JP2008298156A - 流体封入式防振装置 - Google Patents

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Yasunobu Yasuda
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Abstract

【課題】弁体などの仕様が異なる場合でも、構成部品の共通化を図ることができ、部品管理が良好とできる流体封入式防振装置を提供する。
【解決手段】受圧室121と平衡室122とを連通する第二のオリフィス通路124を、連通状態と遮断状態に切替可能な弁体70を備える。この弁体70の切替は、コイル92に通電することで発生する電磁力の作用により行う。そして、弁体70の状態切替制御信号を生成する制御信号生成回路2は、コイル92とは別体に形成且つ配置される。また、状態切替制御信号を増幅してコイル92に電流を供給するパワーアンプ回路100は、コイル92等に一体的に取り付けられるアクチュエータユニット1を構成し、制御信号生成回路2とは別体に配置される。
【選択図】図1

Description

本発明は、パワーユニットを車両ボディに対して防振支持する流体封入式防振装置に関するものである。
従来の流体封入式防振装置として、例えば、特開昭59−151637(特許文献1)に記載されたものがある。特許文献1に記載の流体封入式防振装置は、第一の取付部材と第二の取付部材とを本体ゴム弾性体により弾性連結し、当該本体ゴム弾性体および可撓性膜により形成される液室を、仕切部材により本体ゴム弾性体側の受圧室と可撓性膜側の平衡室とに仕切り形成している。そして、受圧室と平衡室を相互に連通するオリフィス通路として、シェイク振動に相当する低周波数域にチューニングされた第一のオリフィス通路と、アイドリング振動に相当する高周波数域にチューニングされた第二のオリフィス通路とを設けている。そして、コイルへの通電によって発生する電磁力の作用により、弁体を駆動変位することで、この第一、第二のオリフィス通路を切り替えている。このように、コイルへの通電を走行状態に応じて制御することで、走行時に問題となるシェイク振動に対する防振効果と、停車時に問題となるアイドリング振動に対する防振効果を有効に発揮することができる。
ここで、このような流体封入式防振装置において、特許文献1には記載されていないが、コイルへの通電を制御するためには、走行状態に応じて制御信号を生成するマイクロコンピュータと、この制御信号を増幅してコイルへ通電するパワーアンプ回路を備えている。
そして、従来、マイクロコンピュータおよびパワーアンプ回路は、何れも、同一の回路基板上に実装され、制御ユニットを構成していた。そして、この制御ユニットは、流体封入式防振装置本体とは、別体に配置しており、制御ユニットの出力は、電力線によりコイルに供給されている。
特開昭59−151637号公報
ところで、例えば車種に応じて、流体封入式防振装置自体の大きさが相違する。そうすると、弁体を移動させるためのコイルへの電流供給量が異なる。つまり、車種毎に、弁体やコイルなどの仕様が異なると共に、パワーアンプ回路が弁体やコイルなどの仕様に応じた素子などで構成する必要がある。このように、弁体およびコイルとパワーアンプ回路とは、実質的に一対一の関係からなる。つまり、車種に応じて、コイルを含む流体封入式防振装置本体と、マイクロコンピュータおよびパワーアンプ回路を一体的に含む制御ユニットとを設計しなければならない。
また、同一車両においても、流体封入式防振装置本体の設計仕様を適宜変更することがある。例えば、弁体の構造を変更したことに伴って、弁体を駆動するためにコイルに供給する電流供給量を増加させたい場合等には、弁体の構造を変更すると共に、パワーアンプ回路を構成する素子を変更する場合がある。つまり、弁体などの構造を変更すると、パワーアンプ回路の仕様を変更する必要があり、またその逆も同様のことが生じることがある。従って、弁体などの構造を変更する場合には、マイクロコンピュータとパワーアンプ回路を一体的に含む制御ユニット自体を変更する必要があった。
さらに、流体封入式防振装置本体と制御ユニットとは、一対一の関係からなるため、この2部品を一対として部品管理を行わなければならない。これに対して、制御ユニットを流体封入式防振装置本体に一体的に取り付けることも考えられる。しかし、このようにすると、走行状態を把握する例えばエンジン制御部から、流体封入式防振装置本体に一体的に取り付けられたマイクロコンピュータまで、走行状態に関する情報信号を伝達しなければならない。この情報信号は、微小な電圧信号からなるため、ノイズによる影響を受けやすい。そのため、エンジン制御部から取得する走行状態に関する情報信号にノイズが乗り、適切に弁体を駆動できないおそれがある。従って、制御ユニットは、エンジン制御部の近傍に配置するか、エンジン制御部との間においてノイズの影響を受けにくい位置に配置することが望まれる。つまり、制御ユニットは、流体封入式防振装置本体と制御ユニットとは、別体とすることになってしまう。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、弁体などの仕様が異なる場合でも、構成部品の共通化を図ることができ、部品管理が良好とできる流体封入式防振装置を提供することを目的とする。
本発明の流体封入式防振装置は、パワーユニットと車両ボディの一方に取り付けられる第一の取付部材と、
パワーユニットと車両ボディの他方に取り付けられる第二の取付部材と、
第一の取付部材と第二の取付部材とを弾性連結する本体ゴム弾性体と、
第二の取付部材に取り付けられ、本体ゴム弾性体との間に非圧縮性流体が封入された液室を形成する可撓性膜と、
第二の取付部材に取り付けられ、壁部の一部を本体ゴム弾性体で構成する受圧室と壁部の一部を可撓性膜で構成する平衡室とに液室を仕切り、且つ、受圧室と平衡室を相互に連通すると共にパワーユニットによるシェイク振動に相当する低周波数域にチューニングされた第一のオリフィス通路とアイドリング振動に相当する高周波数域にチューニングされた第二のオリフィス通路をそれぞれ形成する仕切部材と、
仕切部材に相対移動可能に支持され、車両がシェイク振動を発生する状態とアイドリング振動を発生する状態のそれぞれに応じて第二のオリフィス通路を連通状態と遮断状態に切替可能な弁体と、
第二の取付部材または仕切部材に取り付けられ、通電により発生する電磁力の作用により弁体を移動させるコイルと、
第二の取付部材、仕切部材およびコイルと別体に形成且つ配置され、車両がシェイク振動を発生する状態とアイドリング振動を発生する状態を判別する車両状態信号に基づいて弁体の状態切替制御信号を生成する制御信号生成回路と、
第二の取付部材、仕切部材またはコイルに一体的に取り付けられるアクチュエータユニットを構成し、制御信号生成回路と別体に配置され、且つ、状態切替制御信号を増幅してコイルに電流を供給するパワーアンプ回路と、
を備えることを特徴とする。
つまり、本発明の流体封入式防振装置によれば、車両が走行状態において車両の主振動がシェイク振動の場合に、弁体が第二のオリフィス通路を遮断状態とする。これにより、非圧縮性流体が受圧室と平衡室とを第一のオリフィス通路を流動することにより、適切にシェイク振動を抑制することができる。一方、車両がアイドリング状態において車両の主振動がアイドリング振動の場合に、弁体が第二のオリフィス通路を連通状態とする。そして、アイドリング振動はシェイク振動に比べて周波数域が高い。従って、非圧縮性流体が受圧室と平衡室とを主として第二のオリフィス通路を流動することにより、適切にアイドリング振動を抑制することができる。
ここで、以下において、本発明の流体封入式防振装置を構成する、第一の取付部材と、第二の取付部材と、本体ゴム弾性体と、可撓性膜と、仕切部材と、弁体と、コイルとを、流体封入式防振装置本体と称する。
また、制御信号生成回路は、例えば、マイクロコンピュータ等の演算処理を行う回路を含むものである。この制御信号生成回路は、例えば、演算プログラム等を記憶するROMと、入力情報等を一時的に記憶するRAMと、入力情報に基づいて演算プログラムを実行する演算処理を行うCPU等が含まれている。そして、制御信号生成回路により生成される状態切替制御信号は、例えば、最大電圧が5Vまたは3.3V等の信号である。また、パワーアンプ回路は、最大電圧が5Vまたは3.3V等の状態切替制御信号を、コイルに供給することにより弁体を駆動できる程度の大きな電流に増幅している。つまり、パワーアンプ回路とコイルとを接続する配線に流れる電流は、制御信号生成回路とパワーアンプ回路とを接続する配線に流れる電流に比べて、大きな電流となる。このパワーアンプ回路は、例えば、電界効果トランジスタ(FET)などのスイッチング素子により構成される回路等を適用することができる。
そして、本発明の流体封入式防振装置によれば、制御信号生成回路とパワーアンプ回路とが別体に形成且つ配置されている。つまり、従来は、制御信号生成回路(マイクロコンピュータ)およびパワーアンプ回路が一体的に含まれる制御ユニットを構成していたのに対して、本発明においては、両回路が別体に形成されている。
そして、上述したように、「弁体およびコイル」と「パワーアンプ回路」とは、一対一の関係、すなわち、弁体およびコイルが仕様変更されればパワーアンプ回路も仕様変更される関係からなる。つまり、異なる車種に搭載する流体封入式防振装置において、弁体およびコイルを含む流体封入式防振装置本体とパワーアンプ回路とは、何れも、それぞれに応じた設計が必要となる。また、同一車両に搭載する仕様変更した流体封入式防振装置においても、弁体およびコイルを含む流体封入式防振装置本体とパワーアンプ回路とは、何れも、それぞれに応じた設計が必要となる。
これに対して、制御信号生成回路は、異なる車種に搭載する流体封入式防振装置や同一車両に搭載する仕様変更した流体封入式防振装置においても、同一の演算プログラムを適用することが可能である。つまり、制御信号生成回路は、「弁体およびコイルを含む流体封入式防振装置本体」並びに「パワーアンプ回路」が異なるとしても、同一のものを用いることができる。そして、制御信号生成回路はパワーアンプ回路と別体に形成されているので、「弁体およびコイルを含む流体封入式防振装置本体」並びに「パワーアンプ回路」に関わりなく、制御信号生成回路を共通化することが可能である。つまり、異なる車種に搭載する流体封入式防振装置における制御信号生成回路の共通部品化を図ることができる。これにより、低コスト化を図ることができる。さらに、同一車両に搭載する流体封入式防振装置であって、当該装置の仕様を変更する場合においても、制御信号生成回路は変更する必要がない。これにより、仕様変更への対応容易化を図ることができる。
さらに、本発明によれば、一対一の関係からなる、「弁体およびコイルを含む流体封入式防振装置本体」と「パワーアンプ回路」とを、一体的に取り付けてアクチュエータユニットを構成している。このような一対一の関係からなる両者を一体的にユニット化することで、仕様に応じて変更する必要のある部分を実質的に一部品として把握することができる。つまり、ある要求仕様に対する特有の部品は、当該ユニットの一部品のみとなる。このように、流体封入式防振装置本体とパワーアンプ回路をユニット化することで、特有部品の部品点数の削減を図ることができる。従って、流体封入式防振装置全体の部品点数の削減につながるので、部品管理が容易となり、低コスト化を図ることができる。
また、本発明の流体封入式防振装置において、状態切替制御信号は、コイルを非通電状態から通電状態に切り替える際に、切替開始から所定時間後における信号出力値を切替開始から所定時間経過までにおける信号出力値より小さくするとよい。ここで、所定時間とは、弁体の状態が切り替えられるまでの時間、または、弁体の状態が切り替えられる直前までの時間である。すなわち、弁体の状態が切り替えられている切替初期状態においては信号出力値を大きくし、その後における弁体の状態が切り替えた後の状態を保持する状態においては信号出力値を小さくする。
ここで、弁体の状態を切り替えるために弁体を移動するためには、大きな電磁力が必要であるが、切り替えられた後に弁体を移動させることなく保持するのみであれば、小さな電磁力で足りる。そこで、弁体を保持する際に、保持のために必要十分な電磁力を発生させるように、コイルへ電流を供給することで、弁体を保持する際においてコイルの消費電力を低減できる。その結果、コイルの発熱量を抑制することができる。これにより、コイルの小型化、および、コイルの放熱構造の簡素化により、流体封入式防振装置本体の小型化を図ることができる。さらに、コイルの発熱量を抑制することにより、液室に封入されている非圧縮性流体の温度上昇を抑制できる。ところで、仮に、非圧縮性流体の温度が高くなると、非圧縮性流体が封入されている液室を構成している本体ゴム弾性体の温度が高くなり、本体ゴム弾性体のばね特性に影響を及ぼすおそれがある。その結果、適切な防振効果を発揮できないおそれがある。しかし、本発明によれば、流体の温度上昇を抑制できるので、適切に防振効果を発揮することができる。
また、本発明の流体封入式防振装置を構成するパワーアンプ回路が、スイッチング素子を備え、スイッチング素子をスイッチング駆動することにより状態切替制御信号を増幅する回路の場合に、上記構成を採用することが有効である。このように、スイッチング素子によるスイッチング駆動を行うことは、非常に容易であり、高精度な制御が可能となる。
ここで、パワーアンプ回路とコイルとを接続する配線には、増幅された大電流が流れる。そして、スイッチング素子をスイッチング駆動することにより、パワーアンプ回路とコイルとを接続する配線には、スイッチングノイズおよび電流変化による比較的大きなノイズが発生するおそれがある。仮に、パワーアンプ回路が流体封入式防振装置本体とは別体に配置され、パワーアンプ回路とコイルとを接続する配線が、流体封入式防振装置本体の外部に露出し、その長さが長い場合には、その配線がノイズの発生源となり、他の装置へ影響を及ぼすおそれがある。例えば、従来のように、パワーアンプ回路がエンジン制御部の近傍に搭載され、そこからエンジン部分に搭載されている流体封入式防振装置本体まで配線で接続している場合には、ノイズの問題が生じる可能性が十分にある。
しかし、本発明の流体封入式防振装置によれば、パワーアンプ回路は、流体封入式防振装置本体と一体的に取り付けられるアクチュエータユニットを構成している。従って、パワーアンプ回路とコイルとを接続する配線は、そのほとんどまたは全部が、流体封入式防振装置の内部に埋設されており、その長さは非常に短い。つまり、この配線がノイズの発生源となることはほとんどなく、他の装置へ影響を及ぼすことはない。
また、本発明の流体封入式防振装置は、さらに、初期状態において第二のオリフィス通路が遮断状態となるように弁体に付勢力を及ぼす付勢部材を備え、
コイルは、通電により発生する電磁力の作用により、第二のオリフィス通路が連通状態となるように、付勢部材の付勢力に抗して弁体を移動させるとよい。
ここで、上述したように、主振動がシェイク振動の場合に第二のオリフィス通路を遮断状態とし、主振動がアイドリング振動の場合に第二のオリフィス通路を連通状態とする。そして、付勢部材の付勢力に抗して弁体を移動させるための電磁力、および、弁体を移動させた状態で保持するための電磁力は、付勢部材の付勢力に、そのときに発生している非圧縮性流体の流動する力を加えた力より大きいことが必要となる。
そして、高周波数域であるアイドリング振動が発生している場合には、低周波数域であるシェイク振動が発生している場合に比べて、非圧縮性流体の流動する力が小さくなる。つまり、非圧縮性流体の流動する力が小さくなる場合に、コイルが通電することにより作用する電磁力により、弁体を移動させ、且つ、保持している。そのため、弁体を移動させるための電磁力、および、弁体を移動させた状態で保持するための電磁力を、小さくすることができる。従って、コイルに供給する電流を低減することができ、結果として、コイルによる消費電力を低減することができる。このことは、コイルの発熱量を抑制することになる。その結果、流体封入式防振装置本体の小型化を図ることができると共に、適切に防振効果を発揮できる。
次に、本実施形態の流体封入式防振装置について、図1〜図4を参照して説明する。図1は、流体封入式防振装置の構成図である。図2は、流体封入式防振装置を含むシステム全体のブロック図である。図3は、制御信号生成回路2のフローチャートである。図4は、制御開始から制御停止までのタイミングチャートである。
図1に示すように、流体封入式防振装置は、アクチュエータユニット1と、制御信号生成回路2とから構成される。アクチュエータユニット1は、第一の取付部材としての第一の取付金具10と、第二の取付部材としての第二の取付金具20と、第一のゴム部材30と、固定金具40と、第二のゴム部材50と、仕切部材60と、弁体70と、付勢部材80と、コイル部材90と、パワーアンプ回路100とから構成される。
第一の取付金具10は、鉄やアルミニウム合金等により形成された剛性部材からなり、全体としてほぼ円形ブロック形状をなしている。この第一の取付金具10は、固着部11と、ストッパ部12と、螺着部13とから構成され、これらを一体形成してなる。固着部11は、軸方向下方に向かって凸状となる半球形状をなしている。ストッパ部12は、固着部11の上端に円盤状に形成されている。螺着部13は、ストッパ部12の上方に軸方向に延びる円柱形状に形成されている。螺着部13には、中心軸上に延びるボルト締結穴13aが形成されている。そして、締結ボルトによりボルト締結穴13aに螺着することで、パワーユニット(以下、「エンジン」と称する)5側の部材が第一の取付金具10に固定される。
第二の取付金具20は、鉄やアルミニウム合金等により形成された剛性部材からなり、全体として薄肉大径の円筒形状をなしている。この第二の取付金具20は、筒状部21と、テーパ部22と、フランジ部23と、第一の係止突部24とから構成され、これらを一体形成してなる。筒状部21は、第二の取付金具20のうち軸方向中間よりも下側の部分であって、一定の直径で軸方向に延びる筒状をなしている。テーパ部22は、筒状部21の上端から軸方向上方に行くに従って、テーパ状に拡径する。フランジ部23は、テーパ部22の上端から軸直角方向外方に向かって円環状に広がるように形成されている。第一の係止突部24は、筒状部21の下端から径方向内方に向かって円環状に形成されている。この第二の取付金具20には、例えば、ブラケット(図示せず)が外挿固定される。そして、このブラケットが車両ボディ側(例えば、エンジンフレーム)の部材に固定的に取り付けられることにより、第二の取付金具20が車両ボディに固定的に取り付けられることになる。
第一のゴム部材30は、本体ゴム弾性体31と、ストッパゴム32と、第一のシールゴム33とから構成される。本体ゴム弾性体31は、第一の取付金具10と第二の取付金具20とが同心的に配置され、且つ、第一の取付金具10が第二の取付金具20のフランジ部23よりも軸方向上方に離隔して配置されるように、第一の取付金具10と第二の取付金具20とを弾性連結する。本体ゴム弾性体31は、全体として厚肉の円錐台形状からなり、下端中央部分に軸方向下方に向かって開口する円形凹部31aが形成されている。そして、具体的には、本体ゴム弾性体31の上方側部分は、第一の取付金具10の固着部11が埋設されるように加硫接着されている。さらに、本体ゴム弾性体31の下端外周縁部は、第二の取付金具20のテーパ部22およびフランジ部23に加硫接着されている。
ストッパゴム32は、本体ゴム弾性体31の上端に一体形成されており、ストッパ部12の外周端面、下端面および上端面を被覆するように、加硫接着されている。第一のシールゴム33は、本体ゴム弾性体31の軸方向下端から軸方向下方に延びるように、円筒状に形成されている。この第一のシールゴム33の外周面が、第二の取付金具20の筒状部21の内周面全体に加硫接着されている。この第一のシールゴム33は、後述する仕切部材60の外周面との間に第一のオリフィス通路123を形成できるようにシールするためのゴムである。
固定金具40は、鉄やアルミニウム合金等により形成された剛性部材からなり、全体として薄肉大径の円筒形状をなしている。この固定金具40は、筒状部41と、第二の係止突部42とから構成され、これらを一体形成してなる。筒状部41は、軸方向に延びる筒状をなし、第二の取付金具20の筒状部21と同径からなる。第二の係止突部42は、筒状部41の上端から径方向内方に向かって円環状に形成されている。この第二の係止突部42の内径は、第一の係止突部24の内径と同一である。そして、この固定金具40は、第二の取付金具20に対して軸方向下方に離隔して同心的に配置されている。
第二のゴム部材50は、可撓性膜としてのダイヤフラム51と、第二のシールゴム52とから構成される。ダイヤフラム51は、充分な弛みを有する薄肉のゴム膜で形成されており、円形ドーム形状をなしている。このダイヤフラム51の外周面が、固定金具40の筒状部41の内周下端部に加硫接着されている。第二のシールゴム52は、ダイヤフラム51の外周から軸方向上方に延びるように、円筒状に形成されている。この第二のシールゴム52の外周面が、固定金具40の筒状部41の内周面全体に加硫接着されている。この第二のシールゴム52は、後述する仕切部材60の外周面との間に第一のオリフィス通路123を形成できるようにシールするためのゴムである。なお、ダイヤフラム51は、仕切部材60を介して、第二の取付金具20に固定的に取り付けられている。さらに、ダイヤフラム51は、本体ゴム弾性体31との間に非圧縮性流体が封入された液室120を形成している。
仕切部材60は、全体としては円形ブロック状をなしており、第二の取付金具20と固定金具40とを連結するように両者に取り付けられると共に、液室120を本体ゴム弾性体31側の受圧室121と、ダイヤフラム51側の平衡室122とに仕切っている。具体的には、仕切部材60は、仕切部材本体61と、上板金具62とから構成される。
仕切部材本体61は、円筒形ブロック形状からなる。この仕切部材本体61は、磁化されない材料である、硬質の剛性樹脂により形成されている。この仕切部材本体61の外周面のうち、軸方向のほぼ中央部分には、周方向全周に亘って、第一、第二の係止溝61a、61bが形成されている。これら第一の係止溝61aと第二の係止溝61bは、軸方向に所定距離隔てて形成されている。そして、軸方向上方に形成されている第一の係止溝61aには、第二の取付金具20の第一の係止突部24が軸方向に対して係止されている。また、軸方向下方に形成されている第二の係止溝61bには、固定金具40の第二の係止突部42が軸方向に対して係止されている。このとき、仕切部材本体61の外周面は、第一のシールゴム33および第二のシールゴム52の内周面に密着している。
さらに、仕切部材本体61の軸中心には、軸方向に貫通する孔が形成されている。具体的には、仕切部材本体61の下側部分に、下側凹部61cが形成され、軸方向中央付近から上側部分に、上側孔部61dが形成されている。この上側孔部61dの内径は、下側凹部61cの内径よりも小さい。さらに、下側凹部61cと上側孔部61dとを連通する小径孔61eが形成されている。この小径孔61eは、上側孔部61dの内径よりもさらに小さく、小径孔61eの軸方向長さは、下側凹部61cおよび上側孔部61dの軸方向長さに比べて充分に短くされている。
さらに、仕切部材本体61の上端部には、外周面に開口して周方向で所定長さに亘って連続的に延びる上側周溝61fが形成されている。この上側周溝61fの周方向一方端部は、上方に開口している。また、仕切部材本体61の下端部のうち、下側凹部61cの外周部分には、外周面に開口して周方向で所定長さに亘って連続的に延びる下側周溝61gが形成されている。この下側周溝61gの周方向一方端部は、径方向内方、すなわち下側凹部61cに開口している。そして、上側周溝61fの周方向他方端部と下側周溝61gの周方向他方端部が、軸方向から見た場合に重なるようにされている。そして、上側周溝61fの周方向他方端部と下側周溝61gの周方向他方端部とを軸方向に連通する通孔(図示せず)が形成されている。
上板金具62は、鉄やアルミニウム合金等の金属材料で形成され、仕切部材本体61の外径と同じ外径からなる薄肉の円板形状からなる。さらに、上板金具62の中央には、上側孔部61dの内径より小さく、小径孔61eとほぼ同径の中央円形孔62aが形成されている。そして、この上板金具62は、仕切部材本体61の上端面に重ね合わさるように配置されている。さらに、上板金具62のうち仕切部材本体61の上側周溝61fの周方向一方端部に対応する部分に外側穴62bが形成されている。
つまり、仕切部材60と本体ゴム弾性体31との間には、壁部の一部を本体ゴム弾性体31の円形凹部31aで構成する受圧室121が形成される。つまり、振動入力時における本体ゴム弾性体31の変形により、この受圧室121の内圧が変動する。また、仕切部材60とダイヤフラム51との間には、壁部の一部をダイヤフラム51で構成されて、容積変化が容易に許容される平衡室122が形成される。さらに、上側周溝61f、下側周溝61g、通孔(図示せず)、および、上板金具62の外側穴62bにより、受圧室121と平衡室122とを相互に連通する第一のオリフィス通路123が形成される。この第一のオリフィス通路123は、エンジン5によるシェイク振動に相当する低周波数域にチューニングされている。また、下側凹部61c、上側孔部61d、小径孔61e、および、上板金具62の中央円形孔62aにより、受圧室121と平衡室122とを相互に連通する第二のオリフィス通路124が形成される。この第二のオリフィス通路124は、エンジン5によるアイドリング振動に相当する高周波数域にチューニングされている。
弁体70は、鉄等の磁性材料で形成された強磁性体であって、全体として有底円筒形状に形成されている。そして、この弁体70は、仕切部材本体61の上側孔部61dと上板金具62とにより形成される領域に収容されている。この弁体70の外径は、仕切部材本体61の上側孔部61dの内径より僅かに小さく、且つ、上板金具62の中央円形孔62aの内径より大きくされている。つまり、弁体70の外周面と上側孔部61dの内周面との間には、僅かに隙間が形成されている。また、弁体70の軸方向長さは、仕切部材本体61の上側孔部61dの軸方向長さよりも短くされている。つまり、弁体70は、収容領域内において、仕切部材60に対して軸方向に移動可能に支持されている。
さらに、弁体70の底面部には、板厚方向に貫通する連通窓71が複数形成されている。これら複数の連通窓71は、偏心した位置に、且つ、周方向にそれぞれ距離を隔てて形成されている。そして、連通窓71は、軸方向から見た場合に、小径孔61eに対して異なる位置に形成されている。つまり、弁体70の底面部が仕切部材本体61の上側孔部61dの下面に当接した状態において、小径孔61eと連通窓71は、相互に閉塞された状態となる。従って、弁体70は、仕切部材60に対して軸方向に相対移動することにより、第二のオリフィス通路124を連通状態と遮断状態とを切替可能となる。
付勢部材80は、コイルスプリングからなり、弁体70の内周側に配置されている。そして、付勢部材80は、弁体70の底面部および上板金具62に対して軸方向の付勢力を及ぼす。つまり、付勢部材80は、初期状態において、弁体70が上板金具62に対して離間する方向に付勢力を及ぼす。すなわち、初期状態とは、弁体70の底面部が上側孔部61dの下面に当接し、第二のオリフィス通路124を遮断状態となる。
コイル部材90は、ヨーク91と、ヨーク91に巻回されたコイル92とから構成される。ヨーク91は、強磁性体により形成されており、円環板形状の底壁部を備えた有底円筒形状の下側ヨーク91aと、円環板形状からなり下側ヨーク91aの上方から組み付けた上側ヨーク91bとからなる。そして、コイル92は、下側ヨーク91aの底壁部と上側ヨーク91bとの対向面間に配置されている。
このように構成されるコイル部材90は、仕切部材本体61の上側孔部61dの外周側を囲むように、仕切部材本体61の内部に埋設されている。つまり、コイル92に電流が供給されることにより発生する電磁力の作用により、付勢部材80に抗して弁体70が上方へ移動する。
パワーアンプ回路100は、後述する制御信号生成回路2により生成された状態切替制御信号を増幅して、コイル92に電流を供給する回路である。このパワーアンプ回路100は、仕切部材本体61の内部のうち、コイル部材90の外周側であって、第一の係止溝61aおよび第二の係止溝61bの内周側に、埋設されている。このパワーアンプ回路100は、コイル92と配線により電気的に接続されている。また、仕切部材本体61のうち、第一の係止溝61aと第二の係止溝61bの間から外部へ、パワーアンプ回路100に接続される配線8が延在している。
ここで、パワーアンプ回路100について、図2を参照して、より詳細に説明する。図2において、ブロック間を結ぶ線のうち、太線は大電流が流れる配線を示し、細線は小電流が流れる配線を示す。
パワーアンプ回路100は、車載バッテリ3の正極端子とコイル92の一方に直列に接続されるスイッチング素子と、カソードがスイッチング素子とコイル92の間に接続され、アノードが接地されたダイオードとから構成される。そして、制御信号生成回路2より出力される状態切替制御信号により、スイッチング素子をDUTY駆動(スイッチング駆動に相当する)することで、状態切替制御信号が増幅される。
制御信号生成回路2は、車載バッテリ3の電力を降圧回路4により降圧した電力を供給して駆動する。降圧回路4により降圧された電圧は、例えば、3.3Vまたは5Vである。つまり、制御信号生成回路2が出力可能な最大電圧が、3.3Vまたは5Vとなる。そして、制御信号生成回路2は、降圧回路4、および、エンジン5を制御するエンジン制御部6と同一のユニット、エンジンECU7に配置されている。つまり、この制御信号生成回路2は、エンジンECU7において、エンジン制御部6が実装されている制御基板に実装されているか、もしくは、エンジン制御部6が実装されている制御基板の近傍に配置されている。このエンジンECU7は、車室内に配置されている。つまり、制御信号生成回路2は、パワーアンプ回路100を含むアクチュエータユニット1とは、別体に形成且つ配置されている。
この制御信号生成回路2は、例えば、マイクロコンピュータからなる。具体的には、制御信号生成回路2は、演算プログラムが予め記憶されたROMと、エンジン制御部6から入力する情報を一時的に記憶するRAMと、入力した情報に基づいて演算プログラムを実行する演算処理を行うCPUが含まれている。
そして、制御信号生成回路2は、車両が振動主成分としてシェイク振動を発生する走行状態と、車両が振動主成分としてアイドリング振動を発生するアイドリング状態とを判別する。そして、この判別結果である車両状態信号に基づいて、弁体70の状態切替制御信号、すなわち、弁体70を遮断状態と連通状態とに切り替える制御信号を生成する。状態切替制御信号は、配線8を介して、パワーアンプ回路100に伝達される。この状態切替制御信号は、小さな電流の信号である。そして、制御信号生成回路2により生成された状態切替制御信号に基づいて、パワーアンプ回路100のスイッチング素子がDUTY駆動する。
ここで、制御信号生成回路2の処理について、図3および図4を参照して説明する。制御信号生成回路2は、まず、エンジン制御部6からエンジン回転数および車速の情報を取得する(ステップS1)。ここで、制御信号生成回路2は、エンジン制御部6と同じエンジンECU7に配置されている。従って、制御信号生成回路2は、エンジン制御部6から上記情報を取得するに際し、ノイズの影響も受けることなく、迅速に且つ容易に取得できる。
続いて、取得したエンジン回転数および車速の情報に基づいて、車両が走行状態であるか、それとも、アイドリング状態であるかを判別する(ステップS2)。そして、このステップにて、アイドリング状態である車両状態信号または走行状態である車両状態信号を生成し、RAMに記憶する。
続いて、車両状態信号がアイドリング状態の信号である場合には(ステップS3:Yes)、イグニッションスイッチ(IG)がONされた直後であるか、または、RAMに前回記憶された車両状態信号が走行状態であるか否かを判別する(ステップS4)。そして、イグニッションスイッチがONされた直後、または、前回記憶された車両状態信号が走行状態である場合には、初期制御を実行する(ステップS5)。そして、処理はリターンされる。
一方、ステップS4において、イグニッションスイッチがONされた直後でない場合、および、前回記憶された車両状態信号が走行状態でない場合には、初期制御を開始した後に所定時間tを経過したか否かを判別する(ステップS6)。そして、初期制御を開始した後に所定時間tを経過していないのであれば、ステップS5に進み、初期制御を継続する。つまり、初期制御を開始した直後であれば、当然に所定時間tを経過していないので、初期制御が継続される。なお、この所定時間tは、制御信号生成回路2のROMに予め記憶されている。
ここで、初期制御について、図4を参照して説明する。図4において、上段の図は、時間経過に応じてスイッチング素子の出力側の電圧を示す。中段の図は、時間経過に応じて、コイル92に供給される電流を示す。下段の図は、時間経過に応じて、弁体70の軸方向変位量を示す。すなわち、弁体70の変位量が0の場合は第二のオリフィス通路124の遮断状態を意味し、弁体70の変位量が最大の場合は第二のオリフィス通路124の連通状態を意味する。
まず、初期制御が開始されるまで、すなわち、図4において時刻T1までは、状態切替制御信号は出力されていない。従って、パワーアンプ回路100のスイッチング素子はOFFとなる。このとき、コイル92には電流が流れないため、初期状態である第二のオリフィス通路124は遮断状態となる。
そして、初期制御が開始されると、状態切替制御信号は最大電圧の信号、すなわちDUYU100%の信号となり、この状態切替制御信号が継続的に出力される。つまり、初期制御においては、スイッチング素子が常にONした状態となる。このとき、スイッチング素子にかかる電圧は、車載バッテリ3から10Vの電圧が印加される。そうすると、図4の中段の時刻T1からT2までの間に示すような電流が、コイル92に流れる。つまり、コイル92に流れる電流は、初期制御開始直後に約1.0A程度まで上昇し、その後僅かに減少する。そして、時刻T1からT2までの間、弁体70の変位量が大きくなり、時刻T2の時点で、弁体70は最大変位量となる。つまり、初期制御とは、弁体70を動作開始させてから、弁体70が最大変位量に達するまでの制御である。
ところで、仮に、時刻T2以降において、スイッチング素子をONした状態を継続した場合には、二点鎖線にて示すような挙動となる。つまり、コイル92に流れる電流は1.3Aで飽和状態となる。
図3のフローチャートに戻り、説明を行う。ステップS6にて、初期制御を開始した後に所定時間tを経過した場合には、初期制御を停止して、保持制御を実行する(ステップS7)。そして、処理をリターンする。
そして、ステップS3にて、車両状態信号が走行状態の信号である場合には(ステップS3:No)、切替制御、すなわち初期制御および保持制御を停止する(ステップS8)。つまり、保持制御は、初期制御開始後に所定時間t経過した時点から、車両が走行状態になるまでの間、実行される。
ここで、保持制御について、図4を参照して説明する。保持制御とは、弁体70が最大変位量に達した後に、その状態を保持するための制御である。この保持制御においては、状態切替制御信号は、図4の上段に示すように、DUTY10%の周期的なパルス信号がとしている。すなわち、所定周期において10%の時間だけ、パワーアンプ回路100のスイッチング素子がONし、残りの90%の時間は、スイッチング素子がOFFしている。このように、状態切替制御信号は、初期制御における信号出力値に対して、保持制御における信号出力値を小さくしている。
このときにコイル92に流れる電流の平均値は、約0.1A程度となる。つまり、保持制御においてコイル92に供給する電流は、初期制御の場合に比べて大幅に小さくしている。このようにしても、最大変位量まで移動してしまった弁体70を保持するための力は、初期制御における弁体70を移動させるための力に比べると、非常に小さい。そのため、コイル92に僅かな電流を供給するのみで、図4の下段に示すように、弁体70は最大変位量の状態を保持できる。
そして、車両状態信号が走行状態になった場合に制御停止されると、状態切替制御信号は出力されず、パワーアンプ回路100のスイッチング素子がOFFとなる。つまり、図4の時刻T3に車両状態信号が走行状態になったとすると、その後僅かな時間を経過した時には、コイル92に流れる電流が零となり、弁体70が初期状態に戻る。そして、第二のオリフィス通路124が遮断状態に切り替わる。
ここで、本実施形態においては、アイドリング状態の場合に、弁体70を移動させる構成を採用している。ここで、弁体70を最大変位量の状態に保持するための電磁力は、付勢部材80の付勢力に、そのときに発生している非圧縮性流体の流動する力を加えた力よりも大きいことが必要である。そして、高周波数域であるアイドリング振動が発生している場合には、低周波数域であるシェイク振動が発生している場合に比べて、非圧縮性流体の流動する力が小さくなる。つまり、非圧縮性流体の流動する力が小さくなるアイドリング状態の場合に、コイル92に電流を供給して、弁体70を最大変位量の状態に保持させている。このように、アイドリング状態の場合に、弁体70を移動させる構成を採用することで、保持制御において、コイル92に供給する電流をより小さくすることができる。
そして、コイル92への供給電流が低減すれば、コイル92による消費電力が低減する。つまり、上述したように、保持制御において、DUTY100%である初期制御に比べてDUTYを小さくすることに加えて、アイドリング状態の場合にコイル92に電流を供給して、弁体70を最大変位量の状態に保持させることで、コイル92による消費電力がより低減する。
このように、コイル92による消費電力を低減することができることで、コイル92の発熱量を抑制することになる。これにより、コイル92の小型化、および、コイル92の放熱構造の簡素化により、流体封入式防振装置本体の小型化を図ることができる。さらに、コイル92の発熱量を抑制することにより、液室120に封入されている非圧縮性流体の温度上昇を抑制できる。仮に、非圧縮性流体の温度が高くなることにより、液室120を構成している本体ゴム弾性体31の温度が高くなり、ばね特性に影響を及ぼすおそれがある。その結果、適切な防振効果を発揮できないおそれがある。しかし、本実施形態によれば、非圧縮性流体の温度上昇を抑制できるので、適切に防振効果を発揮することができる。
ここで、異なる車種に搭載する流体封入式防振装置において、弁体70およびコイル92を含む流体封入式防振装置本体とパワーアンプ回路100とは、何れも、それぞれに応じた設計が必要となる。また、同一車両に搭載する仕様変更した流体封入式防振装置においても、弁体70およびコイル92を含む流体封入式防振装置本体とパワーアンプ回路100とは、何れも、それぞれに応じた設計が必要となる。このように、「弁体70およびコイル92」と「パワーアンプ回路100」とは一対一の関係からなる。
これに対して、制御信号生成回路2は、異なる車種に搭載する流体封入式防振装置や同一車両に搭載する仕様変更した流体封入式防振装置においても、同一の演算プログラムを適用することが可能である。つまり、制御信号生成回路2は、弁体70およびコイル92を含む流体封入式防振装置本体並びにパワーアンプ回路100が異なるとしても、同一のものを用いることができる。そして、制御信号生成回路2はパワーアンプ回路100とは別体に形成されているので、流体封入式防振装置本体並びにパワーアンプ回路100に関わりなく、制御信号生成回路2を共通化することが可能である。これにより、低コスト化を図ることができる。さらに、同一車両に搭載する流体封入式防振装置であって、当該装置の仕様を変更する場合においても、制御信号生成回路2は変更する必要がない。これにより、仕様変更への対応容易化を図ることができる。
さらに、本実施形態の流体封入式防振装置によれば、一対一の関係からなる「弁体70およびコイル92」と「パワーアンプ回路100」とは、アクチュエータユニット1として一体形成されている。このような一対一の関係からなる両者を一体的にユニット化することで、仕様に応じて変更する必要のある部分を実質的に一部品として把握することができる。つまり、ある要求仕様に対する特有の部品は、このアクチュエータユニット1の一部品のみとなる。従って、特有部品の部品点数の削減を図ることができ、部品管理が容易となり、結果として低コスト化を図ることができる。
また、パワーアンプ回路100は、スイッチング素子をスイッチング駆動することにより状態切替制御信号を増幅している。このように、スイッチング駆動を行う場合には、パワーアンプ回路100とコイル92とを接続する配線に、スイッチングノイズおよび電流変化による比較的大きなノイズが発生するおそれがある。しかし、この配線のほとんどまたは全部が、仕切部材本体61の内部に埋設されており、且つ、その長さが非常に短い。従って、この配線がノイズの発生源となる可能性はない。また、制御信号生成回路2とパワーアンプ回路100とを接続する配線8は、外部に露出しており、且つ、その長さも相当な長さである。しかし、この配線8は、制御信号を伝達するいわゆる信号線であるため、その配線8に流れる電流は小さい。従って、この配線8がノイズの発生源になるという問題はない。このように、ノイズの発生を抑制することができるため、他の装置へ影響を及ぼすことがない。
なお、上記において、状態切替制御信号をDUTY10%の周期的なパルス信号としたが、これは最小のDUTYである。このDUTYよりも小さくすると弁体70を最大変位量の状態を保持することができない。もちろん、DUTYを10%より大きくするのであれば、当然に弁体70を最大変位量の状態を保持できる。
流体封入式防振装置の構成図である。 流体封入式防振装置を含むシステム全体のブロック図である。 制御信号生成回路2のフローチャートである。 制御開始から制御停止までのタイミングチャートである。
符号の説明
1:アクチュエータユニット、 2:制御信号生成回路、
10:第一の取付金具、 20:第二の取付金具、
31:本体ゴム弾性体、 32:ストッパゴム、 33:第一のシールゴム、
40:固定金具、 51:ダイヤフラム、 52:第二のシールゴム、
60:仕切部材、 70:弁体、 80:付勢部材、 92:コイル、
100:パワーアンプ回路

Claims (4)

  1. パワーユニットと車両ボディの一方に取り付けられる第一の取付部材と、
    前記パワーユニットと前記車両ボディの他方に取り付けられる第二の取付部材と、
    前記第一の取付部材と前記第二の取付部材とを弾性連結する本体ゴム弾性体と、
    前記第二の取付部材に取り付けられ、前記本体ゴム弾性体との間に非圧縮性流体が封入された液室を形成する可撓性膜と、
    前記第二の取付部材に取り付けられ、壁部の一部を前記本体ゴム弾性体で構成する受圧室と壁部の一部を前記可撓性膜で構成する平衡室とに前記液室を仕切り、且つ、前記受圧室と前記平衡室を相互に連通すると共に前記パワーユニットによるシェイク振動に相当する低周波数域にチューニングされた第一のオリフィス通路とアイドリング振動に相当する高周波数域にチューニングされた第二のオリフィス通路をそれぞれ形成する仕切部材と、
    前記仕切部材に相対移動可能に支持され、車両が前記シェイク振動を発生する状態と前記アイドリング振動を発生する状態のそれぞれに応じて前記第二のオリフィス通路を連通状態と遮断状態に切替可能な弁体と、
    前記第二の取付部材または前記仕切部材に取り付けられ、通電により発生する電磁力の作用により前記弁体を移動させるコイルと、
    前記第二の取付部材、前記仕切部材および前記コイルと別体に形成且つ配置され、車両が前記シェイク振動を発生する状態と前記アイドリング振動を発生する状態を判別する車両状態信号に基づいて前記弁体の状態切替制御信号を生成する制御信号生成回路と、
    前記第二の取付部材、前記仕切部材または前記コイルに一体的に取り付けられるアクチュエータユニットを構成し、前記制御信号生成回路と別体に配置され、且つ、前記状態切替制御信号を増幅して前記コイルに電流を供給するパワーアンプ回路と、
    を備えることを特徴とする流体封入式防振装置。
  2. 前記状態切替制御信号は、前記コイルを非通電状態から通電状態に切り替える際に、切替開始から所定時間後における信号出力値を切替開始から前記所定時間経過までにおける信号出力値より小さくする請求項1に記載の流体封入式防振装置。
  3. 前記パワーアンプ回路は、スイッチング素子を備え、前記スイッチング素子をスイッチング駆動することにより前記状態切替制御信号を増幅する請求項1または2に記載の流体封入式防振装置。
  4. 前記流体封入式防振装置は、さらに、初期状態において前記第二のオリフィス通路が遮断状態となるように前記弁体に付勢力を及ぼす付勢部材を備え、
    前記コイルは、通電により発生する電磁力の作用により、前記第二のオリフィス通路が連通状態となるように、前記付勢部材の付勢力に抗して前記弁体を移動させる請求項1〜3の何れか一項に記載の流体封入式防振装置。
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