JP2008529586A - 歯科用ハンドピース - Google Patents

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Abstract

本発明は、歯科医師又は歯科衛生士のような操作者によって保持される対象である本体(3)と、本体(3)の前方部に取り付けられ、操作者が本体を保持するときに患者に経口処置を行うために用いられる器具(9)と、本体(3)に配置され、経口処置中に患者の口腔を照明する光を放出するために用いられる光源(29)とを備える歯科用ハンドピース(1;1’)に関係する。発明は、歯科用ハンドピース(1;1’)が、患者の口腔内で光源(29)からの光を拡散するように設計されているレンズ装置(33)をさらに備えることを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

発明の技術分野
本発明は、請求項1の前提部に記載された歯科用ハンドピースに関する。
発明の背景
問題になっているタイプの歯科用ハンドピースは、患者への経口処置における歯垢及び歯石の除去、又は、歯表面の研磨に使用される。この目的のため、光源が、例えば、歯科医院に標準的に存在する全般照明を補完するものとして患者の口腔の照明を改善するため、ハンドピースに一体化されているものがある。ハンドピースは、例えば、光のビームが処置部位に集中されるように、口腔内で光源からの光を拡散するレンズ装置もまた備え付けられている。
このタイプの歯科用ハンドピースの例は、スウェーデン特許第457852号及び米国特許第6015290号に記載されている。しかし、これらの歯科用ハンドピースは多数の欠点がある。
突然の衝撃に晒され、この結果として機能が低下するスウェーデン特許第457852号によるレンズ装置の場合、レンズ装置の機能が修復されるように、歯科用ハンドピース全体が修理のため送られなければならない。これは、営業が通常通り続けられることを保証するために、代替的な歯科用ハンドピースが歯科医院で利用できなければならないことを意味する。
米国特許第6015290号は、レンズ装置が処置部位に当たるようにランプからの光ビームを伝搬させ得るべきである場合に望ましい角度について検討している。しかし、この角度は、処置部位で用いるため歯科用ハンドピースに取り付けられるべき器具の長さにも依存する。それにもかかわらず、この角度は、レンズ装置が歯科用ハンドピースに取り付けられるとき、歯科用ハンドピースの組立中に選択される。したがって、この歯科用ハンドピースが機能できるのは、規定された長さをもつ器具を用いるときに限られるが、その理由は、そうでなければ、光のビームは焦点が処置部位以外の部位にあるからである。しかし、異なる長さの器具が治療処置において使用されるべきであるならば、別のレンズ装置の角度をもつ別の歯科用ハンドピースが、焦点が処置部位に正確に達することを保証するために使用されなければならない。これは、レンズ装置の異なる角度設定を伴う多数の歯科用ハンドピースが歯科診療において提供されなければならないことを意味する。
発明の目的
したがって、発明の目的は、利用可能性が改善された歯科用ハンドピースを提供することである。
発明の別の目的は、同じ照明特性を維持したままで、異なる長さの器具に容易に適合され得る歯科用ハンドピースを提供することである。
発明の概要
上記目的は、冒頭に記載され、請求項1の特徴部による構成要素を有するタイプの歯科用ハンドピースを用いて達成される。
レンズ装置は、例えば、異なる光拡散特性を備えたレンズ装置の交換を可能にするため、摩耗や裂損の場合に、又は、清浄及び消毒などのため、交換を可能にするために本体に取り外し可能な方法で取り付けられているので、レンズ装置が破損するならば、レンズ装置の機能を修復するために歯科用ハンドピース全体を工場へ送ることを必要とすることなく、レンズ装置を新しいレンズ装置と取り替えることが可能である。その上、異なる長さを備えた器具を使用しなければならない場合、複数台の歯科用ハンドピースを歯科医院で使用できる状態にしておく必要なしに、レンズ装置を、異なる光拡散特性を有する新しいレンズ装置と取り替えることが可能になる。
歯科用ハンドピースは、好ましくは、本体の少なくとも一部分を囲む取り外し可能なケーシングを備え、レンズ装置がケーシングによって確実に固定されている。このようにして、レンズ装置は、例えば、清浄及び消毒のため、ケーシングと同時に交換可能である。
ケーシングは、好ましくは、シリコンのような柔らかく、かつ、曲がりやすい材料で作られている。このことはレンズ装置をケーシング内に固定することを容易化し、同時に、操作者の快適さを高める。
ケーシングは、好ましくは、本体の前方部から突出し、レンズ装置がケーシングの突出部に配置されている。すなわち、レンズ装置は本体から独立しているので、レンズ装置の取り付け及び取り外しが容易化されている。
レンズ装置は、好ましくは、ポリ−N−メチルメタクリルイミド(PMMI)、ポリカーボネート(PC)、環状オレフィンコポリマー(COC)又は環状オレフィンポリマー(COP)の材料タイプのうちの1つの材料で作られている。この結果として得られるレンズ装置は、高圧蒸気殺菌に耐え、アルコールに耐性があり、優れた光学特性をもち、軽量であり、かつ、低コストで製造できる。
便宜を図るために、器具を収容するために用いられる溝が長手方向にレンズ装置を通る。このようにして、レンズ装置は器具から独立した部品を構成する。
レンズ装置は、好ましくは、器具の先端へ向かって細くなる円錐台として形成される。このようにして、大量の光を円錐台の広い部分に入れることが可能であり、これによって、大型光源の使用が可能になる。その上、この設計は、ケーシングを使ってレンズ装置をより容易に固定することに役立つ。
便宜を図るために、レンズ装置は、光源からの光を口腔内の定められた部位のスポット照明用の集光部と口腔の全般的な照明用の発散部とに分けるように設計されている。これは、同時に高輝度スポット照明と口腔の低輝度全般照明とを可能にさせ、経口処置中に口腔の見え方を改善する。
集光部は、好ましくは、10〜25°の範囲の角度αで光を拡散する。これは、多種多様な器具を使用するときに、口腔内の処置部位の良好なスポット照明を保証する。
便宜を図るために、発散部は、50〜60°の範囲の角度βで光を拡散する。これは、口腔の良好な全般照明を生み出す。
レンズ装置の少なくとも一部分は、便宜を図るために、着色材料で作られている。このようにして、操作者は、実施されるべき経口処置のタイプに応じて、口腔内に希望のコントラストと光の像とを与える波長を生じる色を使用することが可能である。
以下、本発明は添付図面を参照して説明される。
好ましい実施形態の詳細な説明
図1は、例えば、歯石又は歯垢を除去するため患者の口腔内で経口処置を行うときに、歯科医師又は歯科衛生士のような操作者によって操作される対象である歯科用ハンドピース1を示している。発明によるハンドピース1は、いわゆる、スケーラーであり、振動作用を生ずるための圧電機構部を備えているが、ハンドピース1は磁気歪みの原理に従って駆動されることもある。図1によるハンドピース1は、第1の端部5及び第2の端部7を伴う細長い本体3を備える。歯垢及び/又は歯石を除去するチップ9の形をした器具9が細長い本体の第1の端部5に着脱式に配置されている。細長い本体3のもう一方の端部7から、電力をハンドピース1に供給し、ハンドピースを制御するためのライン11が電源及び制御部(図示せず)、ならびに、冷却液及び清浄液の供給用の通路に達する。好ましくは、柔らかく、曲がりやすい材料で作られたケーシング13が細長い本体3の周りに配置されている。このケーシング13は、歯科用ハンドピースを操作するときに操作者が握る歯科用ハンドピース1の部分であり、操作者に人間工学に基づくグリップを提供し、触知感覚の改善に寄与し、ハンドピースの使用中に現れる振動を吸収し、使用中の応力損傷を防止するために用いられる。ケーシング13は、これらの特性を改善するために刻み14がさらに設けられている。ケーシング13は、操作者の個別の好みに応じて、別の人間工学に基づくグリップを伴うケーシングと交換できるように、かつ、使用後に清浄及び/又は消毒を可能にするために、着脱式である。
図2は図1による歯科用ハンドピースの断面図である。細長い本体3は、圧電駆動型の超音波共振器19が配置されているポリマー材料で作られた堅固なコア15を備える。超音波共振器は、通常どおり、振動を作り出すために、一般的に20kHz未満の周波数レンジ内で高周波電流が供給されるセラミック板21により構成されている。共振器19は、堅固なコア15内の共振器19のための弾性ベアリングを形成し、さらに、湿気と水分がハンドピース1の内部部品に入り込まないことを保証することを目的としている3個のOリング18を用いて、ポリマーコア15の内側に確実に締め付けられている。シーリング素子20もまた同じ理由のため細長い本体3の前方部5に配置されている。
図2と併せて図3から、共振器19への電流供給が電流源(図示せず)に接続されたライン23によって行われることがわかる。金属シャフト25は、共振器19とねじ係合し、細長い本体3に関して同心円状に、細長い本体の前方端部5まで伸び、前方端部では、実行されるべき歯科処置のタイプに応じて様々な器具9がシャフト25に装着される。清浄/冷却液のための通路27は同様に液体源(図示せず)から共振器19及び金属シャフト25の中に達する。ポリマーコア15は、好ましくは、シリコン材料で作られた、柔らかく、かつ、曲がりやすいケーシング13によって被われる。このケーシング13は、好ましくは、グリップに高摩擦を提供し、さらに、歯科医師/歯科衛生士に高いレベルの触知感覚と操作中の快適さとを保証する人間工学的に心地よい形を有する。ケーシング13は、さらに異なった患者の間で清浄/消毒が行えるように着脱式であり、ケーシング13の形状は、行われるべき処置のタイプに応じて様々なグリップを提供することを目的とし、かつ、歯科医師/歯科衛生士の個別の好みを満足させるために、変更してもよく、又は、コア15の形状に適合させられる。
6個の発光ダイオード29の形をした光源29はハンドピース1の前方部5に配置されている。これらは、金属シャフトの円周方向に沿って同一平面に設置されている。発光ダイオードは2本の別々のライン31から電流が供給され、2本の別々のラインは電流源(図示せず)に接続されている。口腔の照明を改善するため、レンズ装置33(図2を参照)が操作者の要求に応じて口腔内で光の拡散を可能とするように光源29の下流側に配置されている。
図4a〜図4eは、レンズ装置33の様々なビューを示している。レンズ装置33は、前方端部37及び後方端部39を伴う実質的に円形の断面を有し、レンズ装置が実質的に円錐台を形成するように、後方端部39が前方端部37へ向かって狭くなる。溝41がレンズ装置の中に広がり、溝の中心軸はレンズ装置の長軸と一致している。この溝41は、器具9がシャフト25に装着された後、器具を収容するために用いられる。レンズ装置33の後方端部39で、鍔部43が発光ダイオード29を部分的に収容することを目的とする円形状凹部45を形成する。
ダイオードはそれぞれのダイオードホルダー47毎に凹部45の円周方向に取り付けられることが意図されていることもまた図2及び3からわかるであろう。柔らかく、曲がりやすいケーシング13は、細長い本体3の前方端部から少しだけ突出し、ケーシング13の内周と金属シャフト25の外周とによって画成される空間35を形成する。レンズ装置33は、この空間に配置され、ケーシング13と金属シャフト25との間で所定の位置に保持され得る。ハンドピースに嵌め込まれたとき、レンズ装置33は、レンズ装置の長手方向の位置がダイオード29に関して正確であり、かつ、レンズ装置が柔らかく曲がりやすいケーシング13によって確実に締め付けられるように、ダイオード47によって支持される。
図5aは、レンズ装置に取り込まれたダイオード光が様々な方法で分離されレンズ装置から外へ伝搬されるように、研磨を考慮して設計されたレンズ装置33の第1の変形を示している。レンズ装置から出る光は、第1の集光部αと、第2の発散部βに分けられる。集光部は、高輝度を有し、器具9の先端の周りにスポット照明を形成し、よって、口腔内の特定の処置部位を照明する。散乱のため、発散部はより低い輝度を有するが、この理由のために、発散部は、口腔内のビューを損なうことになる陰の形成を妨げる口腔の全般照明を提供する。
スポット照明の拡散は、好ましくは、集光スポットが器具の先端に達することを保証するために10〜25°の範囲の角度αによって定められる。全般照明の拡散は、好ましくは、50〜60°の範囲の角度βによって定められる。このレンズ装置の実施形態は、口腔のスポット照明と全般照明の両方が同時に望まれる殆どのアプリケーションに好適である。
図5bは、レンズ装置に取り込まれたダイオード光が基本的に集光の形でレンズ装置から外へ伝搬されるように、研磨を考慮して設計されたレンズ装置33の第2の実施形態を示している。光の拡散は、好ましくは、0〜5°の範囲の角度δによって定められ、すなわち、レンズ装置の中心線と平行であるか、又は、レンズ装置へ向かって集光する。このレンズ装置の実施形態は、例えば、歯科医師が歯根の処置を実行し、したがって、非常に高輝度のスポット照明を望むとき、口腔内の直接的ポイント処置に好適である。
図5cは、レンズ装置に取り込まれたダイオード光が基本的に発散の形でレンズ装置から外へ伝搬されるように、研磨を考慮して設計されたレンズ装置33の第3の実施形態を示している。光の拡散は、好ましくは、60〜90°の範囲に入る角度χによって定められる。このレンズ装置の実施形態は、例えば、歯科衛生士が、直接的なスポット照明を必要とすること無しに、口の状態の全般的な検査を実行しているとき、診察目的に好適である。
上記の実施形態は歯垢及び/又は歯石を除去するために用いられる歯科用ハンドピースだけを取り扱っているが、発明はこのタイプのハンドピースだけに限定されない。レンズ装置は、歯科医師又は歯科衛生士へ提供されるビューが重要な役割を果たす種々のタイプの経口処置向きの代替的な歯科用ハンドピースと共に使用することも可能である。例えば、図6に示されているような、ブラスティング作用を伴う研磨ツールの形をした歯科用ハンドピース1’が考えられる。振動作用を伴う器具の代わりに、器具は、ハンドピースの本体3の前方部に配置されたノズル9を構成する。本体3に配置された溝及び混合エレメント(図示せず)を用いて、ノズル9は、圧縮空気及び粉末の供給源(図示せず)に接続されている。ハンドピースの使用中に、操作者、すなわち、歯科医師又は歯科衛生士は、目的に適した粉末と空気の混合物を使用して患者の歯表面を研磨及び/又は清浄することが可能である。レンズ装置35は、上述の実施形態の説明と同じように本体3に配置されているので、それらのセクションの関連部分が参照されている。
発明による歯科用ハンドピースの斜視図である。 図1による歯科用ハンドピースの断面図である。 歯科用ハンドピースの内部を示す歯科用ハンドピースの斜視図である。 レンズ装置の異なるビューを示す図である。 レンズ装置の異なるビューを示す図である。 レンズ装置の異なるビューを示す図である。 レンズ装置の異なるビューを示す図である。 レンズ装置の異なるビューを示す図である。 発明による歯科用ハンドピース向きのレンズ装置の3つの実施形態を示す図である。 発明による歯科用ハンドピース向きのレンズ装置の3つの実施形態を示す図である。 発明による歯科用ハンドピース向きのレンズ装置の3つの実施形態を示す図である。 発明の代替的な実施形態による歯科用ハンドピースの斜視図である。

Claims (11)

  1. 歯科医師、歯科衛生士などの操作者によって保持されるようになっている本体(3)と、
    前記本体(3)の前方部(5)に取り付けられ、操作者が前記本体(3)を保持するときに患者に経口処置を行うために用いられる器具(9)と、
    前記本体(3)に配置され、経口処置中に患者の口腔内を照明する光を放出するために用いられる光源(29)と、
    患者の口腔内で前記光源(29)からの光を拡散するように設計されているレンズ装置(33)と、
    を備える歯科用ハンドピース(1;1’)において、
    摩耗、裂損の場合に、又は、清浄及び消毒などのため、例えば、異なる光拡散特性をもつ前記レンズ装置の交換が行われるように、前記レンズ装置(33)が前記本体(3)に取り外し可能な形で取り付けられていることを特徴とする、歯科用ハンドピース。
  2. 前記本体(3)の少なくとも一部分を囲む取り外し可能なケーシング(13)をさらに備え、
    前記レンズ装置(33)が前記ケーシング(13)によって確実に保持されている、請求項1に記載の歯科用ハンドピース。
  3. 前記ケーシング(13)が、シリコンのような柔らかくかつ曲がりやすい材料で作られている、請求項2に記載の歯科用ハンドピース。
  4. 前記ケーシング(13)が前記本体(3)の前記前方部(5)から突出し、前記レンズ装置(33)が前記ケーシング(13)の突出部(35)に取り付けられている、請求項3に記載の歯科用ハンドピース。
  5. 前記レンズ装置(33)が、PMMI、PC、COC、又は、COPのタイプの材料のうちの1つの材料で作られている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の歯科用ハンドピース。
  6. 溝(41)が前記本体の長手方向に前記レンズ装置(33)の中に延在し、前記溝(41)に前記器具(9)が収まるようにされている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の歯科用ハンドピース。
  7. 前記レンズ装置(33)が前記器具(9)の先端へ向かって細くなる円錐台として設計されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の歯科用ハンドピース。
  8. 前記レンズ装置(33)が、前記光源(29)からの光を口腔内の定められた部位のスポット照明用の集光部と口腔の全般的な照明用の発散部とに分けるように設計されている、請求項1〜7のいずれか一項に記載の歯科用ハンドピース。
  9. 前記集光部が10°〜25°の範囲の角度(α)で光を拡散する、請求項8に記載の歯科用ハンドピース。
  10. 前記発散部が50°〜60°の範囲の角度(β)で光を拡散する、請求項8又は9に記載の歯科用ハンドピース。
  11. 前記レンズ装置(33)の少なくとも一部分が着色材料で作られている、請求項1〜10のいずれか一項に記載の歯科用ハンドピース。
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