JPH1087831A - ポリフェニレンスルフィドの製造方法 - Google Patents

ポリフェニレンスルフィドの製造方法

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JPH1087831A
JPH1087831A JP9139020A JP13902097A JPH1087831A JP H1087831 A JPH1087831 A JP H1087831A JP 9139020 A JP9139020 A JP 9139020A JP 13902097 A JP13902097 A JP 13902097A JP H1087831 A JPH1087831 A JP H1087831A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】顆粒状PPSを短縮されたサイクルで、さらに
未反応単量体の回収を容易ならしめたPPSの製造方法
を提供することを課題とする。 【解決手段】密閉した容器の中で、少なくとも1種の硫
黄源およびポリハロ芳香族化合物を有機極性溶媒中で重
合反応させ、重合反応後期に徐冷し、顆粒状のポリフェ
ニレンスルフィドを製造する方法に於いて、重合反応後
期に徐冷し、重合体の少なくとも50%以上が固形顆粒
状で存在し、かつ、密閉した容器の圧力が0.39×1
6 Pa以上である状態で、容器を放圧して、ガス相と
液相からなる重合反応混合物をガス抜きし、容器の圧力
を0.20×106 Pa以上減圧することを特徴とする
ポリフェニレンスルフィドの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリフェニレンス
ルフィドの製造方法として、特に顆粒状の重合体を得る
際に重合のサイクルを短縮しかつ未反応単量体の回収を
容易にする方法に関するものであり、ポリフェニレンス
ルフィド製造の増能力、単量体の効率的回収による原単
位削減により近年用途の拡大しつつある同重合体の供給
安定化、産業廃棄物削減に貢献せんとするものである。
【0002】
【従来の技術】ポリフェニレンスルフィド(以下PPS
と略す)はその高い耐熱性,耐薬品性、難燃性を活かし
自動車部品や電気機器部品などに使用されるための射出
成形用途やフィルム・繊維に使用されるための押出し用
途に近年次第に需要が拡大しつつある。
【0003】PPSの製造方法は大別して2種類に区別
でき、粉末状の重合体を得る方法と顆粒状の重合体を得
る方法がある。前者は重合後半に、重合反応混合物を高
温高圧でフラッシュし溶媒回収を容易ならしめんとする
方法であり、後者は重合後半に重合反応混合物を徐冷し
PPSを顆粒状に回収する方法である。このPPSの顆
粒状の回収としては、例えば、特公平1−25493号
公報に示される相分離系の利用や、特開昭59−492
32号公報あるいは特開平4−255722号公報に示
されるように徐冷による顆粒状PPSの生成がある。ま
たPPS収率向上に対しては、主に粉末状PPS製造法
ではあるが特開平4−275334号公報に記載されて
いる重合途中での反応系のガス抜き方法があるが、顆粒
状PPSの製造に於て更に生産性を向上させる方法が要
求されているのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、顆粒状PP
Sを製造する方法において、顆粒生成に長時間を要する
過程を短縮し、その生産効率を向上せしめ、かつ重合反
応混合物中から未反応単量体の回収を容易にする方法を
提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、
(1)密閉した容器の中で、少なくとも1種の硫黄源お
よびポリハロ芳香族化合物を有機極性溶媒中で重合反応
させ、重合反応後期に徐冷し、顆粒状のポリフェニレン
スルフィドを製造する方法に於いて、重合反応後期に徐
冷し、仕込み硫黄源に対し少なくとも50モル%以上が
固形顆粒状重合体で存在し、かつ、密閉した容器の圧力
が0.39×106 Pa以上である状態で、容器を放圧
して、ガス相と液相からなる重合反応混合物をガス抜き
し、容器の圧力を0.20×106Pa以上減圧するこ
とを特徴とするポリフェニレンスルフィドの製造方法、
(2)密閉した容器の中で、少なくとも1種の硫黄源お
よびポリハロ芳香族化合物を有機極性溶媒中で重合反応
させ、重合反応後期にガス相と液相からなる重合反応混
合物中の液相を液−液相分離させ、顆粒状のポリフェニ
レンスルフィドを製造する方法に於いて、重合反応混合
物中の液相を液−液相分離させ、仕込み硫黄源に対し少
なくとも50モル%以上が固形顆粒状重合体で存在し、
かつ、密閉した容器の圧力が0.39×106 Pa以上
である状態で、容器を放圧して、ガス相と液相からなる
重合反応混合物をガス抜きし、容器の圧力を0.20×
106 Pa以上減圧することを特徴とするポリフェニレ
ンスルフィドの製造方法、(3)顆粒状のポリフェニレ
ンスルフィドを製造する方法が、重合反応後期に液−液
相分離させるとともに徐冷するものである上記(1)ま
たは(2)記載のポリフェニレンスルフィドの製造方
法、(4)前記硫黄源がアルカリ金属硫化物、ポリハロ
芳香族化合物がジクロルベンゼンである上記(1)〜
(3)のいずれか記載のポリフェニレンスルフィドの製
造方法、(5)重合体混合物中にアルカリ金属カルボキ
シレートを含有することを特徴とする上記(1)〜
(4)のいずれか記載のポリフェニレンスルフィドの製
造方法、および(6)上記(1)〜(5)のいずれか記
載のポリフェニレンスルフィドの製造方法によりポリフ
ェニレンスルフィドを製造する際に、重合反応混合物を
ガス抜きすることにより、容器外へ留出した混合物から
未反応ポリハロ芳香族化合物を回収することを特徴とす
るポリハロ芳香族化合物の回収方法である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明では、PPS製造用の硫黄
源として使用に適している化合物としては、アルカリ金
属硫化物、アルカリ金属水硫化物、硫化水素及びそれら
の混合物などが挙げられ、アルカリ金属水酸化物と併用
することも都合良い。さらに具体的には硫化ナトリウ
ム、水硫化ナトリウムと水酸化ナトリウム、硫化水素と
水酸化ナトリウム等が挙げられる。また、分子量調整を
目的とした助剤として、アルカリ金属カルボキシレー
ト、スルホン酸塩、リチウム塩、水等の使用も可能であ
る。
【0007】ポリハロ芳香族化合物としては、70モル
%以上はp−置換ハロゲン化ベンゼンであることが好ま
しく、特にp−ジクロルベンゼンが好都合に使用され
る。30モル%未満の範囲では、共重合可能なm−、又
はo−ジクロルベンゼン、トリクロルベンゼン、ビフェ
ニル置換体、ナフタレン置換体も使用することができ
る。
【0008】重合反応に使用できる有機極性溶媒として
は、有機アミド、ラクタム、尿素、スルホンおよびそれ
らの混合物などが挙げられるが、適当な溶媒の例とし
て、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルカプロラ
クタム、ヘキサメチルホスホルアミド、テトラメチル尿
素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,4
−ジメチル−2−ピペラジノンおよびそれら混合物があ
る。好適な溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン
である。
【0009】本発明に於て、重合反応系中に仕込むポリ
ハロ置換芳香族化合物の量は広い範囲にわたって変動で
きるが、好ましくは硫黄源1モル当り0.90〜1.1
0モルの範囲、さらに好ましくは0.95〜1.05モ
ルの範囲で存在せしめることができる。このポリハロ芳
香族化合物の導入は、硫黄源および有機極性溶媒混合物
を脱水し、系内の含水率が硫黄源に対し0.3モル当量
以下にされた後にされることが、得られるPPSの分子
量を増大させる点から適当である。
【0010】重合反応には密閉可能な容器を用い、重合
反応後期にガス抜きするまでは容器を密閉した状態で重
合反応を行なう。
【0011】重合反応を実施する反応温度は、通常22
0〜370℃、好ましくは230〜350℃の範囲であ
り、反応時間としては通常、1〜20時間、好ましくは
2〜15時間の範囲内で行なわれる。用いる助剤の種
類、量にもよるが、反応時間を適宜選択することによ
り、得られる重合体の分子量を適宜変動させることがで
きる。
【0012】本発明において、顆粒状PPSとは100
メッシュ(149μm目開き)のフルイおよびフリィシ
ュ(Fritsch)社製の“アナリセット(Analysette)”型振
盪装置を用い、5分間振盪した際に補集される固形物を
意味する。
【0013】顆粒状のPPSは通常、重合反応後期に、
ガス相と液相からなる重合反応混合物中の液相が液−液
に相分離した系を徐冷中に得られるが、降温とともに顆
粒部分が増大してくる。重合反応混合物中には有機極性
溶媒、副生物としての水、その他故意に添加された水や
低沸点副生物が存在し、かなりの高圧の反応系となる。
PPSの品質に鑑み、重合中の溶媒は硫黄源1モル当り
2〜8モルの範囲で使用されることが好ましいが、この
ような条件では、反応容器内の圧力は、徐冷中、200
℃でも0.50×106 Pa以上、150℃でも0.3
5×106 Pa以上を示すのが通常である。
【0014】上記において徐冷は、約10℃/分よりも
遅い速度で徐冷する方法が好ましい。従来、この徐冷
は、重合反応混合物を、別の槽へ抜出す際、抜出し時の
突沸、装置の振動等不都合な事態が発生しない程度、例
えば150℃程度以下となるまで行なわれ、その後、別
の槽へ抜出し、有機溶剤や水による洗浄が行なわれる
が、重合のサイクルが長くなり、生産能力の低下をもた
らしてしまう。徐冷の調整は通常反応容器ジャケットを
冷却することにより行なわれるが、重合反応混合物の液
相温度を約10℃/分より遅い速度で冷却するよう外部
ジャケットを調整して行なわれる。
【0015】上述のように顆粒状のPPSは通常液−液
に相分離している状態から得られるが、その相分離を増
大せしめることは、顆粒状に回収される重合体の収率を
向上させるのに有利である。この相分離を増大せしめる
ためにはアルカリ金属カルボキシレートや水等の助剤の
存在が有効である。特に水に関しては重合途中、好まし
くは硫黄源の転化率が80%を越えた状態で添加するこ
とにより相分離を効果的にすることができる。
【0016】本発明の方法では、上記徐冷は、通常、密
閉された容器を放圧することにより、重合反応混合物を
ガス抜きするまで行なう。好ましくは重合反応後期に2
20℃以上で重合反応が行なわれた後、200℃以下と
なるまで徐冷する。ガス抜きは、重合体の少なくとも5
0%以上、好ましくは60%以上、さらに好ましくは7
5%以上が固形顆粒状に存在し、圧力が0.39×10
6 Pa以上、好ましくは0.45×106 Pa以上、さ
らに好ましくは0.50×106 Pa以上の状態で放圧
することにより行ない、それにより、圧力0.20×1
6 Pa以上減圧する。このガス抜きの操作により、そ
の後の重合反応混合物の抜出し操作を容易にすると同時
に、圧力低下のための外部からの冷却により従来長時間
要していたこの冷却操作を短縮し重合反応のサイクルを
短縮することが可能となる。このガス抜き時の温度は、
固形顆粒状PPSが少なくとも50%以上存在する状態
で行なう必要があり通常、180〜220℃の範囲まで
徐冷した段階で行なわれる。
【0017】放圧による減圧は0.20×106Pa以
上、好ましくは0.25×106以上行う。放圧による
減圧が少なすぎると、反応器を封じてから解放する間で
のサイクルの短縮の程度が小さくなる傾向にある。
【0018】固形顆粒状のPPSの存在比率は、重合後
期から徐冷途中の任意の温度で反応混合物を容器から抜
出し弁を通しサンプリングし、未反応の硫黄源および顆
粒状重合体量を直接定量することにより知ることが可能
であるが通常、重合反応混合物中の溶媒、水、重合助剤
の量および温度が決定されればほぼ予測することもでき
る。また圧力は、重合反応混合物中のガス相の圧力であ
り、反応容器内ガス相部に設置された圧力計感知部によ
り知ることができる。
【0019】ガス抜きは、重合反応槽に付属した弁の開
閉により調整する方法が便利であり、このガス抜きによ
り系内の温度が低下し重合反応混合物の抜出しには更に
有利となる。弁の開閉は、ボール弁、ニードル弁型等の
汎用の型式によりその開度を調整し、重合反応混合物の
突沸を防止する速度で行なわれるが通常20秒〜60
分、好ましくは1分〜50分の時間でガス抜き操作を完
了する。
【0020】ガス抜きにより系外へ導かれる物質は、未
反応の単量体、水、低沸点有機物、一部の溶媒などであ
り、特にこれら混合物から未反応単量体、例えばp−ジ
クロルベンゼンなどのポリハロ芳香族化合物を固液分離
又は蒸留により回収することを容易ならしめる。重合混
合物をガス抜きするのに適切な方法は、公知の方法で行
なうことが可能であり、例えば反応器に連結したバルブ
を操作することにより実施する。バルブを開放し、系外
へ導かれた物質は、必要であれば冷却し、集められる。
【0021】本発明により製造した顆粒状PPSは、有
機溶剤、水等による洗浄の後乾燥することができ、充填
剤、顔料、他ポリマー等とブレンドし使用することも可
能である。また単独に射出成形用や押出し用として使用
することも可能である。場合によっては、酸化性の雰囲
気下に加熱し硬化処理を加えることも可能である。
【0022】以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に
説明する。
【0023】
【実施例】実施例および比較例の中で述べられる測定法
について記述する。
【0024】メルトフローレート:ASTM D123
8−86に従って316℃、5Kgの荷重にて測定し
た。
【0025】平均粒径:100メッシュ(149μm目
開き)、80メッシュ、50メッシュ、30メッシュ、
20メッシュ、10メッシュおよび4メッシュ(4.7
6mm目開き)のフルイおよびフリィシュ(Fritsch)社
製の“アナリセット(Analysette)”型振盪装置を用い、
PPS100g、カーボンブラック(粒径<50μm)
1gを混合し、5分間振盪させ、各フルイ上の顆粒状P
PSの重量から分布を算出し、重量分布の1/2点での
粒径を平均粒径とした。
【0026】収率:得られたPPS樹脂のうち100メ
ッシュのフルイおよびフリィシュ(Fritsch)社製の“ア
ナリセット(Analysette)”型振盪装置を用い、5分間の
振盪により、補集されたPPSの重量を理論値の重量で
除して、その百分率を求めた。
【0027】比較例1(顆粒状PPSの製造−ガス抜き
なし−) 1リットル容量のオートクレーブに、硫化ナトリウム
(5水塩)1.000モル、安息香酸ナトリウム0.2
00モル、N−メチル−2−ピロリドン3.0モルを仕
込み、窒素気流下230℃まで撹拌下に加熱し少量の溶
媒を含有する留出水を除去した。留出水は4.80モル
を回収した。次に系内を175℃まで冷却し、固形状の
p−ジクロルベンゼン0.995モルを0.5モルのN
−メチル−2−ピロリドンとともに添加し系を封じ約
0.8℃/分の昇温速度で270℃まで昇温し、その温
度で2時間保持し、270℃一定に保持したまま高圧ポ
ンプにより1.0モルの水を系内へ10分間かけて添加
した。この時圧力は1.5×106 Paであった。次に
1.0℃/分で130℃まで徐冷したがこの温度での圧
力は0.19×106 Paを示していた。得られた顆粒
状PPSは約70℃のイオン交換水で7回洗浄後、13
0℃にて一昼夜真空乾燥した。なお洗浄、濾過は150
メッシュの金網を使用した。
【0028】反応器を封じてから開放するまでのサイク
ルは7.5時間であり、収率88%、メルトフローレー
ト130g/10分の顆粒状PPSを得た。このときの
平均粒径は1.2mmであった。
【0029】実施例1(本発明によるガス抜き) 比較例1と同様な仕込み量、脱水、重合方法によりPP
Sを合成したが反応器にはガス抜きを行なうため下部に
ボール弁付の開閉器を有する200ml耐圧滴下ロート
を付け上部はパイプを通して10%水酸化ナトリウム水
溶液中へ導く装置とした。270℃での保持、水添加を
全く同様に操作し200℃まで1℃/分で徐冷した。徐
冷直前の圧力は1.5×106 Paであり200℃時点
での圧力は0.83×106 Paであった。開閉弁を1
分間かけて全開とし常圧にした。全開後の温度は130
℃になり開閉弁上部のロート部には加熱された液状物が
留出した。反応器中のPPSは顆粒状であり比較例1と
同様の水洗・乾燥を行なった。
【0030】反応器を封じてから開放するまでのサイク
ルは6.4時間であり、収率88%、メルトフローレー
ト125g/10分の顆粒PPSを得、また、平均粒径
も1.2mmと比較例1と同等であり、重合サイクル短
縮により通常と同等以上のPPSが得られることが確認
できた。なおガス抜きにより留出した物質中には、約
0.015モルのp−ジクロルベンゼン、1.7モルの
水と少量の溶媒が検出され、p−ジクロルベンゼンの回
収に有利な混合物であることが判明した。
【0031】比較例2(高温、高圧下のガス抜き) 比較例1と同じ1リットルオートクレーブに、硫化ナト
リウム(5水塩)1.000モル、N−メチル−2−ピ
ロリドン2.8モルを仕込み、窒素気流下220℃まで
撹拌下に常圧下加熱し少量の溶媒を含む留出水4.75
モルを得た。系内を175℃まで冷却し、p−ジクロル
ベンゼン0.990モルを0.3モルのN−メチル−2
−ピロリドンとともに添加し、0.8℃/分の昇温速度
で270℃まで昇温し、その温度で3時間保持した後
2.2モルの水を高圧下に封入した。この時圧力は1.
8×106 Paとなっていた。次に270℃から240
℃まで1℃/分で徐冷した後、実施例1記載の方法と同
様にガス抜きを5分間かけて行ない内温を140℃、内
圧を常圧まで低下させた。PPSの洗浄は比較例1と同
様に行なった。
【0032】反応器を封じてから開放するまでのサイク
ルは5.0時間と短縮はされたが、ガス抜きの温度が高
温であったため、PPSの顆粒状の収率は45%であ
り、平均粒径も0.1mmと小さいものであった。なお
メルトフローレートは1600g/10分であった。な
おガス抜きにより得られた留出物中には0.018モル
のp−ジクロルベンゼン、2.9モルの水、0.95モ
ルのN−メチル−2−ピロリドンが検出された。
【0033】実施例2(本発明によるガス抜き) 比較例2の操作を200℃まで徐冷したことを除き同様
に繰り返した。徐冷し200℃に到達した時点での圧力
は0.95×106 Paであった。1分間のガス抜きに
より0.014モルのp−ジクロルベンゼン、3.0モ
ルの水、少量の溶媒の留出物を得、系内は135℃、
0.10×106 Paになった。
【0034】反応器を封じてからのサイクルは5.7時
間であったが、PPS収率は89%、平均粒径0.95
mm、メルトフロー1680g/10分の顆粒状物を得
た。なおガス抜きを行なわずに135℃まで外部から冷
却する場合には7時間程のサイクルになる。
【0035】比較例3(パイロットスケールでの検討) 100リットルの重合槽に硫化ナトリウム(5水塩)1
00モル、安息香酸ナトリウム20モル、N−メチルピ
ロリドン300モルを仕込み、窒素気流下230℃まで
攪拌下に加熱し少量の溶媒を含有する留出水を除去し
た。留出水は480モルを回収した。次に系内を175
℃まで冷却し、固形状のp−ジクロルベンゼン99.5
モルを50モルのN−メチル−2−ピロリドンとともに
添加し系を封じ約0.8℃/分の昇温速度で270℃ま
で昇温し、その温度で2時間保持し、270℃で一定に
保持したまま高圧ポンプにより100モルの水を系内へ
30分かけて添加した。このときの圧力は1.5×10
6 Paであった。次に1.0℃/分で130℃まで徐冷
したが、この温度での圧力は0.19×106 Paを示
していた。得られた顆粒状PPSは約70℃のイオン交
換水で7回洗浄後、130℃にて一昼夜真空乾燥した。
なを洗浄・濾過は150メッシュの金網を使用した。
【0036】重合槽に仕込みを開始してから開放するま
でのサイクルは8.0時間であり、収率89%、メルト
フローレート129g/10分の顆粒状PPSを得た。
このときの平均粒径は1.3mmであった。
【0037】実施例3(パイロットスケールでのガス抜
き) 比較例3と同様な仕込み量、脱水、重合方法によりPP
Sを合成し、270℃での保持、水添加を全く同様に操
作し、200℃まで1℃/分で徐冷した。徐冷直前の圧
力は1.7×106 Paであり、200℃時点での圧力
は0.86×106 Paであった。開閉弁を開け30分
かけてガス抜きを行い、系内は0.35×106 Pa、
132℃になった。重合槽中のPPSは顆粒状であり、
比較例3と同様の水洗・乾燥を行った。
【0038】重合槽に仕込みを開始してから解放するま
でのサイクルは6.8時間であり、収率88%、メルト
フローレート125g/10分の顆粒状PPSを得、ま
た平均粒径も1.2mmであった。このようにパイロッ
トスケールにおいても重合サイクルの短縮が図られ、か
つ比較例3と同等以上のPPSが得られることが確認で
きた。なお、ガス抜きにより留出した物質中には、約
1.5モルのp−ジクロルベンゼンが含まれており、p
−ジクロルベンゼンの回収に有効であった。
【0039】
【発明の効果】本発明のポリフェニレンスルフィドの製
造方法により、顆粒状PPSを短縮されたサイクルで提
供可能となり、さらに未反応単量体の回収を容易ならし
めることが可能となる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】密閉した容器の中で、少なくとも1種の硫
    黄源およびポリハロ芳香族化合物を有機極性溶媒中で重
    合反応させ、重合反応後期に徐冷し、顆粒状のポリフェ
    ニレンスルフィドを製造する方法に於いて、重合反応後
    期に徐冷し、仕込み硫黄源に対し少なくとも50モル%
    以上が固形顆粒状重合体で存在し、かつ、密閉した容器
    の圧力が0.39×106 Pa以上である状態で、容器
    を放圧して、ガス相と液相からなる重合反応混合物をガ
    ス抜きし、容器の圧力を0.20×106 Pa以上減圧
    することを特徴とするポリフェニレンスルフィドの製造
    方法。
  2. 【請求項2】密閉した容器の中で、少なくとも1種の硫
    黄源およびポリハロ芳香族化合物を有機極性溶媒中で重
    合反応させ、重合反応後期にガス相と液相からなる重合
    反応混合物中の液相を液−液相分離させ、顆粒状のポリ
    フェニレンスルフィドを製造する方法に於いて、重合反
    応混合物中の液相を液−液相分離させ、仕込み硫黄源に
    対し少なくとも50モル%以上が固形顆粒状重合体で存
    在し、かつ、密閉した容器の圧力が0.39×106
    a以上である状態で、容器を放圧して、ガス相と液相か
    らなる重合反応混合物をガス抜きし、容器の圧力を0.
    20×106 Pa以上減圧することを特徴とするポリフ
    ェニレンスルフィドの製造方法。
  3. 【請求項3】顆粒状のポリフェニレンスルフィドを製造
    する方法が、重合反応後期に液−液相分離させるととも
    に徐冷するものである請求項1または2記載のポリフェ
    ニレンスルフィドの製造方法。
  4. 【請求項4】前記硫黄源がアルカリ金属硫化物、ポリハ
    ロ芳香族化合物がジクロルベンゼンである請求項1〜3
    のいずれか記載のポリフェニレンスルフィドの製造方
    法。
  5. 【請求項5】重合体混合物中にアルカリ金属カルボキシ
    レートを含有することを特徴とする請求項1〜4のいず
    れか記載のポリフェニレンスルフィドの製造方法。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれか記載のポリフェニ
    レンスルフィドの製造方法によりポリフェニレンスルフ
    ィドを製造する際に、重合反応混合物をガス抜きするこ
    とにより、容器外へ留出した混合物から未反応ポリハロ
    芳香族化合物を回収することを特徴とするポリハロ芳香
    族化合物の回収方法。
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