14内の流体レベル(図1及び図2参照)が、重合の度に実質的に同じである、又は、水分濃度が、絶対水量よりも有効な指標である(例えば、履歴データが濃度に基づく)場合、ブロック76Eで参照されるように、クエンチ水の決定は直接、反応器内に存在する水の濃度(例えば、モル分率)に基づくことができる。反応器14内の水分濃度は、(水及びNMPの密度に基づく)水の重量パーセント又は質量分率、(反応器14内の液体の総体積に基づく)水の体積、(液体の総体積と水及びNMPの密度に基づく)水の質量などのような、様々な表現に変換できることに留意されたい。
さらに、反応器内の総液体量を測定し(ブロック76F)、この総液体量に水分割合を乗じることによって反応器内の水の絶対量(すなわち、ガロン又はポンド)を計算できる(ブロック76G)。反応器内の流体の総量は、例えば、サイトグラス又は差圧メーターなどのレベル素子又はインジケーターで直接測定することができ、このレベル表示は、反応器14の幾何形状に基づいて容易に体積表示に変換することができる。ブロック76Iで参照されるように、次いで、反応器14に加えるクエンチ水の量を、(所望のPPS粒径を与えるために)反応を終了するために望まれる総水量から反応器内に存在する水の量を減算することによって計算することができる。前述のように、所望の総水量は、水とPPS粒径(例えば、ミクロン単位の平均直径)との周知の相関関係に基づいていてもよい。
最後に、前述のように、プロセス変量を測定することから、物理的にクエンチ水を反応器14に加えることに対する様々な計算を実施することまでの範囲の全ての動作は、手動若しくは自動で、又はそれらの組合せで実施されてもよいことも明確にされるべきである。測定値の自動読み取り、計算作業、及びプロセス制御は、例えば、適切なソフトウェアコード、ハードウェア、及び機器を有する制御システム62(例えば、DCS又はPLC)によって達成することができる。当業者には理解されるように、先に述べたものなどの、様々なプロセッサ、センサ、計装、バルブ構成、制御方式等を、PPSの製造の様々な機能及び本技法の制御に使用することができる。さらに、図4に示す方法76のそれぞれの動作の順序は変更可能であることを強調しておく。
C.加えられる水の量に対する計算されたモル分率の増加
図5は、反応混合物に加えられるクエンチ水の実際の量84に対する反応混合物中の水のモル分率の計算された増加82の代表的なプロット80である。前述のように、反応器の温度及び圧力とラウールの法則とを使用して、クエンチ前とクエンチ後の反応器内の水のモル分率を計算する。これらの2つモル分率の値の違いは、反応器14内の水のモル分率の増加82となる。データのクラスタリング、及びこの増加82と加えられる水の実際の量84との認識された比例関係は、本技法の使用を支持するものである。比例関係は、ラウールの法則の式の形で、及び理想的な二成分混合物(第IV節のパートA参照)によって、理論的に予想される。
プロットされたデータの表示に関して、6つのポイント86は加えられるクエンチ水がないということに相当し、反応混合物内の水の予想される計算値はほぼ増加しない(0増加)ままである。反応混合物に1ガロンのクエンチ水が加えられる場合、2つのポイント88は、約0.07の水のモル分率の計算された増加を示す。さらに、反応混合物に2ガロンの水を加えたところでは、7つのポイント90が、反応混合物中で約0.12の水のモル分率増加に相当する。計算されたモル分率増加82と加えられるクエンチ水の量84とのおおよその比例関係は、直線92で表されている。
D.クエンチ中の水のモル分率に対するPPS粒径
図6は、クエンチ水を加えた後の反応混合物中の水のモル分率97(総水分)に対するミクロン単位の平均粒径の直径96のプロット94の表示を示している。粒径96の値を測定する。モル分率97(総水分)の値は、ラウールの法則と反応器の温度及び圧力とを使用する上記の手法に基づいて計算する。円98、三角形100、及び正方形102によって表される3セットのデータは、それぞれ反応器撹拌器の3つの異なる回転速度、350回転数/分(rpm)、400rpm、及び450rpmに基づいてプロットされる。
第1のセットは、円98として描かれ、350rpmの撹速度に基づいている。約0.18と0.34の計算された水のモル分率では、測定されたPPS粒径(平均直径)が、それぞれ約550ミクロンと約1600ミクロンである。データの第2のセットは、三角形100として描かれ、400rpmの撹速度に基づいている。正方形102として描かれ、450rpmの撹速度に基づくデータの第3のセット(2つのポイント)は、約0.21の水のモル分率97で約1500ミクロンのPPS粒径96を示している。1つの解釈では、粒径96とモル分率97との関係は、モル分率97が低いとより急峻な傾斜で高まり、モル分率97が高いと漸近的になる。換言すれば、これらのデータを単一の曲線に当てはめると、水のモル分率97の関数として粒径96を表すこの単一の曲線は、水のモル分率97が低いうちは比較的急峻な傾斜でやや線形に上昇し、水のモル分率97が高くなると平坦になる。
粒径と計算した水のモル分率の値との関係は、低い撹速度で改善されるということがわかった。換言すれば、より少ないデータのばらつきは、通常、約500rpm未満の撹速度で実現される。最後に、これらのデータセット及び他の同様のタイプのデータを、人間のオペレータ又はエンジニアによって手動で、又はある制御方式で自動で利用して、例えば本技法のどの態様をどのように採用するかを決定できることに留意されたい。
本発明は、様々な変更形態及び代替形態が可能であるが、特定の実施形態が例として図面には示されており、本明細書で詳細に述べられる。しかし、本発明は、開示された特定の形態に限定されることが意図されてはいないということを理解されたい。むしろ、本発明は、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の趣旨及び範囲内にある全ての変更、同等物、及び代替物を包含すべきである。
本技法の一実施形態によるポリフェニレンサルファイド(PPS)を製造する例示的なシステムを示すブロック流れ図である。 本技法の一実施形態による図1に示した重合反応器の概略図である。 本技法の一実施形態による、PPS重合及びそれに続くクエンチの例示的な方法のブロック図である。 本技法の一実施形態による、PPS重合の終わりに加えるクエンチ水の量を決定する例示的な方法のブロック図である、 本技法の一実施形態による、加えられるクエンチ水の量に対する反応器内の水のモル分率増加についての計算値のプロットである。 本技法の一実施形態による、反応器撹速度(回転数/分(RPM))の関数及びクエンチ中の反応器内の水のモル分率の関数としてのPPS粒径(ミクロン)の平均直径のプロットである。

Claims (22)

  1. ポリフェニレンサルファイド(PPS)ポリマーの製造方法であって、
    容器内の反応混合物中の反応物を重合させて、容器内でPPSポリマーを形成するPPSプロセスを実施する行為と、
    容器内の圧力及び温度を測定する行為と、
    反応混合物に加えるクエンチ流体の量を決定する行為とを含み、
    クエンチ流体の量が圧力及び温度のうちの少なくとも1つと相関する、方法。
  2. PPSプロセスを実施する行為が、
    硫黄源及びジハロ芳香族化合物を含む反応物を容器に加える行為と、
    極性有機化合物を容器に加える行為とを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 硫黄源が硫化ナトリウム(NaS)を含み、ジハロ芳香族化合物がp−ジクロロベンゼン(DCB)を含み、極性有機化合物がN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を含む、請求項2に記載の方法。
  4. クエンチ流体の量を決定する行為が、反応混合物の気液平衡(VLE)に基づいて反応混合物中の水の割合を計算する行為を含む、請求項1に記載の方法。
  5. クエンチ流体が水を含む、請求項4に記載の方法。
  6. 容器の液面を測定する行為を含み、クエンチ流体の量が液面に相関する、請求項1に記載の方法。
  7. ポリフェニレンサルファイド(PPS)ポリマーの製造方法であって、
    重合反応器内の反応物同士を接触させて、重合反応器内の混合物中に溶解した状態のPPSポリマーを形成する行為と、
    クエンチ前の重合反応器内の混合物の水の量に相関する、重合反応器内の混合物に加えるクエンチ水の量を決定する行為とを含む、方法。
  8. 重合反応器の温度と圧力に基づいて、クエンチ前の混合物中の水の量を計算する行為を含む、請求項7に記載の方法。
  9. クエンチ水の量を決定することが、
    重合反応器の運転温度及び運転圧力を測定すること、
    運転温度での重合反応器内の混合物中の有機溶媒及び水の純粋成分蒸気圧を計算すること、並びに
    重合反応器の測定された運転圧力と計算された純粋成分蒸気圧に相関する混合物の水分割合を計算することを含み、
    混合物が、有機溶媒及び水の二成分混合物であるとみなされ、
    重合反応器内の混合物に加えるクエンチ水の量が、前記水分割合に相関する、請求項7に記載の方法。
  10. 重合反応器内の混合物のレベルを測定する行為と、
    混合物のレベルと水分割合に相関する混合物中の水の量を計算する行為とを含み、
    クエンチ水の量を決定することが、混合物中の計算された水の量を混合物中の所望の総水量から減算する行為を含む、請求項9に記載の方法。
  11. 混合物中の溶液から沈殿するPPSの平均粒径を変えるために、混合物中の所望の総水量を変更する行為を含む、請求項10に記載の方法。
  12. 決定された量のクエンチ水を重合反応器内の混合物に加えて、混合物中の溶液から沈殿する特定の平均粒径を有するを生成する行為を含む、請求項7に記載の方法。
  13. 反応物同士を接触させる行為が、有機溶媒中で硫黄化合物とジハロ芳香族化合物を接触させる行為を含む、請求項7に記載の方法。
  14. PPSポリマーの製造方法であって、
    反応器内の反応物同士を接触させて、反応器内でPPSポリマーを形成する行為と、
    反応器の圧力及び温度を測定する行為と、
    前記圧力又は温度或いはそれらの組合せに相関する、反応器に加えるクエンチ水の量を決定する行為と、
    クエンチ水を反応器に加えることによって、反応器内のPPSポリマーの重合をクエンチする行為とを含む、方法。
  15. 反応器に加えるクエンチ水の量を決定することが、反応器内の気液平衡(VLE)に基づく、請求項14に記載の方法。
  16. クエンチ水の量を決定することが、反応器内の圧力及び反応器内の温度を含む変数に基づいて、クエンチ前の反応器内の水の量を計算する行為を含む、請求項14に記載の方法。
  17. クエンチ中の反応器内の総水量が、PPSポリマーの粒径に関連している、請求項14に記載の方法。
  18. ポリフェニレンサルファイド(PPS)ポリマーを製造するシステムであって、
    PPS重合反応器と、
    PPS重合反応器に配置され、水源と連絡するクエンチ水の入口と、
    PPS重合反応器と連絡し、反応器の運転圧力を測定するように構成された圧力センサと、
    PPS重合反応器と連絡し、PPS重合反応器の運転温度を測定するように構成された温度センサと、
    運転温度及び運転圧力に基づいてクエンチ水の量を決定するように構成されたプロセッサとを含む、システム。
  19. プロセッサが、自動的にPPS重合反応器の運転圧力及び運転温度の測定値を受信し、前記測定値に基づいてPPS重合反応器に加えるクエンチ水の量を計算するように構成されている、請求項18に記載のシステム。
  20. プロセッサが、クエンチ水の重合反応器への追加の制御を自動的に容易にするように構成されている、請求項18に記載のシステム。
  21. クエンチ水の入口に連結された水導管に配置された制御弁を含み、前記制御弁が、クエンチ水のPPS重合反応器への追加を制御するためにプロセッサからの信号を受信するように構成されている、請求項18に記載のシステム。
  22. PPSポリマーを含む生成物の製造方法であって、
    少なくとも一部にPPSポリマーを含む生成物を製造する行為を含み、PPSポリマーが、
    反応器内の反応物同士を接触させて、反応器内でPPSポリマーを形成する行為と、
    反応器の圧力及び温度を測定する行為と、
    前記圧力又は温度或いはそれらの組合せに相関する、反応器に加えるクエンチ水の量を決定する行為と、
    クエンチ水を反応器に加えることによって、反応器内のPPSポリマーの重合をクエンチする行為とを含む方法によって製造される、方法。
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