JP5782597B2 - 硫化ポリフェニレンの副生ガスを削減するシステム及び方法 - Google Patents

硫化ポリフェニレンの副生ガスを削減するシステム及び方法 Download PDF

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Description

本発明技術は、一般に、硫化ポリフェニレン(PPS)の生成に関する。特に、本技術は、塩基(例えば、水酸化ナトリウム)を用いてPPSを洗浄し、後続のPPS溶融工程中で副生ガスの放出量を削減することに関する。
本節は、読者に、以下に記載及び/又は請求される本技術の様々な態様に関連し得る様々な技術態様を紹介することを意図している。この議論は、読者に、背景についての情報を与え、本技術の様々な態様をより良く理解するのを容易にするのに有用であると考えられている。従って、これらの技術は、この見方で読まれるべきであり、従来技術の承認としてではないと理解されるべきである。
硫化ポリフェニレン(PPS)は、硫化ポリ(アリーレン)(PAS)として知られているより一般的な分類のポリマーの一員であり、加熱されて、様々な製造用途、商業用途及び民生用途での所望の形に成形され得る高性能の工業用プラスチックである。PPSは、繊維、フィルム、被覆、射出成形材料、及び繊維強化材料の調製に利用することができ、機器、自動車、及び電気/電子産業での用途の要求に特に適している。PPSは、製造部品として、単独で又は、弾性高分子材料、共重合体、樹脂、補強剤、添加剤、他の熱可塑材料等のような他の材料と混ぜ合わせて利用され得る。当初、PPSは、熱硬化性材料の代替物として普及されたが、特に、ガラス、炭素繊維、鉱物、充填剤等を添加して、成形に適した材料になっている。実際に、PPSは、ポリマー産業において最古の高性能の射出成形プラスチックの1つであり、充填物のない等級は、通常、電線被覆として押出成形されている。
PPSポリマーは、優れた組合せの特性をある程度与えるので、魅力的な工業用プラスチックである。PPSの分子構造により、熱安定性の結晶格子が容易に形成され、半結晶性の形態と、約265℃〜約315℃にわたり得る高い融点が、PPSに与えられる。その分子構造のために、PPSは、燃焼中に焦げて、その材料が、本質的に耐炎性になり得る。更に、PPSは、化学的に腐食性の環境に対して耐性があり、例えば、約200℃以下の温度の溶媒に溶解せず、厳しい許容誤差で精密に成形され得る。要約すれば、PPSは、熱的に安定であり、難燃作用添加物を用いることなく、本質的に不燃性であり、誘電特性及び絶縁特性が優れている。他の特性として、寸法の安定性、高いヤング率、及び耐クリープ性が挙げられる。PPSの有利な特性は、その分子構造の化学結合がある程度安定しているので、熱劣化と化学的反作用性の両方に対して、比較的高い程度の分子安定性(従って、耐性)を与える。
PPSの特性は、20世紀初頭以来知られているが、工業的に実行可能な合成は、1960年代末についに開発された。1967年に、オクラホマ州、バートルズビルのフリップス石油会社が、以下の反応により示されるような、パラジクロロベンゼンと硫化ナトリウムの反応を通じて、PPSを生成する方法を明らかにした。
この縮合重合(又は、段階重合)は、PPSの工業規模の商用化の始まりになった。1972年に、フィリップス石油会社は、PPSの商用規模の生産を始めた。このPPSは、熱耐性及び化学耐性、不燃性、並びに電気絶縁特性の均衡が有効に整っていることが直ちに注目された。今日、PPSは、テキサス州、ウッドランズのシェブロンフィリップス化学会社LPにより製造され、Ryton(リトン(登録商標))PPSで販売されている。PPSの他の販売元として、ティコナ、東レ、大日本インキ化学社等が挙げられる。
PPSは、所望の特性を与えるために、様々な添加物と混合又は調合され得る。PPSは、様々なプロセス、設備及び操作で、所望の形状及び複合材料に加熱、溶融、押出成形及び成形され得る。PPSは、加熱、調合、射出成形、吹込成形、精密成形、フィルム成膜、押出成形等にかけられ得る。
しかしながら、PPSの副生ガスは、PPS樹脂の溶融工程中の問題であり得る。そのような副生ガスは、PPSに限定されないが、重合溶液から溶媒を瞬時に蒸発させて重合工程が終了することで生成されるPPSに頻繁にあることが観察されている。PPS樹脂の副生ガスの程度が高いことにより、成形プレートの外れ、溶融液の気泡、PPSの生成又は欠陥等の数多くの望ましくないプロセス上の問題が起こり得る。副生ガスの少ないPPSを生成する方法が必要とされている。現在、市場では、副生ガスの少ない瞬時蒸発式の樹脂が大いに必要とされている。
本発明の態様は、重合容器内で重合混合物の硫黄源とジハロ芳香族化合物を極性有機化合物の存在下で反応させて、PPSポリマーを形成することと、重合混合物から極性有機化合物の少なくとも一部分を瞬時に蒸発させて、硫黄源とジハロ芳香族化合物の反応を終了させることと、塩基(base:塩基;ベース;基剤)又は溶媒を用いてPPSポリマーを洗浄することとを含み、塩基又は溶剤での洗浄によりPPSポリマーの副生ガスが低減する、硫化ポリフェニレン(PPS)ポリマーを生成する方法に関する。
本発明の態様は、重合容器内で重合混合物の硫黄源とジハロ芳香族化合物を極性有機化合物の存在下で反応させて、PPSポリマーを形成することと、塩基又は溶媒を用いてPPSポリマーを洗浄することとを含み、洗浄によりPPSポリマーのオリゴマー含有量が低下する、硫化ポリフェニレンポリマーを生成する方法に関する。
本発明の態様は、PPSポリマーを製品に成形することを含む、PPSポリマー含有製品を製造するプロセスに関し、前記PPSポリマーは、重合容器内で重合混合物の硫黄源とジハロ芳香族化合物を極性有機化合物の存在下で反応させて、PPSポリマーを形成することと、塩基又は溶剤を用いてPPSポリマーを洗浄して、PPSポリマーのオリゴマー含有量を低下させることとを含む方法により生成される。
本技術の利点は、以下の詳細な記載を読み、以下の図面を参照することで明らかになり得る。
本技術の実施形態による、硫化ポリフェニレン(PPS)を生成するシステムの実施形態を示すブロック流れ図である。 本技術の実施形態による、図1に示される重合反応器の図面表記である。 本技術の実施形態による、PPSの副生ガスを削減する方法の実施形態のブロック図である。 本技術の実施形態による、PPSの副生ガスを削減する方法の実施形態のブロック図である。 本技術の実施形態による、PPSの模範的洗浄の時間に対するPPSの副生ガスの指標を表す線図である。
本技術の1以上の特定の実施形態が、以下に記載される。これらの実施形態を簡潔に記載する試みでは、実際の施行の全ての特徴が、本明細書に記載されているわけではない。理解されるべきことは、あらゆる工業的プロジェクト又は設計プロジェクトのように、任意のそのような実際の施行の開発では、一実装から別の実装へ変わり得るシステム及び事業に関連する制約を準拠する等の開発者の特定の目的を達成するために、数多くの実装に固有の決定がなされなければならないことである。更に、そのような開発のための努力は、複合的であり、時間を浪費するが、それにも関わらず、本開示の便益を有する当業者の、設計、作製及び製造についての日常的な取り組みであると理解されるべきである。
I.序論
PPSは、少なくとも70モル、又は代わりに、90モル%の硫化パラフェニレン単位を含むポリマーである。硫化パラフェニレン単位の構造が、以下のとおり示される。

PPSは、1以上の以下の構造式により表される、30モル%までの、又は代わりに、10モル%のまでの繰り返し単位を更に含み得る。
本技術は、重合中に及び/又は重合後に、塩基(例えば、水酸化ナトリウム又はNaOH)又は他の溶剤(例えば、NMP)でPPSを洗浄して、後続のPPS溶融処理中にPPSの副生ガスを削減することを目指す。理論に制約されることなく考えられるのは、塩基でPPSを洗浄することにより、後続のPPS溶融工程中にPPS副生ガスに寄与する低分子量のオリゴマー及び/又は他の成分の濃度が低下し得ることである。加えて、塩基での洗浄により、PPSの末端基の化学的性質の変化が起り、溶融処理前のPPS処理中に(例えば、水、溶剤、酸等での後続の洗浄中に)、低分子量のオリゴマー及び/又は他の副生ガス成分の抽出を容易にし得ると考えられる。更に留意するべきことは、塩基での洗浄が、後続処理中のPPSの結晶化に影響を与えることである。ポリマーの最終的な利用に応じて、そのような影響は、有益であり得る。更に、NMP等の溶剤で洗浄することにより、一般に、後続の処理中にPPSの副生ガスを招き得る汚染物質が除去され得る。
PPSは、重合中に、重合混合物に塩基を加えることにより塩基洗浄され得る。前記重合混合物中には、PPS重合を行うのに必要なあらゆる塩基に加えて、前記加えられた塩基が存在する。代わりに、PPSは、重合後に(即ち、重合が実質的に終了した後に)、重合反応器内で、又は、重合反応器の下流で塩基を用いてポリマーを洗浄することにより塩基洗浄され得る。PPSは、(洗浄水のような)既存の洗浄液等に塩基を添加することにより塩基洗浄され得る。代わりに、PPSは、他の通常の洗浄(例えば、水洗浄、酸性スラリー洗浄、カルシウム洗浄等)の前又は後に塩基洗浄され得る。重合反応の終了前後にPPSを塩基洗浄する様々な選択肢では、添加される塩基の量は、PPSスラリーのpHを所望の値に上げるように、及び/又は、所望の塩基対PSSの質量比を与えるように選択され得る。実施形態では、PPSは、pHが10を超える又は10.5を超える塩基溶液で洗浄される。他の実施形態では、PPSは、pHが10〜14の範囲又は10.5〜12の範囲である塩基溶液で洗浄される。対照的に、反応中のSMAB/NaSH溶液のpHは、一般に、約9.5であり得る。幾つかの実施形態では、PPSは、塩基水溶液で洗浄される。他の実施形態では、PPSは、有機溶媒中の塩基で洗浄される。
一般に、塩基は、所望のpHの溶液の作製を可能にするいずれかの塩基であり得る。実施形態では、塩基は、ブレンステッド塩基であり得る。幾つかの実施形態では、塩基は、アルカリ金属水酸化物又はアルカリ性金属水酸化物であり得る。例えば、塩基は、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、又は水酸化カリウム、代わりに、水酸化ナトリウム、又は代わりに、水酸化カリウムであり得る。他の実施形態では、塩基は、水酸化マグネシウム又は水酸化カルシウムであり得る。一般に、アルカリ金属水酸化物は、水性溶液中に存在し得る。
別の実施形態では、塩基は、アルカリ金属アルコキシドであり得る。そのアルカリ金属アルコキシドのアルコキシド部分は、C〜Cアルコキシドであり得る。幾つかの実施形態では、アルコキシド部分は、メトキシド、エトキシド、n−プロポキシド、イソプロポキシド、n−ブトキシド、sec−ブトキシド、又はt−ブトキシドであり得る。実施形態では、アルカリ金属アルコキシドは、有機溶剤を有する溶液中に存在し得る。幾つかの実施形態では、アルカリ金属アルコキシドは、アルコール中に存在し、そのアルコールから、アルカリ金属アルコキシドのアルコキシド部分が誘導される。他の実施形態では、アルカリ金属アルコキシド溶液は、アルカリ金属ヒドロキシドとアルコールを接触させることにより生成され得る。幾つかの実施形態では、アルコールは、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、又はtert−ブタノールであり得る。一実施形態では、アルカリ金属アルコキシドのアルカリ金属は、ナトリウム又はカリウムであり得る。
一般に、PPSは、ある期間にわたり、及び/又は、PPS溶融処理中に副生ガスを削減するのに十分な温度で塩基性洗浄液と接触され得る。塩基性洗浄液の接触時間及び温度は、本明細書に独立して記載され、いずれかの組み合わせで利用して、塩基性洗浄液とPPSとの接触を記述し得る。一実施形態では、PPSは、20秒〜30分又は30秒〜20分等の10秒〜60分の範囲の時間にわたり、塩基性洗浄液と接触され得る。一実施形態では、PPSは、250°F〜500°F、代わりに、300°F〜400°F、又は代わりに、325°F〜375°Fの範囲の温度で、塩基性洗浄液と接触され得る。
塩基溶液は、一般に、pHが10を超える、10.5を超える、10〜14の範囲の、又は代わりに、10.5〜12の範囲になる量で洗浄液に添加され得る。添加される塩基溶液は、様々な濃度であり得、洗浄液の所望のpHが達成され得る限り、抽出濃度は、特に大きくはない。2つの共通の塩基溶液の濃度として、50重量%、35重量%が挙げられる。一般に、35%重量濃度の溶液は、普通に入手でき、普通に選択される。洗浄は、バッチ方式で又は連続方式で行われ得る。塩基は、PPSに接触するように、バッチ処理に加えられ、続いて、所望の温度に加熱され、次に、所望の固体・液体分離法(いずれかの適切な固体・液体分離が利用され得る)に適した温度に冷却される。PPSは、分離後に更に洗浄され、あらゆる余分な塩基と不純物が取り除かれる。代わりに、PPSは、供給スラリーに塩基を加えることにより連続的に洗浄され得る。前記スラリーは、熱交換器に連続的に供給され、最初に加熱され、次に冷却される。供給交換器から出てくるスラリーは、連続式固体液体分離設備に直接送られ得る。前記設備内では、洗浄が、同様に完了され得るか、又は代わりに、この第1分離工程後に完了され得る。接触及び処理時間は、一般に、上記のものに従う。洗浄されたPPSの量及びスラリー濃度は、操作を完了するための処理設備の必要性に応じて、幅広く変化し得る。スラリーは、約1重量%と約35重量%との間の固形物に、又は、約10重量%の固形物に保たれ得る。
II.硫化ポリフェニレンの製造(PPS)
ここで、図面を参照して、最初に図1について言えば、模範的な硫化ポリフェニレン(PPS)製造システムのブロック流れ図が表され、参照番号10で一般的に示されている。
A.PPS重合反応混合物の成分
図1に示されるように、PPS12は、重合反応器18内で、ジハロ芳香族化合物、例えば、パラ−ジクロロベンゼン(DCB)16と硫黄化合物(例えば、SMAB/NaSH14中の硫黄化合物)を縮合重合することにより生成され得る。n−メチルピロリドン(NMP)等の極性有機化合物20が、反応溶剤として利用され得る。図1中の供給物は、特定の化合物で標識されているが、他の化合物及び試薬が、指示されたものと同じ機能を果たし得る。利用され得る様々な材料が、次節で考察される。重合は、一般に発熱性であり、重合反応器18は、被筒、内部冷却コイル又はそれらの両方を備え得る。それらの器具には、図2に関して考察されるような冷却塔水等の冷却媒体が供給され得る。最終的に、反応混合物の攪拌は、反応攪拌機又は攪拌器を利用して、反応物質との接触を向上させ、熱交換を改善し、異なる相(例えば、固体/液体、液体/液体等)を分散させる等により、その重合を促進させ得る。
1.PPS重合反応物質
上述のように、PPSポリマーの製造に一般に利用される2つの主要な反応物質は、ジハロ芳香族化合物(例えば、DCB14)と硫黄化合物(例えば、SMAB/NaSH12)である。
a.PPS反応物質としてのジハロ芳香族化合物
利用され得る幾つかのジハロ芳香族化合物は、以下の化学式により表され得る:

式中X及びXは、フッ素、塩素、臭素、及び沃素から独立して選択され得る。R、R、R、及びRは、水素及び炭化水素ラジカルから独立して選択され得る。幾つかの実施形態では、Xは、塩素、臭素、及び沃素から選択され得る。一実施形態では、炭化水素ラジカルは、アルキル、シクロアルキル、又はアリールラジカル、若しくは、アルカリール、アラルキル等のそれらの組み合わせであり得、代わりに、アルキルラジカル、代わりに、アリールラジカルであり得る。一実施形態では、ジハロ芳香族化合物は、6〜30個の炭素原子、代わりに、6〜24個の炭素原子、又は代わりに、6〜15個の炭素原子を有し得る。一実施形態では、X及びXは、各々が、フッ素、代わりに塩素、代わりに臭素、又は代わりに、沃素であり得る。炭化水素ラジカル又はアルキルラジカルは、1〜20個の炭素原子、代わりに、1〜15個の炭素原子、代わりに、1〜10個の炭素原子、又は代わりに、1〜5個の炭素原子を有するいずれかの炭化水素ラジカルであり得る。アリールラジカルは、6〜15個の炭素原子、又は代わりに、6〜10個の炭素原子を有するいずれかのアリールラジカルであり得る。幾つかの実施形態では、各アルキルラジカルは、独立して、メチル、エチル、n−プロピル(1−プロピル)、イソプロピル(2−イソプロピル)、n−ブチル(1−ブチル)、sec−(2−ブチル)、イソブチル(2−メチル−1−プロピル)、tert−ブチル(2−メチル−2−プロピル)、n−ペンチル(1−ペンチル)、2−ペンチル、3−ペンチル、2−メチル−1−ブチル、tert−ペンチル(2−メチル−2−ブチル)、3−メチル−1−ブチル、3−メチル−2−ブチル、ネオ−ペンチル(2,3−ジメチル−1−プロピル)ラジカル、n−ヘキシル、n−オクチル、n−デシル、又はn−ドデシルラジカルであり得る。1〜15個の炭素原子を有する他のアルキルラジカルが、利用され得る。一実施形態では、アリール基は、フェニル基又は置換基を有するフェニル基であり得る。ハロゲン原子は、ジハロ芳香族化合物中のいずれかの位置にあり得る。幾つかの実施形態では、p−ジハロベンゼン又は置換基を有するp−ジハロベンゼンは、ジハロ芳香族混合物として用いられ得る。単一で又は2成分以上の混合物として用いられ得るp−ジハロベンゼンの実施例として、p−ジクロロベンゼン(DCB)、p−ジブロモベンゼン、p−ジヨードベンゼン、1−クロロ−4−ブロモベンゼン、1−クロロ−4−ヨードベンゼン、1−ブロモ−4−ヨードベンゼン、2,5−ジクロロトルエン、2,5−ジクロロ−p−キシレン、1−エチレン−4−イソプロピル−2,5−ジブロモベンゼン、1,2,4,5−テトラメチル−3,6−ジクロロベンゼン、1−ブチル−4−クロロヘキシル−2,5−ジブロモベンゼン、1−ヘキシル−3−ドデシル−2,5−ジクロロベンゼン、1−オクタデシル−2,5−ジヨードベンゼン、1−フェニル−2−クロロ−5−ブロモベンゼン、1−(p−トリル)−2,5−ジブロモベンゼン、1−ベンジル−2,5−ジクロロベンゼン、及び1−オクチル−4−(3−メチルシクロフェニル)−2,5−ジクロロ−ベンゼン等が挙げられる。適切な前駆体化合物の選択は、利用可能性及び有効性を含む数多くの因子に依存する。例えば、一実施形態で利用され得る通常のジハロ芳香族化合物は、その利用可能性と有効性のためにp−ジクロロベンゼン(DCB14)である。
b.PPS反応物としての硫黄化合物
PPS重合プロセスに用いられ得る硫黄化合物として、例えば、チオ硫酸塩類、チオ尿素類、チオアミド類、硫黄元素、チオカルバミド酸塩類、金属オキシ硫化物類、チオ炭酸塩類、有機メルカプタン類、有機メルカプチド類、有機硫化物類、アルカリ金属硫化物類及び二硫化物類、硫化水素等が挙げられる。アルカリ金属硫化物類は、硫黄化合物としても利用され、例えば、硫化リチウム、硫化ナトリウム、硫化カリウム、硫化ルビジウム、硫化セシウム、及びそれらの混合物を含み得る。一般に、アルカリ金属硫化物は、水和物としても又は混合水溶液としても利用され得る。以下に記載されるような混合水溶液では、アルカリ金属硫化物は、水溶液中で、アルカリ金属二硫化物とアルカリ金属水酸化物の反応により調製され得る。
PPS重合で硫黄化合物として利用され得る共通のアルカリ金属硫化物は、硫化ナトリウム(NaS)であり、前記硫化ナトリウムは、水溶液中で水硫化ナトリウム(NaSH)22と水酸化ナトリウム(NaOH)24とを組み合わせ、続いて、一般にフィード脱水反応器26中で、脱水することにより調製され得る。この方法で製造される供給材料は、以下の式に従って、NaS、水(HO)、NaSH及びNaOHの間の平衡であると考えられる。

更に、NaSの生成が極性有機溶剤NMPの存在下で実行される際に、NMPの一部は、水酸化ナトリウムによるNMPの水介在開環により、N−メチル−4−アミノブタン酸ナトリウム(SMAB)に変換される。
結果として、水とNMP20の存在下でのNaOH24とNaSH22の反応により硫黄化合物を調製する場合、NMP20は、NaOH24とも反応し、水硫化ナトリウムとN−メチル−4−アミノブタン酸ナトリウム(SMAB)の混合物を生成し得る。化学量論的に、全反応の平衡が、以下の式に従って現れ得る。

しかしながら、これは、簡素化された形であり、実際には、NaS、HO、NaOH及びNaSHの間の平衡及び水酸化ナトリウムによるNMPの水介在開環は、著しく複雑であり得る。従って、上記の反応により、SMAB/NaSH14と一般に標識され得る硫黄化合物が生成される。
2.極性有機化合物(有機溶剤を含む)
PPSポリマーの生成に有用な極性有機化合物(NMP20等)は、通常、ジハロ芳香属化合物(DCB16等)及び硫黄化合物(SMAB/NaSH14)用の溶剤である化合物であり、従って、重合中に、ジハロ芳香族化合物と硫黄化合物を溶液中に保つ化合物である。一般に、そのような極性有機化合物の実例として、ラクタム類を含むアミド類、及びスルホン類が挙げられる。特に、極性有機化合物として、ヘキサメチル燐酸アミド、テトラメチル尿素、N,N’−エチレンジピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)20、ピロリドン、カプロラクタム、N−エチルカプロラクタム、スルホラン、N,N’−ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、低分子量ポリアミド等が挙げられ得る。通常利用される極性有機化合物は、NMP20である。
3.他の成分(追加の反応物を含む)
重合反応混合物中に、又は、重合中に、他の成分(例えば、添加剤28)が利用され得る。例えば、アルカリ金属カルボン酸塩、リチウムハライド、水、又はそれらの組み合わせ等の分子量調節剤又は増量剤は、重合中に添加又は生成され得る。用いられ得るアルカリ金属カルボン酸塩として、例えば、化学式R’COMを有するカルボン酸塩が挙げられ、式中、R’は、炭化水素ラジカルであり、Mは、アルカリ金属である。一実施形態では、炭化水素ラジカルR’は、アルキルラジカル、シクロアルキルラジカル、又はアリールラジカル、若しくは、アルカリール、アラルキル等のそれらの組み合わせである。一実施形態では、アルキルラジカルが、利用され得る。他の実施形態では、アリールラジカルが、炭化水素ラジカルとして利用され得る。本明細書に記載される炭化水素ラジカル類は(例えば、ジハロアリール化合物に対する炭化水素ラジカル下で)、アルカリ金属カルボン酸塩の炭化水素ラジカルR’として利用され得る。一実施形態では、アルカリ金属は、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム及びセシウムから選択され得る。アルカリ金属カルボン酸塩は、水和物として、若しくは、水溶液又は水性分散液として用いられ得る。PPSプロセスに通常利用されるアルカリ金属カルボン酸塩は、その利用可能性及び有効性のために、酢酸ナトリウム(NaOAc又はNaC)である。
更に、コモノマー等の反応物が、同様に含まれ得る。そのようなコモノマーとして、通常、トリクロロベンゼン等の、2個を超えるハロゲン原子を有するポリハロ芳香族化合物が挙げられる。例えば、分岐型の比較的高分子量のポリ(アリーレンスルフィド)ポリマーを調製するために、2個を超えるハロゲン置換基を有するポリハロ置換芳香族化合物が反応物として用いられ得る。一実施形態では、1,2,4−トリクロロベンゼン(TCB)がポリハロ置換化合物として用いられ得る。
更に、反応物として塩基38を用いてもよく、例えば、その場合に用いられる硫黄化合物は、アルカリ金属二硫化物である。塩基を利用する場合、通常、水酸化ナトリウム(NaOH)等のアルカリ金属水酸化物が利用され得る。加えて、重合終了前に酸性溶液を反応混合物に添加して、反応混合物の塩基性が低下され得る。そのような塩基性の低下により、PPSポリマー中の灰を発生させるポリマー不純物の量が低減し得る。
B.PPS重合反応混合物の条件
1.反応物の比率
一般に、重合に用いられる反応物の比(例、DCB16とSMAB/NaSH14)は、広範囲に変化し得る。しかしながら、硫黄化合物に対するジハロ芳香族化合物の典型的なモル比は、一般に、PPS重合反応器中で約0.8〜約2、又は、0.95〜1.3の範囲である。反応物として任意選択で用いられるポリハロ置換芳香族化合物の量は、所望のポリマー溶融液の流れを得るために、所望の枝分かれ度を得る量であり得る。一般に、ジハロ芳香族化合物1モルにつき約0.02モルまでのポリハロ置換芳香族化合物が用いられ得る。アルカリ金属カルボン酸を分子量調節剤として(例えば、添加剤24の一部として)用いる場合、ジハロ芳香剤化合物に対するアルカリ金属カルボン酸のモル比は、一般的に、約0.02〜約4の範囲内、より一般的に、約0.1〜2の範囲内であり得る。
2.硫黄化合物に対する極性有機化合物及び塩基の比
用いられる極性有機化合物(NMP20)の量は、重合中でも、広範囲にわたり変化し得る。しかしながら、硫黄化合物に対する極性有機化合物のモル比は、通常、約1〜10の範囲内である。水酸化ナトリウム等の塩基が重合反応混合物と接触する場合、モル比は、一般的に、硫黄化合物1モルにつき約0.5〜約4モルの範囲内である。
3.反応条件
反応混合物の成分は、任意の順序で互いに接触し得る。反応物と共に導入され得る水30は、特に大量の水(例えば、硫黄化合物1モルにつき約0.3モル超)が存在する場合、重合前に、脱水プロセス等で除去され得る。更に、重合が行われる温度は、一般的に、約170℃(347°F)〜約450℃(617°F)の範囲内、より一般的に、約200℃〜約285℃の範囲内である。反応時間は、ある程度反応温度に依存して、広範囲に変化し得るが、一般的に、約10分〜約3日の範囲内、より一般的に、約1時間〜約8時間の範囲内である。通常、反応圧力は、重合反応混合物を実質的に液相に維持するのに十分な程度であることが必要とされる。そのような圧力は、一般に、約0psig〜約400psig、約30psig〜300psig、約100psig〜約250psigの範囲内であり得る。
C.重合反応の終了及びPPSの回収
実質的な重合が起こる温度以下の温度に反応混合物を冷却する(熱を取り除く)ことにより、重合を終了させ、反応混合物からPPS12を回収し始め得る。更に、PPS12は、約235℃未満の温度で溶液から沈殿し得る。反応混合物の冷却に用いられる重合特性(とりわけ、温度、溶媒、及び水質)及び方法に応じて、PPSは、約235℃〜約185℃の範囲の温度で反応溶液から沈殿し始め得る。一般に、PPS沈殿物は、重合の促進を妨げ得る。PPS反応混合物は、様々な方法を利用して冷却され得る。例えば、溶媒(例えば、NMP20、水30、又はそれらの組み合わせ)は、PPS反応混合物から瞬時に蒸発され得る。更に、PPS反応は、反応混合物を急冷し、次に、反応混合物を冷却することにより終了され得る。PPS反応混合物は、水30、極性有機混合物(NMP20)、又は他の溶媒を反応混合物に加えることにより急冷され得る。反応の冷却は、本明細書に記載されるような反応器被筒又はコイルを利用して容易にされ得る。PPS反応は、様々な他の方法で、例えば、重合抑制化合物と反応混合物を接触させることにより終了し得る。明らかにしなければならないことは、重合の終了は、重合成分の完全な反応が起こったことを意味していないことである。更に、重合の終了は、反応物のこれ以上の重合が起こり得ないことを示唆することを意味していない。一般に、経済的な理由で、終了(及びPPSポリマーの回収)は、重合が実質的に完了する時に、又は、重合促進の結果起こり得るポリマー分子量の増加が大きくない時に開始され得る。
ポリマーの回収では、反応の冷却及び終了により、溶液からPPSポリマー固形物が生じ、前記固形物は、次に、従来の手法により、樹脂処理/硬化システム32内で反応混合物から分離され得る。そのような手法として、例えば、ポリマーの濾過、続いて、水30による洗浄又は水を用いての反応混合物の希釈、続いて、濾過及びポリマーの水洗浄が挙げられる。一般に、ポリマーは、「瞬時蒸発」(“flash”)プロセス、分離剤の利用、機械的分離(例えば、振動式選別(shaker screen))等により回収され得る。
D.PPS硬化及び用途
更に、PPSは、樹脂処理/硬化システム32内で、酸化熱処理により、例えば、酸素含有ガス下で約150℃を超える温度に加熱することにより硬化され得る。過酸化物、加速剤、及び/又は抑制剤等の、硬化に影響を与える製剤が、PPS12と混合され得る。そのような硬化ポリマーは、一般に、熱安定性が高く、化学的耐性が優れており、例えば、被膜、薄膜、及び成形体の製造に有用である。加えて、PPS12は、最終的に、混合/処理システム(compounding/processing system)34内で、様々な添加物と混合されてもよく、例えば、ポリマー、繊維補強剤、充填剤、顔料、核形成剤、抗酸化剤、UV安定剤、熱安定剤、カーボンブラック、潤滑剤、可塑材、腐食抑制剤、離型剤、顔料、二酸化チタン、粘土、マイカ、加工助剤、添加剤、粘着付与剤等である。
最終的に、PPS12は、ブロック36中に示されるような、広い範囲の用途及び産業での、様々な部品又は製品に形成又は成形され得る。例えば、用途として、伝導率、高強度、及び高ヤング率を有するポリマーをとりわけ必要とし得る、自動車、航空宇宙、太陽電池、及び電子/電気部品が挙げられ得る。そのような部品及び製品は、エンドユーザに受け取られる前に、更に加工、組立、輸送等され得る。
E.洗浄
図1に例示される実施形態では、PPS12の後続の溶融プロセス中に副生ガスを削減するために、塩基38(例えば、32重量パーセントの水酸化ナトリウム又は苛性ソーダ水溶液)は、重合反応器18に、又は、反応器18に入る水30の流れに加えられ得る。塩基38は、反応器16内でのPPS重合の前又は後に、反応器18に(又は、水30の流れに)加えられ得る。さらに、塩基38は、樹脂処理/硬化システム32内のPPS12に加えられ得る。塩基38は、PPS12を独立して洗浄するのに用いられ得るか、又は、PPS12の既存の洗浄剤(例えば、洗浄水)に加えられ得る。これは、以下に図3及び4を参照して、更に考察される。
F.PPS重合反応器
図2は、本実施形態において、重合反応器18が冷却された後に1つ以上の固形物を沈殿させた、模範的な重合反応器領域40の図面表記を示す。本図は、反応混合物からの所望の固形物44からPPS12を分離するための振動式選別器42も示す。反応器18中の混合物46の液体レベルが、参照番号48で示されている。反応混合物46の組成(例えば、水の濃度、極性有機溶媒の濃度及び特性、並びに、促進剤の有無等)及び温度に応じて、混合物46は、1つ以上の相を含み得る。1つ以上の相は、例えば、2つの液相、並びに、低分子量及び高分子量のPPS等の沈殿した塩及び/又は沈殿したPPSを含み得る。他の実施形態では、単層のみが、存在し得る。
通常、重合は、発熱性であり、従って、熱除去手段が、必要であり得る。図示される実施形態では、反応被筒50は、反応器含有物(例えば、反応器混合物46)から熱を取り除く。反応器内の冷却コイルは、反応器混合物46から熱を除去するのにも用いられ得る。オイル及び他の熱伝導流体等の様々な冷却媒体が、反応器被筒50又は内部冷却コイルに供給され得る。この例では、冷却媒体は、オイルであり、オイル供給部(OS)は、参照番号52で示され、オイル回収部(OR)は、参照番号54で示される。攪拌機56は、熱伝導を容易にし、反応物の接触を促し、反応器混合物40中で、多重相(例えば、2液相、又は、2液相及び1固相)を十分に分散して保つのに用いられ得る。攪拌機56は、モータ58、駆動器60、軸62、羽根車64等を含み得る。攪拌機56は、一重の又は二重の機械的封止材等の封止材を用い得る。様々な攪拌機56(又は混合機)の構成が、実装され得る。
急冷するために又は他の機能のために利用され得る水30が、図2に示されるように、反応器18の上部に導入され得る。NMP20、DCB16、及びSMAB/NaSH14等の様々な供給物質並びに他の試剤及び添加物(例えば、適切な改質剤、分子量制御剤等)が、反応器18の上部ヘッド内の開口部を通じて導入され得る。しかしながら、フィード注入点は、反応器18の任意の適切な部品上に構成され得る。更に、各試剤は、反応器上で吸入口が異なるが、様々な試剤を組み合わせて、同じ吸入口が利用され得る。更に、制御バルブ及び内部装置(例えば、ノズル、噴霧器、多孔分散管、浸漬管)等のような流量設備が用いられ得る。
反応混合物を冷却し、PPS反応を終了させ、及び/又は、PPS12を沈殿させるために、反応器18は、その反応器から水30又は極性有機溶剤(例えば、NMP20)を逃がすような吐出口66も含み得る。反応器18では、反応混合物46を(低圧容器に前記反応混合物を移すことにより)冷却するために、及び/又は、PPS12を単離するプロセスを開始するために、反応混合物が通過し得る吐出口68を有していてよい。
プロセス変数を計測するために、様々な器具が、提供され得る。例えば、熱電対又は抵抗性温度検出器(RTD)等の温度要素70が、反応器18内に直接、又は、反応器18内に配置される温度計用保護管内に挿入され得る。温度表示は、例えば、温度要素70に結合される局所ゲージを用いて達成され得る。ゲージに加えて、又は、ゲージの代わりに、温度要素70に結合される温度伝送器は、分散型制御システム(DCS)又はプログラムで制御される論理制御器(PLC)等のプロセッサ又は制御システム72に、温度信号を伝送し得る。温度値は、操作者により読み出され得るか、及び/又は、様々な制御機能の入力として利用され得る。例えば、以下に考察されるように、温度表示は、反応器の温度を制御するために、反応器被筒50及び/又は冷却コイルを通る冷却媒体(例えば、熱伝導流体)の流速及び/又は温度を制御するのに利用され得る。
更に、圧力を計測するために、ダイヤフラム又はブルドン管等の圧力要素74が反応器18上に設置され得る。計測圧力を表示するために、局所ゲージが要素74に結合され得る。ゲージに加えて、又は、ゲージの代わりに、圧力要素74に結合される圧力伝送器が、制御システム72に圧力信号を伝送し得る。従って、温度表示と同様に、反応器18の圧力の表示は、局所で又は遠隔で、操作者により読み出され、制御システム72を介して様々な制御機能に利用され得る。
加えて、反応器レベル48が、図示される実施形態に表される差圧計等のレベル要素76により計測され得る。他の模範的レベル要素として、反応器内に挿入される容量型又は誘導型プローブ等の様々なセンサが挙げられる。反応器18の圧力及び温度と同様に、局所式又は遠隔式レベル表示が、用いられ得る。表示されたレベルは、制御システム72を介した様々な制御目的用の入力として利用され得る。
様々な他の器具及び制御機器が、反応器18の周りに又はその上に用いられ得る。例えば、反応器被筒50及びコイルを通る冷却媒体の流速は、吸入管及び/又は吐出管の上に配置される流量オリフィス又は質量流量計を用いて計測され得る。冷却媒体の流速は、完全に開放されてもよく、又は、制御システム72及び/又は適切なバルブ構成を介して(自動的に又は手動で)制御されてもよい。例えば、所望の流速は、実質的に一定の質量又は容積流速に設定されてもよく、又は、オイル回収部54の制御温度及び/又は反応器18の温度を制御するように変えられてもよい。
更に、反応器18のフィード(例えば、水30フィード、NMP20フィード、SMAB/NaSH14フィード、又はDCB16フィード)の検針も、通常、計測又は制御される。そのような流量計測は、例えば、積算流量計(例えば、機械制御を含む)を用いて、又は、質量流量計又は流量オリフィス(例えば、差圧を利用する)を用いて達成され得る。更に、流量表示は、反応器レベル48等の変化に基づくものであり得る。反応器18のフィードは、局所で又は遠隔で、自動的に又は手動で、例えば、手動弁又は自動制御弁を用いて制御され得る。一般に、制御システム72及び他のプロセッサをベースとするシステムは、PSS製造システム40内の操作範囲を制御し得る。制御システム72は、適切なハードウェア及びソフトウェア(例えば、符号)を用いて構成され得る。
IV.PPSポリマーの塩基洗浄
図3及び4に関して、それぞれ、塩基(例えば、水酸化ナトリウム)を用いてPPSポリマーを洗浄して、後のPPSポリマーの副生ガスを削減する、2つの模範的な一般的方法80及び90が示される。図3では、(重合混合物内の溶液中に存在し得る)PPSポリマーが、PPS重合反応器内で、PPS重合が終了する前に塩基を用いて洗浄される。図4では、PPSポリマーが、PPS重合が終了した後に、塩基を用いて洗浄される。終了後、ポリマーの塩基洗浄が、反応器内で、又は、反応器の下流で起こり得る。議論されたように、重合前後のPPSポリマーの塩基洗浄により、PPSポリマーからのオリゴマー及び他の副生ガス化合物の抽出が容易になり得る。
図3に示されるプロセス80では、参照番号82により示されて、図1及び2に関して議論されたように、反応物及び溶剤が、PPS反応器に加えられ、反応物が重合される。重合中に、参照番号84で示されるように、塩基が反応器に加えられる。加えられる塩基の量は、重合混合物の所望のpHの増加、所望のPPSポリマーに対する塩基の比率等により定められ得る。塩基を加えた後に反応器内の温度を調節して、重合条件を変更し得る。例えば、温度を低くして、ポリマーの末端基と苛性ソーダの反応を小さくし、従って、塩素付加された末端基がOH又はONa基を形成するのを終了する量を低減してもよい。更に、温度を低くすることにより、ポリマーの重合を低減してもよい。更に、付加溶液が塩基と接触する時間の量を調節して、苛性ソーダと塩素付加された末端基の反応を低くしてもよい。参照番号86に示されるように、塩基を加えた後に、PPS重合は終了し得る。例えば、その終了は、本明細書に記載されるように、瞬時蒸発プロセス又は急冷プロセスのいずれかを介して起こり得る。
図4に示されるプロセス90では、参照番号92で示されて、図3に関して考察されるように、反応物及び溶剤が、PPS反応器に加えられ得る。PPS重合は、図3に関して議論されたように、参照番号94で示されるとおり、終了する。一般に、苛性ソーダは、急冷プロセスの一部として、反応を終了させるために加えられ得る。しかしながら、図4の方法90では、塩基は、参照番号96に示されるように、重合終了後まで加えられない。再び、塩基は、反応器内に、又は、反応器の下流に加えられ得る。加えられる塩基の量は、PPSポリマースラリーの所望のpH増加、PPSポリマーに対する塩基の所望の比率等により定められ得る。更に、上述のように、塩基は、PPSポリマーの既存の洗浄剤(例えば、洗浄水)に添加され得る。留意しなければならないことは、重合終了前後の両方で塩基が加えられるように、方法80及び90を組み合わせてもよい。
要約すれば、実施形態では、PPSポリマーを製造するシステムは、硫黄源とジハロ芳香族化合物を極性有機化合物の存在下で反応させる容器を有する重合システムを含み得る。洗浄システムは、PPSポリマーのオリゴマー含有量を低くするために、塩基(例えば、水酸化ナトリウム)又は溶剤を用いてPPSポリマーを洗浄するように構成され得る。洗浄システムは、重合反応器内で、及び/又は、反応器の下流でPPSポリマーを洗浄し得る。重合反応器からPPSポリマーを受け入れる処理システムでは、前記処理システムが洗浄システムと結合され得る。重合システムは、瞬時蒸発終了プロセスのために構成され得る。
IV.PPSポリマーの洗浄の実施例
試験手続
本明細書に記載されるように、水晶結晶式微量天秤を利用して、水晶結晶の振動周波数の減少を計測することにより、結晶上に沈着した材料として試料の副生ガスの相対量を定めた。試験は、固体のPPSから揮発性物質を蒸発させ、水で冷却された振動水晶結晶上に蒸気を凝縮させることにより行われる。凝縮物質の量の相対値は、振動結晶の周波数の減少により見積もられた。この値は、例えば、以下に考察されるように、未洗浄の試料に対する塩基洗浄の試料、未硬化の試料に対する硬化試料のように、他の試料に対して得られた値と比較して利用された。
QCMの値を計測するために、計量されたPPSポリマーの試料(約16ミリグラム)が、加熱された(290℃)ステンレス鋼のビーカーの底に置かれた。前記ビーカーは、振動結晶を含み、結晶の冷却システムに接続されている蓋で覆われた。副生ガス蒸気が結晶上に凝縮されるにつれて、堆積量に比例して、結晶の共鳴周波数が減少した。試験値は、30分の試験時間にわたる結晶の周波数の変化に比例した無次元の相対数に換算して記録された。記録された値が低いことは、試験試料の試験温度での揮発度が、QCM値の更に高い試料よりも低いことを示す。
硫化ポリフェニレン(PPS)の押出速度(ER)の結果は、一般に、ASTM D 1238−86、手法B−自動化時間流速法、条件316/5.0の方法により計測された。3つの溶融指標(メルトインデックス)型計測が利用され、各々の手法は、ASTM D 1238−86の様々な条件を変更することにより作り出された。3つの手法は、押出速度(ER)、1270ER及びメルトフロー(MF)であった。3つの全手法では、オリフィス径は、0.0825±0.002インチであり、利用された温度は、316℃であった。3つの全ての技法では、計測前の事前加熱時間が5分であった。ER計測では、オリフィス寸法は、長さが1.25インチに変更され、全駆動錘が利用され、ピストンを含めて、345グラムであった。ERの値は、10分毎のグラム(g/10min)として表記された。1270ER計測では、オリフィス寸法は、長さが1.25インチに変更され、全駆動錘が利用され、ピストンを含めて、1270グラムであった。1270ERの値は、10分毎のグラム(g/10分)として表記された。MF計測では、オリフィス寸法は、長さが0.315インチに変更され、全駆動錘が利用され、ピストンを含めて、5000グラムであった。MFの値は、10分毎のグラム(g/10min)として表記される。一般に、MFは、未硬化の又はアニールされた試料に対して利用され得る。硬化された試料の流速(溶融液の流れ(メルトフロー)又はMFと呼ばれる)は、ASTM D 1238−86、手法Bを、条件を変更することなく利用して計測され得る。MF計測では、全駆動錘が利用され、ピストンを含めて、5000gであり、温度は、600°F、オリフィス寸法は、長さで0.315インチであった。
ポリマーの灰含有量は、計量されたポリマー試料(例えば、約1g)を炉内の空気雰囲気下で、ポリマーの残りがなくなるまで焼くことにより計測された。次に、残った材料は、計量され、灰含有量は、燃焼後に残った灰の重量を初期のポリマー試料の重量で割った比率として計算された。
様々なPPSは、その上、QCMにより副生ガスの試験をする前の洗浄手続後に硬化された。硬化は、加熱された混合容器内にPPSを固体状態で充填することにより実行された。容器及び含有物は、次に、酸素(例えば、空気)を含む雰囲気中で、様々な時間長(例えば、5分、10分、20分、60分、又はそれ以上の時間)にわたり、約350°F〜約490°Fの範囲の温度に加熱された。材料の抽出は、PPSが目標とするMF(例えば、約20〜約50)に達するまで実行された。次に、PPSは、冷却され、容器から移され、硬化された樹脂が形成された。
PPSの副生ガス及び灰含有量は、更に、熱重量分析(TGA)により計測された。TGAは、小さなアルミニウム蒸発皿の中に250mgの樹脂の試料を置き、TGA分析器内に蒸発皿及び試料を置くことにより実行された。次に、試料は、5℃/分で、315℃(600°F)又は350℃(662°F)のいずれかに加熱され、続いて、最終温度で、20分間試料を保持した。全ての試料は、約100℃未満の温度で、吸収されていた水が損失したために、幾らか重量を失った。
塩基洗浄
PPSの塩基処理により、成形品又は押出成形品を形作るための後続の処理の中で、PPSの副生ガスが削減された。本明細書で考察されるように、副生ガスの削減は、水晶結晶式微量天秤(QCM)を利用して判定され得る。一例では、市販のPPS樹脂の試料は、試験工場内において塩基で洗浄され、洗浄操作による副生ガス(例えば、揮発性物質)への影響が、QCMにより計測された。
上述のように、QCMは、振動する水晶結晶の近くにPPS試料を置く。試料が加熱されるにつれて、材料は、(例えば、副生ガスにより)試料から放出され、続いて、水晶結晶上に沈着され得る。材料の沈着により、水晶結晶の重量が増し、従って、振動周波数が低下する。振動周波数の変化を利用して、PPS試料が一定の時間にわたり特定の温度に加熱される間に、水晶結晶上に沈着する材料の量が相対的に計測され得る。副生ガスに対する結果は、PPSが硬化されるか又はアニールされるかに応じて変化し得る。従って、以下に示される比較は、同じ条件を利用して処理される試料にのみ関連している。留意するべきことは、QCM計測により、副生ガスを放出して、結晶上に凝縮するのに分子量が十分に大きな物質が計測されることである。従って、単に排出される物質以外に、副生ガスを放出し、処理設備上に残留物を作り出す物質の量に関する情報が与えられる。この計測は、熱重量分析(TGA)での重量損失(後に考察される)と類似しているが、等価ではない。TGAでの重量損失の場合では、放出する物質の量が検出され、その物質が、凝縮性であるのか、非凝集性であるか見分けられない。
3つの市販のPPS等級:PR23、PR32,及びPR26が、以下の試験で利用された。PR23及びPR32は、シェブロンフィリップス化学会社LPにより製造され、瞬時蒸発で回収され、硬化された、未改質の樹脂である。最後の等級PR26は、シェブロンフィリップス化学株式会社から入手され得るが、事前仕上げ状態のものである。更に具体的には、塩基添加時の処理条件を模倣するために、樹脂は、その塩を洗浄する前にPPSから収集された。従って、PR26は、「塩含有」樹脂と呼ばれる。塩含有PR26を塩基洗浄した結果は、表6に関連して以下に考察される。
本技術が提供し得る利得の概要は、表1に表される値により示され、市販のPPSの等級PR32に対する塩基洗浄及び比較洗浄の結果を与える。与えられるQCM値は、未洗浄試料(項目1)、350°FでのNaOH洗浄に曝された試料(項目2)、350°FでのNaOH洗浄に、続いて、350°Fでの酸洗浄に曝された試料(項目3)、及び350°Fでの2回の水洗浄に曝された試料(項目4)に対するものである。この例では、後続の溶融処理中に副生ガスを放出し得る材料の約58%の質量削減が、PPSの苛性ソーダ洗浄に対して推定され得る(QCMが、3.89から1.64へ削減されることに基づく)。
樹脂の塩基洗浄に利用される一般的な手法は、タンクに115ガロンの脱イオン水を加え、続いて、所望の量のNaOH50%溶液を添加することで開始された。これに、100lbsのPPSが、加えられ、15分間混合された。混合物は、次に、350°Fで加熱され、10分間保持された。混合物は、冷却され、ベルト濾過を利用して回収された。表1に記載されるような追加の洗浄が、同じ方法で実行された。
各々の試料に対する押出速度(ER)が、表1に与えられる。ERは、上記の手続を利用して計測された、改質された溶融液の流速(メルトフローレート)である。ERの結果は、洗浄された樹脂に対して減少する傾向にあり、その傾向は、硬化性が増したことを示す。更に、これは、苛性ソーダ洗浄後に、少数の末端基が存在することも示し得る。
留意するべきことは、本技術は、副生ガスを削減する従来の取り組みと組み合わせて用いられてもよいことである。そのような従来の取り組みとして、例えば、PPS重合を終了させるために(瞬時蒸発プロセスの代わりに)急冷プロセスを利用することが挙げられる。考えられるのは、反応を抑止するのに利用される急冷流体(例えば、水又は極性有機化合物)によっても、PPSからオリゴマーを洗浄又は抽出してもよいことである。一般に、急冷により回収された樹脂は、副生ガスを生じる材料が少ない。実際に、上記の瞬時蒸発プロセスを介して回収されるPPS樹脂は、副生ガスの放出度が、比較的高いことがあり得る。本技術は、瞬時蒸発回収PPSの市場を拡大し得る、副生ガスの少ない、瞬時蒸発により回収される樹脂を得ることを提供する。塩基洗浄手法の効力を判定する相対的計測として、QCMが利用された。例えば、塩基洗浄を利用することにより、QCM値は、少なくとも20%、30%、又は40%だけ削減された。代わりに、塩基洗浄により、QCM値は、約20%から約80%まで、約30%から約75%まで、約40%から約65%まで削減された。
副生ガスの放出を削減し得る別の取り組みは、溶融処理の前にPPS樹脂を硬化させることである。考えられるのは、PPSの硬化が、脱揮発を介して後の副生ガスを削減することである。塩基洗浄により、硬化のみを通して、副生ガスが更に削減されるかを判定するために、様々な試料が、上記の手続に続いて硬化された後に試験された。副生ガス試験が実行される前に硬化した試料は、以下に考察される、表2〜5中の試料番号の後に「C」で示される。
様々な実験条件下でのPPSポリマーの試料の模範的洗浄の結果は、表2〜6に作表される。シェブロンフィリップス化学会社LPから得られるPPSポリマーの3つの異なる等級(PR23、PR32、及びPR26と標識される)が利用された。比較されるのは、所与の温度と時間長での、水酸化ナトリウム及び(薄膜又は逆浸透圧処理を介して得られる)処理水を用いてのPPSポリマー試料の洗浄である。表2は、異なる洗浄条件の後の、未硬化の試料及び硬化された試料の両方に対するQCMの値を与える。更に、表2の特定の項目番号に対して示される洗浄手続は、表3〜5にわたり同じであることに留意するべきである。表3は、熱重量分析(TGA)により判定されるような、洗浄後のポリマー試料の重量の損失量を与える。表4は、硬化により影響を受け得る、押出速度、硬化速度、及び灰含有量等の他の特性を示す。表5は、塩基洗浄後の硬化樹脂の特性を示す。
表2に示されるように、塩基(例えば、NaOH)を用いての高温洗浄により、後続の処理中に副生ガスを放出する物質の量が削減され得る。このことは、2.5から1.5への減少を示す、項目1と項目4に対するQCM値の比較によりわかる。別の示唆は、全て苛性ソーダ洗浄後の一貫したQCMの減少を示す、項目1Cと項目3C及び項目4と項目8対するQCM値の比較によりわかる。例えば、塩基洗浄を利用して、硬化PPSのQCM値は、少なくとも15%、20%、又は25%だけ削減された。代わりに、塩基洗浄により、硬化PPSのQCM値は、約15%から約60%まで、約20%から約50%まで、約25%から約45%まで削減された。
表2のデータは、その上、PPSの硬化により、副生ガスの減少が達成され得ることを示す。例えば、項目1(未硬化)と項目1C(硬化)に対するQCM値の比較は、2.5から1.2へのQCMの降下を示す。項目2と項目2C(1.7から0.9へ)及び項目3と項目3C(1.5から0.8へ)等の比較では、同様の降下が見られる。そのように、PPSの硬化と苛性ソーダでのPPSの洗浄の両方により、項目1C(1.2)と項目3C(0.8)のQCM値の比較により示されるように、更なる降下が達成され得る。
QCMは、単に、PPS試料からの副生ガスを計測するのに利用され得る数多くの可能な技術のうちの1つである。例えば、試料は、その上、熱重量分析器(TGA)内で加熱し、試験中に試料の重量を連続的に計測することにより試験された。考察されたように、TGAは、一般に、放出するガス全体を計測しており、放出するガスが凝集性であるのか、試料が排気する以外の設備上への沈着事象を起こしているのか見分けられない。TGAは、(異なる現象が計測されるという所与の理由のために)QCMに必ずしも正確に整合しないが、大抵の場合、似た傾向を与えるであろう。表3は、指示された期間にわたり加熱した後の、ポリマー試料が失った重量の百分率を与える。表3での試料は、表2中の同じ項目番号に対応する操作により処理された。例えば、項目2と項目2Cは、350°Fの水で洗浄され、他方では、項目3と項目3Cは、350°Fで、塩基で洗浄された。全ての場合では、TGAでの重量の損失は、100℃で重量損失が同じであり、その沸点までの水の重量損失を補償するように調節された。
表2及び3は、追加の高温洗浄のために副生ガスが削減されたことを示す。これは、表2に表される、塩基で洗浄された試料に対するQCM値の減少、及び、表3中のTGAにより計測されるような重量損失値の減少から明らかであり、それらの両方は、後続処理中のPPSポリマーの副生ガスの削減と相関していると考えられる。例えば、洗浄後の熱劣化試験中の重量損失の低減は、PPSポリマーから抽出されたオリゴマー及び他の低分子量成分の量を示し得る。
表4及び表5は、表2の未硬化の試料及び硬化された試料に対する他の特性の値を与える。表4では、ERについて示される値は、洗浄の試料の粘性への影響を示し得る。更に具体的には、項目1(未洗浄)のERと項目3(苛性ソーダ洗浄)のERとの間の比較は、苛性ソーダでの洗浄によりPR23のERが低くなることを示し、それは、低分子量PPSオリゴマーの除去と相関し得る。同じ影響が、表4中の項目4と項目8の比較により示されるように、PR32に対して見出され得る。更に、データは、表4中の項目1と項目3の比較により示されるように、NaOHでの洗浄により、硬化速度が加速され得ることを示す。限定されることを意図せずに考えられることは、個別の高分子鎖の末端基の改質により、これらの影響が生じ得ることである。
表5に表されるデータは、苛性ソーダ洗浄後に、PPSがなお硬化され、苛性ソーダ洗浄後の流れ特性についての一般的な目標値になり得ることを示し、ポリマーが、その洗浄により基本的に影響を受けないこと示す。具体的には、硬化されたPPSは、約30〜40の1270ER速度をターゲットにされ得る。
図5は、PPSポリマーの市販の試料(等級PR32)の苛性ソーダ洗浄及び水洗浄の時間104(分)に対するQCM102の線図100を示す。図5に表されるQCM計測は、本明細書に記載されたように実行された。材料は、ポリマーから放出して、水晶結晶に加えられ続けた。表に示される値は、試験中の5分で計測された。最初の1分は、平衡期間と考えられ、次に、この最初の1分に続く5分で、値が取り込まれた。
図5では、長い期間にわたるQCM値が、記載される特定のPPS試料に対する例として与えられる。考察されたように、QCMは、溶融処理中にPPSポリマーが被り得る副生ガスの量の指標である。QCM値が高ければ、発生し得る副生ガスも多くなる。曲線106及び108は、それぞれ、PPSポリマーの未硬化の試料及び硬化された試料の苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)洗浄に対するQCM102値である。曲線110及び112は、それぞれ、PPSポリマーの未硬化の試料及び硬化された試料の水洗浄に対するQCM値102である。線図90により理解できるように、ポリマー試料のQCMは、苛性ソーダ洗浄のために、未硬化の試料及び硬化された試料の水洗浄と比べて低減される。更に、期待されたように、硬化されたPPSポリマーは、未硬化のPPSポリマーよりもQCMが低い。
塩含有PPS等級の塩基洗浄
生成終了前に、塩含有等級(例えば、PR26)について行われた試験では、塩基洗浄に対して、仕上げ等級(例えば、PR23及びPR32)と類似の低減が得られた。結果は、表6に与えられる。
一般に、塩含有PPSの洗浄に対して、最終ポリマー等級の洗浄と類似の結果が見出された。QCMは、未処理の対照の350°FでのNaOH洗浄に対して低減することを示し得る。更に、イソプロピルアルコール(IPA)又はNMP等の溶媒での洗浄では、対照試料について、QCMが更に減少することが示され、従って、副生ガスが減少することを示唆する。
NMPでのPPSの洗浄
重合後にNMPでPPSを洗浄することにより、後続処理中のPPSからの副生ガスは低減し得る。一連の試験では、NMP洗浄は、市場で入手可能なPPSのPR23(シェブロンフィリップス化学会社から入手される)の3ロットについて、ほぼ室温〜300°Fの温度で試験された。洗浄は、一般に、NMP及びPPSのスラリーを混ぜ合わせ、スラリーからPPSを選別し、次に、最終ろ過の前に、水洗浄することにより実行された。NMP洗浄の試験の結果は、以下に、表7に表される。

1 シェブロンフィリップス化学会社から市販される
2 2時間にわたり515°Fで計測される
前の試験のように、洗浄手続の効力を判定する相対的計測として、QCMが利用された。例えば、QCM値は、PPS層に140°FのNMPを、混合することなく、単に注ぐことにより、約80〜85%だけ低減した。他の試験では、PPSとNMPのスラリーが、約120〜300°Fの範囲の温度で混合する場合、QCM値は、約90%だけ低減した。他の試験では、QCM値が、100°Fで60%だけ、室温洗浄を利用する場合は25%だけ低減し得ることが示された。
一般に、洗浄温度と、ポリマーから得られるその結果の灰の値との間には、関係がある。温度が高ければ、汚染物質がポリマーから取り除かれるので、灰含有量は低下し得る。最後に、改質された溶融液の流速(メルトフローレート)である押出速度(ER)も与えられる。ERの結果は、PPS樹脂の粘性が、洗浄プロセスによっても影響を受けていることを示す。
一般に、上に考察された結果は、高温の苛性ソーダ(例えば、NaOH)での洗浄により、PPSの加熱中に見られる副生ガスの量が削減され得ることを示す。これは、後続の処理中に、例えば、注入成形、パイプ押出成形、シート押出成形及び成形等の間に見られる副生ガスの量の削減と相関し得る。溶媒洗浄(例えば、NMP、IPA等)の利用によっても、副生ガスは、十分に削減され得る。硬化することにより、副生ガスの量が低減し得、それは、溶媒洗浄又は苛性ソーダ洗浄と組み合わせて、それ以上の利便性を与え得る。
本技術は、様々な変更及び代わりの形態を受け入れ得るが、特定の実施形態が、例として図面中に示され、本明細書に詳細に記載されている。しかしながら、本技術は、開示された特定の形態に限定されることを意図するものではないと理解されるべきである。更に、本技術は、以下の付属の請求項により定義されるように、本発明の趣旨及び範囲内にある全での変更、等価物及び代替物に及ぶ。
本発明の非限定的な諸態様は、以下のとおり要約される。
[1].
重合容器内で重合混合物の硫黄源とジハロ芳香族化合物を極性有機化合物の存在下で反応させて、PPSポリマーを生成することと、
前記重合混合物から少なくとも一部の前記極性有機化合物を瞬時に蒸発させて、前記硫黄源と前記ジハロ芳香族化合物の前記反応を終了させることと、
塩基又は溶媒を用いて前記PPSポリマーを洗浄することと
を含み、
洗浄により前記PPSポリマーの副生ガスが低減する、
硫化ポリフェニレン(PPS)ポリマーを生成する方法。
[2].
前記塩基が、前記瞬時蒸発後の重合混合物に加えられ、前記瞬時蒸発後の重合混合物のpHを少なくとも10に上昇させる、上記1項に記載の方法。
[3].
前記PPSポリマーを洗浄することが、前記PPSポリマーの洗浄水に前記塩基を加え、前記洗浄水のpHを少なくとも約10に増加させることを含む、上記1項に記載の方法。
[4].
前記塩基が水酸化ナトリウムを含む、上記1項に記載の方法。
[5].
前記溶媒がn−メチルピロリドン(NMP)を含む、上記1項に記載の方法。
[6].
洗浄が、前記重合容器から前記PPSポリマーを放出した後に、前記塩基又は前記溶媒を用いて前記PPSポリマーを洗浄することを含む、上記1項に記載の方法。
[7].
前記PPSのオリゴマー含有量が、約33%だけ削減される、上記6項に記載の方法。
[8].
前記PPSポリマーを洗浄することが、前記PPSポリマーの洗浄水に前記塩基を加え、次に、前記洗浄水で前記PPSポリマーを洗浄することを含む、上記1項に記載の方法。
[9].
前記硫黄化合物が、硫化ナトリウム(Na S)を含み、前記ジハロ芳香族化合物が、p−ジクロロベンゼン(DCB)を含み、前記極性有機化合物が、N−メチル−2−ピロリジン(NMP)を含む、上記1項に記載の方法。
[10].
前記硫黄化合物が、N−メチル−4−アミノブタン酸ナトリウム(SMAB)と水硫化ナトリウム(NaSH)とを含み、前記ジハロ芳香族化合物が、p−ジクロロベンゼン(DCB)を含み、前記極性有機化合物が、N−メチル−2−ピロリジン(NMP)を含む、上記1項に記載の方法。
[11].
重合容器内で重合混合物の硫黄源とジハロ芳香族化合物を極性有機化合物の存在下で反応させて、PPSポリマーを生成することと、
塩基又は溶媒を用いて前記PPSポリマーを洗浄し、洗浄により前記PPSポリマーのオリゴマー含有量を低下させることと
を含む、硫化ポリプロピレン(PPS)ポリマーを生成する方法。
[12].
前記塩基が水酸化ナトリウムを含む、上記11項に記載の方法。
[13].
前記溶媒がn−メチルピロリドン(NMP)を含む、上記11項に記載の方法。
[14].
洗浄が、前記硫黄源と前記ジハロ芳香族化合物との前記反応が終了する前に、前記重合混合物に前記塩基を加えることを含む、上記11項に記載の方法。
[15].
前記塩基を加えることにより、前記重合混合物のpHが少なくとも10に上昇する、上記11項に記載の方法。
[16].
洗浄が、前記硫黄源と前記ジハロ芳香族化合物との前記反応の終了後に、前記重合混合物に前記塩基を加えることを含む、上記11項に記載の方法。
[17].
前記反応の終了が、前記重合容器内の圧力を低下させて、前記重合混合物から前記極性有機化合物を瞬時に蒸発させることを含む、上記16項に記載の方法。
[18].
前記反応の終了が、前記重合混合物に急冷流体を加えることを含む、上記16項に記載の方法。
[19].
前記急冷流体が水である、上記18項に記載の方法。
[20].
前記PPSポリマーを洗浄することが、前記重合容器から前記PPSポリマーを放出した後に、前記塩基を用いて前記PPSポリマーを洗浄することを含む、上記11項に記載の方法。
[21].
前記PPSポリマーが、前記PPSポリマーの洗浄水に前記塩基を加えて、前記洗浄水のpHを少なくとも約10に増加させることを含む、上記11項に記載の方法。
[22].
PPSポリマーを含む製品を作製するプロセスであって、前記プロセスが、
PPSポリマーを製品に成形することを含み、前記PPSポリマーが、
重合容器内で重合混合物の硫黄源とジハロ芳香族化合物を極性有機化合物の存在下で反応させて、PPSポリマーを生成することと、
塩基又は溶媒を用いて前記PPSポリマーを洗浄し、前記PPSポリマーのオリゴマー含有量を低下させることと
を含む方法により作製される、プロセス。
[23].
PPSポリマーを製品に成形する作業が、前記PPSポリマーを、加熱、溶融、曲げ、混合、注入成形、吹出成形、精密成形、フィルム成膜、又は押出成形のうちの少なくとも1つにかけることを含む、上記22項に記載のプロセス。

Claims (12)

  1. 重合容器内で重合混合物の硫黄源とジハロ芳香族化合物を極性有機化合物の存在下で反応させて、硫化ポリフェニレン(PPS)ポリマーを生成することと、
    前記重合混合物から少なくとも一部の前記極性有機化合物を瞬時に蒸発させて、前記硫黄源と前記ジハロ芳香族化合物の前記反応を終了させることと、
    10を超えるpHを有する塩基溶液を用いて前記ポリマーを洗浄することと
    を含み、
    洗浄により前記PPSポリマーの副生ガスが低減
    前記塩基溶液の塩基が、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、又は水酸化マグネシウムを含む、
    PPSポリマーを生成する方法。
  2. 塩基が、前記瞬時蒸発後の重合混合物に加えられ、前記瞬時蒸発後の重合混合物のpHを10を超える値まで上昇させる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記PPSポリマーを洗浄することが、前記PPSポリマーの洗浄水に塩基を加え、前記洗浄水のpHを10を超える値まで増加させることを含む、請求項1に記載の方法。
  4. 洗浄が、前記重合容器から前記PPSポリマーを放出した後に、前記塩基溶液を用いて前記PPSポリマーを洗浄することを含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記PPSポリマーのオリゴマー含有量が、33%だけ削減される、請求項4に記載の方法。
  6. 前記硫黄が、硫化ナトリウム(NaS)を含み、前記ジハロ芳香族化合物が、p−ジクロロベンゼン(DCB)を含み、前記極性有機化合物が、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)を含む、請求項1に記載の方法。
  7. 前記硫黄が、N−メチル−4−アミノブタン酸ナトリウム(SMAB)と水硫化ナトリウム(NaSH)とを含み、前記ジハロ芳香族化合物が、p−ジクロロベンゼン(DCB)を含み、前記極性有機化合物が、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)を含む、請求項1に記載の方法。
  8. 洗浄が、前記硫黄源と前記ジハロ芳香族化合物との前記反応の終了後に、前記重合容器に塩基を加えることを含む、請求項1に記載の方法。
  9. 前記瞬時蒸発が、前記重合容器内の圧力を低下させて、前記重合混合物から前記極性有機化合物を瞬時に蒸発させることを含む、請求項1に記載の方法。
  10. 前記硫黄源が、チオ硫酸塩類、チオ尿素類、チオアミド類、硫黄元素、チオカルバミド酸塩類、金属オキシ硫化物類、チオ炭酸塩類、有機メルカプタン類、有機メルカプチド類、有機硫化物類、アルカリ金属硫化物類及び二硫化物類、並びに硫化水素からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  11. 前記ジハロ芳香族化合物が、以下の式:

    (式中X及びXは、フッ素、塩素、臭素、及び沃素から独立して選択され、R、R、R、及びRは、水素及び炭化水素ラジカルから独立して選択される。)によって表される、請求項1に記載の方法。
  12. 前記極性有機化合物が、ラクタム類を含むアミド類、及びスルホン類からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
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